第1の発明は、吸引風を生成する電動送風機と、塵埃を吸引する吸込み具と、一端が前記吸込み具に連結される延長管と、この延長管の他端に連結されると共に、使用者が操作をする際に握る把手を有した手元操作部と、前記手元操作部または前記延長管または前記吸込み具に設けられ、使用者が掃除をする際に動作させる状態変化を検出する状態変化検出手段と、前記延長管または前記吸込み具に設けられ床面の状態を検出する床面検出手段と、前記吸込み具から吸引された塵埃を検出する集塵検出手段と、前記3つの検出手段か
らの信号に応じて、前記吸込み具に配した回転ブラシ及び/又は前記電動送風機を制御する制御手段と、前記吸込み具の回転ブラシを正逆回転可能とし、動作移動の速さを表示させる移動表示手段と、を備え、前記回転ブラシの回転方向によって前記吸込み具の前後方向に移動を楽にできる構成とし、前記床面検出手段で検出した床面種類と前記状態変化検出手段によって検出した移動状態との値によって、塵埃が多いと判断したときに前記吸込み具の移動を遅くする方向に前記回転ブラシを回転させ、かつ前記移動表示手段で、前記吸込み具の移動を遅くするように促す表示をするもので、使用者の掃除の状態や床面状況、吸引での塵埃の有無状況をつぶさに検出でき、無駄なエネルギーを使用することを抑えることができる。
また、使用者の吸込み具の移動を楽にできるとともに、吸引した塵埃の量によって移動を補助する回転ブラシの回転数をコントロールでき、かつ移動速度表示させながら、最適な吸込み具の移動速度を促すことができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の集塵検出手段で検出された塵埃の有無を表示手段で表示すると共に、状態変化検出手段によって検出した移動状態で、吸込み具の移動速度が速いと検出した際には、前記表示手段の点灯時間を長くし、移動速度が遅いときには短くするようにしたもので、塵埃のある状態の場所では表示手段を長く点灯できることで、塵埃を確実に吸引することができる。
第3の発明は、特に、第2の発明の床面検出手段で検出した床面がフローリングの場合
には、表示手段の点灯時間を短くし、じゅうたんなどの吸引に対して抵抗が大きい場合には、前記表示手段の点灯時間を長くするようにしたもので、床面によって異なる、塵埃の吸引のしやすさを判断し、塵埃検出手段の信号による表示手段の点灯時間を、前記床面の種類によって切り替えすることで、使用者の実感に合った表示ができるとともに、確実に無駄な電力を使用することなく掃除することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1における電気掃除機について、図1〜17を用いて説明する。図1は、本実施の形態における電気掃除機の全体斜視図、図2は、同電気掃除機の回路ブロック図、図3は、同電気掃除機の塵埃センサの構成を示す断面図である。
図1、2において、掃除機本体21は、後部に電動送風機2を内蔵した電動送風機室22が配され、前部に、塵埃を捕集する集塵室23が配され、掃除機本体21の前部には、ホース24の一端に設けた接続パイプ25が着脱自在に接続される吸気口26が設けられている。ホース24の他端には、掃除の際に握ると共に掃除機本体21の運転を操作するための操作部9を有する把手27を備えた手元操作部として先端パイプ28が設けられている。
前記操作部9は、操作手段として「切」ボタン(図示せず)、「運転」ボタン(図示せず)とにより構成されている。29は、伸縮自在の延長管で、下流側端部が前記先端パイプ28に着脱自在に接続され、他端は、塵埃掻き上げ用の回転ブラシ30と、その回転ブラシ30を回転駆動する電動機10を内蔵した吸込み具31に着脱自在に接続されている。
上記構成により、操作部9を操作して、電動送風機2を駆動させることで、吸込み具31で吸引された被掃除面の塵埃は、延長管29、ホース24を通って掃除機本体21へと運搬され、塵埃は、掃除機本体21内に内蔵された集塵室23で捕集されると共に、吸込み風は、掃除機本体21の後方より外部に排出される。
又、掃除機本体21の後部には、コンセントなどの商用電源1に接続して、掃除機本体21に内蔵されている後述の回路ブロック32aに電源を供給するための電源コード13が設けられている。
更に、前記吸込み具31の底面には、前記吸込み具31が被掃除面に接地したときのみONするリミットスイッチなどにより構成された離床検知手段11が配置されている。
8は、吸引した塵埃の量を検知する集塵検出手段である塵埃センサで、前記接続パイプ25に設けられている。前記塵埃センサ8は、図3に示すように、発光手段である赤外発光ダイオード15と、前記赤外発光ダイオード15に対向して設けられ受光手段となるフォトトランジスタ16とを備え、被掃除面から吸引した塵埃が前記赤外発光ダイオード15とフォトトランジスタ16の間を通過する際に、赤外発光ダイオード15から発せられる赤外光を前記塵埃がさえぎることで、前記フォトトランジスタ16の出力が変化することを利用して、塵埃を検知するようにしたものである。また、本実施の形態における電気掃除機は、塵埃センサ8で検知された塵埃の量に応じて動作して、塵埃の取れ具合などを表示する表示手段(図示せず)を備えている。
