JP2008197318A - 定着装置 - Google Patents

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直人 菅谷
Masashi Sugano
雅至 菅野
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山口  淳
Akihiro Hayashi
明洋 林
Seiichi Kirikubo
誠一 切久保
Yutaka Yamamoto
豊 山本
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Abstract

【課題】小サイズシート通過時に定着部材の端部の過昇温を防止して、定着部材の温度分布を均一に制御できるとともに、応答時間に起因する定着品質の問題を解消できる定着装置を提供すること。
【解決手段】 定着部材の中央部Aの温度を検出する第1温度検出部4Aと、上記定着部材のうち端部Bの温度を検出する第2温度検出部4Bとを備える。第1温度検出部4Aが検出した定着部材1の中央部Aの温度が目標温度に一致するように高周波電源部の出力周波数を可変して設定する。これとともに、第1温度検出部4Aが検出した定着部材1の中央部Aの温度と第2温度検出部4Bが検出した定着部材1の端部Bの温度とが一致するように、消磁コイル移動機構を介して消磁コイル31A,31Bを励磁コイル3に対して接近または離間させる制御を行う。
【選択図】図4A

Description

この発明は電磁誘導加熱方式の定着装置に関する。この種の電磁誘導加熱方式の定着装置は、典型的には、複写機・プリンタなどの画像形成装置に組み込まれ、紙などのシートにトナーを定着させるのに用いられる。
従来、電磁誘導加熱方式の定着装置としては、例えば、特許文献1(特開2001−43965号公報)に記載のように、ニップ部を作るように互いに圧接された定着ローラおよび加圧ローラと、その定着ローラに沿って配置された励磁コイルとを有し、励磁コイルによる電磁誘導によって定着ローラを加熱し、トナー像が付着されたシート(記録紙)を上記ニップ部を通して搬送して、上記定着ローラの発熱によってトナー像を溶融してシートに定着させるものが知られている。同文献では、定着ローラの軸方向端部に相当する領域に、励磁コイルに沿って消磁コイルが設けられている。最大サイズのシートが通紙されるときは、消磁コイルは開かれている。一方、小サイズのシートが通紙されるときは、上記消磁コイルを閉じることによって、その消磁コイルが配置された領域で上記励磁コイルによる磁束の変化をキャンセルして、定着ローラの軸方向端部の過昇温を防止するようになっている。
従来例では、上記励磁コイルに電力供給するためのインバータ回路が設けられている。定着ローラの温度制御は、上記定着ローラの表面温度を温度センサで検出し、上記定着ローラの表面温度が所定の目標温度になるように、上記インバータ回路の出力周波数を可変して上記励磁コイルへの電力供給を増減させることによって行われている(フィードバック制御)。
特開2001−43965号公報
しかしながら、上記消磁コイルの開閉に伴って、例えば図7に例示するように、上記励磁コイルに対する電力供給側(インバータ回路)から見た負荷、つまり励磁コイルとそれに電磁的に結合した消磁コイルや定着ローラが作る等価回路のインピーダンスが変化する。これに伴って、消磁コイルが開の場合の周波数特性(実線で示す。共振周波数はf01)に対して、消磁コイルが閉の場合の周波数特性(破線で示す。共振周波数はf02)が高周波側にシフトする。このため、例えば定着ローラに投入されるべき電力Pが1200Wである場合において消磁コイルが開から閉へ切り替えられた時、その直後に1200W以上の過剰な電力(破損を招く)が投入されるのを防止するために、インバータ回路の出力周波数fをまず想定される出力周波数よりも高め(図7中のf)に設定し、徐々に低い出力周波数(図7中のf)にシフトさせてゆく制御方式が考えられる。このような制御方式では、消磁コイルの開閉時に周波数特性が瞬時に大きくシフトするため、定常状態に復帰するまでの応答時間が長くなって定着品質が損なわれるという問題がある。
