JP2008187204A - 窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発光の信頼性が高い窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】窒化物系化合物半導体発光素子は、第1窒化物系化合物半導体層、第2窒化物系化合物半導体層、発光層、P型窒化物系化合物半導体層およびP型電極が、この順番に積層された積層体を具備し、該第1窒化物系化合物半導体層には、該第2窒化物系化合物半導体層が露出するように溝が形成されており、少なくとも該溝には、該第2窒化物系化合物半導体層と該発光層に電流を注入するためのパッド電極とを接続するN型電極が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子に関し、特に青色領域から紫外領域において発光可能な窒化物系化合物半導体発光素子に関する。
窒化物系化合物は、青色領域から紫外領域において発光可能な半導体発光素子に利用することができることが知られている。特許文献1には、窒化物系化合物を利用した従来の窒化物系化合物半導体発光素子の構成が開示されている。図9は、この公報に開示された従来の窒化物系化合物半導体発光素子90の正面断面図である。窒化物系化合物半導体発光素子90は、シリコン(Si)基板95を備えており、このSi基板95上には、バッファ層94、下部クラッド層93、発光層92および上部クラッド層91が、この順番に積層されている。上部クラッド層91上の中央部には、発光層92に電流を注入するためのP型パッド電極96が形成されており、P型パッド電極96の上には、P型パッド電極96に外部から電流を供給するための金(Au)ワイヤー97がボンディングされている。Si基板95の裏面には、N型電極98が形成されている。
特開平11−177142号公報
しかしながら、このような構成の窒化物系化合物半導体発光素子90においては、上部クラッド層91上にP型パッド電極96を直接形成するために、P型パッド電極96を形成する際に上部クラッド層91に発生する応力によって、上部クラッド層91にクラックが発生するおそれがある。
また、P型パッド電極96にAuワイヤー97をボンディングする際に、機械的なダメージが上部クラッド層91に加わり、上部クラッド層91にクラックが発生するおそれがある。
このように上部クラッド層91にクラックが発生すると、このクラックを通って電流が流れるために、窒化物系化合物半導体発光素子90は電気的に短絡し、発光層92が発光しないか、発光するとしても安定的に発光することができないという問題がある。
さらに、発光層92から発光した光の約50%程度がSi基板95によって吸収されるために、窒化物系化合物半導体発光素子90の発光効率が低下するという問題がある。
本発明の目的は、このような問題を解決するものであり、その目的は、発光の信頼性が高い窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、クラックが発生しない窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、発光効率が高い窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る窒化物系化合物半導体発光素子は、第1窒化物系化合物半導体層、第2窒化物系化合物半導体層、発光層、P型窒化物系化合物半導体層およびP型電極が、この順番に積層された積層体を具備し、該第1窒化物系化合物半導体層には、該第2窒化物系化合物半導体層を露出するように溝が形成されており、少なくとも該溝には、該第2窒化物系化合物半導体層と該発光層に電流を注入するためのパッド電極とを接続するN型電極が設けられていることを特徴とし、そのことにより上記目的が発生する。
前記第1窒化物系化合物半導体層は、AlN層によって構成されていてもよい。
前記第2窒化物系化合物半導体層は、GaN層とInGaN層との少なくとも1つによって構成されていてもよい。
前記第1窒化物系化合物半導体層は、前記第2窒化物系化合物半導体層の表面の全体を覆うように積層されていてもよい。
前記N型電極は、前記第1窒化物系化合物半導体層の表面に延伸するように設けられていてもよい。
前記パッド電極は、前記第1窒化物系化合物半導体層上に延伸した前記N型電極上に設けられていてもよい。
前記パッド電極は、前記積層体の積層方向に沿って前記発光層から発光した光を遮らない位置に配置されていてもよい。
前記N型電極は、金属を含む透光性薄膜によって構成されていてもよい。
前記N型電極は、透光性導電体である酸化物半導体によって構成されていてもよい。
前記P型電極に対して前記発光層の反対側に設けられ、前記積層体を支持する導電層をさらに具備してもよい。
前記導電層は、メッキにより形成された金属からなってもよい。
前記導電層は、前記P型電極に接着された金属板または半導体基板によって構成されていてもよい。
