JP2008192237A - 透明スタンパー及び透明スタンパーの製造方法 - Google Patents

透明スタンパー及び透明スタンパーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多層基板の作成を、2P樹脂を用いて中間層形成を行う場合において、基板とスタンパーを剥離した際に、スタンパー側に2P樹脂のはみ出し部分が残ってしまう課題がある。マスク露光による未硬化部分の除去を行った場合、基板との位置精度及びUV光の回り込みにより、未硬化部分の領域が狭くなる問題があった。
【解決手段】少なくとも2層以上の記録層を有する光ディスクの製造方法であって、2P樹脂を用いて中間層を形成する工程において用いられる透明スタンパーの非データ領域に遮光コートを施していることを特徴とするスタンパー及び製造方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明スタンパー及び透明スタンパーの製造方法に関する。
音声信号をデジタル信号として記録する光記録媒体として開発されたコンパクトディスク(以下、CDと略す)は、音声信号以外のデジタル信号の記録媒体として使用されている。デジタル信号を記録する媒体は、パーソナルコンピューターのバックアップ、画像記録等の要求により、CDの外形寸法を変えることなく、更なる、記録密度の向上が求められ、デジタル多用途ディスクが開発された。デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc)は、以下、DVDと略す場合がある。
しかしながら、テレビの高精細化およびデジタル化に伴い、外形寸法(直径120±0.3mm)を変えることなく、更なる、高密度化が要求されている。
高密度化の手法には、記録層を多層化する方法と記録密度を高くする方法とがある。
一般に、光ディスクの記録密度は、記録再生光学系のレーザー光の波長λ及び対物レンズの開口数NAに大きく依存する。即ち、信号再生可能な記録ピットの空間周波数は2NA/λ程度となる。そのため、短波長技術や高NA化技術を用いた高記録密度化の研究が盛んに行われている。例えば、CDでは記録再生用のレーザー光の波長が780nm、レンズの開口数が0.45で700MBであったが、DVDではレーザー光の波長が650nm、レンズの開口数が0.6となっている。この結果、DVDは、単層で、4.7GB、2層構造では8.7GBの記録容量となっている。
DVDの容量を更に拡大するため、記録再生光学系のレーザー波長を405nmに短波長化し開口数を0.85にした、Blu−ray DISK(登録商標)(以下、BDと略す)が開発された。
BDは、記録層が2層の媒体がすでに市販され、更なる高集積化を目指した4層以上のメディアの開発も進んでいる。BDは、単層で25GB、2層構造で50GBの記録容量を持っている。
2層以上の記録層を有するBD用の多層光記録媒体は、様々な製造方法が提案されており、その中でも一般的に行われているのがフォトポリマー(2P)法を用いた製造方法(特許文献1等参照)である。
従来から行われているフォトポリマー(2P)法を用いたBDの製造方法を、図2を用いて説明する。
(1)凹凸状の信号パターン(以下、凹凸パターンと略す)を有する有機樹脂製の基板1を、Ni製のスタンパー14を用いて射出成形で作成する。
(2)上記凹凸パターン上に目的とする記録膜4を形成する。
(3)2層目となる凹凸パターンを形成するための有機樹脂製の透明スタンパー2を、Ni製のスタンパーを用いて射出成形する(図示せず)。その後、記録膜上に2P樹脂3を塗布した後、透明スタンパー2を2P樹脂3上に貼り合わせた後、2P樹脂3を硬化することによって、2層目の凹凸パターンが中間層6に形成される。
(4)透明スタンパー2を剥離する。
(5)中間層6上に、目的とする記録膜5を形成する。
(6)その後、有機保護膜7を形成する事で多層光記録媒体37となる。
この製造方法では、透明スタンパー2が有機樹脂製であることから、剥離時に透明スタンパー2の凹凸パターンにダメージが入るので、透明スタンパー2は、一回毎に使い捨てである。同時に中間層6が±2μmと高い膜厚精度が必要となるが、有機樹脂製の透明スタンパーではこの膜厚精度を維持することが困難な場合があった。そのため本発明者は使用する透明スタンパー2に、より平坦性が高く、再使用を可能としたガラスを用いることで検討を行っている。
特開2000−228038号公報 特開昭63−074140号公報 特開昭63−047194号公報
本発明者らが検討を行っているガラス製透明スタンパー2(以下、透明スタンパー2と称す)は、剥離の為のきっかけをより行いやすくするため、基板より大きな外形寸法を用いている。そのため基板1と透明スタンパー2を剥離する際に、スタンパー側に基板1の外周端部よりはみ出た2P樹脂3が残ってしまう問題があった。それにより透明スタンパー2上に残った2P樹脂3がバリとなり、透明スタンパー2を再使用して中間層6の形成を行う時、基板1と精度良い貼り合わせができなくなる不具合が発生していた。この問題点を解決するため、以下に示す2点の検討を行った。
<第1の検討>
基板1外周端部の2P樹脂3はみ出しを除去する方法は多くの提案がなされている。その中でも硬化前に処理を施す方法が特許文献1及び2等に開示されている。開示されている内容は、硬化前に、2P樹脂3のはみ出た部分をバキュームにより吸い取る方法や、エアーにより吹き飛ばす方法、またはみ出た部分をふき取る方法である。
しかしこれらの開示された方法は、同じ寸法の基板同士を貼り合わせる、もしくは、基板単体の外周端部を拭くことしか考慮されていない。本発明者らが検討している、サイズの違う基板を貼り合わせ状態では、外形の大きな透明スタンパー上のはみ出しに関して何ら効果がないことが判明した。上述のはみ出しを除去する方法は、基板とスタンパーのサイズが同寸であることを前提としているため、吹き飛ばしの場合はどのような形状のノズルを用いても、2P樹脂がスタンパー上を移動はするがスタンパー上から除去する事はできなかった。バキュームにより吸い取る方法では、基板端部あるいはスタンパー外周面へ直接接触しなければ効果が得られず、偏芯精度を悪くする要因となった。
