JP2008192446A - 電池用電極基板の製造方法、及びそれを用いた電極、電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属薄膜と不織布繊維との密着性が良好であり、金属薄膜の割れや剥離が少ない電池用電極基板の製造方法の提供。
【解決手段】樹脂からなる不織布の繊維表面にニッケルを含有する金属を被覆した電池用電極基板の製造方法であって、樹脂からなる不織布およびニッケルを含有する金属原料を、0.01Pa以上の雰囲気圧力に調節した不活性ガス中に配置するとともに、原料を溶融して蒸発させて、樹脂からなる不織布上にニッケルを含む金属薄膜を総目付重量が1g/m2以上≦10g/m2以下となるように形成したのち、電気ニッケルめっきにてニッケルを含む金属の総目付重量が150g/m2以上、250g/m2以下なるようにしたことを特徴とする電池用電極基板の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】樹脂からなる不織布の繊維表面にニッケルを含有する金属を被覆した電池用電極基板の製造方法であって、樹脂からなる不織布およびニッケルを含有する金属原料を、0.01Pa以上の雰囲気圧力に調節した不活性ガス中に配置するとともに、原料を溶融して蒸発させて、樹脂からなる不織布上にニッケルを含む金属薄膜を総目付重量が1g/m2以上≦10g/m2以下となるように形成したのち、電気ニッケルめっきにてニッケルを含む金属の総目付重量が150g/m2以上、250g/m2以下なるようにしたことを特徴とする電池用電極基板の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は電池用の電極として用いられる不織布を基材とする電池用電極基板並びにこれを用いた電極及び電池に関する。
従来、ニッケル水素電池やニッカド電池などのアルカリ二次電池の電極としては、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド系等の繊維からなる不織布にニッケルめっきを施したものが検討されている。
特許文献1には、ウェブに水流交絡処理を施した後にニッケルめっきを施すことによって引っ張り強度が強いニッケルめっき不織布を製造する方法が開示されている。
特許文献2には、従来の、ニッケルめっきを施す以前の不織布にコロナ処理を施す不織布電極の製造方法では、繊維とめっき膜との接着性が不十分であることに鑑み、スルホン化処理,フッ素ガス処理又はビニルモノマーのグラフト処理により親水化処理された不織布を親水化処理し、これにニッケルめっきを施すことにより、ニッケルめっきの密着性を向上したニッケルめっき不織布を製造する方法が開示されている。
特許文献2には、従来の、ニッケルめっきを施す以前の不織布にコロナ処理を施す不織布電極の製造方法では、繊維とめっき膜との接着性が不十分であることに鑑み、スルホン化処理,フッ素ガス処理又はビニルモノマーのグラフト処理により親水化処理された不織布を親水化処理し、これにニッケルめっきを施すことにより、ニッケルめっきの密着性を向上したニッケルめっき不織布を製造する方法が開示されている。
特許文献3には、親水化処理を施した不織布11の表面に不織布繊維表面のめっき断面積が20μm2〜130μm2の範囲となるようにニッケルめっき膜を形成することにより、この不織布を用いた電池はめっき膜の表面抵抗が低く、ハイレート充放電が可能な電池を製造できることが可能であることが開示されている。
特許文献4には、不織布にニッケルめっきを施して得た単位体積当たりの比表面積が、0.13m2/cm3〜0.35m2/cm3である集電材に、粘度が0.3Pa・s以下の活物質ペーストを充填し乾燥して得た電極を用いることによりアルカリ電池を高出力化することが開示されている。
特許文献4には、不織布にニッケルめっきを施して得た単位体積当たりの比表面積が、0.13m2/cm3〜0.35m2/cm3である集電材に、粘度が0.3Pa・s以下の活物質ペーストを充填し乾燥して得た電極を用いることによりアルカリ電池を高出力化することが開示されている。
