JP2008193300A - リボンマイクロホンユニット、及びリボンマイクロホン - Google Patents

リボンマイクロホンユニット、及びリボンマイクロホン Download PDF

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Abstract

【課題】リボン形振動板の長さ方向両端部における付帯音の発生を防止して、音質低下を抑制するようにしたリボンマイクロホンユニット、及びリボンマイクロホンを提供する。
【解決手段】リボンマイクロホンユニット1は、支持体2、支持体に取り付けられ、磁界を形成する一対の磁石4,4、及び磁石の磁界内に配置されたリボン形振動板3、を少なくとも備える。リボン形振動板は、音波を受けて磁界内で振動する主要振動部と、主要振動部の長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部とから構成されている。そして、磁石は、その磁界内に配置されたリボン形振動板の長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部における磁束密度の高まりを防ぐ磁束集中防止構造部10,10を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、リボン状に形成された振動板(以下、「リボン形振動板」という)を用いたリボンマイクロホンユニット、及びこのリボンマイクロホンユニットを備えるリボンマイクロホンに係り、詳しくは、リボン形振動板での電気音響変換の忠実度を高め、音質低下を抑制する技術に関する。
振動板の振動による起電力を利用して集音する磁電型マイクロホンの一種として、リボン形振動板を用いたリボンマイクロホンがある。このリボンマイクロホンは、感度が低いため長い間敬遠されていたが、音質が柔らかく、不快感がないことから、音声や和楽器、弦楽器などの集音に好んで使われはじめ、近年、レコーディング等の現場で注目を集めてきている。
このリボンマイクロホンは、振動板と導体を兼ねるリボン形振動板を平行磁界中に配置してなるものである。リボン形振動板が音波を受けて磁界内で振動すると、リボン形振動板が磁束を横切ることによって発電し、その振動速度に比例した電気信号が、リボン形振動板の長さ方向両端からそれぞれ出力される。この電気信号は、リボン形振動板の振動数及び振幅に対応した信号となるので、リボン形振動板に当たる音波は、これに対応した電気信号に変換されることになる。これがリボンマイクロホンの原理である。なお、リボンマイクロホンは、現在、日本国内ではほとんど製造されていない。
また、このようなリボンマイクロホンは、たとえば図8又は図9に示すようなリボンマイクロホンユニットを備えている。図8及び図9は何れも、従来のリボンマイクロホンユニットの一例を示す正面図である。
図8及び図9において、リボンマイクロホンユニット101(101A,101B)は、長方形の枠型に形成された支持体102と、前記支持体102内側面の長辺方向両側に取り付けられた、磁界を形成する一対の磁石104,104と、これら磁石104の磁界内に配置されたリボン形振動板103(103A,103B)と、を備えることを主たる構成としている。この磁石104は、所謂永久磁石であり、所定の間隔をあけてそれぞれ固定されている。また、前記磁石104はそれぞれ、幅方向(図8又は図9において左右方向)に着磁されるとともに、その着磁の向きは同じ向きになっている。したがって、一対の磁石104,104間には、平行磁界が形成されている。
また、リボン形振動板103は、その長さ方向両端部が支持体102の長さ方向両端部に設けられた電極引き出し部105,106に固定されている。電極引き出し部105,106は支持体102から絶縁されていて、リボン形振動板103の両端部を挟み込むことによってリボン形振動板103に導通する。また、電極引き出し部105,106は、リボン形振動板103に適度の張力を与えた状態でリボン形振動板103を保持している。そのため、このようなリボンマイクロホンユニットを備えるリボンマイクロホンは、振動系が軽くて動き易く、人の息などのノイズや外部からの機械的な振動に弱いという反面、低音域から高音域まで広範囲にわたって音を拾うことができること、すなわち広い周波数帯域を持つという利点を有する。
リボンマイクロホンは質量制御方式であることから、振動板の共振周波数は、集音する音波の低域周波数以下、換言すれば、集音可能な周波数帯域の最低周波数よりも低い周波数にする必要がある。このためリボン形振動板の張力は、極めて低く設定される。また、リボンマイクロホンは質量制御であることから、低域再生限界は、振動板の共振周波数が低いほど、低い周波数にすることが出来る。しかし、この共振周波数が低すぎると、風や振動が加わることによって磁極に接触する等の不具合が発生する。そして、リボン形振動板に強い衝撃や風圧が加わると、リボン形振動板が塑性変形して(伸びて)しまって振動板として機能しなくなる。