<第2の検討>
本発明者は上記、既知の方法ではなく2P樹脂3のはみ出し部分を硬化させずに必要部分を硬化させた後、未硬化部分の除去を行う方法を主に検討を進めた。
重ね合わせた基板の上にマスクとなる遮光金属板を設置し、UV照射を行い基板の外周端部を未硬化状態にすべく検討を行った。遮光金属板が設置されUV光が照射されない部位の2P樹脂3は硬化していないため、UV照射後に高速スピンを例えば3000rpmで5秒間行うことで除去できる。透明スタンパーを剥離後、基板の内側の未硬化樹脂および剥離後の透明スタンパー2の内側の未硬化樹脂を、図示しないバキューム装置により吸い取った。
この結果、基板および透明スタンパー2上の硬化していない2P樹脂3の除去は可能であった。一方、マスクと基板の横方向の位置精度、あるいはマスクの高さ方向の位置精度によって未硬化部分が著しく変動する結果となった。これはマスクと2P樹脂までの位置精度を再現良くできていなかった為である。またUV光源側にマスクを設置し未露光部を形成することも試みた。この場合も、UV装置と貼り合わせ状態の基板の位置精度、UVランプと基板との高さ位置精度及び、基板とマスクとの横方向の位置精度をミクロンオーダーでより細かく制御することが必須である。どちらの製造方法を用いるにも、現有の製造ラインに投入するには、より投資を強いる事になり、コスト上昇の要因となる。
上記の如く、現有設備のままでマスク露光を用いた2P樹脂のはみ出しを抑制する、またはみ出した部分を除去する事に関して、有効な手段を得ることができなかった。
更に、2P樹脂を用いて中間層を形成する多層光記録媒体の製造方法では、中間層形成後の透明スタンパー表面への2P樹脂の残りが問題となっている。改善するためにマスク露光法を用い、未露光部分の除去方法を検討したが、2P樹脂のはみ出し抑制あるいは除去、剥離に関して有効な手段を得ることができなかった。
上記課題を解決するため、本発明は、複数の記録層を有する光記録媒体の製造に用いられる凹凸状の信号パターンが形成されたデータ領域と、データ領域の内側および外側に形成された非データ領域とからなる再使用可能な透明スタンパーであって、透明スタンパーの外径が、透明スタンパーを用いて形成する基板の外形よりも大きく、少なくともデータ領域の外側に形成された非データ領域がUV光を透過しない領域であることを特徴とする透明スタンパーである。
更に、複数の記録層を有する光記録媒体の製造に用いられる再使用可能な透明スタンパ−の製造方法であって、透明な基板の一方の面に信号パターンとなる凹凸パターンを形成しデータ領域を形成する工程と、少なくともデータ領域の外側に形成された非データ領域にUV光を透過させない領域を形成する工程とを有し、透明な基板の外形が、光記録媒体となる基板の外形よりも大きいことを特徴とする透明スタンパーの製造方法である。
透明スタンパー表面の非データ領域に遮光コートを形成することで、スタンパー外周部からはみ出た2P樹脂が未硬化となり、除去を簡易に行うことができる。この結果、透明スタンパー表面に2P樹脂が残らないことを可能としたものである。このために、中間層の形成を簡素化でき且つ生産ラインを従来と変わらない構成で可能とした。
本発明は、光記録媒体となる基板よりも外形が大きい透明スタンパーの凹凸状の信号パターンが形成された領域よりも少なくとも外側の領域に中間層となる2P樹脂を硬化させるUV光を遮光する領域を形成する。2P樹脂を硬化させるUV光を遮光する領域は、中間層となる2P樹脂を硬化させるUV光を遮光する膜(以下、遮光コートと称する)を透明スタンパー上に形成することで容易に得ることができる。
遮光コートが形成された領域は、UV光(以下、単に光と称する場合がある)を透過しない領域(波長315nm以上400nm以下のUV光の透過率が1%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましい)となる。遮光コートが形成された領域は、凹凸状の信号パターンと重なり合わないように信号パターンが形成された領域から離間して形成する必要がある。
以下、凹凸状の信号パターンが形成された領域をデータ領域、該データ領域よりも内側の領域および外側の領域を非データ領域と称する。凹凸状の信号パターンと遮光コートとの重なりを避けるため、データ領域は凹凸状の信号パターンが形成された領域よりも外側および内側の領域を含むものとする。遮光コートが形成されている場合、遮光コートが形成されている領域を非データ領域と称する。
透明スタンパーに形成された遮光コートにより、透明スタンパーを2P樹脂に貼り合わせた後、2P樹脂を硬化させる光が遮光される。この結果、透明スタンパーの少なくともデータ領域よりも外側にはみ出した2P樹脂が、2P樹脂を硬化させる光から遮光されるため、硬化せず、未硬化の状態を維持する。このため、透明スタンパー上にはみ出した2P樹脂を簡単に除去することができることを見いだした。
遮光コートは、更に、データ領域よりも内側の非データ領域に形成しても良い。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に用いた凹凸パターン形成用メタルスタンパーの製造方法を、図7を用いて説明する。番号は各工程に付したものと一致する。
(1)原盤ガラス42を洗浄した。
(2)洗浄された原盤ガラス42上にスピン塗布によってフォトレジスト41を塗布した。
(3)レーザー光43によって所定の凹凸パターンの露光を行った。露光は回転テーブルにより原盤ガラスが角速度一定或いは線速度一定で回転し、光源となるレーザーを原盤ガラスに照射する落射ミラー部が一定速度でスライドする移動光学台を有した、露光装置を用いた。
