JP2009019545A - 全密閉型往復動式圧縮機 - Google Patents

全密閉型往復動式圧縮機 Download PDF

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賢治 金城
Ko Inagaki
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Abstract

【課題】圧縮流体として二酸化炭素などの高圧冷媒を使用する全密閉型往復動式圧縮機に関し、高効率な全密閉型往復動式圧縮機を提供する。
【解決手段】吐出孔131が吐出室137に向けて次第に拡開するテーパ形状を形成し、吐出バルブ143が吐出孔131と当接するテーパ形状を形成するとともに、バルブプレート133の吸入孔129に冷媒を導入する吸入路149の少なくとも内壁が樹脂系材料で形成されたことにより、体積効率の向上と冷媒が吸入される時の流路抵抗の低減により、圧縮機の効率向上が図れる。
【選択図】図2

Description

本発明は、主に自動販売機などの冷凍サイクルに用いられ、自然冷媒である二酸化炭素を圧縮対象流体とする全密閉型往復動式圧縮機に関するものである。
従来、一般的な冷凍サイクルには、フロン系や炭化水素系の冷媒が用いられている。特に、炭化水素系冷媒はオゾン層破壊係数も地球温暖化係数もともに低い自然冷媒であることから家庭用冷蔵庫を中心に広く使われているが、可燃性であることから多量の冷媒を必要とする業務用の冷凍サイクルではあまり使用されておらず、そのため、近年、可燃性のない自然冷媒として、二酸化炭素冷媒を用いた往復動式圧縮機が提案されている。
二酸化炭素冷媒を用いる場合には、従来のフロン系や炭化水素系の冷媒と比較して、圧縮室から吐出される冷媒が非常に高温高圧になるとともに、単位容積あたりの能力が大きくなることから、これらの課題に対応した圧縮機の構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の往復動式圧縮機を説明する。
図4は、特許文献1に記載された従来の圧縮機のシリンダヘッド周辺の断面図である。
図4に示すように、特許文献1に記載された従来の圧縮機は、圧縮室1を形成するシリンダブロック3と、圧縮室1内を往復運動するピストン5と、バルブプレート7とカバー9とで構成されたシリンダヘッド11とを備えた往復動式圧縮機である。
バルブプレート7は、吸入バルブリード13によって開閉される吸入孔15と、吸入孔15に連通する吸入室17と、吐出バルブリード19によって開閉される吐出孔21と、吐出孔21に連通する吐出室23とを備えるとともに、吐出室23のシリンダブロック3側の壁7aの厚さDは、吸入室17のシリンダブロック3側の壁7bの厚さSよりも薄く形成されている。
さらに、吸入室17内には、樹脂系材料で形成された吸入マフラー25が内包され、吸入マフラー25の出口と吸入孔15が接続されている。
以上のように構成された特許文献1に記載された従来の圧縮機について、以下その動作を説明する。
まず、往復動式圧縮機は、ピストン5が圧縮室1の容積が増加する方向に動作すると、圧縮室1内の冷媒が膨張し、圧力が低下する。そして、圧縮室1内の圧力が吸入圧力以下に達すると、圧縮室1内の圧力と吸入マフラー25内の圧力との差によって吸入バルブリード13が開くことにより、冷凍サイクルから還流し吸入マフラー25に導入された低温低圧の冷媒が、吸入孔15を経て、圧縮室1に吸入される。
そして、ピストン5は下死点に到達すると、圧縮室1の容積が減少する方向に動作が転じ、圧縮室1内の圧力が上昇し始めると、吸入バルブリード13が閉じ、圧縮室1内の冷媒が圧縮される。圧縮室1内の圧力が吐出圧力以上に達すると、圧縮室1内の圧力と吐出室23内の圧力との差により吐出バルブリード19が開く。
そして、高温高圧となった冷媒が吐出孔21を経て吐出室23へ導かれ、その後、冷凍サイクルへ吐出される。
また、吐出室23のシリンダブロック3側の壁7aの厚さDが、吸入室17のシリンダブロック3側の壁7bの厚さSよりも薄く形成されているので、ピストン5が上死点まで到達したとしても吐出されることなく吐出孔21内に残留し、ピストン5の動作が上死点から圧縮室1の容積が増加する方向へ再び転じると再膨張する冷媒の量を低減することができる。
