JP2004132210A - インデューサ - Google Patents
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Abstract
【課題】インデューサにおいて、旋回キャビテーションの発生を抑制することでこの旋回キャビテーションに起因する軸振動の誘発を防止して装置の信頼性の向上を図る。
【解決手段】インデューサ19において、翼21を偶数枚とし、奇数枚目の翼と偶数枚目の翼との形状特性を異ならせために、例えば、4枚の翼21a,21b,21c,21dを回転方向に対して90度ずらして取付け、奇数枚目(1、3枚目)の翼21a,21cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼21b,21dとにおける旋回方向先端厚さtを異ならせる。
【選択図】 図1
【解決手段】インデューサ19において、翼21を偶数枚とし、奇数枚目の翼と偶数枚目の翼との形状特性を異ならせために、例えば、4枚の翼21a,21b,21c,21dを回転方向に対して90度ずらして取付け、奇数枚目(1、3枚目)の翼21a,21cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼21b,21dとにおける旋回方向先端厚さtを異ならせる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速ポンプの吸込性能を維持させるために羽根車の上流側に配設されるインデューサに関する。
【0002】
【従来の技術】
ロケット燃料用ポンプ、航空機用エンジン燃料ポンプなどに適用される高速ポンプ(ターボポンプ)では、その吸込性能を維持させるために羽根車に発生するキャビテーションを抑制するインデューサを設けている。即ち、このインデューサは、軸流型の羽根車であって、ケーシング内にタービン翼及びインペラと同軸上に連結されて収容されている。従って、高温高圧のガスでタービンが回転してインペラが回転駆動すると、これと同期してインデューサの羽根車が回転することで、液体燃料を昇圧して高速ポンプの吸込口まで導き、インペラの高速回転により加圧してエンジン等に供給することができる。
【0003】
ところで、上述したロケット燃料用ポンプでは、低圧の液体燃料を高圧にして供給するものであることから、インデューサの羽根車で部分的なガス化により旋回キャビテーションが発生する。この旋回キャビテーションは大きくなったり小さくなったりと振動し、お互いに連動して大きな力を各翼に作用させる。そして、この旋回キャビテーションは、振動がインデューサの回転速度より速く伝わることから、インデューサに回転非同期の軸振動を誘発してしまうという問題がある。
【0004】
このような旋回キャビテーションを抑制するものとして下記に記載した特許文献1がある。特許文献1の記載したインデューサ装置は、羽根車の流路を区画するケーシングの入口側に、この羽根車を囲む区間の内径より大きな内径の拡径部を設けると共に、これらを滑らかに接続する傾斜面部を形成したものである。従って、拡径部を通った液体燃料は、傾斜部に沿って円滑に流れ、羽根車に取り込まれる際に、この羽根車に発生する旋回キャビテーションと主流となる液体燃料の流れと相互干渉を弱め、実質的に旋回キャビテーションを抑制することができる。
【0005】
【特許文献1】
特許第2704992号(第2頁−第3頁、図1−図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、旋回キャビテーションは、上述したように、低圧の液体燃料を昇圧するときの部分的なガス化により発生し、インデューサの回転速度より速く伝搬して回転非同期の軸振動を誘発する。そのため、特許文献1のように、ケーシングの入口側に拡径部を設けて傾斜部により滑らかに接続することで、羽根車に発生する旋回キャビテーションと液体燃料の流れと相互干渉を弱めたとしても、旋回キャビテーションを確実に抑制することができず、旋回キャビテーションによるインデューサの軸振動を誘発を防止することはできず、予想することのできない過大な振動が発生してしまう虞がある。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するものであって、旋回キャビテーションの発生を抑制することでこの旋回キャビテーションに起因する軸振動の誘発を防止して装置の信頼性の向上を図ったインデューサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明のインデューサは、高速ポンプの羽根車の上流側に配設されるインデューサにおいて、翼を偶数枚とし、奇数枚目の翼と偶数枚目の翼との形状特性を異ならせたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の旋回方向先端厚さを異ならせたことを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の傾斜角度を異ならせたことを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の旋回方向先端部のテーパ角度を異ならせたことを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の前縁スウィープ角を異ならせたことを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の一方を前進翼とし、他方を後退翼としたことを特徴としている。
【0014】
請求項7の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の前縁の角度分布を異ならせたことを特徴としている。
【0015】
請求項8の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の径方向長さを異ならせたことを特徴としている。
【0016】
請求項9の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の前縁での翼間距離を異ならせたことを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1に本発明の第1実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略、図2にインデューサが装着された高速ポンプの断面、図3にインデューサの概略を示す。
【0019】