(4)露光部44を現像し、原盤ガラス42上に凹凸パターンを形成した。
(5)凹凸パターン表面にニッケル導電膜45をスパッタにより形成した。
(6)ニッケル電鋳を行い、電鋳層46を形成した。電鋳時の厚さは0.3mmとし、全面裏面研磨を行った。
(7)原盤ガラスから電鋳層46の剥離を行う。その後、内外形を所望の形状に形成することで、所定の凹凸パターンを形成したスタンパー14を作製した。
続いてメタルスタンパーを用いて支持基材となる基板1を、射出成形法を用いて作成した。
射出成形に係る作成方法を、図3を用いて説明する。
図3(1)は、射出成形に用いる成形金型の断面図を模式的に表したものである。金型全体は、可動側金型11、固定側金型10で構成されている。成形金型内部にインナースタンパー押さえ12と可動側金型11に組み込まれているエアー吸着によって、スタンパー14が保持されている。基板材料としてはポリカーボネート樹脂(以下、PC樹脂と略す)が主に用いられる。その他の材料としては、アモルファスポリオレフィン系材料や、PMMA(ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂)等の熱可塑性樹脂を用いる事が可能である。
図3(2)で金型が閉じた状態となり、図示しないシリンダーの内部でヒーターによりPC樹脂15が加熱溶融される。通常は250℃から400℃未満で使用され、設定された温度に常に一定になるようヒーターによって調節されている。
成形金型は循環媒体によって、使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点近傍の温度:PC樹脂の場合で90℃から140℃の間で、一定になるよう常に温調機によって調整されている。(図示せず。)スタンパー14は可動側に設置されている。
図3(3)は、シリンダー内部のスクリュー(図示せず。)によって加熱溶融したPC樹脂15が極めて短時間で流路18を通り、成形金型内部に充填された状態を示す図である。充填量は、必要とする基板の体積でありスクリューの移動量で決まる。流れ込んだPC樹脂15は溶融温度と成形金型内部の温度差によって固化が始まる。金型全体に流れ込むとほぼ同時に成形金型全体に圧力をかける。
ある一定時間加圧保持する事で、スタンパー14表面の凹凸形状が転写される。このときの、成形金型温度、加圧圧力、加圧保持時間によって基板の反り量及び光学特性が決定する。
図3(4)で成形金型を開き、図示しない取り出し用ロボットアームによって基板1を取り出す。このとき、成形金型の開状態が長くなると、成形金型温度が不均一になり次の基板成形に支障が起る事からすばやく取り出し、成形金型を閉める必要がある。
取り出し用ロボットアームによって取り出された基板1は、ストッカーと呼ばれる基板保管場所へ移動する。このときも同様にロボットアームによって保管場所へ移動する。また同時に、不要となるスプルー21を廃棄する(図3(5)参照)。基板1の保管形態としては、マガジンあるいはポールストッカーであり、何れかの形で基板1が保管される(図示せず)。
続いて基板1の記録面に成膜装置を用いて記録膜を形成する。
成膜装置において記録膜がスパッタリング法等によって、基板1上のパターン形成面に成膜される(図示せず)。成膜法については他に蒸着法、CVD法、スピン塗布法なども考えられ、各々の生産工程、生産装置及び生産する記録媒体に最適な方法であれば良く特に限定されるものではない。
光記録媒体の用途として大きく3つに分けられ、夫々に適した成膜を行う。
<書き換え可能光記録媒体>
複数回記録消去が可能な光記録媒体に用いられる材料として、Te、In、Ga、Sb、Se、Pb、Ag、Au、As、Co、Ni、Mo、W、Pd、Ti、Bi、Zn、Si等の材料の少なくとも1種類以上からなる合金等などが幅広く一般的に知られている。それ以外にも光磁気記録材料としてTb、Fe、Co、Cr、Gd、Dy、Nd、Sm、Ce、Ho等の材料の少なくとも1種類以上からなる合金、希土類−遷移金属合金が多く用いられている。これらの材料は、上記以外にもすでに多くの材料が公知の技術として存在する。
<追記型光記録媒体>
一度だけ記録ができる光記録媒体に用いられる材料として、シアニン系やフタロシアニン系やアゾ系などの有機色素系の材料を記録膜として用いることができる。すでに多くの材料が公知の技術として存在する。また、スパッタリング法を用いた、無機系材料と呼ばれる記録材料も数多く存在し、既に公知の技術として知られている。
<再生専用記録媒体>
AlやAl合金、あるいはSiやSiN及びAgやAg合金などが用いられており、すでに多くの材料が公知の技術として存在する。
複数の記録層を形成するために用いる、透明スタンパーを準備する。透明スタンパーの製造方法としては以下に挙げる2つ方法がある。
以下、図8を用いながら透明スタンパーを製造する第一の方法を説明する。
フォトレジストによりパターニングされた原盤ガラスを、リアクティブ イオン エッチング法(以下、RIE法と略す)を用いたドライエッチングを用いて作成する。メタルスタンパーの製造方法とほぼ同じ工程を有するが、原盤ガラスにガラスを用い、フォトレジスト上に形成された凹凸パターンをマスクとしてCF4ガスあるいはCHF3等のフッ素系ガスを用いてガラス原盤をエッチングする方法である。
(1)原盤ガラス42を洗浄した。
