JP2008190399A - 全密閉型往復動式圧縮機 - Google Patents

全密閉型往復動式圧縮機 Download PDF

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賢治 金城
Ko Inagaki
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Abstract

【課題】圧縮流体として二酸化炭素などの高圧冷媒を使用する全密閉型往復動式圧縮機に関し、信頼性が高く、効率の良い全密閉型往復動式圧縮機を提供する。
【解決手段】吸入パイプ153を固定した密閉容器101の中に冷媒を圧縮する圧縮機構部107を収納し、ブロック113と一体に形成された圧縮室127を形成するシリンダ129内を往復動するピストン115が、クランクシャフト111の偏芯軸123と連結する連結手段117にボールジョイント133により取り付けられると共に、主軸125を軸支するアルミ系材料で構成された主軸受149が、ブロック113に主軸125の軸方向に嵌入され固定され、さらに吸入パイプ153と圧縮室127へ冷媒を導入する吸入孔135とを連結する吸入路157を形成したことにより、圧縮機の信頼性向上および効率向上が図れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、主に自動販売機などの冷凍サイクルに用いられ、圧縮対象流体として二酸化炭素などの高圧冷媒を使用する全密閉型往復動式圧縮機に関するものである。
従来、冷蔵庫や自動販売機などの冷凍サイクルにおいては、圧縮機での液圧縮を防ぐために、蒸発器と圧縮機の間にアキュムレータを設け、ガス冷媒と液冷媒を分離して圧縮機にガス冷媒のみを還流させる構成を採る。冷媒に二酸化炭素を用いた場合においても、同様にアキュムレータを使用する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の冷凍サイクルを説明する。
図6は、特許文献1に記載された従来の冷凍サイクルの冷媒回路図である。
図6に示すように、冷凍サイクル1は、圧縮機3と、ガスクーラ5と、内部熱交換器7と、膨張弁9と、蒸発器11と、アキュムレータ13とを環状に接続して構成されている。
以上のように構成された冷凍サイクル1について、以下その動作を説明する。
圧縮機3で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、ガスクーラ5で放熱し温度を下げた後、内部熱交換器7でさらに温度を下げ、膨張弁9に流入する。そして、膨張弁9で減圧され、低温低圧の液冷媒または気液混合冷媒となり、蒸発器11で気化した後、アキュムレータ13内でガス冷媒と液冷媒に分離され、ガス冷媒のみが内部熱交換器7に送られ温度を上げて、圧縮機3に還流し、再び圧縮されて吐出される。
ここで、内部熱交換器7は、ガスクーラ5から流出した冷媒と、アキュムレータ13から流出した冷媒とを熱交換させるので、蒸発器11入口の冷媒のエンタルピを下げることができ、冷却能力の向上が図れると共に、仮にアキュムレータ13から液冷媒が流出したとしても、冷媒を気化させることができるので、圧縮機3での液圧縮の発生を低減することができる。
また、一般的に冷蔵庫や自動販売機に使用されるフロン系や炭化水素系冷媒用の圧縮機は、吸入冷媒の温度が多少高くなったとしても、冷媒の特性上、吐出冷媒の温度が比較的低いことから、液圧縮を防ぐために、過熱度を十分に取ったガス冷媒を吸入する構成を採用していることが多い。
例えば、一般的に冷凍サイクルに用いられている圧縮機構部とモータ部とを低圧型の密閉容器の中に収納した全密閉型圧縮機の場合、冷凍サイクルから還流した冷媒を一旦密閉容器の中に開放し、モータ部の発熱により温められた冷媒をシリンダ内へ吸入させる。
しかしながら、吸入冷媒の温度を上げすぎると、圧縮される冷媒の密度が小さくなり、体積効率が低下すると共に、特に二酸化炭素冷媒を使用した場合は、フロン系や炭化水素系冷媒と比較して吐出冷媒の温度が非常に高くなるため、圧縮機の潤滑材が劣化するという課題があった。