次に、図2を用いて制御回路構成を説明する。図2中の各回路ブロック32a、32b、32cは、それぞれ掃除機本体21内、操作部9・ホース24内、及び吸込み具31内に配されている。商用電源1には、電源波形のゼロクロスを検出するためのゼロクロス検出回路3と、制御手段である信号制御手段4に電源を供給するための電源回路5と、電動
送風機2と、電動機10が接続されている。前記電動送風機2と電動機10は、それぞれ駆動回路A6と駆動回路B7を介して、前記信号制御手段4により位相制御されるように構成されている。
この時の位相制御角は、後述する床面指数と、塵埃センサ8の出力信号に応じて決定される。位相制御を行なうために必要となるゼロクロス検出回路3は、前記信号制御手段4に接続されている。塵埃検知部の回路として、前記フォトトランジスタ16の出力を増幅するための増幅回路17及び、パルス変換手段18を有しており、前記増幅回路17とパルス変換手段18は、赤外発光ダイオード15とフォトトランジスタ16の間を、径がΦ70μm以上の塵埃が通過した時に、パルスが出力されるように設定されている。又、離床検知手段11、操作部9及び、パルス変換手段18は、信号制御手段4と電気的に接続されている。
図4は、本実施の形態における電気掃除機の回路ブロック図である。同図4を用いて動作の概要を説明する。吸込み具31内にあり、電動機10に連結され、床面の塵埃を回転して掻き揚げる回転ブラシ30と、電動機10に流れる電流を検出する電流検出手段(図示せず)などから構成され、床面の種類や状態を検出できる床面検出手段41と、前記吸込み具31から吸引された塵埃を検出する塵埃センサ8と、動作を設定するための操作部9とこれらの信号を受けて、前記電動機10や電動送風機2を動作・制御する信号制御手段4を設けている。さらに使用者の動作状態を検出する状態変化検出手段60を有し、この信号も、前記信号制御手段4によって入力、コントロールすることとなる。
ここで、掃除の動作を行うときに、日本の住居の場合には、特に家具など障害となるものが多くあり、電気掃除機の動作を一旦止めて障害物を移動してから掃除を行ない、その後障害物を元に戻すといった作業がよく行われている。その動作の中において、使用者が電気掃除機の前記把手27を離す際に、操作部9で動作を停止させて障害物を移動する動作は、何度も行う動作としてはとてもわずらわしい内容といえる。
また、操作部9によって電気掃除機の運転を停止させず、延長管29をいすや机に立てかけた状態で障害物を移動することもよくある内容である。さらには、延長管29を立てかけることもせずに、床面に把手27を離した状態で、障害物の移動をするといった光景もよく見かける動作となっている。
これらの動作の場合に、吸込み具31が床面に接している状態であれば、前記電動送風機2で吸引しながら、回転ブラシ30も動作していることになる。もし、床面に接していない状態であれば、回転ブラシ30の動作は停止しているが、吸引は継続している状態となっている。
この状態において、掃除本来の目的である塵埃の吸引を考えた場合に、塵埃が吸引されている状態であれば、掃除は少なからず実施されていることになり、吸込み具31の接している床面は確実にきれいになっているはずである。しかしながら、塵埃の吸引がない場合には、本来の役割が果たされていない状態であり、動作していること自体が、大変非効率的な状態となっているのである。そこで、前記塵埃センサ8によって、塵埃の吸引状態を確実に捉えて、電気掃除機本来の役割が確実に果たせているかどうかを検出するものである。また、前記電気掃除機の放置状態においては、図5に示すような各手段の動作を行い、それぞれの掃除状態における効率の向上や省エネを図っている。
その一連の動作について各手段の動作を、図5を用いて説明する。操作部9で動作を開始すると、前記電動送風機2と、電動機10に連動した回転ブラシ30が動作を開始する。これは、信号を受けた信号制御手段4が、負荷(電動送風機2と電動機10)に信号を
送ったことで動作を開始しているわけである。この状態から、図5のAポイントの状態では、離床検知手段11が、吸込み具31が床面から離床したことを検出しているので、前記吸込み具31が床面から離れている状態となる。この状態では、前記電動機10に連結している回転ブラシ30は、回転を停止することとなる。これは、吸込み具31が浮いた状態で回転ブラシ30を回転させると、非常に危険であることになるためである。そして、この時点では、前記把手27をもって動作中と判断している状態変化検出手段60が動作していると判断していることによって、掃除機本体21にある電動送風機2の動作は停止しない。
ここで、Bのポイントとなり、離床検知手段11の出力がOFFとなって床面に吸込み具31が接している状態に戻ると、前記回転ブラシ30が動作を開始する。
次に、Cポイントについて説明する。このポイントでは、吸込み具31からの吸引で塵埃が集塵され、前記塵埃センサ8によって検出された状態になっている。この状態において、塵埃が床面にあると判断できるため、前記電動送風機2や回転ブラシ30の回転数をそれぞれUPさせて、より塵埃が吸引しやすい状態とするものである。
