JP2008196424A - 車両用冷却装置 - Google Patents

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正章 ▲徳▼田
Masaaki Tokuda
Satoshi Ogiwara
智 荻原
Kenji Matoba
賢治 的場
Yoshimi Shinagawa
佳美 品川
Manabu Matsumoto
学 松本
Ryunosuke Ino
龍之介 井野
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Abstract

【課題】それぞれの回路に個別の循環手段を設けることなく、内燃機関を冷却する冷却水の回路と、この内燃機関とは発熱状態が異なる他の冷却対象を冷却する冷却水の回路とで冷却水の循環を行う。
【解決手段】エンジン1を冷却する冷却水が循環する閉ループの循環流路には、冷却水を冷却する第1および第2の熱交換器2,3と、空調システムに用いられる冷媒を冷却する水冷凝縮器4と、切換手段と、単一の循環ポンプ12が設けられている。この切換手段により、水冷凝縮器4を含む冷却水の回路を切り替えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用冷却装置に関する。
従来より、循環する冷却水を用いて内燃機関を冷却する熱交換手段(ラジエータ)が知られている。このラジエータは、夏期の登坂路走行といったように、内燃機関の負荷状態のピークを想定して、その容積が設定されているため、通常時では、その放熱性能が余剰となる傾向がある。また、空調システムに用いられる冷媒を冷却する熱交換手段(凝縮器)も知られている。この凝縮器は、夏期の炎天下放置後の始動時に行われるクールダウン(急速冷房)のように、空調システムの負荷状態のピークを想定して、その容積が設定されているため、車室内の温度が低下した後では、その放熱性能が余剰となる傾向がある。
そこで、内燃機関の冷却と、空調システムに用いられる冷媒の冷却とにおける冷却水を共通化し、ラジエータと凝縮器とに冷却水を分配することにより、放熱モードを切り替え、これにより、これらを統合的に冷却する手法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。この類の手法では、例えば、内燃機関の負荷が低い状態では、ラジエータ側よりも凝縮器側に冷却水を分配し、ラジエータの放熱面積を小さくし、凝縮器の放熱面積を大きくする。また、内燃機関の負荷が高い状態では、凝縮器側よりもラジエータ側に冷却水を分配し、凝縮器の放熱面積を小さくし、ラジエータ側の放熱面積を大きくする。これにより、エンジンルーム内における熱交換手段の容積の低減を図ることができる。
特表2005−509777号公報 特開平6−81648号公報
しかしながら、特許文献1,2に開示された手法によれば、ラジエータを流れる冷却水の回路と、凝縮器を流れる冷却水の回路とがそれぞれ独立して構成されている。そのため、それぞれの回路において、冷却水を循環させるポンプが必要となるという問題が生じるとともに、その構造が複雑化するという不都合がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、それぞれの回路に個別の循環手段を設けることなく、内燃機関を冷却する冷却水の回路と、この内燃機関とは発熱状態が異なる他の冷却対象を冷却する冷却水の回路とにおいて冷却水の循環を行うことにある。
かかる課題を解決するために、本発明は、循環流路と、第1の熱交換手段と、第2の熱交換手段と、第3の熱交換手段と、切換手段と、単一の循環手段とを有する車両用冷却装置を提供する。ここで、循環流路は、内燃機関を冷却する冷却水が循環する閉ループを構成している。第1の熱交換手段は、循環流路に設けられており、空気と冷却水との間で熱交換を行う。第2の熱交換手段は、循環流路に設けられており、空気と冷却水との間で熱交換を行う。第3の熱交換手段は、循環流路に設けられており、冷却水と、内燃機関の発熱状態とは異なる他の冷却対象との間で熱交換を行う。切換手段は、循環流路に設けられており、この循環流路を流れる冷却水の回路を設定する。単一の循環手段は、循環流路に設けられており、冷却水を循環させる。この場合、切換手段は、第1から第5の冷却回路を設定可能な回路として有している。第1の冷却回路は、内燃機関を通過した冷却水を、第1の熱交換手段を通過させて、内燃機関に循環させる。第2の冷却回路は、内燃機関を通過した冷却水を、第1の熱交換手段をバイパスさせて、内燃機関に循環させる。第3の冷却回路は、内燃機関を通過した冷却水を、第1の熱交換手段をバイパスさせるとともに、第2の熱交換手段、第3の熱交換手段の順番で通過させて、内燃機関に循環させる。第4の冷却回路は、内燃機関を通過した冷却水を、第1の熱交換手段、第2の熱交換手段の順番で通過させて、内燃機関に循環させる。第5の冷却回路は、内燃機関を通過した冷却水を、第1の熱交換手段、第2の熱交換手段、第3の熱交換手段の順番で通過させて、内燃機関に循環させる。また、循環手段は、内燃機関内を含む、第1から第5の冷却回路全てに共通する流路上の任意の位置に設けられている。