しかしながら、強度確保などの観点から壁7bの厚さDを減少させることには限界があり、再膨張する冷媒量の低減には限界があるため、吐出孔21をテーパ形状に形成するとともに、吐出バルブリード19が吐出孔21と当接するテーパ形状を形成した弁体を備えた往復動式圧縮機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
以下、図面を参照しながら上記従来の往復動式圧縮機について説明する。
図5は、特許文献2に記載された従来の圧縮機のシリンダヘッド周辺の断面図である。
図5に示すように、特許文献2に記載された従来の圧縮機は、圧縮室31を形成するシリンダブロック33と、圧縮室31内を往復運動するピストン35と、バルブプレート37とリテーナ39とカバー41とで構成されたシリンダヘッド43とを備えた往復動式圧縮機である。
バルブプレート37にはテーパ形状の吐出孔45が設けられ、吐出孔45と当接するテーパ形状を形成した弁体47を備えた吐出バルブ49によって開閉される。
吐出バルブ49は、弁体47と螺旋形状のコイルバネ51とで構成され、コイルバネ51により、リテーナ39と弁体47とが連結されている。
リテーナ39には、吐出冷媒通路53が設けられ、吐出バルブ49が開くと、吐出孔45と吐出室55とが連通する。
以上のように構成された特許文献2に記載された従来の圧縮機は、特許文献1に記載された従来の圧縮機と同様の動作を行うが、吐出孔45と弁体47とが当接するテーパ形状を形成していることで、吐出バルブ49が閉じたときに、吐出孔45の隙間容積をほぼ零とすることができ、再膨張する冷媒量を低減することができるので、体積効率の向上を図ることができる。
特表2005−513352号公報 特開2002−39070号公報
しかしながら、上記従来の構成では、吐出孔45をテーパ形状として隙間容積をほぼ零とすることにより、再膨張する冷媒量を低減し体積効率が向上するものの、一方でリテーナ39を設置するために吐出室55が大きくなり、吐出孔45と隣接する吸入孔の断面積が非常に小さくなり、圧縮室31に吸入される冷媒の流路抵抗が増大し、圧縮機の効率が低下してしまうという課題を有していた。
特に、単位容積あたりの能力が大きい二酸化炭素を冷媒とした場合には、上記課題は顕著なものであった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、高効率な全密閉型往復動式圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の全密閉型往復動式圧縮機は、テーパ形状を形成した吐出孔と、吐出孔と当接するテーパ形状を形成した弁体を備えた吐出バルブとを有するとともに、吸入路の少なくとも内壁を樹脂系材料で形成したもので、吐出孔の隙間容積をほぼ零にすることで、再膨張する冷媒量を低減し体積効率が向上するという作用を有するとともに、吸入孔の断面積をできるだけ大きくできるように、吸入孔に連通する吸入路の形状をどんな複雑な形状にでも成型できるため、圧縮室に吸入される冷媒の流路抵抗を低減し、圧縮機の効率が向上するという作用を有する。
本発明の全密閉型往復動式圧縮機は、再膨張する冷媒量をほぼ零にすることで、体積効率を向上することができるとともに、吸入孔の断面積を拡大することで、圧縮室に吸入される冷媒の流路抵抗を低減することができ、圧縮機の効率を向上することができる。
請求項1に記載の発明は、シリンダボアを形成したブロックと、前記シリンダボア内を往復運動するピストンと、前記ブロックの前記シリンダボアの開口端を封止するように配置され、吐出孔と吸入孔とを形成したバルブプレートと、前記吐出孔を開閉する吐出バルブと、前記バルブプレートの反シリンダ側に押圧固定され、前記吐出バルブを内包した吐出室を備えたシリンダヘッドと、前記吸入孔に冷媒を導入する吸入路を備え、前記吐出孔は前記吐出室に向けて次第に拡開するテーパ形状を形成し、前記吐出バルブは、前記吐出孔と当接するテーパ形状を形成した弁体を備え、前記吸入路の少なくとも内壁は樹脂系材料で形成されたもので、吐出孔の隙間容積をほぼ零にすることにより再膨張する冷媒量を低減することができるとともに、吸入孔の断面積をできるだけ大きくできるように、吸入孔に連通