JP2008187802A - 回転電機の回転子及び回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】永久磁石の端部を回転子の表面近くまで配置しても永久磁石の端部の減磁を抑制でき、回転子に埋め込む永久磁石の総量を多くすることができ、回転電機のトルクを向上させることができる回転子を提供する。
【解決手段】回転子14は、ロータコア15とロータ軸16とを備えており、ロータコア15の外周面がティース12と所定の間隔を置いた状態で、ハウジングの軸受けにロータ軸16を介して回転可能に支持されている。回転子14は、回転子14の中心軸側に向かって凸となるように、各極に永久磁石18が埋め込まれている。各永久磁石18は、全体が平行着磁となるように構成されている。平行着磁とは、各層の中心と回転子14の中心とを通る直線に対して永久磁石18の着磁方向(磁化配向)が平行であることを意味する。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転電機の回転子及び回転電機に関する。
永久磁石を回転子(ロータ)のコア内に埋め込み、永久磁石のトルク以外にリラクタンストルクを利用できるリラクタンス型回転電機が知られている。この種の回転電機として、図6(a)に示すように、回転子(ロータ)50の半径方向に1極当たり2層に間隔を置いて複数組の永久磁石51,52を埋め込んだ構造の回転子50を有するものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の回転子50においては、断面円弧状の永久磁石51,52は、回転子50の外周寄りの両端部51a,52aが、中央部51b,52bより保磁力の高い磁性材料により形成されている。また、回転子50の外周側に配置された永久磁石51は、内周側に配置された永久磁石52より保磁力の高い磁性材料により形成されている。そのため、固定子(ステータ)53から逆磁界(反磁界)が加わった場合に、減磁作用が起こり難くなる。
また、薄板状の鉄板を多数枚積層して構成された回転子鉄心の内部に断面円弧状の永久磁石をそれぞれの凸部側が回転子鉄心の中心軸側を向くように2個又は4個配設された回転子において、永久磁石の磁気配向方向と鉄板の圧延方向とが所定の関係をなすように構成した回転子も提案されている(特許文献2参照)。特許文献2には図6(b)に示すように、4個の永久磁石54を回転子55に配設する場合、各永久磁石54の少なくとも中央部における磁気配向方向Bと鉄板55aの圧延方向Aとが約45度の角度をなすように構成したものが開示されている。
特開平10−271722号公報 特開平7−99744号公報
永久磁石が回転子に埋め込まれた永久磁石式リラクタンス型回転電機では、永久磁石の端部が回転子の表面(外周面)近くに存在するように配置すると、端部が減磁し易くなるため、永久磁石を回転子表面近くまで配置できない。その結果、回転子に埋め込むことができる永久磁石の総量が少なくなり、回転電機のトルクを大きくすることができない。
特許文献1の回転子は、回転子50に埋め込まれた永久磁石51,52として、永久磁石を構成する磁性材料が永久磁石51,52の両端部51a,52aと中央部51b,52bとで異なる保磁力を有する特殊な磁性材料で構成されている。そのため、減磁はし難いが、製造が難しい。
特許文献2は、回転子鉄心を構成する薄板状の鉄板55aの磁気抵抗が圧延方向とその直角方向とでは異なるため、この磁気抵抗の相違が問題になり、トルクが変動して振動や騒音が増加するという問題に着目してなされたものである。そして、回転子鉄心を構成する薄板状の鉄板55aの圧延方向Aと、永久磁石54の磁気配向方向Bとを所定の関係にすることにより、トルクの変動を抑制して振動や騒音を低減することを目的としており、永久磁石の端部における減磁に関しては何ら配慮がなされていない。また、極数が増えると適用することができない。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、永久磁石の端部を回転子の表面近くまで配置しても永久磁石の端部の減磁を抑制でき、回転子に埋め込む永久磁石の総量を多くすることができ、回転電機のトルクを向上させることができる回転子及び回転電機を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、回転子の中心軸側に向かって凸となるように各極に永久磁石が埋め込まれた回転電機の回転子であって、前記回転子には各極に複数層ずつフラックスバリアが設けられ、前記永久磁石は各極毎に前記フラックスバリアのうち少なくとも1層に埋め込まれ、各極において前記永久磁石が埋め込まれた層のうち少なくとも1層の少なくとも一端部が平行着磁となるように構成されている。
