JP2008188988A - 物品の製造方法および物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】一部分がその他の部分の材料とは異なる材料から形成された物品を、精度良くかつ効率的に製造し得る製造方法を提供する。
【解決手段】製造方法は、第1性質を有する第1表面63および第2性質を有する第2表面67を含む型面50aの、第1表面および第2表面のうちのいずれか一方の表面上に被覆層44を形成する工程と、被覆層を覆うようにして、被覆層をなす材料とは異なり流動性を有した材料42を型面に供給する工程と、型面に供給された材料を型面上で硬化させる工程と、硬化された材料を離型する工程と、を備える。材料を硬化する際に、被覆層と材料とを接合する。被覆層を材料とともに離型する。
【選択図】図8

Description

本発明は、一部分がその他の部分の材料とは異なる材料からなる物品を製造する製造方法に係り、とりわけ、前記物品を精度良く効率的に製造することができる製造方法に関する。
また、本発明は、一部分がその他の部分の材料とは異なる材料からなる物品であって、とりわけ、精度良く効率的に製造され得る物品に関する。
近年、各種の映像表示装置が、種々の分野で利用されている。また、映像表示装置に表示される映像を明瞭に観察することができるようにするため、種々のシート状部材(シート状の物品)が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。特許文献1及び特許文献2に開示されたシート状部材は、透光性を有する基部と、基部から突出し透光性を有する複数の突出部と、を有している。そして、突出部はシート状部材のシート面に対して傾斜または直交する面を有しており、この面上に所望の機能を発揮し得るコーティング層が形成されている。
特開2004−309850号公報 特公平4−63361号公報
ところで、特許文献1によれば、斜め蒸着によりコーティング層を突出部上に形成している。具体的には、突出部が形成された基部を真空雰囲気中において傾斜させて保持し、突出部の一表面上のみにコーティング層を蒸着により形成している。しかしながら、この方法でコーティング層を形成しようとすると、基部を精度良く保持しなければならない。また、昨今の表示装置の表示面の大型化にともない、基材を収容する真空装置も大型化しなければならない。
一方、特許文献2によれば、フォトリソ技術を用いてコーティング層を突出部上に形成している。具体的には、突出部の全面を感光性材料で被覆し、次に、感光性材料を部分露光および現像することにより、コーティング層を形成している。しかしながら、この方法でコーティング層を形成しようとすると、露光光の照射を精度良く制御しなければならない。
すなわち、いずれの方法によっても、このような二種類の材料からなる物品を精度良くかつ効率的に製造していくことはできない。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、改良された型を用いた製造方法によって、このような二種類の材料からなるシート状の物品を精度良くかつ効率的に製造し得る、ことを見出した。また、本発明者が発明した製造方法によれば、映像表示装置に用いられるシート状の物品に限られず、一部分がその他の部分の材料とは異なる材料からなる物品、さらには、二種類以上の特性を表面に有する物品を、精度良くかつ効率的に製造することができる。
すなわち、本発明は、一部分がその他の部分の材料とは異なる材料からなる物品を製造する製造方法であって、前記物品を精度良くかつ効率的に製造することができる製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、一部分がその他の部分の材料とは異なる材料からなる物品であって、精度良くかつ効率的に製造され得る物品を提供することを目的とする。
本発明による物品の製造方法は、一部分がその他の部分の材料とは異なる材料からなる物品を製造する製造方法であって、第1性質を有する第1表面および前記第1性質とは異なる第2性質を有する第2表面を含む成型用の型面を有する型の、前記型面の前記第1表面および前記第2表面のうちのいずれか一方の表面上に被覆層を形成する工程と、前記被覆層を覆うようにして、前記被覆層をなす材料とは異なる材料であって流動性を有する材料を前記型面に供給する工程と、前記型面に供給された材料を型面上で硬化させる工程と、前記硬化された材料を前記被覆層とともに前記型から離型して、前記硬化された材料からなる成型部と、前記成型部上に設けられ前記被覆層からなる転載部と、を得る工程と、を備えることを特徴とする。
本発明による物品の製造方法によれば、型の第1表面の第1性質と第2表面の第2性質との相違を利用して、第1表面および第2表面のうちのいずれか一方の表面上のみに被覆層を精度良くかつ効率的に形成することができる。そして、このようにして被覆層が形成された型を用い、被覆層の材料とは異なる材料から成型部を成型するとともに、成型部と被覆層とを接合することができる。これにより、成型部上に転載された被覆層からなる転載部と、転載部の材料とは異なる材料からなる成型部と、を有する物品を、精度良くかつ効率的に製造することができる。このような製造方法の前記型面に供給された材料を硬化させる工程において、前記いずれか一方の表面と前記被覆層との接合力よりも強い接合力で前記被覆層と前記型面に供給された材料とを接合することが好ましい。
本発明による物品の製造方法の前記被覆層を構成する工程において、前記第1性質と前記第2性質との相違を利用して、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上のみに被覆層が形成されることが好ましい。例えば、本発明による物品の製造方法において、前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は導電性であるとともに他方は非導電性であり、前記被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に帯電した粒子を付着させて前記被覆層を形成するようにしてもよい。あるいは、本発明による物品の製造方法において、前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は親液性であるとともに他方は撥液性であり、前記被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に塗工液を付着させて前記被覆層を形成するようにしてもよい。あるいは、本発明による物品の製造方法において、前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は磁性であるとともに他方は非磁性であり、前記被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に磁性を有する粒子を付着させて前記被覆層を形成するようにしてもよい。
また、本発明による物品の製造方法の前記被覆層を形成する工程は、粉状または液滴状の材料を前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に付着させる工程と、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に付着した材料を加熱して流動させて材料を皮膜させる工程と、を有するようにしてもよい。このような物品の製造方法によれば、第1表面および第2表面のうちのいずれか一方の表面上に延び渡るとともに厚みの薄い被覆層を形成することができる。また、溶融条件を変更することにより、第1表面および第2表面のうちのいずれか一方の表面と被覆層との接合力を容易に調整することができる。
さらに、本発明による物品の製造方法において、前記型は円柱状または円筒状からなる基部を有し、前記型がその基部の中心軸線を中心として一回転する間に、前記被覆層を形成する工程と、前記材料を供給する工程と、前記材料を硬化させる工程と、前記材料を被覆層とともに離型する工程と、が行われるようにしてもよい。このような物品の製造方法によれば、物品を連続的に製造していくことができる。
さらに、本発明による物品の製造方法において、前記型は、円柱状または円筒状からなり外周面を有する基部と、前記基部上に設けられ前記型面を形成する凸部であって、前記基部の外周面上を螺旋状に延びる凸部と、を有し、前記材料を供給する工程において、前記材料は、前記凸部間を埋めるように供給されるようにしてもよい。このような物品の製造方法によれば、物品を連続的に製造していくことができる。あるいは、本発明による物品の製造方法において、前記型は、円柱状または円筒状からなり外周面を有する基部と、前記基部上に設けられ前記型面を形成する凸部と、を有し、前記型の前記凸部は、前記基部の中心軸線を中心とした環状に形成され、前記中心軸線と平行な方向に並べて複数配列されており、前記材料を供給する工程において、前記材料は、前記複数の凸部間を埋めるように供給されるようにしてもよい。このような物品の製造方法によれば、物品を連続的に製造していくことができる。あるいは、前記型は、板状からなる基部と、前記基部上に設けられ前記型面を形成する複数の凸部と、を有し、前記材料を供給する工程において、前記材料は、前記複数の凸部間を埋めるように供給されるようにしてもよい。このような物品の製造方法によれば、種々の形状の物品を製造することができる。これらの物品の製造方法において、前記成型部は、前記凸部が延びる方向に対応して延びる複数の突出部を有し、各突出部は、二つの突出面を含み、その長手方向に直交する断面において三角形形状を有し、各突出部の二つの突出面のうちのいずれか一方の面上に、前記転載部が形成されているようにしてもよい。なお、ここでいう「三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみでなく、成型技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状、さらには、成型適正向上や物品への諸特性付与等の目的で、狭義、厳密な三角形形状に変調、変形を加えた形状を含む概念である。例えば、三角形のいずれか一以上の辺が湾曲したもの、三角形のいずれか一以上の辺が折れ曲がった(屈曲した)もの、三角形のいずれか一以上の辺に微小凹凸を付与したもの、三角形の頂点に丸みを持たせたもの、三角形の頂点を切断したもの(截頭三角形)等を含む。また、各突出部は、その長手方向に直交する断面において三角形形状以外の形状、例えば台形等の種々の形状を有するようにしてもよい。あるいは、上記三角形と三角形以外の形状とを適宜混合(例えば、交互に配列)させたものであってもよい。
さらに、本発明による物品の製造方法において、前記型は、基部と、前記基部上に設けられ前記型面を形成する凸部であって、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面を少なくとも含む凸部を有し、前記被覆層を形成する工程において、前記基部の前記凸部が設けられる面に対して直交または傾斜した面に前記被覆層が形成されるようにしてもよい。
さらに、本発明による物品の製造方法の前記材料を供給する工程において、前記型面上に放射線硬化型樹脂を供給し、前記材料を硬化する工程において、前記放射線硬化型樹脂に放射線を照射するようにしてもよい。このような物品の製造方法によれば、成型部を迅速に硬化させることができる。あるいは、本発明による物品の製造方法の前記材料を供給する工程において、前記型面に対面するようにしてシート状の基材を供給するとともに、前記シート状基材と前記型面との間に放射線硬化型樹脂を供給し、前記材料を硬化する工程において、前記シート状基材を介して前記放射線硬化型樹脂に放射線を照射するようにしてもよい。このような物品の製造方法によれば、成型部を迅速に硬化させることができる。また、型面上への放射線硬化型樹脂の供給や離型を容易に行うことができる。さらに、高価な放射線硬化型樹脂の使用量を節約することができる。また、前記シート状基材に反射、拡散、防眩、反射防止、赤外吸収、紫外吸収、着色等の機能を事前に設けておくことにより物品に必要な機能を付加することも可能である。
さらに、本発明による物品の製造方法の前記被覆層を形成する工程において、光吸収機能を有する着色された層が前記被覆層として形成されるようにしてもよい。このような物品の製造方法によれば、例えば、表示装置の表示面に貼り付けて用いられる表示装置用機能シートを精度良くかつ効率的に製造することができる。あるいは、本発明による物品の製造方法の前記被覆層を形成する工程において、導電性を有する層が前記被覆層として形成されるようにしてもよい。このような物品の製造方法によれば、例えば、表示装置の表示面に貼り付けて用いられる電磁波シールド材を精度良くかつ効率的に製造することができる。
さらに、本発明による物品の製造方法において、前記型面上に供給される前記材料、あるいは、前記被覆層に、無電界めっきの核となり得る粒子が含まれているようにしてもよい。そして、このような物品の製造方法が、前記型から離型された前記成型部と前記転載部とを有する成型品を無電界めっきし、前記無電界めっきの核となる粒子を含んだ前記成型部あるいは前記転載部上にめっき層を形成する工程を、さらに備えるようにしてもよい。このような物品の製造方法によれば、例えば、表示装置の表示面に貼り付けて用いられ十分な電磁波機能を有した電磁波シールド材を精度良くかつ効率的に製造することができる。