このようなリボン形振動板には、従来から、細長くカットされた、数ミクロンの厚みの薄い導体が用いられている。具体的は、リボン形振動板の材料としてアルミニウム箔が多く用いられている。このアルミニウムは、他の金属素材と比較して導電性が良好で比重が軽いため、リボンマイクロホンのリボン形振動板として適している。
リボン形振動板は、その材料としてアルミニウム箔のような導体薄板を用いる場合、上述のように共振周波数を低くする必要があるため、一般的に、図8に示すリボン形振動板のような折り曲げ加工が施されている。
図8において、リボン形振動板103Aは、短手方向(幅方向)に沿って蛇腹状(一定間隔で交互に折り曲げられることにより三角波形)に折り曲げ加工を施したフォーミング部112を形成して、実質的な長さを長くしている。
このようなリボン形振動板の製造には、外周に三角形の山と谷が一定間隔で連続した形の歯が形成されている2個一対の平歯車を用いる。この平歯車は、歯のピッチと半径はもとより、全く同じ仕様のものを一対にして用いる。作業者は、前記平歯車を平滑な基板、たとえばガラス基板の上に載せ、リボン形振動板の素材、すなわちアルミニウム箔を前記一対の平歯車で挟み込み、これらの平歯車を互いに押し付けあいながら折り曲げ、かつ、互いに逆向きに回転させながら前記素材を繰り出していく。こうすることにより、前記素材に平歯車の歯の形が転写され、前述のような波形のフォーミング部112を備えるリボン形振動板が比較的容易に形成される。
ところが、このような平歯車を用いてリボン形振動板を製造するのは容易ではない。リボン形振動板の代表的な素材であるアルミニウム箔は、部分的に強い張力を加えると引きちぎられてしまう。そのため、長さ方向一端部から他端部まで、少しずつ慎重に折り曲げる必要がある。この場合、前記平歯車に加える力加減でリボン形振動板の成形が不均一になり、うねり、あるいはねじれることが多い。リボン形振動板にうねりやねじれが生じると、一対の永久磁石間に収まらなかったり、永久磁石に接触したりしてしまう。したがって、熟練した作業者が使用に耐えるリボン形振動板を1日に製造することができる数は数個であり、極めて歩留まりの悪い困難な工程であるとされている。この点が、現在日本国内でリボン型マイクロホンの生産が行われていない原因であると思われる。
また、従来のリボンマイクロホンの問題点は、前記リボン形振動板の製造上の問題ばかりでなく、構造上の問題もある。すでに説明したとおり、リボン形振動板はほぼ全体が波形に形成され、長さ方向両端部が固定されている。しかしながら、このような折り曲げ加工が施されたリボン形振動板は、全体が伸び易く好ましくない。特に、リボン形振動板の中央部が伸び易い。そのため、強い衝撃力や風圧がかかってリボン形振動板が伸ばされると、塑性変形してリボン形振動板の長さ方向中央部が弛んでしまい、永久磁石に接触してしまうという問題がある。
そこで、かかる問題を解消するものとして、図9に示すリボン形振動板のように、リボン形振動板の主要部が伸びないように折り曲げ加工を施したものが提案されている。
図9において、リボン形振動板103Bは、音波を受けて磁界内で振動する主要振動部に、長さ方向に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施した第一フォーミング部113を有する。また、前記主要振動部の長さ方向両端にそれぞれ位置するエッジ部に、短手方向(幅方向)に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施した第二フォーミング部114,114を有する。したがって、第一フォーミング部113と第二フォーミング部114とは、互いに向きを90度変えた波形になっている。
この第一フォーミング部113は、リボン形振動板103Bの長さ方向に対して剛性を与えるものである。このような第一フォーミング部113を有することにより、リボン形振動板103Bの主要な中央部が長手方向に伸びない。また、第二フォーミング部114を有することにより、リボン形振動板103Bが音波を受けたとき撓むことによって、リボン形振動板103Bを振動させることができる。
ゆえに、強い衝撃力や風圧がかかったとき、塑性変形するのはリボン形振動板103Bの両端付近の前記第二フォーミング部114であり、リボン形振動板103Bの中央部の第一フォーミング部113が弛むことはなく、弛み量を少なく抑えることができる。したがって、リボン形振動板が永久磁石と接触することを防止し、故障の発生をある程度防止することが出来る。