本発明によれば、内燃機関の発熱状態とは異なる他の冷却対象を冷却する冷却水が循環する回路と、内燃機関を冷却する冷却水が循環する回路とを共用することができ、互いに回路に個別に循環手段を設ける必要がない。これにより、装置の簡素化を図ることができるとともに、コストの低減を図ることができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる車両用冷却装置を示すブロック構成図である。この車両用冷却装置は、駆動用の内燃機関であるエンジン1の冷却と、空調システムに用いられる冷媒の冷却とを統合的に行う。
エンジン1側の冷却システムは、冷却水を用いてエンジン1の冷却を行う水冷タイプであり、循環流路と、第1の熱交換器2と、第2の熱交換器3とで構成されている。循環流路は、エンジン1を冷却する冷却水が循環する閉ループの流路であり、エンジン1における冷却水の出口側から延在すると、その先が複数に分岐しており、また、分岐した流路が合流し、その後、エンジン1における冷却水の入口側に接続する。この循環流路において、エンジン1の近傍には、単一の循環ポンプ12が設けられており、この循環ポンプ12を作動させることにより、エンジン1を通過した冷却水(エンジン1の冷却に利用された冷却水)は、循環流路にしたがって流路内を流れ、エンジン1側に再度供給される。この循環流路において、冷却水が循環する過程には、第1の熱交換器2および第2の熱交換器3が設けられており、第1の熱交換器2および第2の熱交換器3は、冷却水の流路の一部を構成している。第1の熱交換器2および第2の熱交換器3は、その内部を冷却水が通過する際に、空気と冷却水との間で熱交換を行い、これにより、冷却水を冷却する。
一方、空調システム側の冷却システムは、エンジン1冷却用の冷却水を用いて冷媒の冷却を行う水冷タイプと、空気を用いて冷媒の冷却を行う空冷タイプとの併用式であり、水冷凝縮器4と、空冷凝縮器6とで構成されている。水冷凝縮器4は、エンジン1の冷却システムである循環流路に設けられており、冷却水の流路の一部を構成しているとともに、空調システムの冷凍サイクルの一部を構成する。水冷凝縮器4は、その内部を冷却水および冷媒が通過する過程において、冷却水と冷媒との間で熱交換を行い、これにより、冷媒を冷却する。また、空冷凝縮器6は、空調システムの冷凍サイクルの一部を構成しており、水冷凝縮器4の下流工程に設けられている。空冷凝縮器6は、その内部を冷媒が通過する過程において、冷却水と空気との間で熱交換を行い、これにより、冷媒を冷却する。この空冷凝縮器6は、水冷凝縮器4の放熱量よりも大きな放熱量となるように、その容積が設定されている。
ここで、空調システムの冷凍サイクルにおける冷媒は、以下に示すサイクルで循環している。具体的には、コンプレッサ5により圧縮された高温高圧のガス冷媒は、水冷凝縮器4に供給され、その後、空冷凝縮器6に供給される。水冷凝縮部4および空冷凝縮器6において熱交換が行われると、ガス冷媒は高圧の液冷媒又は気液混合冷媒となる。空冷凝縮器6からの冷媒は、リキッドタンク(図示せず)において気液分離され、その後、膨張弁7で断熱膨張させて低温低圧の液冷媒又は気液混合冷媒とし、エバポレータ8で車室内の空気と熱交換させて低圧のガス冷媒とした後、コンプレッサ5に戻される。
本実施形態の特徴の一つとして、エンジン1側の冷却システムを構成する循環流路には、第1の回路切替部9と、第2の回路切替部10と、流量制御部11とが設けられている。エンジン1を通過して、再度エンジン1に循環する冷却水は、第1の回路切替部9と、第2の回路切替部10と、流量制御部11とによって、その循環する回路が切り替えられる。第1の回路切替部9、第2の回路切替部10および流量制御部11は、循環流路を構成する各流路の分岐部位等に設けられたバルブ等によって構成されており、流路の開放・遮断を行うこととともに、流量制御を行うができる。
第1の回路切替部9は、冷却水の循環過程において、冷却水の流れを以下に示すパターンで切り替える機能を担っている。第1に、第1の回路切替部9は、エンジン1を通過した冷却水を、第1の熱交換器2に流すのか、それとも、第1の熱交換器2をバイパスさせて流すのかを切り替える。第2に、第1の回路切替部9は、第1の熱交換器2をバイパスさせて冷却水を流した場合には、そのバイパスさせた冷却水を、第2の熱交換器3に流すのか、それとも、第2の熱交換器3をバイパスさせてエンジン1に循環させるのかを切り替える。この第2のパターンにおいて、第1の回路切替部9は、バイパスさせた冷却水の流れを、第2の熱交換器3側と、エンジン1への循環側との間で択一的に切り替えるのみならず、第2の熱交換器3側と、エンジン1への循環側との双方へと分配することもできる。
第2の回路切替部10は、冷却水の循環過程において、冷却水の流れを以下に示すパターンで切り替える機能を担っている。第2の回路切替部10は、第2の熱交換器3を通過した冷却水を、水冷凝縮器4を通過させてその後にエンジン1に循環させるのか、それとも、水冷凝縮器4をバイパスさせてエンジン1に循環させるのかを切り替えることができる。
流量制御部11は、第1の回路切替部9と協働することにより、第1の熱交換器2を通過した冷却水を、第2の熱交換器3に流すのか、それとも、エンジン1に循環させるのかを切り替えることができる。また、流量制御部11は、第1の熱交換器2を通過した冷却水の流れを、第2の熱交換器3側と、エンジン1の循環側との間で択一的に切り替えるのみならず、第2の熱交換器3側と、エンジン1の循環側との双方へと分配することともでき、かつ、冷却水の分配割合を制御することができる。
