JP2008193836A - 電機子コイル処理方法およびその方法により製造される整流子モータ - Google Patents

電機子コイル処理方法およびその方法により製造される整流子モータ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、大きな専用設備を必要とせず、安定して電気子コイルを固定することができる整流子モータの電気子コイル処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】整流子モータ1は、シャフト2と、シャフト2に圧入固定される電機子鉄心3と、シャフト2に圧入固定される整流子4と、複数のコイル片からなり、電機子鉄心3のスロットに巻装される電機子コイル5と、により構成される。整流子4は端部にフック部8が形成された複数の整流子片6により構成される。電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部に薄板状成形体7を配置する。そして、電機子コイル5上に配置された薄板状成形体7上に押え部材9を配置する。薄板状成形体7上に押え部材9を配置すると、整流子モータ1をバッチ炉において焼成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、整流子モータの電機子コイルを固定するための電機子コイル処理方法およびその方法により製造される整流子モータに関する。
図1は一般的な整流子モータの外観側面図である。この整流子モータ1は、図1に示すように、シャフト2と、シャフト2に圧入固定される電機子鉄心3と、シャフト2に圧入固定される整流子4と、複数のコイル片からなり、電機子鉄心3のスロットに巻装される電機子コイル5と、により構成される。ここで、整流子4は、端部にフック部8が形成された複数の整流子子片6からなる。そして、電機子コイル5がフック部8に係合することにより、電機子コイル5と整流子4とが電気的に接続されている。なお、より詳細には、コイル5とフック部8とは、コイル5がフック部8に溶接されることにより係合している。
このような構成の整流子モータの課題として、毎分数万回転(掃除機の場合は毎分3万〜4.5万回転)で利用される場合には、電機子コイル5に大きな遠心力が働き、電機子コイルの形状が崩れる恐れがある。このため、特許文献1に記載の発明のように、電機子コイルにワニスを塗布した後熱処理を行い、電機子コイルを固定する方法が提案されている。この特許文献1に記載の発明は、不飽和ポリエステル系のワニスに対して、低い温度で活性化する有機過酸化物を添加併用するとともに、電機子コイルの予備過熱温度を加熱硬化温度よりも低く設定してワニス処理を行うものである。このような構成から、特許文献1に記載の発明は、ワニスの硬化反応を緩慢にするとともにゲル化を促進することができ、ワニスの付着量の増加、厚肉塗膜化によるクラックの発生の抑制を図ることができる。
また、特許文献2に記載の発明のように、粉体状態の樹脂を電機子コイルに塗布した後熱処理を行い、電機子コイルを固定する方法も提案されている。この特許文献2に記載の発明は、鉄心のコイル挿入溝およびコイルの端部の少なくとも一部に、テトラフェノールエタンのテトラグリシジルエタール、ノボラックフェノール樹脂、無機質充填剤を含む樹脂塑性物の粉体を、回転子を100℃以上に加熱しつつ付着させた後150℃以上の温度下で樹脂組成物を硬化させるものである。このような構成から、特許文献2に記載の発明は、400℃〜450℃の高温下でも絶縁樹脂の発煙、クラックあるいはふくれ等を生じず、その絶縁性、機械的強度を低下させることもなく、もって高負荷、高回転にも耐え得る小型の回転子を提供することができる。
特開平6−14503号公報 特開平2−164246号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、電機子コイルにワニスを塗布した後熱処理を行う場合は、ワニスを内でゲル化させるために、整流子モータ1を予熱する必要があり、また塗布に際しても、ワニス塗布のバランスを保つために、電機子を回転させながらワニスを塗布する必要がある。また、ワニスにはスチレン,アクリル,ヒドロキシメチルメタクリレート(HEMA)等が含有されており、ワニス処理工程において、多量のVOC(揮発性有機化合物)が発生し、発生したVOCを排気するために排気設備も必要となる。このため、特許文献1に記載の発明では、ワニス塗布専用の大きな設備が必要となっていた。そして、塗布時にはワニスが液状であるため、塗布量管理が困難であり製品バラツキが多くなるという問題や、電機子鉄心3の外周にワニスが付着して、固定子鉄心
とのクリアランスが無くなりモータがロックするという問題も生じていた。更に、塗布したワニスが整流子子片の間に付着し、整流子子片間で絶線不良を引き起こすという問題が生じることもあった。
