JP2008198734A - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】導電性ペーストをはんだの代わりに使用するものにおいて、接合強度、耐衝撃性に優れたプリント配線板を提供する。
【解決手段】導電層104と絶縁性基材105とを有するプリント配線板において、導電層に貫通孔104aが形成され、貫通孔内に導電性ペースト103が充填されると共に、導電層104の一方の面と他方の面に、貫通孔104aを内包し且つ貫通孔104aより大きい領域で導電性ペースト103が設けられ、これら両面の導電性ペーストおよび貫通孔104a内の導電性ペーストが相互に混合された状態にある。貫通孔104aに連なる導電性ペーストが、前記導電層と、絶縁性基材105を介して配された別の導電層とを層間接続しており、層間をつなぐ導電性ペーストがビアホールとなっている。
【選択図】図1
【解決手段】導電層104と絶縁性基材105とを有するプリント配線板において、導電層に貫通孔104aが形成され、貫通孔内に導電性ペースト103が充填されると共に、導電層104の一方の面と他方の面に、貫通孔104aを内包し且つ貫通孔104aより大きい領域で導電性ペースト103が設けられ、これら両面の導電性ペーストおよび貫通孔104a内の導電性ペーストが相互に混合された状態にある。貫通孔104aに連なる導電性ペーストが、前記導電層と、絶縁性基材105を介して配された別の導電層とを層間接続しており、層間をつなぐ導電性ペーストがビアホールとなっている。
【選択図】図1
Description
本発明は、導電性ペーストを用いて接続を行ったプリント配線板、および、その製造方法に関するものである。
近年のプリント配線板への要求として、環境に配慮されたプリント配線板であることが挙げられる。具体的には、鉛を使用しないプリント配線板であることが求められている。これまで、電子部品をプリント配線板上に実装する方法としては、鉛を含有する、いわゆる共晶はんだが使用されてきたが、はんだから鉛を排除する方法も盛んに提案され、現在では鉛を含まない、いわゆる鉛フリーはんだが適用されてきている。
ところで、共晶はんだの溶融温度が183℃程度であるのに対して、例えばSn-Ag-Cu系の鉛フリーはんだの溶融温度は217℃程度であり、鉛フリーはんだは共晶はんだに比べて溶融温度が高いのが一般的である。従って、鉛フリーはんだの適用に当たっては、はんだを溶融させて部品間を接合する際の加熱温度(接合加工温度)を高くする必要がある。
しかし、この高温加熱は、プリント配線板や搭載される電子部品に大きなダメージを与える。例えば、高温加熱により、プリント配線板内の熱硬化性材料が硬化収縮することで、反りが発生してしまったり、プリント配線板内部に含有されている水の突沸によって異種接合界面に剥離が発生したりすること等が挙げられる。
そこで、鉛フリーであり、且つ、高温加熱を嫌う場合の接合方法として、導電性樹脂組成物によって電子部品とプリント配線板を接合する方法が挙げられる。導電性樹脂組成物は、エポキシ等の熱硬化性樹脂が含有されているものが一般的で、その硬化温度は200℃以下と低い。
この種の導電性樹脂組成物を用いたプリント配線板の例として、特許文献1あるいは特許文献2に記載の技術が知られている。
特許文献1に記載の技術においては、絶縁性基材と導電層を貫通する連通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填するに当たり、連通通孔の導電層部分の孔径を絶縁性基材部分の孔径より小さく形成して、連通通孔の絶縁性基材部分と導電層部分の全てに導電性樹脂組成物を充填するようにしている。
また、特許文献2に記載の技術においては、導電層部分の孔径が絶縁性基材部分の孔径より小さくなるように絶縁性基材と導電層に両者を貫通する貫通孔を形成し、その貫通孔に層間導通を得るための導電性樹脂組成物を充填すると共に、貫通孔の導電層側の開口に露呈する導電性樹脂組成物を金属層で被覆するようにしている。
特開2003−318546号公報
特開2004−152793号公報
