JP2008190390A - インデューサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】昇圧能力を高く維持しつつ、旋回キャビテーションを含めたキャビテーションによる回転軸の振動を防止できるインデューサ装置を提供する。
【解決手段】回転軸7に固定され回転軸7の回転方向に配置される複数の翼9と、該複数の翼9を囲むようにその内壁面11aが回転軸7の半径方向外側にて回転方向に延びているケーシング11と、を備える。翼9の前縁9cは、根元9aから屈曲箇所Pまで延びており、回転方向の位置が根元9aから先端9b側へ移行するに伴い回転方向後方側へ後退する後退部17と、屈曲箇所Pで後退部17から回転方向前方側へ屈曲するように後退部17に結合され屈曲箇所Pから先端9bまで延びている屈曲部19と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロケットエンジンなどで使用されるポンプの吸い込み性能を維持するためのインデューサ装置に関する。
ロケットエンジンなどでは、液体水素または液体酸素などの極低温流体を加圧するために、ターボポンプなどの大吸込容量ポンプが用いられる。このようなポンプには、その吸い込み能力を維持するためにインデューサ装置が設けられる。
インデューサ装置は、ターボポンプのポンプ羽根車の手前に設けられ、吸込流体を加圧してポンプ羽根車の流体吸込を補助する。ロケットが地表から発射され上昇していくと、高度が高くなるにつれ気圧が下がるため、ポンプの入口で十分な圧力が得られない場合がある。そのため、インデューサ装置で極低温流体の圧力を上げターボポンプが十分に吸い込めるくらいの圧力とする。
図6は、液体ロケットエンジンのターボポンプ3に設けられたインデューサ装置を示す軸方向断面図である。
ターボポンプ3は、回転軸7と、回転軸7に固定されたポンプ羽根車5と、回転軸7に固定されたタービン羽根車31と、を有する。回転軸7は、軸受を介してケーシング27に回転自在に支持されている。
インデューサ装置は、ポンプ羽根車5の上流側にて回転軸7の端部7aに固定された複数の翼33からなる羽根車を有する。回転軸7がタービンにより回転駆動されることで、インデューサ装置の複数の翼33は、タービン羽根車31およびポンプ羽根車5と同一速度で回転する。その回転速度は数万回転/分である。これにより、インデューサ装置が吸込流体を予圧してポンプ羽根車5に送り込む。
図7は、図6の各翼33をA−A方向より矢視した図であり、各翼33において最も上側に位置する前縁33aを示している。図7において、3枚の翼33が設けられており、各翼33の前縁33aは、回転方向後方に後退していくように、回転軸7からその半径方向外側へ延びている。これにより、翼33に作用する圧力を分散し低減している。なお、図8は、従来におけるインデューサ装置の翼33を示す斜視図である。
しかし、このように前縁を後退させると、上述のようにロケット高度の上昇よってインデューサ装置への入口圧力が低くなると、チップボルテックスキャビテーションが発達しやすくなる問題がある。図9は、キャビテーション発生領域35を示している。図9に示すように、翼33の前縁33aの回転方向後方にキャビテーション領域35が発生する。
キャビテーションとは、高速で流れる液体の中に圧力の低い領域が発生し、この低圧領域において気相または気液混相が発生する現象であり、キャビテーション領域とは、キャビテーションが発生している領域である。旋回キャビテーションは、キャビテーションによる不安定現象の一つであり、各翼に発生するキャビテーションの大きさが不均一になり、さらに、回転によって翼の回転位置が変化するに伴い、各キャビテーションが翼を順に移って行く現象である。旋回キャビテーションが発生することにより、軸振動の増大、翼の疲労損傷等の悪影響が生じる。また、旋回キャビテーションは、翼の先端から後方に伸びる縦渦(チップボルテックス)に沿って成長するキャビテーションの成長が引き金となって発生すると考えられている。図9の場合では、翼33の背側と腹側との圧力差によりチップボルテックスキャビテーション領域35が発生している。より厳密には、チップボルテックスキャビテーション領域35は、前縁33aの回転方向後方における翼33の腹側から背側へ向けて前縁33aを回り込むように生じている。なお、翼33の背は、図7において、紙面厚さ方向手前側の見える面であり、その裏の見えない面が翼33の腹である。
