JP2008193821A - ステータ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、樹脂モールド材の充填に要する時間を短縮し、ステータの生産効率を向上させることができるステータ構造を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明によるステータ構造は、輪状鉄心1の軸方向22に沿う第1及び第2外端1a,1b側に設けられた第1及び第2充填領域40,41の間を連通するために、輪状鉄心1の外周1dに外周溝45を設け、樹脂モールド材3が前記第1及び第2充填領域40,41に充填される際に前記外周溝45を通過する構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】本発明によるステータ構造は、輪状鉄心1の軸方向22に沿う第1及び第2外端1a,1b側に設けられた第1及び第2充填領域40,41の間を連通するために、輪状鉄心1の外周1dに外周溝45を設け、樹脂モールド材3が前記第1及び第2充填領域40,41に充填される際に前記外周溝45を通過する構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、ステータ構造に関し、特に、第1及び第2充填領域間を連通するために輪状鉄心の外周に外周溝を設け、前記第1及び第2充填領域に充填される際に樹脂モールド材が前記外周溝を通過する構成とすることで、樹脂モールド材の充填に要する時間を短縮し、ステータの生産効率を向上させる新規な改良に関するものである。
従来用いられていたこの種のステータ構造としては、例えば図3に示される特許文献1の構造を挙げることができる。すなわち、図3において符号1で示されるものは輪状鉄心であり、この輪状鉄心1の各スロット(図示せず)にはステータコイル2が設けられ、この輪状鉄心1の外周には、金属又は樹脂等の熱伝導性の良好な材料からなる外筒20が配設されている。前記外筒20の他端20bには、輪状鉄心1の軸方向22に向けて曲折して延設された曲折部23が形成されており、この曲折部23はステータコイル2の端部2aに接合して接触されている。
前記輪状鉄心1の中心に、柱状又は中空状の治具21が挿入されることで、この治具21と外筒20との間に第1及び第2充填領域40,41が形成される。そして、熱伝導性の良好な樹脂材からなる樹脂モールド材3が前記第1充填領域40に注入されるとともに、周方向に隣り合う各ステータコイル2間の隙間を通って前記樹脂モールド材3が第2充填領域41にまで注入され、各第1及び第2充填領域40,41に前記樹脂モールド材3が充填される。
前記樹脂モールド材3が固化した状態で治具21が除去されて、完成した輪状ステータ10が筒状モータケース11内に挿入されると、外筒20の外周が筒状モータケース11の内面11aに係合されて嵌合され、モータ(図示せず)が完成される。
前述の状態で、ステータコイル2は、この樹脂モールド材3及び外筒20を介して筒状モータケース11に機械的につながり、ステータコイル2で発生した熱は、この樹脂モールド材3及び外筒20を介して筒状モータケース11に伝熱されて外部に放熱される。
上記のような従来のステータ構造では、以上のように構成されていたため次のような課題が存在していた。
すなわち、従来構造では、該第2充填領域41に注入される際に樹脂モールド材3が通過できるのは各ステータコイル2間の隙間だけであるので、この樹脂モールド材3の充填に要する時間が長くなり、ステータの生産効率が低くなっていた。
また、従来構造では、ステータコイル2の熱は直接又は樹脂モールド材3を経て外筒から放熱されるだけなので、放熱特性が十分でなく、前述の構造と同様に、従来定格以上のモータ出力を得ることが困難であった。
すなわち、従来構造では、該第2充填領域41に注入される際に樹脂モールド材3が通過できるのは各ステータコイル2間の隙間だけであるので、この樹脂モールド材3の充填に要する時間が長くなり、ステータの生産効率が低くなっていた。
また、従来構造では、ステータコイル2の熱は直接又は樹脂モールド材3を経て外筒から放熱されるだけなので、放熱特性が十分でなく、前述の構造と同様に、従来定格以上のモータ出力を得ることが困難であった。
本発明に係るステータ構造は、ステータコイルを有する輪状鉄心と、前記輪状鉄心の外周に配設された外筒と、前記輪状鉄心の前記軸方向に沿う第1及び第2外端側で前記ステータコイルを覆うように設けられた第1及び第2充填領域と、前記第1及び第2充填領域に充填された樹脂モールド材とを備え、前記輪状鉄心の外周には前記第1及び第2充填領域間を連通するために前記輪状鉄心の軸方向に沿う長手状の外周溝が設けられており、前記第1及び第2充填領域に充填される際に前記樹脂モールド材が前記外周溝を通過する構成である。