これら第1の回路切替部9、第2の回路切替部10および流量制御部11の切替パターンにより、循環流路を流れる冷却水の回路は、以下に示す5つの回路(冷却回路)C1〜C5に設定することができる。まず、第1の冷却回路C1は、エンジン1を通過した冷却水を、第1の熱交換器2を通過させて、エンジン1に循環させる。第2の冷却回路C2は、エンジン1を通過した冷却水を、第1の熱交換器2をバイパスさせて、エンジン1に循環させる。第3の冷却回路C3は、エンジン1を通過した冷却水を、第1の熱交換器2をバイパスさせて流すとともに、第2の熱交換器3、水冷凝縮器4の順番で通過させて、エンジン1に循環させる。第4の冷却回路C4は、エンジン1を通過した冷却水を、第1の熱交換器2、第2の熱交換器3の順番で通過させて、エンジン1に循環させる。第5の冷却回路C5は、エンジン1を通過した冷却水を、第1の熱交換器2、第2の熱交換器3、水冷凝縮器4の順番で通過させて、エンジン1に循環させる。
なお、第1の回路切替部9、第2の回路切替部10および流量制御部11は、個々の冷却回路C1〜C5を単独で設定可能であるとともに、第2の冷却回路C2および第3の冷却回路C3といったように、異なる冷却回路C1〜C5を並列的に設定することもできる。
図2は、本実施形態にかかる車両用冷却装置を制御する制御部20を含むブロック構成図である。制御部20としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。制御部20は、ROM内に格納された制御プログラムに従い、車両の冷却に関する各種の処理を行う。本実施形態との関係において、制御部20は、エンジン1の負荷状態、空調システムの負荷状態に基づいて、エンジン1および空調システムの冷媒に関する放熱モードを設定し、この放熱モードに従って、第1の回路切替部9、第2の回路切替部10および流量制御部11を制御することにより、冷却水の流れる冷却回路を設定する。
制御部20は、エンジン1の負荷状態、空調システムの負荷状態を特定するために、各種センサ21〜23からの検出信号が入力されている。水温センサ21は、エンジン1を通過した冷却水の温度(以下「エンジン出口温度」という)Tw1を検出するセンサである。また、水温センサ22は、第2の熱交換器3を通過した冷却水の温度(以下「第2熱交換器出口温度」という)Tw2を検出するセンサである。圧力センサ23は、コンプレッサ5から吐出される冷媒の圧力Prを検出するセンサである。
図3は、本実施形態にかかる冷却処理の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定間隔で呼び出され、制御部20によって実行される。まず、制御部20は、以下に示すステップを行う前提として、各種センサ21〜23によって検出される検出値を読み込む。ここで読み込まれる検出値としては、冷却水のエンジン出口温度Tw1と、冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2と、冷媒の圧力Prとが挙げられる。
まず、ステップ1(S1)において、冷却水のエンジン出口温度Tw1が、第1の温度判定値Twth1よりも大きいか否かが判定される。一般に、冷却水のエンジン出口温度Tw1は、エンジン1の負荷状態が高い程、その値が大きくなり、エンジン1の負荷状態が低い程、その値が小さくなる傾向がある。そこで、このステップ1では、冷却水のエンジン出口温度Tw1を用いて、エンジン1の負荷状態を判定する。第1の温度判定値Twth1は、エンジン1の低負荷状態を判定するための値であり、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。本実施形態では、第1の温度判定値Twth1として、低負荷状態におけるエンジン出口温度Tw1の上限値(例えば、85℃)が設定されている。
このステップ1において否定判定された場合、すなわち、冷却水のエンジン出口温度Tw1が第1の温度判定値Twth1以下の場合には(Tw1≦Twth1)、ステップ2(S2)に進む。一方、ステップ1において肯定判定された場合、すなわち、冷却水のエンジン出口温度Tw1が第1の温度判定値Twth1よりも大きい場合には(Tw1>Twth1)、後述するステップ6(S6)に進む。
ステップ2において、冷媒の圧力Prが、冷媒圧力判定値Prth以下であるか否かが判定される。一般に、空調システムにおけるコンプレッサ5から吐出される冷媒の圧力Prは、空調システムの負荷状態が高い程、その値が大きくなり、空調システムの負荷状態が低い程、その値が小さくなる傾向がある。そこで、ステップ2では、冷媒の圧力Prを用いて、空調システムの負荷状態を判定する。冷媒圧力判定値Prthは、空調システムの負荷状態が高いのかそれとも低いのかを判定するための境界値であり、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている(例えば、12kgf/cm2)。
このステップ2において肯定判定された場合、すなわち、冷媒の圧力Prが冷媒圧力判定値Prth以下の場合には(Pr≦Prth)、ステップ3(S3)に進む。一方、ステップ2において否定判定された場合、すなわち、冷媒の圧力Prが冷媒圧力判定値Prthよりも大きい場合には(Pr>Prth)、後述するステップ4(S4)に進む。