上述のようにリボン形振動板には、音波と同一に振動する部分と、振動板の弾力を保持するために変位によって非リニアに伸びる部分が存在する。この非リニアに伸びる部分は、音波とは別の動きをし、音波に忠実な振動をしない。とりわけ主要部(中央部)が伸びてしまわないように成形したリボン形振動板の場合、その長さ方向両端部が音波とは別の動きをする。この動きは、たとえば、スピーカの中域の谷と呼ばれる部分が、ピストンモーションするコーンに対してコーン端部のエッジの部分が逆位相で振動する現象に類似している。そのため、音質が低下してしまう。
また、リボン形振動板の両端部の伸び縮みが大きいことによって、この部分に音波が加わるとアルミニウムが大きく変形する。そのため、リボン形振動板の素材に起因する付帯音を発生して音質を損ねてしまう。特に、大きな低い音が加わると、リボンマイクロホンは質量制御であることから振動板の振幅は大きく、付帯音が大きくなる。この付帯音は、リボン形振動板の素材がアルミニウムなので、アルミホイルを丸める時の音に似た音である。
一方、図8及び図9に示すように、間隔をあけて配置される一対の磁石104,104は、互いに対向する磁界形成面における長さ方向端縁部104a,104aが角張っていて、この角の周辺に磁束が集中し、上記端縁部104a,104a周辺の磁束密度が高くなり易い。また、前記長さ方向端縁部104aでは、リボン形振動板がリニアに動かない。そのため、磁束密度が高い部分と、前述の非リニアに伸びる部分が一致すると、振動板の付帯音が発生し易い場所で磁束密度が高まることになり、付帯音がより大きく出力されてしまうことがある。
したがって、現在、リボンマイクロホンにとっては、リボン形振動板での集音精度を調整し、リボン形振動板の長さ方向両端部における付帯音の発生を防止して、音質低下を抑制する技術の改善が望まれている。
リボン形振動板を用いたリボンマイクロホンとしては、たとえば4個のリボン形振動板を有し、各リボン形振動板の出力を個別に、又は合成して取り出すようにしたマイクロホンが提案されている(特許文献1参照)。
また、リボンマイクロホンではないが、振動系に磁束を集中させてその変換効率を向上させ、再生音の歪を少なくするようにしたリボン形スピーカの磁気回路が提案されている(特許文献2参照)。
さらに、磁気空隙の磁気の力を非常に大きくし、高音質の高音用のスピーカも提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、上記各文献に記載されたものは何れも、リボン形振動板の長さ方向両端部における付帯音の発生を防止して、音質低下を抑制するようにしたものでない。
実開昭47−27831号公報 実開昭57−39193号公報 特開2000−350284号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、リボン形振動板の長さ方向両端部における付帯音の発生を防止して、音質低下を抑制するようにしたリボンマイクロホンユニット、及びリボンマイクロホンを提供することを目的とする。
本発明に係るリボンマイクロホンユニットは、磁界を形成する一対の磁石と、前記磁石の磁界内に配置されたリボン形振動板と、を少なくとも備え、前記リボン形振動板は、音波を受けて磁界内で振動する主要振動部と、前記主要振動部の長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部とから構成され、前記磁石は、前記エッジ部における磁束密度の高まりを防ぐ磁束集中防止構造部を備えていることを主たる特徴とする。
本発明のリボンマイクロホンユニットは、磁界を形成する一対の磁石が、前記磁石の磁界内に配置されたリボン形振動板の長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部における磁束密度の高まりを防ぐ磁束集中防止構造部を備えている。
ゆえに、前記磁石が磁束集中防止構造部を備えることによって、前記リボン形振動板の長さ方向両端側の磁束密度が高くなることを防止し、リボン形振動板として有効な主要振動部以外の部分(エッジ部)に磁束が偏って集中しないようにすることが出来る。そのため、音声に忠実に振動することができない前記エッジ部の動きにより変換される音声信号レベルは抑制される。
したがって、リボン形振動板の長さ方向両端部における付帯音の発生を防止して、音声に忠実な電気信号に変換することができるリボンマイクロホンユニット、及びリボンマイクロホンを提供することが出来る。
以下、本発明に係るリボンマイクロホンユニットの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明のリボンマイクロホンユニットの一例を示す正面図である。また、図2は、図1において一点鎖線で示すI−I線に沿った縦断面図である。
