JP2008194618A - 廃集積回路基板から有価金属を連続回収する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 廃集積回路基板から回収装置に有害な難燃剤成分のハロゲンガスを先に回収除去し、排ガス量を増加させるカーボン量を減少し、金、銀、銅、鉛、亜鉛、パラジウムその他の金属などの有価金属を効率よく回収する方法を提供する。
【解決手段】 ロータリーキルンタイプの過熱水蒸気処理装置1の間接加熱による内筒1aに、過熱水蒸気の雰囲気温度を500〜600℃として金、銀、銅、鉛、亜鉛、パラジウムその他の金属などの有価金属を含有するガラス繊維および樹脂製の集積回路基板からなる廃集積回路基板を、連続装入してガラス繊維と樹脂からなる積層基板を炭化により剥離し、さらに廃集積回路基板の難燃剤成分のハロゲンをガス化して回収し、一方、廃集積回路基板に含有の金、銀、銅、鉛、亜鉛、パラジウムその他の金属などの有価金属を分離回収する。
【選択図】 図1

Description

本願の発明は、廃集積回路基板の回路及び素子に含有の金、銀、銅、鉛、亜鉛、パラジウムその他の金属などの有価金属を回収する方法、特に有害ガスを放出することなく有価金属を回収する方法に関する。
電子機器装置の回路を構成している集積回路基板には、金、銀、銅、鉛、亜鉛、パラジウムその他の金属などの有価金属が含まれているため、これらの有価金属を廃集積回路基板から回収することでマテリアルリサイクルが成り立つ。
従来の廃集積回路基板に含有の有価金属の回収方法には、1.廃集積回路基板を前処理をすることなく直接金属回収装置に投入するか、2.前処理として、過熱水蒸気を導入することなく燃焼空気量を絞って低酸素雰囲気において廃集積回路基板を炭化させる形式の炭化炉を使用する方法、あるいは、3.前処理として、バッチ式炭化炉に過熱水蒸気を吹き込んで廃集積回路基板を炭化させる方法があった。
上記の1.の前処理をすることなく、廃集積回路基板を金属回収装置に直接投入する場合、金属回収工程で積層基板の樹脂分が燃焼して出す排ガスを処理するための負荷が増大することや、排ガス中の難燃剤成分である臭素や塩素などのハロゲンによる装置の腐食の問題が発生する。このために金属回収装置に大量の基板を一度に投入することはできなかった。
また、上記の2.の前処理で過熱水蒸気を導入しない形式の炭化炉を使用する場合、樹脂層が積層基板中に固化して残留する。このために前記と同様に積層基板の樹脂分が燃焼して出す排ガスを処理するための負荷が増大することや、難燃剤成分である臭素や塩素などのハロゲンによる装置の腐食の問題を根本的に解決することができなかった。
また、上記の3.の前処理工程で、バッチ式炉に過熱水蒸気を吹き込んで廃集積回路基板を炭化させる技術が実用化されているが、この方法は被処理品をコンテナに充填したままコンテナの外部から加熱と過熱水蒸気の吹付けを行う方法のため、積層基板の内部まで充分に加熱と蒸気が行き渡らず、被処理品である廃集積回路基板からの樹脂と難燃剤成分の気化分離が不均一で、これも前記の1.や2.と同様の問題を根本的に解決することができなかった。
一方、従来の廃集積回路基板の処理方法として、廃集積回路基板を静的な温度条件下の水蒸気雰囲気中でかつ無酸素状態で加熱処理し、ダイオキシン類の発生を抑制すると共に回収する貴金属類の酸化、揮発飛散を防止し回収率を向上させる方法の発明が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、廃集積回路基板などのリサイクル原料を専用容器に収容して乾留炉に収装し、乾留炉において、バッチ式処理で加熱した水蒸気の吹き込みによる直接加熱と内挿加熱管による間接加熱によって、還元雰囲気で炉内温度を300〜400℃とすることにより有価金属のガスへの移行を防止して乾留処理を行う。この乾留残渣は燃焼炉において800℃以上の温度で完全燃焼させる。燃焼後の排ガスは200℃以下の温度に急冷し、消石灰を噴霧することによって中和し、塩化水素ガスを塩化カルシウムとして煤塵中に固定し、有害ガス、特にダイオキシンの再合成を防止する方法の発明が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−290755号公報 特開2003−334529号公報