キャビテーション領域35の大きさや形は、運転条件により、上述のように翼ごとに異なり非対称となる場合がある(図9参照)。その結果、流体力がアンバランスとなり回転軸7に振動が発生してしまう。
このような回転軸振動を防止するために、特許文献1〜3の発明が提案されている。
図10は、特許文献1の発明によるインデューサ装置を示す軸方向断面図である。特許文献1のインデューサ装置では、ケーシング41のうち、羽根車42よりも上流側の区間43にある拡径部の内径D1 を、羽根車42を囲む区間44の内径D2 と、この区間44の内壁45から羽根車42の先端46までの隙間Sの径方向距離Dsとを加算した値以上としている。これにより、拡径部を通して、上流方向に逆流する洩れ流れを増加させて、液体を流入させることで、非対称キャビテーションの形成を抑制している。
図11は、特許文献2の発明によるインデューサ装置を示す軸方向断面図である。特許文献2の発明では、羽根51の周囲部分とケース52との間のクリアランスに関して、前方側のクリアランスJ12を、後方側に位置する普通のクリアランスJ11の10倍以上としている。このクリアランスJ12を通して、上流方向に逆流する洩れ流れを増加させて、液体を流入させることで、非対称キャビテーションの形成を抑制している。
図12は、特許文献3の発明によるインデューサ装置を示す軸方向断面図である。特許文献3の発明では、羽根61の入口部に、ケーシング62との間の隙間を大きくするための段差aを設けている。これにより、段差区間Aの隙間c1が、段差区間Aより下流側の領域Bにおける隙間c2より大きくなり、ケーシングを拡径することなく拡径した場合と同様の非対称キャビテーション抑止効果が得られる。
このように、特許文献1〜3の発明では、インデューサ装置入口付近のクリアランスをその他の部分より大きくすることで、下流側から上流側への逆流を増加させ、これにより、非対称キャビテーションによる回転軸振動などの悪影響を抑制している。
特開平5−332300号公報 「高速ポンプのインデューサ装置」 特開平11−82385号公報 「大吸込容量ポンプ用インデューサ装置」 特開2005−273621号公報 「インデューサ装置」
しかし、逆流の増加は液体ロケットエンジンシステムの動特性の不安定化につながる可能性があるため、特許文献1〜3の発明とは別の手段でキャビテーションの問題を解決することが望まれる。
また、インデューサ装置入口付近のクリアランスをその他の部分より大きくした場合、このクリアランスを通して上流方向に逆流する洩れ流れが増加することで、翼の背側と腹側との圧力差が減少する可能性がある。これによって、インデューサ装置の昇圧能力が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、特許文献1〜3の発明とは別の手段により、昇圧能力を高く維持しつつ、旋回キャビテーションを含めたキャビテーションによる回転軸の振動を防止できるインデューサ装置を提供することを目的とする。