一方、特許文献2に記載の発明のように、粉体状態の樹脂を電機子コイルに塗布した後熱処理を行う場合には、粉体の塗布量管理が困難となっていた。また、塗布した粉体樹脂が近辺に飛散して周囲を汚染したり、整流子子片の間に付着して整流子子片間で絶線不良を引き起こすという問題も生じていた。
本発明は、以上のような課題を解決するものであり、大きな専用設備を必要とせず、安定して電気子コイルを固定することができる整流子モータの電気子コイル処理方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、シャフトと、前記シャフトに圧入固定される電機子鉄心と、前記シャフトに圧入固定される整流子と、複数のコイル片からなり、前記電機子鉄心のスロットに巻装される電機子コイルと、により構成される整流子モータの電機子コイル処理方法において、熱硬化性樹脂の粉体を前記電機子コイルにおける前記鉄心からの突出部に対応する形状を複数に分割した形状の薄板状成形体に圧縮成形する成形工程と、前記成形工程により得られた薄板状成形体を、前記電機子コイルにおける前記鉄心からの突出部上に配置する薄板状成形体配置工程と、前記薄板状成形体配置工程において前記電機子コイル上に配置された前記薄板状成形体を加熱して焼成する加熱処理工程と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の整流子モータの電機子コイル処理方法であって、前記薄板状成形体の焼成温度およびガラス転移温度は、前記整流子モータの使用時の最高温度よりも高い。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の整流子モータの電機子コイル処理方法であって、前記薄板状成形体の焼成温度は、前記熱硬化性樹脂の最低硬化温度よりも高く、電機子コイル、整流子の樹脂部品および前記電機子鉄心の樹脂部品の耐熱温度よりも低い。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請項3のいずれかに記載の整流子モータの電機子コイル処理方法であって、前記薄板状成形体の成形温度は、前記熱硬化性樹脂の粉体の保管温度よりも高い。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の整流子モータのコイル処理方法であって、前記薄板状成形体の成形温度は、前記熱硬化性樹脂の最低硬化温度よりも低い。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の整流子モータのコイル処理方法であって、前記薄板状成形体配置工程において、前記薄板状成形体を、前記整流子側の前記電機子コイルにおける前記鉄心からの突出部上に配置する。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の整流子モータのコイル処理方法であって、前記薄板状成形体配置工程の後、前記薄板状成形体を電機子コイルの形状に沿わせるために前記薄板状成形体上に押え部材を配置する押え部材配置工程を、さらに備える。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の整流子モータのコイル処理方法であって、前記押え部材の前記薄板状成形体との当接面がフッ素加工される。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の整流子モータの電機子コイル処理方法により製造される。
本発明によれば、熱硬化性樹脂の粉体を前記電機子コイルにおける前記鉄心からの突出部に対応する形状を複数に分割した形状の薄板状成形体に圧縮成形する成形工程と、前記成形工程により得られた薄板状成形体を、前記電機子コイルにおける前記鉄心からの突出部上に配置する薄板状成形体配置工程と、前記薄板状成形体配置工程において前記電機子コイル上に配置された前記薄板状成形体を加熱して焼成する加熱処理工程と、を備えることから、ワニスを塗布するための大型専用設備や発生するVOCを除去するための排気装置を必要とすることなく、大きな専用設備を必要とせず、安定して電気子コイルを固定することができる。
請求項2および請求項9に記載の発明によれば、薄板状成形体の焼成温度と熱硬化性樹脂のガラス転移温度は、整流子モータの高速回転時の温度よりも高いため、整流子モータの高回転時であっても、薄板状成形体の樹脂が使用時に後収縮するなど軟化することがなく、安定して電機子コイルを固定することができる。
請求項3および請求項9に記載の発明によれば、薄板状成形体の焼成温度は、熱硬化性樹脂の最低硬化温度よりも高く、電機子コイル、整流子の樹脂部品および前記電機子鉄心の樹脂部品の耐熱温度よりも低いことから、薄板状成形体を十分に熱硬化させることができるとともに、電機子コイル、整流子、および、電機子鉄心の部品を熱劣化させることもない。このため、整流子モータの品質を向上させることができる。
請求項4および請求項9に記載の発明によれば、薄板状成形体の成形温度は、熱硬化性樹脂の粉体の保管温度よりも高いことから、粉体が保管される際に、熱硬化性樹脂の固体化を防止することができる。