本発明は、従来の方法における上記した問題点を解決する方法であり、廃集積回路基板における難燃剤成分であり、かつ回収装置を腐蝕させる有害なハロゲンガスを大気中に放出することなく減少し、さらに廃集積回路基板などの回路や素子に使用の金、銀、銅、鉛、亜鉛、パラジウムその他の金属などの有価金属を効率よく回収する方法を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段について説明する。この手段は、周囲から間接加熱さたれロータリーキルンに代表される回転方式の内筒を外筒の中に有する過熱水蒸気処理装置すなわち炭化装置を使用して、廃集積回路基板などの有価金属を含有する被処理品から有価金属を回収する方法である。このために、廃集積回路基板などの被処理品をこのようなロータリーキルン方式の過熱水蒸気処理装置に収容し、該過熱水蒸気処理装置の回転により被処理品を撹拌し、該過熱水蒸気処理装置から均一に伝熱を受けるとともに該過熱水蒸気処理装置中で過熱水蒸気に暴露される。ところで一般に伝熱には被処理品が過熱水蒸気処理装置自体の内筒鉄皮に接して伝わる伝導伝熱と、内筒雰囲気ガスと内筒鉄皮から受ける輻射伝熱と、内筒雰囲気ガスからの対流伝熱がある。本発明の方法を好適に実施する温度範囲である500〜600℃では、被処理品が攪拌により該過熱水蒸気処理装置の内筒鉄皮に接することで伝わる伝導伝熱が最も効果的に作用する。
一例として、ロータリーキルン方式である過熱水蒸気処理装置の内筒の雰囲気の温度および該内筒に導入の過熱水蒸気の温度を同一の条件として、過熱水蒸気処理装置の傾斜角度と回転数を変えて調整し、同じ被処理品の滞留時間として、過熱水蒸気処理装置の内筒の回転数を2.45倍にすると、被処理品から発生したハロゲンガスをキルン外の大気中に放出することなく、かつ、残留難燃剤成分濃度を略同一として、該過熱水蒸気処理装置への被処理品の投入量を略1.5倍に増加できた。つまり、過熱水蒸気処理装置の内筒の回転数を大きくすることによって同じ残留難燃剤成分濃度を得ながら、廃集積回路基板の被処理品をより多く内筒で撹拌することができ、その分だけ被処理品を内筒鉄皮に接触させる回数が増える結果、被処理品への伝導伝熱の熱量が増加した。後述の表1にその結果を示す。
さらに、廃集積回路基板の被処理品は過熱水蒸気処理装置の内筒内部に設置した羽根に支持されて内筒壁と接触した状態で内筒内で上部に回転しながら持ち上げられ、持ち上げられた上限位置から内筒内の底部に落下される。この落下の際に内筒に供給された過熱水蒸気に被処理品は暴露される。そこで、同一の回転速度で回転するキルンの回転数が多いほど、すなわち暴露時間が長いほど、過熱水蒸気によって被処理品である積層基板の剥離が進み単位層の樹脂層やガラス繊維層となり、単位層の樹脂層やガラス繊維層中の樹脂や難燃剤成分のハロゲンの気化による分離が促進されることとなる。すなわち、被処理品を撹拌させ炭化装置から伝導伝熱による加熱を効率よく行える装置として、ロータリーキルン方式からなる過熱水蒸気処理装置の間接加熱による内筒を使用することによって、上記の本発明の課題が解決できる。そこで、本発明の過熱水蒸気処理装置の間接加熱による内筒を有する装置を使用する廃集積回路基板などの処理方法は下記の方法の手段からなる。
