JP2008188289A - 電気掃除機 - Google Patents

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Takeshi Takanose
剛 高野瀬
Masahito Sano
雅仁 佐野
Akiko Numata
亜紀子 沼田
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Abstract

【課題】連通管から掃除機本体に加わる引張り力に応じて掃除機本体の移動を適切に補助できる電気掃除機を提供する。
【解決手段】駆動手段の走行モータ15で走行用の車輪を駆動して掃除機本体を自走させる電気掃除機を前提とし、メモリ48、検出手段36、マイクロコンピュータ46を具備する。メモリ48は閾値を設定する。検出手段36は、塵を吸込む吸込口と連通して掃除機本体の連通管取付け部に取付けられた連通管を把持しての掃除動作でこの連通管を介して掃除機本体を移動させる際に連通管取付け部に加わる力を検出する歪ゲージ22を有する。検出手段36は歪ゲージ22が検出した力に応じて電圧信号を出力する。コンピュータ46は、閾値と歪ゲージ22から出力される電圧信号を比較し、電圧信号が閾値を超えたときに掃除機本体を前進するように走行モータ15を駆動する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、吸込口から吸込んだ塵を掃除機本体に導く連通管を備え、この連通管を持って掃除機本体を移動させるキャニスタ型の電気掃除機に関する。
風路を形成したホースなどの連通管を持ち、この連通管を掃除機本体に取付けた電気掃除機が知られている。この電気掃除機は、連通管に張力が加えられるとオンする機械的なスイッチと、このスイッチのオン信号によりトリガーされて信号を出力し、一定時間後に信号の出力を停止するワンショットマルチバイブレータを設けている。そして、ワンショットマルチバイブレータから出力される信号によって掃除機本体を前方へ自走させる電動機を一定時間駆動する。すなわち、この電気掃除機は、連通管を引っ張る力が一定値を超えるとスイッチがオンして、一定時間電動機が動作し、掃除機本体が前方へ自走する(例えば、特許文献1参照。)。
特開平2−7929号公報(第2頁左上欄第7行〜第3頁左上欄第6行、図1−図2)
特許文献1に記載された電気掃除機は、掃除機本体に一定値以上の引張り力が加わった場合に機械的なスイッチがオンすると、掃除機本体を前方へ自走させる電動機を常に一定時間駆動し、この駆動時間を変えることができない構成であるため、以下の点で使い勝手がよくない。
第一に、電動機による駆動力を使用者の意思あるいは動作に応じた駆動力で駆動できないことである。
第二に、掃除機本体が自走する床面の種類によって、前記一定時間の駆動に伴う掃除機本体の移動距離(移動量)が、大きく依存しばらつきやすい。具体的には、掃除機本体の自走に対する抵抗が大きい床面例えばじゅうたん面の場合には、掃除機本体をフローリング面上で自走させる場合に比較して、掃除機本体の自走による移動量が減る。
本発明の目的は、連通管から掃除機本体に加わる引張り力に応じて、あるいは掃除機本体が移動される床面の種類に応じて、掃除機本体の前進を適切に補助できる電気掃除機を提供することにある。
本発明の一態様は、走行用の車輪を有する掃除機本体に設けられた駆動手段で車輪を駆動して掃除機本体を自走させる電気掃除機において、塵を吸込む吸込口と連通して掃除機本体の連通管取付け部に取付けられた連通管を把持しての掃除動作でこの連通管を介して掃除機本体を移動させる際に連通管取付け部に加わる力を検出するセンサを有し、このセンサが検出した力に応じて信号を出力する検出手段と、検出手段から出力される信号に応じて駆動手段を駆動する移動制御手段と、を具備したことを特徴としている。
本発明によれば、連通管から掃除機本体に加わる引張り力に応じて、あるいは掃除機本体が移動される床面の種類に応じて、掃除機本体の前進を適切に補助できる電気掃除機を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は電気掃除機Aの全体構成を示す斜視図である。この電気掃除機Aは、筒形状の連通管1と掃除機本体2を備えている。掃除機本体2は、好ましくはその前部に前向きに突出して連通管1を取付ける円筒形状の連通管取付け部3を有する。
