JP2008198704A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体基板に形成される回路に適したバックゲート電極を形成可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】まず始めに、Si基板1とSi層5との間に空洞部を形成する。次に、空洞部を残しつつ、当該空洞部内にSiO2膜31a及び31bを形成する。そして、空洞部内を埋め込むようにSi基板1の上方全面にa−Si層を形成する。さらに、第1の熱処理によりa−Si層を多結晶化して、a−Si層からpoly−Si層34を形成する。次に、イオン注入法により、poly−Si層34のうちの空洞部外側に形成された部分34aに不純物を導入する。その後、第2の熱処理により、空洞部外側のpoly−Si層34aから空洞部内側のpoly−Si層34bへ不純物を拡散させる。
【選択図】図8
【解決手段】まず始めに、Si基板1とSi層5との間に空洞部を形成する。次に、空洞部を残しつつ、当該空洞部内にSiO2膜31a及び31bを形成する。そして、空洞部内を埋め込むようにSi基板1の上方全面にa−Si層を形成する。さらに、第1の熱処理によりa−Si層を多結晶化して、a−Si層からpoly−Si層34を形成する。次に、イオン注入法により、poly−Si層34のうちの空洞部外側に形成された部分34aに不純物を導入する。その後、第2の熱処理により、空洞部外側のpoly−Si層34aから空洞部内側のpoly−Si層34bへ不純物を拡散させる。
【選択図】図8
Description
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、特に、SBSI法を応用してバックゲート電極を有するSOI構造を形成する技術に関する。
バルクウェハ上にSOI構造にする手法として、例えば特許文献1や非特許文献1に開示された方法がある。この非特許文献1に開示された方法はSBSI法と呼ばれ、バルク基板上に部分的にSOI構造を形成する方法である。SBSI法では、Si基板上にSi/SiGe層を成膜し、SiとSiGeとのエッチングレートの違いを利用してSiGe層のみを選択的に除去することにより、Si基板とSi層との間に空洞部を形成する。次に、空洞部内の上下にそれぞれ露出したSi層及びSi基板の各表面を熱酸化することにより、Si基板とSi層との間にSiO2膜(以下、BOX層ともいう。)を形成する。そして、Si基板上にCVD法でSiO2等を成膜し、これをCMPで平坦化し、さらに、HF系溶液でエッチングすることで、BOX層上のSi層を露出させる。
また、上記手法と似たものとして、非特許文献2に開示された方法がある。この非特許文献2には、SiとSiGeの選択比の違いを利用することでバックゲート構造(又は、ダブルゲート構造ともいう。)を持つ電界効果型トランジスタを製造する方法が開示されている。この方法では、Si基板上にSi/SiGe層を成膜し、SiとSiGeとの選択比の違いを利用してSiGe層のみを選択的に除去することにより、Si基板とSi層との間に空洞部を形成する。そして、空洞部が形成されたSi層の表面にゲート絶縁膜を形成してから、リンドープされた多結晶シリコンを空洞部内に埋め込むことで、Si層の上下を多結晶シリコンで挟み込み、バックゲート構造を形成する。
特開2005−354024号公報
T.Sakai et al."Separation by BondingSi Islands(SBSI) for LSI Application",Second International SiGe Technology and Device Meeting,Meeting Abstract,pp.230−231,May(2004)
S. Harrison et al, IEDM Tech. Dig., pp. 449−452, December (2003)
ところで、非特許文献2に開示された方法では、下側ゲート電極(即ち、バックゲート電極)に対するドーピングが、nMOSとpMOSの両方で同じリンドープとなるため、閾値電圧Vthの対称性が悪かった(即ち、nMOSではVthが低くなり、pMOSではVthが高くなってしまう)。これは、回路設計上、および、動作上好ましくなかった(問題点)。
そこで、この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、半導体基板に形成される回路に適したバックゲート電極を形成可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的の一つとする。
そこで、この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、半導体基板に形成される回路に適したバックゲート電極を形成可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的の一つとする。
