以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の印刷システムを示したブロック図である。なお、本実施形態の印刷システムは、情報提供システムに含まれる。
図1において、情報提供システム1は、URLサーバ(管理装置)2、プリンタ(印刷装置)3、レシート4、携帯電話5、および、サービスサーバ6を含む。
(1)第1の実施形態の概要
URLサーバ2は、周波数領域にて、特定情報を定義し、これを逆フーリエ変換(分散)する。特定情報は、有効期限を有する所定のコンテンツのURL(Uniform Resource Locators)に関連づけられた、文字情報、画像情報またはIDパターンである。以下、特定情報としてIDパターンが用いられるものとする。
URLサーバ2は、IDパターンを定義し、それを逆フーリエ変換することにより、画面全体にIDパターンが分散された模様である電子透かし情報(分散画像:以下「ID背景画像」と称する。)を生成する。又は背景の対象となる画像を分割して、隣接したブロック間の濃淡差を利用する方法、更に背景の対象となる画像に対して特定の波形模様のパターンを埋め込む方法を用いて、電子透かし情報を生成することも可能である。なお、ID背景画像は、有効期限を有するコンテンツを指定するための指定用画像情報の一例である。
また、URLサーバ2は、IDパターンと、IDパターンにて指定されたコンテンツを識別するためのID登録番号(識別情報)と、そのコンテンツのURLと、そのコンテンツの有効期限と、プリンタの種別を表すプリンタ種別と、現在の日時がそのコンテンツの有効期限内であることを表す画像情報(以下「有効期限画像情報」と称する。)と、を互いに対応づけて記憶する。
URLサーバ2は、ID登録番号と共に、そのID登録番号に対応するID背景画像を表すID背景画像情報をプリンタ3に送信する。
プリンタ3は、URLサーバ2から送信されたID登録番号およびID背景画像情報を受信し、そのID登録番号およびID背景画像情報を対応づけて記憶する。
プリンタ3は、ID背景画像情報を印刷する旨の印刷指示を受け付けた場合に、そのID背景画像情報に対応するID登録番号と、プリンタ3に予め設定されているプリンタ種別をURLサーバ2に送信する。
URLサーバ2は、プリンタ3からID登録番号およびプリンタ種別を受信した日時が、そのID登録番号に対応する有効期限内である場合にのみ、そのID登録番号およびプリンタ種別に対応する有効期限画像情報をプリンタ3に送信する。
プリンタ3は、有効期限画像情報を受信すると、その有効期限画像情報に応じた有効期限画像、すなわち、現在の日時が有効期限内であることを表す有効期限画像と、ID背景画像情報に応じたID背景画像を印刷する。例えば、プリンタ3は、有効期限画像とID背景画像とを重ねて印刷する。
このため、ユーザは、印刷された画像を見ることによって、現在の日時がコンテンツの有効期限内か否かを容易に確認することが可能になる。
ID背景画像の中で、有効期限画像が重ねて印刷された部分では、ID背景画像が損なわれてしまうが、ID背景画像の残りの部分の模様をフーリエ変換することによりIDパターンを復元することできる。
本実施形態では、ID背景画像と有効期限画像とが重ねられて印刷された印刷媒体(例えば、レシート4)が、携帯電話5のカメラで撮影され、その撮影画像データが携帯電話5からURLサーバ2に送信される。
URLサーバ2は、携帯電話5から撮影画像データを受信し、その撮影画像データをフーリエ変換してIDパターンを抽出する。
URLサーバ2は、予めIDパターンをURLと対応づけて記憶しており、その抽出されたIDパターンに対応づけられているURLを検索して、そのURLを携帯電話5に送信する。
携帯電話5は、URLサーバ2からURLを受信して、そのURLにて指定されるウェブサイト(サービスサーバ6)に接続し、そのウェブサイトが提供するサービス(コンテンツ)を利用する。
図2は、図1の説明で示した画像の周波数特性を利用した電子透かし情報を埋め込む実施形態の概要を説明するための図である。
まず、IDパターンの分散(逆フーリエ変換)と、分散されたIDパターンのデコード(フーリエ変換)について説明する。
最初に、IDパターン10が周波数領域にて定義される。IDパターン10は、内周円と外周円の周上に点が分散されたIDパターン成分16により構成されている。垂直方向の軸10aと水平方向の軸10bの原点10cが低周波数側で、原点10cから離れるほど高周波数側となっている。
IDパターン10が逆フーリエ変換されると、実空間でのID背景画像11が得られる。ID背景画像11は、画像全体に模様が拡散(分散)したものとなる。
なお、IDパターン10を規定する場合、上記のように逆フーリエ変換後のID背景画像11が画像全体に分散するようなものを選択することが望ましい。
IDパターン10を逆フーリエ変換することによりID背景画像11を得ることができるが、逆にID背景画像11をフーリエ変換するとIDパターン10を得ることができるという関係がある。
このように、適当なIDパターンを選択して逆フーリエ変換すると、IDパターンを復元するための情報がID背景画像11全体に拡散し、圧縮や切り取りなどの加工に対して耐性が生じる。
すなわち、IDパターンを規定する情報が画像全体に拡散するため、画像を拡大縮小したり、一部を切り取ったりしても、画像に残っている情報からIDパターンを復元することができる。
ID背景画像11は、キャッシュレジスタのレシート印刷機構などの小規模な印刷装置(プリンタ3)で印刷するために2値化されて、ID背景画像12が生成される。以下、ID背景画像12を2値化背景画像12と称する。