まず、一般的なインデューサ及び高速ポンプについて説明する。図2及び図3に示すように、中空のケーシング11内には回転軸12が軸受13により回転自在に支持され、この回転軸12の一端部にケーシング11の中央に位置するインペラ14が固結される一方、他端部にタービン15が固結されている。また、回転軸12の一端部には同軸状に延長軸16が連結され、ケーシング11の内面に取付けられた静止翼17に軸受18を介して回転自在に支持されている。そして、この延長軸16の先端部にインデューサ19が装着されている。このインデューサ19は高速ポンプの吸込側に配設されており、延長軸16の固結される軸部20と、この軸部の外周にらせん状に固定される複数枚の翼21とから構成されている。そして、インデューサ19側のケーシングに低温低圧の液体燃料が収容された図示しないタンクが連結されている。
【0020】
従って、高温高圧のガスの作用でタービン15が回転してインペラ14が回転駆動すると、これと同期してインデューサ19が回転することで、タンク内の液体燃料を昇圧して高速ポンプへ導き、引き続いてインペラ14の高速回転により加圧してエンジン等に供給することができる。
【0021】
上述した第1実施形態のインデューサ19では、翼21を偶数枚とし、奇数枚目の翼と偶数枚目の翼との形状特性を異ならせてある。即ち、図1及び図3に示すように、インデューサ19は、4枚の翼21a,21b,21c,21dが回転方向に対して90度ずらして取付けられている。そして、奇数枚目(1、3枚目)の翼21a,21cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼21b,21dとにおける旋回方向先端厚さtを異ならせてある。つまり、ta =tc ≠tb =td となっている。
【0022】
このように第1実施形態のインデューサ19にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼21a,21cの先端厚さta ,tc と、偶数枚目(2、4枚目)の翼21b,21dの先端厚さtb ,td が異なっている。従って、インデューサ19が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼21a,21cと各翼21b,21dでの旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、それぞれの翼21a,21b,21c,21dに固定されることとなる。そのため、各翼21a,21b,21c,21dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサの軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサの信頼性を向上することができる。
【0023】
図4に本発明の第2実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略、図5に本発明の第3実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略、図6に本発明の第4実施形態に係るインデューサの正面視、図7に本発明の第5実施形態に係るインデューサの正面視、図8に本発明の第6実施形態に係るインデューサの正面視、図9に本発明の第7実施形態に係るインデューサの正面視、図10に本発明の第8実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0024】
第2実施形態では、図4に示すように、インデューサ30の4枚の翼31a,31b,31c,31dが回転方向に対して90度ずらして取付けられており、奇数枚目(1、3枚目)の翼31a,31cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼31b,31dとにおける旋回方向先端部の翼角度(傾斜角度)βを異ならせてある。つまり、βa =βc ≠βb =βd となっている。なお、翼角度βとは、各翼31a,31b,31c,31dの圧力面側の傾斜角度または各翼31a,31b,31c,31dの中心線の傾斜角度である。
【0025】
このように第2実施形態のインデューサ30にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼31a,31cの先端部の翼角度βa ,βc と、偶数枚目(2、4枚目)の翼31b,31dの翼角度βb ,βd が異なっている。従って、インデューサ30が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼31a,31cと各翼31b,31dでの旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、それぞれの翼31a,31b,31c,31dに固定されることとなる。そのため、各翼31a,31b,31c,31dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサ30の軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサの信頼性を向上することができる。
【0026】
第3実施形態では、図5に示すように、インデューサ40の4枚の翼41a,41b,41c,41dが回転方向に対して90度ずらして取付けられており、奇数枚目(1、3枚目)の翼41a,41cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼41b,41dとにおける旋回方向先端部のテーパ角度αを異ならせてある。つまり、αa =αc ≠αb =αd となっている。なお、テーパ角度αとは、各翼41a,41b,41c,41dの先端部前面に形成したテーパの角度である。
【0027】
このように第3実施形態のインデューサ40にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼41a,41cの先端部のテーパ角度αa ,αc と、偶数枚目(2、4枚目)の翼41b,41dのテーパ角度αb ,αd が異なっている。従って、インデューサ40が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼41a,41cと各翼41b,41dでの旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、それぞれの翼41a,41b,41c,41dに固定されることとなる。そのため、各翼41a,41b,41c,41dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサの軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ40の信頼性を向上することができる。
【0028】