ここで、「平行着磁」とは、各極について各層の中心と回転子の中心とを通る直線に対して永久磁石の着磁方向が平行であることを意味する。また、「少なくとも各層の両端部が平行着磁となる」とは、各層の永久磁石が1個の永久磁石で構成されている場合は、永久磁石の少なくとも両端部が平行着磁となっており、各層の永久磁石が分割された複数の永久磁石で構成されている場合は、両側に位置する永久磁石の少なくとも回転子の外周に近い側が平行着磁となっていることを意味する。
この発明では、回転子の中心軸側に向かって凸となるように各極に複数層ずつ設けられたフラックスバリアに、永久磁石が各極毎に少なくとも1層に埋め込まれている。そして、各極において永久磁石が埋め込まれた層のうち少なくとも1層の少なくとも一端部が平行着磁となるように構成されている。そのため、回転子が回転電機に組み立てられて使用された状態において、永久磁石の端部が回転子の表面(外周面)近くに位置する状態に永久磁石を配置しても、固定子から作用する反磁界の方向と永久磁石の端部の磁化配向方向とが一致しなくなって減磁し難くなる。したがって、永久磁石の端部を回転子の表面近くまで配置しても永久磁石の端部の減磁を抑制でき、回転子に埋め込む永久磁石の総量を多くすることができ、回転電機のトルクを向上させることができる。また、磁束が各層の中心に集中することが抑制され、磁束が有効に利用できる。
請求項2に記載の発明は、回転子の中心軸側に向かって凸となるように各極に永久磁石が埋め込まれた回転電機の回転子であって、前記回転子には各極に複数層ずつフラックスバリアが設けられ、前記永久磁石は各極毎に前記フラックスバリアのうち少なくとも1層に埋め込まれ、各極において前記永久磁石が埋め込まれた層のうち少なくとも1層の回転子外周側の部分が平行着磁となるように構成されている。この発明においても、回転子が回転電機に組み立てられて使用された状態において、永久磁石の端部が回転子の表面(外周面)近くに位置する状態に永久磁石を配置しても、固定子から作用する反磁界の方向と永久磁石の端部の磁化配向方向とが一致しなくなって減磁し難くなる。したがって、永久磁石の端部を回転子の表面近くまで配置しても永久磁石の端部の減磁を抑制でき、回転子に埋め込む永久磁石の総量を多くすることができ、回転電機のトルクを向上させることができる。また、磁束が各層の中心に集中することが抑制され、磁束が有効に利用できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記永久磁石は、全体が平行着磁となるように構成されている。この発明では、1個の永久磁石の着磁方向(磁化配向)を平行着磁とラジアル着磁とが混在するように構成する場合に比較して製造が容易である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記永久磁石は、各層が複数に分割された平板状の永久磁石で構成されている。この発明では円弧状の永久磁石を使用する場合に比較して永久磁石の製造が容易で、ひいては回転電機の製造コストを低減することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記永久磁石は、各層が3個以上に分割されるとともに、両側に配置された永久磁石のうち少なくとも一方が平行着磁となるように構成されている。この発明では、外側に配置された永久磁石以外の永久磁石は、従来と同じラジアルの着磁方向でよい。
請求項6に記載の発明は、回転子の中心軸側に向かって凸となるように各極に永久磁石が埋め込まれた回転電機の回転子であって、前記回転子には各極に複数層ずつフラックスバリアが設けられ、前記永久磁石は各極毎に前記フラックスバリアのうち少なくとも1層に埋め込まれ、各極において前記永久磁石が埋め込まれた層のうち少なくとも1層の少なくとも一端部の磁化配向方向は、固定子からのd軸磁束の流れ方向となす角が90°以上180°未満になるように構成されている。この発明でも、ラジアル着磁に比べて、d軸磁束による減磁を抑制できる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記磁化配向方向は、固定子からのd軸磁束の流れ方向となす角が90°以上135°未満になるように構成されている。この発明では、磁化配向方向のうちでd軸磁束の流れFと反対方向成分は、d軸磁束の流れFと直交方向成分より小さくなり、より減磁に対して有利である。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発明において、前記フラックスバリアの全てに前記永久磁石が埋め込まれている。この発明では、フラックスバリアの一部に永久磁石が埋め込まれている場合に比べてトルクを大きくすることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の発明において、前記回転子は6極以上である。この発明では、4極の場合に比べて減磁に対して有利である。