本発明は、次の点に着目してなされたものである。図13は、図6のA−A線矢視図であり、キャビテーション領域を示している。図13(A)のように、ケーシングと翼先端との間には隙間があるため、この隙間の回転方向後方に先端漏れ流れによる第1キャビテーション領域21が発生する。また、図13(B)のように、前縁の回転方向後方に前縁剥離渦による第2キャビテーション領域22が発生する。これら第1キャビテーション領域21の逆流渦と、第2キャビテーション領域22の逆流渦が結合することで、図13(C)のように、その相乗効果により図の斜線領域において大きな逆流渦が発生する。このように従来では、大きな逆流渦が発生しており、これが回転軸振動の大きな要因となっていた。即ち、逆流渦が生じ、この大きさや形状が各翼ごとに異なっていても、逆流渦を小さくできれば、回転軸が振動する問題を回避できる。これに基づき、本発明では、第1キャビテーション領域21の逆流渦と、第2キャビテーション領域22の逆流渦とを分離することで、従来における大きな逆流渦の発生を回避し、これにより、回転軸が振動する問題を解決する。
即ち、上記目的を達成するため、本発明によると、流体を加圧し吸引するポンプ羽根車と、該ポンプ羽根車が固定され回転駆動される回転軸と、を有するポンプに設けられ、ポンプの吸込み性能を維持するインデューサ装置であって、前記ポンプ羽根車の上流側において前記回転軸に固定され、回転軸の回転方向に配置される複数の翼と、該複数の翼を囲むように、その内壁面が前記回転軸の半径方向外側にて前記回転方向に延びているケーシングと、を備え、前記各翼は、回転軸に固定される根元と、前記ケーシング側の先端とを有するとともに、上流端に位置する部分であり前記根元から前記先端まで延びその途中の屈曲箇所で回転方向に屈曲している前縁を有し、前記前縁は、前記根元から前記屈曲箇所まで延びており、その位置が前記根元から前記先端側へ移行するに伴い回転方向後方側へ後退する後退部と、前記屈曲箇所で前記後退部から回転方向前方側へ屈曲するように後退部に結合され前記屈曲箇所から前記先端まで延びている屈曲部と、を有する、ことを特徴とするインデューサ装置が提供される。好ましくは、前記先端と前記ケーシングの前記内壁面との半径方向距離は、前記先端のすべての軸方向位置にわたって一定である。
上記構成では、各翼の前縁は、屈曲箇所で前記後退部から回転方向前方側へ屈曲するように後退部に結合され前記屈曲箇所から前記先端まで延びている屈曲部を有するので、この屈曲部により、翼先端とケーシングとの間の隙間の回転方向後方で発生する第1キャビテーション領域と、後退部の回転方向後方側で発生する第2キャビテーション領域とを分離できる。従って、従来において生じていた大きな逆流渦の発生を防止でき、これにより、回転軸の振動を防止できる。
しかも、先端と前記ケーシングの前記内壁面との半径方向距離を、前記先端のすべての軸方向位置にわたって一定にできるので、これにより、翼の先端とケーシングとの隙間を大きくする部分を無くすことができる。従って、翼の背側と腹側との圧力差を高く維持でき、これにより、インデューサ装置の昇圧能力を高く維持できる。
本発明の好ましい実施形態によると、前記屈曲箇所の半径方向位置は、前縁における前記根元の半径方向位置と前縁における前記先端の半径方向位置との間の半径方向中央と、前縁における前記先端の半径方向位置との間に位置し、かつ、該半径方向中央と前縁における前記先端の半径方向位置との間の半径方向中間付近である。
このように、前記屈曲箇所は、前縁における前記根元の半径方向位置と前縁における前記先端の半径方向位置との間の半径方向中央と、前縁における前記先端の半径方向位置との間の半径方向中間付近に位置しているので、屈曲部は、第1キャビテーション領域と第2キャビテーション領域とを分離できるのに十分な長さを有する。これにより、第1キャビテーション領域と第2キャビテーション領域とを確実に分離できる。
本発明の好ましい実施形態によると、前記屈曲部は、その回転方向位置が前記根元から前記先端側へ移行するに伴い回転方向後方側へ後退しており、屈曲部が回転方向後方側へ後退する大きさは、屈曲部の回転方向後方にキャビテーション領域が発生しない程度に小さい。
このように、屈曲部が回転方向後方側へ後退するが、後退の大きさが、屈曲部の回転方向後方にキャビテーション領域が発生しない程度に小さいので、屈曲部に作用する圧力を分散・低減しつつ、第1キャビテーション領域と第2キャビテーション領域とを確実に分離できる。