塵埃の吸引が行われ、Dポイントになったとすると、塵埃が吸引されていることが検出できなくなるため、塵埃センサ8の出力がなくなることになる。このタイミングに対して、また吸引の途中(延長管29やホース24などにある可能性など)の状態も考慮し、所定時間(たとえば、0.1秒〜5秒程度)は、切り替えを遅らせることとする。急な切り替えを行うと、塵埃の吸引に対して非常の多くの切り替えが発生することにもなり、前記電動送風機2の吸引風量が短時間で多くの変動を起こすなど、使用性面などから考慮すると、思わしくない状況となってしまうためである。
さらに、図6に示すように、床面の種類によっても同じ吸引力で吸引しているにもかかわらず、塵埃の取れ方が異なってしまうことがある。特に、差の大きな床面が、フローリングとじゅうたんの場合において比較したものである。同じ吸引力であっても、1往復で80%以上の塵埃が取れているフローリングに対して、 じゅうたんは40〜50%のレベルとなっており、同じような塵埃取れレベルを実現するには、同じ場所での往復回数を増やさないといけないこととなる。
また、増やしすぎても、じゅうたんの場合には、取れる量がある程度のところで飽和傾向となり、毛の中に入ってしまった塵埃は吸引できずに残ってしまう傾向になる。図6でも示しているが、じゅうたんでの吸引においては、約60%で、飽和しているのがわかる。そこで、この傾向によって、前記Dポイントでの表示手段や電動送風機2や回転ブラシ30などの動作においては、前記床面検出手段41の信号によってフローリングの場合にはじゅうたんと比べて同等以下の動作(E期間)と設定し、(たとえば0.1秒〜5秒程度)塵埃が比較的簡単に吸引できる床面(フローリング)とそうでない床面(じゅうたんなど)とで、自動的に前記表示手段の表示動作時間を可変させる。この動作によって、床面の違いによる、塵埃取れ具合や取れやすさの違いを検出し、その状態にあった、使用者の感覚に沿った動作を行うことができる。
次にFポイントについてである。使用者が把手27を持って、操作をしなくなったときに、前記延長管29や操作部9に設けている状態変化検出手段60の出力がなくなった状態である。この状態になっても、一時的に(たとえば0.1秒〜5秒程度)動作しなくなることは、掃除の動作の中ではよくあることである。しかしながらそれ以上の時間、前記状態変化検出手段60の出力がなくなった場合には、使用者が掃除の動作を行っていない可能性があることが推測される。ここで、同時に掃除の本来の動作である塵埃を集塵するといった状態でないことを確認することが重要である。
使用者が掃除の動作を行っていない可能性が高いと推測できていても、実際に塵埃を吸引している状態であれば、その動作は、掃除を行っていることになり、安易に前記電動送風機2や回転ブラシ30の動作を停止したり、それらの回転数を低減することはできない。よって、前記塵埃センサ8によって、塵埃の吸引を検出していないことが明確になっているときにおいて、前記状態変化検出手段60の変化が所定時間以上無い判断された場合、前記電動送風機2や回転ブラシ30の動作を低減または停止することができる。
この動作で、電気掃除機の本来の役割である吸引を確実に行うが、万一、塵埃がない時で掃除の操作がされていない場合に限り、前記電動送風機2や回転ブラシ30の入力を可変できるので、電気掃除機の本来の役割を損なうことなく、不要なエネルギーを使わない省エネを実現することができる。
図10に示す制御フローチャートを用いて、以下にその動作、作用を説明する。商用電源1が投入されたとき即ち、使用者が電気掃除機の電源コード13の電源プラグ(図示せず)をコンセント(図示せず)に差し込んだ段階では、電動送風機2は停止の状態である。
ステップ1では、操作部9の操作状況を確認し、「運転」ボタン9bが押されたなら、電動送風機2の運転を行い、「切」ボタン9aが押されたなら、電動送風機2の運転を停止させる。
次に、ステップ2では運転中かどうかの判断を行い、運転停止中であれば、塵埃センサ8の出力データを全てリセットすると共に、次回運転開始時に、床面指数算出周期を短くするための準備として、床面検知済フラグをリセットし、タイマA(図示せず)に5秒をセットする。運転中であれば、ステップ3に進む。尚、床面検知済フラグとは、吸込み具31接地即ち、塵埃センサ8の出力値リセット後、最初の床面指数算出が済んでいるかを示すフラグであり、タイマAは、床面指数算出周期を短くする所定時間の残り時間をカウントするためのカウントダウンタイマである。
ステップ3では、離床検知手段11の出力から、吸込み具31が被掃除面に接地されている(以降、「着床」と呼ぶ)か、被掃除面から離されている(以降、「離床」と呼ぶ)かを判断し、離床であれば、離床の時間を計測するための離床タイマ(図示せず)をカウントアップすると共に、着床後に離床中の塵埃センサ8の出力値を除外して床面指数の算出を行うための準備として、0.1秒タイマ(図示せず)及び0.1秒間の塵埃センサ8からの出力パルス数をリセットする。ステップ3で着床状態であれば、ステップ4に進み、床面指数等の算出処理を行う。尚、塵埃センサ8の出力パルス数のカウント(積算)は、常時行っており、後述するステップ10以降で、0.1秒毎のパルス数を集計している。