する吸入路の形状をどんな複雑な形状にでも成型できるため、圧縮室に吸入される冷媒の流路抵抗を低減し、圧縮機の効率を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、弁体を吐出孔に付勢するコイルバネを備え、前記コイルバネは一端が前記弁体に係合し他端がシリンダヘッド内壁に係合しているので、リテーナを使用せずに吐出バルブを位置決め固定することが可能となり、吐出孔及び吐出バルブ周辺の省スペース化により、吐出室をコンパクトに形成することができるので、吸入孔の断面積を大きくすることができ、請求項1に記載の発明の効果に加えて、さらに冷媒吸入時の流路抵抗を低減し圧縮機の効率を向上させることができるとともに、部品点数を削減しコストを低減することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、コイルバネの外径は弁体の外径よりも小さいものであり、吐出孔と吐出室の壁とを近接して配置することが可能となり、吐出室をコンパクトに形成することができるので、吸入孔の断面積を大きくすることができ、請求項2に記載の発明の効果に加えて、さらに冷媒吸入時の流路抵抗を低減することができ、圧縮機の効率を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、吸入孔は、吸入路からシリンダボアに近づくほど前記シリンダボアの軸芯に近づく方向に傾斜して形成されたものであり、吐出孔の強度が十分に確保できるように、吐出孔と吸入孔との距離を十分に確保しつつ、吸入孔の断面積をできるだけ大きくすることができ、さらに冷媒が吸入路からシリンダボアに流れ込みやすくなり、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、さらに冷媒吸入時の流路抵抗を低減し、圧縮機の効率を向上させることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、吸入路を樹脂系材料のみで形成したもので、熱伝導率の低い樹脂材料のみで吸入路を形成することで、吸入される冷媒が加熱されることを抑制することができ、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、さらに体積効率の向上を図りことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明において、冷媒は二酸化炭素であり、単位容積あたりの能力が大きい二酸化炭素冷媒に合わせて行程容積を減少させるために、シリンダボア径を小径化したとしても、吸入孔の断面積をできるだけ大きくして、吸入冷媒の流路抵抗を低減することができるので、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明の効果が特に顕著に得られるとともに、可燃性でない自然冷媒を使用するとともに圧縮機の高効率化を実現することで、地球環境を保護することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における全密閉型往復動式圧縮機の縦断面図、図2は図1のA−A線におけるシリンダヘッド周辺の断面図である。
図1および図2において、本実施の形態の全密閉型往復動式圧縮機は、密閉容器101内底部に潤滑剤としてのオイル103を貯留するとともに、冷媒104として二酸化炭素が封入してある。また、密閉容器101内には、圧縮要素部105と電動要素部107とを備えた電動圧縮要素部109が収納されている。
圧縮要素部105は、クランクシャフト111、ブロック113、ピストン115、連結手段117などで構成されており、クランクシャフト111は、偏芯軸119と主軸121とを備えている。
電動要素部107は、ブロック113にボルト(図示せず)によって固定されたステータ123と、ステータ123の内側の同軸上に配置され主軸121に焼き嵌め固定されたロータ125とで構成されている。
ブロック113には、シリンダボア127が一体に形成されるとともに、吸入孔129と吐出孔131とを備えたバルブプレート133と、吸入孔129を開閉する吸入バルブリード135と、圧縮行程において吐出孔131を介してシリンダボア127と連通する吐出室137を備えたシリンダヘッド139とが、ともにヘッドボルト141によって、シリンダボア127の開口端を封止するように押圧固定されている。