そこで、これに対処する方法として、冷凍サイクルから還流した冷媒を密閉容器の中に開放せずに直接圧縮室内へ導入する圧縮機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の圧縮機を説明する。
図7は、特許文献2に記載された従来の往復動式圧縮機の縦断面図である。
図7に示すように、従来の圧縮機20は、偏芯軸22と主軸24とを備えたクランクシャフト26と、主軸24を軸支する主軸受28と圧縮室30を形成するシリンダ32とを一体に形成したブロック34と、偏芯軸22と摺動する大端孔を形成する大端部36を備えると共に他端にボールジョイント38を用いてピストン40を連結した偏芯軸22とピストン40との連結手段42と、吸入孔(図示せず)を備え、ヘッドボルト44によりブロック34に取り付けられ、シリンダ32の開口端を封止するバルブプレート46と、吸入孔を開閉する吸入バルブリード(図示せず)とからなる圧縮機構部48と、クランクシャフト26に固定されたロータ50と、ステータ52とからなるモータ部54とを備えている。
さらに、圧縮機20は、モータ部54とオイル56とが、ケース58とブロック34とによって形成された密閉空間60に収納され、冷凍サイクルから還流した冷媒が吸入孔を経て直接圧縮室30に導入される構造とした半密閉型圧縮機である。
また、連結手段42は、大端部36を有する大端側ロッド62と、ボールジョイント38を有するボール側ロッド64とに分割されており、圧縮機構部48を組み立てる際には、まず、主軸受28にクランクシャフト26を取り付け、その後、偏芯軸22に取り付けられた大端側ロッド62と、バルブプレート46側のシリンダ32の開口端から通されたピストン40を備えたボール側ロッド64とを接合することにより、圧縮機構部48が形成される。
ここで、ブロック34とクランクシャフト26は一般的に鉄系材料で構成されている。
以上のように構成された圧縮機20について、以下その動作を説明する。
まず、圧縮機20は、ステータ52に電流を流して磁界を発生させ、クランクシャフト26に固定されたロータ50を回転させることで、偏芯軸22に回転自在に取り付けられた連結手段42を介して、ピストン40がシリンダ32内を往復動する。そして、このピストン40の往復動により、冷媒の圧縮室30への吸入と圧縮および冷凍サイクルへの吐出が繰り返される。
ここで、従来の圧縮機20は、冷凍サイクルから還流した冷媒が圧縮室30に直接導入されることにより、吸入冷媒がモータ部54の発熱によって加熱されにくく、温度が低く密度の大きい冷媒を圧縮室30内に吸入させることができるので、吐出冷媒の温度を低減し、オイル56の劣化を低減することができると共に、体積効率の向上が図れる。
特公平7−18602号公報 国際公開第2005/026547号パンフレット
しかしながら、上記従来の圧縮機20の構成では、半密閉型圧縮機であるため、例えば、長期間運転を続ける間にヘッドボルト44により取り付けられたバルブプレート46とブロック34の取り付け面から冷媒が微量ずつながら大気中に漏洩し、冷凍サイクル内の冷媒が減少して性能が低下してしまう可能性があった。
また、上記従来の圧縮機20の構成では、冷凍サイクルから液冷媒が大量に圧縮機に戻ってきた場合に、直接圧縮室30内へ液冷媒が流入し、液圧縮を起こすが、液圧縮によってピストン40に過大な荷重が加わると、圧縮機20のような片持ち軸受で、かつ鉄系材料で構成された主軸受28とクランクシャフト26とが摺動する構造では、クランクシャフト26が大きく傾き、ピストン40やクランクシャフト26がシリンダ32や主軸受28に片当りすることで、異常磨耗や傷つきが発生し、圧縮機20が故障する可能性を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、信頼性が高く、効率の良い全密閉型往復動式圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の全密閉型往復動式圧縮機は、吸入パイプを固定した密閉容器の中に冷媒を圧縮する圧縮機構部を収納し、吸入パイプと吸入孔とを連結する吸入路を形成したもので、冷媒の大気中への漏洩を抑制すると共に、吸入冷媒の温度を低減するという作用を有する。