URLサーバ2がプリンタ3からID登録番号を受信した日時が、そのID登録番号に対応する有効期限内である場合にのみ、2値化背景画像12と、現在の日時が有効期限内であることを表す有効期限画像13とが、紙等の印刷媒体14に重ねられて印刷される。
携帯電話5のカメラが、2値化背景画像12と有効期限画像13とが重ねられた印刷結果を撮影して撮影画像データを生成し、その撮影画像データがフーリエ変換されると、IDパターン15が得られる。
IDパターン15では、IDパターン成分16Aが復元されるほか、有効期限画像13による周波数成分17が形成される。有効期限画像13による周波数成分17は、低周波数側に偏って分布する傾向があるため、周波数成分17とIDパターン成分16Aとは識別することができ、IDパターン成分16Aを抽出することができる。
IDパターン15から、復元されたIDパターン成分16Aを抽出し、IDパターン成分16Aと、IDパターン10のIDパターン成分16と、の一致度を確認することにより、印刷物に含まれているIDパターンを特定することができる。
(2)第1の実施形態の詳細
図1において、URLサーバ2は、記憶部21、符号化部22、復号化部23、時計部24、通信部25、および、制御部26を含む。プリンタ3は、通信部31、データ記憶部32、情報入力部33、処理部34、および、印刷部35を含む。印刷部35は、印刷情報生成部35aと印刷ヘッド35bを含む。なお、印刷システムは、URLサーバ2とプリンタ3を含む。
図1では、プリンタ3と携帯電話5を1台ずつ示しているが、これらは複数存在することもできる。
URLサーバ2とプリンタ3は、例えば、インターネットなどのネットワークとを介して接続可能に配設されている。また、URLサーバ2と携帯電話5は、例えば、インターネットなどのネットワークを介して接続可能に配設されている。
まず、URLサーバ2について説明する。
記憶部21は、有効期限記憶部の一例であり、例えば、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶媒体を用いて構成されている。記憶部21には、IDデータベースが記憶される。
図3Aは、記憶部21に記憶されるIDデータベースの論理構成の一例を示す説明図である。
図3Aにおいて、IDデータベース19では、ID登録番号19aごとに、IDパターン19bと、URL19cと、URL19cにて特定されるコンテンツの有効期限19dと、プリンタ種別19eと、現在の日時がURL19cにて特定されるコンテンツの有効期限内であることを表す有効期限画像情報19fとが対応づけられている。
このため、ID登録番号19aおよびプリンタ種別19eが特定されると、これに対応する有効期限19dおよび有効期限画像情報19fが得られ、また、IDパターン19bが特定されると、これに対応するURL19cが得られる。
ID登録番号19aは、IDパターン19bにて指定されたコンテンツを識別するための管理番号である。IDパターン19bは、IDパターンを定義した画像(図1のIDパターン10に対応)である。URL19cは、IDパターン19bにて指定されたコンテンツのURLである。プリンタ種別19eは、プリンタの種別(プリンタが高解像度か低解像度かを示す情報)を表す。
図3Bおよび図3Cは、有効期限画像情報19fの一例を示した説明図である。なお、高解像度を示すプリンタ種別19eと対応づけられた有効期限画像情報19fは、低解像度を示すプリンタ種別19eと対応づけられた有効期限画像情報19fより、解像度が高い。
符号化部22は、逆フーリエ変換を行う。復号化部23は、フーリエ変換を行う。時計部24は、現在の日時を表す日時情報を生成する。通信部25は、プリンタ3および携帯電話5と通信可能である。
制御部26は、URLサーバ2の動作を制御する。
制御部26は、記憶部21から、ID登録番号19aと、そのID登録番号19aに対応するIDパターン19bを読み取り、そのIDパターン19bを符号化部22で逆フーリエ変換して、ID背景画像11を生成する。制御部26は、ID背景画像11を2値化して2値化背景画像12を生成する。制御部26は、2値化背景画像12を表すID背景画像情報と、ID登録番号19aとを、通信部25を介してプリンタ3に送信する。
本実施形態では、URLサーバ2がID背景画像情報をプリンタ3に送信することにより、プリンタ3でのID背景画像の生成処理が不要となる。
なお、これは一例であって、例えば、プリンタ3に、符号化部22が設けられ、URLサーバ2がプリンタ3にID登録番号19aとIDパターン19bを送信し、プリンタ3の処理部34が、符号化部22を用いて、そのIDパターンを逆フーリエ変換してID背景画像11を生成し、処理部34がそのID背景画像11を2値化して、2値化背景画像12(ID背景画像情報)を生成してもよい。
また、制御部26は、通信部25を介してプリンタ3からID登録番号19aおよびプリンタ種別19eを受け付けると、そのID登録番号19aおよびプリンタ種別19eに応じた有効期限画像情報19fを記憶部21から読み出し、続いて、時計部24から日時情報を取得し、さらに、そのID登録番号19aに対応する有効期限19dを記憶部21から読み出す。
制御部26は、日時情報が表す日時が有効期限19d内である場合のみ、そのID登録番号19aおよびプリンタ種別19eに対応する有効期限画像情報19fを通信部25を介してプリンタ3に送信する。
なお、制御部26は、有効期限画像情報19fに、日時情報が表す日時と有効期限との差を表す差情報を付加し、その差情報が付加された有効期限画像情報19fをプリンタ3に送信してもよい。