本実施形態のリボンマイクロホンユニット1は、図1及び図2に示すように、板状の支持体2と、この支持体2に取り付けられた一対の磁石4,4と、これら磁石4,4の磁界内に配置されたリボン形振動板3と、を少なくとも備える。支持体2はその長手方向にスリット状の窓孔を有し、この窓孔の長手方向両側縁に沿って磁石4,4が配置され、磁石4,4間に均一な磁界が形成されている。前記リボン形振動板3は、その振動方向が磁石4,4間に形成される磁界を切るように配置されている。
図1において、リボンマイクロホンユニット1Aは、第一のリボン形振動板3Aを備えている。
前記第一のリボン形振動板3Aは、図3に示すような構造をしている。
図3において、前記第一のリボン形振動板3Aは、音波を受けて磁界内で振動する主要振動部3aと、前記主要振動部3aの長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部3b,3bとから構成されている。
前記主要振動部3aは、短手方向(幅方向)に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施した波形フォーミング部12を有する。前記波形フォーミング部12は、一定間隔で交互に折り曲げて形成した山と谷により構成されている。
このような波形フォーミング部12を形成することにより、第一のリボン形振動板3Aは音波を受けて磁界内で振動し易いようにすることが出来る。
そして、本発明のリボンマイクロホンユニット1Aは、前記磁石4,4が、前記エッジ部3bにおける磁束密度の高まりを防ぐ磁束集中防止構造部10,10を備えていることを特徴とする。これにより、リボン形振動板3のエッジ部3bに磁束が集中しないようにすることが出来る。
支持体2は、磁石4が取り付けられる板状の固定部材である。支持体2は、所謂ヨーク(継鉄)としても良い。この場合の支持体2の材料としては、たとえば、鉄や鈍鉄、ケイ素鉄やアモルファス等の軟磁性材料を挙げることができる。このように、支持体2をヨークとすることで、磁石4,4の磁気回路の磁気抵抗を低くして、磁石4,4の間に形成される磁界の磁束密度を高め、この磁界内でリボン形振動板3が振動することによってリボン形振動板3の両端に現れる出力を増大させることが出来る。
リボン形振動板3は、リボン状に形成された可動振動板である。リボン形振動板3は、導電性を有し、比重が軽い素材であれば特に限定されない。かかる条件にかなう素材としては、従来の大半のリボンマイクロホンに見られるようにアルミニウム箔がある。したがって、本実施形態においてもアルミニウム箔を使用している。
このリボン形振動板3は、一端側が、導電性を有する部材によって構成された一対の第一挟持部材5,7によって挟まれ、他端側も、導電性を有する部材によって構成された一対の第二挟持部材6,8によって挟まれている。前記第一持部材5,7及び前記第二持部材6,8は何れも、リボン形振動板3をサンドイッチ状に挟んで支持し、前記支持体2に対する取り付け固定を行ない易くすると共に、前記リボン形振動板3を磁石4の磁界内に確実に配置するためのスペーサの役割も兼ねている。
一方の前記第一挟持部材5は、図1及び図2において、支持体2の上端から上方に突出する形状をしており、リボン形振動板3で発生した音声信号を出力する第一出力端子として機能する。また、一方の前記第二持部材6は、図1及び図2において、支持体2の下端から下方に突出する形状をしており、リボン形振動板3で発生した音声信号を出力する第二出力端子として機能する。
さらに、他方の前記第一挟持部材7には、その上から覆うように電気絶縁性の第一押え部材17が重ねて配置されると共に、他方の前記第二挟持部材8にも、その上から覆うように、絶縁部材よりなる第二押え部材18が重ねて配置されている。
そして、前記第一押え部材17は、ネジ27による締め付けによって前記リボン形振動板3の一端側を前記支持体2に対して取り付け固定し、また、前記第二押え部材18は、ネジ28による締め付けによって前記リボン形振動板3の他端側を前記支持体2に対して取り付け固定している。
したがって、前記支持体2の一端側には、第一出力端子として機能する一方の第一挟持部材5、リボン形振動板3の一端、他方の第一挟持部材7、第一押え部材17、が順に重ねて配されている。一方、前記支持体2の他端側には、第二出力端子として機能する一方の第二挟持部材6、リボン形振動板3の他端、他方の第二挟持部材8、第二押え部材18、が順に重ねて配されている。
磁石4,4は、前記支持体2にそれぞれ接合された細長い形をした永久磁石である。この磁石4,4は、幅方向にN極とS極が形成されるように着磁されている。