また、本発明の全密閉型往復動式圧縮機は、ピストンと連結手段とをボールジョイントにより連結し、かつ主軸受をアルミ系材料で構成したもので、過大な荷重がピストンに加わり、クランクシャフトが傾いたとしても、ピストンが連結手段との連結部で拘束され、シリンダに片当りすることを抑制すると共に、傾いたクランクシャフトを鉄よりも剛性の弱いアルミ系材料で軸支することができるという作用を有する。
本発明の全密閉型往復動式圧縮機は、冷媒の大気中への漏洩を抑制することで、性能低下を抑制すると共に、吸入冷媒の温度を低減することで、圧縮機の信頼性および効率の向上が図れる。
また、ピストンに過大な荷重がかかった場合でも、ピストンの片当りを抑制すると共に、傾いたクランクシャフトを鉄よりも剛性の弱いアルミ系材料で受けることで、ピストンやクランクシャフトの異常磨耗や傷つきを低減し、さらに圧縮機の信頼性を向上することができる。
請求項1に記載の発明は、吸入パイプを固定した密閉容器の中に冷媒を圧縮する圧縮機構部を収納し、前記圧縮機構部は、圧縮室を形成するシリンダと、前記シリンダを一体に形成したブロックと、前記シリンダ内を往復動するピストンと、吸入孔を備え前記シリンダの開口端を封止するバルブプレートと、前記吸入孔を開閉する吸入バルブリードと、主軸と偏芯軸とを備えたクランクシャフトと、前記ピストンと前記偏芯軸とを連結すると共に前記ピストンとの連結部にボールジョイントを用いた連結手段と、前記主軸を軸支するアルミ系材料で構成された主軸受とを備え、前記主軸受が前記主軸の軸方向に嵌入されることで前記ブロックに固定されると共に、前記吸入パイプと前記吸入孔とを連結する吸入路を形成したもので、冷凍サイクルの冷媒減少を防ぎながら吸入冷媒の温度を低減でき、また前記主軸受と前記ブロックとの固定部材に加わる荷重を低減することができ、さらにピストンやクランクシャフトの異常磨耗や傷つきを低減できるので、信頼性が高く、効率の良い全密閉型往復動式圧縮機を提供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、冷媒として二酸化炭素を使用したもので、高能力冷媒である二酸化炭素の使用に合わせて小気筒容積化するために、小径ピストンを用いたとしても、ボールジョイントにより、前記ピストンと連結手段との連結部にかかる面圧を低減することができると共に、フロン系や炭化水素系冷媒と比較して吐出冷媒の温度が非常に高くなるため、本発明の構成により、請求項1に記載の発明の効果が特に顕著に得られる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、冷媒としてR404A,R407C,R410A、もしくはR290を使用したもので、フロン系や炭化水素系の高圧冷媒を使用した場合、吐出ガス温度が高くなるため、本発明の構成により、請求項1に記載の発明の効果が顕著に得られる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、シリコンが16.0%以上18.0%以下含まれたアルミ系材料により構成された主軸受を有したもので、耐摩耗性に優れ、熱膨張係数が小さい材料で前記主軸受を構成することにより、クランクシャフトとの摺動損失を低減すると共に、前記主軸受がモータの発熱や前記クランクシャフトとの摺動によって昇温されたとしても熱膨張しにくいので、前記クランクシャフトが軸ずれしてピストンのトップクリアランスの拡大を低減することができるので、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えてさらに圧縮機の効率向上と信頼性向上が図れる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における全密閉型往復動式圧縮機の縦断面図、図2は同実施の形態における全密閉型往復動式圧縮機の平面断面図、図3は図1のA−A線におけるピストンと連結手段の断面図、図4は図2のB−B線におけるシリンダヘッド周辺の断面図である。