ところが、上記いずれの特許文献に記載の技術においても、貫通孔に充填した導電性樹脂組成物の絶縁性基材と反対側の端面(つまり、貫通孔の導電層側の開口に露呈する面)は、他の部材(隣接する金属層など)との接合界面として存在することになるので、その周辺部分の強度が低くなりやすく、耐衝撃性の向上を図る上で限界があった。特に、導電層の絶縁性基材側と反対側の面に電子部品を接合するような場合、導電層と導電性樹脂組成物の接着強度が低いと、電子部品の接合強度が高くならないという問題がある。
本発明は、上記事情を考慮し、導電性ペーストをはんだの代わりに使用するものにおいて、接合強度、耐衝撃性に優れたプリント配線板、および、その製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、導電層と絶縁層とが積層されたプリント配線板であって、前記導電層に貫通孔が形成され、当該貫通孔内に導電性組成物が充填されると共に、前記導電層の露呈面における前記貫通孔を含む領域に電子部品を接合させる導電性ペーストが配され、前記導電層の前記絶縁層側の面における前記貫通孔を含む領域に導電性ペーストが配され、これら両面の導電性ペーストおよび前記貫通孔内の導電性ペーストが相互に混じり合った状態にあることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のプリント配線板であって、前記導電性ペーストが、前記導電層と、前記絶縁層を介して配された別の導電層とを層間接続しており、層間をつなぐ導電性ペーストが層間接続配線を形成していることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のプリント配線板であって、前記導電性ペーストが樹脂を含有しており、前記貫通孔内の導電性ペーストに含有された樹脂と前記導電層の両面の導電性ペーストに含有された樹脂とが界面なく硬化することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載されたプリント配線板であって、前記貫通孔内の導電性ペーストと前記導電層の両面の導電性ペーストに含有された金属が相互拡散することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載されたプリント配線板であって、前記貫通孔内の導電性ペーストと前記導電層の両面の導電性ペーストが同じ材料であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、プリント配線板の製造方法であって、絶縁性基材と導電層が積層されてなる配線板用基材に、絶縁性基材部分の孔径よりも導電層部分の孔径が小さくなるよう連通孔を形成する工程と、その後、当該連通孔に導電性ペーストを充填する工程と、前記導電層の前記導電性ペーストの接触面とは反対側の面に、導電性ペーストを介して電子部品を搭載する工程と、加熱によって前記導電性ペーストを一括で硬化させる工程と、を有することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、導電層の貫通孔内に充填された導電性ペーストと導電層の両面に形成された導電性ペーストとが相互に混じり合った状態にあるので、これら導電性ペーストには接合界面が存在しないことになり、導電層を介して両面の導電性ペーストが加締め状態で接合されている。従って、導電層に対する導電性ペーストの接合強度が高まり、衝撃に対して強くなる。従って、例えば導電層の一方の面に設けた導電性ペーストに電子部品を接合した場合、電子部品の接合強度を高めることができる。
請求項2の発明によれば、導電性ペーストをビアホールとして機能させることで、高い配線の自由度を得ることが可能となる。
請求項3の発明によれば、導電性ペーストに含有された樹脂が混合状態で硬化することにより界面なく接合しているため、高い接合強度を発揮できる。
請求項4の発明によれば、導電性ペーストに含有された金属が相互拡散していることにより、導電性ペーストの破断強度が高くなる。また、加熱により導電性ペーストと導電層金属とを金属結合している場合、導電層金属と導電性ペースト金属間の破断強度が高くなるので、前述の加締め構造による強度アップとの相乗作用により、耐衝撃性の向上が図れる。