本発明による物品は、第1性質を有する第1表面および前記第1性質とは異なる第2性質を有する第2表面を含む成型用の型面を有する型の、前記型面の前記第1表面および前記第2表面のうちのいずれか一方の表面上に被覆層を形成する工程と、前記被覆層を覆うようにして、前記被覆層をなす材料とは異なる材料であって流動性を有する材料を前記型面に供給する工程と、前記型面に供給された材料を型面上で硬化させる工程と、前記硬化された材料を前記被覆層とともに前記型から離型する工程と、を含む製造方法によって製造され、前記硬化された材料からなる成型部と、前記成型部上に設けられ前記被覆層からなる転載部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、型の第1表面の第1性質と第2表面の第2性質との相違を利用して、第1表面および第2表面のうちのいずれか一方の表面上のみに被覆層が精度良くかつ効率的に形成され得る。そして、このようにして被覆層が形成された型を用い、被覆層の材料とは異なる材料から成型部が成型されるので、被覆層は成型部上の所望の位置に精度良く接合されるようになる。したがって、成型部上に転載された被覆層からなる転載部と、転載部の材料とは異なる材料からなる成型部と、を有する物品が、精度良くかつ効率的に製造され得る。このような物品の製造方法の前記型面に供給された材料を硬化させる工程において、前記いずれか一方の表面と前記被覆層との接合力よりも強い接合力で前記被覆層と前記型面に供給された材料とを接合することが好ましい。
本発明による物品において、前記製造方法中の前記被覆層を形成する際に、前記第1性質と前記第2性質との相違を利用して、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上のみに被覆層が形成されることが好ましい。例えば、本発明による物品において、前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は導電性であるとともに他方は非導電性であり、前記製造方法の被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に帯電した粒子を付着させて前記被覆層が形成されるようにしてもよい。あるいは、本発明による物品において、前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は親液性であるとともに他方は撥液性であり、前記製造方法の被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に塗工液を付着させて前記被覆層が形成されるようにしてもよい。あるいは、前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は磁性であるとともに他方は非磁性であり、前記製造方法の被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に磁性を有する粒子を付着させて前記被覆層が形成されるようにしてもよい。
また、本発明による物品において、前記製造方法の被覆層を形成する工程は、粉状または液滴状の材料を前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に付着させる工程と、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に付着した材料を加熱して流動させて材料を皮膜化させる工程と、を有するようにしてもよい。このような物品によれば、第1表面および第2表面のうちのいずれか一方の表面上に延び渡るとともに厚みの薄い被覆層を形成することができる。また、加熱条件を変更することにより、第1表面および第2表面のうちのいずれか一方の表面と被覆層との接合力を容易に調整することができる。
さらに、本発明による物品において、前記型は円柱状または円筒状からなる基部を有し、前記型がその基部の中心軸線を中心として一回転する間に、前記製造方法の被覆層を形成する工程と、前記製造方法の材料を供給する工程と、前記製造方法の材料を硬化させる工程と、前記製造方法の材料を被覆層とともに離型する工程と、が行われるようにしてもよい。このような物品は連続的に製造され得る。したがって、物品はさらに効率的に製造され得る。
さらに、本発明による物品において、前記型は、円柱状または円筒状からなり外周面を有する基部と、前記基部上に設けられ前記型面を形成する凸部であって、前記型基部の外周面上を螺旋状に延びる凸部と、を有し、前記製造方法の材料を供給する工程において、前記材料は、前記凸部間を埋めるように供給されるようにしてもよい。このような物品は連続的に製造され得る。したがって、物品はさらに効率的に製造され得る。あるいは、前記型は、円柱状または円筒状からなり外周面を有する基部と、前記基部上に設けられ前記型面を形成する凸部と、を有し、前記型の前記凸部は、前記基部の中心軸線を中心とした環状に形成され、前記中心軸線と平行な方向に並べて複数配列されており、前記製造方法の材料を供給する工程において、前記材料は、前記複数の凸部間を埋めるように供給されるようにしてもよい。このような物品は連続的に製造され得る。したがって、物品はさらに効率的に製造され得る。あるいは、本発明による物品において、前記型は、板状からなる基部と、前記基部上に設けられ前記型面を形成する凸部であって、その長手方向に直交する方向に並べて複数配列されている複数の凸部と、を有し、前記製造方法の材料を供給する工程において、前記材料は、前記複数の凸部間を埋めるように供給されるようにしてもよい。このような物品は、種々の形状を有することができる。
さらに、本発明による物品において、前記成型部はある平面上に並べて配置された複数の突出部を有し、各突出部に前記転載部がそれぞれ設けられているようにしてもよい。このような物品において、前記突出部は、それぞれ、前記ある平面から延び上がる二つの突出面を含み、前記ある平面に直交する断面において三角形形状を有し、前記転載部は、前記突出部の前記二つの突出面のうちのいずれか一方の面上に設けられているようにしてもよい。さらに、このような物品において、前記転載部が設けられている突出面は、前記ある平面に対して直交するようにしてもよい。なお、ここでいう「三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみでなく、成型技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状、さらには、成型適正向上や物品への諸特性付与等の目的で、狭義、厳密な三角形形状に変調、変形を加えた形状を含む概念である。例えば、三角形のいずれか一以上の辺が湾曲したもの、三角形のいずれか一以上の辺が折れ曲がった(屈曲した)もの、三角形のいずれか一以上の辺に微小凹凸を付与したもの、三角形の頂点に丸みを持たせたもの、三角形の頂点を切断したもの(截頭三角形)等を含む。また、各突出部は、その長手方向に直交する断面において三角形形状以外の形状、例えば台形等の種々の形状を有するようにしてもよい。あるいは、上記三角形と三角形以外の形状とを適宜混合(例えば、交互に配列)させたものであってもよい。
さらに、本発明による物品において、前記成型部は放射線硬化型樹脂からなるようにしてもよい。このような物品は、成型部が迅速に硬化するようになるので、さらに効率的に製造され得る。あるいは、本発明による物品が、前記成型部に積層されたシート状の基材をさらに備え、前記製造方法の材料を供給する工程において、前記型面に対面するようにしてシート状の基材を供給するとともに、前記シート状基材と前記型面との間に放射線硬化型樹脂を供給し、前記製造方法の材料を硬化する工程において、前記シート状基材を介して前記放射線硬化型樹脂に放射線を照射するようにしてもよい。このような物品は、成型部が迅速に硬化するようになるので、さらに効率的に製造され得る。また、型面上への放射線硬化型樹脂の供給を容易となるので、物品は安定してさらに精度良くに製造され得るようになる。さらに、高価な放射線硬化型樹脂の使用量が節約され得る。また、前記シート状基材に反射、拡散、防眩、反射防止、赤外吸収、紫外吸収、着色等の機能を事前に設けておくことにより物品に必要な機能を付加することも可能である。
さらに、本発明による物品において、前記転載部は着色され光吸収機能を有するようにしてもよい。このような物品によれば、例えば、表示装置の表示面に貼り付けて用いられる表示装置用機能シートであって、精度良く製造されかつ安価な表示装置用機能シートを提供することができる。あるいは、本発明による物品において、前記転載部は導電性を有するようにしてもよい。このような物品によれば、例えば、表示装置の表示面に貼り付けて用いられる電磁波シールド材であって、精度良く製造されかつ安価な電磁波シールド材を提供することができる。
さらに、本発明による物品が、前記成型部および前記転載部のうちのいずれか一方の上に設けられた導電層をさらに備え、前記導電層は、前記成型部および前記転載部のうちのいずれか一方に含まれた粒子を核とした無電界めっきにより形成されているようにしてもよい。このような物品によれば、例えば、表示装置用いられる精度良く製造されかつ安価な電磁波シールド材を提供することができる。
発明を実施するための形態
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1乃至図22は本発明による物品の製造方法および物品の一実施の形態を説明するための図である。このうち図1乃至図7は、物品の一例および当該物品の作用を説明するための図である。図8乃至図14は、物品を製造するための製造装置を説明するための図である。図15乃至図22は、物品の製造方法を説明するための図である。
<物品>
まず、主に図1乃至図7を参照して物品(シート状物品)の一具体例について詳述する。ここで、図1は、物品の一例を示す斜視図であり、図2は図1のII−II線に沿った断面図であり、図3は図2の拡大図であり、図4は図1に示された物品を用いて形成されたシート状部材(表示装置用機能シート)の一例を示す斜視図であり、図5は物品の一例を示す上面図であり、図6は図4に示されたシート状部材を表示装置に適用した場合における作用を説明するための図であり、図7は図1に示された物品を表示装置用機能シートとして表示装置にそのまま適用した場合における作用を説明するための図である。
図1乃至図3に示すように、本実施の形態において、物品10は、シート状の基材12と、基材12上に成型された成型部15と、成型部15上に設けられた複数の機能層19と、を有している。本実施の形態において、成型部15は、基材12の表面上に並べて配置され基材12から突出する複数の突出部16からなっている。すなわち、本実施の形態に係る物品10は、基材12によって構成された支持部11と、支持部11上に配置され複数の突出部16と、各突出部16上にそれぞれ設けられた機能層19と、を含んでいる。本実施の形態において、複数の突出部16は、構成を限定されるものではないが、製造容易さと画像要素との相互干渉を防止する容易性等から、互いに同一に構成され、また、複数の機能層19も互いに同一に構成されていることが好ましい。
図1に示すように、本実施の形態において、各突出部16は、支持部11(基材12)のシート面に沿って直線状に延びている。また、本実施の形態においては、図1に示すように、複数の突出部16は、支持部11の一方の面上に、並列して配置されている。図2に示すように、各突出部16は、支持部11の一方の面から延び上がる二つの突出面を含んでいる。そして、各突出部16は、その長手方向に直交するとともに支持部11の一方の面に直交する断面において、三角形形状、さらに具体的には直角三角形形状を有している。そして、支持部11から延び上がる各突出部16の二つの突出面のうち一方の面17は、支持部11のシート面に対して直交している。各機能層19は、各突出部16の前記直交した面(以下において、被積層面とも呼ぶ)17上に形成されている。また、これにともなって、被積層面17上に形成された機能層19も、支持部11のシート面に直交している。なお、ここでいう「三角形形状」や「直角三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみでなく、成型技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状を含む概念である。
なお、後に説明するように、本実施の形態における物品10は、表示装置5の表示面に貼り付けて用いられ得る。このような本実施の形態において、基材12および成型部15は、光透過性を有する透明または半透明な樹脂から構成される。以下において成型部16の突出部16を光透過部とも呼ぶ。
ところで、図1および図2から理解できるように、支持部11上に配置された成型部15の突出部(光透過部)16によって、支持部11(基材12)上に凹凸形状が形成されている。物品10を表示装置5の表示面6に貼り付けて使用する場合、図1および図2に示すように、この支持部11(基材12)上の凹凸を埋めて、基材12の突出部16が形成されている側(言い換えると、突出部16の基材12側とは反対側)に、基材12(支持部11)のシート面と平行な平坦面を形成する充填部(埋め込み部)14が形成されていることが好ましい。凹凸に起因した映像光の屈折反射を防止するためである。充填部14も、基材12および成型部15と同様に、光透過性を有する透明または半透明な樹脂から構成されている。
また、基材12と、成型部16と、充填部14と、の間の界面における透過光の屈折を防止したい場合、例えば、物品10越しに表示装置5からの映像光を観察する場合には、基材12の屈折率と、成型部15(突出部16)の屈折率と、充填部14の屈折率と、が略同一となっていることが好ましい。本件発明者の研究によると、具体的には、基材12の屈折率、成型部15(突出部16)の屈折率、および、充填部14の屈折率のうちの最大の値と最小の値との差が0.03以下であることが好ましい。ここで、基材12の屈折率、成型部15(突出部16)の屈折率、および、充填部14の屈折率は、高性能かつ容易であることから、通常、アッベ屈折計によって特定される。アッベ屈折計としては、例えば、(株)アタゴのDR−M2を用いることができる。屈折率の値は、小数第3位を四捨五入して小数第2位までの数値として取り扱えば十分である。
次に、機能層19について詳述する。図1に示すように、突出部(光透過部)16の被積層面17上に積層された機能層19は、成型部15の突出部16とともに、支持部11のシート面に沿って延びている。本実施の形態において、各機能層19は、細長い板状に形成され、上述したように、支持部11のシート面に直交するように配置されている。
