JP2008198456A - 導電材の接続部材及びその接続方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な設備で強固な接続が得られる導電材の接続部材及びその接続部材の接続方法を提供する。
【解決手段】本発明の接続部材は、銅線の端部に接続される接続部材であり、平行に隣接配置された銅線Wの端部を挟持するように対向配置される一対の接続片2,2を有し、前記接続片2,2は前記銅線側に配置された内層4と、前記内層4に接合され、純Cu又はCu合金によって形成された外層5を備える。前記内層4はPを0.7〜3.2mass%含むP−Cu合金又は純NiあるいはNiを4.0mass%以上含むNi−Cu合金で形成される。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の接続部材は、銅線の端部に接続される接続部材であり、平行に隣接配置された銅線Wの端部を挟持するように対向配置される一対の接続片2,2を有し、前記接続片2,2は前記銅線側に配置された内層4と、前記内層4に接合され、純Cu又はCu合金によって形成された外層5を備える。前記内層4はPを0.7〜3.2mass%含むP−Cu合金又は純NiあるいはNiを4.0mass%以上含むNi−Cu合金で形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、銅線、薄板状銅電極などの導電材の端部を通電によりろう付けする接続部材及びその接続部材の接続方法に関する。
従来、銅製あるいは銅合金製の銅線同士を接続するには、銅線の端部を銅製のスリーブに突き合わせるように差し込み、差込部をかしめ加工して、両者をスリーブを介して機械的に一体化する方法が採られている。また、銅線の端部に、接続ピンに差し込んだり、端子台にネジ止めするための端子を接続する場合も、例えば特許2649741号公報(特許文献1)に記載されているように、端子に設けられた圧着片に銅線の端部を収容し、その収容部をかしめ加工して一体化する手法が採られている。これらの方法は、簡単な工具により比較的信頼性の高い接続が得られるので、現場加工方法としては好適なものである。
また、特開平11−104758号公報(特許文献2)には、端子に被かしめ部としてスリーブを設けておき、これに銅線の端部を差し込んで、差込部を銅線と共に通電し、抵抗熱を発生させて銅線及び接続スリーブを共に軟化させ、加圧しながら両者を固着する接続技術が記載されている。
さらに、特開2006−179369号公報(特許文献3)には、アルミ電線の端部に端子をかしめて接続する方法に関するものであるが、端子に設けた有底スリーブに溶融はんだを供給し、はんだが固まる前に電線端部をそのスリーブに挿入し、はんだが固まった後にプレス機等によりかしめ加工する接続技術が記載されている。
なお、加熱炉やバーナーでろう付けするためのろう材として、自己フラックス性を有するリン銅ろう合金がJISZ3264(P:4.8〜7.5mass%)に規定されており、また特開2003−225791号公報(特許文献4)には、P量が2.0〜3.2mass%の冷間加工性に優れたリン銅ろう合金が記載されている。
特許2649741号公報
特開平11−104758号公報
特開2006−179369号公報
特開2003−225791号公報
上記のように、接続用スリーブや端子などの接続部材は、主にかしめ加工によって銅線の端部に固着される。しかし、自動車の電装部品など、振動環境で使用される部品では、かしめ工具を用いて接続部材をかしめ加工するだけでは信頼性に問題がある。この点、特許文献2の技術では通電により電線端部およびスリーブを共に軟化させながら、かしめ加工を行うので、接続の信頼性は向上するが、通電可能な特殊な圧着装置が必要となり、設備コスト高を招来する。また、特許文献3の技術でも、かしめ加工とはんだ接合とを併用するため、接合の信頼性は向上するが、種々の工程が必要であり、また溶融はんだを有底スリーブに供給することが必要であるなどの煩瑣な操作が必要となり、生産性に問題がある。
