JP2008198762A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】シリコンゲート電極のシリサイド化に際し、電極の体積膨張に起因するゲートの側壁絶縁膜の破壊を防止する。
【解決手段】電極シリコン層のパターニング、ゲート電極のための第1及び第2側壁絶縁膜210、220の形成、及び、電極シリコン層及び側壁絶縁膜210、220と自己整合的なソース・ドレイン拡散領域103へのイオン注入を行った後に、電極シリコン層に接する第1の側壁絶縁膜210を、底部付近の一部を残してエッチング除去して、電極シリコン層の側面に空隙211を形成する。その後、金属層を堆積し、電極シリコン層のシリサイド化を行って、電極シリサイド層121を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、更に詳しくは、金属シリサイド層を含むゲート電極を有する半導体装置の構造及びその製造方法に関する。
半導体装置の微細化を進めるには、ゲート絶縁膜の薄膜化が必須である。ゲート絶縁膜の薄膜化により、ゲート容量が増加し、同じ動作電圧でより高速に半導体デバイスを動作させることが可能になる。ゲート絶縁膜には、従来から二酸化シリコン(SiO)膜が用いられており、現在その膜厚は1.5nm程度にまで薄膜化が進められている。しかし、SiO膜の薄膜化に伴って、ゲートリーク電流が指数関数的に増加するため、微細化によって消費電力が増加するという問題が発生している。そのため、ゲート容量を増加させる技術として、従来の多結晶シリコンからなるゲート電極に代えて、金属からなるゲート電極を形成する技術の開発が進められている。
多結晶シリコンからなる従来のゲート電極は、リンやボロンなどを多量にイオン注入することで、高濃度のN型又はP型の半導体電極として形成し、その電極抵抗を下げるとともに、N型FET及びP型FETに適した仕事関数を実現している。しかし、デバイスの動作時には、電極の多結晶シリコンが反転状態になるようにゲート電圧が印加されるので、ゲート容量に電極の反転容量が付加されるという問題がある。この容量付加によって、SiOの膜厚に換算して、およそ0.3nmに相当するゲート容量の低下が発生する。
ゲート電極を金属材料から形成すると、ゲート電極での反転容量が消滅するため、上記0.3nm分のゲート容量の低下を消滅させることが出来る。しかし、その一方で金属電極を形成する上での課題も多く、主なものだけでも、以下に述べる課題が、解決すべき課題として挙げられる。つまり、
1)N型FET及びP型FETのそれぞれに適した仕事関数を持つ材料を用いること、
2)50nm程度の細いゲート長に合わせて加工が出来ること、
3)1000℃にも達するソース・ドレイン拡散領域の不純物活性化熱処理に対して耐熱性を持つこと、及び
4)製造設備に金属汚染を発生させないこと
である。
N型FETに適した小さな仕事関数を持つ金属は、一般的に反応性が高く、例えば1000℃の不純物活性化熱処理によって、ゲート絶縁膜と反応を起こし、或いは、空気に曝されるだけでも酸化反応を起こすなど、取り扱いが困難である。またP型FETに適した小さな仕事関数を持つ金属は、貴金属など反応性に乏しい材料が多く、加工が困難である。また、N型FET形成領域及びP型FET形成領域で、異なる金属を成膜することも、工程が複雑化するという問題がある。
上記問題を解決する手法として、置換ゲート構造を用いたシリサイド電極形成プロセスが、非特許文献1などに提案されている。この置換ゲートプロセスでは、まず多結晶シリコンを用いてゲート電極形状を形成することでゲート領域を規定し、そのゲート領域をマスクとして不純物注入を行い、ソース及びドレイン領域を構成する不純物拡散層を形成する。次いで、ゲート領域上に金属層を成膜し、熱処理により電極シリコン中の多結晶シリコンと反応させ、金属シリサイド電極を得る。このように、ゲート電極周辺の構造を全て形成した後に、ゲート領域内の多結晶シリコンをシリサイド化することによって、先に挙げた課題の内で、課題2)及び3)を回避できると共に、現状のプロセスからの変更点も少なく、量産性に優れたプロセスが得られる。以下に、一般的な置換ゲートプロセスを用いたシリサイド電極の形成プロセスを示す。
まず、シリコン基板上に、STI(Shallow Trench Isolation)などの素子分離構造を形成し、次いでゲート絶縁膜を形成し、その上に、多結晶シリコン層と、そのシリサイド化を防止するためのSiOマスク層とを含む積層構造を形成する。マスク層は、SiOでなく窒化シリコン(SiN)などでも構わない。この積層構造を加工してゲート領域を形成し、これをマスクとして不純物の注入を行う。その後に基板表面全体を覆うようにSiO膜を成膜し、エッチバックを行って多結晶シリコン電極の側面に側壁を形成する。さらにイオン注入を行って、ソース・ドレイン拡散領域を形成し、不純物を活性化するための熱処理を行う。その後に、基板全面にNiなどの金属を成膜し、ソース・ドレイン拡散領域で浅いシリサイド化を行う。通常のシリサイド化プロセスでは、多結晶シリコン電極上にSiOマスク層が存在しないため、この工程で多結晶シリコン電極の上部もシリサイド化される。しかし、置換ゲートプロセスでは、SiOマスク層が存在するため、多結晶シリコン電極のシリサイド化が起こらない。
その後、基板全面にSiOやSiNなどで層間絶縁膜を形成し、CMPを行って層間絶縁膜を平坦化する。さらにCMP、或いは、ドライエッチバックやウェットエッチなどで層間絶縁膜を薄くし、SiOマスク層を露出させる。露出したSiOマスク層を除去し、多結晶ポリシリコン層を露出させることで、電極シリコン層の表面は露出しているが、ソース・ドレイン拡散領域は層間絶縁膜で覆われている構造を形成する。この状態で、Niなどの金属層を成膜し、熱処理によってシリサイド化反応を起こさせる。これにより、ソース・ドレイン拡散領域のシリサイド層を薄く維持したまま、電極シリコン層のみを完全にシリサイド化した、フルシリサイド化ゲート電極を形成することが出来る。
前記のような、置換ゲートプロセスを用いたフルシリサイド化ゲート電極に対し、N型FETとP型FETとでシリサイド化する金属の種類を変える手法(特許文献1)、或いは、シリサイドの組成を変えることで電極の仕事関数を制御する手法(特許文献1、2)も提案されている。特に、シリサイドの組成を変えて仕事関数を制御する手法(特許文献2)は、単一の金属種のみを用いて、電極の製造が可能になるので、設備投資や汚染管理の観点からも好ましい。
"Threshold voltage control in NiSi-gated MOSFETs through silicidation induced impurity segregation (SIIS)"0-7803-7873-3/03/$17.00 (c) 2003, IEEE. 特開2004−158593号公報 国際公開2006/001271号パンフレット 特開2004−080036号公報 特開平09−246544号公報
しかし、上記置換ゲートプロセスでは、金属の組成比が高いシリサイド電極を形成する場合には、以下のような問題点がある。
ゲート電極のシリサイド中の金属組成比を高めるためには、多量の金属を多結晶シリコンと反応させる必要があるものの、金属量が多すぎると、シリサイド化が基板まで進み、電極と基板が短絡するという問題が発生する。これは、電極シリコン層が膨張してゲート側面を押し拡げるため、ゲート側面と側壁絶縁膜との界面に亀裂が生じ、膨張した電極シリコンが亀裂に侵入するためである。電極シリコンが基板に接触すると、基板もシリコンで構成されているため、電極シリコン層と同様に基板もシリサイド化される。本来は、ゲート電極とシリコン基板とは側壁絶縁膜及びゲート絶縁膜で相互から完全に分離・絶縁されているが、電極シリコンの膨張によって、側壁絶縁膜が破壊されてこのような現象が起こる。この問題は、シリサイド中の金属組成比が高い程、またゲート長が短いほど発生し易くなる傾向がある。