請求項10に記載の発明の回転電機は、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の発明の回転子を備えている。この発明の回転電機は、対応する前記請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の発明の作用、効果を奏する。
本発明によれば、永久磁石の端部を回転子の表面近くまで配置しても永久磁石の端部の減磁を抑制でき、回転子に埋め込む永久磁石の総量を多くすることができ、回転電機のトルクを向上させることができる。
以下、本発明を電動機に具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。図1(a)は永久磁石式リラクタンス型回転電機としての電動機の模式図、図1(b)は回転子の1/2の部分に対応する模式図である。
図1(a)に示すように、固定子(ステータ)11は、円筒状で内側に複数のティース12が等間隔で設けられている。ティース12にはコイル(巻線)13が巻かれている。コイル13の巻き付け方法は分布巻であっても集中巻であってもよい。
固定子11の内側には、回転子(ロータ)14が配置されている。回転子14は、円板状の電磁鋼板を複数枚(例えば数十枚)積層したロータコア15と、ロータコア15の中心に貫挿されたロータ軸(回転軸)16とを備えている。そして、回転子14は、ロータコア15の外周面がティース12と所定の間隔を置いた状態で、図示しないハウジングの軸受けにロータ軸16を介して回転可能に支持されている。
ロータコア15には、回転子14を周方向に複数に等分割された各仮想領域に、回転子14の中心軸側に向かって凸となるように形成された孔17が複数層ずつ形成されている。各孔17には永久磁石18が装着されている。即ち、回転子14は、回転子14の中心軸側に向かって凸となるように、各極に永久磁石18が埋め込まれており、各極は磁気的な突極性を有する。この実施形態では、ロータコア15の中心角45度の範囲毎に、断面円弧状の孔17が同心状に2個ずつ設けられ、各孔17に断面円弧状の曲板状の永久磁石18が埋め込まれており、8極の構成となっている。永久磁石18としてフェライト磁石が使用されている。この孔17に挟まれた部分はq軸磁路19となる。
図1(b)に示すように、各永久磁石18は、全体が平行着磁となるように構成されている。平行着磁とは、各層の中心と回転子14の中心とを通る直線に対して永久磁石18の着磁方向(磁化配向)が平行であることを意味する。即ち、この実施の形態では、各極の2層の永久磁石18は、磁化配向が同じ方向に平行になるように着磁されている。
隣り合う極の孔17に装着された永久磁石18同士は、着磁方向が異なる。例えば、ある極の孔17に装着された永久磁石18のS極がティース12側となるように配置されていると、隣の極の孔17に装着された永久磁石18はN極がティース12側となるように配置されている。
次に前記のように構成された電動機の作用を説明する。
電動機が負荷状態で駆動される場合は、固定子11のコイル13に通電されて回転子14に回転磁界が作用する。そして、d軸磁束の流れは、回転子14に2層に設けられた永久磁石18の端部と交差する状態になる。この状態における磁束の流れと永久磁石18の磁化方向との関係を、永久磁石18がラジアル着磁された従来技術に相当する比較例の回転子14と、永久磁石18が平行着磁された本発明の回転子14とで比較すると、図2(a),(b)に示す状態となる。ラジアル着磁とは、着磁方向(磁化方向)が断面円弧状の永久磁石18の仮想円の半径方向となる着磁状態を意味する。
図2(a)は比較例の場合を示し、図2(b)はこの実施形態(本発明)の場合を示す。永久磁石18がラジアル着磁されている場合は、負荷時における固定子11からのd軸磁束の流れFが図2(a)に示すようになる。そのため、永久磁石18の端部において磁化配向方向が反磁界の方向と一致する状態あるいは一致する状態に近くなるため永久磁石18の端部が減磁し易くなる。
一方、永久磁石18が平行着磁されている場合は、負荷時における固定子11からのd軸磁束の流れFは図2(b)に示すようになる。そのため、永久磁石18の端部において磁化配向方向が反磁界の方向と一致せず直交する状態に近くなるため、永久磁石18の端部が減磁し難くなり、減磁耐量が向上する。