請求項5および請求項9に記載の発明によれば、薄板状成形体の成形温度は、熱硬化性樹脂の最低硬化温度よりも低いことから、成形段階での樹脂の熱硬化を防止することができる。
請求項6および請求項9に記載の発明によれば、薄板状成形体を、整流子側の電機子コイルにおける鉄心からの突出部上に配置することから、回転時に特に温度が上昇する部分のみを固定することができるため、材料コストを低減することができる。すなわち、高温により皮膜が剥がれやすくなっており、さらに回転による遠心力を受けるために、断線のおそれがある整流子側のみを固定して、断線を防止することができる。
請求項7および請求項9に記載の発明によれば、薄板状成形体配置工程の後、薄板状成形体を電機子コイルの形状に沿わせるために薄板状成形体上に押え部材を配置する押え部材配置工程を、さらに備えることから、薄板状成形体と電機子コイルとが密接した状態で、薄板状成形体を焼成することができる。そのため、安定して電機子コイルを固定することができる。
請求項8および請求項9に記載の発明によれば、押え部材の薄板状成形体との当接面がフッ素加工されることから、薄板状成形体の焼成後に薄板状成形体と押え部材とが接着されることを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る整流子モータ1の側面図である。
この整流子モータ1は、シャフト2と、シャフト2に圧入固定される電機子鉄心3と、シャフト2に圧入固定される整流子4と、複数のコイル片からなり、電機子鉄心3のスロットに巻装される電機子コイル5と、により構成される。整流子4は端部にフック部8が形成された複数の整流子片6により構成される。電機子コイル5がフック部8と溶接されることにより係合する。これにより、電機子コイル5と整流子4とが電気的に接続される。また、この整流子モータ1における電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部上には、薄板状成形体9が配置されている。そして、電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部は、薄板状成形体9の樹脂成分により安定して固定されている。
図2は、本発明の実施形態に係る整流子モータ1の電機子コイル5の固定手段としての薄板状成形体7を示す説明図である。なお、図2(a)は成形後の薄板状成形体7の平面図であり、図2(b)はその斜視図である。
薄板状成形体7を構成する熱硬化性樹脂は、ガラス転移温度が120℃のエポキシ樹脂である。ここで、ガラス転移温度とは、低温では結晶なみに堅く流動性がなかった固体が、急速に剛性と粘度が低下し流動性を増す温度のことをいう。この樹脂のガラス転移温度は120℃であり、整流子モータ1の使用時の温度が約100℃であることから、整流子モータ1の使用時に樹脂が軟化することを防止することができる。このため、樹脂の軟化と整流子モータ1の回転による遠心力とにより、樹脂が剥がれ落ち、電機子コイル5が移動したり磨耗劣化されたりすることを防止することができ、整流子モータの特性を維持することができる。また、この樹脂は、平均粒径を5μm乃至200μmとすることが好ましい。これは、このような粒径の場合には、薄板状成形体7の成形性が良くなり、さらに、電機子コイル5の隙間に入り込むことができるためである。
整流子モータ1の電機子コイル5上に配置される薄板状成形体7は、図2(a)(b)のように電機子コイルにおける前記鉄心からの突出部に対応する形状を3分割した形状に成形されている。この薄板状成形体7は、熱硬化性樹脂の粉体を金型で圧縮成形したものである。この厚さは1mm程度に成形されている。このように分割した形状に成形することにより、薄板状成形体7の電機子コイル5上への配置を容易にすることができる。
薄板状成形体7を成形するときには、その成形温度を、熱硬化性樹脂の粉体の保管温度よりも高く設定する。これにより、粉体が保管される際に、熱硬化性樹脂の固体化を防止することができる。ここで、保管温度を40℃とすると、成形温度を45℃以上とすることが好ましい。また、成形温度を、熱硬化性樹脂の最低硬化温度よりも低く設定する。これにより、成形段階での樹脂の熱硬化を防止することができる。
この薄板状成形体7を用いて電機子コイル5を固定することから、VOCの発生を抑えることができる。このため、この実施形態に係る電機子コイル処理方法によれば、VOCを除去するための排気装置を必要としない。また、ワニスを塗布する必要もない。従って、VOC排気装置やワニス塗布装置などの大型専用設備必要としないので、製造コストを低減することができる。
図3は、整流子モータ1を上方から示す上面図である。
図3に示すように、薄板状成形体7は、隣合う薄板状成形体7とほぼ隙間のない状態で電機子コイル5上に配置される。これにより、整流子モータ1における電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部上の全面を薄板状成形体7で被覆することができる。このため、電機子コイル5が安定して固定される。