本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、簡単な設備で強固な接続が容易に得られる銅製あるいは銅合金製の導電材の接続部材及びその接続部材の接続方法を提供することを目的とする。
本発明の接続部材は、銅製又は銅合金製の導電材の端部に接続される接続部材であって、前記導電材の端部を挟持するように対向配置される一対の接続片を有し、前記端部側に配置された内層と、前記内層に接合され、純Cu又はCu合金によって形成された外層を備え、前記内層はPを0.7〜3.2mass%含むP−Cu合金又は純NiあるいはNiを4.0mass%以上含むNi−Cu合金で形成されたものである。
この接続部材によると、平行に隣接配置した複数の導電材の端部を同時に挟持するように接続片を対向して配置し、前記接続片を導電材側に押し付けて通電することにより、前記接続片の内層を抵抗熱によって溶融して前記導電材の端部と接続片の外層とを、さらに前記端部同士をろう付けすることができる。このため、導電材と接続部材を強固に接続することができる。また、汎用の抵抗溶接機を用いることにより簡単にろう付け作業を行うことがができるので、設備コストが低廉で済み、生産性にも優れる。
前記接続部材において、導電材の端部外周面に沿って当接する側壁部を設けることができる。前記側壁部を設けることにより、導電材の位置決めが容易になり、また接触面積が増大するため、ろう付け性が向上する。また、一方の接続片の側端と当該側端に対向する他方の接続片の側端とを連結部を介して一体的に形成することができる。この連結部を設けることにより、導電材の端部を挟持するように接続片を容易に対向配置することができ、接続作業性が向上する。
また、本発明の他の接続部材は、銅製又は銅合金製の導電材について、一方の導電材の端部と他方の導電材の端部とを接続する接続部材であって、一方の導電材の端部外周面に取り付けられるスリーブと、他方の導電材の端部に設けられ、純Cu又はCu合金によって形成され、前記スリーブを嵌合可能に挿入することができる挿入孔を備えた外筒を有し、前記スリーブがPを0.7〜3.2mass%含むP−Cu合金又は純NiあるいはNiを4.0mass%以上含むNi−Cu合金で形成されたものである。
この接続部材によると、一方の導電材の端部にスリーブを取り付け、他方の導電材の端部に外筒を設け、前記外筒の挿入孔に前記スリーブを嵌合させ、前記外筒の対向する外面に一対の電極を押し付けた状態で通電し、前記スリーブを抵抗熱によって溶融して前記導電材の端部と外筒をろう付けすることができる。このため、一方の導電材と他方の導電材とを当該接続部材を介して特殊な設備を用いることなく、簡単かつ強固に接合することができる。
本発明の接続部材は、純Cu又はCu合金で形成された外層の内側にCuに比して適度な抵抗を備た特定組成のP−Cu合金あるいはNi−Cu合金のろう材で形成された内層が接合されているので、銅製又は銅合金製の導電材の端部を挟持するように当該接続部材を対向配置し、前記接続部材を前記端部側に押し付けながら通電することにより、前記内層を形成するろう材が抵抗熱により溶融し、これにより接続部材の外層と導電材とが簡単確実にろう付けされ、引いては導電材の端部同士も強固に接続される。しかも、接続部材への通電は、汎用の抵抗溶接機を用いて実施することができるので、特殊な設備も不要で、生産性にも優れる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態にかかる導電材の接続部材について説明する。図1は、第1実施形態にかかる接続部材1であり、上下一対の平面方形で板状の接続片2,2を備えている。各接続片2はろう材で形成された内層4と、これに接合された外層5とを備えている。