また、前記輪状鉄心の軸方向に沿って位置する前記ステータコイルの第1及び第2端部の外方に配設された第1及び第2放熱板をさらに備え、前記ステータコイルで発生した熱は、前記樹脂モールド材及び前記第1及び第2放熱板を経て前記外筒に伝熱される構成である。
また、前記第1放熱板は断面L字型をなして、ステータコイルの外側を覆いかつ前記外筒の内面に接合しており、前記第1放熱板には、前記第1放熱板を厚さ方向に貫通するとともに前記外周溝に連通する貫通溝が設けられている構成である。
また、前記輪状鉄心の軸方向に沿って位置する前記ステータコイルの第1及び第2端部の外方に配設された第1及び第2放熱板をさらに備え、前記ステータコイルで発生した熱は、前記樹脂モールド材及び前記第1及び第2放熱板を経て前記外筒に伝熱される構成である。
また、前記第1放熱板は断面L字型をなして、ステータコイルの外側を覆いかつ前記外筒の内面に接合しており、前記第1放熱板には、前記第1放熱板を厚さ方向に貫通するとともに前記外周溝に連通する貫通溝が設けられている構成である。
本発明によるステータ構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、前記第1及び第2充填領域に充填される際に前記樹脂モールド材が前記外周溝を通過するように構成されているので、樹脂モールド材の充填に要する時間を短縮でき、ステータの生産効率を向上できる。また、前記輪状鉄心の外周に前記溝が設けられているので、該溝によるモータの磁気特性への影響を小さく抑えることができる。
また、前記ステータコイルで発生した熱が、前記樹脂モールド材及び前記第1及び第2放熱板を経て前記外筒に伝熱されるように構成されているので、効率良く外部に放熱することができ、モータに大パワーを印加できるとともに、モータの効率を向上させることができる。
また、前記第1放熱板は、断面L字型をなしてステータコイルの外側を覆いかつ前記外筒の内面に接合しているので、ステータコイルの熱をより確実に前記外筒に伝熱することができる。また、第1放熱板に貫通溝が設けられているので、この第1放熱板による樹脂モールド材充填への妨げを小さく抑えることができ、より確実に樹脂モールド材の充填に要する時間を短縮できる。
すなわち、前記第1及び第2充填領域に充填される際に前記樹脂モールド材が前記外周溝を通過するように構成されているので、樹脂モールド材の充填に要する時間を短縮でき、ステータの生産効率を向上できる。また、前記輪状鉄心の外周に前記溝が設けられているので、該溝によるモータの磁気特性への影響を小さく抑えることができる。
また、前記ステータコイルで発生した熱が、前記樹脂モールド材及び前記第1及び第2放熱板を経て前記外筒に伝熱されるように構成されているので、効率良く外部に放熱することができ、モータに大パワーを印加できるとともに、モータの効率を向上させることができる。
また、前記第1放熱板は、断面L字型をなしてステータコイルの外側を覆いかつ前記外筒の内面に接合しているので、ステータコイルの熱をより確実に前記外筒に伝熱することができる。また、第1放熱板に貫通溝が設けられているので、この第1放熱板による樹脂モールド材充填への妨げを小さく抑えることができ、より確実に樹脂モールド材の充填に要する時間を短縮できる。
本発明は、第1及び第2充填領域間を連通するために前記輪状鉄心に外周溝を設け、前記樹脂モールド材が前記第1及び第2充填領域に充填される際に、前記樹脂モールド材が前記外周溝を通過する構成とすることで、樹脂モールド材の充填に要する時間を短縮するようにしたステータ構造を提供することを目的とする。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態によるステータ構造を示す断面図である。図2は、図1の輪状鉄心1のみを示す上面図である。尚、従来例と同一又は同等部分には、同一符号を付して説明する。図において、符号1で示されているものは全体形状が筒形を成す輪状鉄心であり、この輪状鉄心1の外周にはアルミニウム等で形成された筒形の外筒20が嵌合されている。
前記輪状鉄心1の各スロット1cには、輪状に形成されたステータコイル2が設けられ、このステータコイル2の第1及び第2端部2a,2bは前記輪状鉄心1の軸方向に沿う第1及び第2外端1a,1bよりも軸方向22に沿う外側へ各々突出して形成されている。