図2は、各種金属シリサイドにおいて、シリサイド化前のシリコン体積に対するシリサイド体積の比を、金属組成比に対して示すグラフである。金属組成比が高いほど、シリコンとシリサイドの体積差が大きいため、シリサイド電極の金属組成比を高めるほど、側壁絶縁膜の破壊が起こりやすくなることが理解できる。
上記側壁絶縁膜の破壊は、シリサイド化反応の際に電極シリコン層が高融点金属で覆われているために、ゲート長が短いFETで特に発生しやすい。置換型ゲート構造を用いてシリサイド化反応を起こす場合には、側壁絶縁膜に囲まれた電極シリコンに上方から金属原子が供給され、上方から順次に反応が進み体積膨張が発生する。このとき、電極シリコン層は、側壁絶縁膜に囲まれているため、基板の平面方向への膨張は起こらず、上下方向に体積膨張をする。電極シリコン層の上部は金属が覆っているが、シリサイド化反応が進むにつれて、電極上部の金属が消費され、シリサイドが膨張する余地が発生する。
シリサイド化反応が起こると、図2に示すように、シリサイドの体積は電極シリコンよりは大きくなるが、反応前の電極シリコンと金属の体積の和よりは小さくなる。そのため、電極シリコンが高融点金属で覆われていても、それによって蓋をされて上方向へのシリサイドの成長が妨げられるという事態は原則として起こらない。しかし、高融点金属は、電極直上だけでなく基板全面を覆っているため、電極シリコン層の直上以外の領域にある高融点金属が回り込んでシリコンと反応する。従って、電極シリコン層の直上にある高融点金属が消費されないままシリサイド化反応が進み、実質的に高融点金属によってシリサイド層が蓋をされた状態になる。
上記のように、上方向への電極シリサイド層の成長が阻害されると、電極シリサイド層は横方向に体積膨張しようとし、横方向に強い圧力が生じて側壁絶縁膜の破壊に至る。回り込む金属の量は、電極シリコン層の周囲長に比例するため、ゲート長が短いほど電極シリコン層の直上の金属量に対して回りこむ金属量の相対比が高くなり、破壊が起こりやすくなる。様々な条件で電極シリコン層のシリサイド化を行った結果、ゲート長が電極シリコン層の高さ寸法よりも小さくなると、側壁絶縁膜の破壊が発生し始めることが判った。
半導体装置の高性能化のために年々ゲート長は縮小されており、現在では電極シリコン層の高さがおよそ100nm程度であるのに対し、ゲート長は50nm以下の寸法が必要とされており、この形状において金属組成比の高いシリサイド電極を形成すると、側壁絶縁膜の破壊による歩留まりの低下が深刻な問題となる。
また、シリサイド化の際の膨張率が小さく、側壁絶縁膜の破壊にまで至らない条件であっても、電極の膨張圧力によって、トランジスタのチャネル部分に引っ張り歪みが発生する。引っ張り歪みは、電子の移動度を向上させ、N型FETの動作電流を増加させる効果がある。しかし、逆に正孔の移動度を低下させるため、P型FETに引っ張り歪みがかかると、P型FETの動作電流が減少する。NiやWなどの高融点金属を用いたシリサイド電極では、金属組成比を高くするにつれて仕事関数が大きくなるため、N型FETには金属組成比が低いシリサイド電極を用い、P型FETには金属組成比が高いシリサイド電極を用いることが望ましい。その結果として、N型FETでは引っ張り歪みが小さいため動作電流が増加せず、P型FETでは引っ張り歪みが大きいため動作電流が減少し、デバイス特性が劣化するという問題が発生する。
さらに、一般に金属的な性質を持つシリサイドの熱膨張係数はシリコン基板よりも大きいため、シリサイドゲート電極の形成以降の工程で熱負荷がかかると、ゲート電極の熱膨張によって側壁絶縁膜の破壊が誘発される。更には、製品としての動作中に発熱などで温度が上昇すると、ゲート電極の熱膨張により引っ張り歪みが発生し、トランジスタ特性が劣化するという問題もある。
本発明は、上記従来の置換ゲートプロセスを採用する半導体装置の製造プロセスの問題に鑑み、シリサイド化の際あるいはデバイス動作時に発生するゲート電極の膨張に際して、好ましくない歪の発生を抑制することにより、ゲート電極の側壁絶縁膜の破壊やデバイス特性の劣化を防止する置換ゲートプロセスを有する半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、更に、上記本発明の半導体装置の製造方法によって製造される半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板上にゲート絶縁膜を介してシリコン含有層を堆積する工程と、前記シリコン含有層をパターニングしてゲート電極の形状を有する電極シリコン層を形成する工程と、少なくとも前記半導体基板の上部を覆い且つ前記電極シリコン層の表面の少なくとも一部を露出する第1の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜から露出する電極シリコン層の表面部分を少なくとも覆う金属層を堆積する工程と、前記電極シリコン層中のシリコンと前記金属層中の金属とをシリサイド化反応させて金属シリサイド層を含むゲート電極を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法において、
前記電極シリコン層の側面に近接して空隙を形成し、前記シリサイド化反応においてゲート電極材料を空隙方向に体積膨張させることを特徴とする。
また、本発明の第1の態様に係る半導体装置は、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成された、金属シリサイド層を含むゲート電極と、該ゲート電極の側面に隣接する側壁絶縁膜と、前記ゲート電極及び側壁絶縁膜に自己整合的に形成されたソース・ドレイン拡散領域と、該ソース・ドレイン拡散領域に隣接するエクステンション拡散領域とを有するMISFETを備える半導体装置において、
前記側壁絶縁膜が、前記ゲート電極の側面に隣接する第1の側壁絶縁膜と該第1の側壁絶縁膜の側面を覆う第2の側壁絶縁膜とを有し、前記第1の側壁絶縁膜は、前記第2の側壁絶縁膜及び前記ゲート電極の何れよりも高さが低く、且つ、前記ゲート電極の一部が上部に張り出していることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る半導体装置は、半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成された、金属シリサイド層を含むゲート電極と、該ゲート電極の側面に隣接する側壁絶縁膜と、前記ゲート電極及び側壁絶縁膜に自己整合的に形成されたソース・ドレイン拡散領域と、該ソース・ドレイン拡散領域を囲むエクステンション領域とを有するMISFETを備える半導体装置において、
前記側壁絶縁膜が、前記ゲート電極の側面から順次に配設された第1〜第3の側壁絶縁膜を含み、前記第1及び第2の側壁絶縁膜は、前記第3の側壁絶縁膜よりも高さが低く、且つ、前記第ゲート電極の一部が少なくとも前記第1の側壁絶縁膜の上部に張り出していることを特徴とする。
本発明の第3の態様に係る半導体装置は、導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成された、金属シリサイド層を含むゲート電極と、該ゲート電極の側面に隣接する側壁絶縁膜と、前記ゲート電極及び側壁絶縁膜に自己整合的に形成されたソース・ドレイン拡散領域と、該ソース・ドレイン拡散領域を囲むエクステンション領域とを有するMISFETを備える半導体装置において、
前記側壁絶縁膜が、前記ゲート電極の側面から順次に配設された第1〜第3の側壁絶縁膜を含み、前記第2の側壁絶縁膜は、前記第1及び第3の側壁絶縁膜よりも高さが低く、且つ、前記第1の側壁絶縁膜の一部が前記第2の側壁絶縁膜の上部に張り出していることを特徴とする。