図3に示すように、本実施の形態において、機能層19は、突出部16の被積層面17上に積層され可視光吸収性を有する第1光吸収層19aと、第1光吸収層19a上に積層され導電性を有する導電層(金属層)19bと、導電層19b上に積層され可視光吸収性を有する第2光吸収層19cと、を有している。なお、後述するように、第1光吸収層19aは転載部19aによって構成され、転載部19aは成型用型(型)50内に形成された被覆層(被転載層とも呼ぶ)44によって構成される(図19および図20参照)。
また、ここでいう「導電性を有する」とは、例えば、後述するように表示装置5の表示面6に貼り付けられて用いられる場合に、電磁波遮蔽機能を十分に発揮することができる程度の導電性を有していることを意味する。具体的には、ここでいう「導電性を有する」とは、機能層19に含まれる導電性を有する部分(本実施の形態においては、後述するように、導電層19b)が、105Ω/□以下の表面抵抗値を有していることを意味する。ただし、表面抵抗値は、103Ω/□以下となっていることがさらに好ましい。
本実施の形態においては、後述するように、第1光吸収層19aは、トナー、すなわち粉末状の黒炭からなる層であって、突出部16の被積層面17上に積層されている。また、導電層19bは、黒炭に添加したパラデュームを核とした無電界めっきにより第1光吸収層19a上に形成されている。さらに、第2光吸収層19cは、導電層19b上に供給されたトナー、すなわち粉末状の黒炭を導電層19bに融着させて、導電層19b上に形成されている。なお、めっきの核として、パラデューム以外のめっきの核となり得る公知の材料を用いてもよい。また、後述するように、導電層19b同士が、例えば物品の端部において、互いに電気的に接続されていることが好ましい。
以上のような構成からなる物品10は、プラズマディスプレイパネル本体や液晶パネル本体を含む表示装置5の表示面6に貼り付けられて用いられるシート状部材(シート状物品)110aとして用いられ得る。以下においては、このようなシート状部材110aの構成と、シート状部材を表示装置5の表示面6に貼り付けて用いる場合の作用について説明する。
図4に示す例において、シート状部材110aは、上述した二つのシート状の物品10が互いの成型部15を向かい合わせるようにして互いに平行に積層されて、構成されている。すなわち、シート状部材110aは、主要な構成として、シート状の支持部11と、各々が支持部11のシート面に沿って延び支持部11上に並列配置された複数の第1光透過部16であって、各々がその長手方向に直交する断面において支持部11のシート面に対して直交または傾斜した面を有する複数の第1光透過部16と、各第1光透過部16の直交または傾斜した面上に設けられ、各々が光吸収性と導電性とを有する複数の第1機能層19と、各々が支持部11のシート面に沿って延び、支持部11のシート面と平行な面上に並列配置された複数の第2光透過部16であって、各々がその長手方向に直交する断面において支持部11のシート面に対して直交または傾斜した面を有する複数の第2光透過部16と、各第2光透過部16の直交または傾斜した面上に設けられ、各々が光吸収性と導電性とを有する複数の第2機能層19と、を含んでいる。
ここで、第1光透過部16は、表示装置5側に配置された物品(以下において、入光側の物品とも呼ぶ)10の突出部から構成され、第2光透過部16は、観察者側に配置された物品(以下において、出光側の物品とも呼ぶ)10の突出部から構成されるものとする。同様に、第1機能層19は、入光側の物品の機能層から構成され、第2機能層19は、出光側の物品の機能層から構成されるものとする。さらに、図示されたシート状部材110aにおいて、支持部11は、基材12のみから構成されている。
このシート状部材110aにおいて、一方の物品10の突出部16の長手方向(機能層19の長手方向)と、出光側の物品10の突出部16の長手方向(機能層19の長手方向)と、が直交または傾斜するようになっている。言い換えると、シート状部材110aをなす一方の物品10の突出部16の長手方向(機能層19の長手方向)と、他方の物品10の突出部16の長手方向(機能層19の長手方向)と、が非平行となっている。とりわけ図4に示す例においては、一方の物品10の突出部16の長手方向(機能層19の長手方向)と、他方の物品10の突出部16の長手方向(機能層19の長手方向)と、は直交している。この結果、シート状部材110aのシート面に直交する方向からの視野において、機能層19は直角に交わる格子状に配列される。
このように二つのシート状の物品10が積層されることにより、一方の物品10と他方の物品10の充填部14と他方の物品10の充填部14とが隣接して配置されるようになる。また、一方の物品10の突出部16が他方の物品10の充填部14と線状に隣接して配置され得る。同様に、他方の物品10の突出部16が一方の物品10の充填部14と線状に隣接して配置され得る。したがって、これらの境界において透過光が屈折することを防止することを目的として、各物品に含まれる突出部16の屈折率と、各物品に含まれる充填部16の屈折率と、が略同一であることが好ましい。具体的には、上述したように、屈折率差が0.03以下であることが好ましい。
また、図4に示す例において、シート状部材110aの一方の表面には、粘着層25が形成されている。粘着層25は、表示装置5の表示面6にシート状部材10を貼り付けるために設けられている。したがって、シート状部材110aを表示装置5の表示面6に貼り付ける前に、粘着層25の物品10に対面しない側に、剥離シートが剥離可能に設けられているようにしてもよい。
このようなシート状部材110aにおいて、二つの物品10の導電層19bがすべて等電位に保たれるよう、導電層19bが互いに電気的に接続されていることが好ましい。本実施の形態においては、シート状部材110aのシート面に直交する方向からの視野において交差する二つの物品10の機能層19の導電層19b同士が、接触するようになっている。この場合、一方の物品10の導電層19bを介して他方の物品の複数の導電層19bが互いに電気的に接続され、他方の物品10の導電層19bを介して一方の物品の複数の導電層19bが互いに電気的に接続される。結果として、二つの物品10に含まれる機能層19の導電層19bが等電位に維持されるようになる。
また、各物品10内の導電層19bを等電位に保つことを目的として、物品10が、上面視において物品10の周囲を取り囲むようにして配置された通電部(いわゆる額縁)13を、さらに備えていることが好ましい。通電部13は、銅やアルミニウム等の導電体から形成され得る。通電部13は、各機能層19の長手方向両端部と接触し、電気的に接続されている。したがって、一つの物品10に含まれる複数の機能層19は互いに電気的に接続され、通電部13とともに等電位に保たれるようになる。
ところで、図6に示されているように、表示装置5側に配置された物品(以下において、入光側の物品とも呼ぶ)10および観察者側に配置された物品(以下において、出光側の物品とも呼ぶ)10において、光透過部(突出部)16および機能層19の構成、例えば、機能層19の配置ピッチP1,P2(図3参照)および支持部11のシート面に直交する方向に沿った機能層19の長さL1,L2(図3参照)は、同一としてもよいし、あるいは、異なるようにしてもよい。なお、図6に示す例において、入光側の物品10の機能層(第1機能層)19の配置ピッチ(入光側の物品10の光透過部(第1光透過部)16の配置ピッチ)P1および支持部11のシート面に直交する方向に沿った第1機能層19の長さL1と、出光側の物品10の機能層19(第2機能層)の配置ピッチ(出光側の物品10の光透過部(第2光透過部)16の配置ピッチ)P2、および、支持部11のシート面に直交する方向に沿った第2機能層19の長さL2が、式(1)の関係を満たすようになっている。
L1/P1>L2/P2 ・・・式(1)
また、図6に示す例において、入光側の物品10の機能層19が水平方向と平行に延び、出光側の物品10の機能層19(第2機能層)が垂直方向と平行に延びるよう、シート状部材110aが表示装置5の表示面6に貼り付けられている。
次に、主に図6を参照して、シート状部材110aを表示装置5の表示面6に貼り付けた場合の作用について説明する。なお、図6には、理解を容易にするため、シート状部材110aの構成要素の一部のみが示されている。
上述したように、シート状部材110aは二つのシート状の物品10を有しており、各物品10は、105Ω/□以下の表面抵抗値を有する導電層19bを有している。とりわけ、本例においては、機能層19の導電層19bは格子状に配列されている(図3および図6参照)。したがって、表示装置5の表示面6から発生される電磁波を効果的に遮蔽することができる。そして、上述したように、各物品10内において複数の導電層19bが互いに電気的に接続されるとともに、物品10間で向かい合う導電層19同士が接触しているので、シート状部材110a内に含まれる導電層19bがすべて等電位に保たれる。この場合、シート状部材110aはより安定して均一に電磁波を遮蔽することができるようになる。
また、入光側の物品10に含まれた機能層19の第1および第2光吸収層19a,19c(図3参照)は水平方向に沿って延び、出光側の物品10に含まれた機能層19の第1および第2光吸収層19a,19cは鉛直方向に沿って延びている。したがって、シート状部材110aのシート面に直交する方向を基準として水平方向に傾斜した方向から、シート状部材110aに入射する光の少なくとも一部分を出光側物品10の光吸収層19a,19cで吸収することができる。すなわち、外光等の環境光が水平方向に傾斜した方向から表示装置5の表示面6に入射することを抑制することができる。同様に、シート状部材110aのシート面に直交する方向を基準として鉛直方向に傾斜した方向から、シート状部材110aに入射する光の少なくとも一部分を入光側物品10の光吸収層19a,19cで吸収することができる。すなわち、外光等の環境光が鉛直方向に傾斜した方向から表示装置5の表示面6に入射することを抑制することができる。したがって、シート状部材110aを介して表示装置5から映像光を観察した場合、外光が効果的に吸収されるので、映像を極めて高いコントラストで観察することができる。
その一方で、表示装置5からシート状部材110aのシート面に直交する方向に沿って出射される映像光は、機能層19によって吸収されることなく、シート状部材10を透過する。つまり、このようなシート状部材110aはいわゆるルーバーとして機能し、所定方向からの光のみを透過させて所定方向に向けてのみ光を透過させることができる。
なお、表示装置5から斜めに出射する映像光は、外光と同様に転載部20によって吸収され得る。この作用を利用し、シート状部材110aのシート面に直交する方向を中心として映像光を観察することができる角度(画角、視野角)を、シート状部材110aの用途に応じて、以下のように調整することもできる。
入光側物品10の機能層19が水平方向に沿って延びる本例において、シート状部材110aのシート面に直交する方向を中心として映像光を観察することができる垂直方向に沿った角度の範囲θ1(図6参照、鉛直方向画角または鉛直方向視野角とも呼ぶ)は、おおよそ以下の式(2)によって表される。
θ1=2×tan-1(P1/L1) ・・・式(2)
ここで、P1は入光側の物品10の機能層19の支持部11のシート面に沿った配置ピッチであり、L1は支持部11のシート面に直交する方向に沿った入光側の物品10の機能層19の長さである。
同様に、出光側物品10の機能層19が鉛直方向に沿って延びる本例において、シート状部材110aのシート面に直交する方向を中心として映像光を観察することができる水平方向に沿った角度の範囲θ2(図6参照、水平方向画角または水平方向視野角とも呼ぶ)は、おおよそ以下の式(3)によって表される。
θ2=2×tan-1(P2/L2) ・・・式(3)
ここで、P2は出光側の物品10の機能層19の支持部11のシート面に沿った配置ピッチであり、L2は支持部11のシート面に直交する方向に沿った出光側の物品10の機能層19の長さである。
上述したように、本例においては、式(1)が成り立つ。したがって、鉛直方向における視野角θ1と水平方向における視野角θ2は異なる角度となる。そして、本例においては、水平方向における視野角θ2が垂直方向における視野角θ1よりも大きくなる。すなわち、水平方向における視野角θ2と垂直方向における視野角θ1とが、テレビ等の映像表示装置として理想的とされている関係に設定される。また、このように設定することで、照明等上下方向からの外光をより吸収することができるようなる。
なお、垂直方向における視野角を広くし水平方向における視野角を狭くすることが好ましい場合、例えば携帯電話の表示装置の表示面にシート状部材110aを用いるような場合には、入光側物品10の機能層19が鉛直方向に沿って延び、出光側物品10の機能層19が水平方向に沿って延びるように、シート状部材10を配置すればよい。
また、本例においては、シート状部材が式(1)を満たすように作製された例を示したが、これに限られない。シート状部材が式(4)を満たすように作製されてもよい。
L1/P1<L2/P2 ・・・式(4)
このような例において、水平方向における視野角を広くし鉛直方向における視野角を狭くすることが好ましい場合には、入光側物品10の機能層19が鉛直方向に沿って延び、集光側物品10の機能層19が水平方向に沿って延びるように、シート状部材110aを配置すればよい。一方、垂直方向における視野角を広くし水平方向における視野角を狭くすることが好ましい場合には、図6に示すように、入光側物品10の機能層19が水平方向に沿って延び、出光側物品10の機能層19が鉛直方向に沿って延びるように、シート状部材10を配置すればよい。
このように、図示されたシート状部材110aによれば、一方の物品10の機能層19に基づいて規制される観察可能角度範囲と、他方の物品10の機能層19に基づいて規制される観察可能角度範囲とが異なるようになっている。そして、一方の物品10の機能層19を水平方向および鉛直方向のいずれか一方に沿って延びるようし、他方の物品10の機能層19をいずれか他方に沿って延びるようにしている。このため、水平方向および鉛直方向のいずれか一方の方向における視野角を広くするとともに、いずれか他方の方向からの外光をより一層吸収することができる。