上記特許文献記載のものは、いずれも不織布に無電解めっき法によってニッケルめっき膜を形成し、必要に応じて更に電解めっきを施しているが、無電解めっき法を用いる方法で得た不織布基板を用いた電池は、電気抵抗が高くひいては高率放電することができず、寿命が短いという問題があった。
これは電解めっきの前の導電処理として無電解めっき処理を施した不織布基材は、繊維と表面にめっきされたニッケルとの密着力が弱く、電極作製の際にニッケルが割れたり剥離したりしやすいためである。そして、ニッケルの割れや剥離があると電池の内部抵抗が高くなるため高率放電特性が悪化すると共に、ニッケルが損傷した状態で充放電を繰り返すことにより、過充電状態になりやすく、活物質と集電体の接触や集電体のニッケル骨格の劣化が早いという問題がある。特許文献2記載のものではこの対策として不織布に対してスルホン化処理,フッ素ガス処理等の前処理を施しているが、これによっても繊維とめっき膜との密着性は十分ではなく、同様の問題はある。
これは電解めっきの前の導電処理として無電解めっき処理を施した不織布基材は、繊維と表面にめっきされたニッケルとの密着力が弱く、電極作製の際にニッケルが割れたり剥離したりしやすいためである。そして、ニッケルの割れや剥離があると電池の内部抵抗が高くなるため高率放電特性が悪化すると共に、ニッケルが損傷した状態で充放電を繰り返すことにより、過充電状態になりやすく、活物質と集電体の接触や集電体のニッケル骨格の劣化が早いという問題がある。特許文献2記載のものではこの対策として不織布に対してスルホン化処理,フッ素ガス処理等の前処理を施しているが、これによっても繊維とめっき膜との密着性は十分ではなく、同様の問題はある。
本発明は、電気めっき前の導電処理として不織布上に形成されたニッケルを含有する金属薄膜と不織布繊維との密着性が良好であり、金属薄膜の割れや剥離が少ない電池用電極基板を製造する方法並びにこれによって得られた電池用電極基板を用いた電極及び電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討を行った結果、電気めっき前の導電処理として不織布上に形成するニッケルを含有する金属薄膜の総目付量を1g/m2以上、10g/m2以下とすることにより、金属薄膜と不織布繊維との密着性がよくなり、金属薄膜の割れや剥離が少なくなるとの知見を得た。また、本発明者らが種々検討した結果、真空蒸着法において微量の不活性ガスを導入した状態で真空蒸着を行なうことにより、非常に迅速かつ均一に、付きまわりよく上記のような目付量のニッケルを含有する金属薄膜を不織布上に形成することができるとの知見を得た。
本発明者等は上記の知見に基づき以下に記載する本発明を完成した。
本発明者等は上記の知見に基づき以下に記載する本発明を完成した。
(1)樹脂からなる不織布の繊維表面にニッケルを含有する金属を被覆した電池用電極基板の製造方法であって、樹脂からなる不織布およびニッケルを含有する金属原料を、0.01Pa以上の雰囲気圧力に調節した不活性ガス中に配置するとともに、原料を溶融して蒸発させて、樹脂からなる不織布上にニッケルを含む金属薄膜を総目付重量が1g/m2以上≦10g/m2以下となるように形成したのち、電気ニッケルめっきにてニッケルを含む金属の総目付重量が150g/m2以上、250g/m2以下なるようにしたことを特徴とする電池用電極基板の製造方法。
(2)前記不活性ガスがアルゴンガスであることを特徴とする上記(1)記載の電池用電極基板の製造方法。
(3)前記樹脂からなる不織布の材質がポリオレフィンであることを特徴とする上記(1)又は(2)のいずれかに記載の電池用電極基板の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電池用電極基板の製造方法によって製造されたことを特徴とする電池用電極基板。
(5)電池用電極基板の多孔度が90〜98%であることを特徴とする上記(4)記載の電池用電極基板。
(6)上記(4)又は(5)に記載の電池用電極基板に、水酸化ニッケルを主体とする活物質合剤を担持してなることを特徴とする電池用電極。
(7)上記(6)に記載の電池用電極を使用したことを特徴とする電池。
(2)前記不活性ガスがアルゴンガスであることを特徴とする上記(1)記載の電池用電極基板の製造方法。