(2)洗浄された原盤ガラス42上にスピン塗布によってフォトレジスト41を塗布した。原盤ガラス42としてもちいられる材料は、石英ガラスが用いられる事が一般的であるが、その他にもソーダライムガラス、無アルカリガラス、低アルカリガラスなどSiO2を主成分として含まれるガラスであれば構わない。しかしながら、RIE時にフォトレジストとの選択比がより大きく取れ、且つ、UV光の透過率が高い石英ガラスを用いることが、より好ましい。合成石英ガラスの場合、315〜400nmの波長のUV光に対し、膜厚1mm〜30mmの範囲で90%以上の透過率が得られる。また透明スタンパー2として使用するため精度の高い偏芯調整を行う必要性がある。そのため中心穴、ピン或いはアライメントマーク等、調芯機構と同調できる機能を有する事がより好ましい。中心穴を調芯機構に用いる場合は、貼り合わせる基板に用いられる中心穴との寸法の関係は、特に限定されるものではないが、はみ出した樹脂の除去を考慮した場合、中心穴径は透明スタンパーと基板で同寸、もしくは透明スタンパー側の中心穴径が小さい方が好ましい。はみ出した樹脂を硬化させない点では、透明スタンパー側の中心穴径が小さい方がより好ましい。
(3)フォトレジスト41上にレーザービーム43によって信号パターンとなる所定の凹凸パターンの露光を行った。露光は回転テーブルにより原盤ガラス42が角速度一定或いは線速度一定で回転し、光源となるレーザーを原盤ガラスに照射する落射ミラー部が一定速度でスライドする移動光学台を有した、露光装置を用いた。
(4)その後、現像を行い、原盤ガラス42上に凹凸パターンを形成した。
(5)凹凸パターン形成後の原盤ガラス42を、ドライエッチング装置のチャンバー内に設置し、真空雰囲気にする。この時の到達圧力は、2.0×10-4Paであった。
その後チャンバー内に、CF4あるいはCHF3等のフッ素系ガスを導入し、エッチングを行う。このときのガス圧力は、7.0Paである。ガス流量は50sccmである。投入パワーは150Wである。エッチング時間は2分とした。使用するガスは特に限定するものではなく、CF4、CHF3、CF4+H2の混合ガスなど用いることが可能であり、目的に応じて選択することが可能である。
原盤ガラス42をドライエッチング装置から取り出した。
(6)原盤ガラス42表面に残留する、フォトレジスト41を有機溶剤あるいはドライプロセスなどを用いて除去する。このようにして、透明ガラススタンパー2が得られた。
続いて透明スタンパーを製造する第二の方法を説明する。
透明スタンパー2作成のためのレジスト材料に、熱により結晶と非結晶の相変化を起こす事でアルカリ性溶液に対するエッチングレート差を生み、それによって凹凸パターンを形成しスタンパーとするPTM(フェーズ トラヂション マスタリング)法である。従来のスタンパー製造工程をより簡易にでき、透明スタンパー2を作成することが可能である。
原盤としてもちいられる材料としては、板厚の均一性、表面の平坦性及び表面荒さの優れた材料がより好ましい。透明スタンパー2として、硬化用UV光源の波長に対して、透過率が高い材料が好ましい。また後工程として、現像液にアルカリ性溶液を用いるため、アルカリへの耐食性が高い材料が好ましい。
この様な特性を満足させるガラス材料として、SiO2を主成分とするガラスであれば構わないが、上述のUV波長の透過率が高い石英ガラスを用いることが、より好ましい。
PTM法の場合、レジスト材料からなるPTM膜にパターンが形成されている。PTM膜が剥離兼パターン層を形成しているので、ガラス以外の材料として、樹脂であってもかまわない。この場合、PC樹脂に代表される熱可塑性樹脂であっても構わないが、アモルファスポリオレフィン材料やコオレフィンポリマー材料などがUV波長の透過率が高いことから、より好ましい。
特に限定するものではないが、また精度の高い偏芯調整を行う為に、中心穴、ピン或いはアライメントマーク等、調芯機構と同調できる機能を有する事がより好ましい。
以下、図9を用いて製造方法を説明する。
(1)ガラス原盤42を洗浄した。
(2)洗浄された原盤ガラス42にスパッタリング法によってレジスト48を形成した。
レジスト48として用いられる材料としては、熱により結晶/非結晶の相変化を示す材料が使われる。具体的にはTe、In、Ga、Sb、Se、Pb、Ag、Au、As、Co、Ni、Mo、W、Pd、Ti、Bi、Zn、Si等の材料の少なくとも1種類以上からなる合金、あるいは酸化物等などが幅広く一般的に知られている。すでに多くの材料が公知の技術として存在するが、透明スタンパー2として用いるため、硬化用UV光源の波長に対して、透過率が高い材料が好ましい。また後工程として現像液にアルカリ性溶液を用いる場合、露光部・未露光部でアルカリ性溶液に対して選択比が大きく取れる材料が好ましい。形成する膜厚は、硬化用UV光源の照射エネルギーが、中間層を形成する2P樹脂を硬化させるに十分な透過率を有する事が好ましい。また図9での説明においては、ネガ型のレジストによる挙動を示すものであるが、露光部が可溶性となるポジ型であっても一向に構わず、用いる透明スタンパーの凹凸形状が必要となる凹凸形状であればどちらであっても、一向に構わない。
実施例のPTM法を用いた透明スタンパーには、WOxを用いた。
また、レジスト48上の露光エネルギーの熱的拡散を抑制するための、有機膜や薄膜を原盤42とレジスト48の間あるいは、レジスト48上に形成することが好ましい。
レジストの形成方法として、スパッタリング法以外にも、蒸着法、CVD法等選択することも可能であり、特に指定するものではない。
(3)レーザービーム43によって信号パターンとなる所定の凹凸パターンの露光を行った。露光は回転テーブルにより原盤42が角速度一定或いは線速度一定で回転し、光源となるレーザー43を原盤42に照射する落射ミラー部が一定速度でスライドする移動光学台を有した、露光装置を用いることができる。
(4)その後、アルカリ現像を行い、原盤ガラス42上に凹凸パターンを形成し、透明スタンパー2を得ることができる。
上記の如く得られた透明スタンパー2の非データ領域23に遮光コート24を施す。
図1は、本発明による透明スタンパーの模式図である。図1(1)は透明スタンパー2の概略図で、俯瞰図と断面図とが示され、図1(2)は、透明スタンパー2の断面の詳細図である。
透明スタンパー2は、中央部に、開孔が形成された円形をしている。凹凸パターン(不図示)の形成されたデータ領域22の外側と内側とには、非データ領域23が設けられている(図1(1)参照)。