本発明の半導体装置、及び、本発明の半導体装置の製造方法で製造される半導体装置では、電極が体積膨脹する場面において電極とそれを囲む側壁絶縁膜との間に予め空隙を形成しておき、電極の膨脹による影響を緩和する。本発明の製造方法では電極シリコン層のシリコンと金属とを反応させるシリサイド化工程において、電極シリコン層に近接して空隙を形成しており、電極シリコン層が膨張しても、膨張によって発生する応力が空隙に吸収されるので、ゲート電極に近接する領域での歪みが低減できる。これにより、側壁絶縁膜の破壊が抑制され、従来は高い歩留まりで作製することが困難であった、金属組成比の高い金属シリサイドを有するゲート長の細い電極の形成が可能となる。
また本発明による製造方法の第2の効果として、デバイス特性の向上が挙げられる。従来構造では電極のシリサイド化によって発生する応力が側壁絶縁膜の破壊に至るほど大きくない場合においても、電極からの応力によってチャンネル領域に好ましくない歪が加わり、デバイスの特性が劣化するという問題があった。しかし本発明の構造、製法を用いることにより応力を低減し、デバイス特性を向上させることができる。
また、本発明の構造を持つ半導体装置は、シリサイド電極と側壁絶縁膜との間に空隙を残していてもよい。この場合には、デバイス使用時の特性劣化を防止する新たな効果が得られる。デバイスは使用時に発熱するため温度が上昇する。この時、電極とシリコン基板との熱膨脹係数の違いによってチャンネル領域に好ましくない歪が加わり、デバイス特性が劣化する。しかし、上記構造を用いることによって電極の膨脹が空隙に吸収され、好ましくない歪を抑制でき、高い性能を維持できる。
電極の体積膨脹による歪の発生を抑制するためには電極とそれを囲む側壁絶縁膜との間に充分な間隔の空隙が形成されていれば良い。必要な空隙幅はゲート電極の体積変化量、ゲート長、ゲート高さによって決まる。
体積変化が最も大きいのはゲート電極をシリサイド化する工程である。この場合、電極の体積はおよそ2倍に増加するが、ゲート長がゲート高さより大きい場合はシリサイド化によって上方向への体積膨脹が起こるためシリサイド化による側壁絶縁膜の破壊は起こらず、空隙を形成する必要はない。
ゲート長がゲート高さより小さい場合は上方向への体積膨脹が充分に起こらず、シリサイド化による破壊が起こるため空隙が必要となる。特許文献2によるとシリサイドの金属とシリコンの組成比は3:1程度まで高めることが好ましく、この場合電極の体積はおよそ2倍になる。このとき電極の横方向への膨張は最大で21/3倍、つまり、1.26倍であるため、ゲート側面の両側に形成される空隙の幅はゲート長の0.13倍あれば足りる。
一方、熱膨張係数の違いによる体積変化の場合は、膨脹量が0.1%程度と小さいため、極僅かの空隙が形成されていれば充分である。空隙幅が1nmあればゲート長が1μmの巨大なトランジスタの電極の熱膨張を吸収できる。
本発明と同様にゲート電極の側面に近接して空隙を形成する構造には、特許文献3、特許文献4のような先行例がある。これらの先行例は、いずれも側壁を介したゲート電極と基板間の寄生容量を低減させるために、電極側面の横に空隙を形成している。これら引例では、その目的ため、より基板に近い領域に空隙が形成されていることが望ましく、空隙は基板又はゲート絶縁膜に接して形成されている。
しかし空隙は、基板又はゲート絶縁膜に接していると、以下のような問題が生じる。
1.空隙の下部でシリコン基板が露出し、ゲート電極と短絡を起こす。
2.電極の体積膨脹によりゲート長が長くなるため、デバイス特性が劣化する。
これらの問題を解決するため、シリコン基板近傍では側壁絶縁膜を除去せず残しておく構造が好ましい。ゲート長が電極シリコン層の高さ以上であれば側壁絶縁膜の破壊は発生しないため、残す側壁絶縁膜の高さ、つまり空隙の底面とシリコン基板との距離がゲート長以下であれば側壁絶縁膜の破壊は生じない。
また、熱膨張による歪も電極と側壁絶縁膜が接している面積が小さくなればそれに比例して小さくなるため、デバイス特性の改善効果は得られる。
上記で説明したような半導体装置を製造する方法、およびそれによって得られた構造の最良の形態は下記のようになる。
電極のシリサイド化による側壁絶縁膜の破壊を防止する場合は、シリサイド化工程で空隙を形成する必要がある。この工程を図13(a)〜(d)に示す。まず基板上にゲート絶縁膜110と電極シリコン層120が順次積層されたゲートと、それを囲むように側壁絶縁膜が形成されてする(図13(a))。側壁絶縁膜は、空隙を形成するために除去するスペーサー領域210と除去しない領域220とから成っている。次にスペーサー210を選択的に除去して空隙211を形成する(図13(b))。空隙211を形成した後に、シリサイド化反応を起こさせる金属層400を堆積する(図13(c))。空隙211に金属が侵入すると電極上部の金属の消費量が減少するため、空隙211には金属が入らないような埋め込み特性の悪い方法で金属を堆積することが望ましい。
空隙211の深さは、スペーサー210の残膜高さがゲート長より小さくなる方が、また空隙幅はゲート長の13%より大きくなる方が破壊の防止にはより好ましい。このような構造を形成して電極シリコン層120をシリサイド化することにより、図13(d)に示すように、元々の電極シリコン層120の2倍の体積を持つ金属シリサイド電極121を破壊なく形成することが可能となる。
なお、電極の熱膨張によるデバイス特性の劣化を抑制する場合は、金属電極が形成された後に空隙211が存在する必要がある。形成する空隙211は、前述したように極く僅かの幅があれば充分であり、空隙211の深さも深いほど抑制効果が高くなる。シリサイド化後の空隙は、図13(b)における空隙211の形成の際に、空隙の幅を側壁の破壊を防止するのに必要な値以上にしておくことで形成できる(図14(a))。この場合、シリサイド電極121の側部に空隙211aが残される(図14(b))。
本発明の半導体装置の製造方法では、前記シリコン含有層を堆積する工程が、シリコンを堆積する処理と該シリコン中に不純物を導入する処理とを含んでもよい。
また、前記ゲート電極及び第1の層間絶縁膜を覆って第2の層間絶縁膜を形成する工程を更に有し、該第2の層間絶縁膜を形成する工程は、前記空隙の少なくとも一部を残すようなプロセス条件を採用してもよい。
前記第1の層間絶縁膜を形成する工程に先だって、前記電極シリコン層の側面に第1の側壁絶縁膜を形成する工程と、前記第1の側壁絶縁膜と少なくとも一部の材質が異なる第2の側壁絶縁膜を前記第1の側壁絶縁膜の側面に形成する工程とを有し、前記第1の層間絶縁膜を形成する工程に後続して、前記第1の側壁絶縁膜の上部部分を除去して前記空隙を形成する工程を有してもよい。
更に、前記第1の側壁絶縁膜を形成する工程と前記第2の側壁絶縁膜を形成する工程との間、及び、前記第2の側壁絶縁膜を形成する工程と前記第1の層間絶縁膜を形成する工程との間に、それぞれ、前記半導体基板の表面部分に不純物を注入する工程を更に有してもよい。
更に、前記第2の側壁絶縁膜が、前記第1の側壁絶縁膜と隣接する部分に該第1の側壁絶縁膜と同じ材質を有する第1の領域を含み、該第1の領域が、前記空隙を形成するステップで前記第1の側壁絶縁膜と共に除去されて前記空隙を形成してもよい。
更に、前記第1の側壁絶縁膜が、前記電極シリコン層に隣接する第1の領域と前記第2の側壁絶縁膜に隣接する第2の領域とを含み、前記空隙を形成するステップは、前記第2の領域を除去して空隙を形成してもよい。
更に、前記半導体基板がシリコン基板であり、前記第2の側壁絶縁膜を形成する工程に後続する不純物の注入工程と前記第1の層間絶縁膜を形成する工程との間に、前記シリコン基板の露出した表面部分のシリコンと金属とを反応させて金属シリサイド層を形成する工程を有してもよい。
更に、前記第1の側壁絶縁膜を形成する工程が、絶縁物を堆積する工程と該絶縁物をエッチバックする工程とを含み、該エッチバック工程は前記ゲート絶縁膜を選択的に除去する処理を含んでもよい。
本発明の第2及び第3の態様の半導体装置では、前記エクステンション拡散領域が、前記第1の側壁絶縁膜と自己整合的に形成されていてもよい。また、前記第3の側壁絶縁膜の底面と前記半導体基板との間には、前記第2の側壁絶縁膜の一部が介在していてもよい。