なお、図6に示されたシート状部材110aにおいて、厳密には、一方の物品10内において隣接する二つの機能層19と他方の物品10内において隣接する二つの機能層19とによって囲まれる支持部11のシート面と平行な面上における四角形領域の二つの対角線に沿った方向における視野角が最も広くなる。つまり、視野角が最も広くなる方向と、効率的に外光を吸収し得る方向(図6に示す例において、垂直方向または水平方向)と、は直交していない。そして、シート状部材10のシート面に直交する方向からの視野における一方の物品10内の機能層19と他方の物品10内の機能層19との交差角度と、一方の物品10内の機能層19の構成(例えば、上述したピッチP1および長さL1(図5参照))および他方の物品10内の機能層19の構成(例えば、上述したピッチP2および長さL2(図5参照))と、を調整することによって、視野角が最も広くなる方向と、効率的に外光を吸収し得る方向と、の関係(とりわけ角度)を調節することができる。したがって、広い視野角を有する方向および効率的に外光を吸収し得る方向の両方が、用いられる環境に応じて最適化されたシート状部材110aを作製することができる。なお、前述のようにピッチP1,P2と高さL1,L2の比を変えることにより画角を変えることができるが、映像光の画素とモアレ防止の観点から、ピッチを同じにして高さを異ならせることがより好ましい。さらには、二つの機能層19を斜交させてできる菱形形状の二つの対角線のうち、長い方の対角線の方向が水平方向となるようにすることで水平方向の視野角を拡大してもよい。
さらに、上述したように、二つの物品10に含まれる機能層19は支持部11のシート面に直交する。すなわち、機能層19はシート状部材110aのシート面に直交するようになっている。したがって、シート状部材110aのシート面に直交する方向からの視野において、各物品10の機能層19は、各層の厚み分(例えば、5μm)の太さを有した線として観察される。一方、入光側の物品10の機能層19が支持部11のシート面に沿って50μm〜500μmのピッチP1で配置され、出光側の物品10の機能層19が支持部11のシート面に沿って50μm〜500μmのピッチP2で配置される。この結果、シート状部材110aのシート面に直交する方向からの視野において、光が透過することができない領域は、シート状部材110aの全領域のうち2%〜19%を占めるようになる。逆に言えば、シート状部材110aのシート面に直交する方向からの視野において、光が透過することができる領域のシート状部材10の全領域に対する百分率(開口率とも呼ばれる)は81%〜98%となる。このように、シート状部材110aが非常に高い開口率を有するため、シート状部材110aのシート面に直交する方向から、シート状部材110aを介して映像光を非常に明るく観察することができる。
さらに、シート状部材110aの一方の側の表面は粘着層25として形成されている。したがって、粘着層25を介してシート状部材110aを、表示装置5の表示面6に固定することができる。
ところで、図4および図6を参照して、二つの物品10からシート状部材110aを作製し、作製されたシート状部材110aを表示装置5の表示面6に貼り付けて用いる例を示したが、これに限られない。図7に示すように、図1乃至図3に示された物品10をそのまま表示装置5の表示面6に貼り付けて用いることも有用である。
図7に示す例において、物品10は、機能層19(突出部16)が水平方向に沿って延びるように、配置されている。したがって、物品10のシート面に直交する方向を基準として垂直方向に傾斜した方向から、物品10に入射する光の少なくとも一部分を機能層19で吸収することができる。すなわち、図7に示すように、室内照明装置29からの照明光が垂直方向に傾斜した方向から表示装置5の表示面6に入射することを抑制することができる。したがって、物品10を介して表示装置5からの映像光を観察した場合、外光の写り込みを防止する等して、映像を極めて高いコントラストで観察することができる。また、物品10は、表示装置5から発生する電磁波を吸収する電磁波シールド材としても十分に機能する。
さらに、表示装置5の表示面6に物品10(シート状部材110a)が配置される場合には、特定波長の光を吸収する光吸収剤26が、少なくともいずれか一つの構成要素中に、例えば、図3に示すように支持部11中に含有されるようにしてもよい。例えば、特定の可視光を吸収する光吸収剤26を用いることにより、プラズマディスプレイに用いられる蛍光体の色純度を向上させるようにすることができる。また、テレビ等の映像表示装置では、リモコン操作用の信号として近赤外線領域の光を用いている。したがって、近赤外線領域の光を吸収する光吸収剤26を用いることにより、表示装置5自体から発生される近赤外線光によって表示装置5が誤作動してしまうことを防止することができる。このように複数の機能を物品10に持たせることにより、表示装置5の製造コストを低減することができる。
<物品の製造方法>
次に、主に図8乃至図22を参照して上述した物品10を製造する方法について詳述する。
〔製造装置〕
まず、主に図8乃至図14を参照して、物品10を製造するために用いられ得る製造装置の一例について説明する。ここで、図8は、物品を製造し得る製造装置の一例を概略的に示す構成図である。図9は、製造装置に含まれた成型用型を示す側面図である。図10は、図9のX−X線に沿った断面図である。図11は、図10の部分拡大図である。
(製造装置の全体構成)
図8に示すように、本例において、物品の製造装置40は、回転可能に支持された成型用型(型)50を有する成型装置49と、成型装置49の下流側に配置された補助機能層形成装置90と、補助機能層形成装置90の下流側に配置された充填部形成装置(埋め込み部形成装置)95と、を備えている。このような製造装置40は、支持部11(基材12)と、光透過部16と、機能層19と、充填部14と、を有する物品10を製造するための装置である。
図8に示すように、成型装置49は、帯状に延びる成型用基材シート41を供給する基材供給装置71と、供給される基材シート41と成型用型50の型面50aとの間に流動性を有した材料42を供給する材料供給装置72と、基材シート41と成型用型50の型面50aとの間の材料42を硬化させる硬化装置73と、をさらに有している。本実施の形態において、樹脂供給装置72は材料42としてUV硬化型樹脂を供給するようになっている。またこれに対応して、硬化装置73は、UV光を照射する照射装置として構成されている。
このような成型装置49によれば、成型用型50の型面50aに対面するようにしてシート状の基材41が供給される。基材41の供給に合わせて、シート状基材41と型面50aとの間にUV硬化型樹脂が供給される。その後、シート状基材41を透過させてUV硬化型樹脂にUV光が照射されてUV硬化型樹脂が硬化する。そして、突出部16を含む成型部15と、成型部15上に設けられ前記第1光吸収層をなすようになる転載部19aと、を有する成型品8が形成される(図1乃至図3参照)。なお、UV硬化型樹脂以外の材料を用いて成型部15を形成するようにしてもよい。ただし、UV硬化型樹脂や、電子線を照射されることによって硬化するEB硬化型樹脂等の放射線硬化型樹脂を用いることが、生産効率上好ましい。
また、図8に示すように、成型装置49は、成型用型50に隣接して配置された電荷付与装置75と、成型用型50に隣接して配置された帯電粒子供給装置76と、成型用型50に隣接して配置された融着装置77と、をさらに有している。本例において、電荷付与装置75は、イオナイザーから構成され、成型用型50に対し正電荷または負電荷を付与(チャージ)することができるようになっている。また、帯電粒子供給装置76は、静電印刷装置として構成され、帯電しためっき核を含むトナーを塗布することができるようになっている。さらに、融着装置77は、遠赤外線方式の加熱装置として構成され、トナーを塗布位置に融着させることができるようになっている。
図8に示すように、本実施の形態において、補助機能層形成装置90は、成型装置49の下流側に配置された無電界めっき装置91と、無電界めっき装置91の下流側に配置された帯電粒子供給装置92と、帯電粒子供給装置92の下流側に配置された融着装置93と、を有している。補助機能層形成装置90の帯電粒子供給装置92および融着装置93は、それぞれ、成型装置49の帯電粒子供給装置76および融着装置77と同様に構成され得る。
(成型用型)
ここで、主に図9乃至13を参照して成型用型50について詳述しておく。まず、主に図9乃至図11を参照して、成型用型50の構成について詳述する。
図9に示すように、本例において、成型用型50は、成型用型基部52と、成型用型基部52上に設けられ、成型品に転写されるべき凹凸形状を有する型面(転写面、凹凸面)50aを形成する凸部60と、を有している。成型用型基部52は、円柱状からなり、円柱の側面に該当する外周面(円筒表面部)52aを有している。また、円柱状からなる成型用型基部52は、外周面52aの中心を通過する中心軸線A1、言い換えると、円柱の横断面の中心を通過する中心軸線A1を、有する。なお、成型用型基部52は、外周面を有するとともに中心軸線を含む円筒状からなるようにしてもよい。
図9に示すように、本実施の形態において、成型用型基部52の外周面52a上には、複数の凸部60が中心軸線A1と平行な方向に並べて配置されている。凸部60は、中心軸線A1を中心とした環状に形成されている。本実施の形態において、凸部60は、中心軸線A1に沿った断面において、言い換えると、凸部60の長手方向に直交する断面において、三角形形状、さらに詳しくは直角三角形形状を有している。図9示すように、中心軸線A1に沿った断面において、複数の凸部60は、中心軸線A1と平行な方向に互いに隣接して並べて配列されている。したがって、成型用型50の型面(転写面)50aは、凸部60のみによって形成されている。なお、本例において、複数の凸部60は同一に構成されている。
図10および図11に示すように、各凸部60は、成型用型基部52の外表面52aから外方に突出した第1部分62と、第1部分62上に設けられた第2部分66と、を有している。第1部分62は第1の性質を有しており、第2部分66は第1部分62の第1の性質に反する第2の性質を有している。第1部分62は型面50aを形成する第1表面63を含み、第2部分66は型面50aを形成する第2表面67を含んでいる。そして、本実施の形態においては、第1表面63と第2表面67とによって型面50aが形成されている。
本実施の形態において、第1部分62は、例えば銅から形成され、導電性である。一方、第2部分66は例えば樹脂から形成され非導電性(絶縁性)である。なお、図10に示すように、本実施の形態において、凸部60の第1部分62は、成型用型基部52の外周部分と同一材料によって一体に形成されている。図10に示すように、第1部分62は、中心軸線A1に沿った断面において、鈍角三角形形状を有している。そして、鈍角となっている内角を画定する二辺のうちの一辺が、成型用型基部52の外周面52a上に配置されている。ここで、鈍角三角形とは、一つの内角が鈍角(90度より大きい角度)となっている三角形のことを意味している。
上述したように、本実施の形態において、各凸部60は、中心軸線A1に沿った断面において、直角三角形形状を有している。そして、各凸部60は、中心軸線A1に沿った断面において中心軸線A1に対して直交する面68を有している。後述するように、成型品の一部をなすようになる被覆層44が、成型に先立ってこの面(被覆層形成面または被転載層形成面とも呼ぶ)68に形成される。被覆層形成面68は第2部分66の第2表面67として構成されている。
本実施の形態において、第2部分66は、第1部分62の一つの面(被搭載面)64上に配置されている。上述したように、第1部分62は、中心軸線A1に沿った断面において、鈍角となっている内角を画定する二辺のうちの一方の辺が成型用型基部52上に配置された鈍角三角形形状を有している。そして、被搭載面64は、中心軸線A1に沿った断面において、鈍角となっている内角を画定する二辺のうちの他方の辺をなす。したがって、被搭載面64は、中心軸線A1に沿った断面において、被搭載面64の第2部分66が設けられている範囲のうち中心軸線A1に最も近接する部分は、中心軸線A1から最も離間する部分よりも、中心軸線A1と平行な方向に沿って第1部分62の側に寄っている。つまり、第1部分62の被搭載面64に隣接する第2部分66の面は、中心軸線A1に沿った断面において、中心軸線A1に最も離間する位置よりも中心軸線A1に最も近接する位置において、第1部分62内により入り込んでいる。また、図10に示されているように、中心軸線A1と平行な方向に沿った第2部分66の厚みは、中心軸線A1から離間した側よりも中心軸線A1に近接した側において、厚くなっている。
図11によく示されているように、被搭載面64には微細な凹凸が形成されている。この微細な凹凸は、中心軸線A1(図11においては省略)に沿った断面において、各々が三角形形状を有し並べて配置された複数の微細突出部64aを含んで形成されている。なお、このような微細突出部64aを含む微細な凹凸面64は、後述するように、成型用型作成中における切削痕によって容易に形成され得る。
次に、主に図12乃至図14を参照して、このような成型用型50の製造方法の一例について詳述する。ここで図12乃至図14は成型用型の製造方法を説明するための図である。とりわけ、図12は、図11に対応した図であり、第1部分の製造方法を説明するための図である。図13は、図11に対応した図であり、第2部分をなすようになる充填部の製造方法を説明するための図である。図14は、図11に対応した図であり、第2部分の製造方法を説明するための図である。
まず、上述した成型用型50の成型用型基部52をなすようになる部分を含んだ成型用型基材51を準備する。本実施の形態において、成型用型基材51は、円柱状からなり外周面(円柱または円筒の側面)52aを有する成型用型基部52と、成型用型基部52の外周面52a上に設けられ、第1性質(導電性)を有する円筒状の表面部55と、を有している。したがって、基材51も、成型用型基部52と同様に、円柱状の輪郭を有している。