〔発明1〜3〕 上記目的を達成するために、発明1の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に第1半導体層と第2半導体層とを順次積層する工程と、前記第2半導体層と前記第1半導体層とを部分的にエッチングして、前記第2半導体層と前記第1半導体層とを貫く第1溝を形成する工程と、前記第2半導体層を支持する支持体を少なくとも前記第1溝内に形成する工程と、前記第2半導体層と前記第1半導体層とを部分的にエッチングして、前記第1半導体層の側面を露出させる第2溝を形成する工程と、前記第2半導体層よりも前記第1半導体層の方がエッチングされ易いエッチング条件で、前記第2溝を介して前記第1半導体層をエッチングすることによって、前記半導体基板と前記第2半導体層との間に空洞部を形成する工程と、前記空洞部を残しつつ、当該空洞部に面した前記半導体基板の上面に第1絶縁膜を形成すると共に前記第2半導体層の下面に第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜が形成された前記空洞部内を埋め込むように前記半導体基板の上方全面にアモルファス又は多結晶構造の第3半導体層を形成する工程と、イオン注入法により、前記第3半導体層のうちの前記空洞部の外側に形成された部分に不純物を導入する工程と、前記第3半導体層に熱処理を施して、前記不純物を前記第3半導体層のうちの前記空洞部の外側に形成された部分から前記空洞部の内側に形成された部分へ拡散させる工程と、を含むことを特徴とするものである。
発明2の半導体装置の製造方法は、発明1の半導体装置の製造方法において、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜を形成する工程では、前記第2半導体層の下面から当該第2半導体層の前記第2溝に面した側面にかけて前記第2絶縁膜を連続して形成し、前記第3半導体層を形成する工程では、前記空洞部内から前記第2半導体層の前記側面にかけて前記第3半導体層を連続して形成し、前記イオン注入法により前記不純物を導入する工程では、前記不純物を前記半導体基板の斜め上方からイオン注入する、ことを特徴とするものである。
発明3の半導体装置の製造方法は、発明1又は発明2の半導体装置の製造方法において、前記半導体基板には、p型のMOSトランジスタが形成されるpMOS領域と、n型のMOSトランジスタが形成されるnMOS領域とが存在し、前記イオン注入法により前記不純物を導入する工程は、前記pMOS領域の前記第3半導体層をマスクし、且つ前記nMOS領域の前記第3半導体層をマスクしない状態で、前記nMOS領域の前記第3半導体層に前記不純物としてn型不純物をイオン注入する工程と、前記nMOS領域の前記第3半導体層をマスクし、且つ前記pMOS領域の前記第3半導体層をマスクしない状態で、前記pMOS領域の前記第3半導体層に前記不純物としてp型不純物をイオン注入する工程と、を含むことを特徴とするものである。
発明1〜3の半導体装置の製造方法によれば、第3半導体層に不純物を導入する際に、第2半導体層を介して不純物をイオン注入する必要がないので、第2半導体層の抵抗特性や結晶構造に悪影響を与えずに済む。
発明1〜3の半導体装置の製造方法によれば、第3半導体層に不純物を導入する際に、第2半導体層を介して不純物をイオン注入する必要がないので、第2半導体層の抵抗特性や結晶構造に悪影響を与えずに済む。
また、例えばレジストパターンによって、pMOS領域の第3半導体層をマスクし、且つnMOS領域の第3半導体層をマスクしない状態で、nMOS領域の第3半導体層にn型不純物をイオン注入することで、nMOS領域の第3半導体層だけをn型にドーピングすることが可能である。同様に、例えばレジストパターンによってnMOS領域の第3半導体層をマスクし、且つpMOS領域の第3半導体層をマスクしない状態で、pMOS領域の第3半導体層にp型不純物をイオン注入することで、pMOS領域の第3半導体層だけをp型にドーピングすることが可能である。従って、nMOS、pMOSのそれぞれに適したバックゲート電極を形成することが可能であり、閾値電圧Vthの対称性が良くなり、回路設計上、動作上好ましい状態となる。
〔発明4〕 発明4の半導体装置の製造方法は、発明1から発明3の何れか一の半導体装置の製造方法において、前記第3半導体層を形成する工程は、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜が形成された前記空洞部内を埋め込むように前記半導体基板の上方全面にアモルファス構造の第3半導体層を形成する工程と、前記アモルファス構造の第3半導体層に熱処理を施して、その結晶構造を多結晶化する工程と、を含むことを特徴とするものである。このような方法によれば、空洞部内を隙間少なく埋め込むことができる。
