JP2008194874A - 積層成形品の成形方法並びに成形金型 - Google Patents

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Masahiko Hara
正彦 原
Asako Kadokawa
麻子 角川
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Abstract

【課題】基材とその裏面に樹脂モールド部を一体化してなる積層成形品の成形方法並びに成形金型であって、積層成形品の成形後の脱型操作を円滑に行なう。
【解決手段】ドアトリムアッパー20は、軽量でかつ保形性を有する発泡樹脂基材21と、その裏面側に一体化される樹脂モールド部22とから構成されている。上記樹脂モールド部22は、アンダーカットとなるウエストフランジ23と、補強機能を持つ複数の樹脂リブ24とを備えた複雑形状であり、成形下型60に直上げコア70を配置して、樹脂モールド部22の成形を実施している。そして、直上げコア70は、樹脂モールド部22との脱型が困難な部位を固定ブロック71として、また、その他の部位を可動ブロック72とした分割体で構成することで、食いつきが生じる部位をフリー状態とすることにより、脱型性を高める。
【選択図】図9

Description

この発明は、積層成形品の成形方法並びに成形金型に係り、特に、成形金型に直上げコアを配置して、アンダーカット部を有する樹脂モールド部を発泡樹脂基材と一体に成形してなる積層成形品の成形方法並びに成形金型であって、樹脂モールド部の成形金型に対する脱型性を高めた積層成形品の成形方法並びに成形金型に関する。
図10はドアパネル(図示せず)の室内面側に装着されるドアトリム1を示す正面図であり、ドアトリム1は、外観性能を高めるとともに、成形金型のコンパクト化を達成するために、ドアトリムアッパー2とドアトリムロア3との分割体を接合固定する構成のものが多用されている。更に、ドアトリムアッパー2は、図11に示すように、軽量化を達成するために、シート材を所望の曲面形状に成形してなる発泡樹脂基材4と、発泡樹脂基材4の裏面に一体化される樹脂モールド部5とからなる積層成形品が使用され、樹脂モールド部5は、図示しないドアインナーシールを支持固定するウエストフランジ5aと、ウエスト部の剛性を強化するための樹脂リブ5bとから構成されている。尚、図示はしないが、発泡樹脂基材4の表面に装飾機能を持つ加飾材をラミネートしても良い。
上記ドアトリムアッパー2の成形方法としては、図12,図13に示すように、成形上型6と、成形下型7とからなる成形金型を使用し、成形上下型6,7を型締めすることにより、発泡樹脂基材4を所望の曲面形状に絞り成形するとともに、樹脂モールド部5のウエストフランジ5aがアンダーカット形状となるため、成形下型7に直上げコア8が配置されている。この直上げコア8は、昇降ピン8aによりブロック体8bが昇降自在に支持され、このブロック体8bには、樹脂リブ5bの厚みに等しい幅の溝部8cが適宜ピッチ間隔で形成されている。従って、成形上下型6,7の型締めにより、発泡樹脂基材4が所要形状に絞り成形されるとともに、型締め後、成形下型7と直上げコア8との協働作用により、所望のキャビティが形成され、キャビティ内に溶融樹脂が射出充填されることで、発泡樹脂基材4の裏面所定位置にアンダーカット部を有する樹脂モールド部5が射出成形される。そして、発泡樹脂基材4の裏面に樹脂モールド部5が一体成形された後は、図14,図15に示すように、成形上型6が上昇すると同時に、成形下型7に配設されている直上げコア8及び図示しないエジェクタピンが上昇して、ドアトリムアッパー2を上方に突き上げた後、ウエストフランジ5aを基点として図14,図15中矢印で示す方向にドアトリムアッパー2を旋回操作して、直上げコア8からドアトリムアッパー2を脱型操作している。尚、アンダーカット部を一体成形する成形品の成形方法及び成形金型の従来例としては、特許文献1に詳細に示されている。
特開2000−158497号公報
このように、従来の成形方法においては、樹脂リブ5bの寸法が長寸でかつ本数が多いため、直上げコア8からドアトリムアッパー2を脱型操作する際、樹脂リブ5bが直上げコア8の溝部8cに食いつき易く、ウエスト部の樹脂量が多く、成形下型7と直上げコア8の境界部分で食いつきが大きくなることから、製品の脱型時には、発泡樹脂基材4に荷重が集中し、表面ヒケの発生に繋がるという不具合が指摘されている。