本発明の半導体装置では、前記側壁絶縁膜の少なくとも一部と前記半導体基板との間には、前記ゲート絶縁膜が介在していてもよい。また、前記ゲート絶縁膜が、高誘電率金属酸化物を含む構成を採用してもよい。
シリサイド化を行うための金属を堆積する際、基板の面内の一部の領域で電極シリコン層を覆うマスクが形成されており、全ての電極シリコン層がシリサイド化されなくても良い。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の構造を示す断面図である。同図において、半導体装置は、シリコン基板100の表面部分に形成された、STI構造を形成する素子分離絶縁膜101を有する。素子分離絶縁膜101は、シリコン基板100を複数の素子形成領域に区画している。各素子形成領域のシリコン基板100の表面部分には、一対のソース・ドレイン拡散領域103が形成され、ソース・ドレイン拡散領域103には、エクステンション拡散領域(Ext領域)102が付属しており、また、表面に形成された金属シリサイド層104を介して、図示しないソース・ドレインコンタクト層に接している。
ゲート電極(電極シリサイド層)121は、パターン化された電極シリコン層の全体が金属シリサイド層となるシリサイド化反応によって形成されたフルシリサイド化ゲート電極として構成され、ゲート絶縁膜110を介してシリコン基板100のチャネル領域に対向している。ゲート電極121の側方には、隙間(空隙)211を介してゲート電極121に対向する側壁絶縁膜220が形成されており、空隙211の底部には、ゲート電極121とシリコン基板100とを隔てる絶縁物であるスペーサー210が形成されている。
図3(a)〜(d)を参照して、本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造プロセスを説明する。同図(a)は、図1の半導体装置を、その製造プロセスにおける一工程段階で示す断面図である。シリコン基板100の表面部分に、まず素子分離絶縁膜101を形成し、素子分離絶縁膜101によって素子形成領域を区画する。素子形成領域のシリコン基板100上に、ゲート絶縁膜110を形成し、その上に、パターニングされた電極シリコン層120が形成されている。電極シリコン層120の上部にマスク層130を形成し、また、電極シリコン層120の側面には、第1の側壁絶縁膜(酸化膜)を構成するスペーサー210、及び、第2の側壁絶縁膜(酸化膜)220を形成する。
シリコン基板100の表面部分には、スペーサー210と電極シリコン層120をマスクとして、不純物をイオン注入してExt領域102を形成し、また、第2の側壁絶縁膜220、スペーサー210、及び、電極シリコン層120をマスクとして、不純物をイオン注入してソース・ドレイン拡散領域103を形成する。ソース・ドレイン拡散領域103の表面部分には、薄い金属シリサイド層104が形成されている。上記トランジスタ構造を含むシリコン基板100の全体を覆うように層間絶縁膜310を形成し、CMPなどの手法で平坦化し、電極シリコン層120を覆うマスク層130の表面を覆う層間絶縁膜310を除去する。図3(a)は、この工程段階で半導体装置を示している。
その後、ウェットエッチングなどによって、マスク層130を除去し、次いで第1の側壁絶縁膜を構成するスペーサー210の底部を残し、その上部部分を除去する。これによって、電極シリコン層120と第2の側壁絶縁膜(以下、単に側壁絶縁膜と呼ぶ)220との間に空隙211を形成する。残存しているスペーサー210の高さを、ゲートシリコン層のパターン幅、つまり、ゲート長以下にする。その後、基板全面に金属層400を成膜することにより、図3(b)の構造を得る。
図3(c)は、図3(b)の状態から、金属組成比の高いシリサイド電極を形成した後の状態を示す。金属層400をシリサイド化することにより、電極シリコン層120を電極シリサイド層121とする。このとき、電極材料は、体積膨張を起こす。従って、ゲート電極の側面に存在する空隙211の体積が減少する。空隙211の体積によっては、電極シリサイド層121と側壁絶縁膜220とが接する部分が形成される場合があるものの、側壁絶縁膜220の破壊が抑制される。これによって、金属組成比が高い電極シリサイド層121が、側壁絶縁膜220の破壊を伴うことなく形成される。形成された電極シリサイド層121は、スペーサー210が残されている底部付近の高さ位置では、その幅がゲート長と等しく、また、スペーサーが除去されて空隙211が形成された上部の高さ位置では、その幅がゲート長よりも広い形状となり、全体として略T字の形状となる。
その後、図3(d)に示すように、ゲート電極構造の全体を覆うように、上部の層間絶縁膜310を堆積する。空隙211が残っている場合は埋め込み性が比較的に低いプロセス条件で、上部の層間絶縁膜310を堆積し、電極シリサイド層121と側壁絶縁膜との間に、空隙211をできるだけ残した状態で成膜する。その後、層間絶縁膜310のエッチング等を行い、また、層間絶縁膜310の上部に配線を形成する。
従来の置換型ゲート構造では、金属組成比が高いシリサイド電極を形成すると、ゲート電極の側面に側壁絶縁膜が接して形成されているため、シリサイド化による電極材料の体積膨張によって、側壁絶縁膜やシリコン基板に圧力がかかり、側壁絶縁膜が破壊され、或いは、チャネル領域に引っ張り歪みが発生する。しかし、本実施形態の構造によると、ゲート電極と側壁絶縁膜との間に、空隙が存在するため、シリサイド化時に電極材料が膨張しても大きな圧力は発生せず、側壁絶縁膜の破壊やチャネル領域の引っ張り歪みが発生しない。
また、シリサイド化後に空隙211が残っている場合は上部の層間絶縁膜310の成膜時に、空隙211を残すようなプロセス条件を採用するので、層間絶縁膜310の形成以降の配線工程で、熱負荷により電極が熱膨張を起こしても側壁絶縁膜220の破壊が防止できる。また製品として動作させている場合においても、発熱による電極の熱膨脹による特性の劣化を防止し、或いはこれを抑制できる。
次に、図4(a)〜(d)を参照して、上記実施形態の変形例1を説明する。図4(a)は、FETを覆う層間絶縁膜310をCMP法で研磨して、ゲート電極上の層間絶縁膜310の部分を除去した時点での断面図である。本変形例では、側壁絶縁膜220を、スペーサー210と接する領域220aとその他の領域220bとに分け、領域220aとスペーサー210とが同じ材質で形成され、他の領域220bがこれとは異なる材質で形成されている点において、先の実施形態の構成と異なる。側壁絶縁膜220を形成するエッチバックでは、領域220aと領域220bとを一括でエッチバックしても個別にエッチバックしてもよい。
双方の領域220a及び220bを一括でエッチバックすることで得られる構造を図4(a)に示している。同図の場合には、側壁絶縁膜の一部領域220aがL字型になるため、Ext領域102上に220aと220bとが積層された構造が形成される。図4(b)は、領域220aと領域220bとを個別にエッチバックした場合に得られる構造を示す。この場合には、領域220bとExt領域102との間には領域220aが存在しない。
図4(a)及び(b)に示した構造から、スペーサー210を除去し、ゲート電極の側面に空隙を形成した状態を、それぞれ図4(c)及び(d)に示す。図4(a)及び(b)に示した構造では、スペーサー210を除去してゲート電極の側面に空隙を形成する際に、側壁絶縁膜の一部領域220aも同時に除去される。そのためExt領域102の縁部位置をスペーサー210の膜厚で規定し、ゲート電極側面の空隙211の幅は、スペーサー210と領域220aの幅の合計で規定することが出来る。