また、制御部26は、インターネットなどのネットワークおよび通信部25を介して、携帯電話5から、レシート4を撮影した撮影画像データを受信する。
レシート4は、プリンタ3が印刷した印刷媒体であって、その外観は図4に示したように、2値化背景画像12を背景として、有効期限画像13が印刷されている。
また、制御部26は、復号化部23を用いて、携帯電話5からの撮影画像データをフーリエ変換してIDパターンを復元する。
制御部26は、復元したIDパターンを抽出し、そのIDパターンを記憶部21内のIDデータベース19に記憶してあるIDパターン19bと照合し、その照合により特定されたIDパターン19bに対応づけられているURL19cを、通信部25を介して携帯電話5に送信する。
なお、本実施形態では、撮影した画像のフーリエ変換とIDパターンの抽出をURLサーバ2が行うが、携帯電話5が、撮影した画像のフーリエ変換とIDパターンの抽出を行って、そのIDパターンをURLサーバ2に送信してもよい。
URLサーバ2がIDパターンの抽出を行う場合、携帯電話5にIDパターン抽出のための画像処理機能を備える必要がなく、携帯電話5の負荷を低減することができる。
一方、携帯電話5がIDパターンの抽出を行う場合、URLサーバ2は、携帯電話5での撮影ミスによる撮影画像データの送信を受けずに済み、また、URLサーバ2で画像処理を行う必要がないため、URLサーバ2の負荷を低減することができる。
次に、プリンタ3について説明する。
プリンタ3は、例えば、店舗の会計エリアに設置したキャッシュレジスタであり、会計機能とレシート印刷機能を備えている。
通信部31は、URLサーバ2と通信可能である。
データ記憶部32は、指定用画像情報記憶部の一例であり、例えば、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶媒体を用いて構成されており、プリンタ3に応じたプリンタ種別を記憶し、また、URLサーバ2から提供されたID登録番号19aと、URLサーバ2から提供されたID背景画像情報と、を対応づけて記憶する。
URLサーバ2から提供されたID登録番号19aとID背景画像情報は、処理部34によって、データ記憶部32に記憶される。なお、処理部34が、URLサーバ2に対してID登録番号19aを要求し、URLサーバ2が、そのID登録番号19aに応じたID背景画像情報をプリンタ3に送信してもよいし、あるいは、URLサーバ2が、プリンタ3に送信するID背景画像情報およびID登録番号19aを決定してもよい。
また、データ記憶部32は、ID登録番号19aとID背景画像情報の組を複数記憶することができ、また、他の情報も記憶する。
情報入力部33は、テンキーや機能キー、バーコード読み取り装置などによって構成されており、商品を特定する商品特定情報(商品コード)と数量の入力などの入力情報を受け付け、入力情報を処理部34に提供する。入力情報は、ID背景画像情報を印刷する旨の印刷指示として用いられる。なお、印刷指示は、入力情報に限らず適宜変更可能である。
店舗で販売される商品には、例えば、バーコードなどで商品コードが付与されており、データ記憶部32は、商品コードに対応させて、商品の価格、商品名、および、当該商品に関する付属情報を記憶している。そのため、会計担当者が情報入力部33から商品コードと数量を入力することにより、プリンタ3は会計計算を行うことができる。
処理部34は、情報入力部33から入力された商品コードと数量や、商品コードに対応づけて記憶している価格などから、レシートに印刷する項目(印刷内容)を生成する。印刷内容は、商品名、個数、商品の単価、および会計に係る商品の合計金額、会計日時、店舗の名称やロゴマークなどから構成されている。処理部34は、その印刷内容を、印刷情報生成部35aに提供する。
また、処理部34は、商品コードを受け付けると、データ記憶部32の中から、ID登録番号19aとID背景画像情報の組を1つ選択する。
例えば、処理部34は、データ記憶部32に記憶されている複数のID背景画像情報が平均的に選択されるようにID背景画像情報を選択したり、あるいは、予めID背景画像情報が商品コードと関連づけられていれば、商品コードに応じたID背景画像情報を選択したりする。
なお、処理部34によるID登録番号19aおよびID背景画像情報の選択方法は、上記に限らず適宜変更可能であり、各種の方法が考えられる。
例えば、データ記憶部32に、ID登録番号19aおよびID背景画像情報の組が1つだけ記憶され、常に同じID登録番号19aおよびID背景画像情報が処理部34にて選択されてもよい。
処理部34は、データ記憶部32から、ID登録番号19aとID背景画像情報を読み取った場合に、データ記憶部32からプリンタ種別を読み出し、そのID登録番号19aをプリンタ種別と共に、通信部31を介してURLサーバ2に送信する。
印刷部35は、URLサーバ2から通信部31を介して、有効期限画像情報19fを受信した場合に、その有効期限画像情報19fに応じた有効期限画像13と共に、処理部34から受け付けたID背景画像情報に応じた2値化背景画像12、および、処理部34から受け付けた印刷内容に応じた文字等を印刷する。
具体的には、印刷情報生成部35aは、2値化背景画像12の一部の領域に、有効期限画像13が配置されるような印刷情報を生成し、その印刷情報を、処理部34から受け付けた印刷内容と共に印刷ヘッドに提供して印刷を行う。
このため、2値化背景画像12のうち、有効期限画像13が印刷される部分の情報は、有効期限画像13に置き換えられる。