前記接続片2の外層5は、純Cu又はパーセント導電率の高い、好ましくは90%以上のCu合金で形成される。前記Cu合金としては、Cu含有量が高いほど導電率も高くなるため、Cu量が好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上のCu合金が望ましい。このようなCu合金としては、例えば、JIS C1020、C1100、C1201、C14500に規定のCu合金のほか、Z3234に含まれるCu−Be合金,Cu−Cr合金を挙げることができる。
前記接続片2の内層4を形成するろう材としては、Pが0.7〜3.2mass%のP−Cu合金、純NiあるいはNiを4mass%以上含むNi−Cu合金が好適である。これらの合金は、純Cuを溶融させるのに必要な電力の50%以下の電力で溶融するため、外層5を溶融させることなく、速やかに溶融させることができる。前記P−Cu合金、Ni−Cu合金の選択については、材料コストを重視するときはP−Cu合金が好ましく、耐食性を重視するときはNi−Cu合金が好ましい。
ここで、P−Cu合金、Ni−Cu合金について、体積抵抗値(単位μΩ・cm)、溶融に必要な電流値などを表1に示す。表1中、溶融に必要な電流値は、純Cuを100としたときの指数(相対値)である。なお、電流値iはi=k√(融点×比重/体積抵抗率)から求めた。但し、kは定数である。
前記P−Cu合金については、Pが0.7mass%未満では、融点が900℃を超えるようになり、また溶融に必要な電力が純Cuに比して50%を超えるようになる。一方、3.2mass%を超えると冷間加工性の低下が著しくなる。また、P−Cu合金はろう付けの際に銅表面に形成された酸化銅を還元し、フラックスなしでろう付けできるが、Pが3.2mass%超では還元反応により発生するガス(P2O5)が多くなり、ろう付け部にボイドが多量に形成される結果、接合強度が低下するようになる。好ましくは、P量を2.0〜2.9mass%とするのがよい。この範囲では融点が710℃程度であり、また純Cuの溶融に必要な電力の30%以下となり、ろう付け性に優れる。
一方、Ni−Cu合金については、加工性については問題がなく、4mass%未満では溶融に必要な電力が純Cuの場合の50%超となるので、Ni量を4mass%以上とする。好ましくは、Ni量は15〜85mass%とするのがよい。かかるNi範囲では溶融に必要な電力が純Cuの30%以下となり、ろう付け性に優れる。
前記接続片2は、外層5と内層4とが接合されたクラッド材を加工したものである。前記接合片2の厚さは、接合すべき導電材のサイズにもよるが、概ね0.3〜1mm程度でよく、内層4はその10〜40%程度でよい。前記クラッド材は、外層5の元になる外層材シートと内層4の元になる内層材シートとを重ね合わせて冷間あるいは温間でロール圧接し、得られた複合シートに拡散焼鈍を行った後、目的の厚さになるように冷間圧延することにより製造される。なお、拡散焼鈍条件は、内層材としてP−Cu合金を用いる場合は焼鈍温度は500〜700℃程度、Ni−Cu合金を用いる場合は700〜1000℃程度で、保持時間は1〜3分程度でよい。
次に、前記接続部材1を用いて、銅製又は銅合金製の導電材として断面が方形の角銅線Wを端部にて接続する方法について説明する。
図1に示すように、接続する角銅線Wはそれぞれの端部が横方向に重なるように平行に隣接して配置されており、前記端部の上下面に前記接続片2,2をその内層4が当接するように対向して配置する。この重合体の上下面に抵抗溶接用の一対の電極を図1の矢印方向に押し付けながら通電する。押圧力は、前記重合体の各部がずれない程度の圧力でよく、特に制限されない。接合片2の内層4は通電により抵抗発熱し、溶融する。これにより、角銅線Wの端部と接合片2の外層5とが一体的にろう付けされ、ろう材が十分供給される場合には更に銅線同士もろう付けされる。これにより角銅線の端部同士が強固に接続される。