ゲート電極の膨張による側壁絶縁膜の破壊を防止するためには、ゲート電極側面に接する空隙211の幅が広い方が好ましい。しかし空隙211の幅を広くするためにスペーサー210を厚くすると、スペーサー210及び電極シリコン層120をマスクとして形成するExt領域102の縁部がゲート電極の縁部から離れるため、トランジスタを動作させる閾電圧が高くなる、或いは、閾電圧のゲート長依存性が大きくなるといった問題が発生する。実施形態の変形例3では、このExt領域102の縁部位置を、薄いスペーサー210の膜厚で設計し、側壁絶縁膜220の破壊を防止する空隙211の幅を、スペーサー210と側絶縁膜壁の一部領域220aの厚さの合計で設計する構成を採用する。このため、空隙211の幅を十分に広くとっても、Ext領域102の縁部が必要以上にゲート電極の縁部から離れることがない。また、ゲート絶縁膜110を、スペーサー210及び側壁絶縁膜220の一部領域220aの下部に残すことにより、変形例1で得られる効果を複合させることも可能である。
次に実施形態の変形例2を示す。図5(a)は、この変形例2における、ゲート電極上の層間絶縁膜310を除去した時点でのFETの断面図である。実施形態と異なる点は、スペーサー210が、ゲート電極に接する領域210aと、領域210aと側壁絶縁膜220とに挟まれた領域210bとからなり、領域210aと領域210bの材質が異なる点である。
図5(a)の構造から、スペーサー210の一部領域210bの除去を行い、側壁絶縁膜220の破壊を防止するための空隙211を形成した後の状態を図5(b)に示す。このステップでは、空隙211と電極シリコン層120との間に、スペーサーの一部領域210aが存在する。その後、電極シリコン層120が金属シリサイドになり、電極材料が膨張した状態を図5(c)に示す。電極シリコン層120が膨張し、電極シリサイド層121になることによって、電極シリコン層120に接しているオフセットスペーサーの一部210aが破壊される。しかし、領域210aと側壁絶縁膜220との間には、空隙211が存在するため、側壁絶縁膜220が破壊されることはない。
上記変形例2では、以下の効果が得られる。一般に、ゲート絶縁膜110の縁部ではゲート加工時のダメージや、材質的な不連続のために、異常リーク電流が発生しやすい。特に、ゲート縁部に接するスペーサー210の材質によっては、異常リーク電流が大きくなる。一般的には、スペーサーにSiNを用いると異常リーク電流が多く、SiOを用いると異常リーク電流が少なくなることが知られている。そのため、異常リーク電流抑制の観点から、スペーサー210に用いる材料が制限される。
一方、側壁絶縁膜の破壊防止や、チャネル領域への引っ張り歪みの緩和のためにスペーサー210を除去する際には、側壁絶縁膜や層間絶縁膜との間で選択性の高いエッチング条件で除去することが必要になる。そのため、側壁絶縁膜、層間絶縁膜などとのエッチ選択性の観点からも、スペーサー210に用いる材料に制限があり、異常リーク電流抑制からの観点による材料制限との両立が難しい。
しかし、上記変形例2の構造を用い、スペーサー210を、異常リーク電流を抑制するのに適した領域210aと、側壁絶縁膜220及び層間絶縁膜310と選択性良く除去できる領域210bとを分けることにより、スペーサーの材料選択の困難さを解消できる。また、変形例2においても、変形例1と同様に、スペーサー210a、210bの下部にゲート絶縁膜110を残すことによって、変形例1の効果と複合させることが可能である。
以下、上記実施形態及び変形例の半導体装置の製造方法を採用した実施例のプロセスについて説明する。
図6(a)〜図8(k)は、本発明の上記実施形態を採用した実施例1の製造方法における、MOSFETの作製工程段階を順次に示す断面図である。まず、図6(a)に示すように、シリコン基板100の表面部分にSTI(Shallow Trench Isolation)構造を形成する素子分離絶縁膜101を作製した。次に、素子分離絶縁膜101に囲まれた領域にイオン注入を行ってチャネル領域を形成し、その上にゲート絶縁膜110、電極シリコン層120、及び、マスク層130を順次に堆積した(図6(b))。ゲート絶縁膜110には、金属酸化物、金属シリケート、金属酸化物、又は、金属シリケートに窒素が導入された高誘電率絶縁膜が好ましい。より好ましくはHf又はZrを用いたシリケートの窒化物である。これは高温の熱処理に対して安定であると同時に、膜中の固定電荷の少ない膜が得られ易いためである。さらに、高誘電率ゲート絶縁膜のゲート電極と接する側に、Hf又はZrをより多く含む層を有することが好ましい。ゲート電極とこれに接する高誘電率膜との組合せにより、MOSFETの閾電圧が決定されるためである。また、シリコン基板とゲート絶縁膜との界面の界面準位を減らし、高誘電率絶縁膜中の固定電荷の影響をより小さくするため、高誘電率絶縁膜とシリコン基板の界面にシリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜を導入しても良い。より好ましくは、HfSiON膜を、シリコン酸化膜、又は、シリコン酸窒化膜上に成膜する。
本実施例では、ゲート絶縁膜中のHf濃度が深さ方向で変化していて、ゲート電極とゲート絶縁膜との界面付近におけるHfの濃度が最も高く、シリコン基板100とゲート絶縁膜110の界面付近がシリコン熱酸化膜の組成となっているHfSiONを用いた。このようなHfSiON膜を得るために、まず、1.9nm厚のシリコン熱酸化膜を形成した後、0.5nm厚のHfをロングスロースパッタ法で堆積し、酸素中で500℃、1分の熱処理、及び、窒素中で800℃、30秒の熱処理の2段階熱処理を行うことにより、Hfを下地のシリコン酸化膜中へ固相拡散させて、HfSiO膜を形成した。その後、NH雰囲気中で900℃、10分の窒化アニールを行い、HfSiON膜を得た。電極シリコン層は、CVD法による厚さ80nmの多結晶シリコンを用いた。後の工程でシリサイド電極を形成するため、この層にはシリコンが用いられる。或いは、シリコン含有率の高い層が用いられる。電極シリコン層120には、リンやボロンなどの不純物を添加し、或いは、ゲルマニウムなどを導入する。マスク層130には、CVD法で形成した100nm厚のSiOを用いた。マスク層130は、サリサイド工程で、ソース・ドレイン拡散領域103のシリサイド化を行う際に、電極シリコン層120のシリサイド化を防ぐためのものである。従って、SiOに限らず、SiNやこれらの積層構造でも構わない。
図6(b)の構造から、フォトレジストの塗布、露光、及び、現像によりマスクを形成し、そのマスクを用いてドライエッチングを行うといった通常の手法によるパターンニングを行い、ゲート絶縁膜110、電極シリコン層120及びマスク層130をゲート電極形状に形成し、図6(c)の構造を得た。
次に、ウェハ全面に10nm厚のSiN膜を成膜し、これをエッチバックして電極シリコン層120などの側面に、厚さ10nmのスペーサー210を形成した。スペーサー210の厚みは、電極シリコン層120のシリサイド化による体積膨脹を吸収する緩衝空間の厚みを規定するので、破壊が起こるゲートパターンのうち最も長いゲート長の13%以上の厚さにする。本実施例では、電極シリコン層120の厚さが80nmであるため、80nm以下のゲート長から破壊が発生し始める。そのため、スペーサー210の厚さは10nm以上にする。この電極シリコン層120とスペーサー210とをマスクとして、不純物のイオン注入を行い、Ext領域102を自己整合的に形成した(図6(d))。
次にSiO膜を成膜し、これをエッチバックして側壁絶縁膜220を形成し、この状態で、不純物のイオン注入を再度行い、活性化アニールを経て、ソース・ドレイン拡散領域103を形成した(図7(e))。
次に、厚さ10nmの金属層をスパッタにより全面に堆積し、サリサイド技術により、電極シリコン層120、側壁絶縁膜220、及び、素子分離絶縁膜101をマスクとして、ソース・ドレイン拡散領域103のみに、厚さ約20nmのシリサイド層104を形成した(図7(f))。このシリサイド層104は、コンタクト抵抗を最も低くすることができるNiモノシリサイド(NiSi)とした。Niシリサイドに代えて、CoシリサイドやTiシリサイドを用いてもよい。また、電極シリコン層120の上部には、マスク層130が形成されているため、この工程で電極シリコン層120がシリサイド化されることはない。