(3)前記樹脂からなる不織布の材質がポリオレフィンであることを特徴とする上記(1)又は(2)のいずれかに記載の電池用電極基板の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電池用電極基板の製造方法によって製造されたことを特徴とする電池用電極基板。
(5)電池用電極基板の多孔度が90〜98%であることを特徴とする上記(4)記載の電池用電極基板。
(6)上記(4)又は(5)に記載の電池用電極基板に、水酸化ニッケルを主体とする活物質合剤を担持してなることを特徴とする電池用電極。
(7)上記(6)に記載の電池用電極を使用したことを特徴とする電池。
本発明電池用電極基板の製造方法は、不織布の導電処理に蒸着を用いことにより導電処理膜と不織布との密着性が向上し、剥離の少ない基板を作製することができる。また、蒸着時の不活性ガス圧力を0.01Pa以上とすることにより付きまわりのよい導電処理が可能となり、電気めっきの未着部分がなくなり、最終的に電気めっきによって総目付量を150〜250g/m2にすることで電気抵抗の低い基板を作製することができる。
最終的に150〜250g/m2にすることで電気抵抗の低い基材を作製できる。
最終的に150〜250g/m2にすることで電気抵抗の低い基材を作製できる。
本発明においては、不織布上に電気伝導性を持たせるためのニッケルを含む金属薄膜を真空蒸着法により形成し、その後電気ニッケルめっきによってニッケル薄膜を形成することによって二次電池用電極基板を製造するものであり、より具体的には、導電処理として不織布上に金属薄膜を形成する際に、不織布とニッケルを含有する薄膜原料とを、0.01Pa以上の雰囲気圧力に調節した不活性ガス中に配置するとともに、金属薄膜原料を溶融して蒸発させて、不織布上にニッケルを含む金属薄膜を目付量が1g/m2以上、≦10g/m2以下になるように形成し、その後、電気ニッケルめっきによりニッケルを含む金属薄膜の総目付量が150g/m2以上、250g/m2以下なるようにすることを特徴とする。
上記のように、蒸着と電気メッキとを組み合わせるのは、蒸着のみでは時間と費用が膨大になるためであり、導電処理後は電気ニッケルめっきを施して規定のニッケル量を不織布上に被覆する。
集電体の周囲に導入する不活性ガスの圧力は、0.01Pa以上とする。不活性ガスの圧力が0.01Pa未満であると、薄膜の付き回りが悪く未着部分ができる。不活性ガスの雰囲気圧力上限は、使用する原料加熱方式(電子銃や抵抗加熱など)によって異なるが、ガス使用量、成膜速度の観点から電子ビーム蒸着の場合には1Pa以下が好ましい。1Paを超えると、電子銃のフィラメントが切れやすくなり、蒸着ができなくなるという不具合が発生しやすい。又抵抗加熱では上記のような不具合がないため特に制限はないが20Paを超えると実用的な蒸着速度が得られなくなるので、20Pa以下とすることが好ましい。
また、不活性ガスとしては、アルゴンガスが好適に利用できる。アルゴンガスは、比較的多く自然界に存在し、安価に入手可能であり、人体に対する悪影響が少ないので好ましい。
集電体の周囲に導入する不活性ガスの圧力は、0.01Pa以上とする。不活性ガスの圧力が0.01Pa未満であると、薄膜の付き回りが悪く未着部分ができる。不活性ガスの雰囲気圧力上限は、使用する原料加熱方式(電子銃や抵抗加熱など)によって異なるが、ガス使用量、成膜速度の観点から電子ビーム蒸着の場合には1Pa以下が好ましい。1Paを超えると、電子銃のフィラメントが切れやすくなり、蒸着ができなくなるという不具合が発生しやすい。又抵抗加熱では上記のような不具合がないため特に制限はないが20Paを超えると実用的な蒸着速度が得られなくなるので、20Pa以下とすることが好ましい。
また、不活性ガスとしては、アルゴンガスが好適に利用できる。アルゴンガスは、比較的多く自然界に存在し、安価に入手可能であり、人体に対する悪影響が少ないので好ましい。
本発明で言うニッケルを含有する金属とはニッケル単独又はニッケルと他の金属との混合物をいう。従って、本発明における、不織布の繊維表面に被覆される金属薄膜はニッケル単独からなるもの又はニッケルと他の金属とからなるものである。他の金属としては例えば、コバルトや、チタン、亜鉛、アルミニウムなどが挙げられる。このような金属を選択することより、電気抵抗の低減や充電性の向上を図ることができる。