ステップ4以降は、着床の時にしか処理されない部分である。まずステップ4では、床面検知済フラグがセットされているかどうかの判定を行っている。
床面検知済フラグがセットされていれば、ステップ5で離床時間が第3の所定時間(例えば、0.5秒)以上であるか判定し、0.5秒以上であれば、タイマAに5秒をセットすると共に、床面指数算出用の各タイマ、カウントをリセットすることで、次のステップ7で、5秒間は床面指数の判定周期を1秒に設定するための準備を行う。離床時間が0.5秒未満であれば、床面指数の判定周期は通常通りとなる。
ステップ4で、床面検知済フラグがセットされていなければ、ステップ6で離床時間が
第2の所定時間(例えば、2秒)以上であるか判定し、2秒以上であれば、タイマAに5秒をセットすると共に、床面指数算出用の各タイマ、カウントをリセットすることで、次のステップ7で、5秒間は床面指数の判定周期を1秒に設定するための準備を行う。離床時間が2秒未満であれば、床面指数の判定周期は通常通りとなる。
更にステップ7でタイマAが0であるとき即ち、床面指数判定周期を短くする所定時間を超えている時には、ステップ8で床面指数に応じて床面指数判定周期を切り換えている。即ち、床面指数が高い(被掃除面の塵埃が取れにくい)状態の時には、床面指数算出周期を2.5秒に設定し、床面指数が低い(被掃除面の塵埃が取れやすい)状態の時には、床面指数算出周期を5秒に設定している。
ステップ9では離床タイマのリセット、塵埃センサ8のパルス数集計タイミング計測用の0.1秒タイマ(図示せず)及び、床面指数算出タイミング計測用の床面タイマ(図示せず)のカウントアップ、並びに、床面指数算出周期を短くする所定時間の残り時間を計測するためのタイマAのカウントダウンを行っている。
ステップ10以降は、塵埃センサ8の出力パルスの集計処理である。ステップ10で0.1秒タイマが0.1秒に達していれば、ステップ11に進む。このため、ステップ11以降は、0.1秒毎に処理されることになる。
ステップ11及び12では、0.1秒間の塵埃センサ8の出力パルスに応じて、カウンタA(図示せず)及びカウンタB(図示せず)のカウントアップを行っている。カウンタAには、0.1秒間のパルス数が2以上であった回数が、カウンタBには、0.1秒間のパルス数が3以上であった回数がそれぞれ記憶されることになっている。
ステップ13では、0.1秒間のパルス数と、床面指数に応じて、表1に示すテーブルに従って、電動送風機2の制御位相角を設定している。パルス数が多い(被掃除面の塵埃が多い)時ほど、又、床面指数が高い(被掃除面の塵埃が取れにくい)ほど、位相角を小さくすることで、パワーを上げる設定になっている。
ステップ14では、床面タイマと、ステップ7で設定された床面指数算出周期とを比較して、床面指数算出のタイミングであるかどうかの判定を行い、床面指数算出タイミングであれば、床面指数の算出を行った後、ステップ15で各タイマ、カウンタをリセットすると共に、床面検知済フラグをセットして、ステップ1に戻る。
床面指数算出は、以下のように行う。まず最初に、床面指数算出タイミングにおけるカウンタA及びカウンタBの値を、下式に基づいて補正する。
カウンタA(補正値)=カウンタAの値×(5秒÷床面指数算出周期)
カウンタB(補正値)=カウンタBの値×(5秒÷床面指数算出周期)
上式から分かるように、各カウンタの補正値は、床面指数算出周期間でのカウンタ値を、5秒間でのカウンタ値相当になるように比例計算によって算出した値である。
次にカウンタA、Bの補正値と、表2に示すテーブルに従って、床面指数を算出する。
図11に示すように、フローリング上では、局所的に塵埃の分布があっても、短時間で塵埃が除去されるため、パルス数は単発的に増加してすぐに低下する傾向にあり、じゅうたん上では、元々むだ毛が多く存在していたり、じゅうたんの奥まで塵埃が侵入しており、塵埃の除去に長い時間がかかる等の原因によって、フローリングに比べてパルス数の絶対値が多い傾向にある。
カウントA、Bの値から、床面指数を算出する方式は、既に公知であるので、詳細は割愛するが、前述した各床面の特性を利用して床面指数を精度よく算出するために、パルス数の絶対値ではなく、所定値以上のパルス数の発生頻度によって床面指数を算出する方式が一般的に用いられている。
以上のように、本実施の形態においては、離床検知手段11によって、吸込み具31の離床/着床状態を検出し、前記吸込み具31が一旦被掃除面から離されて再度接地された時、床面指数算出用としてそれまでに蓄積した前記塵埃センサ8の出力データ(カウンタA、B)を一旦リセットし且つ、接地後から5秒間、床面指数の算出を通常の5分の1(1秒)周期で行うため、異なる掃除面への移動の際、従来のものよりも床面指数の追従性が向上する。
尚、床面指数の算出を短い周期で行うので、仮にフローリングへの移動において、吸込み具31の移動先がたまたま局所的に塵埃の多い場所であった場合、床面指数を高い側(塵埃の取れにくい床面)に間違って算出してしまうが、その場所の塵埃を吸い込んだ後す