ステップ3では、エンジン1が低負荷状態であること(Tw1≦Twth1)、かつ、空調システムが低負荷状態であること(Pr≦Prth)に基づいて、放熱モードが、第1の放熱モードに設定される。この第1の放熱モードの設定に伴い、第1の回路切替部9、第2の回路切替部10および流量制御部11が制御されて、循環流路を流れる冷却水の回路が、第2の冷却回路C2に設定される。そのため、図4(a)に示すように、エンジン1側の冷却システムにおいて、冷却水は、エンジン1を通過した後に、第1の熱交換器2をバイパスして、エンジン1に循環する。また、空調システム側の冷却システムにおいて、水冷凝縮器4を含む回路には冷却水が流れないので、コンプレッサ5からの冷媒は、空冷凝縮器6を主体として冷却が行われる。
ステップ4において、推定冷媒温度Trが、冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2に定数αを加算した値よりも大きいか否かが判定される。推定冷媒温度Trは、コンプレッサ5から吐出された冷媒温度の推定値であり、冷媒の圧力Prに基づいて一義的に算出することができる。空調システムが高負荷状態であったとしても、冷媒の温度(推定値)が、冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2よりも小さい場合には、冷却水を水冷凝縮器4に流し、水冷凝縮器4を併用して冷媒を冷却する必要性はない。そこで、推定冷媒温度Trと、冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2とを比較することにより、冷却水を水冷凝縮器4に流すようなシチュエーションであるか否かを判断する。なお、このステップ4では、制御のハンチングを抑制するといった観点から、冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2に所定の定数αを加算した上で、冷媒推定温度Trとの比較を行う。この定数αは、実験やシミュレーションを通じてその最適値を予め設定することができる。
このステップ4において否定判定された場合、すなわち、推定冷媒温度Trが冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2に定数αを加算した値以下の場合には(Tr≦Tw2+α)、上述したステップ3に進み、放熱モードを第1の放熱モードに設定する。一方、ステップ4において肯定判定された場合、すなわち、推定冷媒温度Trが冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2に定数αを加算した値よりも大きい場合には(Tr>Tw2+α)、ステップ5(S5)に進む。
ステップ5において、エンジン1が低負荷状態であること(Tw1≦Twth1)、かつ、空調システムが高負荷状態であること(Pr>Prth)に基づいて、放熱モードが、第2の放熱モードに設定される。この第2の放熱モードの設定に伴い、第1の回路切替部9、第2の回路切替部10および流量制御部11が制御されて、循環流路を流れる冷却水の回路が、第2の冷却回路C2および第3の冷却回路C3に設定される。そのため、図4(b)に示すように、エンジン1側の冷却システムにおいて、冷却水は、エンジン1を通過した後に、第1の熱交換器2をバイパスして、エンジン1に循環する回路と、エンジン1を通過した後に、第1の熱交換器2をバイパスして、第2の熱交換器3、水冷凝縮器4を順次通過して、エンジン1に循環する回路との双方を流れる。また、空調システム側の冷却システムにおいて、水冷凝縮器4を含む第3の冷却回路C3に冷却水(第2の熱交換器3を通過した冷却水)が流れるので、コンプレッサ5からの冷媒は、水冷凝縮器4と空冷凝縮器6とによってその冷却が行われる。
ステップ6において、冷却水のエンジン出口温度Tw1が、第2の温度判定値Twth2以上であるか否かが判定される。このステップ6は、ステップ1と同様に、冷却水のエンジン出口温度Tw1を用いて、エンジン1の負荷状態を判定する。第2の温度判定値Twth1は、エンジン1の高負荷状態を判定するための値であり、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている。本実施形態では、第2の温度判定値Twth2として、高負荷状態におけるエンジン出口温度Tw1の下限値(例えば、105℃)が設定されている。
このステップ6において肯定判定された場合、すなわち、冷却水のエンジン出口温度Tw1が第2の温度判定値Twth1以上の場合には(Tw1≧Twth2)、ステップ7(S7)に進む。一方、ステップ6において否定判定された場合、すなわち、冷却水のエンジン出口温度Tw1が第2の温度判定値Twth2よりも小さい場合には(Tw1<Twth2)、後述するステップ8(S8)に進む。
ステップ7において、エンジン1が高負荷状態であること(Tw1≧Twth2)に基づいて、放熱モードが、第4の放熱モードに設定される。この第4の放熱モードの設定に伴い、第1の回路切替部9、第2の回路切替部10および流量制御部11が制御されて、循環流路を流れる冷却水の回路が、第1の冷却回路C1および第4の冷却回路C4に設定される。そのため、図4(d)に示すように、エンジン1側の冷却システムにおいて、冷却水は、エンジン1を通過した後に、第1の熱交換器2を通過して、エンジン1に循環する回路と、エンジン1を通過した後に、第1の熱交換器2、第2の熱交換器3を順次通過して、エンジン1に循環する回路との双方を流れる。また、空調システム側の冷却システムにおいて、水冷凝縮器4を含む回路には冷却水が流れないので、コンプレッサ5からの冷媒は、空冷凝縮器6を主体としてその冷却が行われる。
