JP2008193300A - リボンマイクロホンユニット、及びリボンマイクロホン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リボンマイクロホンユニット1は、支持体2、支持体に取り付けられ、磁界を形成する一対の磁石4,4、及び磁石の磁界内に配置されたリボン形振動板3、を少なくとも備える。リボン形振動板は、音波を受けて磁界内で振動する主要振動部と、主要振動部の長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部とから構成されている。そして、磁石は、その磁界内に配置されたリボン形振動板の長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部における磁束密度の高まりを防ぐ磁束集中防止構造部10,10を備えている。
【選択図】図1
Description
図8及び図9において、リボンマイクロホンユニット101(101A,101B)は、長方形の枠型に形成された支持体102と、前記支持体102内側面の長辺方向両側に取り付けられた、磁界を形成する一対の磁石104,104と、これら磁石104の磁界内に配置されたリボン形振動板103(103A,103B)と、を備えることを主たる構成としている。この磁石104は、所謂永久磁石であり、所定の間隔をあけてそれぞれ固定されている。また、前記磁石104はそれぞれ、幅方向(図8又は図9において左右方向)に着磁されるとともに、その着磁の向きは同じ向きになっている。したがって、一対の磁石104,104間には、平行磁界が形成されている。
リボン形振動板は、その材料としてアルミニウム箔のような導体薄板を用いる場合、上述のように共振周波数を低くする必要があるため、一般的に、図8に示すリボン形振動板のような折り曲げ加工が施されている。
図8において、リボン形振動板103Aは、短手方向(幅方向)に沿って蛇腹状(一定間隔で交互に折り曲げられることにより三角波形)に折り曲げ加工を施したフォーミング部112を形成して、実質的な長さを長くしている。
図9において、リボン形振動板103Bは、音波を受けて磁界内で振動する主要振動部に、長さ方向に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施した第一フォーミング部113を有する。また、前記主要振動部の長さ方向両端にそれぞれ位置するエッジ部に、短手方向(幅方向)に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施した第二フォーミング部114,114を有する。したがって、第一フォーミング部113と第二フォーミング部114とは、互いに向きを90度変えた波形になっている。
この第一フォーミング部113は、リボン形振動板103Bの長さ方向に対して剛性を与えるものである。このような第一フォーミング部113を有することにより、リボン形振動板103Bの主要な中央部が長手方向に伸びない。また、第二フォーミング部114を有することにより、リボン形振動板103Bが音波を受けたとき撓むことによって、リボン形振動板103Bを振動させることができる。
ゆえに、強い衝撃力や風圧がかかったとき、塑性変形するのはリボン形振動板103Bの両端付近の前記第二フォーミング部114であり、リボン形振動板103Bの中央部の第一フォーミング部113が弛むことはなく、弛み量を少なく抑えることができる。したがって、リボン形振動板が永久磁石と接触することを防止し、故障の発生をある程度防止することが出来る。
また、リボン形振動板の両端部の伸び縮みが大きいことによって、この部分に音波が加わるとアルミニウムが大きく変形する。そのため、リボン形振動板の素材に起因する付帯音を発生して音質を損ねてしまう。特に、大きな低い音が加わると、リボンマイクロホンは質量制御であることから振動板の振幅は大きく、付帯音が大きくなる。この付帯音は、リボン形振動板の素材がアルミニウムなので、アルミホイルを丸める時の音に似た音である。
したがって、現在、リボンマイクロホンにとっては、リボン形振動板での集音精度を調整し、リボン形振動板の長さ方向両端部における付帯音の発生を防止して、音質低下を抑制する技術の改善が望まれている。
また、リボンマイクロホンではないが、振動系に磁束を集中させてその変換効率を向上させ、再生音の歪を少なくするようにしたリボン形スピーカの磁気回路が提案されている(特許文献2参照)。
さらに、磁気空隙の磁気の力を非常に大きくし、高音質の高音用のスピーカも提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、上記各文献に記載されたものは何れも、リボン形振動板の長さ方向両端部における付帯音の発生を防止して、音質低下を抑制するようにしたものでない。
ゆえに、前記磁石が磁束集中防止構造部を備えることによって、前記リボン形振動板の長さ方向両端側の磁束密度が高くなることを防止し、リボン形振動板として有効な主要振動部以外の部分(エッジ部)に磁束が偏って集中しないようにすることが出来る。そのため、音声に忠実に振動することができない前記エッジ部の動きにより変換される音声信号レベルは抑制される。
したがって、リボン形振動板の長さ方向両端部における付帯音の発生を防止して、音声に忠実な電気信号に変換することができるリボンマイクロホンユニット、及びリボンマイクロホンを提供することが出来る。
<第一実施形態>
図1は、本発明のリボンマイクロホンユニットの一例を示す正面図である。また、図2は、図1において一点鎖線で示すI−I線に沿った縦断面図である。
本実施形態のリボンマイクロホンユニット1は、図1及び図2に示すように、板状の支持体2と、この支持体2に取り付けられた一対の磁石4,4と、これら磁石4,4の磁界内に配置されたリボン形振動板3と、を少なくとも備える。支持体2はその長手方向にスリット状の窓孔を有し、この窓孔の長手方向両側縁に沿って磁石4,4が配置され、磁石4,4間に均一な磁界が形成されている。前記リボン形振動板3は、その振動方向が磁石4,4間に形成される磁界を切るように配置されている。
図1において、リボンマイクロホンユニット1Aは、第一のリボン形振動板3Aを備えている。
図3において、前記第一のリボン形振動板3Aは、音波を受けて磁界内で振動する主要振動部3aと、前記主要振動部3aの長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部3b,3bとから構成されている。