第4実施形態では、図6に示すように、インデューサ50の4枚の翼51a,51b,51c,51dが回転方向に対して90度ずらして取付けられており、奇数枚目(1、3枚目)の翼51a,51cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼51b,51dとにおける前縁スウィープ角θを異ならせてある。つまり、θa =θc ≠θb =θd となっている。なお、前縁スウィープ角θとは、各翼51a,51b,51c,51dの前縁と外周縁との交点に対する接線と、前縁を外周縁から外方に延長した放射線との角度である。
【0029】
このように第4実施形態のインデューサ50にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼51a,51cの前縁スウィープ角θa ,θc と、偶数枚目(2、4枚目)の翼51b,51dの前縁スウィープ角θb ,θd が異なっている。従って、インデューサ50が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼51a,51cと各翼51b,51dでの旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、それぞれの翼51a,51b,51c,51dに固定されることとなる。そのため、各翼51a,51b,51c,51dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサの軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ50の信頼性を向上することができる。
【0030】
第5実施形態では、インデューサの4枚の翼にて、奇数枚目(1、3枚目)の翼と、偶数枚目(2、4枚目)の翼の種類(形状)を異ならせてある。例えば、図7(a)に示すように、インデューサ60の4枚の翼61a,61b,61c,61dを回転方向に対して90度ずらして取付け、奇数枚目(1、3枚目)の翼61a,61cを前縁が径方向に沿って直線状をなす直線翼とし、偶数枚目(2、4枚目)の翼61b,61dを前縁が旋回方向後方に湾曲した後退翼とする。また、図7(b)に示すように、インデューサ70の4枚の翼71a,71b,71c,71dを回転方向に対して90度ずらして取付け、奇数枚目(1、3枚目)の翼71a,71cを前縁が旋回方向後方に湾曲した後退翼とし、偶数枚目(2、4枚目)の翼71b,71dを前縁が旋回方向前方に湾曲した前進翼とする。
【0031】
このように第5実施形態のインデューサ60,70にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼61a,61c,71a,71cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼61b,61d,71b,71dの種類を直線翼と後退翼と前進翼の中で異ならせてある。従って、インデューサ60,70が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼61a,61c,71a,71cと各翼61b,61d,71b,71dでの旋回キャビテーションの発生状況や特性が異なり、それぞれの翼61a〜61d,71a〜71dに固定されることとなる。そのため、各翼61a〜61d,71a〜71dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサの軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ60,70の信頼性を向上することができる。
【0032】
第6実施形態では、図8に示すように、インデューサ80の4枚の翼81a,81b,81c,81dを回転方向に対して90度ずらして取付け、奇数枚目(1、3枚目)の翼81a,81cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼81b,81dの前縁の角度分布を異ならせてある。即ち、奇数枚目(1、3枚目)の翼81a,81cの前縁形状に対して、偶数枚目(2、4枚目)の翼81b,81dの前縁形状を異ならせるように前縁を旋回方向前方に移行した形状としている。なお、図8に二点鎖線で表したものは奇数枚目(1、3枚目)の翼81a,81cの前縁形状である。
【0033】
このように第6実施形態のインデューサ80にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼81a,81cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼81b,81dの前縁の角度分布を異ならせてある。従って、インデューサ80が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼81a,81cと各翼81b,81dでの旋回キャビテーションの発生状況や特性が異なり、それぞれの翼81a,81b,81c,81dに固定されることとなる。そのため、各翼81a,81b,81c,81dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサの軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ80の信頼性を向上することができる。
【0034】
第7実施形態では、図9に示すように、インデューサ90の4枚の翼91a,91b,91c,91dにて、奇数枚目(1、3枚目)の翼91a,91cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼91b,91dの径方向長さを異ならせてある。即ち、インデューサ90の4枚の翼91a,91b,91c,91dを回転方向に対して90度ずらして取付け、奇数枚目(1、3枚目)の翼91a,91cを長翼とし、偶数枚目(2、4枚目)の翼91b,91dを短翼ととする。
【0035】
このように第7実施形態のインデューサ90にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼91a,91cを長翼とし、偶数枚目(2、4枚目)の翼91b,91dを短翼としてある。従って、インデューサ90が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼91a,91cと各翼91b,91dでの旋回キャビテーションの発生状況や特性が異なり、それぞれの翼91a〜91dに固定されることとなる。そのため、各翼91a〜91dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサ90の軸振動を誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ90の信頼性を向上することができる。
【0036】