請求項5の発明によれば、貫通孔内の導電性ペーストと導電層の両面の導電性ペーストとを同じ材料にすることにより、加熱硬化条件を等しくすることができ、工程の簡素化を図ることができる。また、導電性ペーストの混合状態を、導電性ペースト同士が互いに接触しているだけで得られるようにすることができる。
請求項6の発明によれば、加熱によって導電性ペーストを一括で硬化させるので、加熱硬化回数を1回とすることができ、工程の合理化が図れる。
以下、本発明の各実施の形態を図面を参照して説明する。なお、各実施の形態において同一部材には同一の符号を付して説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明のプリント配線板を適用した第1の実施の形態に係る多層構造のプリント配線板の断面構造を示している。
図1は、本発明のプリント配線板を適用した第1の実施の形態に係る多層構造のプリント配線板の断面構造を示している。
図において、101はICチップ(電子部品)、102はICチップの電極、103は導電性ペースト、104は銅箔よりなる導電層、105はポリイミドよりなる絶縁性基材(絶縁層)、106はエポキシ樹脂を主成分とする層間接着層である。
ICチップ101は、3層の導電層104付きの絶縁性基材105を有する多層プリント配線板の最上層の上に配されており、最上層の導電層104上に導電性ペースト103を介してICチップ101の電極102が接合されている。この場合、左右の電極102に対応して、左右の最上層の導電層104には貫通孔104aが形成されており、貫通孔104a内に導電性ペースト103が充填されている。また、導電層104の絶縁性基材105側の面とICチップ101を実装する側の面とに、貫通孔104aを内包し且つ貫通孔104aより大きい領域に導電性ペースト103が配設されている。そして、これら導電層104の両面の導電性ペースト104および貫通孔104a内の導電性ペースト103が、相互に混じり合った状態になっている。
図において、左右の貫通孔104aのうち、左側の貫通孔104a内に連なる導線性ペースト103は、最上層の導電層104と、絶縁性基材105および層間接着層106を介して、中間層の絶縁性基材105上に配された導電層104を層間接続しており(図中のA部)、層間をつなぐ導電性ペースト103が層間接続配線としてのビアホールとなっている。また、その直下における中間層の導電層104と最下層の導電層104も、ビアホールとして機能する導電性ペースト103により層間接続されている(図中のB部)。
また、図1において、右側の貫通孔104a内に連なる導電性ペースト103は、絶縁性基材105および層間接着層106を介して、中間層の絶縁性基材105の上面に接している(図中のC部)。
ここで、導電性ペースト103は樹脂を含有しており、貫通孔104a内の導電性ペースト103に含有された樹脂と導電層104の両面の導電性ペースト103に含有された樹脂とが界面なく硬化している。また、貫通孔104a内の導電性ペースト103と導電層104の両面の導電性ペースト103に含有された金属は相互拡散している。この場合、貫通孔103内や導電層104の両面に配された導電性ペーストは全て同じ材料のものである。
<第2の実施の形態>
図2は第2の実施の形態に係る多層構造のプリント配線板の断面構造を示している。
図2は第2の実施の形態に係る多層構造のプリント配線板の断面構造を示している。
この実施の形態の多層プリント配線板では、図2において、右側の貫通孔104a内に連なる導線性ペースト103が、最上層の絶縁性基材103の厚み内に止まっており(図中のD部)、その直下における中間層の導電層104と最下層の導電層104が、ビアホールの機能を持つ導電性ペースト103により層間接続されている(図中のE部)。その他の構成は第1の実施の形態と同じである。
この実施の形態の場合、右側の貫通孔104a内に連なる導線性ペースト103が、層間接着層106を貫通していないため(図中のD部)、導電性ペースト103が中間層の導電層104の配線パターンの邪魔をすることがなく、導電性ペースト103の直下への配線も可能となっている(図中のF部)。