ステップ8において、従前の処理サイクルにおいて選択された放熱モードが第4の放熱モードであるか否かが判定される。このステップ8において肯定判定された場合、すなわち、従前の処理サイクルの放熱モードが第4の放熱モードである場合には、ステップ9(S9)に進む。一方、ステップ8において否定判定された場合、すなわち、従前の処理サイクルの放熱モードが第4の放熱モードではない場合には、後述するステップ10(S10)に進む。
ステップ9において、冷却水のエンジン出口温度Tw1が、第2の温度判定値Twth2から定数γを減じた値よりも小さいか否かが判定される。エンジン1が高負荷状態に対応して、放熱モードを第4の放熱モードを設定した場合、冷却水が第1の熱交換器2および第2の熱交換器3を通過することにより、冷却水が冷却されやすくなる。そのため、冷却水のエンジン出口温度Tw1が第2の温度判定値Twth2よりも一時的に小さくなることが考えられるが、エンジン1の冷却が不十分なままで、後述するステップ11で述べるように、空調システムの高負荷状態に対応して、放熱モードを第3の放熱モードに設定した場合には、再度、冷却水のエンジン出口温度Tw1が第2の温度判定値Twth2以上となってしまうことなる。このように、第3の放熱モードと、第4の放熱モードとが交互に繰り返されるといった、制御のハンチングを防止する観点から、一度、第4の放熱モードが設定された場合には、冷却水のエンジン出口温度Tw1が、第2の温度判定値Twth2から定数γだけ低下するまで、第4の放熱モードを継続する。ここで、定数γは、制御のハンチングを抑制するといった観点から、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定することができる。
ステップ9において肯定判定された場合、すなわち、冷却水のエンジン出口温度Tw1が、第2の温度判定値Twth2から定数γを減じた値よりも小さい場合には(Tw1<Twth2−γ)、ステップ10(S10)に進む。一方、ステップ9において否定判定された場合、すなわち、冷却水のエンジン出口温度Tw1が、第2の温度判定値Twth2から定数γを減じた値以上の場合には(Tw1≧Twth2−γ)、上述したステップ7に進む。
ステップ10において、冷媒の圧力Prが、冷媒圧力判定値Prthよりも大きいか否かが判定される。このステップ10では、ステップ2と同様に、冷媒の圧力Prを用いて、空調システムの負荷状態を判定する。冷媒圧力判定値Prthは、空調システムの負荷状態が高いのかそれとも低いのかを判定するための境界値であり、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定されている(例えば、12kgf/cm2)。
このステップ10において肯定判定された場合、すなわち、冷媒の圧力Prが冷媒圧力判定値Prthよりも大きい場合には(Pr>Prth)、ステップ11(S11)に進む。一方、ステップ10において否定判定された場合、すなわち、冷媒の圧力Prが冷媒圧力判定値Prth以下の場合には(Pr≦Prth)、上述したステップ7に進む。
ステップ11において、エンジン1の負荷状態が低負荷から高負荷の間にあること(Twth1<Tw1<Twth2)、空調システムが高負荷状態であること(Pr>Prth)に基づいて、放熱モードが、第3の放熱モードに設定される。この第3の放熱モードの設定に伴い、第1の回路切替部9、第2の回路切替部10および流量制御部11が制御されて、循環流路を流れる冷却水の回路が、第1の冷却回路C1および第5の冷却回路C5に設定される。そのため、図4(c)に示すように、エンジン1側の冷却システムにおいて、冷却水は、エンジン1を通過した後に、第1の熱交換器2を通過して、エンジン1に循環する回路と、エンジン1を通過した後に、第1の熱交換器2、第2の熱交換器3、水冷凝縮器4を順次通過して、エンジン1に循環する回路との双方を流れる。また、空調側の冷却システムにおいて、水冷凝縮器4を含む第5の冷却回路C5に冷却水(第1の熱交換器2および第2の熱交換器3をそれぞれ通過した冷却水)が流れるので、コンプレッサ5からの冷媒は、水冷凝縮器4と空冷凝縮器6とによってその冷却が行われる。
ステップ12(S12)において、従前の処理サイクルにおいて選択された放熱モードが第3の放熱モードであるか否かが判定される。このステップ12において肯定判定された場合、すなわち、従前の処理サイクルの放熱モードが第3の放熱モードである場合には、ステップ13(S13)に進む。一方、ステップ12において否定判定された場合、すなわち、従前の処理サイクルの放熱モードが第3の放熱モードではない場合には、本ルーチンを抜ける。