また、前記磁石4,4は、前記リボン形振動板3の長さ方向に沿って平行に、かつ、前記リボン形振動板3の両側にそれぞれ対向して配置されている。さらに、前記磁石4,4と前記リボン形振動板3の側面との間には、適宜のスリット状の窓孔が存在している。したがって、磁石4,4が対向する空間に磁界が形成され、少なくとも前記リボン形振動板3の主要振動部3aが、この磁界内に磁界方向と平行に配置されている。
そして、リボン形振動板3は、音波を受けると前記磁界を横切る方向に振動し、音波に応じた電気信号を発電する。
また、前記磁束集中防止構造部10は、前記一対の磁石4の相対向する磁界形成面における長さ方向両端の隅部4a,4aをそれぞれ円弧状にすることによって形成すると良い。この磁束集中防止構造部10は、リボン形振動板3のエッジ部3bに磁束が集中しないようにすることを期待するものであるから、たとえば前記磁石4の長さを短く形成し、リボン形振動板3のエッジ部3bに磁束がかからないようにすることも考えられる。しかし、磁石4の長さを短くしてしまうと、磁界形成範囲の減少からリボン形振動板3が音波を受けても発電しないものとなってしまい、振動板としての有効部分が著しく減少するものとなってしまう。
したがって、磁石4の対向する磁界形成面における長さ方向両端の隅部4a,4aをそれぞれ円弧状に丸めることによって磁束集中防止構造部10を形成する。これにより、前記磁石4の長さを短くすること無く、磁石4の両端の磁束密度が高くなることを防止し、リボン形振動板3のエッジ部3bに磁束が偏って集中しないようにすることが出来る。
なお、前記磁束集中防止構造部10を構成する磁石4の丸み(R)は、たとえば磁石4の厚みの1/2以下に設計すると、振動板として機能する有効部分の確保との関係上望ましい。また、磁束集中防止構造部10の形成は、前記磁石4の製造時に例えば成形型などを用いて形成するようにしても良いが、図4に示すように、前記磁石4の長さ方向端縁部4a,4aを研磨することによって形成してもよい。
また、前記磁石4は、ネオジウム磁石とすると望ましい。このネオジウム磁石は、ネオジウム、鉄、ホウ素を主成分とした磁石であり、コバルト磁石、フェライト磁石などのような他の材質からなる磁石と比較して磁束密度が高い。したがって、小さくても強い磁力を得ることができ、簡単に磁束密度を高めることが出来る。
ネオジウム磁石は研磨加工が可能でありかつ容易であることから、上記のように隅部が円弧状になるように加工するのに適している。
また、ネオジウム磁石を用いる場合、ポールピースを使った場合に考慮が必要なポールピースの磁気飽和を検討する必要が無い。
<第二実施形態>
本発明に係るリボンマイクロホンユニット1は、図5及び図6に示すように、第二のリボン形振動板3Bを備えたリボンマイクロホンユニット1Bとすることも出来る。
図5は、本発明のリボンマイクロホンユニットの他の一例を示す正面図である。また、図6は、図5において一点鎖線で示すII−II線に沿った縦断面図である。ここでは、先に説明した実施形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、上記第一実施形態と同様の構成部分の説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
本実施形態のリボンマイクロホンユニット1Bは、図5及び図6に示すように、板状の支持体2と、この支持体2に取り付けられた一対の磁石4,4と、これら磁石4,4の磁界内に配置された第二のリボン形振動板3Bと、を少なくとも備える。支持体2はその長手方向にスリット状の窓孔を有し、この窓孔の側縁に沿って磁石4,4が配置され、磁石4,4間に均一な磁界が形成されている。前記第二のリボン形振動板3Bは、その振動方向が磁石4,4間に形成される磁界を切るように配置されている。
前記第二のリボン形振動板3Bは、図7に示すような構造をしている。
図7において、前記第二のリボン形振動板3Bは、音波を受けて磁界内で振動する主要振動部3aと、前記主要振動部3aの長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部3b,3bとから構成されている。
前記主要振動部3aは、長さ方向に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施した第一フォーミング部13を有する。一方、前記各エッジ部3b,3bは、短手方向(幅方向)に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施した第二フォーミング部14を有する。前記第一フォーミング部13及び前記第二フォーミング部14は何れも、折り曲げて形成した山と谷が一定の間隔で形成されている。