〔発明5〕 発明5の半導体装置の製造方法は、発明1から発明4の何れか一の半導体装置の製造方法において、前記熱処理により前記不純物を拡散させた後で、前記第3半導体層をエッチングして、前記第3半導体層のうちの前記空洞部の外側に形成された部分を除去すると共に、前記第3半導体層のうちの前記空洞部の内側に形成された部分を残す工程と、前記第3半導体層をエッチングした後で、前記半導体基板の上方全面に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層に平坦化処理を施して当該絶縁層下から前記第2半導体層の表面を露出させる工程と、をさらに含むことを特徴とするものである。
〔発明6〕 発明6の半導体装置の製造方法は、発明5の半導体装置の製造方法において、前記第2半導体層の表面を露出させた後で、前記第2半導体層にMOSトランジスタを形成する工程と、前記第2半導体層及び前記第2絶縁膜を部分的にエッチングして前記第3半導体層を底面とするコンタクトホールを形成する工程と、前記コンタクトホールに導電部材を埋め込んでバックゲート電極に繋がる配線を形成する工程と、をさらに含むことを特徴とするものである。
以下、本発明に係る半導体装置及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図1〜図13は本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。詳しくは、図1(a)及び図2(a)は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図、図1(b)及び図2(b)は、図1(a)及び図2(a)をY1−Y´1〜Y2−Y´2線でそれぞれ切断したときの断面図である。また、図3〜図13は、Y2−Y´2断面において、図2(b)以降の製造方法を示す断面図である。
図1〜図13は本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。詳しくは、図1(a)及び図2(a)は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図、図1(b)及び図2(b)は、図1(a)及び図2(a)をY1−Y´1〜Y2−Y´2線でそれぞれ切断したときの断面図である。また、図3〜図13は、Y2−Y´2断面において、図2(b)以降の製造方法を示す断面図である。
まず始めに、図1(a)及び(b)において、シリコン(Si)基板1上にシリコンバッファ(Si−buffer)層2を形成し、その上に単結晶のシリコンゲルマニウム(SiGe)層3と単結晶のSi層5とを順次積層する。これらSi−buffer層2、SiGe層3及びSi層5は、例えばエピタキシャル成長法で連続して形成する。次に、Si層5を熱酸化してその表面に図示しないシリコン酸化(SiO2)膜を形成し、さらに、CVD法により、SiO2膜上の全面に図示しないシリコン窒化(SiN)膜を形成する。このSiN膜は、Si層5やSiGe層3の酸化を防止するための酸化防止膜として機能すると共に、後の工程でCMP(化学的機械研磨)を行う際のストッパー層としても機能する。なお、Si層5を覆うSiO2膜の形成方法は熱酸化に限られることはなく、例えばCVD法で形成しても良い。
次に、フォトリソグラフィー及びエッチング技術によって、素子分離領域(即ち、SOI構造を形成しない領域)と平面視で重なる領域のSiN膜(図示せず)、SiO2膜(図示せず)、Si層5、SiGe層3及びSi−buffer層2を部分的に順次エッチングする。これにより、Si層5やSiGe層3などを貫いてSi基板1を底面とする支持体穴hを形成する。なお、支持体穴hを形成するエッチング工程では、Si基板1の表面でエッチングを止めるようにしてもよいし、Si基板1をオーバーエッチングして凹部を形成するようにしてもよい。
次に、図1(a)及び(b)に示すように、支持体穴hを埋め込むようにしてSi基板1上の全面に支持体膜11を形成する。支持体膜11は例えばシリコン酸化(SiO2)膜であり、その形成は例えばCVD法で行う。
次に、図1(a)及び(b)に示すように、支持体穴hを埋め込むようにしてSi基板1上の全面に支持体膜11を形成する。支持体膜11は例えばシリコン酸化(SiO2)膜であり、その形成は例えばCVD法で行う。
次に、図2(a)及び(b)に示すように、フォトリソグラフィー及びエッチング技術によって、素子分離領域と平面視で重なる領域の支持体膜、SiN膜(図示せず)、SiO2膜(図示せず)、Si層5、SiGe層3及びSi−buffer層2を順次、部分的にエッチングする。これにより、支持体膜、SiN膜及びSiO2膜からなる支持体22を形成すると共に、Si基板1を底面としSi層5やSiGe層3などの各側面を露出させる溝Hを形成する。ここで、溝Hは、後の工程でSiGe層3をエッチングする際に、エッチング液の導入口として使うものである。