ぐに正しい床面指数を算出できるし、局所的に塵埃の多い場所と、塵埃の取れにくい床面とで、電動送風機2への通電量が同一即ち、どちらも集塵性能アップのために一時的にパワーを高くしても違和感はなく、むしろ掃除実感に合った制御であると言える。
又、吸込み具31が被掃除面に接地されている状態で、運転を開始した時や、運転を開始した後、初めて吸込み具31が被掃除面に接地された時も、運転開始から5秒間、床面指数の算出を通常の5分の1(1秒)周期で行うため、運転開始時の床面指数追従性も向上する。
又、通常時には、床面指数が高い(被掃除面の塵埃が取れにくい)状態の時には、床面指数が低い(被掃除面の塵埃が取れやすい)状態の時の半分(2.5秒)の周期で床面指数の算出を行うので、フローリングで発生しやすい床面指数の誤算出を防止しつつ、じゅうたん即ち、床面指数の高い場所から、フローリングへの移動の際に、前記吸込み具31の離床を伴わなかった場合でも、従来よりも床面指数の追従性を向上させることができる。
尚、床面指数が高い被掃除面を掃除している時には、長時間同じ場所を掃除し続けない限り、塵埃センサ8の出力はあまり低下しないので、たとえ床面指数の算出を短い周期で行っても、間違って床面指数を低い側に算出することはない。
又、床面検知済フラグによって、吸込み具31の離床→着床時に、最初の床面指数算出が完了しているかどうかを判定し、離床→着床のタイミングが、最初の床面指数算出前で且つ、離床時間が2秒以内であった場合には、床面指数算出用としてそれまでに蓄積した前記塵埃センサ8の出力データをリセットせずに、前記吸込み具31が被掃除面から離されている間の塵埃センサ8の出力値のみを除外して、接地後に床面指数の算出処理を継続して行うので、例えばエリアマット等、頻繁に吸込み具31の接地・離床を繰り返される掃除面に移動した場合でも、前記塵埃センサ8の出力データのリセットを繰り返し行うことがなく、更に離床時即ち、塵埃センサ8の出力が不安定な状態のデータを除外して床面指数を算出するので、間違った床面指数を算出することなく素早く床面指数を追従させることができる。
又、吸込み具31が被掃除面から離されている時間が0.5秒未満であった場合、接地時の塵埃センサ8の出力データのリセットを行わずに、前記吸込み具31が被掃除面から離されている間の塵埃センサ8の出力値のみを除外して、接地後に床面指数の算出処理を継続して行うので、エリアマット等、頻繁に吸込み具31の接地・離床を繰り返された場合でも、従来よりも精度よく床面指数を算出し且つ、通常の被掃除面を掃除している時と同様に、床面指数を都度更新することができるものである。
このような制御を行う塵埃センサ8を利用した床面状態推定に加えて、吸込み具31に内蔵されている塵埃掻き上げ用の回転ブラシ30とその回転ブラシ30を回転駆動する電動機10の電流変化を利用した推定を行う。
ここで、この電流変化での検出は、回転ブラシ30と床面との摩擦量に大きな関係があることになる。図12に示すように床面の種類によって、前記回転ブラシ30と床面での摩擦量に変化が生じる。じゅうたんでも、毛の長いものと短いものでは大きく変化することになる。よって、その変化を前記電動機10の電流変化に変えて検出を行おうとするものである。
しかしながら、電流の変化において、前記のように摩擦量での関係が有るということになると、摩擦により磨耗して摩擦量が変化していくことは予想されることである。そこで
、前記の塵埃センサ8での推定と合わせたセンシングを行うことによって、双方の長所を最大限に生かしながら精度のよい検出を確実に行えるようになる。
つまり、それぞれの長所・短所を確実に理解し、長所を生かした検出を行うことで、使用者にとって使い勝手のよいものとなる。塵埃センサ8による判断としては、経年変化による影響がほとんどなく、対象となる塵埃は確実に入力されるが、床面全般的な塵埃の傾向はあるが、塵埃量が変化しない場合に判断が遅れる可能性がある。電流による判断としては、床面変化に対する電流の変化は早いので、判定が早期にできるが、経年変化で、検出レベルが多く変化する。
この内容を生かしながら、床面状態を推定する動作を図2を参照しながら説明する。図2中の各回路ブロック32a、32b、32cは、それぞれ掃除機本体21内の回路、操作部9・ホース24内の回路、そして、吸込み具31内の回路となっている。
床面検出手段41を構成すると共に前記電動機10に流れる電流を検知する電流検出手段の出力を前記信号制御手段4が入力する。入力するタイミングについては、図14の測定ポイントで示したタイミングである。
このタイミングについて、説明すると、電動送風機2については、電力量を調整するために位相制御をかけて動作させているのであるが、同じ電源を用いているために、電流量の多い電動送風機2の動作に、電動機10の波形が影響を受けることがある。移動制御での電力量の制御は、図14のA期間であり、この期間をはずせば、基本的には影響を受けることはない。また、電動機10の動作については、1方向での動作を行っているが、使用者の吸込み具31を動作させる動きは往復運動であり、押し込みの際には同じ方向に動作を行っている(前進の回転方向)が、引き戻す際には、電動機10と引き戻し方向は逆回転になり、電流波形にも大きな影響が出る。それが図14のBである。この波形を見ても、測定ポイントCにおいては、その影響がほとんどないことがわかる。