すなわち、上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明の手段では、金、銀、銅、鉛、亜鉛、パラジウムその他の金属などの有価金属を含有する集積回路並びに樹脂層及びガラス繊維層から成る積層基板から形成の集積回路基板の廃集積回路基板を過熱水蒸気雰囲気に連続的に装入して曝しながら加熱により積層基板の樹脂層を炭化する。この過熱水蒸気による炭化作用によって樹脂層とガラス繊維層からなる積層基板を構成する単位層の樹脂層やガラス繊維層に互いに剥離する。この剥離により、廃集積回路基板に含有のハロゲンをガス化および積層基板成分の樹脂のガス化を促進するとともに、廃集積回路基板から有価金属を分離回収することを特徴とする廃集積回路基板から有価金属を連続的に回収するための加熱水蒸気による処理方法である。すなわち、請求項1の発明の手段は、廃棄したテレビやコンピュータその他の電子機器から取り出した廃集積回路基板から有価金属を連続的に回収するための処理方法である。
請求項2の発明の手段では、過熱水蒸気雰囲気に連続的に装入して曝し、廃集積回路基板を加熱により炭化して剥離し、廃集積回路基板から有価金属の分離回収を連続的に行う方法は、間接加熱によるロータリーキルン方式の過熱水蒸気処理装置の内筒に被処理品の廃集積回路基板を連続的に装入しながら、この間接加熱による過熱水蒸気処理装置の内筒に過熱水蒸気を連続的に装入して廃集積回路基板を曝して均一な炭化を図るとともに、さらに廃集積回路基板から金、銀、銅、鉛、亜鉛、パラジウムその他の金属などの有価金属を連続操業しながら分離するために、外筒および回転する内筒からなるロータリーキルン方式の過熱水蒸気処理装置の外筒および内筒間に導入の熱風により内筒を間接加熱し、この間接加熱された内筒に連続的に過熱水蒸気を導入するとともに、この内筒に廃集積回路基板の積層基板を連続的に装入することを特徴とする請求項1の手段の廃集積回路基板から有価金属を連続的に回収するための処理方法である。
請求項3の発明では、間接加熱による過熱水蒸気処理装置の内筒に連続的に導入する過熱水蒸気は、過熱水蒸気の温度を300℃〜600℃として内筒に導入しながら、熱風の間接加熱による内筒の雰囲気温度を500℃〜600℃とし、この内筒に廃集積回路基板を装入して曝しながら炭化して剥離し、かつ、金、銀、銅、鉛、亜鉛、パラジウムその他の金属などの有価金属の分離回収を連続的に行うことを特徴とする請求項2の手段の廃集積回路基板から有価金属を連続的に回収するための処理方法である。
請求項4の発明では、内筒に装入の有価金属を含有しかつ樹脂層とガラス繊維層からなる積層基板を有する廃集積回路基板を過熱水蒸気に最適な条件下で曝すため、間接加熱による内筒に装入して滞留させる廃集積回路基板の投入量を内筒の処理容積の10%以下に制御して連続操業することを特徴とする請求項2または3の手段の廃集積回路基板から有価金属を連続的に回収するための処理方法である。
本発明の手段の方法は、第1に、間接加熱による回転式の過熱水蒸気処理装置1の内筒1aである回転式炭化装置の内部への外気の漏れ込みと、廃集積回路基板13である被処理品から放出される有害な難燃剤成分であるハロゲンの気化ガスが外部へ漏出することを防止し、かつ廃集積回路基板13から金、銀、銅、鉛、亜鉛、パラジウムその他の金属などの有価金属を回収する方法である。このハロゲン気化ガスの外部への漏出を防止するため、この間接加熱による過熱水蒸気処理装置1への被処理品の出入口には直列に2段式のダンパー3bを配設して処理装置内部の気密性を確保する。すなわち、図1において、1段目のダンパー3bと2段目のダンパー3bを交互に開閉し、ガスが貫通しないように操作される。さらに、どちらか一方のダンパー3bには必ず被処理品を充満させる操作方法を取ることによって、被処理品自身によるシールも期待できる。