なお、溝Hを形成するエッチング工程では、図2(b)に示すようにSi基板1の表面でエッチングを止めるようにしてもよいし、SiGeの途中でエッチングを止めてもよいし、Si基板1をオーバーエッチングして凹部を形成するようにしてもよい。また、図2(a)において、支持体穴h及び溝Hによって平面視で囲まれた領域が、素子領域(即ち、SOI構造を形成する領域)である。
次に、溝Hを介して例えばフッ硝酸溶液をSi層5及びSiGe層3のそれぞれの側面に接触させて、SiGe層3を選択的にエッチングして除去する。これにより、図3に示すように、Si層5とSi基板1との間に空洞部25を形成する。フッ硝酸溶液を用いたウェットエッチングでは、Siと比べてSiGeのエッチングレートが大きい(即ち、Siに対するエッチングの選択比が大きい)ので、Si基板1やSi−buffer層2、Si層5を残しつつSiGe層だけをエッチングして除去することが可能である。空洞部25の形成途中から、Si層5はその上面と側面とが支持体22によって支えられることとなる。
次に、Si基板1を酸素(O2)等の酸化雰囲気中に配置して熱処理を施す。これにより、図4に示すように、Si層5やSi−buffer層2、Si基板1の各表面においてSiの表面酸化をそれぞれ進行させ、SiO2膜31を形成する。
ここで、本実施の形態では、空洞部25が完全に埋まらないように熱酸化を行い、素子領域と平面視で重なる領域全体に空洞部25を残しつつ、この空洞部25に面したSi基板1の上面及びSi層5の下面にそれぞれSiO2膜31a及び31bを形成する。また、この熱酸化によって、Si層5の溝Hに面した側面にもSiO2膜31bが形成される。この実施の形態では、SiO2膜31a、31bをそれぞれ10nm程度の厚さに形成する。
ここで、本実施の形態では、空洞部25が完全に埋まらないように熱酸化を行い、素子領域と平面視で重なる領域全体に空洞部25を残しつつ、この空洞部25に面したSi基板1の上面及びSi層5の下面にそれぞれSiO2膜31a及び31bを形成する。また、この熱酸化によって、Si層5の溝Hに面した側面にもSiO2膜31bが形成される。この実施の形態では、SiO2膜31a、31bをそれぞれ10nm程度の厚さに形成する。
なお、上記の熱酸化工程において、「空洞部25が完全に埋まらないように」するための処理条件は、熱酸化前の空洞部25内の高さ(即ち、SiGe層3の厚さ)によって異なってくるので、半導体装置を製造する前に実験又はシミュレーションを行って、最適な熱処理温度、熱処理時間、ガス種及びガス流量等を求めておくことが好ましい。
また、本発明では、SiO2膜31a、31bの代わりに、薄いSiO2膜(熱酸化)+薄いSiN膜(CVD)、または、薄いSiO2膜(CVD)+薄いSiN膜(CVD)を形成しても良い。上記において「+」は積層を意味し、括弧内はその成膜方法を意味する。SiO2膜よりもSiNの方が不純物、即ち、ドーパントの拡散(通り抜け)を抑制する能力が高いので、SiO2膜31a、31bの代わりに上記の積層膜を使用した場合には、後の工程で、空洞部25側からSi層5側への不純物拡散をよりいっそう防止することができる、という利点がある。
また、本発明では、SiO2膜31a、31bの代わりに、薄いSiO2膜(熱酸化)+薄いSiN膜(CVD)、または、薄いSiO2膜(CVD)+薄いSiN膜(CVD)を形成しても良い。上記において「+」は積層を意味し、括弧内はその成膜方法を意味する。SiO2膜よりもSiNの方が不純物、即ち、ドーパントの拡散(通り抜け)を抑制する能力が高いので、SiO2膜31a、31bの代わりに上記の積層膜を使用した場合には、後の工程で、空洞部25側からSi層5側への不純物拡散をよりいっそう防止することができる、という利点がある。
次に、図5に示すように、導電型不純物をほとんど含まない高純度(即ち、真性)のアモルファスシリコン(a−Si)層33をSi基板1の上方全体に形成し、このa−Si層33で空洞部を完全に埋め込む。上述したように、空洞部内には既にSiO2膜31a及び31bが形成されているので、a−Si層33はSiO2膜31a及び31bによって上下から挟まれた状態で形成される。a−Si層33は例えばCVD法で形成する。一例を挙げると、縦型炉内の温度を550℃に保持した状態で炉内にシラン(SiH4)ガスを流すことにより形成する。
次に、このa−Si層33を含むSi基板1全体に熱処理を施して結晶構造を多結晶化し、図6に示すように、a−Si層からポリシリコン(poly−Si)層34を形成する。この多結晶化のための熱処理(以下、第1の熱処理ともいう。)条件は、例えば、温度:700℃、ガス:N2、処理時間:1時間である。