このような第一フォーミング部13及び第二フォーミング部14を形成することにより、第二のリボン形振動板3Bは音波を受けて磁界内で振動し易いようにすることが出来ると共に、前記主要振動部3aが長手方向に伸びてしまう虞を抑制することが出来る。
そして、本発明のリボンマイクロホンユニット1Bは、前記磁石4,4が、前記エッジ部3bにおける磁束密度の高まりを防ぐ磁束集中防止構造部10,10を備えていることを特徴とする。磁束集中防止構造部10,10は第一実施形態における磁束集中防止構造部と同様に、一対の磁石4,4の相対向する磁界形成面における長さ方向両端の隅部をそれぞれ円弧状にすることによって形成されている。これにより、リボン形振動板3のエッジ部3bに磁束が集中しないようにすることが出来る。
以上のように、本発明のリボンマイクロホンユニット1A,1Bでは何れも、リボン形振動板3の主要振動部3aは音波を受けると音波に従って振動する。導体であるリボン形振動板3が磁界内で振動することにより、リボン形振動板3が磁界を横切って信号電流が生じ、この信号電流がリボン形振動板3の両端部より、さらに第一出力端子5と第二出力端子6を通じて出力される。
そして、前記リボンマイクロホンユニット1A,1Bでは、磁束集中防止構造部10が、磁石4,4の長手方向両端部の磁束密度が高くなることを防止し、リボン形振動板3のエッジ部3bに磁束が偏って集中しないようにする。これにより、音声に忠実に振動することができないリボン形振動板3のエッジ部3bの動きにより変換される音声信号レベルが抑制され、上記エッジ部3bの動きによる付帯音が大きく出力されてしまうことが抑制される。
したがって、このように構成したリボンマイクロホンユニット1(1A,1B)を、音波を取り入れ、内部構成部品を保護する金属メッシュや、パンチングメタルなどで作成されたヘッドケースを備えたマイクロホンケースに組み込むことにより、リボン形振動板の長さ方向両端に位置するエッジ部における付帯音の発生を防止して、音声に忠実な電気信号に変換することができるリボンマイクロホンを提供することが出来る。
本発明に係るリボンマイクロホンユニットの実施例を示す正面図である。 図1に示すI−I線に沿った縦断面図である。 本発明に係るリボンマイクロホンユニットに適用可能なリボン形振動板の例を示す斜視図である。 本発明に係るリボンマイクロホンユニットに適用する磁石の例を示す斜視図である。 本発明に係るリボンマイクロホンユニットの他の実施例を示す正面図である。 図5に示すII−II線に沿った縦断面図である。 本発明に係るリボンマイクロホンユニットに適用可能なリボン形振動板の他の例を示す斜視図である。 従来のリボンマイクロホンユニットの一例を示す正面図である。 従来のリボンマイクロホンユニットの一例を示す正面図である。
符号の説明
1(1A,1B) リボンマイクロホンユニット
2 支持体
3(3A,3B) リボン形振動板
3a 主要振動部
3b エッジ部
4 磁石
4a 長さ方向端縁部
5 第一挟持部材(第一出力端子)
6 第二挟持部材(第二出力端子)
7 第一挟持部材
8 第二挟持部材
10 磁束集中防止構造部
12 波形フォーミング部
13 第一フォーミング部
14 第二フォーミング部
17 第一押え部材
18 第二押え部材

Claims (4)

  1. 磁界を形成する一対の磁石と、
    前記磁石の磁界内に配置されたリボン形振動板と、
    を少なくとも備え、
    前記リボン形振動板は、音波を受けて磁界内で振動する主要振動部と、前記主要振動部の長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部とから構成され、
    前記磁石は、前記エッジ部における磁束密度の高まりを防ぐ磁束集中防止構造部を備えていることを特徴とするリボンマイクロホンユニット。
  2. 前記磁束集中防止構造部は、前記磁石の相対向する磁界形成面における長さ方向両端の隅部をそれぞれ円弧状にすることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリボンマイクロホンユニット。
  3. 前記磁石は、何れもネオジウム磁石であることを特徴とする請求項2に記載のリボンマイクロホンユニット。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリボンマイクロホンユニットを備えることを特徴とするリボンマイクロホン。
JP2007024054A 2007-02-02 2007-02-02 リボンマイクロホンユニット、及びリボンマイクロホン Pending JP2008193300A (ja)

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