そこで、この発明の課題は、小サイズシート通過時に定着部材の端部の過昇温を防止して、定着部材の温度分布を均一に制御できるとともに、応答時間に起因する定着品質の問題を解消できる定着装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の定着装置は、
搬送されるシートが外周面に圧接される定着部材と、
上記定着部材の外周面に沿って上記搬送されるシートの幅方向に関して細長く配置された励磁コイルと、
上記励磁コイルに接続されて等価的に共振回路を構成するキャパシタと、
上記励磁コイルに関して上記定着部材の反対側で、上記定着部材のうち上記シートの幅方向に関して端部に対応する領域に、上記励磁コイルに沿って配置された消磁コイルと、
上記共振回路に交流電圧を印加することで上記励磁コイルを介して上記定着部材を誘導加熱する高周波電源部と、
上記定着部材のうち上記シートの幅方向に関して上記端部以外の中央部の温度を検出する第1温度検出部と、
上記定着部材のうち上記端部の温度を検出する第2温度検出部と、
上記消磁コイルを上記励磁コイルに対して接近または離間させるように移動可能な消磁コイル移動機構と、
上記第1温度検出部が検出した上記定着部材の上記中央部の温度が所定の目標温度に一致するように上記高周波電源部の出力周波数を可変して設定するとともに、上記第1温度検出部が検出した上記定着部材の上記中央部の温度と上記第2温度検出部が検出した上記定着部材の上記端部の温度とが一致するように、上記消磁コイル移動機構を介して上記消磁コイルを上記励磁コイルに対して接近または離間させる制御を行う制御部とを備える。
この発明の定着装置では、高周波電源部が上記共振回路に交流電圧を印加することで上記励磁コイルを介して上記定着部材を誘導加熱する。第1温度検出部が上記定着部材のうちシートの幅方向に関して端部以外の中央部の温度を検出する。また、第2温度検出部が上記定着部材のうちシートの幅方向に関して端部の温度を検出する。制御部は、上記第1温度検出部が検出した上記定着部材の上記中央部の温度が所定の目標温度に一致するように上記高周波電源部の出力周波数を可変して設定するとともに、上記第1温度検出部が検出した上記定着部材の上記中央部の温度と上記第2温度検出部が検出した上記定着部材の上記端部の温度とが一致するように、上記消磁コイル移動機構を介して上記消磁コイルを上記励磁コイルに対して接近または離間させる制御を行う。
この制御方式では、上記第1温度検出部が検出した上記定着部材の上記中央部の温度が所定の目標温度に一致するように上記高周波電源部の出力を可変して設定するので、上記定着部材の上記中央部の温度が上記目標温度に制御される。これとともに、上記第1温度検出部が検出した上記定着部材の上記中央部の温度と上記第2温度検出部が検出した上記定着部材の上記端部の温度とが一致するように、上記消磁コイル移動機構を介して上記消磁コイルを上記励磁コイルに対して接近または離間させるので、上記定着部材の温度がシートの幅方向に関して均一に制御される。つまり、上記消磁コイルのお蔭で、小サイズシート通過時に上記定着部材の端部の過昇温を防止できる。また、上記消磁コイル移動機構による上記消磁コイルの移動は徐々に行われるため、既述の消磁コイルを開閉する方式とは異なり、上記励磁コイルとキャパシタとが作る等価的な共振回路の周波数特性を瞬時に大きくシフトさせることがない。したがって、この制御方式によれば、随時、定常状態を維持でき、定着品質を良好に保つことができる。つまり、応答時間に起因する定着品質の問題を解消できる。
ここで、上記消磁コイルを上記励磁コイルに対して接近または離間させる向きに移動させると、上記定着部材、上記励磁コイルおよび上記消磁コイルが作る等価回路の周波数特性がシフトする。このため、上記定着部材の上記中央部の温度が上記目標温度から外れようとする。
そこで、一実施形態の定着装置では、上記制御部は、上記高周波電源部の出力周波数を可変して設定する制御と、上記消磁コイル移動機構を介して上記消磁コイルを上記励磁コイルに対して接近または離間させる制御とを順次繰り返すことを特徴とする。
この一実施形態の定着装置では、上記定着部材の上記中央部の温度が上記目標温度に精度良く制御されるとともに、上記定着部材の温度がシートの幅方向に関して均一に精度良く制御される。
一実施形態の定着装置では、