次に、nMOS領域、pMOS領域にそれぞれ、n型不純物、p型不純物をイオン注入して、nMOS領域のpoly−Si層34をn型にドーピングすると共に、pMOS領域のpoly−Si層34をp型にドーピングする。
次に、nMOS領域、pMOS領域にそれぞれ、n型不純物、p型不純物をイオン注入して、nMOS領域のpoly−Si層34をn型にドーピングすると共に、pMOS領域のpoly−Si層34をp型にドーピングする。
例えば、図14(a)に示すように、まず始めに、pMOS領域の上方を覆い、nMOS領域の上方を開口するレジストパターンR1をpoly−Si層34上に形成する。そして、このレジストパターンR1をマスクに、リン又はヒ素等のn型不純物をpoly−Si層34にイオン注入する。このイオン注入工程では、図7に示すように、n型不純物をSi基板1の斜め上方からイオン注入する(即ち、斜めイオン注入)。これにより、poly−Si層34のうちの、Si基板1に対して垂直に成膜されている部分34aにn型不純物を導入することができる。n型不純物をイオン注入した後は、図14(a)に示したレジストパターンR1を例えばアッシングして除去する。
次に、図14(b)に示すように、nMOS領域の上方を覆い、pMOS領域の上方を開口するレジストパターンR2をpoly−Si層34上に形成する。そして、このレジストパターンをマスクに、ボロン等のp型不純物をpoly−Si層34にイオン注入する。ここでも、(n型不純物のときと同様)図7に示すように、p型不純物を斜めイオン注入する。これにより、poly−Si層34のうちの、Si基板1に対して垂直に成膜されている部分34aにp型不純物を導入することができる。p型不純物をイオン注入した後は、図14(b)に示したレジストパターンR2を例えばアッシングして除去する。
次に、図8に示すように、poly−Si層34を含むSi基板1全体に熱処理(以下、第2の熱処理ともいう。)を施して、nMOS領域及びpMOS領域にそれぞれ導入されたn型不純物及びp型不純物を、poly−Si層34のうちの空洞部外側に形成された部分(即ち、poly−Si層34a)から空洞部内側に形成された部分(即ち、Si層5の直下に形成された部分)34bへ拡散させる。ここで、不純物は、SiO2やSiN中よりも、poly−Si中の方が拡散し易いので、図8の矢印で示すように、poly−Si層34aに含まれる不純物は断面視で横方向へ広く拡散する。その結果、poly−Si層34全体で不純物濃度が略均一となり、所定の抵抗値を持つようになる。
なお、上記のpoly−Si層34全体の抵抗値は、poly−Si層34の厚さや、図7に示したイオン注入の条件、図8に示した第2の熱処理の条件等によって変動する。従って、半導体装置を製造する前に実験又はシミュレーションを行って、最適なpoly−Si層34の成膜厚さ、最適なイオン注入条件(例えば、不純物の種類と、そのドーズ量/cm2)、最適な第2の熱処理条件(時間、温度、ガス種及びガス流量等)を求めておくことが好ましい。基本的に、第2の熱処理後にpoly−Si層34全体の抵抗値が最適値となるようにするためには、図7のイオン注入工程で不純物を濃い目にイオン注入しておく必要がある。
次に、poly−Si層34をエッチバックする。これにより、図9に示すように、空洞部内にpoly−Si層34を残しつつ、支持体22上や溝H内からpoly−Si層34を取り除くことができる。このエッチバックは例えば等方性のドライエッチングを行う。なお、このPoly−Si層34の除去工程では、エッチバックを行う代わりに、poly−Si層34を熱酸化によりSiO2膜に変化させ、このSiO2膜をHF溶液等でエッチング、除去しても良い。図示しないが、支持体22とSi層5との間にはSiN膜が形成されており、SiN膜には(LOCOS法でも使われているように)酸化種に対するマスク機能があるので、上記のような熱酸化を行なった場合でも、空洞部内に形成されているpoly−Si層34の酸化を防ぎつつ、溝H内や支持体22上に形成されているpoly−Si層34だけを酸化することができる。また、支持体22自体も厚いため、酸化種に対してマスク機能を発揮する。
次に、例えばCVD法で、Si基板1の上方全面に絶縁層を形成して溝Hを埋め込む。絶縁層は例えばSiO2膜である。そして、Si基板1の上方全面を覆う絶縁層と、その下の支持体22とを例えばCMPにより平坦化しながら除去する。上述したように、このCMPによる平坦化プロセスでは、図示しないSiN膜がストッパー層として機能する。平坦化プロセスを終了した後は、(支持体22を構成する残りの)SiN膜とSiO2膜とをエッチングして除去する。SiN膜のエッチングには例えば熱リン酸溶液を使用し、SiO2膜のエッチングには例えば希フッ酸溶液を使用する。これにより、図10に示すように、Si層5の表面が露出すると共に、溝Hに絶縁層41からなる素子分離層が完成する。