ステップS13において、推定冷媒温度Trが、冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2に定数βを加算した値よりも大きいか否かが判定される。第3の放熱モードでは、エンジン1が低負荷状態であるため、冷媒の温度(推定値)が、冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2よりも大きい場合には、冷却水を積極的に水冷凝縮器4に流し、冷媒の冷却を促進させることが好ましい。そこで、推定冷媒温度Trと、冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2とを比較することにより、冷却水を水冷凝縮器4に積極的に流すようなシチュエーションであるか否かを判断する。なお、このステップ13では、制御のハンチングを抑制するといった観点から、冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2に所定の定数βを加算した上で、冷媒推定温度Trとの比較を行う。この定数βは、実験やシミュレーションを通じてその最適値が予め設定することができる。
このステップ13において肯定判定された場合、すなわち、推定冷媒温度Trが冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2に定数βを加算した値よりも大きい場合には(Tr>Tw2+β)、ステップ14(S14)に進む。一方、ステップ13において否定判定された場合、すなわち、推定冷媒温度Trが冷却水の第2熱交換器出口温度Tw2に定数βを加算した値以下の場合には(Tr≦Tw2+β)、ステップ15(S15)に進む。
ステップ14において、流量制御部11が制御されて、第5の冷却回路、すなわち、第2の熱交換器3に流れる冷却水が多くなるように流量分配が設定される。これに対して、ステップ15において、流量制御部11が制御されて、第1の冷却回路、すなわち、第2の熱交換器3をバイパスする冷却水が多くなるように流量分配が設定される。
このように本実施形態にかかる車両用冷却装置は、循環流路と、第1の熱交換手段と、第2の熱交換手段と、第3の熱交換手段と、切換手段と、単一の循環手段とを主体に構成されている。ここで、循環流路は、内燃機関であるエンジン1を冷却する冷却水が循環する閉ループとなっている。第1の熱交換手段は、循環流路に設けられており、空気と冷却水との間で熱交換を行う機能を担っており、本実施形態では、第1の熱交換器2がこれに相当する。第2の熱交換手段は、循環流路に設けられており、空気と冷却水との間で熱交換を行う機能を担っており、本実施形態では、第2の熱交換器3がこれに相当する。第3の熱交換手段は、循環流路に設けられており、冷却水と、エンジン1の発熱状態とは異なる他の冷却対象との間で熱交換を行う機能を担っている。本実施形態では、空調システムの冷凍サイクルの一部を構成して、この空調システムにおける冷媒を冷却対象とする水冷凝縮器4が、この第3の熱交換手段に相当する。切換手段は、循環流路に設けられており、この循環流路を流れる冷却水の回路を設定する機能を担っており、本実施形態では、第1の回路切替部9、第2の回路切替部10および流量制御部11がこれに相当する。単一の循環手段は、循環流路に設けられており、冷却水を循環させる機能を担っており、本実施形態では、循環ポンプ12がこれに該当する。
ここで、切換手段は、第1から第5の冷却回路C1〜C5を設定可能な回路として有している。ここで、第1の冷却回路C1は、エンジン1を通過した冷却水を、第1の熱交換器2を通過させて、エンジン1に循環させる。第2の冷却回路C2は、エンジン1を通過した冷却水を、第1の熱交換器2をバイパスさせて、エンジン1に循環させる。第3の冷却回路C3は、エンジン1を通過した冷却水を、第1の熱交換器2をバイパスさせるとともに、第2の熱交換器3、水冷凝縮器4の順番で通過させて、エンジン1に循環させる。第4の冷却回路C4は、エンジン1を通過した冷却水を、第1の熱交換器2、第2の熱交換器3の順番で通過させて、エンジン1に循環させる。第5の冷却回路C5は、エンジン1を通過した冷却水を、第1の熱交換器2、第2の熱交換器3、水冷凝縮器4の順番で通過させて、エンジン1に循環させる。循環ポンプ12は、エンジン1内を含む、第1から第5の冷却回路C1〜C5全てに共通する流路上の任意の位置に設けられている。
かかる構成によれば、エンジン1を冷却する冷却水が流れる閉ループの循環流路に、空調システムに用いられる冷媒を冷却する水冷凝縮器4が設けられており、必要に応じて、冷却水が循環する回路を、水冷凝縮器4を経由するように設定することができる。よって、水冷凝縮器4を経由して冷却水が流れる回路と、エンジン1側の冷却に供される熱交換器2,3を経由して冷却水が流れる回路とを共用することができ、水冷凝縮器4側の回路に別途ポンプを設ける必要がない。これにより、装置の簡素化を図ることができるとともに、コストの低減を図ることができる。
ところで、空調システムの冷凍サイクルにおいて冷媒を冷却する凝縮手段では、過冷却部を持たせた、所謂、サブクールコンデンサが主流となっている。これは、過冷却部の容積を大きく設定することにより、高圧側の冷媒のエンタルピーの差を大きくすることができるだけでなく、膨張過程で生じる気液二層域の範囲が小さくでき、システム効率が向上するからである。
しかしながら、水冷式のみで過冷却部を構成した場合、過冷却専用の水冷領域と、冷却水の放熱領域とが必要となるばかりか、それらを接続する流路が必要となるため、システム構成が複雑化するととも、コストが高くなってしまう。