上記消磁コイルの上記励磁コイルに対する複数の位置毎に、上記定着部材に投入されるべき電力とこの電力に応じた上記高周波電源部の出力周波数とを対応付けて記憶する記憶部を備え、
上記制御部は、上記制御の開始時に、上記高周波電源部の出力周波数の初期値を上記記憶部の記憶内容に基づいて設定することを特徴とする。
この一実施形態の定着装置では、上記制御部は、上記制御の開始時に、上記高周波電源部の出力周波数の初期値を上記記憶部の記憶内容に基づいて設定する。したがって、想定される出力周波数又はそれに十分に近い周波数から制御を開始できる。この結果、上記制御開始から上記定着部材の温度がシートの幅方向に関して均一に目標温度になるまでの時間を短縮できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態の定着装置のブロック構成を示している。この定着装置は、定着ユニット10と、この定着ユニット10に対して別体として設けられた消磁ユニット30と、この消磁ユニット30を定着ユニット10に対してZ方向に関して相対的に移動させるための消磁ユニット移動機構33と、高周波電源部としての電源装置11と、制御部としてのシステム制御部20とを備えている。
定着ユニット10には、定着部材としての定着ローラ1と、加圧部材としての加圧ローラ2と、励磁コイル3と、第1,第2温度検出部としての二つの温度検出センサ4A,4Bとが、それぞれ位置決めして取り付けられている。
定着ローラ1と加圧ローラ2とは、紙などのシート6を通すニップ5を形成するように、図示しないバネなどの付勢手段によって互いに圧接されている。ただし、ジャム発生時は、励磁コイル3や定着ローラ1を残して、図1において右方向(+Y方向)に加圧ローラ2が取り外し可能になっている。また、部品交換時は、励磁コイル3を残して、定着ローラ1や加圧ローラ2が図1において右方向に取り外し可能になっている。
図1に示すように、上記定着ユニット10に各部品1,2,3,4A,4Bが取り付けられた状態で、定着ローラ1は図示しない駆動源(モータなど)によって矢印a方向(図1において反時計回り)に回転され、それに従動して、加圧ローラ2は矢印b方向(図1において時計回り)に回転される。定着動作時には、片面6aにトナー9が付着されたシート6が図1においてニップ5を通して下方から上方へ搬送される。これにより、トナー9がシート6に定着される。なお、図1の紙面に対して垂直な方向(X方向)がシート6の幅方向に相当する。なお、定着ローラ1を回転駆動させて加圧ローラ2を従動回転させてもよい。つまり、駆動と従動の関係は、逆であってもかまわない。
定着ローラ1は、例えば鉄製の芯金上に、厚さ5mmのSi(シリコン)スポンジゴム層と、厚さ50μmのNi(ニッケル)とCr(クロム)からなる合金層と、厚さ1mmのSiゴム層と、厚さ20μmのPFA(テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)からなる表層とを設けて構成されている。また、加圧ローラ2は、鉄製の芯金上に、厚さ5mmのSi発泡ゴム層と、厚さ30μmのPFA表層とを設けて構成されている。
励磁コイル3は、例えば図4A中に示すように、定着ローラ1の上方に、定着ローラ1の軸方向(図1におけるX方向に相当する)に関して細長く配置されている。具体的には、励磁コイル3は、導線束を層を成すように長円形状に複数回巻回して形成されている。その層が図示しないホルダに支持されて、上記定着ローラ1の外周面に接近して配置されている。これにより、励磁コイル3に交流電流を流すことによって、定着ローラ1が含むNiCr合金層を電磁誘導によって直接加熱するようになっている。なお、1本の導線束は、通電効率を高めるために素線(直径0.18mm〜0.20mm程度の銅線であってエナメルで絶縁被覆されたもの)を百数十本程度束ねて形成された直径数mm程度の公知の撚り線である。
また、図4A中に示すように、第1温度検出部としての温度検出センサ4Aは、定着ローラ1の外周面のうち軸方向に関して中央部Aに対向して配置され、公知の赤外線方式で定着ローラ1の中央部Aの表面温度(これを温度Taと呼ぶ。)を検出するようになっている。第2温度検出部としての温度検出センサ4Bは、定着ローラ1の外周面のうち軸方向に関して端部Bに対向して配置され、公知の赤外線方式で定着ローラ1の端部Bの表面温度(これを温度Tbと呼ぶ。)を検出するようになっている。これらの温度検出センサ4A,4Bが検出した温度Ta,Tbは、図1中に示すシステム制御部20へ送られる。