よって、測定ポイントは、電動送風機2と逆回転の影響の小さいポイントでおこなうこととした。このポイントでの測定において、吸込み具31の使用者の動作は、大まか約1秒の往復運動であり、この1秒の間に押し込みと引き戻しの動作を行うことになる。この動作に対しては、前記電動機10に流れる電流値が変化することはいうまでもなく、押し込んだ最後のタイミングが、電流値が最も高くなる傾向にあり、引き戻し時には、回転ブラシ30が浮き気味になりながら戻ってくるために、電流値が全般的に小さくなる傾向にある。
そこで、一番高い電流と一番低い電流との差で判断を行うことになると、使用者によっては、押し込む際の押し込み方と引き戻す際の回転ブラシ30の浮き気味レベルが異なり、変動差が大きくなったり、反対に小さくなったりして安定した変動差が得られにくい場面が出てくることになる。そこで、最大値を取ることで、一方向での電流レベルを確実に得ることができるので、通常の使用状態(押し込みの力下限を気にすることのないレベル)を確認して、設定すればいいことになる。
そこで、まず図12のように床面での摩擦量の違いを確認し、電流レベルを確認する。その中で、じゅうたんとフローリングの検知を行うためのレベルDを設定する。このレベルについては、前記電動機10のばらつきなどを含めた最大レベルでの判定Y、センター値X、さらには経年変化(たとえば600時間運転)での最大変化した際のレベルZでも、床面検知のレベルがじゅうたんとフローリングが判断できるレベルとする。
これによって、製品のばらつきや、使用者の操作(押し込み時と引き戻し時での個人差
)などを含めたすべてのばらつきに対しても、床面状態の判定は正確に検出できるようになる。押し込み時と引き戻し時とでの信号レベル差については、図13のようなイメージである。押し込み時には、使用者が回転ブラシ30に力を入れる方向に作用されるので、電流が大きめになり、引き戻し時には、逆に浮き気味になるため空回りする方向のデータが一般的になる。
ここで、この電流検出手段と前記床面指数との出力についての処理について、図2の回路ブロック図により説明する。床面検出手段41にて検出された床面検知と、床面指数による床面推定とを演算する演算手段42によって、最終の床面状態を決定する。前記演算手段42は、両方の信号が共にフローリング、じゅうたんと判断した場合には、それぞれフローリング、じゅうたんと判断を決定する。
このことによって、2センサーによって確実にどちら共に検知した際の判定ができ、非常に精度のよい検出ができることになる。これに対して、切り替えを早くすることに特化する場合や、各センサのそれぞれの特徴を生かすために論理和での対応を行うことで、さらに別の特徴を生み出すことができる。つまり、電動機10に流れる電流が、経年変化で大きく変化した場合や、機器のばらつきが推定以上に大きくなったりした場合などにおいても確実に床面状態を検出できるためには、どちらかの信号を優先しておく必要がある。
そこでどちらかが確実にフローリングもしくはじゅうたんと判断した場合には、そちらに演算結果として判定する。基本的にはフローリングからスタートし、どちらかがフローリング判定からじゅうたんに変化した場合にはじゅうたん判定とし、じゅうたん判定からフローリングになるまで継続する。このことによって、万一電動機10の電流がじゅうたんのレベルにならない状態の変化が起きても、従来からの床面指数は、塵埃の量に応じたものであるから、使用者の掃除を行う実感にはあっているはずであり、確実な検知ができることになる。
さらに、逆に電動機10の電流は、床面に回転ブラシ30を置いた時点で瞬時に判断がされることから、切り替えに対する反応が非常に早くなり、使用者にとってはより使用性の高い状態が提供できることになる。
床面指数で、床面の塵埃量と床面を推定でき、この内容で実際の掃除に対して床面指数で電動送風機2の電力量を前記信号制御手段4からの信号でコントロールすることで、塵埃が多いときには電動送風機2の電力量をUPさせ、塵埃が少ないときには電力量をセーブすることを行っているわけであるが、今回、このコントロールに合わせてさらに床面検出手段41によって、回転ブラシ30が床面の摩擦量に沿った電流変化を検出し、この結果も合わせて、前記電動送風機2の電力量をコントロールすることになる。
よって、床面状態を今までよりも早く切り替えることが、床面検出手段41の電流検出手段の出力で行うことができ、さらに2つのセンサでより確実な検知を行え、さらに経年変化などによりセンサ出力の変化に対しても確実に対応ができる画期的な床面状態の検出が行えることになる。
前記床面指数の出力を演算する演算手段42によって、前記電動送風機2への通電量を変えることで、床面の種類や床面の塵埃量の状態にあった吸引力を電動送風機2で作り出すことができる。以上の内容で、床面検出手段41の動作、塵埃センサ8の動作が成り立っているのである。
次に、状態変化検出手段60について説明する。使用者は掃除を行うときに、電気掃除機の把手27を持ち、前後に往復運動をおこなう。この動作は、使用者ごとに異なった速