次に、図7(g)に示すように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、SiOの層間絶縁膜310を形成した。この層間絶縁膜310を、CMP技術によって図7(h)に示すように平坦化し、さらに、層間絶縁膜310のエッチバック、及び、マスク層130の除去を行うことで、電極シリコン層120を露出させた。その後、スペーサー210を選択エッチングして、図8(i)に示すように、電極シリコン層120と側壁絶縁膜220の間に、厚さ10nmの空隙211を形成した。
次に、図8(j)に示すように、電極シリコン層120をシリサイド化させる金属層400を堆積した。このとき、金属層400は、電極シリコン層120とシリサイドを形成可能な金属、例えば、Ni、Pt、Hf、V、Ti、Ta、W、Co、Cr、Zr、Mo、Nbや、それらの合金などから選択できる。選択する金属としては、ソース・ドレイン拡散領域103に既に形成されているシリサイド層の抵抗値がそれ以上高くならない温度で、電極シリコン層120を完全にシリサイド化できる金属が好適である。例えば、ソース・ドレイン拡散領域103にNiモノシリサイド(NiSi)層が形成されている場合には、Niダイシリサイド(NiSi)化により寄生抵抗が高くなることを防ぐために、その後のプロセス温度を500℃以下にする。本実施例では、500℃以下でシリサイド化が十分進行するNiを用いた。この工程でのNi膜厚は、電極シリコン層120とNiとが十分反応してシリサイド化した時に、ゲート絶縁膜110に接している側の組成が、NiSi1−x(0.5≦x<1)となるような膜厚を設定する。好ましくは、シリサイド化反応後のシリサイド膜がNiSi相を主成分として含むような膜厚を設定する。NiSi相を主成分として含むシリサイドのHfSiON上の仕事関数が4.8eVに設定できるためである。本実施例では、DCマグネトロンスパッタ法により室温で、Niを130nm成膜した。
次に、電極シリコン層120をシリサイド化させる熱処理を行った。この熱処理は、金属層の酸化を防ぐため非酸化雰囲気中であることが求められると同時に、ゲート絶縁膜110上の電極シリコン層120を全てシリサイド化するために十分な拡散速度が得られ、かつソース・ドレイン拡散領域103に形成されているシリサイド層104が高抵抗にならない温度で行う必要がある。本実施例では、ソース・ドレイン拡散領域103に形成されているシリサイドと、ゲート電極上に形成するシリサイドが共にNiであることから、熱処理の条件は、窒素ガス雰囲気中で450℃、2分とした。ソース・ドレイン拡散領域103に形成されているシリサイドがCoシリサイドやTiシリサイドであれば、より高温領域、例えば800℃程度まで許容される。この熱処理により、シリサイド電極は、Ni/(Ni+Si)組成比が0.75であるNiSi相がメインとなる、NiSi相との混合相であることが、X線回折(XRD)測定及びラザフォード後方散乱(RBS)測定により確認された。このシリサイド化では、電極材料の体積はおよそ2倍に膨脹するものの、ゲート電極と側壁絶縁膜との間に空隙211を形成しているため、側壁絶縁膜220の破壊は発生しない。
熱処理においてシリサイド化反応しなかった余剰のNi膜及びTiN膜は、硫酸過酸化水素水溶液を用いてウェットエッチング除去した(図8(k))。その後、埋め込み性が低いプロセス条件を用いたCVD法により、空隙211を残したまま層間絶縁膜を形成した。
実施例1では、以上のような工程により、微細ゲートにおいてNi組成比の高いシリサイド電極をゲート側壁絶縁膜220の破壊を伴うことなく作製できた。
図9(a)〜図10(h)は、変形例1の製造方法を採用した実施例2によるMOSFETの作製工程を示した断面図である。まず実施例1と同様に、図9(a)に示すように、素子分離絶縁膜101、及び、チャネル領域を形成し、その上にゲート絶縁膜110、電極シリコン層120、及び、マスク層130を形成した。
図9(a)の構造から、フォトレジストの塗布、露光、及び、現像によりマスクを形成し、そのマスクを用いたドライエッチングといった通常の手法によるパターンニングを行い、ゲート電極を形成し、実施例1と同様に図9(b)の構造を得た。
次に、5nm厚のSiNスペーサー210を形成し、Ext領域102を形成するために不純物のイオン注入を行い、図9(c)の構造を得た。続いて、5nm厚のSiN層とSiO層を積層し、これをエッチバックして、図9(d)に示す側壁絶縁膜220を形成した。側壁絶縁膜220は、SiN領域層220aとSiO2領域層220bとから成る2層構造を持つ。その後、ソース・ドレイン拡散領域103を形成し、サリサイド工程によってソース・ドレイン拡散領域103にのみ、Niシリサイド層104を形成し、図10(e)に示す構造を得た。
その後、SiOの層間絶縁膜310を形成し、この層間絶縁膜310をCMPで研磨し、更にマスク層130のエッチングを行うことで、電極シリコン層120を露出させ、図10(f)に示す構造を得た。その後、図10(g)に示すように、SiNからなるスペーサー210と側壁絶縁膜220の一部領域220aを選択エッチングして、電極シリコン層120と側壁絶縁膜220との間に、厚さ10nmの空隙211を形成した。本構造では、SiNスペーサー210の厚さは5nmであるが、側壁絶縁膜220の一部領域220aにSiNを用いたので、スペーサー210の膜厚よりも厚い空隙211を形成することが出来る。また、本実施例と実施例2とを組み合わせ、スペーサー210及びSiN層から成る側壁絶縁膜の一部領域220aと、シリコン基板100との間にゲート絶縁膜110を残し、スペーサー210と側壁絶縁膜の一部領域220aを全て除去することも可能である。
図10(g)の構造から、130nm厚のNi膜を堆積し、窒素ガス雰囲気中で450℃、2分の熱処理を行って、電極シリコン層をシリサイド化させた。これによって、図10(h)に示すように、微細ゲートにおいて、Ni組成比が高いシリサイド電極121を、側壁絶縁膜の破壊を伴うことなく形成できた。
図11(a)〜図12(g)は、変形例2の製造方法を採用した実施例3によるMOSFTの作製工程を順次に示す断面図である。まず実施例1と同様の工程により、図11(a)に示すように、素子分離絶縁膜101、及び、チャネル領域を形成し、その上に、ゲート絶縁膜110、電極シリコン層120、及び、マスク層130を形成した。
図11(a)の構造から、フォトレジストの塗布、露光、及び、現像によりマスクを形成し、このマスクを用いるドライエッチングといった通常の手法によるパターンニングを行い、ゲート電極を形成し、実施例1と同様に、図11(b)の構造を得た。
次に、2nm厚のSiO層と10nm厚のSiN層の2層構造からなるスペーサー210を形成し、図11(c)に示す構造を得た。スペーサー210は、電極及びゲート絶縁膜110に接している領域210aが2nm厚のSiOで、他の領域210bが10nm厚のSiNである。HfSiONゲート絶縁膜110の端面は、SiOの領域210aで覆われているため、SiNで覆われている場合に発生するような異常リーク電流は抑制される。続いてExt領域102、側壁絶縁膜220、及び、ソース・ドレイン拡散領域103を形成し、サリサイド工程によってソース・ドレイン拡散領域103にのみ、Niシリサイド層104を形成し、図11(d)に示す構造を得た。
次に、SiOの層間絶縁膜310を形成し、この層間絶縁膜310のCMP、及び、マスク層130のエッチングを行うことで、電極シリコン層120を露出させ、図12(e)に示す構造を得た。その後、SiNを選択エッチングして、スペーサーの一部領域210bを除去し、2nm厚のSiO膜210aを介して、電極シリコン層120と側壁絶縁膜220との間に、厚さ10nmの空隙211を形成した(図12(f))。