<第3の実施の形態>
図3は第3の実施の形態のプリント配線板の断面構造を示している。
図3は第3の実施の形態のプリント配線板の断面構造を示している。
この実施の形態では、絶縁性基材105の両面(ICチップ搭載側の面とその裏面)に導電層104が形成されており、図中左側の貫通孔104aに連なる絶縁性基材105側の導電性ペースト103が、その直下の絶縁性基材105の裏面の導電層104に形成した、絶縁性基材105のものと同じ径の貫通孔104bを通して、裏面の導電層104の下面にまで達している。そして、導電性ペースト103が、両面の導電層104を接続する層間接続配線としてのスルーホールの機能を果たしている。この導電層104の下面側の導電性ペースト103は、貫通孔104bを内包し、且つ貫通孔104bより広い領域に配設されている。また、図3中右側の貫通孔104aに連なる導電性ペースト103は、絶縁性基材105の下面に露出した上で、絶縁性基材105の貫通孔を内包する領域にまで広がっている。
<第4の実施の形態>
次に、図4、図5を用いて、図1に示した第1の実施の形態で示した多層構想のプリント配線板と構造の近似するものを製造する方法の一例について説明する。
次に、図4、図5を用いて、図1に示した第1の実施の形態で示した多層構想のプリント配線板と構造の近似するものを製造する方法の一例について説明する。
まず、図4(A)に示す片面銅箔(導電層)104が設けられたポリイミドでなる絶縁性基材105を用意する。ベース材料としては、ポリイミド以外にも、繊維含浸エポキシ、エポキシ、液晶ポリマー等を採用することができ、材料に制約はない。
次に、図4(A)の基材の導電層104部分をエッチングして回路パターンを形成し、図4(B)の基材を得た。
次に、図4(B)の基材の導電層104とは反対側の面にエポキシを主成分とする層間接着材106を設けることで基材(C)を得た。層間接着材106には、エポキシ系以外にも、ポリイミド系、アクリル系、ウレタン系等を採用することができ、採用できる材料に制約はない。
次に、基材図4(C)の基材の層間接着材106側にPETマスキングフィルム110を貼り合せすることで、図4(D)に示す基材を得た。
次に、図4(D)に示す基材にYAGレーザの第三高調波である波長355nmのレーザ光照射によって所定の位置に連通孔112を明けることで、図4(E)に示す基材を得た。このとき、ビアランド300μmに対し、前記絶縁層側105部分の孔径はl00μm、銅箔104部分の孔径は20〜30μmとなるよう連通孔112を穿設することで、銅箔104の連通孔104aの径は絶縁性基材105の孔径よりも小さくしている。なお、レーザ光としては、YAGレーザ以外にも、炭酸ガスレーザやエキシマレーザなど、あらゆるレーザ光が適用可能であるが、導電層104に孔を穿設できる程度の高出力であることが必要となる。また、導電層104部分の孔明けは、本実施の形態のようにレーザ光で穿設する方法のほかにも、図4(A)から図4(B)に示す状態に移行する際のエッチング工程で、同時に穿設することができる。
ついで、図4(E)に示す基材のマスキングフィルム110側から印刷法により導電性ペースト103を連通孔112に充填することで、図4(F)に示す基材を得た。導電性ペースト103は樹脂バインダーを含み、かつ、加熱により金属粒同士、および、金属粒と銅箔が金属結合するものを使用した。ほかにも、導電性ペーストは、金属粒が加熱で金属接合せず、樹脂パインダーによって金属粒同士の接触を保持するものや、樹脂バインダーを含まず、金属粒の金属結合によって導通を得るものも使用可能である。
ついで、図4(F)に示す基材からマスキングフィルム110を剥離することで、図4(G)に示す基材を得た。
ついで、回路形成済み片面銅箔104付きポリイミド基材105に、図4(G)に示す基材と同様の方法で作製された基材2枚を位置合わせを施したのち、図5(H)に示すように重ね合わせ、導電性ペースト103を完全硬化させないよう仮留めを施すことで、基材(I)を得た。仮留めの方法は、基材の製品となるパターン以外の部分の接着材を加熱硬化させることで位置固定をしても構わないし、導電性ペースト103の樹脂バインダーが半硬化状態となるよう全体を加熱加圧しても構わない。