その後、pMOS領域のSi基板1上にp型にドーピングされたバックゲート電極を有するpMOSトランジスタを形成すると共に、nMOS領域のSi基板上にn型にドーピングされたnMOSトランジスタを形成する。
即ち、図11に示すように、Si層5の表面の熱酸化を行うことにより、Si層5の表面にゲート絶縁膜(図示せず)を形成する。次に、ゲート絶縁膜が形成されたSi層5上にCVDなどの方法によりpoly−Si層を形成する。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いてpoly−Si層をパターニングすることにより、Si層5上にゲート電極53を形成する。
即ち、図11に示すように、Si層5の表面の熱酸化を行うことにより、Si層5の表面にゲート絶縁膜(図示せず)を形成する。次に、ゲート絶縁膜が形成されたSi層5上にCVDなどの方法によりpoly−Si層を形成する。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いてpoly−Si層をパターニングすることにより、Si層5上にゲート電極53を形成する。
次に、ゲート電極53をマスクとして、As、P、Bなどの不純物をSi層5内にイオン注入することにより、ゲート電極53の両側に低濃度不純物導入層からなるLDD層55をSi層5に形成する。そして、LDD層55が形成されたSi層5上にCVDなどの方法にて絶縁層を形成し、RIEなどの異方性エッチングを用いて絶縁層をエッチバックすることにより、ゲート電極53の側壁にサイドウォール57を形成する。次に、ゲート電極53およびサイドウォール57をマスクとして、As、P、Bなどの不純物をSi層5内にイオン注入することにより、サイドウォール57の側方のSi層5にそれぞれ高濃度不純物導入層からなるソース層58、ドレイン層59を形成する。
次に、スパッタリングなどの方法により、ソース層58及びドレイン層59が形成されたSi層5上に金属層(図示せず)を形成する。ここで、金属層は合金化が可能なもので、例えば、Ti膜、Co膜、W膜、Mo膜、Ni膜またはPt膜などを用いることができる。そして、金属層を含むSi基板1全体に熱処理を施し、金属層とSi層5、金属層とゲート電極53の合金反応をそれぞれ起こさせることにより、ソース層58及びドレイン層59と、ゲート電極53上にそれぞれシリサイド層(図示せず)を形成する。その後、ウェットエッチングを行うことにより、未反応の金属層を除去する。
次に、図12に示すように、CVDなどの方法により、図示しないシリサイド層全体が覆われるようにしてSi基板1上の全面に絶縁層61を形成する。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて絶縁層61、シリサイド層、Si層5、SiO2膜31bをパターニングすることにより、poly−Si層34の表面の一部を露出させる開口部63を形成する。なお、絶縁層12の材料としては、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜を用いることができる。
次に、CVDなどの方法により、Si基板1上の全面に絶縁層(図示せず)を形成し、RIEなどの異方性エッチングを用いて絶縁層をエッチバックする。これにより、開口部63から露出したSi層5の側壁にサイドウォール65を形成する。なお、サイドウォール65の材料としては、例えば、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜を用いることができる。
次に、スパッタリングなどの方法により、開口部63底面のpoly−Si層34上に金属層(図示せず)を形成する。ここで、金属層は合金化が可能なもので、例えば、Ti膜、Co膜、W膜、Mo膜、Ni膜またはPt膜などを用いることができる。次に、金属層が形成されたpoly−Si層34の熱処理を行い、金属層とpoly−Si層34の合金反応をpoly−Si層34の少なくとも膜厚方向に進める。これにより、開口部63底面のpoly−Si層34上にシリサイド層(図示せず)を形成する。その後、ウェットエッチングを行うことにより、未反応の金属層を除去する。
次に、図13に示すように、CVDなどの方法により、Si基板1上の全面に層間絶縁膜69を堆積する。そして、この層間絶縁膜69を部分的にエッチングして、ソース層58、ドレイン層59、ゲート電極53、poly−Si層34上にそれぞれコンタクトホールを形成する。その後、これらのコンタクトホールを埋め込むように層間絶縁膜69上に導電部材(図示せず)を形成し、これを部分的にエッチングする。これにより、ソース層58に接続する配線層71、ドレイン層59に接続する配線層73、ゲート電極53に接続する配線層(図示せず)、及び、poly−Si層(即ち、バックゲート電極)34に接続する配線層77をそれぞれ形成する。導電部材は、例えばアルミニウム(Al)又はその合金、或いはタングステン(W)などである。