図1から図4において、本実施の形態の全密閉型往復動式圧縮機は、密閉容器101内底部に潤滑材としてのオイル103を貯留すると共に、冷媒として二酸化炭素が封入してある。また、密閉容器101内には、バネ105によって弾性的に支持された圧縮機構部107とモータ部109とが収納されている。
圧縮機構部107は、クランクシャフト111、ブロック113、ピストン115、連結手段117等で構成されている。
モータ部109は、ブロック113にボルト(図示せず)によって固定されたステータ119と、ステータ119の内側の同軸上に配置されクランクシャフト111に焼き嵌め固定されたロータ121とで構成されている。
クランクシャフト111は、偏芯軸123と主軸125とを備え、鋳鉄などの鉄系材料で構成されている。
ブロック113には、圧縮室127を形成するシリンダ129が一体に形成されると共に、吸入孔135と吐出孔137とを備えたバルブプレート139と、吸入孔135を開閉する吸入バルブリード141と、吐出孔137を開閉する吐出バルブリード143と、シリンダヘッド145とが、共にヘッドボルト147によって、シリンダ129の開口端を封止するように固定されている。
主軸125を軸支する主軸受149は、ブロック113とは別部材として、例えばADC14のようなシリコンが16.0%以上18.0%以下含まれたアルミニウムダイキャスト材により構成されている。
また、主軸受149には、ブロック113との接触面が、荷重方向と垂直となるように嵌め合い部150が設けられると共に、嵌め合い部150の下部には鍔部151が設けられ、主軸受149はブロック113の下側より主軸125の軸方向に嵌入され、ブロック113と鍔部151とをボルト152により連結固定されている。
連結手段117は、一端に抵抗溶接等により取り付けられた大端孔を形成する大端部131を備えると共に、他端には大端部131と同様に取り付けられたボールジョイント133を備えている。
ピストン115は、例えば、ピストン115の開口端をかしめることで、ボールジョイント133を把持するように取り付けられ、クランクシャフト111と連結手段117により連結されることにより、クランクシャフト111の回転と連動して、シリンダ129内を往復動する。
密閉容器101には、吸入パイプ153と吐出パイプ155とが固定され、それぞれが冷凍サイクル(図示せず)に接続している。
なお、吸入冷媒の温度上昇を低減するために、吸入パイプ153と冷凍サイクルを構成する蒸発器(図示せず)とがアキュムレータ等を介さずに直結されている。
シリンダヘッド145には、吸入パイプ153と連結する吸入路157と、吐出パイプ155と連結する吐出路159とが形成されている。
ここで、圧縮機の起動停止に伴い、圧縮機構部107が大きく変位したとしても、吸入路157が自在に変形できるように、吸入路157の一部を全密着したバネで形成している。
なお、本実施の形態においては、吸入路157の一部を全密着したバネで形成したが、四フッ化エチレン樹脂チューブなどの柔軟性を有した部材で形成しても良い。
また、本実施の形態においては、シリンダヘッド145に吸入路157と吐出路159とを形成したが、バルブプレート139に吸入路157と吐出路159とを形成しても良く、その場合は、吐出バルブリード143がバルブプレート139内に埋設される。
以上のように構成された全密閉型往復動式圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
全密閉型往復動式圧縮機は、ステータ119に電流を流して磁界を発生させ、クランクシャフト111に固定されたロータ121を回転させることで、偏芯軸123に回転自在に取り付けられた連結手段117を介して、ピストン115がシリンダ129内を往復動する。そして、このピストン115の往復動により、冷媒の圧縮室127への吸入と圧縮および冷凍サイクルへの吐出が繰り返される。
ここで、本実施の形態のような往復動式圧縮機は、吸入バルブリード141と吐出バルブリード143とによって、吸入行程と圧縮行程が区切られることから、ロータリ式やスクロール式と比較して漏れ損失が少なく、特に高低圧間の圧力差が大きい二酸化炭素を冷媒とした場合、体積効率の向上に有利である。