図1(2)に示されるように、非データ領域23に遮光コート24が形成されている。遮光性をより高めるため遮光コートと信号パターンとなる凹凸パターンとは同じ面に設けることが好ましい。2P樹脂3と接触する凹凸パターンを有する面に遮光コート24が形成されていると透明スタンパー2に用いる基板の厚さに起因する光の漏れが生じない。2P樹脂3を硬化させる光は、遮光コート24により遮光され、遮光コート24と接する2P樹脂3を未硬化状態にすることができる。
図1(2)では、遮光コート24は、透明スタンパーのデータ領域22の外側と内側との非データ領域23に形成しているが、遮光コート24は、少なくともデータ領域22の外側に形成されていることが好ましい。透明スタンパーのデータ領域の外側の非データ領域に遮光コート24を形成することで、2P樹脂を硬化させるための光が遮光され、2P樹脂を硬化後も基板外周端部よりはみ出た2P樹脂は未硬化状態であるので、容易に除去することができる。
データ領域22の内側及び外側の非データ領域に遮光コート24を形成すると、データ領域のみに2P樹脂を形成することが可能である。
尚、図示していないが、信号パターンとなる凹凸パターンは、データ領域中に非データ領域から離間して形成されている。この結果、信号パターンと遮光コート24とが重なり合うことはない。
遮光コート24の膜厚は、中間層の膜厚に影響を与えないために、2P樹脂の膜厚(2層記録媒体の場合25μm)以下であることが好ましく、2P樹脂の膜厚が25μmの場合、10μm以下にすることがより好ましい。膜厚の下限は材料により異なるが、2P樹脂を硬化させるために照射される波長315nm以上400nm以下のUV光の透過率が1%以下になる厚さであれば良い。
遮光コート24は、スパッタリング法、スピン塗布法、スプレー塗布法等さまざまな方法を用いることが可能である。遮光コート24に用いる材料は、UV光の波長を遮光することのできるものであれば特に限定されるものではない。遮光性を有しかつ2P樹脂と非粘着性や容易な剥離性を有する薄膜を形成することがより好ましい。スパッタリング方式として用いられる材料としては、Si系薄膜や合金等を挙げることができる。合金の構成材料は光を遮光すれば良く特に制限されない。例えば、Mg、Al、Ti、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ag、Pt、Au等である。これらのうち、上記の特性を持つ材料として、Al、Au、Ag、Cu又はこれらの合金(AlとTa、Ti、Cr、Siとの合金等)などの金属材料が好ましく用いられる。
スピン塗布法、及びスプレー塗布法に用いる材料は、2P樹脂を硬化させるUV光を遮光すればよく特に制限されないが、上記特性を持つ材料として、フッ素系樹脂を用いることがより好ましい。また遮光コートの形成方法としては、各々の遮光コート形成方法に適したマスクを準備することで、必要と判断される部分に容易に形成することが可能である。図11を用いて各方式における遮光コートの形成方法を説明する。
図11(1)は、遮光コートを形成しない領域を、マスクを用いて遮蔽し、その後、遮光コートとなる材料を遮蔽されていない領域に形成するものである。この方法は、スパッタリング法およびスプレー法に適用することができる。
図11(1)−1は、データ領域の外側の非データ領域に遮光コートを形成するものである。データ領域の内側の非データ領域およびデータ領域を、マスクを用いて遮蔽する。
マスクは、スタンパー2の中心穴と勘合させることでマスクの外周囲の位置が決められる。信号パターンは、規格から中心から58mmの位置を超えて形成されることはないので、マスクの外周囲が58mmよりも外側になるように寸法を設定すれば良い。
スタンパーにマスクを載置後、スパッタ法あるいはスプレー法を用い、遮光コートを形成する。
マスクを用いてデータ領域の内側にも遮光コートを形成する場合は、図11(1)−2に示すように、データ領域とデータ領域の外側の非データ領域をマスクで遮蔽し、その後、遮光コートとなる材料を遮蔽されていない領域に形成すれば良い。マスクはスタンパー外周囲と勘合させることでマスクの内周囲端部の位置が決められる。信号パターンは、規格から中心から23.8mmの位置よりも内側には形成されないので、マスクの内周囲が23.8mmよりも内側になるように寸法を設定すれば良い。
スプレー塗布法を用いる場合は、スタンパーを回転させながらノズルから遮光コート材となる溶液をスプレーしても良い。
スピン塗布法を用いる場合は、図11(2)に示すように、スタンパーを回転させ、スタンパーのデータ領域よりも外側に、遮光コートの材料となる溶液を滴下すればよい。スタンパーが回転しているので、回転の遠心力により、滴下された溶液は、滴下された位置よりも内側には広がらないので、スタンパーに回転中心と溶液を滴下するノズルの位置を正確に合わせることで達成される。スタンパーの回転中心は、例えば、スタンパーを載置し回転する台に開口部と勘合する円柱型の突起(不図示)を形成することで達成することができる。突起の中心が台の回転中心にと一致する様にすれば良い。
これらのマスクとして用いられる材料としては、遮光コート材料が付着する為、洗浄できる材料が好ましい。具体的には、鉄、SUS、Al等の金属材料や、テフロン樹脂、塩化ビニール等の樹脂など、用いる遮光コート材料や洗浄剤に犯されない材料であれば、どのような物であっても構わない。またその他の方法として図11(3)に示すように、データ領域を保護コート材を用いてマスキングした後、それ以外の場所を遮光コートする方法でも構わない。
本発明の光記録媒体の製造方法は、透明スタンパー2に再利用可能なガラス製のスタンパーを用いる以外は、従来技術の2P樹脂を用いた光記録媒体の製造方法とほぼ同じであるので、図2を用いて詳細に説明する。
スタンパー14を用い射出成型法を用いスタンパー14の記録パターンを基板1に転写する(図2(1))。その後、第一の記録層を形成する(図2(2))。