ついで、図5(I)に示す基材のビアランド上にビアホールと同様の導電性ペースト103Aを塗布することで、図5(J)に示す基材を得た。この導電性ペースト103Aは、ビアホール内の導電性ペースト103と同じものが好ましいが、異なる導電性ペーストを使用する場合には、それぞれの成分の一部が混合状態となり得るものを選択しなくてはならない。また、本実施の形態ではビアホール上でないチップ接続部分(図中の右側)でも同様の導電性ペースト103Aを使用しているが、ビアホール上でない部分の接続方法は、はんだ接続や他の導電性ペーストを使用して接続する方法など、いずれの方法を用いても構わない。
ついで、図5(J)に示す基材にICチップ101を載せた後、加熱によって導電性ペースト103、103Aの硬化と層間接着材106の硬化を同時に実施することで、図5(K)に示すようなICチップ101の電極102が導電層(パターン)104に接続されたプリント配線板(K)を得た。このとき、ビアホール(図中左側の層間接続部分)内の導電性ペースト103とチップ接続用の導電性ペースト103Aは同時に硬化がなされるため、それぞれの金属粒同士は金属結合し、且つ、それぞれの樹脂バインダーは界面なく硬化する。
因みに、ICチップ101が単純に導電性ペースト103によって接続されているだけの場合と、当該実施の形態で得られた基板の場合とで繰り返し落下試験を実施(各場合でICチップ10個について実施)したところ、ICチップが導電性ペーストによって接続されているだけの場合では平均107回で断線したが、当該実施の形態に係るプリント配線板では、平均155回で断線と、機械的衝撃に対する耐性が向上したことが確認された。
<第5実施の形態>
次に、図6、図7を用いて、図2に示した第2の実施の形態で示した多層構造のプリント配線板と近似する構造のものを製造する方法の一例について説明する。
次に、図6、図7を用いて、図2に示した第2の実施の形態で示した多層構造のプリント配線板と近似する構造のものを製造する方法の一例について説明する。
まず、図6(A)に示す片面銅箔(導電層)104付き絶縁性基材(絶縁層)105を用意する。ベース材料としては、ポリイミド以外にも、繊維含浸エポキシ、エポキシ、液晶ポリマー等を採用することができ、材料に制約はない。
次に、図6(A)に示す基材の導電層104部分をパターニングして回路パターンを形成し、図6(B)に示す基材を得た。
次いで、図6(B)に示す基材にYAGレーザの第三高調波である波長355nmのレーザ光照射によって所定の位置に孔120を明けることで、図6(C)に示す基材を得た。このとき、ビアランド300μmに対し、ポリイミド部分の孔径は100μm、銅箔部分の孔径は20〜30μmとなるように連通孔120を穿設することで、導電層104の貫通孔104aの径は絶縁性基材105の孔径よりも小さくしている。
なお、レーザ光としては、YAGレーザ以外にも、炭酸ガスレーザやエキシマレーザなど、あらゆるレーザ光が適用可能であるが、導電層104に孔を穿設できる程度の高出力であることが必要となる。また、導電層104部分の孔明けは、本実施の形態のようにレーザ光で穿設する方法のほかにも、図6(A)から図6(B)に示す状態に移行する際のエッチング工程で、同時に穿設することができる。
次いで、図6(C)に示す基材のポリイミド側からスクリーン印刷法により導電性ペースト103を連通孔120に充填することで、図6(D)に示す基材を得た。導電性ペーストは樹脂バインダーを含み、かつ、加熱により金属粒同士、および、金属粒と銅箔が金属結合するものを使用した。ほかにも、導電性ペーストは、金属粒は加熱で金属接合せず、樹脂パインダーによって金属粒同士の接触を保持するものや、樹脂バインダーを含まず、金属粒の金属結合によって導通を得るものも使用可能である。