したがって、有効期限画像13が印刷される領域では2値化背景画像12の情報が失われてしまうが、背景として残っている部分からIDパターンをIDパターンの原画と照合可能な程度まで復元することが可能である。
実験により、2値化背景画像12が面積で50%程度まで失われてもIDパターンを復元可能であることがわかっている。そのため、印刷情報生成部35aは、有効期限画像13が印刷される部分の2値化背景画像12の面積が、2値化背景画像12の面積の50%以下となるようにする。
また、印刷情報生成部35aは、2値化背景画像12と有効期限画像13について独立に濃淡度を調節する機能を備えている。
これは、2値化背景画像12の印刷が濃いと、有効期限画像13が目視にて判別しにくくなるため、IDパターンが再現できる範囲内で2値化背景画像12を薄くするためである。
また、印刷情報生成部35aは、有効期限画像13やその他の印刷内容に関しても目視に適する濃淡度に調節することができる。
プリンタ3のユーザ(会計担当者)は、プリンタ3の表示装置に表示された濃淡度調節画面などを用いてプリンタ3を操作することにより、2値化背景画像12と、有効期限画像13、および、印刷内容の濃淡度を微調整することができる。
そして、ユーザにより設定された濃淡の情報は、印刷情報生成部35aにより印刷情報および印刷内容に対応づけられ、印字ヘッド35bは、その設定された濃淡でレシートを印刷する。
印刷ヘッド35bは、印刷情報生成部35aから提供された印刷情報および印刷内容に従って、印刷媒体に印刷を行う。
印刷媒体は、例えば、ロール状に巻かれて収納されたロール紙で構成されており、印刷ヘッド35bは、この印刷媒体上に単色のドットを発色させることにより印刷を行う。なお、印刷ヘッド35bはカッターを備えており、印刷が終了すると印刷媒体を適当な箇所で切断する。
印刷方式としては、インパクト方式、および、ノンインパクト方式のものを各種利用することができる。
インパクト方式のものとしては、例えば、印刷ヘッドのピンを印刷媒体に打ち付けることによりインク・リボンのインクを転写するものがある。この方式では、印刷情報に従って印刷媒体上にインクのドットを分布させることにより間引き画像と印刷内容を印刷する。
また、ノンインパクト方式のものとしては、例えば、熱転写方式がある。これは、印刷媒体に含まれる感熱紙インクをサーマルヘッドの通電により発生したジュール熱で発色させるものである。熱転写方式は、印刷装置が小型・軽量、メンテナンスフリーとなるため、キャッシュレジスタなどの簡易な印刷機能を備えた装置で多用されている。この他のノンインパクト方式のものとしては、インクジェットを用いたものやレーザを用いたものなどがある。
図5は、プリンタ3のハードウェア的な構成の一例を示したブロック図である。
プリンタ3では、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53、入力装置54、表示装置55、印刷装置56、通信制御装置57、記憶装置58、記憶媒体駆動装置59、入出力I/F(インターフェース)60などの各ハードウェアが、バスライン50で接続されている。
CPU51は、所定のプログラムに従って、各種の演算処理、および情報処理やプリンタ3を構成する各構成要素の制御を行ったりする。CPU51は、会計計算処理を行うほか、例えば、URLサーバ2からID背景画像情報およびID登録番号19aを受信して記憶装置58に蓄積したり、2値化背景画像12と、有効期限画像13と、印刷内容を合成してレシート上に印刷する処理などを行う。
ROM53は、プリンタ3を動作させるための基本的なプログラムやデータなどを記憶し、RAM52は、CPU51が動作するためのワーキングエリアを提供する。
入力装置54は、情報入力部33(図1参照)を構成するハードウェアであって、テンキーや機能キー、バーコード読み取り装置、その他の入力装置を備えている。
表示装置55は、文字情報や画像情報を表示し、例えば、会計処理による合計金額を顧客に表示する。表示装置55は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、その他のディスプレイ装置で構成されている。
通信制御装置57は、通信部31(図1参照)を構成するハードウェアであって、プリンタ3をインターネットに接続する。プリンタ3は、通信制御装置57を介して、URLサーバ2やその他のサーバ装置と通信を行うことができる。また、本部の売り上げ管理サーバが売り上げを管理している場合、プリンタ3は、通信制御装置57を介して売り上げ管理サーバに接続し、売り上げなどの販売データを送信することができる。
印刷装置56は、印刷ヘッド35b(図1参照)を構成するハードウェアである。
記憶媒体駆動装置59は、装着された着脱可能な記憶媒体を駆動し、データの読み書きを行う機能部である。読み書き可能な記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、半導体記憶装置、磁気テープ、紙テープがある。また、読み取り専用の記憶媒体としては、例えば、CD−ROMなどの光ディスク類がある。
プリンタ3は、記憶媒体駆動装置59に装着された記憶媒体からプログラムのインストールなどを行うことができるほか、記憶媒体に記憶されたID背景画像情報およびID登録番号19aを読み込んでデータ記憶部32に蓄積したり、記憶媒体に、蓄積した会計処理データを書き込むこともできる。
記憶装置58は、例えば、ハードディスクなどで構成された大容量で読み書き可能な記憶装置である。記憶装置58には、プログラム類を格納したプログラム格納部61とデータ類を記憶したデータ格納部62が形成されている。