第一の記録層4の形成された基板1上もしくは、透明スタンパー2上に所望の膜厚の2P樹脂3をスピン塗布法によって形成する。2P樹脂3を塗布した後、基板1と透明スタンパー2の貼り合わせを行う(図2(3))。貼り合わせを行う際、基板1と透明スタンパー2のパターンの偏芯精度をより高精度に貼り合わせる必要がある。このとき2P樹脂3の塗布はどちらかでも構わず、場合によっては両方に塗布を行っても構わない。
2P樹脂3の塗布法としては、図4に示す如く、スピン塗布法(図4(a))の他に、スリットコート法(図4b))、スプレー法(図4(c))等、様々な方法を用いる事が可能であり、特に限定されるものではない。所望の範囲に均一な膜厚を得る事が可能な方法を選択すればよい。
貼り合わせた後、硬化を行う。貼り合わせ直後でUV硬化させることも可能であるが、貼り合わせ品位及び膜厚精度をより向上させるため、
1.真空貼り合わせ法(図5(a))、
2.貼り合わせた後スピン回転させる方法(図5(b))、
3.貼り合わせた後平板で加圧する方法(図5(c))等がある。
所望の方法を選択する事が可能であり、場合によってはこれらを組み合わせた工程でも構わず、特に限定されるものではない。
UV硬化を行った後、さらに高速スピンを行う。これにより遮光コート領域にある未硬化の2P樹脂3が遠心力により非データ領域から吹き飛ばされる。必要に応じて透明スタンパーの非データ領域を、バキュームによるふき取りあるいはエアーによる吹き飛ばし等の除去を行うとより効果的である。
その後基板1と透明スタンパー2を剥離する事で、基板1上に第二の記録面を有した中間層6が形成される。貼り合わせ後、用いられた2P樹脂3が十分な密着強度が得られた後、透明スタンパー2を剥離する(図2(4))。
剥離後、必要に応じて透明スタンパー2の非データ領域23を、バキュームによる吸い取りあるいはエアーによる吹き飛ばしあるいは洗浄等の除去を行うとより効果的である。一方、ミストによるスタンパー表面の汚染があるため、行う場合には細心の注意が必要である。その後、剥離された透明スタンパー2は、別の基板の中間層を形成するために、生産ラインに再投入される。
また剥離後の基板端部は、スタンパーと同様に未硬化となっているため、基板外周端部へも同様に、バキュームによる吸い取りあるいはエアーによる吹き飛ばし等の除去、あるいは再度UV照射を行い外周端部の硬化を行う。
このようにして得られた、第二の記録面を有した中間層6上に前述と同様に記録層5の成膜を行う(図2(5))。
記録層5が形成された基板は、表層にカバー層と呼ばれる有機保護層7を形成する(図2(6))。形成方法としては、フィルム貼り付け法や、スピン塗布法などを用いることが可能である。
図6は本発明に係る多層光記録媒体の作製方法にしたがって作製された多層光記録媒体37を模式的に表したものである。
基板1上に、記録膜4、2P樹脂で形成された中間層6、記録膜5及びカバー層7がこの順に形成されている。
中間層6の膜厚は必要とする膜厚に設定できる。しかし光入射面側から各層の界面や、各層を形成する材料により光の減衰が生じるため、用いる光の波長における透過率を入射面側に近い層程高めることが好ましく、各記録膜の組成や膜厚を調整して各層の記録・再生・消去に支障のない構成にすることが好ましい。
各層ごとに組成や膜厚及び成膜条件などを最適化することで、必要とする透過率と反射率の記録膜を形成することができる。
本発明では必要とされる光記録媒体に適した記録面及び記録膜材料を用いることで、特に限定するものではない。
以下、本発明の実施形態に基づき実施した結果を示す。
<実施例1>
実施形態で図2を用いて説明した製造方法に基づき2層構成の光ディスクの製造を行った。
Niスタンパーを準備し射出成形を行った。基板の材料としてはPC樹脂を用いた。
金型温度は、固定側を130℃、可動側を135℃とし、スタンパーは可動側に取り付けた。射出成型機の条件としては、PC樹脂の溶融温度は380℃とした。
Niスタンパーの凹凸パターン面には予めトラックピッチが320nmで溝深さが25nmのトラック溝形成を行っている。スタンパーを取り付けた後、上記条件で射出成形をおこない、基板を作成した。PC樹脂の充填時間は0.3secであり、充填後の型締め力は、初期200KN−第二段階180KN−第三段階195KNであり、保持時間は1.5秒であった。
凹凸パターン形状が転写された基板を成膜装置へ搬送した。成膜装置において記録膜をスパッタによって、基板の凹凸パターン上に成膜した。このようにして記録膜を形成した。
RIE法を用いて作成した、透明スタンパーを準備した。用いた原盤ガラスは、厚さ1.0mm、外径φ135mm、内径φ15mmの石英ガラスである。尚、Niスタンパー及び透明スタンパーともに凹凸パターンは、データ領域の半径位置r24mmから58mmの間に形成されている。
また、透明スタンパーの遮光コートは、スパッタリング法によりSiを透明スタンパーの凹凸パターンが形成された面の半径位置r58.5mmより外周側に、100nmの膜厚で形成した。
基板と透明スタンパーの貼り合わせを行った。貼り合わせに用いた2P樹脂の材料はUV硬化型樹脂であるMD−500:日本化薬製を用いた。中間層は基板側に25μmとなる条件で塗布を行った後、貼り合わせを行ったが、透明スタンパー側で有っても特に問題は無い。貼り合わせ時に、偏芯合わせは中心穴を用いて芯合わせを行った。貼り合わせ後、真空貼り合わせ装置内でUV照射によって硬化を行い、取り出した後、スピンコーターにより高速スピンを3000rpmで5秒間行った。その後透明スタンパーを剥離した。剥離により形成された基板に再度UV照射を行い、外周端部の硬化を行った。その後、記録層上に記録膜を形成した。有機保護層となる75μmのポリカーボネート製フィルムを記録層上に張り、2層の記録媒体を作成した。
完成した2層構成の光記録媒体から信号の再生を行ったが各層において支障なく信号の再生ができた。