次に、厚さ130nmのNi膜を堆積し、窒素ガス雰囲気中で、450℃、2分の熱処理を行って、電極シリコン層120をシリサイド化させ、図12(g)の構造を得た。この時、電極材料の体積膨脹が発生し、2nm厚のSiO膜210aは破壊される。しかし、その外側に10nm厚の空隙211があるため、側壁絶縁膜220が破壊されることはない。上記の工程を経て、微細ゲートにおいて、Ni組成比が高いシリサイド電極を、側壁絶縁膜の破壊を伴うことなく形成した。
上記実施形態及び実施例では、トランジスタ形成プロセスにおいて、電極シリコン層120上のSiOマスク層130を除去した後に、電極シリコン層120に隣接する側壁絶縁膜の一部を除去し、予め空隙を形成しておくことで、電極のシリサイド化による体積膨張が起こっても側壁絶縁膜220に圧力がかからず、チャネル領域の引っ張り歪みを緩和し且つ側壁絶縁膜の破壊を防止する。
例えば、従来構造で、シリサイド電極がNixSiの場合には、Ni組成比を75%にすることでNiSiでは4.6eVだった仕事関数を4.9eVまで変化することが知られている。しかし、置換型ゲートプロセスでNiSiを形成すると、シリサイド化時の体積膨張によって側壁絶縁膜が破壊され、デバイスを形成することが困難になる。現在のLSIの集積度を考慮すると、全てのトランジスタで側壁絶縁膜が破壊されないようにすることは非常に困難であるため、NiSiを用いてLSIを製造することは事実上不可能であった。また、電極の形成以降の熱負荷や動作中の発熱のため発生する電極の熱膨張により、側壁絶縁膜の破壊やデバイス特性の劣化が起こるという問題もあった。
しかし、本発明によると、シリサイド化に際して、或いは、電極の温度上昇によって電極材料が膨張して発生する、電極や側壁絶縁膜にかかる圧力が解消される、或いは大幅に緩和される。このため、側壁絶縁膜の破壊を防止し、デバイス特性の劣化をも防止、或いは抑制できる。これにより金属組成比が高いシリサイド電極をLSIに適用することが可能になる。
また、本発明によると、トランジスタのチャネル歪みの制御によるトランジスタ特性の劣化防止が可能になる。一般に、電極のシリサイド化によって側壁絶縁膜に圧力が加わっても、圧力が十分に大きなものでなければ側壁絶縁膜は破壊しない。しかしその場合においても、チャネル領域に引っ張り歪みがかかり、P型FETの動作電流を低下させるという問題がある。本発明の手法を用いると、電極シリコン層に隣接して空隙が形成されているため、シリサイド化の際に体積膨張が発生しても、チャネル領域には歪みは発生しない、或いは歪みを大幅に緩和することが出来る。これにより金属組成比の高いシリサイド電極をP型FETに適用した場合にもデバイス特性の劣化が防止できる。
側壁絶縁膜の破壊は、電極シリコン層の全体をシリサイド化する際に、特に発生することが知られている。これは、シリサイド化に伴う電極材料の体積膨張によるもので、電極の金属組成比が高くなるにつれて体積膨張率も大きくなるため破壊しやすくなる。そこで、電極と側壁絶縁膜との間に空隙を形成し、電極材料の体積膨張をこの緩衝空間で吸収することにより、側壁絶縁膜の圧迫を防ぎ、破壊を防止する。電極の膨張率は、形成するシリサイドの組成比によって異なるものの、一般的に使用される範囲ではシリコンに対する金属の組成比はおよそ0.5〜3であり、このときのシリコンに対して生成されたシリサイドの体積比は1〜2である。そのため横方向への膨張は最大で21/3倍、つまり、1.26倍である。緩衝空間はゲート側面の両側に形成されるため、その厚さはゲート長の0.13倍あれば足りる。また、緩衝空間は電極の周囲全体に形成されている必要はない。前述のように、電極シリコン層の高さがゲート長より小さい条件では、シリサイド化による側壁絶縁膜の破壊は起こらないため、ゲート長以下の高さの範囲でシリコンが側壁絶縁膜に接して囲まれていてもよい。
上記実施形態では、空隙を含む電極構造の形成後に、電極構造を覆うように上部の層間絶縁膜を形成する。この際、埋め込み性の悪いプロセス条件を用いて成膜を行うことにより、電極と側壁絶縁膜の間の空隙を埋めずに残すことが出来る。空隙を残しておくと、それ以降の配線工程で熱負荷による側壁破壊を防止する効果や、製品としての動作時に、発熱によるゲート電極の膨脹による特性劣化を防止できる効果が得られるので、より好ましい。なお、上部の層間絶縁膜で空隙を埋めても、シリサイド化の際の側壁絶縁膜の破壊が防止できるので、本発明の効果は得られる。
本発明の実施形態及び実施例を上記のように説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、材料及び構造を選択して実施することが可能である。例えば目的とする閾電圧が高く、電極のNi組成比を高くする必要がない場合には、スペーサーの膜厚を減らすことが可能である。また、側壁絶縁膜や層間絶縁膜には、いわゆるlow―k(低誘電率)材料を用いてもよい。更に、SiOからなるスペーサーは、電極シリコン層を熱酸化して形成しても構わない。更には、上記実施形態及び変形例も複数組み合わせて実施することが可能である。
本発明の一実施形態に係る半導体装置の断面図。 シリサイドの組成比とシリサイド化に際しての電極材料の体積増加率との関係を示すグラフ。 (a)〜(d)は、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造プロセスにおける各工程段階を順次に示す断面図。 (a)〜(d)は、実施形態の変形例1に係る半導体装置の製造プロセスにおける各工程段階を順次に示す断面図。 (a)〜(c)は、実施形態の変形例2に係る半導体装置の製造プロセスにおける各工程段階を順次に示す断面図。 (a)〜(d)は、実施例1の半導体装置の製造プロセスにおける各工程段階を順次に示す断面図。 (e)〜(h)は、実施例1の半導体装置の製造プロセスの図6に後続する各工程段階を順次に示す断面図。 (i)〜(k)は、実施例1の半導体装置の製造プロセスの図7に後続する各工程段階を順次に示す断面図。 (a)〜(d)は、実施例2の半導体装置の製造プロセスにおける各工程段階を順次に示す断面図。 (e)〜(h)は、実施例2の半導体装置の製造プロセスの図9に後続する各工程段階を順次に示す断面図。 (a)〜(d)は、実施例3の半導体装置の製造プロセスにおける各工程段階を順次に示す断面図。 (e)〜(g)は、実施例3の半導体装置の製造プロセスの図11に後続する各工程段階を順次に示す断面図。 (a)〜(d)は、本発明の最良の形態の半導体装置の製造プロセスにおける工程段階を順次に示す断面図。 (a)及び(b)は、図13の製造プロセスの変形例の工程段階を順次に示す断面図。
符号の説明
100 シリコン基板
101 素子分離絶縁膜
102 エクステンション拡散領域(Ext領域)
103 ソース・ドレイン拡散領域
104 シリサイド層
110 ゲート絶縁膜
120 電極シリコン層
121 電極シリサイド層(シリサイド電極)
130 マスク層
210 スペーサー
211 空隙
220 側壁絶縁膜
310 層間絶縁膜
400 金属層

Claims (28)

  1. 半導体基板上にゲート絶縁膜を介してシリコン含有層を堆積する工程と、前記シリコン含有層をパターニングしてゲート電極の形状を有する電極シリコン層を形成する工程と、少なくとも前記半導体基板の上部を覆い且つ前記電極シリコン層の表面の少なくとも一部を露出する第1の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜から露出する電極シリコン層の表面部分を少なくとも覆う金属層を堆積する工程と、前記電極シリコン層中のシリコンと前記金属層中の金属とをシリサイド化反応させて金属シリサイド層を含むゲート電極を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法において、