吐出孔131は、シリンダボア127から吐出室137に向けて次第に拡開するテーパ形状を形成している。
また、吐出孔131を開閉する吐出バルブ143は、吐出孔131と当接するテーパ形状を形成した弁体145と、弁体145を吐出孔131に付勢するコイルバネ147とで構成されている。
コイルバネ147は、一端が弁体145に係合し、他端がシリンダヘッド139に係合しており、コイルバネ147の外径は、弁体145の外径よりも小さくなっている。
また、吸入孔129は、吸入路149からシリンダボア127に近づくほど、シリンダボア127の軸芯に近づく方向に傾斜して形成されている。
吸入路149は、樹脂系材料のみで形成されるとともに、一端が吸入パイプ155と連結され、他端が吸入孔129に連結されている。
連結手段117は、一端に抵抗溶接などにより取り付けられた大端孔を形成する大端部151を備えるとともに、他端には大端部151と同様に取り付けられたボールジョイント153を備えている。
ピストン115は、例えば、ピストン115の開口端をかしめることで、ボールジョイント153を把持するように取り付けられ、クランクシャフト111と連結手段117により連結されることにより、クランクシャフト111の回転と連動して、シリンダボア127内を往復運動する。
密閉容器101には、吸入パイプ155と吐出パイプ157とが固定され、それぞれが冷凍サイクル(図示せず)に接続している。
シリンダヘッド139の吐出室137には、吐出パイプ157と連結する吐出路159が備えられる。
以上のように構成された全密閉型往復動式圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
全密閉型往復動式圧縮機は、ステータ123に電流を流して磁界を発生させ、主軸121に固定されたロータ125を回転させることで、クランクシャフト111が回転し、偏芯軸119に回転自在に取り付けられた連結手段117を介して、ピストン115がシリンダボア127内を往復運動する。そして、このピストン115の往復運動により、冷媒104のシリンダボア127への吸入と圧縮および冷凍サイクルへの吐出が繰り返される。
ここで、本実施の形態のような往復動式圧縮機は、吸入バルブリード135と吐出バルブ143とによって、吸入行程と圧縮行程とが区切られることから、ロータリ式やスクロール式と比較して漏れ損失が少なく、特に高圧と低圧との圧力差が大きい二酸化炭素を冷媒104とした場合、体積効率の向上に有利である。
また、長期間運転を続ける間にヘッドボルト141により取り付けられた吸入バルブリード135や、バルブプレート133や、シリンダヘッド139の間のわずかな隙間や樹脂などの素材を浸透して、冷媒104が微量ずつ漏洩するが、電動圧縮要素部109を密閉容器101内に収納する全密閉型としたことにより、圧縮要素部105から漏洩した冷媒104が冷凍サイクル外に漏れないため、冷凍サイクル内の冷媒104の減少を防止し、性能の低下を防止することができる。
次に、吐出バルブ143の動作について説明する。
吐出バルブ143は、ピストン115がシリンダボア127の容積が減少する方向に動作し、シリンダボア127内の冷媒104が圧縮され、シリンダボア127内の圧力が吐出圧力を超えると、シリンダボア127内の圧力と吐出室137内の圧力との差により開き始める。そして、圧縮された冷媒104は、吐出孔131を経て、吐出室137に導かれ、その後、吐出路159、吐出パイプ157を経て冷凍サイクルに吐出される。
次に、ピストン115の動作が上死点からシリンダボア127内の容積が増加する方向に転じると、シリンダボア127内の圧力は低下する。そして、シリンダボア127内の圧力が低下すると、シリンダボア127内の圧力と吐出室137内の圧力との差と、コイルバネ147によって弁体145が吐出孔131に付勢される力によって、吐出バルブ143は閉じる。
吐出バルブ143は、コイルバネ147によって弁体145が吐出孔131に付勢されているので、吐出バルブ143の閉じ遅れを抑制することができる。