更に、上記した理由でドアトリムアッパー2の脱型性が悪いとウエストフランジ5a近くの箇所にクリップ座を設定するのが難しく、製品の造形自由度において制約を受けるという欠点が指摘されている。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、成形金型間で絞り成形される発泡樹脂基材とその裏面に一体化されるアンダーカット部を有する樹脂モールド部とからなる積層成形品の成形方法並びに成形金型において、樹脂モールド部の脱型性を高めることで、製品全体として円滑な脱型操作が可能になるとともに、クリップ座等の設定位置の制約をなくし、造形自由度を高めた積層成形品を提供できる積層成形品の成形方法並びに成形金型を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明は、成形上下型の型締めにより、発泡樹脂基材を所要形状に成形するとともに、成形下型の溝部内に溶融樹脂を射出充填して、上記発泡樹脂基材の裏面に樹脂モールド部を一体化してなる積層成形品の成形方法において、成形上下型と、アンダーカット部を成形するために成形下型に配設される直上げコアとからなる成形金型を使用し、成形上下型の型締めにより、発泡樹脂シートを所望の曲面形状に絞り成形して発泡樹脂基材を成形するとともに、成形上下型及び直上げコアとの間に形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出充填することで、発泡樹脂基材の裏面所定位置に樹脂モールド部を一体化する発泡樹脂基材及び樹脂モールド部の成形工程と、前記直上げコアは固定部と可動部の分割構造が採用され、樹脂モールド部の脱型が難しい部位に固定部を配置し、その他の部位には可動部を配置することにより、積層成形品の突き上げ時において、成形下型と樹脂モールド部との脱型性を高めた脱型工程とからなることを特徴とする。
そして、本発明方法を実施する成形金型は、成形金型内で発泡樹脂シートを絞り成形して所望の曲面形状をなす発泡樹脂基材を成形するとともに、この発泡樹脂基材の裏面所定位置にアンダーカット部分を有する樹脂モールド部を一体化してなる積層成形品の成形金型において、前記成形金型は、相互に型開き、型締め可能な成形上下型と、成形下型に固定ピンを介して固定される固定部と、昇降ピンを介して成形下型に昇降自在に配設される可動部とからなる分割構造の直上げコアとから構成されていることを特徴とする。
ここで、適用対象となる積層成形品としては、発泡樹脂シートを成形上下型で所要形状に絞り成形してなる発泡樹脂基材と、成形上下型の型締め後、キャビティ内に溶融樹脂を射出充填して形成される樹脂モールド部とからなる製品であれば、特に用途を限定するものではなく、自動車用内装部品各種に適用することができる。例えば、ドアトリムアッパーに適用する場合は、樹脂モールド部としては、インナーシールを支持固定するウエストフランジと、ウエスト部の剛性を強化するために、ウエスト部の背面に一体化される樹脂リブとから構成される。
そして、使用する成形金型は、相互に型開き及び型締め可能な成形上下型とアンダーカット部を形成できるように、成形下型に内装される直上げコアと、成形下型に連結し、溶融樹脂を供給する射出機とから大略構成されている。また、直上げコアは、エジェクタピン同様、エジェクタプレートの上下動により昇降操作する。本発明に係る成形金型においては、直上げコアは固定部と可動部の分割構造が採用されており、固定部は固定ピンを介して成形下型の所定位置に支持固定され、可動部については昇降ピンがエジェクタプレートの上下動作により上下動し、この昇降ピンにより所定ストローク上下動して積層成形品を上方に突き上げる。
従って、本発明方法によれば、成形金型に配置される直上げコアの構造として、リブの根元部分等、成形品との脱型が容易でない部分を固定部として、その他を可動部となるように、分割構造を採用しており、発泡樹脂基材の裏面に樹脂モールド部をアンダーカット状に一体成形した後の脱型工程において、リブの根元部分は直上げコアの固定部として成形下型内に残り、それ以外の可動部が積層成形品を上方に突き上げるため、リブが食いつく部位がフリーになり、脱型性を改善することができる。また、リブの食いつきがなくなるため、クリップ座等の設定箇所における制約も緩和される。
以上説明した通り、本発明に係る積層成形品の成形方法並びに成形金型は、成形上下型間で絞り成形する発泡樹脂基材の裏面にアンダーカット状の樹脂モールド部を一体化する際、成形下型に配設されている直上げコアは、金型との脱型性が悪い箇所については固定部、その他の部位は可動部とした分割構造が採用されているため、発泡樹脂基材並びに樹脂モールド部を成形した後、金型を開放してエジェクタ機構により突き上げ操作する際、金型との脱型性が悪い箇所はフリー状態となり、円滑な脱型操作が期待できるとともに、脱型時に応力が加わることがないことから、ヒケ等の表面不良も有効に解決することができる。従って、作業性を高め、かつ外観性能を良好に維持できるという効果を有する。
更に、本発明に係る積層成形品の成形方法並びに成形金型によれば、直上げコアの構成として、金型との脱型性が悪い箇所は固定部、その他の部位は可動部とした分割構造の直上げコアを使用するというものであるから、脱型性を高めることで、クリップ座等の設定箇所を任意な箇所に設定することができ、設計自由度を向上させることができるという効果を有する。