度での操作となっている。性格やそのときの状況、居住環境などによってもまちまちである。
製品面から見ると、この速度(以下移動速度と称す)については、遅いほうが集塵面では有利になる。これは、その位置に吸込み具31がどれだけ長く存在できるかということで、存在時間が長ければ長いほど吸引される可能性が高くなることで推定できる。つまり、ゆっくりと吸込み具31を移動するほうが、速く移動するよりは多くの塵埃が取れるということになる。
次に、吸込み具31内にある回転ブラシ30を駆動している電動機10の制御について説明する。この回転ブラシ30は、フローリングに対しては、その表面にブラシを当てることによって、付着した菌などをはがすことができ、絨毯については、ブラシによって絨毯の目の間に入っている塵埃をかき出したり、また目を広げて吸引しやすくしたりする効果がある。反面、あまり回転数が高くなり、床面の表面に砂など意外と大きな粒子があると、回転することによって、その砂などを弾き飛ばす可能性はある。
よって、絨毯の毛が細かく、内に侵入しやすいような絨毯については、回転数による影響があまり大きくなく、塵埃が表面にとどまっている絨毯については、回転数の影響が異なっている結果となる。
さらに、掃除機本体21内の電動送風機2による吸引力について説明する。吸引力は、基本的には強いほうが集塵性能がよい。吸引力が強いということは、吸込み具31内の気圧が負圧になりやすいということであり、この負圧のレベルが大きければそれだけ集塵がよいことになる。
さて、上記吸込み具31の移動速度、吸込み具31内の回転ブラシ30の回転数、掃除機本体21の電動送風機2の吸引力の3項目に対して、その制御についての動作を示す。使用者の動作状態を検出する状態変化検出手段60として、加速度センサ(図示せず)を用いて、掃除作業時の把手27の移動速度を検出する一例について説明する。
加速度センサは、移動するものの加速度を測定できるものであり、X、Y、Zの方向の加速度を検出できる。所定の力で、それぞれX、Y、Z方向に移動させた場合の出力である。ちなみに、X、Yの合成方向に移動した場合には、X、Yそれぞれが作用されたレベルの出力として、X、Yのみに信号が出力されることになる。
そこで、たとえば掃除をする際の操作を考えると、前記したが電気掃除機の把手27をもって前後に操作を行っている。この動作を細かく分析すると、手前から奥に向かって移動を開始する際に、加速度が働く。移動を行っている状態では、一定の速度であれば、加速度はない。次に、奥まで到達した際には、加速度が反対方向に働くことになり、次の瞬間には手前に引き戻すこととまり信号を得られ、さらに手前に引き戻したタイミングでもう一度変化が出る。
この様に、加速度センサを用いることで往復動作での手前から奥に移動する際、奥から戻ってくる際には信号を発することになり、その時間を計時することで移動時間がわかる。さらに加速度であるので、積分によって、移動する速度が容易に得られることとなり、速度としてそのまま検出できることとなる。また、その把手27を動作させているかどうかといったことや、移動などである力がかかっていることなどを検出することができる。
吸込み具31内の回転ブラシ30を回転駆動する電動機10についてであるが、この制御は、AC100Vでの動作をMAX状態の回転とすると、標準をその80%、弱を60
%とし、設定を行うことなどで回転数の変更を行えるものである。この割合については、位相制御で、回転数−位相制御量を設定し対応する。この設定によって、回転数の増減を行えることになる。
掃除機本体21の電動送風機2については、前記電動機10と同様に位相制御によって、回転数の切り替えを行っている。例えば、前記床面検出手段41で検知した床面が絨毯の場合には、吸引力よりも吸込み具31の回転数の変化を優先し、床面がフローリングの場合には、吸込み具31の回転数よりも吸引力を優先して可変させる。ここで、フローリングについては、所定の吸引力以上にしても、効果がないこととなるため、ある所定以上の吸引力になった場合には、その時点で吸込み具31の回転数の切り替えを行っていく。
ここで、すべての状態で、吸引力が高い状態が集塵度合いがよいことになり、はじめからその設定にすれば最も集塵度合いがよいこととなるが、前記塵埃センサ8によって、塵埃が吸引されているかどうかを判断できるので、塵埃が吸引できる最低限の吸込力で動作をさせておき、塵埃を検知することで、吸引力を変化させることが可能となり、その動作は、前記塵埃センサ8によって、塵埃を検出しその信号と、床面の状態検出の床面検出手段41の動作を演算手段42によって、前記信号制御手段4に信号が出力される。
この信号を受けて信号制御手段4が、前記電動機10や電動送風機2の回転を制御することができる。その効果として、前記塵埃が多くないところでエネルギーを消費することは無駄なことであり、必要なときに適度な吸引力を設定するころがエコロジーであり、また吸引力が高い場合には、掃除をおこなう操作力も大きくなり、操作するためのエネルギーが大きく必要となる。
無駄なエネルギーを使って、操作に無駄なエネルギーを使っていることなり、さらに大した集塵度合いの向上にもならない。そこで、前記に示したように塵埃のあることを塵埃センサ8で検知し、塵埃のある場合には、入力(吸引力)を適度に変化させ、塵埃のない場合には吸引できる最低限の吸引力のみの設定とすることができる。