連通管1は、第1の延長管4と、第2の延長管5と、一端側に操作部6を取付けたホース7からなる。第1の延長管4は、一端に掃除場所の床面を摺動して塵を吸込む吸込口8を設けている。第1の延長管4は、その他端側に、第2の延長管5の他端側をスライド自在に嵌合し、かつ、任意の位置で固定できるようになっている。吸込口8は、第1の延長管4に対して着脱自在である。第2の延長管5は操作部6に着脱自在である。
ホース7の一端部は操作部6に接続され、ホース7の端部7aは掃除機本体2の連通管取付け部3の内側に挿入して取付けられている。ホース7は、連通管取付け部3に対して着脱自在である。連通管1をなす延長管4,5及びホース7は、吸込口8と掃除機本体2を連通する風路を構成している。
操作部6は、図2(a)(b)に示すように、手で握る把持部9を有している。把持部9は略円筒形状で、その上面側に電源をオン、オフする操作ボタンや吸込みの強弱を選択する操作ボタンなど複数の操作ボタン9aを配置している。
掃除機本体2は、上下の本体ケースを連結してなり、その内部に、連通管取付け部3の後端部に連続してクリーナ機構を設けている。図3及び図4に示すようにクリーナ機構は、集塵室10、フィルタ11及び吸引用の電動送風機12を有する。連通管取付け部3と集塵室10とは前記風路を介して連通している。
クリーナ機構は、電動送風機12の駆動によって空気流を発生させることで、吸込口8から塵と一緒に空気を吸込む。吸込んだ塵と空気は、連通管1の第1の延長管4、第2の延長管5、操作部6内の通路及びホース7を順次経由して連通管取付け部3から集塵室10に入り込む。吸込まれた塵は、フィルタ11で捕捉されて集塵室10に留まり集められる。フィルタ11を通過した空気は、電動送風機12を経由して掃除機本体2の外部に排出される。
掃除対象の部屋の床面13を走行する走行用の車輪14a,14bが、掃除機本体2の後部の左右両側に取付けられている。掃除機本体2内に、各車輪14a,14bを回転駆動する駆動手段16及びこの駆動手段16の駆動源である走行モータ15を設けている。
駆動手段16は、複数のギヤからなる動力伝達部17及びディファレンシャルギヤ機構18を備えている。駆動手段16は、走行モータ15の回転力を、動力伝達部17を介してディファレンシャルギヤ機構18に伝達する。ディファレンシャルギヤ機構18は、回転力を、車軸19を介して各車輪14a,14bに伝達する構成になっている。
掃除機本体2の前部の底部中央に、自由に向きを変更できる従動輪20が取付けられている。掃除機本体2は、電動送風機12、走行モータ15、及び後述する制御回路の電源となる充電可能な二次電池21を搭載している。二次電池21は、+E1電圧を出力する+E1電源と、+E2電圧を出力する+E2電源に、電力を供給している。
掃除機本体2の前方に突出された連通管取付け部3の下側外表面、すなわち、床面13に向いている面に、歪ゲージ22を貼り付けている。この歪ゲージ22は、連通管1を介して連通管取付け部3に加わる力を検出するためのセンサとして用いられている。
図5に示すようにディファレンシャルギヤ機構18は、外輪ギヤ18aと、2個の遊星かさギヤ18b,18cと、2個のかさギヤ18d,18eからなる。外輪ギヤ18aは車軸19の周囲を回転する。各遊星かさギヤ18b,18cは、外輪ギヤ18aの内側に取付けられている。各かさギヤ18d,18eは、遊星かさギヤ18b,18cに歯合し、外輪ギヤ18aの回転を車軸19に伝達する。各遊星かさギヤ18b,18cは、左右の車輪14a,14bの回転差を吸収する動作を行う。この動作によって、掃除機本体2は、連通管1で引っ張られる方向にスムーズに向きを変えながら走行することができる。
図6は走行モータ15を駆動制御する制御回路を示している。この制御回路は、例えば回路基板上に実装され、掃除機本体2内に取付けられる。
1辺に歪ゲージ22を接続し、他の3辺に抵抗を接続した4辺からなる抵抗ブリッジ回路36を+E1電源に接続している。抵抗ブリッジ回路36は、連通管1を介して連通管取付け部3に加わる力を歪ゲージ22で検出し、この検出した力に応じて電圧信号を出力する検出手段を構成している。なお、この歪ゲージ22を例えばホース7の端部7aに設けて、連通管取付け部3に加わる力を間接的に検出することも可能である。
抵抗ブリッジ回路36は、歪ゲージ22が歪みを受けてその抵抗が変化すると、出力端子間に歪みに応じた電圧を出力し、その出力電圧を次段の差動増幅回路37に供給している。差動増幅回路37は、供給された出力電圧を増幅し、その増幅した出力電圧を、A/D(アナログ/デジタル)コンバータ45aでデジタル信号に変換した後、移動制御手段例えばマイクロコンピュータ46に入力している。