また、剥離後すぐに生産ラインに再投入した透明スタンパーを使用したが、特に問題なく使用でき、そこから生産された光記録媒体も支障なく信号の再生ができた。
<実施例2>
実施例1と同様に多層構成光ディスクの製造を行った。実施例2を、図10を用いて説明する。
(1)実施例1と同様のRIE法を用いて作成した透明スタンパー2を準備した。遮光コート24は、スパッタリング法によりSiを透明スタンパー2の凹凸パターンが形成された面の半径位置r8.5mmより内周側と、r58.5mmより外周側に、100nmの膜厚で形成した。
(2)作成された透明スタンパー2へ、2P樹脂3の膜厚平坦性を確保する為、内周側にセンターキャップ29を使用したスピン塗布法で行った。この場合センターキャップ29を取り除いた後で、キャップエッジ部に盛り上がりを形成しやすく、それにより2P樹脂の流動性により貼りあわせ後、内周部にはみ出しを生じやすくなることから、内周側にも遮光コート24を形成した。本実施例では、透明スタンパー2側に、スピン塗布を行ったが、特に限定するものでは無い。基板1側にスピン塗布を行う場合も同様に、キャップエッジにより形成された盛り上がり部分が、2P樹脂3の流動性により内周側へはみ出しを生じやすくなることから、内周側にも遮光コートを形成した。
(3)基板1と透明スタンパー2の貼り合わせを行った。このとき各々の2P樹脂3の膜厚は、互いを貼りあわせ、UV硬化した後中間層となる膜厚になるよう、塗布量を調整した。
貼り合わせ時に、偏芯合わせは中心穴を用いて芯合わせを行った。貼り合わせ後、真空貼り合わせ装置内でUV光源ランプ26を用いUV照射によって2P樹脂3の硬化を行い、取り出した後、図示しないスピンコーターにより3000rpmの高速スピンを5秒間行った。その後透明スタンパー2を剥離した。
(4)剥離により形成された基板1の内周未硬化樹脂を、図示しないバキューム装置により吸い取った。その後基板1を、再度UV照射を行い、内周部及び外周端部の硬化を行った。
(5)その後、記録層5上に記録膜を形成した(図示せず)。その後、有機保護層7となる75μmのポリカーボネート製フィルム7を記録層上に張り、2層の記録媒体を作成した。
完成した2層構成の光記録媒体から信号の再生を行ったが各層において支障なく信号の再生ができた。
また、剥離後の透明スタンパー2の内周未硬化樹脂をバキューム装置で吸い取った。
その後、生産ラインに再投入した透明スタンパー2を使用したが、特に問題なく使用でき、そこから生産された光記録媒体も支障なく信号の再生ができた(図示せず)。
<実施例3>
実施例1と同様に多層構成光ディスクの製造を行った。
実施例2と同様に内周側にも、遮光コートを形成した、RIE法を用いて作成した透明スタンパー2を準備した。
作成された透明スタンパーあるいは、基板1に第一段階のスピン塗布を行い、基板と透明スタンパーを重ね合わせてから、第二段階のスピンを行った後にUV硬化を行った。
実施例2と同様に、貼りあわせ時に未硬化の2P樹脂の流動性により、内周側もはみ出しが発生しやすくなるため、透明スタンパーの内周側にも遮光コートを形成した。
完成した2層構成の光記録媒体から信号の再生を行ったが各層において支障なく信号の再生ができた。
また、剥離後の透明スタンパー2も基板1と同様に内周未硬化樹脂をバキューム装置で吸い取った。
その後、生産ラインに再投入した透明スタンパー2を使用したが、特に問題なく使用でき、そこから生産された光記録媒体も支障なく信号の再生ができた。
<実施例4>
PTM法を用いて作成した透明スタンパーを用いた以外は、実施例1と同様の方法で多層構成光ディスクの製造を行った。ガラス原盤の材料としては石英ガラスを用いた。
完成した2層構成の光記録媒体から信号の再生を行ったが各層において支障なく信号の再生ができた。
また、剥離後すぐに生産ラインに再投入した透明スタンパー2を使用したが、特に問題なく使用でき、そこから生産された光記録媒体も支障なく信号の再生ができた。
<実施例5>
実施例1と同様に多層構成光ディスクの製造を行った。
遮光コート24として、スパッタリング法により銀合金を100nm形成した以外は実施例1と同等の透明スタンパーを用いて作成した。
完成した2層構成の光記録媒体から信号の再生を行ったが各層において支障なく信号の再生ができた。
また、剥離後すぐに生産ラインに再投入した透明スタンパー2を使用したが、特に問題なく使用でき、そこから生産された光記録媒体も支障なく信号の再生ができた。
<実施例6>
実施例1と同様に多層構成光ディスクの製造を行った。
透明スタンパー2はPTM法を用いて作成し、実施例5と同様にスパッタリング法により銀合金を100nm形成した。
完成した2層構成の光記録媒体から信号の再生を行ったが各層において支障なく信号の再生ができた。
また、剥離後すぐに生産ラインに再投入した透明スタンパー2を使用したが、特に問題なく使用でき、そこから生産された光記録媒体も支障なく信号の再生ができた。
<実施例7>
実施例1と同様に多層構成光ディスクの製造を行った。
尚、遮光コート24に、フッ素系樹脂をスピン塗布により形成した以外は実施例1と同等の透明スタンパー2を用いた。
用いたフッ素系樹脂は、テフロンS(デュポン社製)を用いた。粘度を専用シンナーにより調整後スピンコーターにより非データ領域23である、透明スタンパーの半径位置r58.5mmより、外周側にスピン塗布した。粘度及びスピン塗布の条件は、ベーク後の最終的な膜厚が8μmになるよう設定した。塗布後、焼成のため160℃で20分ベークした。その後は実施例1と同様に2層構成の光記録媒体を作成した。
完成した2層構成の光記録媒体から信号の再生を行ったが各層において支障なく信号の再生ができた。
また、剥離後すぐに生産ラインに再投入した透明スタンパー2を使用したが、特に問題なく使用でき、そこから生産された光記録媒体も支障なく信号の再生ができた。
<実施例8>
実施例1と同様に多層構成光ディスクの製造を行った。