なお、表面部55と成型用型基部52とは、一体に形成されていてもよいし、別体に形成されていてもよい。また、表面部55と成型用型基部52とが、別の材料から形成されていてもよいし、同一の材料から形成されていてもよい。本実施の形態においては、上述した成型用型50を作製するため、成型用型基部52の中心部分が鋼からなり、表面部55と成型用型基部52の外周部分とが銅で一体的に形成された成型用型基材51が用いることができる。このような成型用型基材51は、鋼ロールの表面を硬質の銅で厚めっきすることによって得られ得る。
次に、図12に示すように、成型用型基材51の表面部55を切削する。具体的には、例えば、旋盤を用い、成型用型基材51をその中心軸線A1を中心として回転させながら、バイト27によって成型用型基材51の表面部55を切削する。そして、図12に示すように、成型用型基部52の外表面52a上に、成型用型基部52の外表面52aから突出する第1部分62を作製する。第1部分62は、中心軸線A1と平行な方向に並べられるようにして、複数形成されていく。
第1部分62を作製する際、第1部分62の上述した被搭載面64を形成していくバイト27の刃先が、成型用型基材51の表面部55に切り込んでいくにしたがい(図12において下方に進むにしたがい)、当該被搭載面64を含む第1部分62内に入り込んでいくようにする(図12において右方に進んでいくようになる)。つまり、バイト27を、成型用型基材51の表面部55に切り込ませていくとともに、中心軸線A1と平行な方向に沿って作製中の被搭載面64を含む第1部分62側へ移動させる。
このようなバイト27の動作によって作製された被搭載面64は、図11に示すように、中心軸線A1に沿った断面において、中心軸線A1から離間した側から中心軸線A1から近接した側に向けて、当該被搭載面64に対応する第1部分62内に入り込んでいくようになる。また、被搭載面64を拡大して観察すると、図11に示すように、バイト27による切削痕は、中心軸線A1に沿った断面において、三角形形状を並べて配置された輪郭を有するようになる。
次に、第1部分62の少なくとも一部分を覆うとともに第1性質とは異なる第2性質を有する充填部(被覆部)69を形成する。本実施の形態においては、図13に示すように、中心軸線A1(図13においては省略)と平行な方向に沿って複数形成された第1部分62の間に充填部69が形成される。さらに厳密には、第1部分62を形成する際にバイト27によって削り取られた部分を埋め戻すように、充填部69が形成される。
このような充填部69は例えば以下のようにして形成され得る。まず、流動性を有する材料(例えば、樹脂)を、第1部分62を覆うようにして成型用型基材51上に供給する。ここで、「流動性を有する」とは、図13に示すように、第1部分62間に入り込み得る程度、さらに、本実施の形態のように被搭載面64上に微細突出部64aが形成されている場合には、この被搭載面64上の微細突出部64a間に入り込み得る程度の流動性を有することを意味する。次に、材料を成型用型基材51上において硬化させることによって、材料から充填部69が形成されるようになる。
なお、充填部69をなす材料として、放射線硬化型樹脂を用いることが好ましい。このような材料を用いた場合、成型用型基材51上において材料を容易かつ迅速に硬化させることができる。放射線硬化型樹脂として、例えば、UV光を照射されることにより硬化するUV硬化型樹脂や、電子線を照射されることによって硬化するEB硬化型樹脂を選択することができる。また、充填部69は、以下に説明するように、その一部を切削されて第2部分66を形成するようになる。このため、充填部69をなす材料は、例えばナイロンやアクリル等、良好な切削性を有する材料であることが好ましい。
その後、充填部69を切削する。具体的には、図14に示すように、旋盤等のバイト28によって充填部69の一部分を除去して、第1部分62の被搭載面64上に設けられた第2部分66を形成する。第2部分66は、第1部分62毎に形成される。このようなバイト28の動作によって作製された被覆層形成面68は、図14に示すように、中心軸線A1(図14においては省略)に沿った断面において、中心軸線A1に対して直交するようになる。なお、例えばUV硬化型樹脂の離型を容易にするため、いわゆる抜きテーパを設けるようにしてもよい。なお、ここでいう抜きテーパとは、図10の断面において、中心軸線A1に直交する軸線を基準として被搭載面64と逆側に傾斜したテーパのことである。
以上のようにして、上述した成型用型50が製造され得る。得られた成型用型50においては、第1部分62と第2部分66とを有する凸部60が、成型用型基部52の外周面52a上に、中心軸線A1と平行な方向に並べて配置されている。このような製造方法によれば、第1性質を有する第1部分62と第1性質とは異なる第2性質を有した第2部分66とを備える成型用型50を容易かつ精度良く製造することができる。
ところで、成型用型基材51の中心軸線A1に沿った長さが長くなると、切削加工時に、両端を支持された成型用型基材51が撓んでしまうことがある。この場合、中心軸線A1と平行な方向(送り方向)に沿った切削精度はある程度良好に維持されるものの、切り込み方向に沿った切削精度は悪化してしまうおそれがある。しかしながら、後に詳述するように、上述した物品10のように、被覆層44から形成される転載部(機能層の第1光吸収層)19a(図3参照)が特定の機能を発揮するような場合には、第2部分66を切削する際の切り込み量を高精度に維持する必要がなくなる。図14に二点鎖線で示すように、第1部分62を切削する際の切り込み量よりも、第2部分66を切削する際の切り込み量が多くなったとしても、被覆層44が積層されるようになる第2部分66の形状に影響を与えないからである。
〔物品の成型方法〕
次に、主に図15乃至図22を参照して、上述した製造装置40を用いて上述した物品10を製造する製造方法について説明する。ここで、図15乃至図22は、物品の製造方法を説明するための図である。
まず、主に図15乃至図17を参照して、成型用型50を準備する工程、より具体的には、成型用型50の型面50aに被覆層(被転載層)44を形成する工程について説明する。上述した第1部分62と第2部分66とを有する複数の凸部60を有した成型用型50が中心軸線A1(図15乃至図17においては省略)を中心として回転させられる。成型装置49の電荷付与装置75と対向する位置を通過する際、成型用型50の型面50aに電荷付与装置75から負電荷が付与(チャージ)される。ところで、上述したように成型用型50の型面50aは、第1部分62の第1表面63および第2部分66の第2表面67のみによって形成されている。そして、型面50aのうち第2表面67からなる被覆層形成面68以外の部分は導電性の銅からなっている。そして、図15に示すように、成型用型50の導電性を有する部分は接地されている。したがって、図15に示すように、成型用型50の型面50aのうち、凸部60の第2部分66の被覆層形成面68(第2表面67)のみが帯電するようになる。
次に、一部分のみが帯電した型面50aは、成型用型50の回転にともなって、帯電粒子供給装置76に対向する位置を通過する。この際、正電荷を帯電した着色粒子43、より具体的には黒色トナーが、帯電粒子供給装置76から成型用型50の型面50aに供給される。図16に示すように、黒色トナー43は、成型用型50の型面50aのうち、凸部60の負電荷を帯電した各被覆層形成面68のみに付着するようになる。
その後、成型用型50のトナーを塗布された型面50aは、成型用型50の回転にともなって、融着装置77に対向する位置を通過する。この際、型面50a上のトナー43は、融着装置77によっていったん溶融する。その後、融着装置77に対向する位置を通過した後に、溶融したトナーが再凝固する。この結果、被覆層形成面68上に供給されたトナーが皮膜化する。このようにして、成型用型50の型面50aの各被覆層形成面68に、被覆層(黒色層)44が形成される。なお、黒色トナー43の材料およびここでの溶融条件は、被覆層44が被覆層形成面68に付着するものの、被覆層形成面68に対してある程度の剥離性を有する、ように設定される。
次に、以上のようにして準備された成型用型50を用いて成型を行う工程について、主に図18乃至図20を参照して説明する。
図18および図8に示すように、成型用基材供給装置71により、被覆層44が形成されている成型用型50の型面50aと接触するように、成型用基材シート41が供給される。また、基材シート41の供給にともない、成型用型50の型面50aに面する基材シート41上に、樹脂供給装置72から流動性を有するUV硬化型樹脂が供給される。ここで、「流動性を有する」とは、図19に示すように、成型用型50の型面50aの凸部60間に入り込み得る程度の流動性を有することを意味する。
その後、被覆層(被転載層)44が形成されている成型用型50の型面50aは、基材シート41との間をUV硬化型樹脂によって満たされた状態で、硬化装置73に対向する位置を通過する。この際、図8に示すように、硬化装置73からUV光が照射される。UV光は、図19に示すように、基材シート41を透過してUV硬化型樹脂42に照射される。この結果、UV硬化型樹脂が硬化して、硬化したUV硬化型樹脂からなる成型部15の突出部16が基材シート41上に形成されるようになる。なお、樹脂供給装置72から供給される樹脂としては、硬化する際に、被覆層44と成型用型50の被覆層形成面68との間の接合力よりも強い接合力で被覆層44と接合するようになる樹脂が選択される。
次に、図20および図8に示すように、突出部16を形成された基材シート41が、成型用型50から離間する。ここで、被覆層44は成型用型50の被覆層形成面68よりも突出部16の被積層面17とより強い接合力で接合されている。したがって、基材シート41が突出部16とともに成型用型50から離間する際、被覆層44は、図20に示すように、突出部16の被積層面17上に配置されたまま、成型用型50の被覆層形成面68から剥離する。このようにして樹脂から成型された成型部15と、成型部15上に転載された被覆層44からなる転載部19aと、を含む成型品8が得られる。本実施の形態において、この成型品8の転載部19aは、上述した機能層19の第1光吸収性層をなすようになる。
なお、図18乃至図19に示す例においては、基材シート41が凹凸面50aに接触するようにして供給される例を示したが、これに限られず、基材シート41が凹凸面50aから離間して配置されるようにしてもよい。このような場合においては、成型用材料42が基材シート41と凹凸面50aとの間の空間を埋めるように供給されることにより、基材シート41上に形成されるシート状の基部と、シート状の基部上に基部と一体的に形成される突出部16と、を有する成型部が、成型用材料42から形成されるようになる。
次に、以上のようにして成型部15および転載部19aを成型された基材シート41が、補助機能層形成装置90に送り込まれる。そして、図21および図22を参照して以下に説明するようにして、転載部からなる第1光吸収層19a上に、上述した導電層19bおよび第2光吸収層19cがさらに形成される。
図21に示すように、無電界めっき装置91において、基材シート41が、成型部15および第1光吸収層19aとともに、金属塩溶液45中に浸される。そして、図21に示すように、本実施の形態においては、第1光吸収層19aをなす黒炭に添加されたパラデュームが核となって、第1光吸収層19a上に銅等がめっきされる。このようにして、第1光吸収層19a上に導電層19bが形成される。
次に、基材シート41は、成型部15と第1光吸収層19aと導電層19bとともに、帯電粒子供給装置92に対向する位置を通過する(図8参照)。この際、負電荷を帯電した着色粒子46、より具体的には黒色トナーが、帯電粒子供給装置92から供給される。またこのとき、図22に示すように、導電性を有する各導電層19bのみが正電圧を印加されている。したがって、図22に示すように、負電荷を帯電した黒色トナー46は、成型品の表面のうちの正電圧を印加されている導電層19b上のみに付着するようになる。
その後、図8に示すように、基材シート41は融着装置93に対向する位置を通過する。この際、導電層19b上のトナー46は、融着装置93によっていったん溶融する。そして、融着装置93に対向する位置を通過した後に、溶融したトナー46が再凝固する。この結果、被覆層形成面68上でトナー46が皮膜化し、各導電層19bに第2光吸収層19cが形成される。以上のようにして、基材シート41上の各突出部16上に、第1光吸収層19aと導電層19bと第2光吸収層19cとを有する機能層19が形成される。
次に、図8に示すように、基材シート41は充填部形成装置95に対向する位置を通過する。充填部形成装置95は、基材シート41の成型部16間にUV硬化型樹脂を供給し、その後、供給した樹脂にUV光を照射して硬化させるようになっている。このようにして、UV硬化型樹脂から充填部14(図1乃至図3参照)が形成される。
その後、一つの物品10の大きさに基材シート41が切断または打ち抜かれる等して、基材シート41から基材12が形成される。そして、この基材12が支持部11をなすようになる。これにより、上述した物品10が得られる。
<作用効果>
以上のような本実施の形態による製造方法によれば、成型用型50の第1表面63の第1性質と第2表面67の第2性質との相違を利用して、第1表面63および第2表面67のうちのいずれか一方の表面上のみに被覆層44を精度良くかつ効率的に形成することができる。そして、このようにして被覆層44が形成された成型用型50を用い、被覆層44の材料とは異なる材料から成型部15を成型するとともに、成型部15と被覆層44とを接合することができる。これにより、成型部15上に転載された被覆層44からなる転載部19aと、転載部19aの材料とは異なる材料からなる成型部15と、を有する物品を、精度良くかつ効率的に製造することができる。