また、長期間運転を続ける間にヘッドボルト147により取り付けられた吸入バルブリード141や、バルブプレート139や、吐出バルブリード143や、シリンダヘッド145の間に隙間ができ、冷媒が微量ずつ漏洩するが、圧縮機構部107とモータ部109とを密閉容器101内に収納する全密閉型としたことにより、圧縮機構部107から漏洩した冷媒が冷凍サイクル外に漏れないため、冷凍サイクル内の冷媒減少による性能低下を抑制することができる。
さらに、二酸化炭素冷媒は従来のフロン系や炭化水素系冷媒に比べ、運転時の圧力が高いため、ピストン115に加わる荷重が大きくなる。そのため、圧縮機構部107で発生する振動が大きくなる。
そこで、本実施の形態のように、圧縮機構部107およびモータ部109をバネ105によって密閉容器101内に弾性的に支持することにより、圧縮機外へ伝播する振動を減衰させることができるので、圧縮機の振動および振動に起因する騒音を低減することができる。
次に、吸入冷媒の温度の影響について説明する。
図5は、本実施の形態における圧縮機を用いた冷凍サイクルのモリエル線図である。
図5において、縦軸は圧力P、横軸はエンタルピhを示しており、図中には飽和曲線、等温度曲線および等密度曲線がプロットされている。
また、図中には、過熱度を十分に取った場合の理論冷凍サイクルとしてA−B−C−D−Aを示し、過熱度を液戻りが発生しない程度まで下げた場合の理論冷凍サイクルとしてE−F−C−D−Eを示している。
ここで、A−B−C−D−Aで示したように、アキュムレータや内部熱交換器を用いたり、一般的なフロン系や炭化水素系冷媒用の往復動圧縮機のように密閉容器の中に一旦冷凍サイクルから還流した冷媒を開放したりして過熱度を十分に取った場合は、圧縮室へガス化した冷媒を吸入させることができるので、運転中の液戻りを低減することができる。
しかしながら、吸入冷媒の密度が小さくなるため、冷媒の質量循環量が減少してしまい体積効率が低下する。さらには、吐出冷媒の温度が高くなり、圧縮室127内の温度が上昇することから、圧縮室127内に供給されたオイルの温度が上昇し、オイルが劣化する。
一方、E−F−C−D−Eで示したように、アキュムレータを備えない冷凍サイクルと直結する吸入路157をシリンダヘッド145に備えた場合、吸入冷媒がモータ部109等の発熱によって加熱されにくく、冷凍サイクルから還流した低温の冷媒を直接圧縮室127内へ導くことができる。
その結果、理論冷凍サイクルにおいて点Bから点Fへ吐出冷媒の温度を低減することができると共に、低温の吸入冷媒によって圧縮室127内を効果的に冷却することができるので、圧縮室127内へ供給されたオイルの温度上昇を抑え、オイルの劣化を低減することができる。
ここで、本実施の形態のような全密閉型圧縮機においては、圧縮機構部107とモータ部109とが密閉容器101内に収納されているため、圧縮機構部107やモータ部109からの発熱が密閉容器101内にこもって放熱されにくく、圧縮機構部107やモータ部109の温度上昇が大きくなりやすい。従って、本実施の形態による構成が吐出冷媒の温度低減および圧縮室127内の冷却に特に効果的である。
さらに、吸入冷媒の温度が低いため、密度の大きい冷媒を圧縮室127に吸入させることができるので、冷媒の質量循環量が増加し、体積効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、潤滑材としてオイルを使用したが、グリスや固体潤滑材を使用しても良く、当然ながら、グリスや固体潤滑材においても吐出冷媒の温度を低減することは、劣化低減に有効的である。
次に、オイルの挙動について説明する。
オイル103は、クランクシャフト111の回転に伴い、クランクシャフト111上部へ吸い上げられながら、主軸受149、大端部131、シリンダ129へ供給され、摺動部の潤滑材として機能する。
シリンダ129内へ供給されたオイルは、冷凍サイクルへ吐出される冷媒と共に、微量ずつではあるが冷凍サイクルへ持ち出され、蒸発器などの冷凍サイクルを構成する部品に滞留する。そして、圧縮機が一旦停止し再起動した場合に、圧縮機へ大量のオイルが戻ってくることになる。