透明スタンパー2は、実施例4と同様にPTM法を用いて作成し、遮光コート24には、実施例7と同様にフッ素系樹脂をスピン塗布により形成した。
完成した2層構成の光記録媒体から信号の再生を行ったが各層において支障なく信号の再生ができた。
また、剥離後すぐに生産ラインに再投入した透明スタンパー2を使用したが、特に問題なく使用でき、そこから生産された光記録媒体も支障なく信号の再生ができた。
<実施例9>
実施例1と同様に多層構成光ディスクの製造を行った。
透明スタンパー2は実施例1と同様にRIE法を用いて作成し、遮光コート24は、実施例7と同じフッ素系樹脂をスプレー塗布により形成した。実施例7と同様にフッ素系樹脂の粘度を専用シンナーにより希釈後、透明スタンパー2上のデータ領域にマスキングを施した後、スプレーガンにより塗布を行った。
その後実施例7と同様の処理を施した。
完成した2層構成の光記録媒体から信号の再生を行ったが各層において支障なく信号の再生ができた。
また、剥離後すぐに生産ラインに再投入した透明スタンパー2を使用したが、特に問題なく使用でき、そこから生産された光記録媒体も支障なく信号の再生ができた。
<実施例10>
実施例1と同様に多層構成光ディスクの製造を行った。
透明スタンパー2は実施例4と同様にPTM法を用いて作成し、遮光コート24は、実施例9と同様にフッ素系樹脂をスプレー塗布により形成した。
完成した2層構成の光記録媒体から信号の再生を行ったが各層において支障なく信号の再生ができた。
また、剥離後すぐに生産ラインに再投入した透明スタンパー2を使用したが、特に問題なく使用でき、そこから生産された光記録媒体も支障なく信号の再生ができた。
本発明における透明スタンパーの模式図 2P法による多層光記録媒体の製造工程の模式図 本発明の射出成形工程模式図の一例 本発明の2P樹脂塗布工程模式図の一例 本発明の貼り合わせ工程模式図の一例 本発明の多層構成光記録媒体の模式断面図 凹凸パターン形成用スタンパー製造方法の模式図 RIE法透明スタンパー製造方法の模式図 PTM法透明スタンパー製造方法の模式図 実施例2における製造方法の模式図 本発明、遮光コートの形成方法の模式図の一例
符号の説明
1 凹凸パターンを有する基板
2 透明スタンパー
3 2P樹脂
4 記録膜(L0)
5 記録膜(L1)
6 中間層
7 有機保護層
10 固定側金型
11 可動側金型
12 インナースタンパー押さえ
14 スタンパー
15 PC樹脂
16 データエリア
17 クランプエリア
18 PC樹脂流路
21 スプルー
22 データ領域
23 非データ領域
24 遮光コート
25 スタンパー断面図
26 UV光源ランプ
27 石英ガラス
28 真空張り合わせ装置
29 センターキャップ
37 多層構造光記録媒体
41 フォトレジスト
42 原盤ガラス
43 レーザー光
44 露光部
45 ニッケル導電膜
46 電鋳層
47 RIE
48 PTM用フォトレジスト

Claims (9)

  1. 複数の記録層を有する光記録媒体の製造に用いられる凹凸状の信号パターンが形成されたデータ領域と、前記データ領域の内側および外側に形成された非データ領域とからなる再使用可能な透明スタンパーであって、
    前記透明スタンパーの外径が、前記透明スタンパーを用いて形成する基板の外形よりも大きく、
    少なくとも前記データ領域の外側に形成された前記非データ領域がUV光を透過しない領域であることを特徴とする透明スタンパー。
  2. 前記データ領域の内側に形成された非データ領域が、更に、UV光を透過しない領域であることを特徴とする請求項1に記載の透明スタンパー。
  3. 前記透明スタンパーの前記UV光を透過しない領域は、前記信号パターンが形成された側にUV光を透過しない材料が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の透明スタンパー。
  4. 前記透明スタンパーの材料が、ガラスである事を特徴とする請求項1に記載の透明スタンパー。
  5. 複数の記録層を有する光記録媒体の製造に用いられる再使用可能な透明スタンパーの製造方法であって、
    透明な基板の一方の面に信号パターンとなる凹凸パターンを形成しデータ領域を形成する工程と、
    少なくとも前記データ領域の外側に形成された非データ領域にUV光を透過させない領域を形成する工程とを有し、
    前記透明な基板の外形が、前記光記録媒体となる基板の外形よりも大きいことを特徴とする透明スタンパーの製造方法。
  6. 前記UV光を透過させない領域が、前記信号パターンが形成された面に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の透明スタンパーの製造方法。
  7. 前記UV光を透過させない領域を形成する工程が、
    前記データ領域と前記データ領域の内側に形成された非データ領域を遮蔽する工程と、
    その後、前記データ領域の外側に形成された非データ領域に遮光コートとなる膜を形成する工程と、からなることを特徴とする請求項5または6に記載の透明スタンパーの製造方法。
  8. 前記データ領域と前記データ領域の外側に形成された非データ領域を遮蔽する工程と、
    その後、前記データ領域の内側に形成された非データ領域に遮光コートとなる膜を形成する工程とを更に有することを特徴とする請求項7に記載の透明スタンパーの製造方法。
  9. 前記少なくとも前記データ領域の外側に形成された非データ領域にUV光を透過させない領域を形成する工程が、
    前記光記録媒体を回転させ、前記データ領域の外側にUV光が透過しない材料を滴下し、前記データ領域の外側に形成された非データ領域に遮光コートとなる膜を形成する工程と、からなることを特徴とする請求項5または6に記載の透明スタンパーの製造方法。
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