プログラム格納部61には、OS(Operating System)、通信プログラム、会計処理プログラムなどの各種プログラムがCPU51で実行可能に記憶されている。
OSは、ファイル入出力の管理や各種機能部を制御するなど、プリンタ3を運営する基本的な機能をCPU51に発揮させるためのプログラムである。
通信プログラムは、通信制御装置57を制御し、インターネットを介した通信を行うための機能をCPU51に発揮させるためのプログラムである。
会計処理プログラムは、プリンタ3にレシートの発行を含む会計処理を行わせるためのプログラムであり、2値化背景画像12の選択処理、会計処理、印刷内容の生成、印刷情報の生成、印刷処理などの各機能をCPU51に発揮させる。
データ格納部62には、URLサーバ2からダウンロードしたID背景画像情報およびID登録番号19eや会計処理データなどが格納されている。
次に、レシート印刷動作を説明する。
図6は、プリンタ3がレシートを印刷する手順を説明するためのフローチャートである。
なお、データ記憶部32には、プリンタ種別、ID背景画像情報およびID登録番号19aが記憶されているものとする。
まず、情報入力部33が、入力情報を受け付ける(ステップS1)。この入力情報は、商品コード、個数などからなる。情報入力部33は、入力情報を処理部34に提供する。
続いて、処理部34は、その入力情報に基づいて、商品名、個数、金額、合計金額、購入日時、店名など、レシートに印刷する内容を規定する印刷内容を生成し、その印刷内容を印刷情報生成部35aに提供する(ステップS2)。
続いて、処理部34は、データ記憶部32から、プリンタ種別と、印刷すべきID背景画像情報と、そのID背景画像情報に対応するID登録番号19aを読み出す(ステップS3)。
続いて、処理部34は、そのID登録番号19aおよびプリンタ種別を、通信部31を介してURLサーバ2に送信し(ステップS4)、ID背景画像情報を印刷情報生成部35aに提供する。
URLサーバ2の制御部26は、通信部25を介してプリンタ3からID登録番号19aおよびプリンタ種別を受け付けると(ステップS5)、そのID登録番号19aおよびプリンタ種別に対応する有効期限画像情報19fを、記憶部21から読み取る(ステップS6)。
続いて、制御部26は、時計部24から日時情報を取得し、さらに、そのID登録番号19aに対応する有効期限19dを記憶部21から読み出す(ステップS7)。
続いて、制御部26は、日時情報が表す日時が有効期限19d内である場合のみ(ステップS8)、その有効期限画像情報19fを通信部25を介してプリンタ3に送信する(ステップS9)。
なお、制御部26は、有効期限画像情報19fに、日時情報が表す日時と有効期限との差を示す差情報を付加し、その差情報が付加された有効期限画像情報19fをプリンタ3に送信してもよい。例えば、制御部26は、図3Bに示すように、有効期限画像情報19f内に、日時情報が表す日時と有効期限との差を表す差情報19f1を埋め込み、その有効期限画像情報19fをプリンタ3に送信してもよい。
プリンタ3の印刷情報生成部35aは、URLサーバ2から通信部31を介して、有効期限画像情報19fを受信した場合に(ステップS10)、ID背景画像情報にて表される2値化背景画像12の一部の領域に、有効期限画像情報19fに応じた有効期限画像が配置されるような印刷情報を生成する。
印刷情報生成部35aは、その印刷情報と、処理部34から受け付けた印刷内容とを、印刷ヘッド35bに提供する。印刷ヘッド35bは、その印刷情報と印刷内容に従って、印刷媒体に印刷を行ってレシートを発行する(ステップS11)。
なお、印刷情報生成部35aは、ID背景画像情報を受け付けてから所定時間(例えば、10秒)経過しても有効期限画像情報19fを受け付けない場合、ID背景画像情報の有効期限が切れていると判断して、処理部34から受け付けた印刷内容のみを印刷ヘッド35bに提供して、印刷内容に従った印刷のみを印刷媒体に行ってレシートを発行する。
以上のように、プリンタ3は、会計処理に伴って、レシートに、有効期限が残っているコンテンツに対応する2値化背景画像12を背景とした有効期限画像13を印刷することができる。
その結果、図2または図4に示したようなIDパターンが埋め込まれたレシート4が生成される。
次に、携帯電話5について説明する。
携帯電話5は、カメラ機能とインターネット接続機能を備えた携帯電話である。図7は、携帯電話5の一例を示したブロック図である。
図7において、携帯電話5は、カメラ71、表示部72、操作キー73、入力キー74、通信部75、情報処理部76、および、記憶媒体77を含む。
情報処理部76は、CPU、ROM、RAMなどを含み、記憶媒体77は、例えば、EEPROM(Electrical Erasable and Programmable ROM)で構成され、各種プログラムやデータを記憶する読み書き可能な記憶媒体である。
携帯電話5のCPU(以下、単に「CPU」と称する。)は、ROMやその他の記憶媒体に記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を行う。RAMは、例えば、CPUがレシート4の撮影画像データを取得したり、取得した撮影画像データをURLサーバ2に送信したり、さらにURLサーバ2からURLを受信してサービスサーバ6に接続したりする際のワーキングメモリとして機能する。
記憶媒体77には、レシート4を撮影してサービスサーバ6に接続するためのアプリケーションプログラムが記憶されている。
CPUは、このアプリケーションプログラムを実行することにより、URLサーバ2に接続してレシート4の撮影画像データを送信する機能、送信した撮影画像データに応じてURLサーバ2が送信してくるURLを受信する機能、受信したURLを用いて当該URLで指定されるウェブサイトに接続する機能、を実現することができる。