また、上述した実施の形態によれば、成型部15は放射線硬化型樹脂42を硬化させて形成されている。したがって、成型部15を迅速に硬化させることができる。とりわけ、本実施の形態によれば、型面50aに対面するようにしてシート状の基材41が供給されるとともに、シート状基材41と型面50aとの間に放射線硬化型樹脂42が供給され、シート状基材41越しに放射線が放射線硬化型樹脂42に照射され、放射線硬化型樹脂42を硬化させるようになっている。したがって、型面50a上への放射線硬化型樹脂42の供給を容易に行うことができる。さらに、高価な放射線硬化型樹脂42の使用量を節約することができる。
さらに、本実施の形態によれば、被覆層44を形成する工程は、粉状のトナーを第1表面63および第2表面67のうちのいずれか一方の表面上に付着させる工程と、第1表面63および第2表面67のうちのいずれか一方の表面上に付着した材料をいったん溶融させて材料を皮膜化させる工程と、を有している。したがって、第1表面63および第2表面67のうちのいずれか一方の表面上に延び渡るとともに厚みの薄い被覆層44を形成することができる。また、溶融条件を変更することにより、第1表面63および第2表面67のうちのいずれか一方の表面と被覆層44との接合力を容易に調整することができる。
さらに、本実施の形態による成型用型50によれば、成型用型50の凸部60の第1部分62の第1性質と第2部分66の第2性質との相違を利用して、第1部分62および第2部分66のいずれか一方の部分上のみに、成型時に転載されるべき被転載層(被覆層)44を精度良くかつ効率的に形成することができる。そして、このようにして準備された成型用型50を用い、被転載層(被覆層)44の材料とは異なる材料から成型部15を成型するとともに被転載層(被覆層)44からなる転載部(上述した実施の形態における第1光吸収部)19aを成型部15に転載することにより、成型部15と成型部15の材料とは異なる材料からなり成型部15上に設けられた転載部19aと、を有する成型品8を、精度良くかつ安価に製造することができる。
また、本実施の形態によれば、第1部分62の被搭載面64は、第2部分66が設けられている範囲内における中心軸線A1から離間した側よりも中心軸線A1に接近した側において、中心軸線A1と平行な方向に沿って当該第1部分62の側にずれている。このような成型用型50によれば、成型品8を被転載層(被覆層)44とともに成型用型10から抜き取る際に、成型用型50の第2部分66が第1部分62から外れてしまうことを防止することができる。
さらに、本実施の形態によれば、第1部分62の被搭載面64に微細な凹凸が設けられている。したがって、第1部分62と第2部分66とを互いに対してより強固に固定することができる。このため、成型品8を被転載層64とともに成型用型10から抜き取る際に、成型用型50の第2部分66が第1部分62から外れてしまうことを防止することができる。
さらに、微細な凹凸は、中心軸線A1に沿った断面において、各々が三角形形状を有し並べて配置された複数の微細突出部を含むようになっている。このような微細な凹凸は切削痕によって容易に形成され得る。したがって、成型用型50の第1部分62と第2部分66とが互いに対してより強固に固定された成型用型50を安価かつ容易に形成することができる。
さらに、本実施の形態によって製造され得る物品10によれば、機能層19と機能層19との間を光が透過することができる。その一方で、機能層19の光吸収性によって、不用な光、例えば外光(環境光)等を遮蔽することができる。したがって、例えば表示装置5の表示画面に用いた場合には、機能層19を外光遮蔽層として機能させて、高いコントラストで映像光を明瞭に観察することができる。また、物品10をルーバーとして機能させることができる。さらに、作製された物品10によれば、配列された機能層19が導電性を有している。したがって、物品10を電磁波シールドとして機能させることもできる。従来、表示装置5の表示面の前面に配置される遮光材および電磁波シールド材は、互いに全く異なる特殊な構造を有しており、別部材として作製されていた。そして、遮光材および電磁波シールド材を表示装置の表示面上へ配置する場合、遮光材および電磁波シールド材が別個に表示面上に配置される、あるいは、遮光材と電磁波シールド材とが予め積層され、得られた積層体が表示面上に配置される。この結果、表示装置の構成が複雑化するとともに、表示装置の製造コストが高くなっていた。本実施の形態による物品10によれば、このような従来の不具合を解消することができる。
また、本実施の形態によって製造され得る物品10によれば、機能層19が設けられる突出部16の被積層面17は基材12(支持部11)のシート面に直交するようになっている。したがって、機能層19の厚さを薄くすることにより、物品10の開口率を増大させることができる。これにより、例えば表示装置5の表示画面に用いた場合には、外光を遮蔽しながら、高いコントラストで極めて明るく映像光を観察することができる。
<変形例>
なお、上述した実施の形態について様々な変更を加えることができる。以下、図23乃至図33を参照して変形例の一例について説明する。なお、図23乃至図33に示す変形例において、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、重複する詳細な説明を省略する。
(変形例1)
上述した実施の形態において、プラズマディスプレイ装置や液晶ディスプレイ装置等の表示装置5の表示面6に物品10を貼り付けて用いる例を示したが、これに限られない。図23に示すように、反射型スクリーンを用いた表示装置105bに物品10を適用することも有用である。図23に示す例において、反射型スクリーンとして用いられる物品(シート状部材)110bは、支持部11(基材12)と、支持部11上に設けられた突出部116bと、突出部116bの被積層面117b上に設けられた機能層119bと、支持部11の突出部116bが設けられていない側に積層された反射層23と、を有している。
この表示装置105bにおいて、光源3から照射される映像光は、シート状部材110bに突出部116b側から入光し、反射層23で反射されて、シート状部材110bから出光して観察者に観察されるようになっている。
図23に示す例において、シート状部材110bの被積層面117bおよび機能層119bは、室内照明装置129bに対して対面し、観察者による観察方向と平行に延びている。したがって、室内照明装置129bからの照明光は、効果的に、光吸収機能を発揮し得る機能層119bによって吸収される。その一方で、映像光が、機能層119bによって大量に吸収されることはない。このため、観察者は、映像光を高いコントラストで明るく観察することができる。
なお、突出部116bや支持部11(基材12)に反射機能を持たせることで反射層23を省略することもできる。
(変形例2)
また、図24に示すように、物品110cを電子ペーパー装置105cに適用されるシート状部材として用いることもできる。電子ペーパーの一部をなすシート状部材(物品)110cは、支持部111cと、突出部16と、突出部16の被積層面17に形成された機能層19と、突出部16の支持部111cと隣接していない側に設けられた透明電極層22と、を有している。透明電極層22は、支持部111cのシート面と平行に延びている。つまり、透明電極層22と支持部111cとの間のスペースに、突出部16が設けられ、このスペースを区切っている。
区切られた一つのスペースS1が一つの画素を構成する。このスペースS1内には複数の荷電ビーズ22aが配置されている。荷電ビーズ22aは光吸収性を有している。また、透明電極層22および機能層19には、画素毎に独立して電圧が印加され得る。この結果、図24に示すように、荷電ビーズ22aが機能層19上に配置されるように、透明電極層22および機能層19の電圧を操作すること、並びに、荷電ビーズ22aが透明電極22上に配置されるように、透明電極層22および機能層19の電圧を操作することが可能となる。荷電ビーズ22aが機能層19上に配置されると(図24の画素P1)、光が、シート状部材110cの当該画素が占める領域を、透過する。一方、荷電ビーズ22aが透明電極層22上に配置されると(図24の画素P2)、光は荷電ビーズ22aに吸収され、シート状部材110cの当該画素が占める領域を透過することができない。以上のようにして光の透過を制御することができる。
なお、本例において、シート状の支持部111cと、支持部111c上に設けられ、支持部111cから突出する突出部16とが、同一材料から一体的に形成され、成型部115cをなすようになっている。
(変形例3)
さらに、上述したように、物品10は、所望の角度範囲の光のみを透過させるルーバー機能を有している。したがって、パソコンや携帯電話に貼り付けて覗き見を防止するための覗き見防止シートとして用いるようにしてもよい。また、車のメーター類の表示面、カーナビ装置の表示面、窓等に貼り付けてルーバーとして用いるようにしてもよい。
(変形例4)
さらに、上述した実施の形態において、成型用型の製造方法の一例を説明したが、その他の方法を用いて成型用型を製造するようにしてもよい。例えば、特開2004−309850号公報に開示されているように、凸部の第1部分および第2部分のうちいずれかを一方を形成し、形成された一方上に斜め蒸着により他方を形成するようにしてもよい。また、特公平4−63361号公報に開示されているように、凸部の第1部分および第2部分のうちいずれかを一方を形成し、形成された一方上にフォトリソ技術を用いて他方を形成するようにしてもよい。
例えば、斜め蒸着やフォリソ技術によって、図31に示された成型用型150hを作製することができる。図31に示された成型用型150hの凸部160hおよび第2部分166hは、中心軸線A1に沿った断面において、台形形状を有している。このような第2部分166hは切削により作製され得る。また、図示する例において、第2部分166hの被覆層形成面168h(第2表面167h)は中心軸線A1と直交している。さらに、図示する例において、第1部分162hは第2部分166h上に形成されている。このような第1部分は、例えば、フォトリソ法により、露光時の光を中心軸線A1に直交する方向から照射することにより作製され得る。
(変形例5)
さらに、上述した実施の形態において、複数の環状凸部60が成型用型基部52の外周面52a上に中心軸線A1と平行な方向に並べて配置された例を示したが、これに限られない。例えば、図25に概略的に示すように、成型用型150d1,150d2の凸部160d1,160d2が成型用型基部52の外周面52a上を螺旋状に延びているようにしてもよい。このような成型用型150d1,150d2を用いた場合、基材シート41の送り込み方向に対して傾斜して延びる成型部115d1,115d2および転載部119ad1,119ad2を基材シート41上に連続的に形成していくことができる。
さらに、図25に示すように、このような成型用型150d1,150d2を二つ配置することが好ましい。このような例においては、その長手方向に沿って搬送される基材シート41上に、第1の成型部115d1および第1の転載部119ad1、および、第1の成型部115d1および第1の転載部119ad1に対して傾斜して延びる第2の成型部115d2および第2の転載部119ad2を連続して形成していくことができる。この場合、下流側の成型用型150d2で成型部115d2を成型する際には、上流側の成型用型150d1で成型された第1の成型部115d1の突出部間の隙間を埋めるような第2成型部115d2を成型することができる。つまり、後に作製される成型部115d2は、先に作製された成型部115d1の突出部間の隙間を埋める充填部と、先に作製された成型部115d1の突出部上に設けられた突出部と、を含むようにすることができる。したがって、互いに対して傾斜して延びる二種類の成型部および転載部を有した物品(シート状部材)110d(図26参照)をロールトゥロールで形成していくことができ、これにより、互いに対して傾斜して延びる二種類の成型部および転載部を有した物品(シート状部材)110dを極めて高い生産効率で、極めて安価に製造することが可能となる。また、成型が行われた基材シート61を移送方向に直交する方向に切断していくことにより、物品110dが順次得られていく。すなわち、図25に示す装置および方法によれば、材料の無駄を抑えるとともに、極めて効率的に物品110dを作製することができる。
(変形例6)
また、二つの物品を重ね合わせて形成されたシート状物品110aにおいて、一方の物品20の突出部16の長手方向と、他方の物品20の突出部16の長手方向と、が直交するようにした例を示した。言い換えると、一方の物品20の機能層19の長手方向と、他方の物品20の機能層19の長手方向と、が直交するようにした例(図4および図6参照)を示した。しかしながら、これに限られず、一方の突出部16の長手方向(第1の機能層119d1の長手方向)と、他方の突出部16の長手方向(第2の機能層119d2の長手方向)と、が直角以外の角度で交差する、言い換えると、0°より大きく90°より小さい角度、あるいは、90°より大きく180°より小さい角度で交差する、さらに言い換えると、斜めに交差するようにしてもよい。
図26は、このようなシート状部材110dにおける、第1機能層119d1および第2機能層119d2の位置関係を、シート状部材110dのシート面に直交する方向から示す図である。図26中の矢印1は第1機能層119d1によって視野角が狭められる方向であって、かつ、第1機能層119d1によって最も効率的に吸収され得る外光の傾斜方向を示している。一方、図26中の矢印2は第2機能層119d2によって視野角が狭められる方向であって、かつ、第2機能層119d2によって最も効率的に吸収され得る外光の傾斜方向を示している。このようなシート状部材においては、隣接する二つの第1機能層119d1と隣接する二つの第2機能層119d2とによって囲まれる支持部11のシート面と平行な面上における四角形領域Sの二つの対角線S1,S2に沿った視野角が広くなる。さらに厳密には、四角形領域Sの二つの対角線S1,S2のうち長い方の対角線S1に沿った方向において、視野角を最も広くすることができる。したがって、第1機能層119d1の配置ピッチP1、支持部11のシート面に直交する方向に沿った第1機能層119d1の長さL1(図6参照)、第2機能層の配置ピッチP2、および、支持部11のシート面に直交する方向に沿った第2機能層119d2の長さL2(図6参照)が、式(8)の関係を満たすような場合であっても、所望の方向に沿った視野角を広げることができるとともに別の方向から入射する外光に対する外光吸収能力を一層高めるようにすることができる。