また、過熱水蒸気処理装置1を固定部の外筒1bとその内側の回転部の内筒1aから形成しているが、この固定部の外筒1bと回転部の内筒1aの摺動部分から大気が流入し、内部のガスが噴出する可能性がある。そこで、この固定部の外筒1bと回転部の内筒1aの摺動部分を窒素ガスまたは水蒸気など酸素を含まないガスでシールしている。その際、シール用のガスを200℃以上に加熱してから導入することにより過熱水蒸気処理装置1内の局部的な冷却を防止する作用をもさせている。これに加えて、間接加熱による過熱水蒸気処理装置1を含むシステム内の排気ガス誘引送風機10の運転を調整することによって、間接加熱による過熱水蒸気処理装置1の内筒1aの内部圧力を大気圧より−50〜−100Paの負圧に保つことで、加熱によって発生する有害ガスの外部への漏出を防止している。
過熱水蒸気処理装置1で処理された固体からなる処理物は過熱水蒸気処理装置1の内筒1aの出口から2段式ダンパー3dにより処理物冷却装置6へ装入され冷却される。一方、内筒1aからの内筒排気ガスは収集して2次燃焼装置7へ送給し、燃焼送風機から送風を加えて2次燃焼される。さらに後段の冷却装置8で噴霧水で冷却した後、凝固物集塵装置9で薬剤により有害物質を中和して凝固物を集塵すると共に、この無害化した内筒排気ガスを誘引送風機10により誘引して排気筒11から大気に放出している。
第2に、本発明の手段の方法は、間接加熱による過熱水蒸気処理装置1内への被処理品を常時定量供給すると共に、過熱水蒸気により炭化および積層基板15に分離処理して生成された処理物を過熱水蒸気処理装置1から常時排出する方法である。被処理品の加熱と過熱水蒸気への暴露を最適な条件下で行うため、この過熱水蒸気処理装置1内に滞留させる被処理品の体積を内筒容積の10%以下に常に制御する必要がある。この要件を満たすための被処理品の定量供給の形式としては、スクリュー式、ベルト式、バケット式などが考えられるが、実装品の咬み込みによる装置の停止防止、粉塵の飛散防止、輸送速度調整が行える形式の装置を選定することが好ましく、本発明では投入装置3とスクリュー式フィーダー3aと2段式のダンパー3bとプッシャー3cからなる形式としている。
第3に、間接加熱による過熱水蒸気処理装置1の内筒1aへの被処理品の定量供給装置の先端の焼き付き防止する方法である。この過熱水蒸気処理装置1の内筒1a内部への被処理品の投入は図1に示すような上記のプッシャー方式を採用する。このプッシャー方式の投入装置の先端は内筒1aの内部へ挿入されており、受熱してそれ自体が高温になっているため、被処理品の廃集積回路基板13における樹脂層15aとガラス繊維層15bからなる積層基板15の樹脂層15aが軟化して焼きつく心配がある。そのため、内筒1aの内部へ挿入されたプッシャー3cの先端を窒素ガスまたは図示しない水冷ジャケットで冷却するとともに、プッシャー3cのピストンで1作動毎に焼きついた被処理品を掻き取る構造としている。
第4に、廃集積回路基板13からなる被処理品を過熱水蒸気処理装置1で処理した処理物は適切な温度に冷却してから取り出さなければならない。間接加熱による過熱水蒸気処理装置1から直接取り出すと、処理物が高温のままであるため、僅かでもカーボンが残留しておれば空気中の酸素で燃焼してしまう。一方、冷却しすぎると、廃集積回路基板13である被処理品に含まれる僅かな水分が凝縮して、この凝縮した水分が雰囲気中の臭素や塩素などのハロゲンガスを吸収してしまう。そのため、処理物の冷却温度は露点温度以上で、かつ燃焼温度以下とすることが好ましい。そこで廃集積回路基板13を処理した形成の処理物の冷却の形式はジャケットによる間接冷却式とするものとする。処理した廃集積回路基板13に直接水を噴霧する方法も可能であるが、均一な冷却性に欠けることや、僅かでも難燃剤成分のハロゲンが残留しておれば、それらが溶け込んだ溶液となって流れ出る可能性があるので直接冷却することは好ましくない。