図1の第1実施形態では、接続片2は方形の平板状をしているが、図2に示すように、角銅線Wの側面に沿って当接する側壁部7を平坦部8の側端に設けてもよい。このような側壁部7を設けることにより、銅線の横方向の位置決めが容易になり、また銅線と接続片2との接触面積が増えるため、ろう付け性が向上する。
また、図1の第1実施形態では、対向配置された一対の平坦状の接続片2はそれぞれ独立した別個のものであるが、図3に示すように、対向配置した平坦状の接続片2の一方の側端に両者を連結する連結部9を接続片2、2に一体的に設けてもよい。この場合、図4に示すように、平坦部8の他方の側端に角銅線Wの側面に沿って当接する側壁部7を設けてもよい。また、図5に示すように、接続片2のいずれか一方に、端子台にビス止めするための端子部10を設けるようにしてもよい。この場合、図5に示すように、角銅線Wの端部は同じ向きに揃えられて接続片2,2に挟持される。
ところで、図3に示すように、前記連結部9によって連結した接続片2,2に、隣接配置した角銅線Wの端部を挟持し、接極片2,2の外面に一対の電極を押し付けて通電すると、前記連結部9の外層部分にも電流が流れる。この電流により接続片2及び連結部9の外層部分が抵抗発熱し、内層4のろう材を加熱溶融させ、これにより角銅線Wと外層5をろう付けすることができる。このため、この実施形態においては、接続片2の内層4を形成するろう材として融点が低いP−Cu合金を用いることが好ましい。
図6は、第1実施形態の接続部材1の他の使用例を示す。この使用例では、ろう付け対象の導電材は、例えばリチウムイオン電池の負極を構成する銅箔(厚さ10μm 程度)を重ね合わせた銅箔群Gである。接続片が平面長方形の接続部材1を用いて、銅箔群Gの端部を一体的に接合し、集電体を構成することができる。この場合、図のように、銅箔群Gの端部を挟持するように接続片2、2を対向配置し、その接続片2,2の外表面に上下方向に一対の電極を押し付けて通電する。通電により、接続片2,2の内層4のろう材を抵抗熱で溶融させ、前記銅箔群Gを接続片2,2の外層5と共に一体的にろう付けする。この場合、銅箔は数十μm 程度のものであるので、数十枚程度であれば、通電の際に溶融したろう材に拡散して一体化する。
図1〜5において、接続部材によって接続する導電材として、断面が方形の角銅線Wを例示したが、断面形状は角形に限らず丸形でもよい。もっとも、この場合、平坦状の接続片と銅線とは通電時に電極で押圧するとはいえ、基本的には点接触になり、接触面積が小さい。このような問題は接続片の内面を接続すべき銅線の外周面に添うように形成することによって解消することができる。以下、そのような実施形態の接続部材を示す。
図7は、第2実施形態の接続部材11であり、上下一対の接続片12,12が対向配置され、前記接続片12,12は第1実施形態と同様、純Cu又はCu合金で形成された外層15に、所定のP−Cu合金あるいはNi−Cu合金のろう材で形成された内層14が接合されている。その断面形状は、中央平坦部18の両側に接続対象の丸銅線Wの外周面に沿って当接するように円弧状に曲げ成形された側壁部17が形成されている。すなわち、接続部材11は、長円のスリーブを上下に二つに割った形態をしている。
前記接続片12の側壁部17によって、対向配置された接続片12、12の内側に複数の丸銅線Wがずれることなく、隣接して平行に収容される。このように丸銅線Wを挟持するように収容した接続部材11の上下面を一対の電極で押さえ付けながら通電する。通電により、接続片12の内層14を形成するろう材が抵抗熱により溶融し、丸銅線と接続片の外層5とがろう付けされ、丸銅線W同士が接続部材11を介して強固に接続される。
前記接続部材11の接続片12は、図7に示した半長円形に限ることなく、図8に示すように、丸銅線Wに内接する二山形のものでもよい。かかる形態にすることにより、丸銅線Wとの接触面積がより増大し、より確実なろう付けが可能となる。