ここで、成膜原料にニッケルと他の金属とを併用するときは、ニッケルと他の金属との混合物を溶融して蒸発させても良いし、ニッケルと他の金属とを個別に溶融して蒸発させても良い。いずれの手段を選択しても、成膜原料を反映した薄膜を集電体上に形成することができる。
上記成膜原料を蒸発させる手段は、特に限定されない。例えば、電子銃により電子ビームを照射する方法が挙げられ、その他の方法としては、抵抗加熱、誘導過熱、レーザー法を挙げることができる。
上記成膜原料を蒸発させる手段は、特に限定されない。例えば、電子銃により電子ビームを照射する方法が挙げられ、その他の方法としては、抵抗加熱、誘導過熱、レーザー法を挙げることができる。
そして、本発明の電池用電極基板の製造方法により得られる薄膜のニッケル目付量を上記の範囲となすことにより、電極の作製工程で損傷しにくく、均一で付きまわりがよく割れや剥離の少ないニッケルを含有する金属薄膜を得ることができる。なお、蒸着で作製する薄膜の目付量が1g/m2未満であると、めっきの付き周りが悪く未着部分が発生して剥離しやすいため好ましくない。一方、10g/m2を超えると薄膜の厚さが大きくなって割れやすくなり剥離を生じやすい。
薄膜を蒸着する不織布の材質としては、電極をアルカリ二次電池に用いる場合には耐アルカリ性が要求されるので、耐アルカリ性に優れるポリオレフィンを好適に利用でき、具体的には、ポリプロピレンあるいはポリエチレン、それらの混合が好ましい。
また、低廉化のために、不織布表面に導電性を付与した後ニッケルを含有する金属の電気めっきを行って得られた基材のニッケル含有金属の目付量は150〜250g/m2程度が好ましい。
また、低廉化のために、不織布表面に導電性を付与した後ニッケルを含有する金属の電気めっきを行って得られた基材のニッケル含有金属の目付量は150〜250g/m2程度が好ましい。
また、本発明の電極基板は空隙率が90〜98%であることが好ましい。空隙率が90〜98%であると、活物質を高密度に充填することができ、アルカリ2次電池の更なる高容量化が期待できる。
また、活物質としては、水酸化ニッケルを主体とする活物質合剤を挙げることができ、活物質ペーストは、活物質以外に導電助剤としてコバルト又はニッケル粉末を含むことができる。
また、活物質としては、水酸化ニッケルを主体とする活物質合剤を挙げることができ、活物質ペーストは、活物質以外に導電助剤としてコバルト又はニッケル粉末を含むことができる。
以上のような本発明の電池用電極基板の製造方法を実施する場合、既存の成膜装置を利用すれば良い。例えば、成膜する対象を区画する成膜室、成膜原料および成膜対象をそれぞれ載置する支持台および加熱容器、成膜原料を加熱する電子銃を有している真空蒸着装置を好適に利用することができる。真空蒸着装置を使用すると、本発明の成膜対象である集電体の周囲に不活性ガスを均等に導入し易く、また、集電体の周囲の空間が区画されているので不活性ガスの圧力を調節し易いので好ましい。以下、既存の真空蒸着装置を使用した場合を例に本発明の電池用電極の製造方法を説明する。
本発明の製造方法を実施するために、まず初めに、集電体を真空蒸着装置の支持台に載置するとともに、薄膜の原料であるニッケルを含有する原料(成膜原料)を加熱容器に載置する。次に、成膜室内を真空引きして高真空状態とした後、成膜室内に不活性ガスを導入する。ここで、成膜室内に導入する不活性ガスの圧力は、0.01Pa以上となるように調節する。そして、電子銃から電子ビームを発射して成膜原料を溶融し、集電体上に成膜原料に応じた薄膜を蒸着する。
以上、本発明の電池用電極の製造方法を説明するにあたり、既存の真空蒸着装置を使用した場合を説明したが、もちろん他の装置を使用しても良い。他の装置を使用する場合、集電体および成膜原料の周囲における圧力(反応圧力)を本発明に規定する数値に維持することができれば良い。
本発明の電池用電極基板の製造方法によれば、目付量が所定の範囲内にあるニッケルを含む薄膜を未着部分がなく、かつ密着性が高い状態で不織布上に形成することができ、電気抵抗の低い電池用電極基板を作製できる。
また、形成された薄膜の金属目付量が所定の範囲内にあるため、電極の作製工程で損傷しにくい、均一で付きまわりがよく割れや剥離の少ないニッケル薄膜を得ることができる。