また、q軸磁束の流れFは図3に示すように、2層に設けられた永久磁石18の間のq軸磁路19を通る状態になる。そのため、磁束が永久磁石18を通過するのが抑制されてトルクが効率良く発生する。このとき、2層に設けられた永久磁石18は、その両端部が回転子14の外周面の近くに存在する状態に配置されているため、その両端部が回転子14の外周面の近くに存在しない構成の場合と比較して、q軸磁束が円滑にq軸磁路19に案内される。そのため、磁束が永久磁石18を通過するのが抑制されてトルクが効率良く発生する。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)回転子14は、回転子14の中心軸側に向かって凸となるように各極に永久磁石18が埋め込まれるとともに、各永久磁石18両端部が平行着磁となるように構成されている。そのため、永久磁石18の端部が回転子14の表面(外周面)近くに位置する状態に永久磁石18を配置しても、永久磁石18の端部が減磁し難くなる。したがって、永久磁石18を回転子14の表面近くまで配置して回転子14に埋め込む永久磁石18の総量を多くすることができ、電動機のトルクを向上させることができる。また、ラジアル着磁に比べて、永久磁石18の磁束が集中することが抑制され、磁束が有効に利用できる。
(2)永久磁石18は、全体が平行着磁となるように構成されている。したがって、1個の永久磁石18の着磁方向(磁化配向)を平行着磁とラジアル着磁とが混在するように構成する場合に比較して製造が容易になる。
(3)永久磁石18は、各極に複数層(この実施形態では2層)設けられているため、各極の隣り合う永久磁石18の間がq軸磁路19となり、q軸磁束が永久磁石18を通過するのが抑制されてトルクが効率良く発生する。また、永久磁石18は、その両端部が回転子14の外周面の近くに存在する状態に配置されているため、その両端部が回転子14の外周面の近くに存在しない構成の場合と比較して、q軸磁束が円滑にq軸磁路19に案内される。
(4)永久磁石18は2層設けられている。したがって、永久磁石18を3層以上設ける場合に比較して、製造が容易になる。
(5)永久磁石18としてフェライト磁石が使用されている。フェライト磁石は希土類永久磁石に比較して発生する磁束量が少なく(約1/3)、高速回転時の弱め界磁が不要になり、モータ効率が向上する。また、フェライト磁石は希土類永久磁石に比較して安価であるため、回転子14の製造コストを低減できる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 回転子14の極数は8極に限らず、4極以上の偶数極であればよく、回転子14の大きさにより適宜設定される。6極以上であれば、d軸磁束の流れFと永久磁石端部の磁化配向方向が直交する状態により近くなるので、より減磁し難くなる。
例えば6極の場合、各極間(d軸間)の機械角は60°となる。ここでd軸で切り取った回転子を考えた場合、中心角60°の扇形となる。平行着磁の磁化配向方向はd軸と等しく、減磁を引き起こすd軸磁束の流れFの方向は回転子外周とd軸との交点を結んだ直線方向(扇形の弦方向)に略等しい。そうすると、磁化配向方向とd軸磁束の流れFの方向のなす角は120°となり、磁化配向方向のうちでd軸磁束の流れFと反対方向成分は、d軸磁束の流れFと直交方向成分より小さくなり、より減磁に対して有利である。
同様に8極を考えた場合、扇形の中心角は45°であり、磁化配向方向とd軸磁束の流れFの方向のなす角は112.5°になる。すると、磁化配向方向のうちでd軸磁束の流れFと反対方向成分は、d軸磁束の流れFと直交方向成分よりさらに小さくなる。
一方4極を考えた場合、扇形の中心角は90°であり、磁化配向方向とd軸磁束の流れFの方向のなす角は135°になる。すると、磁化配向方向のうちでd軸磁束の流れFと反対方向成分は、d軸磁束の流れFと直交方向成分と等しくなるので、6極に比べて減磁に対して不利である。
○ 永久磁石18は、回転子14の中心軸側に向かって凸となるように各極に複数層ずつ埋め込まれた構成であればよく、必ずしも各層に埋め込まれた永久磁石18は1個で構成される必要はなく複数に分割された永久磁石18で1層の永久磁石18が構成されていてもよい。例えば、図4(a)に示すように、各極の永久磁石18の層を、平板状の永久磁石18が2個V字状に配置された構成としてもよい。また、図4(b)に示すように、各極の永久磁石18の層を3個の平板状の永久磁石18で構成し、中央の永久磁石18を半径方向と直交する状態に配置し、両側の永久磁石18を対称にかつ中央の永久磁石18と鈍角をなすように配置してもよい。これらの場合、各層の永久磁石18を1個の曲板状の永久磁石で構成する場合に比較して製造コストが安くなる。また、1層分の複数個の永久磁石18が装着される孔17を連続する形状ではなく、各永久磁石18に対応した形状の独立した孔17として形成することにより、ロータコア15の強度が高くなる。