また、図9に示すように、前記対向配置した接続片12、12の一方の側端が連結部19を介して一体化してもよい。この場合も、接続片12は図8のように二山状に形成してもよい。また、図10に示すように、他方の側端には側壁部を設けることなく、切り落とし状に形成してもよい。前記連結部19を備えた接続部材11では、接続片12の内層14を形成するろう材としては、融点の低いP−Cu合金が好ましい。
図11は、第3実施形態の接続部材21であり、断面が1/4円弧状の側壁部が連成された半円弧状の接続片22を上下一対備えており、端面が突き合わせるように直線状に配置された丸銅線Wの端部を挟持するように対向配置される。前記接続片22も他の実施形態と同様、所定のろう材で形成された内層24に純銅等で形成された外層25が接合されている。この接続部材21についても、図12に示すように、その一方の側端を連結部29にて連結するようにしてもよい。この場合、接続片22の内層24を形成するろう材としては、融点の低いP−Cu合金が好ましい。
ところで、図5では第1実施形態の接続部材1に端子部10を設けた例であるが、他の実施形態に係る接続部材についても、必要に応じて前記端子部を設けることができる。また、図1〜10において、平行に隣接配置した2本の銅線を接続する例を示したが、銅線の本数は1本でもよく、3本以上でもよいことはもちろんである。また、図11及び12では、直線状に突き合わせて配置した2本の銅線を接続する例を示したが、銅線の本数は1本に限らず、複数本でもよく、複数本を突き合わせ状に配置して、図1〜図5、図7〜図10に示した実施形態の接続部材を用いて接続してもよい。また、銅線は単線に限らず、複数の銅細線が撚られた撚り線でもよい。この場合、接続片の内層は厚めに設定するのがよい。
以上の実施形態の接続部材は、対向配置された接続片を備え、それぞれの接続片がろう材で形成された内層と、これに接合された外層とを備えるものであるが、接続部材としては必ずしもこのような構成を採る必要はない。図13は、第4実施形態に係る接続部材31であり、一方の丸銅線Wの端部に嵌着したスリーブ34と、他方の丸銅線Wの端部に固着した外筒35とを備えたものである。前記外筒35は、その内周面に前記スリーブ34が嵌合可能な挿入孔36が設けられている。
この接続部材31によって銅線同士を接続するには、前記一方の丸銅線Wの端部に装着したスリーブ34をその丸銅線Wと共に他方の丸銅線Wの端部に設けた外筒35の挿入孔36に挿入して、外筒35の外面に一対の電極を径内方向に押し付けながら通電し、前記スリーブ34を抵抗熱で溶融して、丸銅線Wと外筒35とを一体的にろう付けすることにより銅線同士は強固に接続される。なお、電流は主に外筒35を流れるが、そこで発生した抵抗熱によりスリーブ34が溶融し、ろう付けが行われる。このため、スリーブ34を形成するろう材としては、融点の低いP−Cu合金が好ましい。
上記各実施形態及びその変形例の接続部材を用いることにより、これらを銅製導電材の端部に簡単にろう付けすることができるが、さらに接続をより確実なものにするために導電材の端部に接続した接続部材にかしめ加工を施してもよい。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
表2に示した内層材(ろう材)によって形成した内層を、無酸素銅で形成した外層に接合したクラッド材(板厚0.4mm、内層厚さ/外層厚さ=1/7)を準備し、このクラッド材から方形状素材を採取して、図1あるいは図3の形態の接続部材の試料を製作した。この接続部材の横幅Sを2.5mm、長さLを5mmとした。これらの接続部材を用いて図1あるいは図3のように角銅線(1×1mm)の端部が重ね合わさるように隣接配置し、その隣接する端部を挟持するように前記接続部材の接続片をその内面が角銅線の上面、下面に当接するように対向配置した。そして、交流式スポット溶接機(DAIDEN製、型式SW−20)を用いて接続片の外側から内側へ一対の電極を押し付けて通電した。電極サイズは5mmφで、加圧力は30MPaとした。通電条件は、電圧200V、最大電流6000〜7000A、通電時間約1秒(60サイクル)とした。