前記ステータコイル2の第1及び第2端部2a,2bの外方には、アルミニウム等からなる第1及び第2放熱板25A,25Bが配設されている。第1放熱板25Aは、断面L字型をなす輪状板よりなり前記外筒20の内面20cに接合し、第2放熱板25Bは、輪状板よりなると共に前記内面20cに接合し、かつ、その一面26aが外部に露出している。
前記第1放熱板25Aは、前述のように断面L字型に形成されているため、前記軸方向22に対して直交する方向に延設された舌片25aを有しており、この舌片25aには断面L字型をなす基板31がボルト32によって固定されている。この基板31には、電子回路33が設けられているとともに、この第1放熱板25Aと基板31とは全体として断面形状で凹状を形成し、前記ステータコイル2の第1端部2aの一部を覆うように構成されている。
次に、前述のように構成された輪状鉄心1の中空孔1A内には、円柱状又は円筒状をなす治具21が挿入して設けられており、この治具21が輪状鉄心1内に設けられることで、前記第1及び第2外端1a,1bの外方で、かつ治具21の外周面21aと前記外筒20の内面20cとが対向する位置に、第1及び第2充填領域40,41が形成される。
前記ステータコイル2は、これら第1及び第2充填領域40,41に覆われている。前記輪状鉄心1の外周1dには、前記第1及び第2充填領域40,41間を連通するために前記輪状鉄心1の軸方向に沿う長手状の複数の外周溝45が周方向に等間隔で設けられている。また、前記第1放熱板25Aには、前記第1放熱板25Aを厚さ方向に貫通するとともに前記外周溝45に連通する貫通溝46が設けられている。
前記第1及び第2充填領域40,41が設けられた状態で、前記第1充填領域40にエポキシ樹脂等からなる樹脂をポッティング等で充填することにより、第1充填領域40が樹脂モールド材3で埋められる。このとき、樹脂モールド材3は、周方向に隣り合う各ステータコイル2間の隙間を通過すると共に前記貫通溝46及び外周溝45を通過して第2充填領域41に流入し、該第2充填領域41も樹脂モールド材3で埋められる。
従って、前記ステータコイル2の各端部2a,2bは、樹脂モールド材3及び第1及び第2放熱板25A,25Bを経て前記外筒20に接続され、前記ステータコイル2の熱は、樹脂モールド材3及び第1及び第2放熱板25A,25Bを介して外筒20に伝熱され、効率良く放熱が行われるように構成されている。尚、前述のように前記外筒20を有する状態で、ユーザ側に製品として納品し、ユーザ側では、この外筒20を筒状モータケース11内に挿入した状態でモータとして用いる。
1 輪状鉄心、2 ステータコイル、3 樹脂モールド材、20 外筒、25A,25B 第1及び第2放熱板、40,41 第1及び第2充填領域、45 外周溝、46 貫通溝。
Claims (3)
- ステータコイル(2)を有する輪状鉄心(1)と、
前記輪状鉄心(1)の外周に配設された外筒(20)と、
前記輪状鉄心(1)の前記軸方向(22)に沿う第1及び第2外端(1a,1b)側で前記ステータコイル(2)を覆うように設けられた第1及び第2充填領域(40,41)と、
前記第1及び第2充填領域(40,41)に充填された樹脂モールド材(3)と
を備え、
前記輪状鉄心(1)の外周(1d)には前記第1及び第2充填領域(40,41)間を連通するために前記輪状鉄心(1)の前記軸方向(22)に沿う長手状の外周溝(45)が設けられており、前記第1及び第2充填領域(40,41)に充填される際に前記樹脂モールド材(3)が前記外周溝(45)を通過することを特徴とするステータ構造。 - 前記輪状鉄心(1)の前記軸方向(22)に沿って位置する前記ステータコイル(2)の第1及び第2端部(2a,2b)の外方に配設された第1及び第2放熱板(25A,25B)をさらに備え、
前記ステータコイル(2)で発生した熱は、前記樹脂モールド材(3)及び前記第1及び第2放熱板(25A,25B)を経て前記外筒(20)に伝熱される構成としたことを特徴とする請求項1記載のステータ構造。 - 前記第1放熱板(25A)は断面L字型をなして、ステータコイル(2)の外側を覆うと共に前記外筒(20)の内面(20c)に接合しており、
前記第1放熱板(25A)には、前記第1放熱板(25A)を厚さ方向に貫通するとともに前記外周溝(45)に連通する貫通溝(46)が設けられていることを特徴とする請求項2記載のステータ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2007
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