本発明の手段として、過熱水蒸気雰囲気で炭化させると、樹脂層とガラス繊維層からなる積層基板を有する廃集積回路基板が容易に単位層の樹脂層やガラス繊維層に剥離し、樹脂や難燃剤成分のハロゲンを効率的に気化分離させ、金属回収工程における装置の腐蝕や排ガスの増加などの問題を解決することができ、廃集積回路基板から有価金属を効率的に回収することができる。従来の過熱水蒸気を導入しない単なる間接加熱による場合に比して、同じ温度でありながら、炭化によるカーボン減少量は略2倍に向上する。すなわち本発明の手段では、加熱水蒸気の作用によって、廃集積回路基板における積層基板を形成する樹脂の炭素結合が切れて低分子化して樹脂成分の気化が促進される結果、カーボン減少量の差は樹脂の気化量の差になる。さらに、間接加熱による回転式の内筒による炭化装置を使用によって、廃集積回路基板へ熱を効率良く均一に伝えることができ、さらに過熱水蒸気に長時間にわたり均一に暴露できることで、上記の廃集積回路基板の剥離および樹脂や難燃剤成分のハロゲンの気化分離が効率的に実施でき、かつ、回転式の炭化装置の周囲の外気中への難燃剤成分のハロゲンの気化による直接的な漏洩をなくすことができるなど、本発明は従来にない優れた効果を奏する。
本発明を実施するための形態について、本発明のシステムを示す図1を参照して説明する。さらに廃集積回路基板13を使用した実験結果について以下に説明する。
この方法に使用する間接加熱による過熱水蒸気処理装置1は、本発明方法を実施する上で中核をなす装置である。この過熱水蒸気処理装置1の基本構造は、内部で廃集積回路基板13などの被処理品を過熱水蒸気に暴露させる内筒1aと、内筒1aの周囲に間隙を有して配設されている筒状の外筒1bからなり、これらの内筒1aと外筒1bとの間隙に、燃焼送風機2aで供給の送風を熱風発生炉2から熱風として導入して内筒1aを周囲から間接加熱する構造となっている。なお、本発明における廃集積回路基板13は、樹脂層15aとガラス繊維層15bが交互に積層された積層基板15の最上面の樹脂層15aの上にプリントなどにより形成された金、銀、銅、ハンダなどから成る回路14aと該回路14aに実装された希土類金属を有する実装品14bから成る集積回路14から形成されており、これを図2に模式的に示す。本発明におけるハロゲンなどの難燃剤成分は集積回路14及び積層基板15の全ての部分に含まれている。図2の積層基板15がそれぞれの樹脂層15aとガラス繊維層15bの単位層に加熱水蒸気により分離される。
内筒1a、は図示しない駆動装置によって、1〜10rpm程度で回転される。廃集積回路基板などの被処理品は内筒1aの一端側から供給され、他端側から排出される。過熱水蒸気も同じように内筒1aの一端側から供給される。この場合、被処理品は投入装置3のスクリュー式フィーダー3aにより供給され、内筒1aの他端側から排出されるが、この内筒1aに対する被処理品の供給方向に対し、内筒1aに導入する過熱水蒸気の方向は被処理品に並行または逆行のいずれかとする。内筒1aの内部には、図示しないが、被処理品を回転により内筒1a内の上部に持ち上げて落下させて撹拌するためのリフターと呼ぶ羽根が溶接構造またはボルトナット構造で内筒1aの内壁に固定されている。内筒1aの雰囲気温度は外筒1bと内筒1aとの間に導入される熱風の温度と風量を制御することで内筒1a内の温度を500℃〜600℃に保持しうる温度とする。また、被処理品は内筒1aを形成する鉄皮を介して間接加熱されるので、直接に外気と接触されることはなく、したがって外気により燃焼されることはない。