消磁ユニット30には、二つの消磁コイル31A,31Bが位置決めして取り付けられている。図4A中に示すように、消磁コイル31A,31Bは、それぞれ励磁コイル3の上方で、定着ローラ1の軸方向両側の端部B,Bに対応する領域に、励磁コイル3に沿って配置されている。各消磁コイル31A,31Bは、励磁コイル3よりも短尺ではあるが、励磁コイル3と同様に導線束を長円形状に複数回巻回して形成されている。
この消磁ユニット30は、図1中に示す消磁ユニット移動機構33によって、定着ユニット10に対してZ方向に関して相対的に移動されるようになっている。具体的には、消磁ユニット移動機構33は、システム制御部20からの消磁ユニット移動制御信号SigCによって制御されるステッピングモータ34と、このステッピングモータ34によって駆動されるギヤ35とを有している。ギヤ35が矢印cのように回動されることにより、図示しない伝達機構を介して消磁ユニット30が上方向(+Z方向)または下方向(−Z方向)に平行移動する。これにより、図4Aに示すように、消磁コイル31A,31Bを励磁コイル3に対して接近させたり、図4Bに示すように、消磁コイル31A,31Bを励磁コイル3から離間させたりすることができる。
図4Aに示すように消磁コイル31A,31Bが励磁コイル3に対して接近した位置に配置された場合、消磁コイル31A,31Bの消磁力Qdが大きくなる。これにより、定着ローラ1の中央部Aに投入される電力Qaに比して、定着ローラ1の端部Bでは投入される電力が小さく、例えばQb(<Qa)となる。一方、図4Bに示すように消磁コイル31A,31Bが励磁コイル3から離間した位置に配置された場合、消磁コイル31A,31Bの消磁力が小さく、例えばQd′(<Qd)となる。この結果、定着ローラ1の端部Bで投入される電力が大きく、例えばQb′(>Qb)となる。したがって、消磁コイル31A,31Bを励磁コイル3に対して接近させたり、離間させたりすることによって、図1中に示すシート6が定着ローラ1の中央部Aのみを通過するような小サイズシートであっても定着ローラ1の端部Bの過昇温を防止することができる。これとともに、定着ローラ1の軸方向に関する温度分布の均一性を制御することができる。
図1中に示す電源装置11は、商用電力を、システム制御部20からの励磁制御信号SigEに応じた周波数(これを「出力周波数」という。)の高周波に変換して、得られた高周波の電圧(電力)を励磁コイル3へ出力する。これにより励磁コイル3に交番電流を流して、定着ローラ1が含むNiCr合金層を誘導加熱する。これとともに、電源装置11は、システム制御部20からの消磁制御信号SigDに応じて、図示しないスイッチをオフ、オンして、消磁コイル31A,31Bを開閉する。消磁コイルが「開」状態であれば、消磁コイルには誘導電流が流れないため、消磁は行われない。消磁コイルが「閉」状態であれば、消磁コイルには誘導電流が流れて、消磁が可能となる。後述の制御例では、消磁コイルが「閉」状態に保たれる。
図2は、励磁コイル3に交番電流を流すために、電源装置11に含まれたインバータ回路の構成を具体的に示している。インバータ回路の構成としては並列共振回路と直列共振回路とが考えられるが、図2は好ましい直列共振回路の例である。
この図2中では、図1中に示した励磁コイル3は、インダクタンスLs43と実効抵抗Rs43とからなる直列等価回路43によって表されている。この直列等価回路43は、励磁コイル3に加えて、励磁コイル3に対して電磁誘導により結合する定着ローラ1や消磁コイル31A,31Bなどの寄与を含むものである。なお、これらのインダクタンスLs43と実効抵抗Rs43の値は、一般的にLCRメータと呼ばれるインピーダンス測定器を、励磁コイル3の両端部に接続して測定することにより求められる。
IHユニット43、実際には励磁コイル3には、キャパシタとしての共振コンデンサ44が直列接続されて直列共振回路42を構成している。この直列共振回路42の共振周波数f(単位;Hz)は、次式(1)で与えられる。