上述した本発明のインデューサ装置によると、昇圧能力を高く維持しつつ、旋回キャビテーションを含めたキャビテーションによる回転軸の振動を防止できる。
本発明を実施するための最良の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図6は、本発明の実施形態によるインデューサ装置が適用可能なポンプ3の構成を示す軸方向断面図である。
図6の例では、ポンプ3はロケットエンジン用のターボポンプである。図6に示すように、ポンプ3は、液体水素や液体酸素などの極低温流体を加圧し吸引するポンプ羽根車5と、該ポンプ羽根車5が固定され回転駆動される回転軸7と、を有する。このポンプ3の吸込み性能を維持するために、インデューサ装置が設けられる。
図1は、図6のA−A線矢視図であるが、本実施形態による構成を示している。図2は、図6の一部拡大図であるが、本実施形態による構成を示している。
図1と図2に示すように、本実施形態によるインデューサ装置10は、複数の翼9とケーシング11とを有する。複数の翼9は、ポンプ羽根車5の上流側において回転軸7に固定され、回転軸7の回転方向(以下、単に回転方向という)に配置される。ケーシング11は、複数の翼9を囲むように、その内壁面11aが回転軸7の半径方向(以下、単に半径方向という)外側にて回転方向に延びている。なお、ケーシング11は、ポンプ3のケーシング27(図6参照)と一体的に形成されていてよい。図2では、複数の翼9は回転軸の端部7aに固定されている。また、本実施形態では、翼9は3枚であるが、本発明によると、他の適切な数であってもよい。
本実施形態によると、各翼9は、根元9aと先端9bと前縁9cとを有する。翼9の根元9aは回転軸7に固定される部分である。翼9の先端9bはケーシング11側の先端部分である。翼9の前縁9cは、上流端に位置する部分であり根元9aから先端9bまで延びその途中の屈曲箇所Pで回転方向に屈曲している。なお、図2に示すように、先端9bは、回転軸7の軸心Cから一定の距離だけ離れており、先端9bとケーシング11との隙間は一定である。即ち、先端9bとケーシング11の内壁面11aとの半径方向距離は、先端9bのすべての軸方向位置(軸心Cの方向に関する位置)にわたって一定であるこのように、本実施形態では、先端9bとケーシング11との隙間を大きくする部分を設けなくてよい。
また、図1に示すように、前縁9cは、後退部17と屈曲部19とを有する。後退部17は、根元9aから屈曲箇所Pまで延びており、その位置が根元9aから先端9b側へ移行するに伴い回転方向後方側へ後退する。屈曲部19は、屈曲箇所Pで後退部17から回転方向前方側へ屈曲するように後退部17に結合され屈曲箇所Pから先端9bまで延びている。なお、図3は、回転軸7に固定された複数の翼9を示す斜視図である。
屈曲箇所Pは、図2に示すように、前縁9cにおける根元9aの半径方向位置xと前縁9cにおける先端9bの半径方向位置yとの間の半径方向中央Qと、前縁9cにおける先端9bの半径方向位置yとの間に位置し、かつ、該半径方向中央Qと先端9bの半径方向位置yとの間の半径方向中間付近に位置している。例えば、回転軸7の半径方向における半径方向位置xから半径方向位置yまでの距離を1とした場合、半径方向位置yから屈曲箇所Pまでの半径方向距離は0.1〜0.3であってよい。言い換えると、屈曲箇所Pは、半径方向中央Qと半径方向位置yとの間の半径方向位置であって、半径方向位置y付近から離れた半径方向位置にある。
図1における後退部17の形状は、根元9aから先端9b側へ移行するにつれ、後退部17の位置が回転方向後方側へ後退する程度が次第に増加するような滑らかな曲線形状である。例えば、図1における後退部17の形状は、円弧状であってよい。また、後退部17の形状は、図4に示すように、後退部17のどの位置においても、後退部17の接線と逆回転方向とのなす角θが一定角度(例えば、30度)となるような曲線形状であってもよい。