図1に示すように、ボイラー4で発生された水蒸気は過熱水蒸気発生装置5で所定の温度に昇温された後、過熱水蒸気処理装置1の内筒1aへ導入される。過熱水蒸気発生装置5は、発熱体を誘導加熱し、それにボイラー4からの水蒸気を接触させて加熱する電気式の装置であり、発生蒸気温度は300℃〜600℃の範囲で、圧力は好ましくは常圧とする。
被処理品の投入装置3はスクリュー式フィーダー3aと2段式ダンパー3bとプッシャー3cで構成され、前記の解決手段で述べたように、スクリュー式フィーダー3aで過熱水蒸気処理装置1の内筒1aの内部に滞留させる被処理品を過熱水蒸気処理室1の容積の10%以下に制御するように、また2段式ダンパー3bの上下段を交互に開くことで、2段式ダンパー3bの部分からの漏洩をなくし、その結果、過熱水蒸気処理装置1の内筒1aの内部の気密性を保持するものとしている。
過熱水蒸気処理室1で処理された処理物を冷却する処理物冷却装置6は水冷ジャケットをその周囲に有するジャケット方式からなり、過熱水蒸気処理装置1で処理された処理物を間接冷却する。過熱水蒸気処理装置1の内筒1aの図示しない駆動軸貫通部はN2ガスでガスシールし、外気の漏れ込みを防止する構造としている。過熱水蒸気処理装置1の内筒1aで処理されて発生した内筒排気ガスには、被処理品の廃集積回路基板13の積層基板15の樹脂層15aから発生した可燃性の気化ガスと難燃剤成分の臭素や塩素の気化ガスが混合して含まれている。これらを後段の2次燃焼装置7で燃焼させて800℃以上の高温で装置内に2秒以上保持し、さらに後段の冷却装置8で噴霧水により急速冷却することによって、ダイオキシンの発生を防止している。この排気ガスには、難燃剤成分である臭素や塩素の化合物が含まれ酸性になっているので、さらに、これらを集塵装置9に供給し消石灰などのアルカリ性薬品により中和し、得られた凝固物を集め、一方、無害化された排ガスを集塵装置9から誘引送風機10により誘引して排気筒11を通じて大気中へ排気される。一方、上記の過熱水蒸気処理装置1の内筒1aと外筒1b間に導入された熱風は内筒壁で内筒1a内と熱交換した後、外筒1bの出口から排気ファン12で吸引されて排気筒11を通じて大気中へ排気される。
本願発明の方法のメカニズムは、被処理品が過熱水蒸気雰囲気に投入されると、高温の過熱水蒸気が低温の被処理品と接触して一旦凝縮し、被処理品の内部に浸透する。その後、被処理品が高温の雰囲気中で急速に昇温されるため、被処理品の内部で過熱水蒸気から凝縮した水分が沸騰し表面から蒸発していく。その蒸発の際、被処理品である廃集積回路基板13の積層された積層基板15が水分の沸騰圧力で剥離すると考えられ、そのため炭化の際に樹脂や難燃剤成分が気化しやすくなり、単なる間接加熱に比して、そのカーボン減少量は略2倍に向上する。
また、過熱水蒸気の水分子は高分子と比較すると充分に小さいので、ガス状態で廃集積回路基板13の内部まで容易に入り込み熱を伝えることができる。そのため、通常の熱風雰囲気と比較して、積層基板15の樹脂が急速に加熱されて炭化され、さらに難燃剤成分である塩素や臭素のガス化が促進される。
本発明方法により過熱水蒸気により処理する方法と従来の方法の熱風雰囲気中での過熱により処理方法により被処理品の廃集積回路基板13をそれぞれ処理し、これらの処理物を目視により観察すると、本願方法の過熱水蒸気雰囲気中で処理した廃集積回路基板13の積層基板15は剥離し、有価金属は分離されているが、従来の熱風雰囲気中での加熱では、積層基板15は剥離することなく、有価金属は分離されていなかった。この様に本発明の方法は従来方法と比較して明らかに有為な差異が見られた。