マイクロコンピュータ46には、メモリ48及び走行モータ15を駆動するモータドライバ49が接続されている。モータドライバ49は+E2電源に接続されている。メモリ48は、閾値記憶手段としても機能するものであって、これには予め設定された閾値が保存される。
マイクロコンピュータ46は、メモリ48に格納されたプログラムデータに基づいてモータドライバ49を介して図7に示す流れ図に従ったモータ制御をする。
すなわち、ステップS1にて、歪ゲージ22から出力された電圧値のデータXを、差動増幅回路37で増幅しA/Dコンバータ45aから取得する。すなわち、検出手段から電圧信号(以下、センサ信号という)を取得する。次に、ステップS2にて、センサ信号の値Xに応じた走行モータ15に対する駆動制御量を、メモリ48が有したテーブルに設定された表1に示すような閾値A、B、C…Fに基づいて決定する。すなわち、センサ信号の値Xが、X≦0、0<X≦Aのときには、モータドライバ49に与えるPWM信号のパルス幅を0%、A<X≦Bのときには、モータドライバ49に与えるPWM信号のパルス幅を10%、B<X≦Cのときには、モータドライバ49に与えるPWM信号のパルス幅を20%、…、F<Xのときには、モータドライバ49に与えるPWM信号のパルス幅を80%とするように決定する。この後、ステップS3にて、モータドライバ49に対してモータイネーブルをオンにする信号と、同時に決定されたパルス幅にてモータドライバ49にPWM信号を予め決められた時間t1出力する。
Figure 2008188289
それにより、モータドライバ49は、マイクロコンピュータ46からのPWM信号に基づいて走行モータ15を前進方向に回転させる。この場合、モータドライバ49は、モータイネーブルがオンになり、走行モータ15の回転方向を正転とする制御信号、すなわちPWM信号が入力されていると、走行モータ15を掃除機本体2が前進方向に移動するように回転させる。また、ステップS2にて、モータドライバ49に与えるPWM信号のパルス幅を0%とする場合は、ステップS3にて、モータイネーブルをオフにし、モータドライバ49は走行モータ15の回転を停止させる。
前記構成を備えた電気掃除機Aは、以下の動作を行う。
掃除をする使用者が、操作部6の把持部9を手で握り、把持部9の操作ボタン9aを指でオンすると電動送風機12が動作する。電動送風機12が動作することで発生する空気流によって、吸込口8から塵とともに空気が吸込まれる。吸込まれた空気と塵は、第1の延長管4、第2の延長管5、ホース7を順次経由して掃除機本体2の集塵室10に入る。そして、塵はフィルタ11で捕捉されて集塵室10に集められる。空気は、集塵室10からフィルタ11、電動送風機12を順次経由して掃除機本体2の外部に排出される。
使用者は、把持部9を握った状態で、例えば、床面13に接している吸込口8を前後に動かしながら前方へ移動するようにして掃除を行う。吸込口8を前方に動かしたときホース7が引っ張られる。このとき、掃除機本体2の前方にいる使用者は、連通管取付け部3より上方位置で把持部9を握って掃除しているので、連通管取付け部3はホース7を介して斜め上方に引っ張られる。その際、連通管取付け部3には歪が生じ、連通管取付け部3に貼り付けられた歪ゲージ22にも歪が生じる。
このとき、抵抗ブリッジ回路36は、図8(a)に示すように、出力端子に歪みに応じた出力電圧を発生する。この電圧信号は差動増幅回路37によって増幅され、例えば図8(b)に示すセンサ信号になる。こうして増幅されたセンサ信号は、A/Dコンバータ45aでデジタル信号に変換された後、マイクロコンピュータ46に取込まれる。マイクロコンピュータ46は、取込んだデジタル信号とメモリ48に予め格納されている各閾値との比較を行う。
図8(b)に示す例においては、マイクロコンピュータ46に取込まれたセンサ信号の値が閾値Aより大きく、閾値Bより小さくなっているので、図8(c)(d)に示すように、モータドライバ49に対してモータイネーブルをオンにする出力信号と、前記表1に基づいてパルス幅が10パーセントとなるように信号を送出する。これにより、掃除機本体2を所定の駆動力で前方向に自走させて前進移動させるために走行モータ15が駆動される。