ここで、吸込み具31に設けた回転ブラシ30を正転・逆転させる電動機10と、動作信号を出力する信号制御手段4によって構成されており、また前記状態変化検出手段60の信号で吸込み具31を前後に動かすときの動作を把握できるので、床面や塵埃量、移動速度によって、図6〜図9のように大きく集塵効率が変化する掃除において、その中での効率をもっともよくするために、以下の動作を行う。
まず、床面の種類によって吸引の状態が変化することは、記載しているが、フローリングに比べてじゅうたんでの掃除は、集塵効率が劣ることは図6でも明らかである。さらに、塵埃の量の違いでも、その集塵効率は異なる。大量の塵埃であれば吸引をしても、吸引できないことがあり、その量が多ければ多いほど、集塵効率が落ちていく方向である。
さらに吸込み具31が移動する時間によっても、集塵効率は変化することがわかる。これは、その床面の同じ位置に、どれだけ長い時間吸込み具31が存在しているかと言うことであり、時間が長いほうがもちろん多くの塵埃を吸引できることとなる。よって、移動時間については、遅いほうが集塵効率としてはUPすることとなる。
しかしながら、遅くなるとエネルギーを使用する時間(掃除する時間)が長くなり、早ければ、掃除が不十分といった具合である。そこで、図15に示したようにそれぞれの中でどのポイントで掃除を行うかで、そのサブ目的に沿った掃除を行うことができるようになる。ちなみに、吸込み具31の移動速度は、例えば、0.4〜1.0m/s程度を目標に操作を行うと、確実な掃除を行えることになる。
回転ブラシ30が正転(前回転)している場合については、吸込み具31が前方へ進む動作をサポートする方向であり、移動する動作を軽くしている。よって、移動する速度については、速くなる方向の回転である。逆に、回転ブラシ30が逆転している場合には移動速度が抑えられる方向の回転となっている。
そこで、前記状態変化検出手段60で移動する速度を推定し、信号制御手段4が、適度な速度になっているかを判断し、万一速いと判断した場合には、前記電動機10の回転を落とし、移動をサポートしている回転数を低減することで移動速度が下がるように制御する。同時に、別途設けた移動表示手段(図示せず)で“はやい”の表示を行い、使用者に促すことができる。この動作によって、移動速度の関係で集塵効率が悪くなっていると思われる要因を削除できる。
さらに、逆転時についても同様であり、使用者の前後方向の移動操作にあわせて、吸込み具31をその移動をサポートするように回転させることとなるので、押し出し方向では正転、引き戻し方向は逆転の回転数となる。この移動している状態も状態変化検出手段60で検出しながらの動作となるが、逆転時も正転時と同様の動作であるが、移動速度が遅い場合について説明すると、遅くなると、集塵効率はよいのであるが、無駄なエネルギーを使ってしまっていることとなるため、最適な速度にしていく必要がある。
そこで、移動をサポートする回転ブラシ30の回転数をUPさせるべく、前記信号制御手段4が前記電動機10に信号を送り、回転をあげる。同時に、移動表示手段62の表示を“おそい”とし、速く移動させることを使用者に促す。この動作によって、正転・逆転での回転数を制御することで、使用者だけの意図での操作ではなく、自動的なサポートでの速度情報を使用者に与えることができるので、より簡単に最適な集塵効率、省エネ実現での同時動作を行うことができる。
さらに、図8や図9にも示したが、床面の状態によって、集塵効率は変化するので、前記床面検出手段41がじゅうたんと判断した場合には、前記信号制御手段4は集塵効率がフローリングよりも悪いことをカバーするために、移動速度が遅くなる方向の制御を行う。同じく、塵埃量が多い場合についても、集塵効率が落ちてくるので、同様に集塵効率がよくなる方向(移動速度を下げる)のコントロールを、いずれも前記信号制御手段4が行う。信号制御手段4によって、回転ブラシ30を駆動している電動機10を制御し、回転数を低下させ、移動速度を抑制する方向の制御を行う。
ここで、移動速度の抑制について、上記では回転ブラシ30の回転数を低下させたが、移動方向に対して逆転させる方向(上記説明の場合には、移動方向が押し出しの場合には逆転、引き戻しの場合には正転方向の回転)にすることでも移動速度の抑制になる。
さらに、フローリングや塵埃量が少量や検出しない場合には、移動速度を速くしても
集塵効率に影響がなく、早く掃除が完了するため省エネにも効果が大きいこととなる。
これらの動作によって、その電気掃除機において使用者の操作速度に合わせて、最も効率のよい集塵度合いとなる設定ができ、さらに不必要な電力やエネルギー、人体の消費エネルギーを使うことなく、簡単に最適な動作を実現できる電気掃除機となっている。
この発明によれば、床面状態の床面指数によって、床面の塵埃の情報を確実に得ることができ、集塵する塵埃を確実に検知しながら、集塵に最も適した条件設定で吸引力、回転ブラシ30の回転数を設定でき、操作のエネルギーを最も使用せずに最大の集塵能力で、省エネとなる掃除を実現することができる。