L1/P1=L2/P2 ・・・式(8)
また、シート状部材のシート面に直交する方向からの視野における第1機能層119d1と第2機能層119d2との交差角度(直角の場合も含む)と、第1機能層119d1の構成(例えば、上述したピッチP1および長さL1(図6参照))および第2機能層119d2の構成(例えば、上述したピッチP2および長さL2(図6参照))と、を調整することによって、視野角が広くなる方向(図26に示す例において、S1およびS2の方向)と、効率的に外光を吸収し得る方向(図26に示す例において、矢印1および矢印2の方向)と、の関係を調節することができる。したがって、広い視野角を有する方向および効率的に外光を吸収し得る方向の両方が、用いられる環境に応じて最適化されたシート状部材を作製することができる。
(変形例7)
さらに、上述した実施の形態において、成型用型50が円筒状または円柱状の成型用型基部52を有したロール成型用型として構成されている例を示したが、これに限られず、成型用型が円筒状および円柱状以外の基部を有するようにしてもよい。例えば、図27に示すように、成型用型150eが平板状の基部152eを有するようにしてもよい。また、成型用型が断面において弧状となっている湾曲した板状の基部を有するようにしてもよい。
図27に示す例において、成型用型150eは、板状の基部152eと、基部152e上に配置され基部152eの板面に沿って延びる凸部160eと、を有している。図示する例において、凸部152eは、その長手方向に直交する方向に沿って並べられるようにして、基部152e上に複数設けられている。図27に示す例において、凸部160eのその長手方向に直交する断面における構成は、上述した実施の形態の凸部60の中心軸線A1に沿った断面における構成(図2および図3参照)と、同様にすることができる。例えば、凸部160eの長手方向に直交する断面において、第2部分66が設けられている被搭載面64の範囲のうち基部152eに最も近接する部分は、基部152eから最も離間する部分よりも、基部152eの板面と平行な方向に沿って第1部分62の側に配置されているようにしてもよい。また、凸部160eの長手方向に直交する断面に沿った第2部分66の厚みは、基部152eから離間した側よりも基部152eに近接した側において、厚くなっているようにしてもよい。
このような成型用型150eによれば、ロール型を用いることができない、例えばガラス等からなる基板上への成型を行うことができる。また、多品種小ロットでも物品を効率的に製造していくことができる。
また、このような平板状の成型用型150eを用いた場合、例えば、図28に示すような物品110eを二回の成型によって作製することができる。具体的には、図1乃至図3に示された物品10上に、図27に示す成型用型150eを用いて突出部116eおよび機能層19を形成することにより、図28に示す物品110eを得ることができる。この際、先に作製された突出部16間の隙間を埋めるようにして、後に作製される成型部(図28における上方の成型部)115eを成型することができる。つまり、後に作製される成型部115eは、先に作製された成型部(図28における下方の成型部)15の突出部16間の隙間を埋める充填部14と、先に作製された成型部15の突出部16上に設けられた突出部116eと、を含むようにすることができる。このようにして得られ得る物品(シート状部材)110eは、上述した図4に示すシート状部材110aと同様の作用効果を得ることができる。ただし、これに限られず、後に作製される成型部115eが、先に作製された成型部(図28における下方の成型部)15の突出部16間の隙間を埋める充填部14を含まないようにしてもよい。
なお、図27に示された成型用型150eは、例えばプレーナーを用い、基部152eと基部152e上に設けられ第1性質を有する材料からなる表面部とを有する成型用型基材の表面部を切削して、基部152e上に配置され基部152eの板面に沿って延びる凸状の第1部分62を形成する工程と、第1部分62の少なくとも一部分を覆うとともに第1性質とは異なる第2性質を有する充填部69を形成する工程と、充填部69を切削して、第1部分62の長手方向に直交する断面において基部152eの板面に対して直交または傾斜した面を含み第1部分62に隣接する第2部分66を形成する工程と、を含む製造方法によって製造され得る。
また、板状の基部152e上において凸部160eは、直線上に延びていてもよいし、また、曲線状に延びていてもよい。
(変形例8)
さらに、上述した実施の形態において、成型用型50の凸部60の第1表面63が導電性であり、凸部60の第2表面67が非導電性である例を示したが、これに限られない。
例えば、第1表面63が非導電性であり、第2表面67が導電性であるようにしてもよい。
また、第1表面63および第2表面67のうちの一方は親液性であり、他方は撥液性であるようにしてもよい。より具体的には、第1表面63および第2表面67のうちの一方を親水性とし、他方を撥水性とすることができる。この場合、親水性を有する部分上のみに水性塗工液を塗布し、水性塗工液からなる被覆層44を、親水性を有する部分上のみに形成することができる。あるいは、第1表面63および第2表面67のうちの一方を親油性とし、他方を撥油性とすることができる。この場合、親油性を有する部分上のみに油性塗工液を塗布し、油性塗工液からなる被覆層44を、親油性を有する部分上のみに形成することができる。
さらに、第1表面63および第2表面67のうちの一方は磁性であり、他方は非磁性であるようにしてもよい。この場合、磁性を有したトナーを磁性を有する部分上のみに付着させ、磁性を有したトナーからなる被覆層を、磁性を有する部分上のみに形成することができる。
(変形例9)
さらに、上述した実施の形態において、物品10の第1光吸収層(転載部)19aがパラデュームを含有し、無電界めっきにより第1光吸収層19a上に導電層19bが形成される例を示したが、これに限られない。例えば、図29に示された物品110fのように、成型部115fの突出部116f上に導電層119bfが無電界めっきによって形成されるようにしてもよい。図29に示す物品110fにおいては、成型部115fが無電界めっきの核となり得る粒子を含んでいる。例えば、図23を参照しながら説明した反射スクリーンとして、図29に示す物品を用いる場合、突出部116f上に形成される導電層119bfが光反射機能を有するようにしてもよい。
(変形例10)
さらに、上述した実施の形態において、成型用型50によって成型される成型部15が複数の突出部16のみからなる例を示したが、これに限られない。例えば、成型部15が、板状の基部と、基部状に設けられた複数の突出部16と、を有するようにしてもよい。この場合、物品10の支持部11は、成型部15の基部のみからなるようにしてもよいし、成型部の基部と、成型部の基部と積層された基材41と、からなるようにしてもよい。
なお、図24に示された上述の物品110cにおいては、成型部15が、同一材料で一体的に形成された支持部111cと突出部16とを含んでいる。
(変形例11)
さらに、上述した実施の形態において、機能層19が、第1光吸収層19aと、導電層19bと、第2光吸収層19cと、を有する例を示したが、これに限られない。例えば、機能層が、第1光吸収層19aと導電性19bとによって形成されていてもよいし、光吸収性と導電性との両方を有する単層によって形成されていてもよい。さらに、機能層が四層以上の層を有するようにしてもよい。
(変形例12)
さらに、上述した実施の形態において、物品10の転載部19aおよび転載部を含むようにして作製された機能層19が、基材12(支持部11)のシート面に直交する例を示したが、これに限られない。図30に示すように、物品110gの転載部119agの被積層面117gが基材12のシート面に対して傾斜するとともに、転載部119agおよび機能層119gも基材12のシート面に対して傾斜するようにしてもよい。このような物品110gは、図30に示すように、中心軸線A1に沿った断面において、中心軸線A1に対して傾斜した被覆層形成面168g(第2表面167g)を有した第2部分166gを含む成型用型150gを用いて作製され得る。
(変形例13)
さらに、上述した実施の形態において、物品10の突出部16が、支持部11上において隙間無く並べて配置された例を示したが、これに限られない。図31に示された物品110hのように、突出部16が隙間をあけて配置されるようにしてもよい。このような物品110hは、図31に示すように、中心軸線A1に沿った断面において、台形形状を有する凸部160hおよび第2部分166hを有する成型用型150hを用いて作製され得る。すなわち、上述した実施の形態において、成型用型50の凸部60が中心軸線A1に沿った断面において三角形形状を有する例を示したが、これに限られず、種々の形状を有するようにしてもよい。
(変形例14)
さらに、上述した実施の形態において、物品10の突出部16が、基材12(支持部11)のシート面に直交する断面において、直角三角形形状を有する例を示したが、これに限られず、四角形形状等の他の形状を有するようにしてもよい。例えば、図32に示すように、基材12のシート面に直交する断面において、突出部116iが台形形状を有する成型部115iを含むようにしてもよい。このような物品110iは、図32に示すように、中心軸線A1に沿った断面において中心軸線A1に沿って隙間をあけて配列されるとともに三角形形状を有する凸部160iを含む成型用型150iを用いて作製され得る。
(変形例15)
さらに、上述した実施の形態において、成型用型50の第2表面67に被覆層44を形成する例、言い換えると、被覆層形成面68が第2表面67にある例を示したが、これに限れない。被覆層44を第1表面63に形成するようにしてもよい。図32に示す例においては、成型用型150iの型面150aiが凸部160iの第1表面163iおよび第2表面167i並びに基部152iの外周面(表面)152aiによって形成されている。そして、図32に示された物品110iは、成型用型150iの凸部160iの第1表面163iおよび基部152iの外周面(表面)152aiに被覆層を形成した場合に得られ得る。
(変形例16)
さらに、上述した実施の形態において、成型用型50の凸部60が第1の性質を有する第1部分62と第2の性質を有する第2部分66とを有する例を示したが、これに限られない。成型用型50の凸部60が、第1の性質を有する第1部分62および第2の性質を有する第2部分66のいずれか一方のみをふくむようにしてもよい。また、成型されるべき材料が供給される型面50aが、凸部60のみから構成される例を示したが、これに限られず、例えば、型面50aが、凸部60の表面と基部52の外周面とから構成されるようにしてもよい。図32に示された例において、成型用型150iの凸部160iが離間して配置されており、型面160aiは、凸部160iと成型用基部152の外周面(表面)152aとによって形成される。このような例においては、例えば凸部160iの全表面が第1性質を有し、成型用基部152の外周面152aの露出表面が第1性質とは異なる第2性質を有するようにしてもよい。
さらに、型面50aが、さらに、第1の性質および第2の性質のいずれとも異なる第3の性質を有した第3表面を有するようにしてもよいし、さらに、四種類以上の異なる性質の表面を有するようにしてもよい。
(変形例17)
さらに、上述した実施の形態において、一方向に延びる突出部16が一方向に直交する方向に並べて配列される例を示したが、これに限られない。突出部16が一方向に並べて配列されるとともに、一方向とは異なる他方向にも並べて配列されるようにしてもよい。同様に、上述した実施の形態の成型用型50において、一方向に延びる凸部60が一方向に直交する方向に並べて配列される例を示したが、これに限られず、凸部60が一方向に並べて配列されるとともに、一方向とは異なる他方向にも並べて配列されるようにしてもよい。
(変形例18)
上述した実施の形態において、成型部15の複数の突出部16が互いに同一構成を有するようにした例を示したが、これに限られず、異なる構成(断面形状等)を有するようにしてもよい。同様に、上述した実施の形態の成型用型50において、複数の凸部60が互いに同一構成を有するようにした例を示したが、これに限られず、異なる構成(断面形状等)を有するようにしてもよい。
(変形例19)
上述した実施の形態において、シート状の物品10が充填部(埋め込み部)14を有する例を示したが、これに限られない。充填部14は必須の構成要素ではなく、充填部14を省くこともできる。
一方、上述した実施の形態において、充填部14が機能層19を覆わない例を示したが、これに限られない。図33に示すように、充填部114aが、突出部(光透過部)16と機能層19とを覆うようにしてもよい。なお、図33に示す例においては、支持部11が突出部16とともに成型部15をなす基部から、構成されている。そしてさらに、図33に示すように、充填部114aが、単独で、支持部11とは反対側に、支持部11のシート面と平行な平坦面を形成するようにしてもよい。
(変形例20)
以上のように、上述した実施の形態に関するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