また、記憶媒体77にはブラウザプログラムも記憶されており、CPUはこのブラウザプログラムを用いてブラウザ機能を発揮することもできる。
カメラ71は、撮影部の一例であり、レンズなどからなる光学系と、光学系により投影された被写体の画像をデジタルデータに変換するCCD(Charge Coupled Device)を備えている。
顧客が、カメラ71でレシート4を撮影すると、レシートの撮影画像データがCPUにより生成される。
表示部72は、例えば液晶ディスプレイなどにより構成されており、電話番号など、通話に関する情報を表示するほか、インターネットを介してウェブサイトから送信されてきた各種の画面をブラウザによって表示する。
操作キー73は、例えば、表示部72に表示されたアイコンを選択したり、あるいはリンクを選択したりなど、表示部72に表示された画面で顧客が各種の画面操作を行うためのキーである。
入力キー74は、数字、文字、記号などを携帯電話5に入力するためのキーである。
以上のように構成された携帯電話5によって、レシートを撮影し、レシートの2値化背景画像12で指定されるウェブサイトに自動接続することができる。
なお、本実施形態では、撮影画像データのフーリエ変換、および、IDパターンの抽出はURLサーバ2で行うが、この処理を携帯電話5で行い、抽出したIDパターンを携帯電話5からURLサーバ2に送信するように構成してもよい。
この場合、記憶媒体77に記憶するアプリケーションプログラムには、撮影画像データをフーリエ変換するための処理と、フーリエ変換後のデータからIDパターンを抽出するための処理をCPUで行うための情報が記述されている。
また、本実施形態では、携帯電話5でレシートの撮影などの処理を行うように構成したが、他の種類の端末にて同様の機能を実現してもよい。例えば、カメラと当該アプリケーションを実装したPDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、パーソナルコンピュータなどで構成することもできる。
次に、サービスサーバ6(図1参照)について説明する。サービスサーバ6は、ウェブサーバであり、URLによって指定されるウェブサイトを運営している。ウェブサイトの運営者は、当該ウェブサイト上で、文字、静止画、動画、音声、リンク情報などのコンテンツを端末装置に提供することができる。サービスサーバ6のハードウェア的な構成は、基本的にURLサーバ2と同様である。
図8は、携帯電話5の表示部72に表示される画面の一例を説明するための説明である。
図8(a)は、携帯電話5でアプリケーションを起動した際に、携帯電話5の表示部72に表示される画面の一例を示している。
図8(a)の例では、表示部に「レシートを撮影してください」などと、顧客にレシートの撮影を促す表示がなされている。顧客は、この指示にしたがって、会計の際に受け取ったレシートを携帯電話のカメラで撮影する。
図8(b)は、携帯電話5をサービスサーバ6で運営されるウェブサイトに接続した際に携帯電話5の表示部に表示される画面の一例を示している。
顧客が携帯電話5でレシートを撮影すると、携帯電話5は、URLサーバ2に撮影画像データを送信し、これによってURLサーバ2から送られてきたURLを用いてサービスサーバ6に接続し、さらにサービスサーバ6から送信されてきたトップ画面をプラウザが解釈して表示するという一連の処理を行う。
このトップ画面では、ポイントいくつで何がもらえるかの情報が表示されている。
図9は、携帯電話5がサービスサーバ6に接続する手順を説明するためのフローチャートである。
ます、顧客は、店舗にて会計の際にレシートを発行してもらう。そして、携帯電話5のアプリケーションを起動して、携帯電話5にてこのレシートを撮影する。これにより、携帯電話5は、レシートの撮影画像データを取得する(ステップS30)。
次に、携帯電話5はURLサーバ2に接続し、取得した撮影画像データをURLサーバ2に送信する(ステップS35)。
URLサーバ2は、携帯電話5から撮影画像データを受信する(ステップS40)。
次に、URLサーバ2は、撮影画像データをフーリエ変換し、フーリエ変換後のデータからIDパターンを抽出する(ステップS45)。
さらに、URLサーバ2は、抽出したIDパターンと予めIDデータベースに登録されているIDパターンを照合して、撮影画像データに含まれているIDパターンを特定する(ステップS50)。
URLサーバ2は、IDパターンを特定すると、IDデータベースにおいて当該IDパターンに対応づけられているURLを取得し、そのURLを携帯電話5へ送信する(ステップS55)。
携帯電話5は、URLサーバ2よりURLを受信し(ステップS60)、そのURLを用いてサービスサーバ6に接続する(ステップS65)。
サービスサーバ6は、携帯電話5からの接続を受け付け、トップページ画面データを携帯電話5に送信し、引き続き携帯電話5にサービスを提供する(ステップS70)。
以上説明した本実施形態により、次のような効果を得ることができる。
有効期限が切れていないコンテンツへの誘導を行うID背景画像12が印刷される場合のみ、現在の日時がコンテンツの有効期限内であることを表す有効期限画像13が、ID背景画像12と共に印刷される。
このため、ユーザは、印刷された画像を見ることによって、現在の日時が有効期限内か否かを容易に確認することが可能になる。