このように、本発明の実施の形態によれば、poly−Si層34に不純物を導入する際に、Si層5を介して不純物をイオン注入する必要がないので、Si層5の抵抗特性や結晶構造に悪影響を与えずに済む。
このように、本発明の実施の形態によれば、poly−Si層34に不純物を導入する際に、Si層5を介して不純物をイオン注入する必要がないので、Si層5の抵抗特性や結晶構造に悪影響を与えずに済む。
また、nMOS領域のpoly−Si層34だけをn型にドーピングできると共に、pMOS領域のpoly−Si層34だけをp型にドーピングできる。このように、nMOS、pMOSのそれぞれに適したバックゲート電極を形成することができるので、閾値電圧Vthの対称性が良くなり、回路設計上、動作上好ましい状態となる。例えば、pMOSトランジスタとnMOSトランジスタの両方を含むCMOS回路において、そのVthを低めに設定したい場合は、nMOSトランジスタのバックゲート電極をn+に、pMOSトランジスタのバックゲート電極をp+に設定すれば良い。また、Vthを高めに設定したい場合は、nMOSトランジスタのバックゲート電極をp+に、pMOSトランジスタのバックゲート電極をn+に設定すれば良い。
この実施の形態では、Si−buffer層2を含むSi基板1が本発明の「半導体基板」に対応し、SiGe層3が本発明の「第1半導体層」に対応し、Si層5が本発明の「第2半導体層」に対応している。また、支持体穴hが本発明の「第1溝」に対応し、溝Hが本発明の「第2溝」に対応している。さらに、SiO2膜31aが本発明の「第1絶縁膜」に対応し、SiO2膜31bが本発明の「第2絶縁膜」に対応している。また、a−Si層33及びpoly−Si層34が本発明の「第3半導体層」に対応している。さらに、絶縁層41が本発明の「絶縁層」に対応し、配線層77が本発明の「バックゲート電極に繋がる配線」に対応している。
なお、上記の実施形態では、始めにa−Si層33を形成し、次に、熱処理によりa−Si層33を多結晶化してpoly−Si層34を形成する場合について説明した。しかしながら、本発明では、アモルファスを熱処理してpoly−Si層34を形成するのではなく、例えばCVDによる成膜条件を調整して、最初からpoly−Si層34を形成するようにしても良い。このような方法であっても、Si層5の抵抗特性や結晶構造に悪影響を与えることなく、nMOS、pMOSのそれぞれに適したバックゲート電極を形成することができる。
但し、空洞部25に対する埋め込み特性だけを考慮すれば、上記の実施の形態で説明したように、アモルファスを熱処理してpoly−Si層34を形成する方法を採ることが好ましい。その理由は、poly−Si層よりも、a−Si層の方が粒子の流動性が高いからである。
但し、空洞部25に対する埋め込み特性だけを考慮すれば、上記の実施の形態で説明したように、アモルファスを熱処理してpoly−Si層34を形成する方法を採ることが好ましい。その理由は、poly−Si層よりも、a−Si層の方が粒子の流動性が高いからである。
即ち、a−Si層からpoly−Si層を形成する場合は、始めに、図15(a)に示すように、空洞部内に面したSi基板1上面から上側に向けてa−Si層33aが成長すると共に、空洞部内に面したSi層5下面から下側に向けてa−Si層33bが成長する。このとき、a−Si層33a及び33b間には小さな隙間sが残り易い。次に、第1の熱処理により、a−Si層33a及び33bはアモルファス構造から多結晶構造に変化するが、このとき、a−Si層33の粒子は比較的容易に移動するため、当該粒子が移動して隙間sに入り込む可能性が高い。その結果、図15(b)に示すように、poly−Si層34a、34bの界面において隙間が無くなり、界面での密着性を高めることができる。つまり、空洞部25内を隙間少なく埋め込むことが可能である。
これに対して、a−Si層を形成することなく、始めからpoly−Si層を形成する場合は、poly−Si層はその粒子間が強く結合した状態で成膜される。それゆえ、たとえ成膜後のpoly−Si層に第1の熱処理を施したとしてもその粒子の流動性はa−Si層に比べて低く、poly−Si層34a、34b界面の隙間sを十分に埋めこむことができない可能性がある。
1 Si基板、2 Si−buffer層、3 SiGe層、5 Si層(SOI層)、11 支持体膜、22 支持体、25 空洞部、31a、31b SiO2膜、33 a−Si層、34、34b poly−Si層(バックゲート電極)、34a poly−Si層(後で除去される部分)、41、61 絶縁層、53 ゲート電極、55 LDD層、57、65 サイドウォール、58 ソース、59 ドレイン、63 開口部、69 層間絶縁膜、71、73、77 配線、R1、R2 レジストパターン、s 隙間
Claims (6)
- 半導体基板上に第1半導体層と第2半導体層とを順次積層する工程と、