次いで、図6(D)に示す基材の導電層104とは反対側の面に、エポキシを主成分とする層問接着材106を設けることで、図6(E)に示す基材を得た。層間接着材106には、エポキシ系以外にも、ポリイミド系、アクリル系、ウレタン系等を採用することができ、採用できる材料に制約はない。
次いで、図6(E)に示す基材の層間接着材106側にPETマスキングフィルム110を貼り合せすることで、図6(F)に示す基材を得た。
次いで、図6(F)に示す基材にYAGレーザの第三高調波である波長355nmのレーザ光照射によって所定の位置に連通孔122を明けることで、図6(G)を得た。このとき、ビアランド300μmに対し、ポリイミド基材105部分の孔径は100μm、導電層104部分の連通孔径は20〜30μmとなるよう連通孔122を穿設することで、導電層104の貫通孔104aの径はポリイミド基材105の孔径よりも小さくしている。
なお、レーザ光としては、YAGレーザ以外にも、炭酸ガスレーザやエキシマレーザなど、あらゆるレーザ光が適用可能であるが、導電層104に孔を穿設できる程度の高出力であることが必要となる。また、導電層104部分の孔明けは、本実施の形態のようにレーザ光で穿設する方法のほかにも、図6(A)から図6(B)の状態に移行する際のエッチング工程で、同時に穿設することができる。
次いで、図6(G)に示す基材のマスキングフイルム110側から印刷法により導電性ペースト103を孔122に充填することで、図6(H)に示す基材を得た。導電性ペーストは樹脂バインダーを含み、かつ、加熱により金属粒同士、および、金属粒と銅箔が金属結合するものを使用した。ほかにも、導電性ペーストは、金属粒は加熱で金属接合せず、樹脂バインダーによって金属粒同士の接触を保持するものや、樹脂バインダーを含まず、金属粒の金属結合によって導通を得るものも使用可能である。
次いで、図6(H)に示す基材からマスキングフイルムを剥離することで、図6(I)に示す基材を得た。
次いで、回路形成済み片面銅箔(導電層)104付き絶縁性基材105に、図6(I)に示す基材と同様の方法で作製された基材と、図4(G)に示す基材と同様の方法で作製された基材を位置合わせした後、図7(J)に示すように重ね合わせ、導電性ペーストを完全硬化させないよう仮留めを施すことで、図7(K)に示す基材を得た。仮留めの方法は、基材の製品となるパターン以外の部分の接着材を加熱硬化させることで位置固定をしても構わないし、導電性ペースト103の樹脂バインダーが半硬化状態となるよう全体を加熱加圧しても構わない。
次いで、図7(K)に示す基材のビアランド上にビアホールと同様の導電性ペースト103Aを塗布することで、図7(L)に示す基材を得た。この導電性ペースト103Aは、ビアホール内の導電性ペースト103と同じものが好ましいが、異なる導電性ペーストを使用する場合には、それぞれの成分の一部が混合状態となり得るものを選択しなくてはならない。また、本実施の形態ではビアホール上でないチップ接続部分(図中の右側)でも同様の導電性ペースト103Aを使用しているが、ビアホール上でない部分の接続方法は、はんだ接続や他の導電性ペーストを使用して接続する方法など、いずれの方法を用いても構わない。
次いで、図7(L)に示す基材にICチップ101を載せた後、加熱によって導電性ペースト103、103Aの硬化と層間接着材106の硬化を同時に実施することで、図7(M)に示すようなICチップ101の電極102が導電層104に接続されたプリント配線板(M)を得た。このとき、ビアホール(図中左側の層間接続部分)内の導電性ペースト103とチップ接続用の導電性ペースト103Aは同時に硬化がなされるため、それぞれの金属粒同士は金属結合し、且つ、それぞれの樹脂バインダーは界面なく硬化する。
ICチップ101の剛性が加熱加圧時の加圧力に耐えられず、加圧によって割れてしまうような場合には、図7(K)に示す状態において層間接着材106と導電性ペースト103は半硬化状態となるよう全体を加熱加圧し、それぞれの層間に隙間がない状態とした後に、図7(L)に示すように、ビアランド上に導電性ペースト103Aを塗布し、これにICチップ101を載せた後に、加圧せずに加熱することでも同様の効果は得られる。
<第6の実施の形態>