○ 各層の永久磁石18は少なくとも1層の一端部が平行着磁となるように構成されていればよく、前記各実施形態の永久磁石18のように、永久磁石18の全体が平行着磁された構成に限らない。
例えば、図4(c)に示すように、各層の永久磁石18が分割された3個の永久磁石18で構成されている場合、中央の永久磁石18がラジアル着磁され、両側の永久磁石18が平行着磁された構成としてもよい。両側でなくても一方の側の永久磁石18のみが平行着磁されていてもよい。
また、図4(d)に示すように、1個の曲板状(断面円弧状)の永久磁石18の両端部が平行着磁され、中間部はラジアル着磁された構成としてもよい。両端部でなくても一端部のみが平行着磁されていてもよい。
また、図4(a)〜(d)の様に2層とも平行着磁されている構成に限らず、1層のみでもよい。以上のいずれの場合も、平行着磁した部分について減磁を抑制できる。
○ 一端部を平行着磁する代わりに、磁化配向方向がd軸磁束の流れ方向となす角が90°以上180°未満になるように着磁してもよい。この場合もラジアル着磁に比べて減磁が抑制される。また、90°以上135°未満になるように着磁することが好ましい。この場合、磁化配向方向のうちでd軸磁束の流れFと反対方向成分は、d軸磁束の流れFと直交方向成分より小さくなり、より減磁に対して有利である。
○ 1層の永久磁石18を複数に分割された永久磁石18で構成する場合、各永久磁石18を平板状の永久磁石18で構成する代わりに、図4(c)に示すように、中央に配置される1個の曲板状の永久磁石18と、両側に配置される2個の平板状の永久磁石18とで構成するようにしてもよい。この場合は、外側に配置された永久磁石18以外の永久磁石18は、従来と同じラジアル着磁でよい。曲板状の永久磁石18に着磁する場合は平行着磁よりラジアル着磁の方が容易であるため、外側に配置された永久磁石18のみ平行着磁とする方が好ましい。また、磁束の流れの観点からは永久磁石18は断面円弧状の方が好ましい。しかし、断面円弧状の永久磁石18は、長いと割れ易いが、3個に分割されて中央に配置される永久磁石18を断面円弧状とすることにより、断面円弧状でも割れ難くなる。
○ 各極の永久磁石18は2層に限らず、ロータコア15の径の大きさによっては、3層以上であってもよい。
○ 各極の永久磁石18を3層以上設ける場合、外側から3層目より内側に配置される永久磁石18は、配置位置によっては平行着磁でなくても反磁界の方向が永久磁石18の磁化配向方向と一致しなくなる場合がある。そのような場合は平行着磁しなくてもよい。即ち、永久磁石18は、永久磁石18の回転子14の外周側の部分が、平行着磁となるように構成されていればよい。
○ 各層の永久磁石18は必ずしも孔17を完全に埋めるように配置する構成に限らない。一般に磁石端部は短絡磁束によって減磁し易いため、磁石端部にフラックスバリアを設けるのが普通である。本発明においても、永久磁石18の端部に孔17を残すようにして永久磁石18を配置してもよい。この場合も、ラジアル着磁に比べて、d軸磁束による減磁を抑制できる。
○ 全ての層の孔17に永久磁石18を埋める構成に限らない。永久磁石18を埋めずに、単にフラックスバリアとして孔17を用いてもよい。この場合も少なくとも1層には永久磁石18が埋められていれば、本発明を適用できる。
○ 永久磁石18を3層以上設ける場合、各極に永久磁石18を3層以上設ける代わりに、一つ置きの極の永久磁石18の層数が同じで、隣り合う極の永久磁石18の層数が異なるようにしてもよい。例えば、永久磁石18を2層設ける極と、3層設ける極とが交互に存在するように設けてもよい。
○ 永久磁石18は内側に配置される永久磁石18の厚さ幅が外側に形成される永久磁石18に比較して厚い必要はなく、各永久磁石18の厚さが同じであっても、内側に配置された永久磁石18の厚さが厚くてもよい。
○ 永久磁石18の長さは、ロータコア15の内側に配置される永久磁石18を長くする構成に限らず、回転子14の極数によってはロータコア15の内側に配置される永久磁石18を短くしてもよい。例えば、8極の場合、図5(a)に示すように、ロータコア15の内側に配置される永久磁石18を短くしてもよい。