また、弁体145と吐出孔131とは、ともに当接するテーパ形状を形成しているので、吐出孔131の隙間容積をほぼ零とすることができ、再膨張する冷媒量を低減することができる。
特に、単位容積あたりの能力が大きい二酸化炭素の冷媒104を用いる場合、フロン系や炭化水素系の冷媒と比較して行程容積が小さくなるので、体積効率の向上に有利である。
また、コイルバネ147の一端が弁体145に係合し、他端がシリンダヘッド139に係合したことで、リテーナなどの特別な別部材を使用せずに弁体145を位置決め固定することができるので、吐出孔131周辺に特別な別部材を配置するスペースが不必要となる。
そして、リテーナなどの特別な別部材の部品点数を削減することで、コストを低減することができる。
さらに、コイルバネ147の外径が弁体145の外径よりも小さくなっているので、吐出孔131を吐出室137の壁近傍に配置することができる。
そのため、吐出孔131及び吐出室137を近接させるとともに、吸入孔129から離れた位置に配置することができ、吐出孔131及び吐出バルブ143周辺の省スペース化により、吐出室137をコンパクトに形成することができる。
また、吐出孔131の強度を十分に確保し吐出室137をシリンダヘッド139で確実にシールしつつ、吐出孔131と吸入孔129とを出来るだけ離れて配置することができる。
その結果、吸入孔129の断面積を大きくすることができ、シリンダボア127内に吸入される冷媒104の流路抵抗を低減し、圧縮機の効率を向上させることができる。
さらに、吸入孔129は、吸入路149からシリンダボア127に近づくほどシリンダボア127の軸芯に近づく方向に傾斜して形成されているため、吸入孔129の断面積をできるだけ大きくすることができるとともに、さらに吸入路149の傾斜により冷媒104が吸入路149からシリンダボア127に流れ込みやすくなり、より一層、吸入される冷媒104の流路抵抗を低減することができる。
ここで、バルブプレート133には、吸入孔129と吐出孔131とが隣接して設けられるため、吸入孔129と吐出孔131との距離が近くなりすぎると、吐出される冷媒104の圧力によって吐出孔131が変形もしくは破損してしまう。
特に、二酸化炭素冷媒を用いる場合には、フロン系や炭化水素系の冷媒と比較して非常に高圧となるため、吸入孔129と吐出孔131との距離を十分に確保する必要がある。
本実施の形態では、吸入路149からシリンダボア127に近づくほど、吸入孔129をシリンダボア127の軸芯に近づく方向に傾斜して形成することで、吐出孔131の強度を十分に確保できるように吸入孔129と吐出孔131との距離を十分に確保しつつ、吸入孔129の断面積をできるだけ大きくすることができる。
さらに、吸入路149は樹脂系材料で形成されているため、吸入孔129の断面積をできるだけ大きくできるように、吸入孔129に連通する吸入路149の形状をどんな複雑な形状にでも成型することができる。
特に、シリンダボア127の径を縮小すると、吸入孔129の断面形状が円形である場合、断面積が小さくなり、吸入される冷媒104の流路抵抗が増加してしまうが、吸入路149を樹脂系材料で形成したことで、吸入孔129の形状が円形以外の複雑な形状であっても吸入路149の形状を吸入孔129の形状に合わせて成型することができるので、吸入孔129の断面積をできるだけ大きくすることができ、シリンダボア127に吸入される冷媒104の流路抵抗を低減し、圧縮機の効率を向上することができる。
できるだけ断面積を大きくできる吸入孔129の断面形状としては、例えば同心の2つの円弧と、その円弧に接する2つの円弧によって定義される断面形状などがある。
次に、シリンダボア127に吸入される冷媒104の温度の影響について説明する。
図3は、本実施の形態における圧縮機を用いた冷凍サイクルのモリエル線図である。
図3において、縦軸は圧力P、横軸はエンタルピhを示しており、図中には飽和曲線、等温度曲線および等密度曲線がプロットされている。
また、図中には、シリンダボア127に吸入される冷媒104の温度が高い場合の理論冷凍サイクルとしてa−b−c−d−aを示し、吸入される冷媒104の温度が低い場合の理論冷凍サイクルとしてe−f−c−d−eを示している。