また、使用者がホース7を強く引張りマイクロコンピュータ46に取込まれるセンサ信号の値が閾値Bより大きくCより小さい値になると、パルス幅が20パーセントとなりより大きな駆動力で走行モータ15が駆動される。さらに、引張り力が大きくなった場合はさらに駆動力も大きくなる。すなわち、ホース7を引張る力を調整することで走行モータ15の駆動力を調整できる。
走行モータ15の回転は動力伝達部17に伝達される。このため、回転は、動力伝達部17からディファレンシャルギヤ機構18、及び夫々の車軸19を経由して左右の車輪14a,14bに伝達される。これにより、掃除機本体2は前方へ自走する。
なお、歪ゲージ22の出力信号に基づくセンサ信号の値が閾値を超えている期間は短いので、走行モータ15の回転は長時間継続することは無く、短時間で停止される。こうして、掃除機本体2を連通管1の動きに追従させて円滑に走行させることができる。
掃除中に使用者が連通管1を前後に動かす操作を止めると、歪ゲージ22に作用する力が消失するか、作用しても極めて軽微で実質的に無視できるようになる。これにより、マイクロコンピュータ46が、モータドライバ49に対するモータイネーブル信号をオフにするので、走行モータ15は直ちに動作を停止する。すなわち、掃除機本体2の自走が停止される。そのため、使用者が連通管1の操作を止めているにも拘わらず掃除機本体2が自走し続けるような不具合は生じない。
上述のとおり本実施の形態の電気掃除機によれば、ホース7から掃除機本体2に加わる引張り力の大きさに応じて走行モータ15の駆動力の大きさを変えることができるので、使い勝手を高めることができる。
例えば、使用者が掃除作業を行っている場合、掃除機本体2の移動距離は短くて良いが、現在掃除している場所から掃除をしようとする場所へ移動する場合には、掃除機本体2の自走による移動距離が長いことがある。このときには、使用者はホース7を強く引張ることで、PWM信号のデユーテー比を高めて、その信号による走行モータ15の駆動力を大きくできるので、掃除機本体2を使用者の移動距離に応じて自走させることができる。
(第2の実施の形態)
この実施の形態は、走行モータ15を駆動制御する制御回路を構成するマイクロコンピュータ46のプログラムデータの変形例について述べる。この実施の形態は、閾値と比較するデータ、すなわち、センサ信号の値が、歪ゲージの電圧出力のままでなく、微分処理されたデータ(以下、微分データという)となっている点が、第1の実施の形態とは異なる。そのため、第1の実施の形態と同じ電気掃除機Aの全体構成および回路構成については、第1の実施の形態と同じ符号を付して説明を省略する。
マイクロコンピュータ46は、微分手段(図示しない)を有しているとともに、メモリ48に格納されたプログラムデータに基づいて図9に示す流れ図に従って走行モータ15の駆動を制御する。
すなわち、ステップS11にて、差動増幅回路37で増幅された歪ゲージ22からの電圧値データを取込んで、A/Dコンバータ45aでデジタル化する。この後、ステップS12にて、取込んだ電圧値データをメモリ48に書き込んでから、ステップS13にて平均化処理を行う。平均化処理は、例えば、数回分の電圧値の平均値を求めるもので、それにより、ノイズを除去する。
続いて、ステップS14にて前記微分手段によって微分処理を行う。この微分処理は、前記平均化処理により得た前回の電圧値データと、その後の平均化処理により得た今回の電圧値データとの差分を求めることを内容とする。続いて、ステップS15にて、微分データとメモリ48に設けられたテーブルに設定された各閾値とを比較し、この比較結果に基づいて走行モータ15に対する制御量を決定する。そして、ステップS16にて、センサ信号の微分データがある閾値を超えた時点から予め定められた時間t1、モータドライバ49に対してモータイネーブルをオンにする信号と、同時に決定されたパルス幅にてモータドライバ49にPWM信号を出力する。
モータドライバ49は、マイクロコンピュータ46からのPWM信号に基づいて走行モータ15を駆動する。モータドライバ49は、モータイネーブルがオンになり、走行モータ15の回転方向を正転とする制御信号、すなわちPWM信号が入力されていると、掃除機本体2が前進方向に移動するように走行モータ15を回転させる。微分データの値が最も小さい閾値を超えない場合は、モータイネーブルがオフになり、走行モータ15の回転は停止される。
前記構成を備えた第2の実施の形態の電気掃除機Aは、以下の動作を行う。