第8実施形態では、図10に示すように、インデューサ100の4枚の翼101a,101b,101c,101dが回転方向に対して90度ずらして取付けられており、奇数枚目(1、3枚目)の翼101a,101cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼101b,101dとにおける前縁での翼間距離Lを異ならせてある。つまり、La =Lc ≠Lb =Ld となっている。
【0037】
このように第8実施形態のインデューサ100にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼101a,101cの前縁での翼間距離La ,Lc と、偶数枚目(2、4枚目)の翼101b,101dの翼間距離Lb ,Ld が異なっている。従って、インデューサ100が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼101a,101cと各翼101b,101dでの旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、それぞれの翼101a〜101dに固定されることとなる。そのため、各翼101a〜101dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサ100の軸振動を誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ100の信頼性を向上することができる。
【0038】
なお、上述した各実施形態では、翼の枚数を4枚として奇数枚目の翼と偶数枚目の翼との形状特性を異ならせてたが、2枚あるいは6枚異常であってもよい。また、複数の実施形態を用いて説明したが、各実施形態を単独で構成するだけでなく、複数組み合わせて構成してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明のインデューサによれば、翼を偶数枚とし、奇数枚目の翼と偶数枚目の翼との形状特性を異ならせたので、インデューサが回転して液体燃料を昇圧するとき、奇数枚目の翼と偶数枚目の翼での旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、この旋回キャビテーションを各翼に固定することとなり、旋回キャビテーションを防止することでインデューサの軸振動の誘発を阻止し、過大な振動の発生を防止することができ、インデューサの信頼性を向上することができる。
【0040】
請求項2の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の旋回方向先端厚さを異ならせたので、簡単な構成で旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止し、過大な振動の発生を防止することができる。
【0041】
請求項3の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の傾斜角度を異ならせたので、簡単な構成で旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止し、過大な振動の発生を防止することができる。
【0042】
請求項4の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の旋回方向先端部のテーパ角度を異ならせたので、簡単な構成で旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止し、過大な振動の発生を防止することができる。
【0043】
請求項5の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の前縁スウィープ角を異ならせたので、簡単な構成で旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止し、過大な振動の発生を防止することができる。
【0044】
請求項6の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の一方を前進翼とし、他方を後退翼としたので、各翼の特性を発揮しながら旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止することができる。
【0045】
請求項7の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の前縁の角度分布を異ならせたので、各翼の特性を発揮しながら旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止することができる。
【0046】
請求項8の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の径方向長さを異ならせたので、各翼の特性を発揮しながら旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止することができる。
【0047】
請求項9の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の前縁での翼間距離を異ならせたので、簡単な構成で旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略図である。
【図2】インデューサが装着された高速ポンプの断面図である。
【図3】インデューサの概略図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略図である。
【図6】図6に本発明の第4実施形態に係るインデューサの正面図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係るインデューサの正面図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係るインデューサの正面図である。
【図9】本発明の第7実施形態に係るインデューサの正面図である。
【図10】本発明の第8実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略図である。
【符号の説明】
11 ケーシング
12 回転軸
14 インペラ
15 タービン
16 延長軸
19,30,40,50,60,70,80,90,100 インデューサ
21a〜21d,31a〜31d,41a〜41d,51a〜51d,61a〜61d,71a〜71d,81a〜81d,91a〜91d,101a〜101d 翼
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速ポンプの吸込性能を維持させるために羽根車の上流側に配設されるインデューサに関する。