以下、本発明に係る積層成形品の成形方法並びに成形金型の好適な実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図9は、本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明方法により成形したドアトリムアッパーを有する上下二分割タイプの自動車用ドアトリムを示す正面図、図2は同自動車用ドアトリムの構成を示す断面図、図3は本発明方法を適用して製作するドアトリムアッパーを示す斜視図、図4は本発明に係る成形金型の全体構成を示す説明図、図5は同成形金型に使用する直上げコアの構成を示す説明図、図6乃至図9は本発明方法の各工程を示す説明図である。
図1乃至図3において、自動車用ドアトリム10は、図示しないドアパネルの室内面側にクリップ等の固着手段を介して取り付けられる内装部品であって、外観性能を高め、かつ成形金型のコンパクト化を図るためにドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との上下二分割体を接合固定して製作されている。ドアトリム10の全体構成について簡単に説明すると、ドアトリム10は上述したように、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とを接合固定して本体部分を構成するとともに、ドアトリムアッパー20にインサイドハンドルエスカッション11を取り付けるとともに、ドアトリムロア30側には、製品中央部分に乗員が肘を掛けて休めるように室内側に膨出状に形成されるアームレスト12が形成され、この下方には、備品を収容できるポケット開口13が開設され、ポケット開口13の背面側にポケットバックカバー14が取着されている。また、ポケット開口13のフロント側には、スピーカグリル15がドアトリムロア30と一体、あるいは別体に設けられている。
ところで、本発明方法は、ドアトリムアッパー20を適用対象としており、ドアトリムアッパー20は、図2,図3に示すように、所望の曲面形状に成形され、軽量でかつ保形性を備えた発泡樹脂基材21と、この発泡樹脂基材21の裏面所定箇所に一体化されている樹脂モールド部22とから構成されている。更に、樹脂モールド部22としては、ドアガラスをシールする図示しないドアインナーシールを支持固定するウエストフランジ23と、ドアトリムアッパー20のウエスト部分の剛性を強化するために、発泡樹脂基材21の裏面側に取り付けられる樹脂リブ24とから構成され、この樹脂リブ24は、車両の長手方向に所定ピッチ間隔で立設されるプレート体から構成されている。また、発泡樹脂基材21の表面には、表面感触並びに表面風合いを高めるために、加飾材25を貼付しても良い。更に詳しくは、上記発泡樹脂基材21の素材としては、保形性を備えるように発泡樹脂シートを加熱軟化処理後、所要形状に熱成形、例えば、所望の型面を有する成形金型でコールドプレス成形されるが、更に高展開率部分については、真空成形により発泡樹脂基材21を賦形しても良い。
上記発泡樹脂シートは、汎用の熱可塑性樹脂に発泡剤を添加した構成であり、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤や重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤が使用できる。この実施形態では、ポリプロピレン系樹脂に発泡剤として重炭酸ナトリウムを適宜添加した発泡樹脂シートを使用している。また、この発泡樹脂基材21の発泡倍率は、2〜10倍に設定され、厚みは0.5〜30mm、特に好ましくは1〜10mmの範囲に設定されている。
次いで、樹脂モールド部22は、発泡樹脂基材21の裏面側に配設されている。この樹脂モールド部22は、汎用の合成樹脂成形体からなり、通常好ましく使用できる合成樹脂として、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等から適宜選択されて良く、本実施形態では、環境面、リサイクル面を考慮してポリプロピレン系樹脂が使用されている。また、この樹脂モールド部22には、上記熱可塑性樹脂中に適宜フィラー、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維や、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子等の充填剤が混入されていても良い。