掃除をする使用者が、把持部9を握った状態で、例えば、床面13に接している吸込口8を前後に動かしながら前方へ移動するようにして掃除を行う。吸込口8を前方に動かしたときホース7が引っ張られる。このとき、第1の実施の形態と同様に、歪ゲージ22にも歪が生じる。
このとき、抵抗ブリッジ回路36は、図10に示すように、出力端子に歪みに応じた出力電圧を発生する。この電圧信号は差動増幅回路37によって増幅され、図10(b)に示す電圧信号になる。こうして増幅された電圧信号は、A/Dコンバータ45aでデジタル信号に変換された後、マイクロコンピュータ46に取込まれる。マイクロコンピュータ46は、取込んだデジタル信号を微分手段により微分処理し、微分処理された微分データとメモリ48に予め格納されている各閾値との比較を行う。
ここで微分データは、例えばホース7が強く引張られて歪ゲージ22に加えられた力がある程度急激に変化したときには、例えば図10 (c)に示すように閾値Aと閾値Bとの間の大きさになる。
そして、マイクロコンピュータ46は、微分データと各閾値を比較し、微分データが閾値Aを超えた時点から予め定められた所定の時間t1のみ、図10(d)(e)に示すように、モータドライバ49に対してモータイネーブルをオンにする出力信号と、前記表1に基づいたPWM信号を送出する。これにより、掃除機本体2を前方向に自走させて前進移動させるために走行モータ15が駆動される。
本実施の形態の電気掃除機によっても、第1の実施の形態のものと同様に使い勝手を向上できる。
しかも、走行モータ15は、歪ゲージ22の出力を微分処理したデータに基づいて制御されるので、力の変化量が大きくなるとき、すなわち、ホース7が引っ張られる初期段階で確実に駆動される。
(第3の実施の形態)
上記第1、第2の実施の形態のものでは、ホース7の引張り力に応じて走行モータ15の駆動力を変えるものであるのに対し、第3の実施の形態のものは、引張り力が同じ場合にはどのような床面であっても掃除機本体が移動する距離を均一化しようとするもので、床面の種類に応じて走行モータ15の駆動力を変えるものである。基本的構成は上記各実施の形態と同様であるので、異なる点のみ説明する。
図11は走行モータ15を駆動制御する制御回路で、上記各実施例における図6に相当するものである。本実施の形態においては、床面推定手段を構成する微分手段50が設けられている。また、メモリ48には、歪ゲージ22からの出力を差動増幅回路37によって増幅されたセンサ信号、すなわち検出手段からの電圧信号と比較するためのセンサ信号用閾値と、微分手段50からの微分信号と比較するための複数の微分用閾値とが記憶されている。
そして、マイクロコンピュータ46は、図12の流れ図にしたがって走行モータ15を制御する。まず、ステップS21において、A/Dコンバータ45aからセンサ信号を取得し、ステップ22にて、取得したセンサ信号の値とメモリ48に予め記憶されたセンサ信号用閾値とを比較する。センサ信号の値がセンサ信号用閾値より大きいと、すなわち一定力以上の力でホース7が引張られていると、ステップ23にて、微分手段50から微分信号を取得する。
この微分信号の値は電気掃除機が移動する床面の種類に応じて変化するので、微分手段50は床面推定手段を構成する。具体的には、走行負荷の大きいじゅうたんでは掃除機本体2が移動しにくいので、特に移動初期において歪センサ22に加わる力の変化量は大きく微分信号の値も大きくなり、反対に走行負荷の小さい板の間等においては微分信号の値も小さくなるので、この値から床面を推定できるものである。
そして、ステップ24にて、微分信号の値とメモリ48に記憶された複数の各微分用閾値とを比較して、微分信号の値に応じた制御信号を設定する。例えば、微分信号の値が大きな閾値以上であれば、床面がじゅうたんであると推定して走行モータ15の駆動力を大きくすべくパルス幅が大きくなるよう設定する。また、微分信号の値が大きな閾値と小さな閾値との間であれば、床面が畳あるいは毛足の短いじゅうたんと推定して走行用モータの駆動力を小さくすべくパルス幅を小さくする。微分信号の値が小さな閾値以下であれば、床面が板の間と判断してさらに小さいパルス幅に設定する。
その後、ステップS25にて、モータドライバ49に対してモータイネーブルをオンにする信号とステップ24で設定されたパルス幅のPWM信号を出力する。モータドライバ49は、これら信号に基づいて走行モータ15を前進方向に回転させる。