【0002】
【従来の技術】
ロケット燃料用ポンプ、航空機用エンジン燃料ポンプなどに適用される高速ポンプ(ターボポンプ)では、その吸込性能を維持させるために羽根車に発生するキャビテーションを抑制するインデューサを設けている。即ち、このインデューサは、軸流型の羽根車であって、ケーシング内にタービン翼及びインペラと同軸上に連結されて収容されている。従って、高温高圧のガスでタービンが回転してインペラが回転駆動すると、これと同期してインデューサの羽根車が回転することで、液体燃料を昇圧して高速ポンプの吸込口まで導き、インペラの高速回転により加圧してエンジン等に供給することができる。
【0003】
ところで、上述したロケット燃料用ポンプでは、低圧の液体燃料を高圧にして供給するものであることから、インデューサの羽根車で部分的なガス化により旋回キャビテーションが発生する。この旋回キャビテーションは大きくなったり小さくなったりと振動し、お互いに連動して大きな力を各翼に作用させる。そして、この旋回キャビテーションは、振動がインデューサの回転速度より速く伝わることから、インデューサに回転非同期の軸振動を誘発してしまうという問題がある。
【0004】
このような旋回キャビテーションを抑制するものとして下記に記載した特許文献1がある。特許文献1の記載したインデューサ装置は、羽根車の流路を区画するケーシングの入口側に、この羽根車を囲む区間の内径より大きな内径の拡径部を設けると共に、これらを滑らかに接続する傾斜面部を形成したものである。従って、拡径部を通った液体燃料は、傾斜部に沿って円滑に流れ、羽根車に取り込まれる際に、この羽根車に発生する旋回キャビテーションと主流となる液体燃料の流れと相互干渉を弱め、実質的に旋回キャビテーションを抑制することができる。
【0005】
【特許文献1】
特許第2704992号(第2頁−第3頁、図1−図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、旋回キャビテーションは、上述したように、低圧の液体燃料を昇圧するときの部分的なガス化により発生し、インデューサの回転速度より速く伝搬して回転非同期の軸振動を誘発する。そのため、特許文献1のように、ケーシングの入口側に拡径部を設けて傾斜部により滑らかに接続することで、羽根車に発生する旋回キャビテーションと液体燃料の流れと相互干渉を弱めたとしても、旋回キャビテーションを確実に抑制することができず、旋回キャビテーションによるインデューサの軸振動を誘発を防止することはできず、予想することのできない過大な振動が発生してしまう虞がある。
【0007】
本発明はこのような問題を解決するものであって、旋回キャビテーションの発生を抑制することでこの旋回キャビテーションに起因する軸振動の誘発を防止して装置の信頼性の向上を図ったインデューサを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための請求項1の発明のインデューサは、高速ポンプの羽根車の上流側に配設されるインデューサにおいて、翼を偶数枚とし、奇数枚目の翼と偶数枚目の翼との形状特性を異ならせたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の旋回方向先端厚さを異ならせたことを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の傾斜角度を異ならせたことを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の旋回方向先端部のテーパ角度を異ならせたことを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の前縁スウィープ角を異ならせたことを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の一方を前進翼とし、他方を後退翼としたことを特徴としている。
【0014】
請求項7の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の前縁の角度分布を異ならせたことを特徴としている。
【0015】
請求項8の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の径方向長さを異ならせたことを特徴としている。
【0016】
請求項9の発明のインデューサでは、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の前縁での翼間距離を異ならせたことを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
図1に本発明の第1実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略、図2にインデューサが装着された高速ポンプの断面、図3にインデューサの概略を示す。
【0019】
まず、一般的なインデューサ及び高速ポンプについて説明する。図2及び図3に示すように、中空のケーシング11内には回転軸12が軸受13により回転自在に支持され、この回転軸12の一端部にケーシング11の中央に位置するインペラ14が固結される一方、他端部にタービン15が固結されている。また、回転軸12の一端部には同軸状に延長軸16が連結され、ケーシング11の内面に取付けられた静止翼17に軸受18を介して回転自在に支持されている。そして、この延長軸16の先端部にインデューサ19が装着されている。このインデューサ19は高速ポンプの吸込側に配設されており、延長軸16の固結される軸部20と、この軸部の外周にらせん状に固定される複数枚の翼21とから構成されている。そして、インデューサ19側のケーシングに低温低圧の液体燃料が収容された図示しないタンクが連結されている。
【0020】
従って、高温高圧のガスの作用でタービン15が回転してインペラ14が回転駆動すると、これと同期してインデューサ19が回転することで、タンク内の液体燃料を昇圧して高速ポンプへ導き、引き続いてインペラ14の高速回転により加圧してエンジン等に供給することができる。
【0021】
上述した第1実施形態のインデューサ19では、翼21を偶数枚とし、奇数枚目の翼と偶数枚目の翼との形状特性を異ならせてある。即ち、図1及び図3に示すように、インデューサ19は、4枚の翼21a,21b,21c,21dが回転方向に対して90度ずらして取付けられている。そして、奇数枚目(1、3枚目)の翼21a,21cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼21b,21dとにおける旋回方向先端厚さtを異ならせてある。つまり、ta =tc ≠tb =td となっている。
【0022】