更に、発泡樹脂基材21の表面に積層される加飾材25は、織布、不織布、編布等の通気性を備えた布製シート材料を使用できるが、これら布地シート以外にも、塩ビシートやTPO(サーモプラスチックオレフィン)シート等の、合成樹脂シート、また、布地シートや樹脂シートの裏面にクッション層を裏打ちした積層シート材料等を使用することができる。更に、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との接合構造について説明する。まず、ドアトリムアッパー20は、積層成形品であり、ドアトリムロア30は樹脂単体品であるが、ドアトリムロア30の上縁側裏面に適宜ピッチ間隔で取付用ボス31が立設され、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30をラップした際、上記取付用ボス31を差し込むための取付孔26をドアトリムアッパー20に対応して開設しておき、取付用ボス31を取付孔26内に挿入した後、先端をカシメ加工することでドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とを簡単に一体化することができる。
そして、本発明方法は、上述したドアトリムアッパー20の成形に適用したもので、ドアトリムアッパー20の特に成形後の脱型操作が円滑に行なえ、しかも、樹脂モールド部22の形状や、それと連接するクリップ座等の造形自由度を向上させることができる有利さを備えている。図4,図5は、本発明方法に使用する成形金型40の構成を示すもので、図4は成形金型40の全体構成を示している。
すなわち、成形金型40は、一対のキャビティ型とコア型とから構成され、キャビティ型として成形上型50が相当し、コア型として成形下型60が相当している。更に詳しくは、成形上型50は、昇降シリンダ51に連結され、この昇降シリンダ51の駆動により、所定ストローク可動して、成形上下型50,60の型開き及び型締めが行なわれる。一方、成形下型60には、樹脂モールド部22の素材である溶融樹脂Mの樹脂通路となるマニホールド61、ゲート62が設けられている。尚、この実施例では、ゲート62を通じて成形下型60の溝部63内に溶融樹脂Mが射出充填され、ウエストフランジ23が成形される。更に、成形下型60には、樹脂モールド部22の特にウエストフランジ23がアンダーカットとなるため、直上げコア70が配設されている。この直上げコア70は、図5に示すように、固定ブロック71と可動ブロック72がそれぞれ固定ピン73、昇降ピン74に連結された分割構造が採用されており、樹脂リブ24を成形するための溝部75が直上げコア70に穿設されている。そして、特に、固定ブロック71が樹脂モールド部22との間で食いつきが生じ易い溝部75の近傍部分に設定され、それ以外の部位は可動ブロック72が設定される。すなわち、成形下型60に固定ピン73を介して固定ブロック71が固定されるとともに、エジェクタプレート(図示せず)に昇降ピン74を介して可動ブロック72が支持されることで、製品の突き上げ時には、固定ブロック71が停止した状態で可動ブロック72のみが上方に突き上げられ、発泡樹脂基材21及び樹脂モールド部22を一体化したドアトリムアッパー20を上方に突き上げるが、特に、樹脂リブ24の基部付近のように、食いつき易い部分には固定ブロック71が対応しているため、樹脂リブ24の基部がフリー状態となる。
次いで、この成形金型40を使用して、ドアトリムアッパー20の成形方法について説明する。図6は素材のセット工程を示すもので、成形金型40における成形上下型50,60が型開き状態にある時、発泡樹脂基材21の素材である発泡樹脂シートSを図示しないヒーター装置により加熱軟化処理し、また、一方面に加飾材25をラミネートしておく。この実施例では、発泡樹脂シートSとして、ポリプロピレン製発泡シート(住化プラステック製、商品名:スミセラー発泡PPシート、発泡倍率=3倍、厚み3mm)が使用されている。
そして、図7に示すように、昇降シリンダ51の駆動により、成形上型50が下死点まで降下して、成形上下型50,60を所定のプレス圧で型締めすることで、発泡樹脂シートSを所望の曲面形状に成形して、発泡樹脂基材21を所要形状に成形する。この時、成形下型60には、直上げコア70が所定位置に位置決めされており、発泡樹脂基材21の成形後、図8に示すように、成形下型60と連設する射出機からマニホールド61、ゲート62を通じて溝部63から直上げコア70の溝部75に溶融樹脂Mが射出充填されて、ウエストフランジ23及び樹脂リブ24が発泡樹脂基材21の裏面に一体成形される。
更に、直上げコア70の形状に追随して、発泡樹脂基材21の裏面に樹脂モールド部22(ウエストフランジ23、樹脂リブ24)が一体成形された後、図9に示すように、成形上型50が上方に型開きするとともに、図示しないエジェクタプレートが上昇することで、これも図示しないエジェクタピンがドアトリムアッパー20を上方に突き上げる。この時、直上げコア70は、昇降ピン74に支持されている可動ブロック72が上昇するものの、溝部75と対応する位置にある固定ブロック71は固定ピン73により成形下型60に支持され、停止した状態であるため、食いつきが発生し易い樹脂リブ24はフリー状態となり、発泡樹脂基材21を回動操作して脱型する際、直上げコア70からドアトリムアッパー20を簡単に脱型操作することができる。