ステップ22でセンサ信号の値がセンサ信号閾値より小さい場合は、ホース7が引張られていないと判断し、ステップ26でモータドライバ49に対してモータイネーブルをオフにする。モータドライバ49は走行モータ15を駆動しない。
このような電気掃除機によれば、ホース7に所定の引張り力が加わった場合、床面の種類に係わらず、走行モータ15の駆動による掃除機本体2の移動を均一化できる。したがって、ホース7に引張り力が加わったときに確実に所定距離だけ移動させることができ、使い勝手がよい。
上記実施の形態においては、床面推定手段をホース7の引張り力を微分処理する微分手段によって構成したが、超音波の床面からの反射を用いるもの、吸込口8に設ける吸込口モータの負荷電流を用いるもの等によって構成してもよい。
本発明の第1の実施の形態における電気掃除機の外観を示す斜視図。 第1の実施の形態における連通管に設けた操作部の構成を示す部分拡大図で、(a)は側面図、(b)は正面図。 第1の実施の形態における掃除機本体内の構成を本体ケースの上部を除去した状態で示す平面図。 第1の実施の形態における掃除機本体内の構成を概略的に示す側面図。 第1の実施の形態におけるディファレンシャルギヤ機構の断面図。 第1の実施の形態における走行モータを駆動する制御回路を示す回路図。 第1の実施の形態におけるマイクロコンピュータによるモータ制御を示す流れ図。 第1の実施の形態の電気掃除機の制御回路の各部の入出力電圧を示す波形図。 本発明の第2の実施の形態の電気掃除機のマイクロコンピュータによるモータ制御を示す流れ図。 第2の実施の形態の電気掃除機の制御回路の各部の入出力電圧を示す波形図。 本発明の第3の実施の形態における走行モータを駆動する制御回路を示す回路図。 第3の実施の形態におけるマイクロコンピュータによるモータ制御を示す流れ図。
符号の説明
A…電気掃除機、1…連通管、2…掃除機本体、3…連通管取付け部、12…電動送風機、14a,14b…走行用の車輪、15…走行モータ、16…駆動手段、22…歪ゲージ(センサ)、36…抵抗ブリッジ回路(検出手段)、46…マイクロコンピュータ(移動制御手段)、48…メモリ(閾値記憶手段)

Claims (4)

  1. 塵を吸込む吸込口と連通する連通管と、
    吸引用電動送風機を有するとともに前記連通管を前記電動送風機に連通するように取付ける連通管取付け部を有する掃除機本体と、
    この掃除機本体に取付けられた走行用の車輪を駆動するように前記掃除機本体に設けられた駆動手段と、
    前記連通管を把持しての掃除動作でこの連通管を介して前記連通管取付け部に加わる力を検出するセンサを有し、このセンサが検出した力に応じて信号を出力する検出手段と、
    前記検出手段から出力される信号に応じて前記駆動手段を駆動する移動制御手段と、
    を具備したことを特徴とする電気掃除機。
  2. 前記検出手段は、前記センサから出力された信号を微分処理する微分手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電気掃除機。
  3. 塵を吸込む吸込口と連通する連通管と、
    吸引用電動送風機を有するとともに前記連通管を前記電動送風機に連通するように取付ける連通管取付け部を有する掃除機本体と、
    この掃除機本体に取付けられた走行用の車輪を駆動するように前記掃除機本体に設けられた駆動手段と、
    前記連通管を把持しての掃除動作でこの連通管を介して前記連通管取付け部に加わる力を検出するセンサを有し、このセンサが検出した力に応じて信号を出力する検出手段と、
    閾値が記憶される閾値記憶手段と、
    床面に種類に応じた信号を出力する床面推定手段と、
    前記センサから出力された信号の値と前記閾値記憶手段に記憶された閾値を比較して前記信号の値がこの閾値を超えたときに、前記床面推定手段の出力に応じて前記駆動手段を駆動する移動制御手段と、
    を具備したことを特徴とする電気掃除機。
  4. 前記床面推定手段が、前記検出手段から出力される信号を微分処理する微分手段からなることを特徴とする請求項3に記載の電気掃除機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017221549A (ja) * 2016-06-17 2017-12-21 三菱電機株式会社 電気掃除機

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