このように第1実施形態のインデューサ19にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼21a,21cの先端厚さta ,tc と、偶数枚目(2、4枚目)の翼21b,21dの先端厚さtb ,td が異なっている。従って、インデューサ19が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼21a,21cと各翼21b,21dでの旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、それぞれの翼21a,21b,21c,21dに固定されることとなる。そのため、各翼21a,21b,21c,21dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサの軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサの信頼性を向上することができる。
【0023】
図4に本発明の第2実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略、図5に本発明の第3実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略、図6に本発明の第4実施形態に係るインデューサの正面視、図7に本発明の第5実施形態に係るインデューサの正面視、図8に本発明の第6実施形態に係るインデューサの正面視、図9に本発明の第7実施形態に係るインデューサの正面視、図10に本発明の第8実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0024】
第2実施形態では、図4に示すように、インデューサ30の4枚の翼31a,31b,31c,31dが回転方向に対して90度ずらして取付けられており、奇数枚目(1、3枚目)の翼31a,31cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼31b,31dとにおける旋回方向先端部の翼角度(傾斜角度)βを異ならせてある。つまり、βa =βc ≠βb =βd となっている。なお、翼角度βとは、各翼31a,31b,31c,31dの圧力面側の傾斜角度または各翼31a,31b,31c,31dの中心線の傾斜角度である。
【0025】
このように第2実施形態のインデューサ30にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼31a,31cの先端部の翼角度βa ,βc と、偶数枚目(2、4枚目)の翼31b,31dの翼角度βb ,βd が異なっている。従って、インデューサ30が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼31a,31cと各翼31b,31dでの旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、それぞれの翼31a,31b,31c,31dに固定されることとなる。そのため、各翼31a,31b,31c,31dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサ30の軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサの信頼性を向上することができる。
【0026】
第3実施形態では、図5に示すように、インデューサ40の4枚の翼41a,41b,41c,41dが回転方向に対して90度ずらして取付けられており、奇数枚目(1、3枚目)の翼41a,41cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼41b,41dとにおける旋回方向先端部のテーパ角度αを異ならせてある。つまり、αa =αc ≠αb =αd となっている。なお、テーパ角度αとは、各翼41a,41b,41c,41dの先端部前面に形成したテーパの角度である。
【0027】
このように第3実施形態のインデューサ40にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼41a,41cの先端部のテーパ角度αa ,αc と、偶数枚目(2、4枚目)の翼41b,41dのテーパ角度αb ,αd が異なっている。従って、インデューサ40が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼41a,41cと各翼41b,41dでの旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、それぞれの翼41a,41b,41c,41dに固定されることとなる。そのため、各翼41a,41b,41c,41dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサの軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ40の信頼性を向上することができる。
【0028】
第4実施形態では、図6に示すように、インデューサ50の4枚の翼51a,51b,51c,51dが回転方向に対して90度ずらして取付けられており、奇数枚目(1、3枚目)の翼51a,51cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼51b,51dとにおける前縁スウィープ角θを異ならせてある。つまり、θa =θc ≠θb =θd となっている。なお、前縁スウィープ角θとは、各翼51a,51b,51c,51dの前縁と外周縁との交点に対する接線と、前縁を外周縁から外方に延長した放射線との角度である。
【0029】
このように第4実施形態のインデューサ50にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼51a,51cの前縁スウィープ角θa ,θc と、偶数枚目(2、4枚目)の翼51b,51dの前縁スウィープ角θb ,θd が異なっている。従って、インデューサ50が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼51a,51cと各翼51b,51dでの旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、それぞれの翼51a,51b,51c,51dに固定されることとなる。そのため、各翼51a,51b,51c,51dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサの軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ50の信頼性を向上することができる。