図1は、本発明による物品の一実施の形態を示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、図2の部分拡大図である。 図4は、図1に示された物品を用いて形成されたシート状部材(表示装置用機能シート)を示す斜視図である。 図5は、図4に示されたシート状部材に組み込まれたシート状の物品を示す上面図である。 図6は、図4に示されたシート状部材を表示装置に適用した場合における作用を説明するための図である。 図7は、図1に示された物品を表示装置用機能シートとして表示装置にそのまま適用した場合における作用を説明するための図である。 図8は、図1に示された物品を製造し得る製造装置の一例を概略的に示す構成図である。 図9は、図8に示された製造装置に組み込まれた成型用型を示す側面図である。 図10は、図9のX−X線に沿った断面図である。 図11は、図10の部分拡大図である。 図12は、図9に示された成型用型の製造方法の一例を説明するための図であり、とりわけ、図9に示された成型用型の第1部分の製造方法を説明するための図である。 図13は、図9に示された成型用型の製造方法の一例を説明するための図であり、とりわけ、図9に示された成型用型の第2部分をなすようになる充填部の製造方法を説明するための図である。 図14は、図9に示された成型用型の製造方法の一例を説明するための図であり、とりわけ、図9に示された成型用型の第2部分の製造方法を説明するための図である。 図15は、本発明による物品の製造方法の一実施の形態を説明するための図であって、とりわけ、成型用型に被覆層を形成する工程を示す図である。 図16は、本発明による物品の製造方法の一実施の形態を説明するための図であって、とりわけ、成型用型に被覆層を形成する工程を示す図である。 図17は、本発明による物品の製造方法の一実施の形態を説明するための図であって、とりわけ、成型用型に被覆層を形成する工程を示す図である。 図18は、本発明による物品の製造方法の一実施の形態を説明するための図であって、とりわけ、型面上に樹脂を供給する工程を示す図である。 図19は、本発明による物品の製造方法の一実施の形態を説明するための図であって、とりわけ、型面上で樹脂を硬化させる工程を示す図である。 図20は、本発明による物品の製造方法の一実施の形態を説明するための図であって、とりわけ、硬化された材料を成型用型から離型する工程を示す図である。 図21は、本発明による物品の製造方法の一実施の形態を説明するための図であって、とりわけ、導電層を形成する工程を示す図である。 図22は、本発明による物品の製造方法の一実施の形態を説明するための図であって、とりわけ、第2光吸収層を形成する工程を示す図である。 図23は、表示装置の反射型スクリーンに物品を適用した例を説明するための図である。 図24は、電子ペーパー装置に物品を適用した例を説明するための図である。 図25は、物品の製造方法の変形例を説明するための図である。 図26は、図25に示された製造方法によって製造され得る物品を説明するための図である。 図27は、物品の製造方法に用いられ得る成型用型の他の例を示す斜視図である。 図28は、図27に示された成型用型によって製造され得る物品を示す斜視図である。 図29は、図2に対応する図であって、物品の変形例を示す図である。 図30は、図2に対応する図であって、物品の他の変形例を、その製造に用いられ得る成型用型の一例とともに示す図である。 図31は、図2に対応する図であって、物品のさらに他の変形例を、その製造に用いられ得る成型用型の一例とともに示す図である。 図32は、図2に対応する図であって、物品のさらに他の変形例を、その製造に用いられ得る成型用型の一例とともに示す図である。 図33は、図2に対応する図であって、物品のさらに他の変形例を示す図である。
符号の説明
8 成型品
10 物品
11 支持部
12 基材
13 通電部
14 充填部(埋め込み部)
15 成型部
16 突出部
17 被積層面
19 機能層
19a 転載部(第1光吸収層)
19b 導電層
19c 第2光吸収層
41 基材(シート状基材)
42 材料(樹脂、放射線硬化型樹脂)
44 被覆層(被転載層)
50 成型用型
50a 型面(転写面、凹凸面)
52 基部(成型用型基部)
52a 外周面
60 凸部
62 第1部分
63 第1表面
64 被搭載面
66 第2部分
67 第2表面
68 面(被覆層形成面、被転載層形成面)
69 充填部
110a,110b,110c,110d,110e,110f,110g,110h,110i,110j 物品(シート状部材)
114a 充填部
115c,115d1,115d2,115e,115f,115g,115h,115i 成型部
116b,116e,116f,116g,116h,116i 突出部
117b,117g,117h,117i 被積層面
119b,119d1,119d2,119g,119h,119i 機能層
119ad1,119ad2,119ag,119ah,119ai 転載部(第1光吸収層)
119bf 導電層
150d1,150d2,150e,150g,150h,150i 成型用型
150ad1,150ad2,150ae,150ag,150ah,150ai 型面152e 基部(成型用型基部)
160d1,160d2,160e,160g,160h,160i 凸部
163d1,163d2,163e,163h,163i 第1表面
167d1,167d2,167e,167g,167h,167i 第2表面
A1 中心軸線

Claims (23)

  1. 第1性質を有する第1表面および前記第1性質とは異なる第2性質を有する第2表面を含む成型用の型面を有する型の、前記型面の前記第1表面および前記第2表面のうちのいずれか一方の表面上に被覆層を形成する工程と、
    前記被覆層を覆うようにして、前記被覆層をなす材料とは異なる材料であって、流動性を有する材料を前記型面に供給する工程と、
    前記型面に供給された材料を型面上で硬化させる工程と、
    前記硬化された材料を前記被覆層とともに前記型から離型して、前記硬化された材料からなる成型部と、前記成型部上に設けられ前記被覆層からなる転載部と、を得る工程と、を備える
    ことを特徴とする物品の製造方法。
  2. 前記型は、基部と、前記基部上に設けられ前記型面を形成する凸部であって、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の面を少なくとも含む凸部を有し、
    前記被覆層を形成する工程において、前記基部の前記凸部が設けられる面に対して直交または傾斜した当該凸部の面に前記被覆層が形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の物品の製造方法。
  3. 前記被覆層を形成する工程において、前記第1性質と前記第2性質との相違を利用して、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上のみに被覆層が形成される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の物品の製造方法。
  4. 前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は導電性であるとともに他方は非導電性であり、
    前記被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に帯電した粒子を付着させて前記被覆層を形成する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の物品の製造方法。
  5. 前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は親液性であるとともに他方は撥液性であり、
    前記被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に塗工液を付着させて前記被覆層を形成する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の物品の製造方法。
  6. 前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は磁性であるとともに他方は非磁性であり、
    前記被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に磁性を有する粒子を付着させて前記被覆層を形成する
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の物品の製造方法。
  7. 前記被覆層を形成する工程は、粉状または液滴状の材料を前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に付着させる工程と、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に付着した材料を加熱して流動させて材料を皮膜化させる工程と、を有する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の物品の製造方法。
  8. 前記被覆層を形成する工程において、光吸収機能を有する着色された層が前記被覆層として形成される
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の物品の製造方法。
  9. 前記被覆層を形成する工程において、導電性を有する層が前記被覆層として形成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の物品の製造方法。
  10. 前記型面上に供給される前記材料、あるいは、前記被覆層に、無電界めっきの核となり得る粒子が含まれている
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の物品の製造方法。
  11. 前記型から離型された前記成型部と前記転載部とを有する成型品を無電界めっきし、前記無電界めっきの核となる粒子を含んだ前記成型部あるいは前記転載部上にめっき層を形成する工程を、さらに備えた
    ことを特徴とする請求項10に記載の物品の製造方法。
  12. 第1性質を有する第1表面および前記第1性質とは異なる第2性質を有する第2表面を含む成型用の型面を有する型の、前記型面の前記第1表面および前記第2表面のうちのいずれか一方の表面上に被覆層を形成する工程と、
    前記被覆層を覆うようにして、前記被覆層をなす材料とは異なる材料であって、流動性を有する材料を前記型面に供給する工程と、
    前記型面に供給された材料を型面上で硬化させる工程と、
    前記硬化された材料を前記被覆層とともに前記型から離型する工程と、を含む製造方法によって製造され、
    前記硬化された材料からなる成型部と、前記成型部上に設けられ前記被覆層からなる転載部と、を備える
    ことを特徴とする物品。
  13. 前記成型部はある平面上に並べて配置された複数の突出部を有し、
    各突出部に前記転載部がそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする請求項12に記載の物品。
  14. 前記突出部は、それぞれ、前記ある平面から延び上がる二つの突出面を含み、前記ある平面に直交する断面において三角形形状を有し、
    前記転載部は、前記突出部の前記二つの突出面のうちのいずれか一方の面上に設けられている
    ことを特徴とする請求項13に記載の物品。
  15. 前記転載部が設けられている突出面は、前記ある平面に対して直交する
    ことを特徴とする請求項14に記載の物品。
  16. 前記製造方法の前記被覆層を形成する工程において、前記第1性質と前記第2性質との相違を利用して、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上のみに被覆層が形成される
    ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか一項に記載の物品。
  17. 前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は導電性であるとともに他方は非導電性であり、
    前記製造方法の被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に帯電した粒子を付着させて前記被覆層が形成される
    ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか一項に記載の物品。
  18. 前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は親液性であるとともに他方は撥液性であり、
    前記製造方法の被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に塗工液を付着させて前記被覆層が形成される
    ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか一項に記載の物品。
  19. 前記第1性質および前記第2性質のうちの一方は磁性であるとともに他方は非磁性であり、
    前記製造方法の被覆層を形成する工程において、前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に磁性を有する粒子を付着させて前記被覆層が形成される
    ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか一項に記載の物品。
  20. 前記製造方法の被覆層を形成する工程は、粉状または液滴状の材料を前記第1表面および前記第2表面のうちの前記いずれか一方の表面上に付着させる工程と、前記第1表面および前記第2表面のうちのいずれか一方の表面上に付着した材料を加熱して流動させて材料を皮膜化させる工程と、を有する
    ことを特徴とする請求項12乃至19のいずれか一項に記載の物品。
  21. 前記転載部は着色され光吸収機能を有する
    ことを特徴とする請求項12乃至20のいずれか一項に記載の物品。
  22. 前記転載部は導電性を有する
    ことを特徴とする請求項12乃至20のいずれか一項に記載の物品。
  23. 前記成型部および前記転載部のうちのいずれか一方の上に設けられた導電層をさらに備え、
    前記導電層は、前記成型部および前記転載部のうちのいずれか一方に含まれた粒子を核とした無電界めっきにより形成された
    ことを特徴とする請求項12乃至21のいずれか一項に記載の物品。
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