また、図1における屈曲部19の形状は、直線状であってもよいし、曲線形状であってもよい。本発明によると、屈曲部19は、屈曲箇所Pから先端9b側へ移行するに伴いその位置が回転方向後方側へ後退していなくてもよいが、好ましくは、屈曲部19は、屈曲箇所Pから先端9b側へ移行するにつれその位置が回転方向後方側へ後退する。これにより、屈曲部19に作用する圧力を分散して低減できる。この場合、屈曲部19が回転方向後方側へ後退する大きさは、屈曲部19の回転方向後方にキャビテーション領域が発生しない程度に小さい。なお、屈曲部19が回転方向後方側へ後退する大きさは、屈曲箇所Pの回転方向位置と屈曲部19における先端9bの回転方向位置との差の大きさであってよい。
前縁9cの形状についてさらに詳しく述べると、図1に示すように、その半径方向位置の変化量に対する回転方向位置の変化量(即ち、後退率)が、根元9aから屈曲箇所Pへ移行するに従い連続的に増加し、屈曲箇所Pで不連続的に減少し、屈曲箇所Pから先端9bまで一定となっている。
また、屈曲部19を上述のように後退させる場合には、前縁9cは、その半径方向位置の変化量に対する回転方向位置の変化量(即ち、後退率)が、根元9aから屈曲箇所Pへ移行するに従い連続的に増加し、屈曲箇所Pで不連続的に減少し、屈曲箇所Pから先端9bまで先端9b側へ移行するに従い連続的に増加する形状となっている。
本発明によると、前縁9cの形状はこれらに限定されず、屈曲箇所Pに変曲点が存在するように屈曲箇所Pで屈曲し、その半径方向位置の変化量に対する回転方向位置の変化量が、根元9aから先端9bまでの全体にわたって連続的に変化する形状としてもよい。
屈曲部19の設定について説明する。屈曲箇所Pの半径方向位置および回転方向位置と、屈曲部19が後退部17から回転方向前方側へ屈曲する角度とは、本実施形態によるインデューサ装置10が適用される環境条件に基づいて、第1キャビテーション領域21と第2キャビテーション領域22とを分離できるように設定される。このような環境条件には、例えば、後退部17の回転方向後方でキャビテーション領域が発生することになる回転軸7の回転速度、このキャビテーション領域発生を引き起こす吸込口25(図6参照)での流体圧力、後退部17が回転方向後方側へ後退していく大きさなどを含む。
[作用]
図5に基づいて、本実施形態によるインデューサ装置10の作用について説明する。翼9の先端9bとケーシング11との間には隙間があるため、この隙間の回転方向後方に先端漏れ流れによる第1キャビテーション領域21が発生する。また、後退部17の回転方向後方には、前縁剥離渦による第2キャビテーション領域22が発生する。本実施形態では、前縁9cに屈曲部19を設けているので、図5に示すように、第1キャビテーション領域21と第2キャビテーション領域22とを分離することができる。従って、従来において生じていた大きな逆流渦の発生を防止でき、大きな非対称キャビテーション領域の形成も防止できる。これにより、回転軸7の回転安定性を大幅に向上させ、回転軸7の振動を防止できる。
しかも、本実施形態では、翼9の先端9bとケーシング11との間の隙間の寸法は小さい所定の一定値となっており、翼9の先端9bとケーシング11との隙間を大きくする部分を設けなくてもよい。従って、翼9の背側と腹側との圧力差を低減させずに高く維持でき、これにより、インデューサ装置10の昇圧能力を高く維持できる。
また、屈曲箇所Pは、前縁9cにおける根元9aの半径方向位置xと前縁9cにおける先端9bの半径方向位置yとの間の半径方向中央Qと、前縁9cにおける先端9bの半径方向位置との間の半径方向中間付近に位置しているので、屈曲部19は、第1キャビテーション領域21と第2キャビテーション領域22とを分離できるのに十分な長さを有する。これにより、第1キャビテーション領域21と第2キャビテーション領域22とを確実に分離できる。