【0030】
第5実施形態では、インデューサの4枚の翼にて、奇数枚目(1、3枚目)の翼と、偶数枚目(2、4枚目)の翼の種類(形状)を異ならせてある。例えば、図7(a)に示すように、インデューサ60の4枚の翼61a,61b,61c,61dを回転方向に対して90度ずらして取付け、奇数枚目(1、3枚目)の翼61a,61cを前縁が径方向に沿って直線状をなす直線翼とし、偶数枚目(2、4枚目)の翼61b,61dを前縁が旋回方向後方に湾曲した後退翼とする。また、図7(b)に示すように、インデューサ70の4枚の翼71a,71b,71c,71dを回転方向に対して90度ずらして取付け、奇数枚目(1、3枚目)の翼71a,71cを前縁が旋回方向後方に湾曲した後退翼とし、偶数枚目(2、4枚目)の翼71b,71dを前縁が旋回方向前方に湾曲した前進翼とする。
【0031】
このように第5実施形態のインデューサ60,70にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼61a,61c,71a,71cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼61b,61d,71b,71dの種類を直線翼と後退翼と前進翼の中で異ならせてある。従って、インデューサ60,70が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼61a,61c,71a,71cと各翼61b,61d,71b,71dでの旋回キャビテーションの発生状況や特性が異なり、それぞれの翼61a〜61d,71a〜71dに固定されることとなる。そのため、各翼61a〜61d,71a〜71dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサの軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ60,70の信頼性を向上することができる。
【0032】
第6実施形態では、図8に示すように、インデューサ80の4枚の翼81a,81b,81c,81dを回転方向に対して90度ずらして取付け、奇数枚目(1、3枚目)の翼81a,81cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼81b,81dの前縁の角度分布を異ならせてある。即ち、奇数枚目(1、3枚目)の翼81a,81cの前縁形状に対して、偶数枚目(2、4枚目)の翼81b,81dの前縁形状を異ならせるように前縁を旋回方向前方に移行した形状としている。なお、図8に二点鎖線で表したものは奇数枚目(1、3枚目)の翼81a,81cの前縁形状である。
【0033】
このように第6実施形態のインデューサ80にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼81a,81cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼81b,81dの前縁の角度分布を異ならせてある。従って、インデューサ80が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼81a,81cと各翼81b,81dでの旋回キャビテーションの発生状況や特性が異なり、それぞれの翼81a,81b,81c,81dに固定されることとなる。そのため、各翼81a,81b,81c,81dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサの軸振動の誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ80の信頼性を向上することができる。
【0034】
第7実施形態では、図9に示すように、インデューサ90の4枚の翼91a,91b,91c,91dにて、奇数枚目(1、3枚目)の翼91a,91cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼91b,91dの径方向長さを異ならせてある。即ち、インデューサ90の4枚の翼91a,91b,91c,91dを回転方向に対して90度ずらして取付け、奇数枚目(1、3枚目)の翼91a,91cを長翼とし、偶数枚目(2、4枚目)の翼91b,91dを短翼ととする。
【0035】
このように第7実施形態のインデューサ90にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼91a,91cを長翼とし、偶数枚目(2、4枚目)の翼91b,91dを短翼としてある。従って、インデューサ90が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼91a,91cと各翼91b,91dでの旋回キャビテーションの発生状況や特性が異なり、それぞれの翼91a〜91dに固定されることとなる。そのため、各翼91a〜91dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサ90の軸振動を誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ90の信頼性を向上することができる。
【0036】
第8実施形態では、図10に示すように、インデューサ100の4枚の翼101a,101b,101c,101dが回転方向に対して90度ずらして取付けられており、奇数枚目(1、3枚目)の翼101a,101cと、偶数枚目(2、4枚目)の翼101b,101dとにおける前縁での翼間距離Lを異ならせてある。つまり、La =Lc ≠Lb =Ld となっている。
【0037】
このように第8実施形態のインデューサ100にあっては、奇数枚目(1、3枚目)の翼101a,101cの前縁での翼間距離La ,Lc と、偶数枚目(2、4枚目)の翼101b,101dの翼間距離Lb ,Ld が異なっている。従って、インデューサ100が回転して液体燃料を昇圧するとき、各翼101a,101cと各翼101b,101dでの旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、それぞれの翼101a〜101dに固定されることとなる。そのため、各翼101a〜101dで発生した旋回キャビテーションが他の翼に伝搬することはなく、インデューサ100の軸振動を誘発を阻止して過大な振動の発生を防止することができ、インデューサ100の信頼性を向上することができる。
【0038】