前記主要振動部3aは、短手方向(幅方向)に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施した波形フォーミング部12を有する。前記波形フォーミング部12は、一定間隔で交互に折り曲げて形成した山と谷により構成されている。
このような波形フォーミング部12を形成することにより、第一のリボン形振動板3Aは音波を受けて磁界内で振動し易いようにすることが出来る。
さらに、他方の前記第一挟持部材7には、その上から覆うように電気絶縁性の第一押え部材17が重ねて配置されると共に、他方の前記第二挟持部材8にも、その上から覆うように、絶縁部材よりなる第二押え部材18が重ねて配置されている。
そして、前記第一押え部材17は、ネジ27による締め付けによって前記リボン形振動板3の一端側を前記支持体2に対して取り付け固定し、また、前記第二押え部材18は、ネジ28による締め付けによって前記リボン形振動板3の他端側を前記支持体2に対して取り付け固定している。
また、前記磁石4,4は、前記リボン形振動板3の長さ方向に沿って平行に、かつ、前記リボン形振動板3の両側にそれぞれ対向して配置されている。さらに、前記磁石4,4と前記リボン形振動板3の側面との間には、適宜のスリット状の窓孔が存在している。したがって、磁石4,4が対向する空間に磁界が形成され、少なくとも前記リボン形振動板3の主要振動部3aが、この磁界内に磁界方向と平行に配置されている。
そして、リボン形振動板3は、音波を受けると前記磁界を横切る方向に振動し、音波に応じた電気信号を発電する。
したがって、磁石4の対向する磁界形成面における長さ方向両端の隅部4a,4aをそれぞれ円弧状に丸めることによって磁束集中防止構造部10を形成する。これにより、前記磁石4の長さを短くすること無く、磁石4の両端の磁束密度が高くなることを防止し、リボン形振動板3のエッジ部3bに磁束が偏って集中しないようにすることが出来る。
なお、前記磁束集中防止構造部10を構成する磁石4の丸み(R)は、たとえば磁石4の厚みの1/2以下に設計すると、振動板として機能する有効部分の確保との関係上望ましい。また、磁束集中防止構造部10の形成は、前記磁石4の製造時に例えば成形型などを用いて形成するようにしても良いが、図4に示すように、前記磁石4の長さ方向端縁部4a,4aを研磨することによって形成してもよい。
ネオジウム磁石は研磨加工が可能でありかつ容易であることから、上記のように隅部が円弧状になるように加工するのに適している。
また、ネオジウム磁石を用いる場合、ポールピースを使った場合に考慮が必要なポールピースの磁気飽和を検討する必要が無い。
本発明に係るリボンマイクロホンユニット1は、図5及び図6に示すように、第二のリボン形振動板3Bを備えたリボンマイクロホンユニット1Bとすることも出来る。
図5は、本発明のリボンマイクロホンユニットの他の一例を示す正面図である。また、図6は、図5において一点鎖線で示すII−II線に沿った縦断面図である。ここでは、先に説明した実施形態と異なる部分を中心に説明する。したがって、上記第一実施形態と同様の構成部分の説明は省略し、特に説明しない限り同じであるものとする。
図7において、前記第二のリボン形振動板3Bは、音波を受けて磁界内で振動する主要振動部3aと、前記主要振動部3aの長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部3b,3bとから構成されている。
前記主要振動部3aは、長さ方向に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施した第一フォーミング部13を有する。一方、前記各エッジ部3b,3bは、短手方向(幅方向)に沿って蛇腹状に折り曲げ加工を施した第二フォーミング部14を有する。前記第一フォーミング部13及び前記第二フォーミング部14は何れも、折り曲げて形成した山と谷が一定の間隔で形成されている。
このような第一フォーミング部13及び第二フォーミング部14を形成することにより、第二のリボン形振動板3Bは音波を受けて磁界内で振動し易いようにすることが出来ると共に、前記主要振動部3aが長手方向に伸びてしまう虞を抑制することが出来る。
そして、前記リボンマイクロホンユニット1A,1Bでは、磁束集中防止構造部10が、磁石4,4の長手方向両端部の磁束密度が高くなることを防止し、リボン形振動板3のエッジ部3bに磁束が偏って集中しないようにする。これにより、音声に忠実に振動することができないリボン形振動板3のエッジ部3bの動きにより変換される音声信号レベルが抑制され、上記エッジ部3bの動きによる付帯音が大きく出力されてしまうことが抑制される。
2 支持体
3(3A,3B) リボン形振動板
3a 主要振動部
3b エッジ部
4 磁石
4a 長さ方向端縁部
5 第一挟持部材(第一出力端子)
6 第二挟持部材(第二出力端子)
7 第一挟持部材
8 第二挟持部材
10 磁束集中防止構造部
12 波形フォーミング部
13 第一フォーミング部
14 第二フォーミング部
17 第一押え部材
18 第二押え部材
Claims (4)
- 磁界を形成する一対の磁石と、
前記磁石の磁界内に配置されたリボン形振動板と、
を少なくとも備え、
前記リボン形振動板は、音波を受けて磁界内で振動する主要振動部と、前記主要振動部の長さ方向両端側にそれぞれ位置するエッジ部とから構成され、
前記磁石は、前記エッジ部における磁束密度の高まりを防ぐ磁束集中防止構造部を備えていることを特徴とするリボンマイクロホンユニット。 - 前記磁束集中防止構造部は、前記磁石の相対向する磁界形成面における長さ方向両端の隅部をそれぞれ円弧状にすることによって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリボンマイクロホンユニット。
- 前記磁石は、何れもネオジウム磁石であることを特徴とする請求項2に記載のリボンマイクロホンユニット。
- 前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリボンマイクロホンユニットを備えることを特徴とするリボンマイクロホン。
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2007
- 2007-02-02 JP JP2007024054A patent/JP2008193300A/ja active Pending
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2008
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