次に、実証設備を使用して行ったテストデータを下記に示す。実験条件は内筒1aの雰囲気温度を600℃とし、内筒1aに導入する過熱水蒸気の温度を580℃とし、テストNo.1では、被処理品の廃集積回路基板13を40kg/hを投入した。このテスト原料である被処理品中の臭素量は3.7%であったが、過熱水蒸気で処理した後の処理物の中に残留している臭素量は0.59%で、分離処理の結果、臭素量は約1/6に減少した。同一の実証設備を使用して行ったテストNo.2では、内筒1aの回転数を2.45倍にし、テスト原料の被処理品の廃集積回路基板13を50%増量して60kg/hを投入した。この被処理品中の臭素量は同じく3.7%であったが、過熱水蒸気で処理した後の処理物の中に残留している臭素量は0.61%とやや増えたものの、分離処理の結果、臭素量はNo.1と同じように約1/6に減少した。これらを表1に示す。
Figure 2008194618
被処理品の廃集積回路基板13を炭化した際のカーボン量と難燃剤成分である塩素および臭素は、表2に示すように、それぞれカーボン量が約1/3に、塩素が約1/4に、臭素が約1/6に減少した。
Figure 2008194618
また、比較のため、同じ雰囲気温度において、過熱水蒸気を導入しない条件の下で単に間接加熱のみにより実験を行ったところ、カーボンの量は14.3%となり、本発明の実証試験の過熱水蒸気雰囲気下で処理した場合に比して、約1/2倍にしかカーボン量は減少できなかった。
本発明の廃集積回路基板からの有価金属の回収方法における全体システムを模式的に示す図である。 集積回路基板を模式的に示す図である。
符号の説明
1 過熱水蒸気処理装置
1a 内筒
1b 外筒
2 熱風発生炉
2a 燃焼送風機
3 投入装置
3a スクリュー式フィーダー
3b 2段式ダンパー
3c プッシャー
4 ボイラー
5 過熱水蒸気発生装置
6 処理物冷却装置
7 2次燃焼装置
7a 燃焼送風機
8 冷却装置
9 集塵装置
10 誘引送風機
11 排気筒
12 排気ファン
13 廃集積回路基板
14 集積回路
14a 回路
14b 実装品
15 積層基板
15a 樹脂層
15b ガラス繊維層

Claims (4)

  1. 有価金属を含有する集積回路並びに樹脂層及びガラス繊維層から成る積層基板から形成の集積回路基板の廃集積回路基板を過熱水蒸気雰囲気に連続的に装入して曝しながら加熱により積層基板を炭化して剥離することにより、廃集積回路基板に含有のハロゲンをガス化および積層基板成分の樹脂層のガス化を促進するとともに、廃集積回路基板から有価金属を分離回収することを特徴とする廃集積回路基板から有価金属を連続的に回収するための加熱水蒸気による処理方法。
  2. 過熱水蒸気雰囲気に連続的に装入して曝し、廃集積回路基板を加熱により炭化して剥離し、廃集積回路基板から有価金属の分離回収を連続的に行うため、外筒および回転する内筒からなる過熱水蒸気処理装置の外筒および内筒間に導入の熱風により内筒を間接加熱し、この間接加熱された内筒に連続的に過熱水蒸気を導入するとともに、この内筒に廃集積回路基板の積層基板を連続的に装入することを特徴とする請求項1に記載の廃集積回路基板から有価金属を連続的に回収するための加熱水蒸気による処理方法。
  3. 過熱水蒸気の温度を300℃〜600℃として内筒に導入しながら、熱風の間接加熱による内筒の雰囲気温度を500℃〜600℃とし、この内筒に廃集積回路基板を装入して曝しながら炭化して剥離し、かつ、有価金属の分離回収を連続的に行うことを特徴とする請求項2に記載の廃集積回路基板から有価金属を連続的に回収するための処理方法。
  4. 内筒に装入の廃集積回路基板を過熱水蒸気に最適な条件下で曝すため、間接加熱による内筒に装入して滞留させる廃集積回路基板の投入量を内筒の処理容積の10%以下に制御して連続操業することを特徴とする請求項2または3に記載の廃集積回路基板から有価金属を連続的に回収するための処理方法。
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