=1/(2π(LsC)1/2) …(1)
ただし、LsはインダクタンスLs43の値(単位;H(ヘンリ))、Cは共振コンデンサ44の容量(単位;F(ファラッド))である。
このインバータ回路は、商用電源(AC電源)12に接続されたダイオードブリッジDB41、平滑コイルLf41および平滑コンデンサCf41からなる整流回路41と、それぞれパワートランジスタからなる一対のスイッチング素子45A,45Bと、これらのスイッチング素子45A,45Bを過電圧から保護するためのフライホイールダイオードD45A,D45Bとから構成されている。
上記一対のスイッチング素子45A,45Bは、システム制御部20からの励磁制御信号SigEに応じた出力周波数fでオンオフ制御されるようになっている。これにより、IHユニット43を介して定着ローラ1へ電力が投入される。
図3は、直列共振回路42の駆動波形を示している。ILsはIHユニット43を流れる電流を示し、VCEは各スイッチング素子45A,45Bのコレクタ・エミッタ間電圧を示し、また、Tはスイッチング素子オン期間を示している。
図5は、この直列共振回路42の周波数特性、すなわち、インバータ回路の出力周波数fと定着ローラ1に投入される電力Pとの関係を、励磁コイル3に対する消磁コイル31A,31BのZ方向位置C1,C2,C3,C4,C5のパラメータとして示している(理解の容易のため、Z方向位置とそれに対応する周波数特性を同じ符号で示している。)。直列共振回路42では、出力周波数fが共振周波数(グラフのピークを与える周波数)と一致しているときに、インピーダンスZが最小となり、電流が最も多く流れる。したがって、定着ローラ1へ投入される電力値Pが最大となる。この図5から分かるように、励磁コイル3に対して消磁コイル31A,31Bが最近接位置C1から最遠位置C5まで移動するにつれて、直列共振回路42の周波数特性が次第に低周波側にシフトする。最近接位置C1の周波数特性は、図7中の消磁コイル閉の場合の周波数特性に実質的に等しい。また、最遠位置C5の周波数特性は、図7中の消磁コイル開の場合の周波数特性に実質的に等しい。この図5では、消磁コイル31A,31Bの5つのZ方向位置C1,C2,C3,C4,C5についてのみ周波数特性を示しているが、消磁コイル31A,31Bは連続的または略連続的に多段階でZ方向位置を取り得る。
図1中に示すシステム制御部20は、温度検出センサ4A,4Bが検出した温度Ta,Tbに基づいて、定着ローラ1の外周面の温度が目標温度になるように、励磁制御信号SigEを出力して電源装置11をフィードバック制御する(詳しくは後述)。また、後述の制御例では、消磁制御信号SigDによって、消磁コイル31A,31Bを「閉」状態に保つ。このシステム制御部20は、例えばCPU(中央演算処理装置)21と、処理プログラムや各種データを記憶する記憶部23とを備えている。なお、このシステム制御部20は、定着装置のみを制御する回路であっても良いし、上位の全体装置、例えば、この定着装置が組み込まれた画像形成装置の全体を制御する回路の一部であっても良い。
この例では、記憶部23は、消磁コイル31A,31Bが取り得るZ方向位置C1〜C5毎に、定着ローラ1に投入されるべき電力Pとこの電力Pに応じた電源装置11の出力周波数fとを対応付けて記憶している。
図6は、システム制御部20による具体的な制御のフローを示している。
予め、システム制御部20は、消磁コイル31A,31Bが存在するZ方向位置(C1〜C5の範囲内)を認識しているものとする。そして、システム制御部20は、定着ローラ1へ投入されるべき電力Pを設定し、この電力Pと消磁コイル31A,31Bが存在するZ方向位置とに応じて、電源装置11の出力周波数fを設定しているものとする。
例えば、図5中に示すように、定着ローラ1へ投入されるべき電力Pは1200W(ワット)であり、消磁コイル31A,31Bが存在するZ方向位置はC3であり、それらに応じて電源装置11の出力周波数fは初期値としてf=約43kHzに設定されているものとする。