通電後、接続部材によって接続した角銅線から、接続部材(ろう付け部)を含む長さの抵抗測定試料を採取し、接続部材を含む56mmの部分に1000mAの電流を流し、その間の電圧を測定し、電気抵抗を求めた。比較のため角銅線自体についても同様に電気抵抗を測定した。電気抵抗測定結果を表2に併せて示す。表2には、角銅線(Cu)に対する電気抵抗比率も示した。表2より、接続部材によって接続した銅線の電気抵抗は、銅線自体よりもむしろ低下しており、良好な通電性が得られることが確認された。
その後、抵抗測定試験片の両端を銅線が破断するまで引っ張り、破断状況を観察した。その結果、いずれの試料も接続部材から銅線が抜けることなく、また同部で破断することなく、銅線の部分で破断した。これより、接続部材による接続は非常に強固であることが確認された。
1、11、21、31 接続部材
2,12,22 接続片
4,14,24 内層
5,15,25 外層
7,17,27 側壁部
34 スリーブ
35 外筒
2,12,22 接続片
4,14,24 内層
5,15,25 外層
7,17,27 側壁部
34 スリーブ
35 外筒
Claims (8)
- 銅製又は銅合金製の導電材の端部に接続される接続部材であって、
前記導電材の端部を挟持するように対向配置される一対の接続片を有し、前記端部側に配置された内層と、前記内層に接合され、純Cu又はCu合金によって形成された外層を備え、前記内層はPを0.7〜3.2mass%含むP−Cu合金で形成された、導電材の接続部材。 - 銅製又は銅合金製の導電材の端部に接続される接続部材であって、
前記導電材の端部を挟持するように対向配置される一対の接続片を有し、前記端部側に配置された内層と、前記内層に接合され、純Cu又はCu合金によって形成された外層を備え、前記内層は純NiあるいはNiを4.0mass%以上含むNi−Cu合金で形成された、導電材の接続部材。 - 前記接続片は、前記導電材の端部外周面に沿って当接する側壁部を有する、請求項1又は2に記載した導電材の接続部材。
- 前記一対の接続片は、一方の接続片の側端と当該側端に対向する他方の接続片の側端とが連結部を介して一体的に形成された、請求項1〜3のいずれか1項に記載した導電材の接続部材。
- 銅製又は銅合金製の導電材について、一方の導電材の端部と他方の導電材の端部とを接続する接続部材であって、
一方の導電材の端部外周面に取り付けられるスリーブと、他方の導電材の端部に設けられ、純Cu又はCu合金によって形成され、前記スリーブが嵌合可能な挿入孔を備えた外筒を有し、前記スリーブはPを0.7〜3.2mass%含むP−Cu合金で形成された、導電材の接続部材。 - 銅製又は銅合金製の導電材について、一方の導電材の端部と他方の導電材の端部とを接続する接続部材であって、
一方の導電材の端部外周面に取り付けられるスリーブと、他方の導電材の端部に設けられ、純Cu又はCu合金によって形成され、前記スリーブが嵌合可能な挿入孔を備えた外筒を有し、前記スリーブは純NiあるいはNiを4.0mass%以上含むNi−Cu合金で形成された、導電材の接続部材。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載された接続部材を準備し、平行に隣接配置した複数の銅製又は銅合金製の導電材の端部を同時に挟持するように接続片を対向して配置し、前記接続片を導電材側に押し付けて通電し、前記接続片の内層を抵抗熱によって溶融して前記接続片の外層と前記導電材の端部とをろう付けする、導電材の接続方法。
- 請求項5又は6に記載された接続部材を準備し、一方の銅製又は銅合金製の導電材の端部にスリーブを取り付け、他方の導電材の端部に外筒を設け、前記外筒の挿入孔に前記スリーブを嵌合させ、前記外筒をスリーブ側に押圧した状態で通電し、前記スリーブを抵抗熱によって溶融して前記外筒に前記導電材の端部をろう付けする、導電材の接続方法。
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