また、有効期限画像13が、日時と有効期限との差に応じて変更されると、例えば、残っている有効期間を印刷することが可能となり、ユーザは、印刷された画像を見ることによって、残っている有効期間を容易に確認することが可能になる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、プリンタ3がID背景画像情報を記憶し、URLサーバ2が有効期限画像情報を記憶していたが、第2の実施形態では、URLサーバ2が、ID背景画像情報と有効期限画像情報を記憶する。
図10は、本発明の第2の実施形態の印刷システムを示したブロック図である。なお、本実施形態の印刷システムは、情報提供システムに含まれる。なお、図10において、図1に示したものと同一のものには同一符号を付してある。以下では、第1の実施形態と異なる点を中心に、第2の実施形態を説明する。
図10において、URLサーバ2内の記憶部21aは、例えば、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶媒体を用いて構成されている。記憶部21aには、IDデータベースが記憶される。このIDデータベースでは、ID登録番号ごとに、IDパターンと、URLと、有効期限と、プリンタ種別と、有効期限画像情報と、ID背景画像情報が対応づけられている。なお、本実施形態では、記憶部21aには、有効期限画像情報とID背景画像情報が合成された合成情報が記憶されている。
図11Aは、記憶部21aに記憶されるIDデータベースの論理構成の一例を示す図である。
図11Aにおいて、このIDデータベースでは、ID登録番号19aごとに、IDパターン19bと、URL19cと、URL19cにて特定されるコンテンツの有効期限19dと、プリンタ種別19eと、合成情報19gとが対応づけられている。
図11Bおよび図11Cは、合成情報19gの一例を示した説明図である。なお、高解像度を示すプリンタ種別19eと対応づけられた合成情報19gは、低解像度を示すプリンタ種別19eと対応づけられた合成情報19gより、解像度が高い。
制御部26aは、URLサーバ2の動作を制御する。
制御部26aは、記憶部21aから、ID登録番号19aを読み取り、そのID登録番号19aを通信部25を介してプリンタ3に送信する。
また、制御部26aは、通信部25を介してプリンタ3からID登録番号19aおよびプリンタ種別19eを受け付けると、そのID登録番号19aおよびプリンタ種別19eに応じた合成情報19gを記憶部21aから読み出し、続いて、時計部24から日時情報を取得し、さらに、そのID登録番号19aに対応する有効期限19dを記憶部21aから読み出す。
制御部26aは、日時情報が表す日時が、有効期限19d内である場合のみ、そのID登録番号19aおよびプリンタ種別19eに対応する合成情報19gを、通信部25を介してプリンタ3に送信する。
なお、制御部26aは、合成情報19g内の有効期限画像情報19fに、日時情報が表す日時と有効期限との差を表す差情報を付加し、その差情報が付加された有効期限画像情報19fを含む合成情報19fをプリンタ3に送信してもよい。
また、制御部26aは、インターネットなどのネットワークおよび通信部25を介して携帯電話5からレシート4を撮影した撮影画像データを受信する。
また、制御部26aは、復号化部23を用いて、携帯電話5からの撮影画像データをフーリエ変換してIDパターンを復元する。
制御部26aは、復元したIDパターンを抽出し、これを記憶部21a内のIDパターン19bと照合し、その照合により特定されたIDパターン19bに対応づけられているURL19cを、通信部25を介して携帯電話5に送信する。
なお、本実施形態では、撮影した画像のフーリエ変換とIDパターンの抽出をURLサーバ2が行うが、携帯電話5が、撮影した画像のフーリエ変換とIDパターンの抽出を行って、そのIDパターンをURLサーバ2に送信してもよい。
プリンタ3内のデータ記憶部32aは、例えば、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶媒体を用いて構成されており、プリンタ3に応じたプリンタ種別を記憶し、また、URLサーバ2から提供されたID登録番号19aを記憶する。なお、URLサーバ2から提供されたID登録番号19aは、処理部34aによって、データ記憶部32aに記憶される。
また、データ記憶部32aは、他の情報も記憶する。例えば、データ記憶部32aは、合成情報19gに応じた画像の印刷を実行するか否かを判定するための判定情報を記憶する。この判定情報は、例えば、URLサーバ2によって設定される。
処理部34aは、情報入力部33から入力された商品コードと数量や、商品コードに対応づけて記憶している価格などから、レシートに印刷する項目(印刷内容)を生成する。印刷内容は、第1の実施形態と同様である。処理部34aは、その印刷内容を、印刷情報生成部35a1に提供する。
また、処理部34aは、商品コードを受け付けると、データ記憶部32aの中から、ID登録番号19aを1つ選択する。
例えば、処理部34aは、データ記憶部32aに記憶されている複数のID登録番号19aが平均的に選択されるように、ID登録番号19aを選択したり、あるいは、予めID登録番号19aが商品コードと関連づけられていれば、商品コードに応じたID登録番号19aを選択したりする。
なお、処理部34aによるID登録番号19aの選択方法は、上記に限らず適宜変更可能であり、各種の方法が考えられる。
例えば、データ記憶部32aに、ID登録番号19aが1つだけ記憶され、常に同じID登録番号19aが処理部34aにて選択されてもよい。
処理部34aは、データ記憶部32aから、ID登録番号19aを読み取った場合に、データ記憶部32aからプリンタ種別を読み出し、そのID登録番号19aをプリンタ種別と共に、通信部31を介してURLサーバ2に送信する。