まず、図6のステップS1において、温度検出センサ4Aによって定着ローラ1の中央部Aの温度Taを検出する。次に、ステップS2において、この温度Taと、定着ローラ1へ投入されるべき電力Pに応じた目標温度Ttとを比較する。ここで、Ta<Ttであれば、ステップS3に進んで、電源装置11の出力周波数fを低下させる。これにより、図5中の周波数特性C3のスロープに応じて、定着ローラ1へ投入される実際の電力が増加して、定着ローラ1の中央部Aの温度Taが上昇する。一方、ステップS2でTa>Ttであれば、ステップS4に進んで、電源装置11の出力周波数fを上昇させる。これにより、図5中の周波数特性C3のスロープに応じて、定着ローラ1へ投入される実際の電力が増加して、定着ローラ1の中央部Aの温度Taが下降する。このように、システム制御部20は、定着ローラ1の中央部Aの温度Taを目標温度Ttに一致するようにフィードバック制御を行う(ステップS1〜S4)。
図6のステップS2で定着ローラ1の中央部Aの温度Taが目標温度Ttに一致していれば、ステップS5に進んで、温度検出センサ4Bによって定着ローラ1の端部Bの温度Tbを検出する。次に、ステップS6において、この温度Tbと、先ほど検出した温度Taとを比較する。ここで、Ta<Tbであれば、ステップS7に進んで、消磁ユニット移動機構33によって消磁コイル31A,31BをZ方向に関して励磁コイル3に接近させる。これにより、消磁コイル31A,31Bの消磁力が大きくなって、定着ローラ1の端部Bの温度Tbが中央部Aの温度Taに対して相対的に低下する。一方、ステップS6でTa>Tbであれば、ステップS8に進んで、消磁ユニット移動機構33によって消磁コイル31A,31BをZ方向に関して励磁コイル3から離間させる。これにより、消磁コイル31A,31Bの消磁力が小さくなって、定着ローラ1の端部Bの温度Tbが中央部Aの温度Taに対して相対的に上昇する。このように、システム制御部20は、定着ローラ1の端部Bの温度Tbが中央部Aの温度Taに一致するようにフィードバック制御を行う(ステップS5〜S8)。
ステップS7またはS8の処理を行うと、直列共振回路42の周波数特性が図5中の周波数特性C3からそれぞれC2またはC4に向かってシフトする。このため、同じ出力周波数fを維持していたのでは、定着ローラ1の中央部Aの温度Taが目標温度Ttから外れようとする。そこで、ステップS7またはS8の処理後にステップS1に戻って、ステップS1〜S4のフィードバック制御を行って、定着ローラ1の中央部Aの温度Taを目標温度Ttに一致させる。
このように、定着ローラ1の中央部Aの温度Taを目標温度Ttに一致させるフィードバック制御(ステップS1〜S4)と、定着ローラ1の端部Bの温度Tbを中央部Aの温度Taに一致させるフィードバック制御(ステップS5〜S8)とを繰り返す。
そして、ステップS6で定着ローラ1の端部Bの温度Tbが中央部Aの温度Taに一致すれば、他の制御にリターンする。
このようにして、消磁コイル31A,31Bのお蔭で、図1中に示すシート6が定着ローラ1の中央部Aのみを通過するような小サイズシートであっても定着ローラ1の端部Bの過昇温を防止することができる。これとともに、定着ローラ1の軸方向に関する温度分布の均一性を精度良く制御することができる。
また、消磁コイル移動機構33による消磁コイル31A,31Bの移動は徐々に行われるため、既述の消磁コイルを開閉する方式とは異なり、直列共振回路42の周波数特性を瞬時に大きくシフトさせることがない。したがって、この制御方式によれば、随時、定常状態を維持でき、定着品質を良好に保つことができる。つまり、応答時間に起因する定着品質の問題を解消できる。
また、上記制御の開始時に、電源装置11の出力周波数fの初期値を記憶部23の記憶内容に基づいて設定するので、想定される出力周波数又はそれに十分に近い周波数から制御を開始できる。この結果、制御開始から定着ローラ1の温度がシートの幅方向に関して均一に目標温度になるまでの時間を短縮できる。
なお、上述の実施形態では、定着部材としての定着ローラ1が、励磁コイル3による電磁誘導を直接受けて渦電流によって加熱される場合(これを直接加熱方式と呼ぶ。)について説明したが、これに限られるものではない。この発明は、定着部材が電磁誘導コイルによる電磁誘導を受けて渦電流によって発熱する別の発熱部材を介して間接的に加熱される場合(これを間接加熱方式と呼ぶ。)にも好適に適用される。