また、内燃機関を通過した高温の冷却水が、水冷凝縮器に流入した際には、冷媒の圧力が急激に上昇する。そのため、空調性能が大幅に悪化するとともに、圧力上昇に伴うコンプレッサの動力増加と燃費の悪化が懸念される。
さらに、空調システムの高負荷状態では、空調システムの冷媒は、その温度が、気層域で60〜130℃、気液二層域で50〜60℃、液層域で35〜50℃程度となる。凝縮手段を水冷式のみで構成した場合、冷却水の温度は外気温+5℃程度となる。そのため、気層域では、温度差を大きくすることができるが、気液二層域・液層域では、空冷式と比較して、温度差を大きくすることができない。
しかしながら、本実施形態にかかる車両用冷却装置は、空調システムの冷凍サイクルの一部を構成して、当該空調システムにおける冷媒を冷却対象とする空冷凝縮器6をさらに有している。この空冷凝縮器6は、空冷凝縮器は、前記空調システムにおける冷媒の流れにおいて、前記水冷凝縮器の下流に配置されている。
かかる構成によれば、空冷凝縮器6によって過冷却部を構成することができる。これにより、システムの簡素化を図ることができるとともに、冷媒の凝縮手段として、水冷凝縮器4と空冷凝縮器6とを併用することにより、上述した問題点を解消することができる。
図5は、内燃機関側を冷却する熱交換器と、冷媒を冷却する凝縮器とに関する放熱量の推移を示す実験結果(同図(a))であり、両者の放熱面積の概念を示す(同図(b))。同図(a)では、高外気温時において、車両ソーク(エンジンの停止状態)からエンジンを始動し、空調システムによってクールダウン(急速冷房)を行いつつ、麓から山頂へと到達する登坂路を走行した際の、熱交換器の放熱量L1と、凝縮器の放熱量L2と、熱交換器および凝縮器の総放熱量L3を示している。同図に示すように、熱交換器と凝縮器との放熱量L1,L2のピークが同時に発生することはない。また、凝縮器の放熱量L2は、クールダウンの後期(室内温度が低下した時期)になっても、クールダウンの初期から半減しないことがわかる。よって、エンジンの高負荷時、水冷凝縮器4へ冷却水を流さないにしても、冷媒に対する冷却性能を悪化させないために、空冷凝縮器6の発熱量を、水冷凝縮器4の発熱量よりも大きくする必要がある。そのため、本実施形態では、空冷凝縮器6は、水冷凝縮器4の放熱量よりも大きな放熱量となるようにその容積が設定されている。
また、同図(b)に示すように、空調システムによってクールダウンを行っている場合には、熱交換器(a)側において放熱量の未活用領域Aが存在し、車室内の温度が低下して、登坂路を走行している場合には、凝縮器(b)側において未活用領域Bが存在し、また、登坂路走行が終了することにより、熱交換器(a)および凝縮器(b)による放熱量は領域Cだけ低減する。そこで、本実施形態では、エンジン1の負荷状態と、空調システムの負荷状態とに基づいて、切換手段(第1の回路切替部9、第2の回路切替部10および流量制御部11)を制御する制御部20をさらに有している。このように、エンジン1の負荷状態、空調システムの負荷状態に応じて、冷却回路を設定し、第1および第2の熱交換器2,3および水冷凝縮器4に関する放熱割合を振り分けることにより、その分、これらの装置の小型化を達成することができる。
ここで、制御部20は、エンジン1が低負荷状態で、かつ、空調システムが低負荷状態の場合には、切換手段を制御して、第2の冷却回路を設定する。これにより、エンジン1の暖機を促進することができる。
また、制御部20は、エンジン1が低負荷状態で、かつ、空調システムが高負荷状態の場合には、切換手段を制御して、第2の冷却回路と第3の冷却回路とを設定する。これにより、エンジン1の暖機を促進することができるとともに、空調性能の悪化を抑制することができる。
また、制御部20は、エンジン1の負荷状態が低負荷から高負荷の間で、かつ、空調システムが高負荷状態の場合には、切換手段を制御して、第1の冷却回路と第5の冷却回路とを設定する。これにより、クールダウン開始後において、水冷凝縮器4から多くの熱を放出することができる。
さらに、制御部20は、エンジン1が高負荷状態の場合には、切換手段を制御して、第1の冷却回路と第4の冷却回路とを設定する。これにより、エンジン1の冷却を促進させるとともに、空調性能の大幅な悪化を抑制することができる。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態にかかる車両用冷却装置を示すブロック構成図および概略斜視図である。本実施形態の車両用冷却装置が、第1の実施形態のそれと相違する点は、第1の熱交換器2、第2の熱交換器3および空冷凝縮器6のレイアウトを規定した点にある。なお、本実施形態の車両用冷却装置は、その構成においては第1の実施形態のそれと同じであり、同一の構成については、参照符号を引用し、重複する説明は省略する
同図(b)に示すように、本実施形態では、第1の熱交換器2、第2の熱交換器3および空冷凝縮器6が一体的に組み付けられている。具体的には、車両の前端部側において、車両後方側に、第1の熱交換器2が配置され、その前方に、第2の熱交換器3および空冷凝縮器6が配置されている。ここで、第2の熱交換器3は、空冷凝縮器6の鉛直上方に配置されている。
かかる構成によれば、3つの熱交換器(第1の熱交換器2、第2の熱交換器3および空冷凝縮器6)のうち、一番高温となる第1の熱交換器2を、他の熱交換器(第2の熱交換器3および空冷凝縮器6)よりも車両の後方側に配置することにより、より効率的に熱交換を行うことができる。