なお、上述した各実施形態では、翼の枚数を4枚として奇数枚目の翼と偶数枚目の翼との形状特性を異ならせてたが、2枚あるいは6枚異常であってもよい。また、複数の実施形態を用いて説明したが、各実施形態を単独で構成するだけでなく、複数組み合わせて構成してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明のインデューサによれば、翼を偶数枚とし、奇数枚目の翼と偶数枚目の翼との形状特性を異ならせたので、インデューサが回転して液体燃料を昇圧するとき、奇数枚目の翼と偶数枚目の翼での旋回キャビテーションの発生状況及び特性が異なり、この旋回キャビテーションを各翼に固定することとなり、旋回キャビテーションを防止することでインデューサの軸振動の誘発を阻止し、過大な振動の発生を防止することができ、インデューサの信頼性を向上することができる。
【0040】
請求項2の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の旋回方向先端厚さを異ならせたので、簡単な構成で旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止し、過大な振動の発生を防止することができる。
【0041】
請求項3の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の傾斜角度を異ならせたので、簡単な構成で旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止し、過大な振動の発生を防止することができる。
【0042】
請求項4の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の旋回方向先端部のテーパ角度を異ならせたので、簡単な構成で旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止し、過大な振動の発生を防止することができる。
【0043】
請求項5の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の前縁スウィープ角を異ならせたので、簡単な構成で旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止し、過大な振動の発生を防止することができる。
【0044】
請求項6の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の一方を前進翼とし、他方を後退翼としたので、各翼の特性を発揮しながら旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止することができる。
【0045】
請求項7の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の前縁の角度分布を異ならせたので、各翼の特性を発揮しながら旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止することができる。
【0046】
請求項8の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の径方向長さを異ならせたので、各翼の特性を発揮しながら旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止することができる。
【0047】
請求項9の発明のインデューサによれば、奇数枚目と偶数枚目の各翼の前縁での翼間距離を異ならせたので、簡単な構成で旋回キャビテーションを防止して軸振動の誘発を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略図である。
【図2】インデューサが装着された高速ポンプの断面図である。
【図3】インデューサの概略図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略図である。
【図6】図6に本発明の第4実施形態に係るインデューサの正面図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係るインデューサの正面図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係るインデューサの正面図である。
【図9】本発明の第7実施形態に係るインデューサの正面図である。
【図10】本発明の第8実施形態に係るインデューサにて翼を展開して表した概略図である。
【符号の説明】
11 ケーシング
12 回転軸
14 インペラ
15 タービン
16 延長軸
19,30,40,50,60,70,80,90,100 インデューサ
21a〜21d,31a〜31d,41a〜41d,51a〜51d,61a〜61d,71a〜71d,81a〜81d,91a〜91d,101a〜101d 翼
Claims (9)
- 高速ポンプの羽根車の上流側に配設されるインデューサにおいて、翼を偶数枚とし、奇数枚目の翼と偶数枚目の翼との形状特性を異ならせたことを特徴とするインデューサ。
- 請求項1記載のインデューサにおいて、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の旋回方向先端厚さを異ならせたことを特徴とするインデューサ。
- 請求項1記載のインデューサにおいて、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の傾斜角度を異ならせたことを特徴とするインデューサ。
- 請求項3記載のインデューサにおいて、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の旋回方向先端部のテーパ角度を異ならせたことを特徴とするインデューサ。
- 請求項1記載のインデューサにおいて、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の前縁スウィープ角を異ならせたことを特徴とするインデューサ。
- 請求項1記載のインデューサにおいて、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の一方を前進翼とし、他方を後退翼としたことを特徴とするインデューサ。
- 請求項1記載のインデューサにおいて、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の前縁の角度分布を異ならせたことを特徴とするインデューサ。
- 請求項1記載のインデューサにおいて、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の径方向長さを異ならせたことを特徴とするインデューサ。
- 請求項1記載のインデューサにおいて、奇数枚目と偶数枚目の前記各翼の前縁での翼間距離を異ならせたことを特徴とするインデューサ。
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