従って、本発明方法により得られた電極基板を使用して二次電池を製作することにより、電池内部抵抗が低く高率放電に適し、かつ電池の作製や充放電に伴うニッケル薄膜の損傷を抑制でき、電池容量の低下し難い電池とすることができる。
また、形成された薄膜の金属目付量が所定の範囲内にあるため、電極の作製工程で損傷しにくい、均一で付きまわりがよく割れや剥離の少ないニッケル薄膜を得ることができる。
従って、本発明方法により得られた電極基板を使用して二次電池を製作することにより、電池内部抵抗が低く高率放電に適し、かつ電池の作製や充放電に伴うニッケル薄膜の損傷を抑制でき、電池容量の低下し難い電池とすることができる。
[実施例1]
繊度6.7dTexでPP/PE芯鞘構造の繊維を用いた繊維目付量50g/m2、厚さ1.0mmの不織布を使用し、既存の真空蒸着装置を用いて、成膜原料としてニッケルを用い、0.1Paの不活性ガス雰囲気中で、電子銃からの電子ビームによってニッケルを溶融、蒸発させて導電処理目付量が1g/m2の導電性不織布基板を得た。次いで、これにニッケル電気めっきを施して総目付量が200g/m2の電池用電極基板を作製した。
得られた電池用電極基板について、表面観察、テープによるピーリングテスト、電気抵抗の測定を行い評価した結果を表1に示す。
[実施例2]
導電処理目付量を10g/m2としたことを除いては実施例1と同様にして電池用電極基板を作製した。得られた電池用電極基板について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
繊度6.7dTexでPP/PE芯鞘構造の繊維を用いた繊維目付量50g/m2、厚さ1.0mmの不織布を使用し、既存の真空蒸着装置を用いて、成膜原料としてニッケルを用い、0.1Paの不活性ガス雰囲気中で、電子銃からの電子ビームによってニッケルを溶融、蒸発させて導電処理目付量が1g/m2の導電性不織布基板を得た。次いで、これにニッケル電気めっきを施して総目付量が200g/m2の電池用電極基板を作製した。
得られた電池用電極基板について、表面観察、テープによるピーリングテスト、電気抵抗の測定を行い評価した結果を表1に示す。
[実施例2]
導電処理目付量を10g/m2としたことを除いては実施例1と同様にして電池用電極基板を作製した。得られた電池用電極基板について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
[比較例1]
導電処理目付量を0.1g/m2としたことを除いては実施例1と同様にして電池用電極基板を作製した。得られた電池用電極基板について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
[比較例2]
導電処理目付量を12g/m2としたことを除いては実施例1と同様にして電池用電極基板を作製した。得られた電池用電極基板について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
[比較例3]
導電処理目付量を10g/m2とし、総目付量を50g/m2としたことを除いては実施例1と同様にして電池用電極基板を作製した。得られた電池用電極基板について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
[比較例4]
雰囲気ガスとして不活性ガスを用いず、導電処理目付量を10g/m2としたことを除いては実施例1と同様にして電池用電極基板を作製した。得られた電池用電極基板について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例1で用いた不織布にフッ素処理を行ったのち、導電処理をスルファミン酸浴の無電解めっきで行って導電処理目付量10g/m2の不織布基板を作製し、次いで、これにニッケル電気めっきを施して総目付量が200g/m2の電池用電極基板を作製した。
得られた電池用電極基板について、実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
導電処理目付量を0.1g/m2としたことを除いては実施例1と同様にして電池用電極基板を作製した。得られた電池用電極基板について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