図4は、整流子モータ1の電機子コイル5を固定する工程を整流子モータ1を側面視した説明図である。また、図5は薄板状成形体7上に押え部材9を配置する前の上面図であり、図6は薄板状成形体7上に押え部材9を配置したときの上面図である。なお、図4(a)は薄板状成形体7を配置する前の側面図、図4(b)は薄板状成形体7を配置したときの側面図、図4(c)は電機子コイル5上に配置された薄板状成形体7上に押え部材9を配置したときの側面図である。
この整流子モータ1における電機子コイル5を固定する場合には、まず、電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部にプレプレグシート7を配置する。そして、電機子コイル5上に配置された薄板状成形体7上に押え部材9を配置する。
ここで、押え部材9は、薄板状成形体7を電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部の外周面形状に沿った形状を有している。このため、押え部材9を薄板状成形体7上に配置することにより、薄板状成形体7を電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部の外周面形状に沿った形状に沿わせることができる。
この押え部材9は、図5および図6に示すように、水平方向に2分割されている。そして、この2分割された押え部材9が水平方向に離隔した状態(図5参照)から、水平方向に近接した状態(図6参照)に移動して、薄板状成形体7上に配置される。このように、押え部材9が2分割されていることから、押え部材9を水平移動させるのみで、薄板状成形体7上に配置させることができる。
また、押え部材9の薄板状成形体7との当接面がフッ素加工される。これにより、薄板状成形体7の焼成後に薄板状成形体7と押え部材9とが接着されることを防止することができる。
薄板状成形体7上に押え部材9を配置すると、整流子モータ1をバッチ炉において焼成する。このとき、バッチ炉内部は160℃に設定される。このように、バッチ炉内が160℃に設定され、整流子モータの高速回転時の温度よりも高いことから、整流子モータの高回転時であっても、樹脂が後収縮する等の物性変化がなく、安定して電機子コイルを固定することができる。また、バッチ炉内の温度が薄板状成形体7を構成する樹脂の最低硬化温度よりも高いことから、薄板状成形体7を十分に熱硬化させることができる。なお、この物性変化のおそれを防止するためには、焼成温度は使用時の最高温度よりも20℃程度高く設定されることが好ましい。そして、熱硬化性樹脂のガラス転移温度が整流子モータ1の使用時の最高温度(100℃程度)よりも高いことから、使用時に樹脂が軟化して保持強度が低下することはない。さらに、整流子の樹脂部品や電機子鉄心3の樹脂部品の耐熱温度が180℃の場合には、バッチ炉内の温度がこの耐熱温度よりも低いことから、整流子4や電機子鉄心3の部品を熱劣化することもない。
以上の実施形態のような整流子モータ1の電機子コイル処理方法を利用する場合には、ワニス塗布の場合に生じるような塗布バラツキの問題や電機子鉄心3への樹脂の付着によるアンバランス不良や整流子子片6間に樹脂が入り込むことによる絶線不良の問題を防止することができる。
なお、上述した実施形態において、薄板状成形体7を電機子コイル5の整流子4側の電
機子鉄心3からの突出部のみに配置しているが、さらに薄板状成形体7を電機子コイル5の整流子4と逆側の電機子鉄心3の突出部に配置してもよい。このように、薄板状成形体7を電機子コイル5の整流子4側およびその逆側の電機子鉄心3の突出部に配置することにより、電機子コイル5をさらに安定して配置することができる。
また、上述した実施形態において、薄板状成形体7を構成する樹脂として、ガラス転移温度が120℃のエポキシ樹脂を採用しているが、ガラス転移温度が120℃のエポキシ樹脂であることには限定されず、ガラス転移温度は本発明に係る整流子モータの使用時の温度よりも高ければ良く、また、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂であれば良い。このように、熱硬化性樹脂とすることにより、一時的なモータロックなどによる電機子コイル5の一時的な表面温度上昇(170℃程度)が生じても、溶融することがないため、電機子コイル5の表面から樹脂が剥がれ落ちることを防止することができる。
また、上述した実施形態において、薄板状成形体7は、電機子コイルにおける鉄心からの突出部に対応する形状を3分割した形状に成形されているが、2分割であっても良く、さらに、4分割以上であっても良い。
また、上述した実施形態において、押え部材9が2分割されているが、押え部材9を3分割以上に分割しても良い。
また、上述した実施形態において、押え部材9を用いているが、薄板状成形体7は電機子コイルにおける鉄心からの突出部に対応する形状を有するので、押え部材9を用いることを要しない。