また、第2の熱交換器3を空冷凝縮器6の鉛直上方に配置することで、比較的に低い温度で冷却することが必要な空冷凝縮器6が車両の下方に配置される。車両の下方は、風速が早く、また、エンジン1からの熱気の吹き戻しの影響が小さいので、空冷凝縮器6における冷却をより効果的に行うことができる。
また、上述した実施形態のように、第1の熱交換器2、第2の熱交換器3および空冷凝縮器6を一体的に組み付けることにより、装置の小型化を図ることができる。また、エンジンルーム内に無駄なスペースが生じないので、車両への搭載が容易となる。
なお、上述した各実施形態では、内燃機関であるエンジン1の冷却と、空調システムに用いられる冷媒の冷却との統合について説明したが、内燃機関とは発熱状態が異なる他の冷却対象(例えば、インタークーラー)の冷却との統合に適用することもできる。また、ハイブリッド自動車といったように、駆動モータを含む強電系の冷却との統合を行うことも可能である。
また、各実施形態では、循環ポンプ12の位置をエンジン1の近傍としているが、上述した5つの冷却回路C1〜C5全てに共通の流路上であれば任意の位置に設定することができる。
第1の実施形態にかかる車両用冷却装置を示すブロック構成図 本実施形態にかかる車両用冷却装置を制御する制御部20を含むブロック構成図 冷却処理の手順を示すフローチャート 放熱モードの説明図 放熱性能の説明図 第2の実施形態にかかる車両用冷却装置を示すブロック構成図および概略斜視図
符号の説明
1 エンジン
2 第1の熱交換器
3 第2の熱交換器
4 水冷凝縮器
5 コンプレッサ
6 空冷凝縮器
7 膨張弁
8 エバポレータ
9 第1の回路切替部
10 第2の回路切替部
11 流量制御部
12 循環ポンプ
20 制御部
21 水温センサ
22 水温センサ
23 圧力センサ
C1 第1の冷却回路
C2 第2の冷却回路
C3 第3の冷却回路
C4 第4の冷却回路
C5 第5の冷却回路

Claims (6)

  1. 車両用冷却装置において、
    前記内燃機関を冷却する冷却水が循環する閉ループの循環流路と、
    前記循環流路に設けられており、空気と冷却水との間で熱交換を行う第1の熱交換手段と、
    前記循環流路に設けられており、空気と冷却水との間で熱交換を行う第2の熱交換手段と、
    前記循環流路に設けられており、冷却水と、前記内燃機関の発熱状態とは異なる他の冷却対象との間で熱交換を行う第3の熱交換手段と、
    前記循環流路に設けられており、当該循環流路を流れる冷却水の回路を設定する切換手段と、
    前記循環流路に設けられており、冷却水を循環させる単一の循環手段とを有し、
    前記切換手段は、
    内燃機関を通過した冷却水を、前記第1の熱交換手段を通過させて、前記内燃機関に循環させる第1の冷却回路と、
    前記内燃機関を通過した冷却水を、前記第1の熱交換手段をバイパスさせて、前記内燃機関に循環させる第2の冷却回路と、
    前記内燃機関を通過した冷却水を、前記第1の熱交換手段をバイパスさせるとともに、前記第2の熱交換手段、前記第3の熱交換手段の順番で通過させて、前記内燃機関に循環させる第3の冷却回路と、
    前記内燃機関を通過した冷却水を、前記第1の熱交換手段、前記第2の熱交換手段の順番で通過させて、前記内燃機関に循環させる第4の冷却回路と、
    前記内燃機関を通過した冷却水を、前記第1の熱交換手段、前記第2の熱交換手段、前記第3の熱交換手段の順番で通過させて、前記内燃機関に循環させる第5の冷却回路と
    を設定可能な回路として有しており、
    前記循環手段は、前記内燃機関内を含む、前記第1から第5の冷却回路全てに共通する流路上の任意の位置に設けられていることを特徴とする車両用冷却装置。
  2. 前記第3の熱交換手段は、空調システムの冷凍サイクルの一部を構成して、当該空調システムにおける冷媒を冷却対象とする水冷凝縮器であることを特徴とする請求項1に記載された車両用冷却装置。
  3. 空調システムの冷凍サイクルの一部を構成して、当該空調システムにおける冷媒を冷却対象とする空冷凝縮器をさらに有し、
    前記空冷凝縮器は、前記空調システムにおける冷媒の流れにおいて、前記水冷凝縮器の下流に配置されていることを特徴とする請求項2に記載された車両用冷却装置。
  4. 前記空冷凝縮器は、前記水冷凝縮器の放熱量よりも大きな放熱量となるように容積が設定されていることを特徴とする請求項3に記載された車両用冷却装置。
  5. 前記第1の熱交換手段と、前記第2の熱交換手段と、前記空冷凝縮器とは、一体的に組み付けられており、
    前記第2の熱交換手段は、前記第1の熱交換手段の前方に配置され、
    前記空冷凝縮器は、前記第1の熱交換手段の前方、かつ、前記第2の熱交換手段の鉛直下方に配置されることを特徴とする請求項3または4に記載された車両用冷却装置。
  6. 内燃機関の負荷状態と、空調システムの負荷状態とに基づいて、前記切換手段を制御する制御手段をさらに有していることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載された車両用冷却装置。
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