[比較例2]
導電処理目付量を12g/m2としたことを除いては実施例1と同様にして電池用電極基板を作製した。得られた電池用電極基板について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
[比較例3]
導電処理目付量を10g/m2とし、総目付量を50g/m2としたことを除いては実施例1と同様にして電池用電極基板を作製した。得られた電池用電極基板について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
[比較例4]
雰囲気ガスとして不活性ガスを用いず、導電処理目付量を10g/m2としたことを除いては実施例1と同様にして電池用電極基板を作製した。得られた電池用電極基板について実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
[比較例5]
実施例1で用いた不織布にフッ素処理を行ったのち、導電処理をスルファミン酸浴の無電解めっきで行って導電処理目付量10g/m2の不織布基板を作製し、次いで、これにニッケル電気めっきを施して総目付量が200g/m2の電池用電極基板を作製した。
得られた電池用電極基板について、実施例1と同様に評価した結果を表1に示す。
実施例1、2はともに本発明の範囲内の条件で作製したもので、表面観察、ピーリングテストともに良好な結果で電気抵抗も低く、電池用電極基板として適している。
一方で、比較例1は導電処理のニッケル目付け量が少なかったためにめっき未着部分が多く不織布繊維が露出していて、ピーリングテストによってもニッケル膜の剥離が多く見られる。電気抵抗も高く電池電極基板としては不適である。
比較例2は導電処理のニッケル目付け量が多かったために、薄膜の柔軟性が劣り、基板作製工程でめっき割れが多く発生し、ピーリングテストによってもニッケル膜の剥離が多く見られる。電気抵抗も高く電池電極基板としては不適である。
一方で、比較例1は導電処理のニッケル目付け量が少なかったためにめっき未着部分が多く不織布繊維が露出していて、ピーリングテストによってもニッケル膜の剥離が多く見られる。電気抵抗も高く電池電極基板としては不適である。
比較例2は導電処理のニッケル目付け量が多かったために、薄膜の柔軟性が劣り、基板作製工程でめっき割れが多く発生し、ピーリングテストによってもニッケル膜の剥離が多く見られる。電気抵抗も高く電池電極基板としては不適である。
比較例3は表面観察、ピーリングテストともに良好でニッケル膜の損傷はないが、ニッケルの総目付量が少ないため電気抵抗が高く、電池電極基板としては不適である。
比較例4は不活性ガスを導入せずに導電処理を行ったため、ニッケルの付き周りが悪く、不織布の蒸着原料と反対側となる面にはほとんどニッケルが付かなかった。そのため電気めっき後もニッケル未着部分が多く、ピーリングテストでも容易にニッケルが剥離してしまい電気抵抗も高い。電池電極基板としては不適である。
比較例5は導電処理を無電解めっきで行ったもので、表面観察では割れ・未着部分なく良好であったがピーリングテストではニッケル膜が剥離した。電気抵抗もやや高く、電池用電極基板としては不適である。
比較例4は不活性ガスを導入せずに導電処理を行ったため、ニッケルの付き周りが悪く、不織布の蒸着原料と反対側となる面にはほとんどニッケルが付かなかった。そのため電気めっき後もニッケル未着部分が多く、ピーリングテストでも容易にニッケルが剥離してしまい電気抵抗も高い。電池電極基板としては不適である。
比較例5は導電処理を無電解めっきで行ったもので、表面観察では割れ・未着部分なく良好であったがピーリングテストではニッケル膜が剥離した。電気抵抗もやや高く、電池用電極基板としては不適である。
以上の結果から、本発明の電池用電極基板の製造方法によれば、目付量が所定の範囲内にあるニッケルを含む薄膜を未着部分がなく、かつ密着性が高い状態で不織布上に形成することができ、電気抵抗の低い電池用電極基板を作製できることが明らかになった。
本発明の製造方法によって得られた電極基板は、金属薄膜と不織布繊維との密着性が良好であり、金属薄膜の割れや剥離が少ないため、電極作製の際にニッケルが割れたり剥離することがないので、電池用電極基板として好適に使用できる。