このように、脱型操作性が向上するとともに、脱型時に発泡樹脂基材21に過度の力が加わることがないため、ヒケ等の外観不良が生じないことから、外観性能を良好に保つことができるとともに、クリップ座等の設定箇所も任意に設定でき、造形自由度も高めることができるという有利さを備えている。
以上説明した実施例は、ツートンタイプの自動車用ドアトリム10におけるドアトリムアッパー20に本発明構造を適用したものであるが、一体型のドアトリムに適用することもでき、成形金型40に直上げコア70を配設した金型構成で、発泡樹脂基材21と樹脂モールド部22とを一体化してなる積層成形品を成形するタイプであれば、ドアトリム10以外の内装部品として、リヤパーセルシェルフ、トランクトリム、リヤサイドトリム等、内装部品全般に適用することができる。
本発明に係る積層成形品を適用したドアトリムアッパーを備えた自動車用ドアトリムを示す正面図である。 図1中II−II線断面図である。 図1に示す自動車用ドアトリムにおけるドアトリムアッパーを示す外観図である。 本発明に係る積層成形品の成形金型の全体構成を示す説明図である。 図4に示す成形金型における直上げコアの構成を示す説明図である。 図3に示すドアトリムアッパーの成形方法における素材のセット工程を示す説明図である。 図3に示すドアトリムアッパーの成形方法における発泡樹脂基材の成形工程を示す説明図である。 図3に示すドアトリムアッパーの成形方法における樹脂モールド部の成形工程を示す説明図である。 図3に示すドアトリムアッパーの成形後の脱型工程を示す説明図である。 従来のツートンタイプのドアトリムを示す正面図である。 従来のドアトリムアッパーを示す断面図である。 従来のドアトリムアッパーの成形工程を示す説明図である。 従来のドアトリムアッパーを成形する成形金型における直上げコアを示す説明図である。 従来のドアトリムアッパーの成形工程後の脱型方法を示す説明図である。 従来のドアトリムアッパーの成形工程後の脱型方法を示す説明図である。
符号の説明
10 ツートンタイプの自動車用ドアトリム
20 ドアトリムアッパー
21 発泡樹脂基材
22 樹脂モールド部
23 ウエストフランジ
24 樹脂リブ
25 加飾材
26 取付孔
30 ドアトリムロア(樹脂単体品)
31 取付用ボス
40 成形金型
50 成形上型
51 昇降シリンダ
60 成形下型
61 マニホールド
62 ゲート
70 直上げコア
71 固定ブロック
72 可動ブロック
73 固定ピン
74 昇降ピン
75 溝部
S 発泡樹脂シート
M 溶融樹脂

Claims (2)

  1. 成形上下型(50,60)の型締めにより、発泡樹脂基材(21)を所要形状に成形するとともに、成形下型(60)の溝部(63)内に溶融樹脂(M)を射出充填して、上記発泡樹脂基材(21)の裏面に樹脂モールド部(22)を一体化してなる積層成形品(20)の成形方法において、
    成形上下型(50,60)と、アンダーカット部を成形するために成形下型(60)に配設される直上げコア(70)とからなる成形金型(40)を使用し、成形上下型(50,60)の型締めにより、発泡樹脂シート(S)を所望の曲面形状に絞り成形して発泡樹脂基材(21)を成形するとともに、成形上下型(50,60)及び直上げコア(70)との間に形成されるキャビティ内に溶融樹脂(M)を射出充填することで、発泡樹脂基材(21)の裏面所定位置に樹脂モールド部(22)を一体化する発泡樹脂基材(21)及び樹脂モールド部(22)の成形工程と、
    前記直上げコア(70)は固定部(71)と可動部(72)の分割構造が採用され、樹脂モールド部(22)の脱型が難しい部位に固定部(71)を配置し、その他の部位には可動部(72)を配置することにより、積層成形品(20)の突き上げ時において、成形下型(60)と樹脂モールド部(22)との脱型性を高めた脱型工程と、
    からなることを特徴とする積層成形品の成形方法。
  2. 成形金型(40)内で発泡樹脂シート(S)を絞り成形して所望の曲面形状をなす発泡樹脂基材(21)を成形するとともに、この発泡樹脂基材(21)の裏面所定位置にアンダーカット部分を有する樹脂モールド部(22)を一体化してなる積層成形品(20)の成形金型(40)において、
    前記成形金型(40)は、相互に型開き、型締め可能な成形上下型(50,60)と、成形下型(60)に固定ピン(73)を介して固定される固定部(71)と、昇降ピン(74)を介して成形下型(60)に昇降自在に配設される可動部(72)とから構成されている分割構造の直上げコア(70)とからなることを特徴とする積層成形品の成形金型。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013111857A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Toyota Boshoku Corp 成形構造体のリブ構造

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