また、上述の実施形態では、励磁コイル3と共振コンデンサ44とが直列接続されて直列共振回路42を構成するものとしたが、これに限られるものではない。この発明は、励磁コイルとキャパシタとで並列共振回路を構成する場合にも適用可能である。
また、上述の実施形態では、第2温度検出部としての温度検出センサ4Bは、定着ローラ1の軸方向両側の端部のうち一方の端部Bのみに対応して設けたが、これに限られるものではない。第2温度検出部を定着ローラ1の軸方向両側の端部B,Bにそれぞれ対応して設けて、定着ローラ1の中央部Aの温度Taと、両側の端部B,Bの温度Tb,Tbとが一致するように制御を行っても良い。
この発明の一実施形態の定着装置のブロック構成を示す図である。 図1中の電源装置に含まれたインバータ回路の構成を示す図である。 図2中のインバータ回路による直列共振回路の駆動波形を示す図である。 消磁コイルが励磁コイルに対して接近した位置に配置された状態を示す図である。 消磁コイルが励磁コイルに対して離間した位置に配置された状態を示す図である。 図2中の直列共振回路の周波数特性を、上記消磁コイルの位置をパラメータとして示す図である。 上記定着装置のシステム制御部による制御のフローを示す図である。 消磁コイルを開閉した場合の直列共振回路の周波数特性を例示する図である。
符号の説明
1 定着ローラ
2 加圧ローラ
3 励磁コイル
4A,4B 温度検出センサ
5 ニップ
11 電源装置
12 商用電源
20 システム制御部
23 記憶部
31A,31B 消磁コイル

Claims (3)

  1. 搬送されるシートが外周面に圧接される定着部材と、
    上記定着部材の外周面に沿って上記搬送されるシートの幅方向に関して細長く配置された励磁コイルと、
    上記励磁コイルに接続されて等価的に共振回路を構成するキャパシタと、
    上記励磁コイルに関して上記定着部材の反対側で、上記定着部材のうち上記シートの幅方向に関して端部に対応する領域に、上記励磁コイルに沿って配置された消磁コイルと、
    上記共振回路に交流電圧を印加することで上記励磁コイルを介して上記定着部材を誘導加熱する高周波電源部と、
    上記定着部材のうち上記シートの幅方向に関して上記端部以外の中央部の温度を検出する第1温度検出部と、
    上記定着部材のうち上記端部の温度を検出する第2温度検出部と、
    上記消磁コイルを上記励磁コイルに対して接近または離間させるように移動可能な消磁コイル移動機構と、
    上記第1温度検出部が検出した上記定着部材の上記中央部の温度が所定の目標温度に一致するように上記高周波電源部の出力周波数を可変して設定するとともに、上記第1温度検出部が検出した上記定着部材の上記中央部の温度と上記第2温度検出部が検出した上記定着部材の上記端部の温度とが一致するように、上記消磁コイル移動機構を介して上記消磁コイルを上記励磁コイルに対して接近または離間させる制御を行う制御部とを備えた定着装置。
  2. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記制御部は、上記高周波電源部の出力周波数を可変して設定する制御と、上記消磁コイル移動機構を介して上記消磁コイルを上記励磁コイルに対して接近または離間させる制御とを順次繰り返すことを特徴とする定着装置。
  3. 請求項1に記載の定着装置において、
    上記消磁コイルの上記励磁コイルに対する複数の位置毎に、上記定着部材に投入されるべき電力とこの電力に応じた上記高周波電源部の出力周波数とを対応付けて記憶する記憶部を備え、
    上記制御部は、上記制御の開始時に、上記高周波電源部の出力周波数の初期値を上記記憶部の記憶内容に基づいて設定することを特徴とする定着装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009162800A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置
JP2018165736A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置および画像形成装置の制御プログラム

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