    前記電極シリコン層の側面に近接して空隙を形成し、前記シリサイド化反応においてゲート電極材料を該空隙の方向に体積膨張させることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記シリコン含有層を堆積する工程が、シリコンを堆積する処理と、該シリコン中に不純物を導入する処理とを含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記ゲート電極及び第1の層間絶縁膜を覆って第2の層間絶縁膜を形成する工程を更に有し、該第2の層間絶縁膜を形成する工程は、前記空隙の少なくとも一部を残すようなプロセス条件を採用する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第1の層間絶縁膜を形成する工程に先だって、前記電極シリコン層の側面に第1の側壁絶縁膜を形成する工程と、前記第1の側壁絶縁膜と少なくとも一部の材質が異なる第2の側壁絶縁膜を前記第1の側壁絶縁膜の側面に形成する工程とを有し、前記第1の層間絶縁膜を形成する工程に後続して、前記第1の側壁絶縁膜の上部部分を除去して前記空隙を形成する工程を有する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記第1の側壁絶縁膜を形成する工程と前記第2の側壁絶縁膜を形成する工程との間、及び、前記第2の側壁絶縁膜を形成する工程と前記第1の層間絶縁膜を形成する工程との間に、それぞれ、前記半導体基板の表面部分に不純物を注入する工程を更に有する、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記第2の側壁絶縁膜が、前記第1の側壁絶縁膜と隣接する部分に該第1の側壁絶縁膜と同じ材質を有する第1の領域を含み、該第1の領域は前記空隙を形成する工程で前記第1の側壁絶縁膜と共に除去されて前記空隙を形成する、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第1の側壁絶縁膜が、前記電極シリコン層に隣接する第1の領域と前記第2の側壁絶縁膜に隣接する第2の領域とを含み、前記空隙を形成する工程は、前記第2の領域を除去して空隙を形成する、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記半導体基板がシリコン基板であり、前記第2の側壁絶縁膜を形成する工程に後続する不純物の注入工程と前記第1の層間絶縁膜を形成する工程との間に、前記シリコン基板の露出した表面部分のシリコンと金属とを反応させて金属シリサイド層を形成する工程を更に有する、請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記第1の側壁絶縁膜を形成する工程が、絶縁物を堆積する工程と該絶縁物をエッチバックする工程とを含み、該エッチバック工程は前記ゲート絶縁膜を選択的に除去する処理を含む、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成された、金属シリサイド層を含むゲート電極と、該ゲート電極の側面に隣接する側壁絶縁膜と、前記ゲート電極及び側壁絶縁膜に自己整合的に形成されたソース・ドレイン拡散領域と、該ソース・ドレイン拡散領域に隣接するエクステンション拡散領域とを有するMISFETを備える半導体装置において、
    前記側壁絶縁膜が、前記ゲート電極の側面に隣接する第1の側壁絶縁膜と該第1の側壁絶縁膜の側面を覆う第2の側壁絶縁膜とを有し、前記第1の側壁絶縁膜は、前記第2の側壁絶縁膜及び前記ゲート電極の何れよりも高さが低く、且つ、前記ゲート電極の一部が上部に張り出していることを特徴とする半導体装置。
  11. 前記第1の側壁絶縁膜の上部には空隙が残されている、請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記の残された空隙の幅が1nm以下である、請求項11に記載の半導体装置。
  13. 前記第1の側壁絶縁膜の高さ寸法が、前記ゲート電極の幅寸法よりも小さい、請求項10に記載の半導体装置。
  14. 前記第1の側壁絶縁膜の幅が、前記ゲート電極の幅の0.13倍以上である、請求項10〜13の何れか一に記載の半導体装置。
  15. 半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成された、金属シリサイド層を含むゲート電極と、該ゲート電極の側面に隣接する側壁絶縁膜と、前記ゲート電極及び側壁絶縁膜に自己整合的に形成されたソース・ドレイン拡散領域と、該ソース・ドレイン拡散領域を囲むエクステンション領域とを有するMISFETを備える半導体装置において、
    前記側壁絶縁膜が、前記ゲート電極の側面から順次に配設された第1〜第3の側壁絶縁膜を含み、前記第1及び第2の側壁絶縁膜は、前記第3の側壁絶縁膜よりも高さが低く、且つ、前記第ゲート電極の一部が少なくとも前記第1の側壁絶縁膜の上部に張り出していることを特徴とする半導体装置。
  16. 前記第1及び第2の側壁絶縁膜の上部には空隙が残されている、請求項15に記載の半導体装置。
  17. 前記の残された空隙の幅が1nm以下であることを特徴とする請求項16に記載の半導体装置。
  18. 前記第1及び第2の側壁絶縁膜の高さ寸法が、前記ゲート電極の幅寸法よりも小さい、請求項15に記載の半導体装置。
  19. 前記第1と第2の側壁絶縁膜の幅の和が、前記ゲート電極の幅の0.13倍以上である、請求項15〜17の何れか一に記載の半導体装置。
  20. 半導体基板上にゲート絶縁膜を介して形成された、金属シリサイド層を含むゲート電極と、該ゲート電極の側面に隣接する側壁絶縁膜と、前記ゲート電極及び側壁絶縁膜に自己整合的に形成されたソース・ドレイン拡散領域と、該ソース・ドレイン拡散領域を囲むエクステンション領域とを有するMISFETを備える半導体装置において、
    前記側壁絶縁膜が、前記ゲート電極の側面から順次に配設された第1〜第3の側壁絶縁膜を含み、前記第2の側壁絶縁膜は、前記第1及び第3の側壁絶縁膜よりも高さが低く、且つ、前記第1の側壁絶縁膜の一部が上部に張り出していることを特徴とする半導体装置。
  21. 前記第2の側壁絶縁膜の上部には空隙が残されている、請求項20に記載の半導体装置。
  22. 前記の残された空隙の幅が1nm以下であることを特徴とする請求項21に記載の半導体装置。
  23. 前記第2の側壁絶縁膜の高さ寸法が、前記ゲート電極の幅寸法よりも小さい、請求項20に記載の半導体装置。
  24. 前記第1と第2の側壁絶縁膜の幅の和が、前記ゲート電極の幅の0.13倍以上である、請求項20〜23の何れか一に記載の半導体装置
  25. 前記エクステンション拡散領域は、前記第1の側壁絶縁膜と自己整合的に形成されている、請求項15〜24の何れか一に記載の半導体装置。
  26. 前記第3の側壁絶縁膜の底面と前記半導体基板との間には、前記第2の側壁絶縁膜の一部が介在している、請求項15〜25の何れか一に記載の半導体装置。
  27. 前記側壁絶縁膜の少なくとも一部と前記半導体基板との間には、前記ゲート絶縁膜が介在している、請求項10〜26の何れか一に記載の半導体装置。
  28. 前記ゲート絶縁膜が、高誘電率金属酸化物を含む、請求項10〜21の何れか一に記載の半導体装置。
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KR101584097B1 (ko) * 2009-03-23 2016-01-12 삼성전자주식회사 매립 게이트 전극의 형성방법
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CN109786254A (zh) * 2017-11-15 2019-05-21 台湾积体电路制造股份有限公司 后栅极工艺中的选择性高k形成

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