Claims (7)
- 樹脂からなる不織布の繊維表面にニッケルを含有する金属を被覆した電池用電極基板の製造方法であって、樹脂からなる不織布およびニッケルを含有する金属原料を、0.01Pa以上の雰囲気圧力に調節した不活性ガス中に配置するとともに、原料を溶融して蒸発させて、樹脂からなる不織布上にニッケルを含む金属薄膜を総目付重量が1g/m2以上≦10g/m2以下となるように形成したのち、電気ニッケルめっきにてニッケルを含む金属の総目付重量が150g/m2以上、250g/m2以下なるようにしたことを特徴とする電池用電極基板の製造方法。
- 前記不活性ガスがアルゴンガスであることを特徴とする請求項1記載の電池用電極基板の製造方法。
- 前記樹脂からなる不織布の材質がポリオレフィンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池用電極基板の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の電池用電極基板の製造方法によって製造されたことを特徴とする電池用電極基板。
- 電池用電極基板の多孔度が90〜98%であることを特徴とする請求項4記載の電池用電極基板。
- 請求項4又は5に記載の電池用電極基板に、水酸化ニッケルを主体とする活物質合剤を担持してなることを特徴とする電池用電極。
- 請求項6に記載の電池用電極を使用したことを特徴とする電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007025345A JP2008192446A (ja) | 2007-02-05 | 2007-02-05 | 電池用電極基板の製造方法、及びそれを用いた電極、電池 |
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JP2007025345A JP2008192446A (ja) | 2007-02-05 | 2007-02-05 | 電池用電極基板の製造方法、及びそれを用いた電極、電池 |
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---|---|---|---|---|
JPH08203534A (ja) * | 1995-01-27 | 1996-08-09 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | ニッケルめっき不織布電極基板の製造方法 |
JPH08329956A (ja) * | 1995-05-31 | 1996-12-13 | Furukawa Battery Co Ltd:The | 電池電極用の集電体、それを用いたニッケル極 |
JP2006310261A (ja) * | 2005-01-14 | 2006-11-09 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 集電体、電池用電極基板及びそれらの製造方法 |
-
2007
- 2007-02-05 JP JP2007025345A patent/JP2008192446A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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JPH08203534A (ja) * | 1995-01-27 | 1996-08-09 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | ニッケルめっき不織布電極基板の製造方法 |
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JP2006310261A (ja) * | 2005-01-14 | 2006-11-09 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 集電体、電池用電極基板及びそれらの製造方法 |
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