ここで、冷凍サイクルから直接冷媒を圧縮室127へ導く構造としたことにより、冷凍サイクルに持ち出されたオイル103や蒸発器で蒸発しきれなかった液冷媒が圧縮室127へ流入し、液圧縮を起こす。この際、ピストン115からの過大な荷重が偏芯軸123に加わることで、クランクシャフト111が傾き、主軸受149に片当りする。
しかしながら、クランクシャフト111を、鉄よりも剛性の弱いアルミニウム材により構成された主軸受149で軸支することにより、傾いたクランクシャフト111と主軸受149との接触部が面接触となることにより、クランクシャフト111に異常磨耗や傷つきが発生することを低減できる。
また、クランクシャフト111の傾きが大きくなった場合、往復動式圧縮機で一般的なピストンピンによりピストン115と連結手段117とを連結する構成では、ピストン115の自由度が少なく、ピストン115がクランクシャフト111と共に傾くため、シリンダ129と片当りし、ピストン115やシリンダ129に異常磨耗や傷つきが発生すると共に、摺動損失が増大して、効率が低下してしまう。
しかしながら、本実施の形態においてはボールジョイント133によってピストン115と連結手段117とを連結しているため、クランクシャフト111の傾きに伴うピストン115の傾きはボールジョイント133によって吸収され、シリンダ129内でピストン115が片当りすることを抑制することができ、ピストン115やシリンダ129の異常磨耗や傷つきの発生を大きく低減することができる。
ここで、主軸受149にシリコンが16.0%以上18.0%以下含まれたアルミニウムダイキャスト材を用いており、耐摩耗性に優れ、熱膨張係数が小さいことから、クランクシャフト111と主軸受149との摺動損失を低減すると共に、主軸受149がモータ部109の発熱やクランクシャフト111との摺動によって昇温されたとしても熱膨張しにくいので、クランクシャフト111と主軸受149との隙間寸法が大きく変化することが無いので、ピストン115のトップクリアランスが拡大することによる性能低下を低く抑えることができる。
次に、本実施の形態における往復動式圧縮機の組み立てについて述べる。
連結手段117にボールジョイント133を用いる場合、通常、ピストン115はシリンダ129に組み付けられる前に予めボールジョイント133と連結される。そのため、一般的には、従来の往復動式圧縮機に示したようにロッドを分割する構成や、ブロックとシリンダとを別体にした構成を採ることによって、ピストンとシリンダの組み付けを実現している。
しかしながら、ピストンとシリンダ間に過大な荷重が加わった場合に、ロッドを分割する構成では剛性の弱いロッドの締結部が破損したり、別部材のシリンダをブロックに取り付けた構成ではシリンダが荷重によりずれて、シリンダとブロックとの締結部に直接荷重が加わり締結部が破損したりする可能性がある。
本実施の形態においては、別部材で構成された主軸受149をブロック113に取り付ける構成とすることにより、ロッドを分割する構成や、ブロックとシリンダとを別体にした構成を採る必要が無く、上記したような課題を持たない。
そして主軸受149には、ブロック113との接触面が、荷重方向と垂直となるように嵌め合い部150が設けられると共に、嵌め合い部150の下部には鍔部151が設けられ、主軸受149はブロック113の下側より主軸125の軸方向に嵌入され、ブロック113と鍔部151とをボルト152により連結固定されているので、荷重方向と垂直に設けられた嵌め合い部150で圧縮時の荷重を受けることができる。
従って、ボルト152には直接的に荷重が加わらないため、ボルト152の破損を抑制し、また嵌め合い部150で圧縮時の荷重を受けるため主軸受149がずれることが無く、クランクシャフト111のずれによるピストン115のトップクリアランスの増大を抑制することができ、圧縮機の信頼性を向上させると共に、効率の低下を抑制することができる。
また、連結手段117とピストン115とをあらかじめ連結させた状態で、圧縮機を組み立てることができ、偏芯軸123からピストン115の先端までの長さ寸法を精度良く出すことができるので、ピストン115のトップクリアランスを管理することが容易になり、性能のバラツキを低減することができる。