さらに、屈曲部19について、屈曲箇所Pから先端9b側へ移行するに伴いその位置が回転方向後方側へ後退させるように屈曲部19を形成する場合に、その後退の大きさを、屈曲部19の回転方向後方にキャビテーション領域が発生しない程度に小さくする。これにより、屈曲部19に作用する圧力を分散・低減しつつ、第1キャビテーション領域21と第2キャビテーション領域22とを確実に分離できる。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、本発明のインデューサ装置は、ロケット用エンジンのターボポンプだけでなく、第1キャビテーション領域21と第2キャビテーション領域22とが結合して発生する大きな逆流渦により悪影響が生じる他のポンプにも適用可能である。
本発明の実施形態によるインデューサ装置を示す正面図である。 本発明の実施形態によるインデューサ装置を示す軸方向断面図である。 本発明の実施形態によるインデューサ装置の翼を示す斜視図である。 本発明の実施形態による翼形状の一例を示す正面図である。 本発明の実施形態によるインデューサ装置の作用を説明するための図である。 本発明のインデューサ装置が適用可能なターボポンプを示す軸方向断面図である。 従来における翼の前縁形状を示す正面図である。 従来における翼形状を示す斜視図である。 非対称なキャビテーション領域を示す正面図である。 特許文献1のインデューサ装置を示す軸方向断面図である。 特許文献2のインデューサ装置を示す軸方向断面図である。 特許文献3のインデューサ装置を示す軸方向断面図である。 過大な逆流渦が発生する原理を説明するための図である。
符号の説明
3 ポンプ
5 ポンプ羽根車
7 回転軸
7a 回転軸の端部
9 翼
9a 根元
9b 先端
9c 前縁
10 インデューサ装置
11 ケーシング
11a 内壁面
P 屈曲箇所
Q 半径方向中央
17 後退部
19 屈曲部
21 第1キャビテーション領域
22 第2キャビテーション領域
25 吸込口
27 ケーシング

Claims (4)

  1. 流体を加圧し吸引するポンプ羽根車と、該ポンプ羽根車が固定され回転駆動される回転軸と、を有するポンプに設けられ、ポンプの吸込み性能を維持するインデューサ装置であって、
    前記ポンプ羽根車の上流側において前記回転軸に固定され、回転軸の回転方向に配置される複数の翼と、
    該複数の翼を囲むように、その内壁面が前記回転軸の半径方向外側にて前記回転方向に延びているケーシングと、を備え、
    前記各翼は、回転軸に固定される根元と、前記ケーシング側の先端とを有するとともに、上流端に位置する部分であり前記根元から前記先端まで延びその途中の屈曲箇所で回転方向に屈曲している前縁を有し、
    前記前縁は、
    前記根元から前記屈曲箇所まで延びており、その位置が前記根元から前記先端側へ移行するに伴い回転方向後方側へ後退する後退部と、
    前記屈曲箇所で前記後退部から回転方向前方側へ屈曲するように後退部に結合され前記屈曲箇所から前記先端まで延びている屈曲部と、を有する、ことを特徴とするインデューサ装置。
  2. 前記先端と前記ケーシングの前記内壁面との半径方向距離は、前記先端のすべての軸方向位置にわたって一定である、ことを特徴とする請求項1に記載のインデューサ装置。
  3. 前記屈曲箇所の半径方向位置は、前縁における前記根元の半径方向位置と前縁における前記先端の半径方向位置との間の半径方向中央と、前縁における前記先端の半径方向位置との間に位置し、かつ、該半径方向中央と前縁における前記先端の半径方向位置との間の半径方向中間付近である、ことを特徴とする請求項1に記載のインデューサ装置。
  4. 前記屈曲部は、前記根元から前記先端側へ移行するに伴いその位置が回転方向後方側へ後退しており、屈曲部が回転方向後方側へ後退する大きさは、屈曲部の回転方向後方にキャビテーション領域が発生しない程度に小さい、ことを特徴とする請求項1に記載のインデューサ装置。
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