次に、図8を用いて、図3に示した第3実施の形態で示したプリント配線板と同様のものを製造する方法の一例について説明する。
次に、図8を用いて、図3に示した第3実施の形態で示したプリント配線板と同様のものを製造する方法の一例について説明する。
まず、図8(A)に示すように、両面銅箔(導電層)104付き絶縁性基材105を用意する。ポリイミド以外にも、繊維含浸エポキシ、エポキシ、液晶ポリマー等を採用することができ、材料に制約はない。
次に、図8(A)に示す基材の導電層104部分をエッチングして回路パターンを形成し、図8(B)に示す基材を得た。
この回路形成時に、片面の導電層104のビアホールに位置する部分には孔123を設けておく。実施にあたっては、100μmの孔123を開ロした。
次いで、図8(B)に示す基材の導電層104上の貫通孔104aをコンフォーマルマスクとして、YAGレーザの第三高調波である波長355nmのレーザ光照射によって所定の位置に連通孔124を明けることで、図8(C)に示す基材を得た。
このとき、ポリイミド部分の孔径は100μm、銅箔部分の孔径は20〜30μmとなるよう孔を穿設することで、銅箔の孔径はポリイミドの孔径よりも小さくしている。
なお、レーザ光としては、YAGレーザ以外にも、炭酸ガスレーザやエキシマレーザなど、あらゆるレーザ光が適用可能であるが、導電層104に孔を穿設できる程度の高出力であることが必要となる。また、導電層104部分の孔明けは、本実施の形態のようにレーザ光で穿設する方法のほかにも、図8(A)から図8(B)に示す状態に移行する際のエッチング工程で、同時に穿設することができる。
次に、図8(C)に示す大孔が開ロされた銅箔104側からマスクを介した印刷法により、導電性ペースト103を連通孔124に充填することで、図8(D)に示す基材を得た。
導電性ペースト103は樹脂バインダーを含み、且つ、加熱により金属粒同士、および、金属粒と銅箔が金属結合するものを使用した。ほかにも、導電性ペーストは、金属粒は加熱で金属接合せず、樹脂バインダーによって金属粒同士の接触を保持するものや、樹脂バインダーを含まず、金属粒の金属結合によって導通を得るものも使用可能である。
次いで、図8(D)に示すビアランド上の貫通孔104a側にビアホールと同様の導電性ペースト103Aを塗布することで、図8(E)に示す基材を得た。この導電性ペーストは、ビアホール内の導電性ペーストと同じものが好ましいが、異なる導電性ペーストを使用する場合には、それぞれの樹脂バインダーが分離して界面を作ることのない樹脂同士を選択しなくてはならない。また、本実施の形態では、ビアホール上でないチップ接続部分でも同様の導電性ペースト103Aを使用しているが、ビアホール上でない部分の接続方法は、はんだ接続や他の導電性ペーストを使用して接続する方法など、いずれの方法を用いても構わない。
次いで、図8(E)に示す基材にICチップ101を載せた後、加熱によって導電性ペースト103、103Aを硬化させることで、図8(F)に示すようなICチップ101の電極102が銅箔104に接続されたプリント配線板(F)を得た。このとき、ビアホール(図中左側の層間接続部分)内の導電性ペースト103とチップ接続用の導電性ペースト103Aは同時に硬化がなされるため、それぞれの金属粒同士は金属結合し、且つ、それぞれの樹脂バインダーは界面なく硬化する。
以上のように作製したプリント配線板では、導電層104の貫通孔104a内に充填された導電性ペースト103と導電層104の両面に形成された導電性ペースト103とが相互に混合された状態にあるので、これら導電性ペースト103には接合界面が存在しないことになり、導電層104を介して両面の導電性ペースト103が加締め状態で接合される。従って、導電層104に対する導電性ペースト103の接合強度が高まり、衝撃に対して強くなる。従って、例えば導電層104の一方の面に設けた導電性ペースト103にICチップ等の電子部品を接合した場合、電子部品の接合強度を高めることができる。