前記第2半導体層と前記第1半導体層とを部分的にエッチングして、前記第2半導体層と前記第1半導体層とを貫く第1溝を形成する工程と、
前記第2半導体層を支持する支持体を少なくとも前記第1溝内に形成する工程と、
前記第2半導体層と前記第1半導体層とを部分的にエッチングして、前記第1半導体層の側面を露出させる第2溝を形成する工程と、
前記第2半導体層よりも前記第1半導体層の方がエッチングされ易いエッチング条件で、前記第2溝を介して前記第1半導体層をエッチングすることによって、前記半導体基板と前記第2半導体層との間に空洞部を形成する工程と、
前記空洞部を残しつつ、当該空洞部に面した前記半導体基板の上面に第1絶縁膜を形成すると共に前記第2半導体層の下面に第2絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜が形成された前記空洞部内を埋め込むように前記半導体基板の上方全面にアモルファス又は多結晶構造の第3半導体層を形成する工程と、
イオン注入法により、前記第3半導体層のうちの前記空洞部の外側に形成された部分に不純物を導入する工程と、
前記第3半導体層に熱処理を施して、前記不純物を前記第3半導体層のうちの前記空洞部の外側に形成された部分から前記空洞部の内側に形成された部分へ拡散させる工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜を形成する工程では、
前記第2半導体層の下面から当該第2半導体層の前記第2溝に面した側面にかけて前記第2絶縁膜を連続して形成し、
前記第3半導体層を形成する工程では、前記空洞部内から前記第2半導体層の前記側面にかけて前記第3半導体層を連続して形成し、
前記イオン注入法により前記不純物を導入する工程では、前記不純物を前記半導体基板の斜め上方からイオン注入する、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記半導体基板には、p型のMOSトランジスタが形成されるpMOS領域と、n型のMOSトランジスタが形成されるnMOS領域とが存在し、
前記イオン注入法により前記不純物を導入する工程は、
前記pMOS領域の前記第3半導体層をマスクし、且つ前記nMOS領域の前記第3半導体層をマスクしない状態で、前記nMOS領域の前記第3半導体層に前記不純物としてn型不純物をイオン注入する工程と、
前記nMOS領域の前記第3半導体層をマスクし、且つ前記pMOS領域の前記第3半導体層をマスクしない状態で、前記pMOS領域の前記第3半導体層に前記不純物としてp型不純物をイオン注入する工程と、を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第3半導体層を形成する工程は、
前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜が形成された前記空洞部内を埋め込むように前記半導体基板の上方全面にアモルファス構造の第3半導体層を形成する工程と、
前記アモルファス構造の第3半導体層に熱処理を施して、その結晶構造を多結晶化する工程と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記熱処理により前記不純物を拡散させた後で、前記第3半導体層をエッチングして、前記第3半導体層のうちの前記空洞部の外側に形成された部分を除去すると共に、前記第3半導体層のうちの前記空洞部の内側に形成された部分を残す工程と、
前記第3半導体層をエッチングした後で、前記半導体基板の上方全面に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層に平坦化処理を施して当該絶縁層下から前記第2半導体層の表面を露出させる工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第2半導体層の表面を露出させた後で、前記第2半導体層にMOSトランジスタを形成する工程と、
前記第2半導体層及び前記第2絶縁膜を部分的にエッチングして前記第3半導体層を底面とするコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトホールに導電部材を埋め込んでバックゲート電極に繋がる配線を形成する工程と、をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
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JP2007030259A JP2008198704A (ja) | 2007-02-09 | 2007-02-09 | 半導体装置の製造方法 |
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