なお、冷凍サイクルにアキュムレータが備わっていた場合においても、圧縮機が一旦停止し再起動すると、アキュムレータに滞留していた液冷媒やオイルが一気に圧縮室127へ流入し、液圧縮が起きることもあり、こうした場合においても、本実施の形態の構成によって同様の効果が得られる。
また、二酸化炭素冷媒は体積能力が一般的に用いられるフロン系冷媒や炭化水素系冷媒と比較して非常に大きいので、気筒容積は小さくなりピストン115の外径は一般的に用いられる冷媒を用いたものに比べ非常に小さくなる。一方、運転圧力はフロン系冷媒や炭化水素系冷媒の5〜10倍も高くなるため、ピストン115には大きな荷重がかかることになる。
しかしながら、本実施の形態においてはピストン115と連結手段117との連結に、受圧面積を大きく取ることができるボールジョイント133を用いているため、ピストン115の外径が小さくなるにもかかわらず、連結部に加わる面圧を低い値に抑えることができ、連結部における異常摩耗等を抑制でき、圧縮機の信頼性を向上することができる。
なお、本実施の形態において、冷媒に二酸化炭素を使用したが、例えばフロン系冷媒R404A、R407C、R410Aや炭化水素系冷媒R290のように、一般的に高圧冷媒と言われる冷媒を使用した場合においても、吐出冷媒の温度低減や体積効率の向上が課題となることから、本実施の形態における構成が有効である。
以上のように、本発明にかかる全密閉型往復動式圧縮機は、冷媒の大気中への漏洩を抑制することで、性能低下を抑制すると共に、吸入冷媒の温度を低減することで、圧縮機の信頼性および効率の向上が図れ、さらにピストンに過大な荷重がかかった場合でも、ボールジョイントによりピストンを連結手段に連結すると共に、主軸受をアルミ系材料で構成することで、ピストンやクランクシャフトの片当りによる異常磨耗や傷つきを低減し、圧縮機の信頼性を向上することができるので、自動販売機に限らず、冷凍冷蔵庫やエアーコンディショナやその他の冷媒装置に広く適用できる。
本発明の実施の形態1における全密閉型往復動式圧縮機の縦断面図 同実施の形態における全密閉型往復動式圧縮機の平面断面図 図1のA−A線におけるピストンと連結手段の断面図 図2のB−B線におけるシリンダヘッド周辺の断面図 同実施の形態における圧縮機を用いた冷凍サイクルのモリエル線図 従来の冷凍サイクルの冷媒回路図 従来の往復動式圧縮機の縦断面図
符号の説明
101 密閉容器
107 圧縮機構部
111 クランクシャフト
113 ブロック
115 ピストン
117 連結手段
123 偏芯軸
125 主軸
127 圧縮室
129 シリンダ
133 ボールジョイント
135 吸入孔
139 バルブプレート
141 吸入バルブリード
149 主軸受
153 吸入パイプ
157 吸入路

Claims (4)

  1. 吸入パイプを固定した密閉容器の中に冷媒を圧縮する圧縮機構部を収納し、前記圧縮機構部は、圧縮室を形成するシリンダと、前記シリンダを一体に形成したブロックと、前記シリンダ内を往復動するピストンと、吸入孔を備え前記シリンダの開口端を封止するバルブプレートと、前記吸入孔を開閉する吸入バルブリードと、主軸と偏芯軸とを備えたクランクシャフトと、前記ピストンと前記偏芯軸とを連結すると共に前記ピストンとの連結部にボールジョイントを用いた連結手段と、前記主軸を軸支するアルミ系材料で構成された主軸受とを備え、前記主軸受が前記主軸の軸方向に嵌入されることで前記ブロックに固定されると共に、前記吸入パイプと前記吸入孔とを連結する吸入路を形成した全密閉型往復動式圧縮機。
  2. 冷媒として二酸化炭素を使用した請求項1に記載の全密閉型往復動式圧縮機。
  3. 冷媒としてR404A,R407C,R410A、もしくはR290を使用した請求項1に記載の全密閉型往復動式圧縮機。
  4. シリコンが16.0%以上18.0%以下含まれたアルミ系材料により構成された主軸受を有した請求項1から3のいずれか一項に記載の全密閉型往復動式圧縮機。
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