また、上述した実施形態において、バッチ炉の温度を160℃として焼成しているが、バッチ炉の温度は160℃に限定されることはなく、薄板状成形体を構成する樹脂の最低硬化温度よりも高く、整流子モータ1の実際の使用時の最高温度よりも高く、さらに、電機子コイル、整流子の樹脂部品および電機子鉄心の樹脂部品の耐熱温度よりも低くなるようにバッチ炉の温度を設定すれば良い。これは、焼成温度が最低硬化温度よりも低い場合には、薄板状成形体を十分に硬化させることが困難となり、焼成温度が整流子モータ1の使用時の最高温度よりも低い場合には、使用時に樹脂が後収縮等の物性変化するおそれがあり、焼成温度が電機子コイル、整流子の樹脂部品または電機子鉄心の樹脂部品の耐熱温度より高い場合には、焼成時に電機子コイル、整流子の樹脂部品または電機子鉄心の樹脂部品が熱劣化するおそれがあるためである。また、焼成炉についても、バッチ炉に限定されることはなく、連続炉でも良い。
さらに、上述した実施形態においては、保管温度を40℃とすると、成形温度を45℃以上の例を挙げているが、これに限定されることはなく、成形温度を保管温度より高く設定すれば良い。これは、成形温度が保管温度よりも低い場合には、保管の際に既に樹脂が固体化するおそれがあるためである。
整流子モータの電機子コイルを固定するための電機子コイル処理方法およびその方法により製造される整流子モータに関する。
本発明の実施形態に係る整流子モータ1の側面図 本発明の実施形態に係る整流子モータ1の電機子コイル5の固定手段としての薄板状成形体7を示す説明図 整流子モータ1を上方から示す上面図 整流子モータ1の電機子コイル5を固定する工程を整流子モータ1を側面視した説明図 薄板状成形体7上に押え部材9を配置する前の上面図 薄板状成形体7上に押え部材9を配置したときの上面図
符号の説明
1 整流子モータ
2 シャフト
3 電機子鉄心
4 整流子
5 電機子コイル
6 整流子子片
7 薄板状成形体
8 フック部
9 押え部材

Claims (9)

  1. シャフトと、
    前記シャフトに圧入固定される電機子鉄心と、
    前記シャフトに圧入固定される整流子と、
    複数のコイル片からなり、前記電機子鉄心のスロットに巻装される電機子コイルと、
    により構成される整流子モータの電機子コイル処理方法において、
    熱硬化性樹脂の粉体を前記電機子コイルにおける前記鉄心からの突出部に対応する形状を複数に分割した形状の薄板状成形体に圧縮成形する成形工程と、
    前記成形工程により得られた薄板状成形体を、前記電機子コイルにおける前記鉄心からの突出部上に配置する薄板状成形体配置工程と、
    前記薄板状成形体配置工程において前記電機子コイル上に配置された前記薄板状成形体を加熱して焼成する加熱処理工程と、
    を備えることを特徴とする整流子モータの電機子コイル処理方法。
  2. 前記薄板状成形体の焼成温度およびガラス転移温度は、前記整流子モータの使用時の最高温度よりも高い請求項1に記載の整流子モータの電機子コイル処理方法。
  3. 前記薄板状成形体の焼成温度は、前記熱硬化性樹脂の最低硬化温度よりも高く、電機子コイル、整流子の樹脂部品および前記電機子鉄心の樹脂部品の耐熱温度よりも低い請求項1または請求項2に記載の整流子モータの電機子コイル処理方法。
  4. 前記薄板状成形体の成形温度は、前記熱硬化性樹脂の粉体の保管温度よりも高い請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の整流子モータの電機子コイル処理方法。
  5. 前記薄板状成形体の成形温度は、前記熱硬化性樹脂の最低硬化温度よりも低い請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の整流子モータの電機子コイル処理方法。
  6. 前記薄板状成形体配置工程において、前記薄板状成形体を、前記整流子側の前記電機子コイルにおける前記鉄心からの突出部上に配置する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の整流子モータの電機子コイル処理方法。
  7. 前記薄板状成形体配置工程の後、前記薄板状成形体を電機子コイルの形状に沿わせるために前記薄板状成形体上に押え部材を配置する押え部材配置工程を、さらに備える請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の整流子モータの電機子コイル処理方法。
  8. 前記押え部材の前記薄板状成形体との当接面がフッ素加工される請求項7に記載の整流子モータの電機子コイル処理方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の整流子モータの電機子コイル処理方法により製造される整流子モータ。

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