特に、導電性ペースト103に含有された樹脂が混合状態で硬化することにより界面なく接合しているので、高い接合強度を発揮できる。また、導電性ペースト103に含有された金属が相互拡散していることにより、導電性ペースト103の破断強度が高くなる。また、加熱により導電性ペースト103と導電層104の金属とを金属結合している場合、導電層金属と導電性ペースト金属間の破断強度が高くなるので、前述の加締め構造による強度アップとの相乗作用により、一層の耐衝撃性の向上が図れることになる。
また、貫通孔104a内の導電性ペースト103と導電層104の両面の導電性ペースト103とを同じ材料にすることにより、加熱硬化条件を等しくすることができるので、工程の簡素化を図ることができる。
また、上記の各実施の形態の図中左側の構造のように、導電性ペースト103を例えばビアホールなどのような層間接続配線として用いることで、高い配線の自由度を得ることが可能となる。
また、上記の各実施の形態の製造方法は、加熱によって導電性ペースト103、103Aを一括で硬化させるので、加熱硬化回数を1回とすることができ、工程の合理化が図れる。
101 ICチップ(電子部品)
103,103A 導電性ペースト
104 導電層(銅箔)
104a 貫通孔
105 絶縁性基材
106 層間接着材
103,103A 導電性ペースト
104 導電層(銅箔)
104a 貫通孔
105 絶縁性基材
106 層間接着材
Claims (6)
- 導電層と絶縁層とが積層されたプリント配線板であって、
前記導電層に貫通孔が形成され、当該貫通孔内に導電性組成物が充填されると共に、前記導電層の露呈面における前記貫通孔を含む領域に電子部品を接合させる導電性ペーストが配され、前記導電層の前記絶縁層側の面における前記貫通孔を含む領域に導電性ペーストが配され、これら両面の導電性ペーストおよび前記貫通孔内の導電性ペーストが相互に混じり合った状態にあることを特徴とするプリント配線板。 - 請求項1に記載のプリント配線板であって、
前記導電性ペーストが、前記導電層と、前記絶縁層を介して配された別の導電層とを層間接続しており、層間をつなぐ導電性ペーストが層間接続配線を形成していることを特徴とするプリント配線板。 - 請求項1または2に記載のプリント配線板であって、
前記導電性ペーストが樹脂を含有しており、前記貫通孔内の導電性ペーストに含有された樹脂と前記導電層の両面の導電性ペーストに含有された樹脂とが界面なく硬化することを特徴とするプリント配線板。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載されたプリント配線板であって、
前記貫通孔内の導電性ペーストと前記導電層の両面の導電性ペーストに含有された金属が相互拡散することを特徴とするプリント配線板。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載されたプリント配線板であって、
前記貫通孔内の導電性ペーストと前記導電層の両面の導電性ペーストが同じ材料であることを特徴とするプリント配線板。 - 絶縁性基材と導電層が積層されてなる配線板用基材に、絶縁性基材部分の孔径よりも導電層部分の孔径が小さくなるよう連通孔を形成する工程と、
その後、当該連通孔に導電性ペーストを充填する工程と、
前記導電層の前記導電性ペーストの接触面とは反対側の面に、導電性ペーストを介して電子部品を搭載する工程と、
加熱によって前記導電性ペーストを一括で硬化させる工程と、
を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007031046A JP2008198734A (ja) | 2007-02-09 | 2007-02-09 | プリント配線板およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106257970A (zh) * | 2015-06-18 | 2016-12-28 | 欣兴电子股份有限公司 | 电路板结构与其制造方法 |
-
2007
- 2007-02-09 JP JP2007031046A patent/JP2008198734A/ja active Pending
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