○ ロータコア15の外形は円に限らない。例えば、図5(b)に示すように、ロータコア15のd軸と対応する外周縁部、即ち各層の永久磁石18の凹となる部分と対応する位置に凹部20を設けてもよい。この場合、固定子11と回転子14とのギャップが凹部20の部分において大きくなり、リラクタンスも大きくなるため、同一電流での出力トルクが増加する。
○ 永久磁石18を曲板状に形成する場合、断面形状は円弧状に限らず曲率が徐々に変化する形状、例えば楕円弧状としてもよい。
○ 永久磁石18は、フェライト磁石に限らず、希土類永久磁石やボンド磁石を使用してもよい。希土類永久磁石を使用する場合は、フェライト磁石を使用する場合より永久磁石18を薄くしても同程度のトルクが得られる。
○ 電動機に限らず発電機に適用してもよい。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1に記載の発明において、前記永久磁石は3個に分割されるとともに、中央に配置された永久磁石は断面円弧状に形成されるとともにラジアル着磁され、外側に配置された永久磁石は平板状に形成されるとともに平行着磁されている。
一実施形態を示し、(a)は回転電機の模式図、(b)はロータコアの半分を示す模式図。 (a)は比較例における負荷時のd軸磁束の流れを示す模式図、(b)は実施形態における負荷時のd軸磁束の流れを示す模式図。 負荷時のq軸磁束の流れを示す模式図。 (a)〜(d)はそれぞれ異なる別の実施形態のロータコアを示す模式図。 (a),(b)は別の実施形態のロータコアを示す模式図。 (a)は従来技術の回転子の模式図、(b)は別の従来技術の回転子の模式図。
符号の説明
11…固定子、14…回転子、18…永久磁石。

Claims (10)

  1. 回転子の中心軸側に向かって凸となるように各極に永久磁石が埋め込まれた回転電機の回転子であって、
    前記回転子には各極に複数層ずつフラックスバリアが設けられ、
    前記永久磁石は各極毎に前記フラックスバリアのうち少なくとも1層に埋め込まれ、
    各極において前記永久磁石が埋め込まれた層のうち少なくとも1層の少なくとも一端部
    が平行着磁となるように構成されていることを特徴とする回転電機の回転子。
  2. 回転子の中心軸側に向かって凸となるように各極に永久磁石が埋め込まれた回転電機の回転子であって、
    前記回転子には各極に複数層ずつフラックスバリアが設けられ、
    前記永久磁石は各極毎に前記フラックスバリアのうち少なくとも1層に埋め込まれ、
    各極において前記永久磁石が埋め込まれた層のうち少なくとも1層の回転子外周側の部分が平行着磁となるように構成されていることを特徴とする回転電機の回転子。
  3. 前記永久磁石は、全体が平行着磁となるように構成されている請求項1に記載の回転電機の回転子。
  4. 前記永久磁石は、各層が複数に分割された平板状の永久磁石で構成されている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の回転電機の回転子。
  5. 前記永久磁石は、各層が3個以上に分割されるとともに、両側に配置された永久磁石のうち少なくとも一方が平行着磁となるように構成されている請求項4に記載の回転電機の回転子。
  6. 回転子の中心軸側に向かって凸となるように各極に永久磁石が埋め込まれた回転電機の回転子であって、
    前記回転子には各極に複数層ずつフラックスバリアが設けられ、
    前記永久磁石は各極毎に前記フラックスバリアのうち少なくとも1層に埋め込まれ、
    各極において前記永久磁石が埋め込まれた層のうち少なくとも1層の少なくとも一端部の磁化配向方向は、固定子からのd軸磁束の流れ方向となす角が90°以上180°未満になるように構成されていることを特徴とする回転電機の回転子。
  7. 前記磁化配向方向は、固定子からのd軸磁束の流れ方向となす角が90°以上135°未満になるように構成されている請求項6に記載の回転電機の回転子。
  8. 前記フラックスバリアの全てに前記永久磁石が埋め込まれている請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の回転電機の回転子。
  9. 前記回転子は6極以上である、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の回転電機の回転子。
  10. 請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の回転子を備えた回転電機。
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