印刷部35Aは、URLサーバ2から通信部31を介して、合成情報19gを受信した場合に、その合成情報19gに応じて、有効期限画像13および2値化背景画像12を印刷する。
次に、レシート印刷動作を説明する。
図12は、プリンタ3がレシートを印刷する手順を説明するためのフローチャートである。なお、図12において、図6に示した処理と同一の処理には同一符号を付してある。
以下、図6に示した処理と異なる点を中心に動作を説明する。
処理部34aは、情報入力部33から入力情報を受け付けると、その入力情報に基づいて印刷内容を生成し、その印刷内容を印刷情報生成部35a1に提供する(ステップS2)。
続いて、処理部34aは、データ記憶部32a内の判定情報が、合成情報19gに応じた画像の印刷を実行することを示しているか否かを確認する(ステップS101)。
判定情報が合成情報19gに応じた画像の印刷を実行することを示していると、処理部34aは、ステップS102を実行する。一方、判定情報が合成情報19gに応じた画像の印刷を実行することを示していないと、処理部34aは、ステップS106を実行する。
ステップS102では、処理部34aは、データ記憶部32aから、プリンタ種別と、印刷すべき合成情報19gに対応するID登録番号19aを読み出し、その後、ステップS4を実行する。
URLサーバ2内の制御部26aは、通信部25を介してプリンタ3からID登録番号19aおよびプリンタ種別を受け付けると(ステップS5)、そのID登録番号19aおよびプリンタ種別に対応する合成情報19gを、記憶部21aから読み取り(ステップS103)、その後、ステップS7およびS8を実行する。
制御部26aは、日時情報が表す日時が有効期限19d内である場合のみ、その合成情報19gを通信部25を介してプリンタ3に送信する(ステップS104)。
なお、制御部26aは、図11Cに示すように、合成情報19g内の有効期限画像情報19f内に、日時情報が表す日時と有効期限との差を表す差情報19g1を埋め込み、その合成情報19gをプリンタ3に送信してもよい。
プリンタ3の印刷情報生成部35a1は、URLサーバ2から通信部31を介して、合成情報19gを受信した場合に(ステップS105)、合成情報19gを印刷情報として印刷ヘッド35bに提供し、また、処理部34aから受け付けた印刷内容を印刷ヘッド35bに提供する。印刷ヘッド35bは、その印刷情報と印刷内容とに従って、印刷媒体に印刷を行ってレシートを発行する(ステップS106)。
なお、印刷情報生成部35a1は、ID登録番号を送信してから所定時間(例えば、10秒)経過しても合成情報19gを受け付けない場合、ID登録番号の有効期限が切れていると判断して、処理部34aから受け付けた印刷内容のみを印刷ヘッド35bに提供して印刷内容に従った印刷のみを印刷媒体に行ってレシートを発行する。
以上のように、プリンタ3は、会計処理に伴って、レシートに、有効期限が残っているコンテンツに対応する2値化背景画像12を背景とした有効期限画像13を印刷することができる。
以上説明した本実施形態により、次のような効果を得ることができる。
有効期限が切れていないコンテンツへの誘導を行うID背景画像が印刷される場合のみ、現在の日時がコンテンツの有効期限内であることを表す有効期限画像13が、ID背景画像12と共に印刷される。
このため、ユーザは、印刷された画像を見ることによって、現在の日時が有効期限内か否かを容易に確認することが可能になる。
また、合成情報19g内の有効期限画像13が、日時と有効期限との差に応じて変更されると、例えば、残っている有効期間を印刷することが可能となり、ユーザは、印刷された画像を見ることによって、残っている有効期間を容易に確認することが可能になる。
また、URLサーバ2が有効期限画像情報と指定用画像情報をまとめて管理するため、情報の管理を簡略化することが可能になる。
なお、以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
例えば、周波数領域を用いたIDパターンの埋め込みとして、フーリエ変換を採用したが、これは一例であって、この他の変換としては、例えばDCT(離散コサイン変換:Discrete Cosine Transform)やウェーブレット変換などがある。
また、一例として店舗などで会計の際に発行するレシートにID背景画像を印刷したが、ID背景画像の用途はこれに限らず、例えば、雑誌、新聞、ポスターなどの各種印刷物に適用することができる。
さらに、IDパターンとURLを対応づけたが、これは一例であって、IDパターンに対応づける情報は、画像、音声、文字など、各種のコンテンツでもよい。
例えば、ID背景画像上にクイズを印刷し、IDパターンにクイズの答え(コンテンツ)を対応づけ、ID背景画像を撮影するとクイズの答えを閲覧できるようにすることもできる。
また、印刷部35および印刷部35Aは、ID背景画像を、他の画像と異なる色でプリントしてもよい。この場合、電子透かし情報(ID背景画像)の影響で、他の画像が見にくくなることを防止可能になる。
また、有効期限を有するコンテンツを指定するための指定用画像情報としてID背景画像を用いたが、指定用画像情報は、ID背景画像に限らず適宜変更可能であり、例えば、コンテンツのURL(コンテンツに対応付けられた情報)から生成されたQRコード等のコード情報、または、コンテンツのURLと関連づけられた画像情報を用いてもよい。
また、管理装置としてURLサーバを用いたが、管理装置は、URLサーバに限らず適宜変更可能である。