ここで、a−b−c−d−aで示したように、吸入される冷媒104の温度が高い場合には、吸入される冷媒104の密度が小さくなるため、冷媒104の質量循環量が減少してしまい体積効率が低下する。さらには、吐出される冷媒104の温度が高くなり、シリンダボア127内の温度が上昇することから、シリンダボア127内に供給されたオイル103の温度が上昇し、オイル103が劣化する。
一方、e−f−c−d−eで示したように、吸入される冷媒104の温度が低い場合、理論冷凍サイクルにおいて点bから点fへ吐出される冷媒104の温度を低減することができるとともに、低温の冷媒104を吸入することによってシリンダボア127内が効果的に冷却されるので、シリンダボア127内へ供給されたオイル103の温度上昇を抑え、オイル103の劣化を低減することができる。
さらに、吸入される冷媒104の温度が低いため、密度の大きい冷媒104をシリンダボア127内に吸入させることができるので、冷媒104の質量循環量が増加し、体積効率を向上させることができる。
また、吸入路149を金属よりも熱伝導率の低い樹脂系材料で形成したことで、吸入される冷媒104が、電動要素部107の発熱や、吐出される冷媒104によって昇温されたブロック113やバルブプレート133によって加熱されることを抑制することができる。
尚、本実施の形態においては、吸入される冷媒104の温度上昇抑制効果を十分に得るために、吸入路149を樹脂系材料のみで構成しているが、場合によっては、シリンダヘッド139の内側に配置されても良いし、さらには吸入路149の内側のみ樹脂系材料で形成しても良い。
以上のように、本発明にかかる全密閉型往復動式圧縮機は、冷媒の大気中への漏洩を抑制することで、性能低下を防止するとともに、再膨張する冷媒量の低減と、シリンダボアに吸入される冷媒の温度上昇の抑制と、流路抵抗の低減とにより、圧縮機の効率向上が図れるので、自動販売機に限らず、冷凍冷蔵庫やエアーコンディショナやその他の冷媒装置に広く適用できる。
本発明の実施の形態1における全密閉型往復動式圧縮機の縦断面図 図1のA−A線におけるシリンダヘッド周辺の断面図 同実施の形態における圧縮機を用いた冷凍サイクルのモリエル線図 従来の圧縮機のシリンダヘッド周辺の断面図 従来の圧縮機のシリンダヘッド周辺の断面図
符号の説明
104 冷媒
113 ブロック
115 ピストン
127 シリンダボア
129 吸入孔
131 吐出孔
133 バルブプレート
137 吐出室
139 シリンダヘッド
143 吐出バルブ
145 弁体
147 コイルバネ
149 吸入路

Claims (6)

  1. シリンダボアを形成したブロックと、前記シリンダボア内を往復運動するピストンと、前記ブロックの前記シリンダボアの開口端を封止するように配置され、吐出孔と吸入孔とを形成したバルブプレートと、前記吐出孔を開閉する吐出バルブと、前記バルブプレートの反シリンダ側に押圧固定され、前記吐出バルブを内包した吐出室を備えたシリンダヘッドと、前記吸入孔に冷媒を導入する吸入路を備え、前記吐出孔は前記吐出室に向けて次第に拡開するテーパ形状を形成し、前記吐出バルブは、前記吐出孔と当接するテーパ形状を形成した弁体を備え、前記吸入路の少なくとも内壁は樹脂系材料で形成された全密閉型往復動式圧縮機。
  2. 弁体を吐出孔に付勢するコイルバネを備え、前記コイルバネは一端が前記弁体に係合し他端がシリンダヘッド内壁に係合している請求項1に記載の全密閉型往復動式圧縮機。
  3. コイルバネの外径は弁体の外径よりも小さい請求項2に記載の全密閉型往復動式圧縮機。
  4. 吸入孔は、吸入路からシリンダボアに近づくほど前記シリンダボアの軸芯に近づく方向に傾斜して形成された請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の全密閉型往復動式圧縮機。
  5. 吸入路を樹脂系材料のみで形成した請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の全密閉型往復動式圧縮機。
  6. 冷媒は二酸化炭素である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の全密閉型往復動式圧縮機。
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