本発明に係る窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法は、基板上に、第1窒化物系化合物半導体層、第2窒化物系化合物半導体層、発光層およびP型窒化物系化合物半導体層をこの順番に形成する工程と、該P型窒化物系化合物半導体層上にP型電極を形成する工程と、該P型電極上に導電層を形成する工程と、該導電層を形成する工程の後に、該基板を除去する工程と、該基板を除去する工程の後に、該第2窒化物系化合物半導体層が露出するように該第1窒化物系化合物半導体層に溝を形成する工程と、該第2窒化物系化合物半導体層を露出するように形成された該溝を覆うようにN型電極を形成する工程とを包含することを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
前記基板は、シリコン基板によって構成されていてもよい。
前記基板を除去する工程は、少なくともフッ酸、硝酸および酢酸が混合された混合液を用いたエッチング法によって実施されてもよい。
前記N型電極は、透光性を有していてもよい。
前記発光層に電流を注入するためのパッド電極を前記N型電極と接続するように設ける工程をさらに包含していてもよい。
前記N型電極は、前記第1窒化物系化合物半導体層上に延伸しており、前記パッド電極は、該第1窒化物系化合物半導体層上に延伸した該N型電極上に設けられてもよい。
前記パッド電極は、前記発光層から発光した光を遮らない位置に設けられてもよい。
前記第1窒化物系化合物半導体層は、AlN層によって構成されていてもよい。
本発明に係る他の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法は、基板上に、第1窒化物系化合物半導体層、第2窒化物系化合物半導体層、発光層およびP型窒化物系化合物半導体層をこの順番に形成する工程と、該基板を除去する工程と、該基板を除去する工程の後、該第2窒化物系化合物半導体層が露出するように該第1窒化物系化合物半導体層に溝を形成する工程と、該第2窒化物系化合物半導体層を露出するように形成された該溝を覆うようにN型電極を形成する工程と、該P型窒化物系化合物半導体層上にP型電極を形成する工程とを包含することを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
以上のように本発明によれば、発光の信頼性が高い窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、クラックが発生しない窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供することができる。
さらに本発明によれば、発光効率が高い窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本明細書において、「窒化物系化合物」には、例えば、InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)も含まれる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る窒化物系化合物半導体発光素子10の正面断面図である。窒化物系化合物半導体発光素子10は、略長方体形状をした積層体9を備えている。積層体9は、長方体形状をしたP型台座電極13を有し、このP型台座電極13上には、P型電極12、P型窒化物系化合物半導体コンタクト層6、P型窒化物系化合物半導体層5、MQW発光層4、N型窒化物系化合物半導体層3およびAlNバッファ層2が、それぞれ一定の厚さで順番に積層されている。AlNバッファ層2は、絶縁性および透光性を有している。N型窒化物系化合物半導体層3は、例えば、N型GaN層によって構成されている。
AlNバッファ層2の上面における略中央には、溝11が、矢印Aに示す方向から見て略正方形の枠状に形成されている。溝11の底面には、N型窒化物系化合物半導体層3が全周にわたって露出している。AlNバッファ層2の略中央部には、溝11によって囲まれた略正方形状の電極形成部16が形成されている。
AlNバッファ層2には、N型窒化物系化合物半導体層3と溝11内にて電気的に接続するN型透光性電極7が、溝11の内面および電極形成部16を覆うように形成されている。電極形成部16上には、N型透光性電極7およびN型窒化物系化合物半導体層3を通ってMQW発光層4に電流を注入するためのN型パッド電極8が、N型透光性電極7を介して形成されている。N型パッド電極8の上には、N型パッド電極8に外部から電流を供給するためのAuワイヤ14がボンディングされている。
P型電極12およびP型台座電極13は、金属膜によって構成されている。P型台座電極13は、無電解メッキまたは電解メッキ等によって、大面積であって、100ミクロンの厚い厚膜の電極を容易に形成することができる。P型台座電極13は、金属板または半導体基板等を接着することによって形成してもよい。
金属膜によって構成されたP型電極12およびP型台座電極13は、MQW発光層4から発光される光を遮断する。透光性を有しているAlNバッファ層2は、MQW発光層4から発光される光を透過する。従って、AlNバッファ層2の表面が、窒化物系化合物半導体発光素子10の主たる発光面となる。
図2は、窒化物系化合物半導体発光素子10の製造工程において作製されるウェハー60の正面断面図である。ウェハー60は、Si基板1を有している。Si基板1の上には、AlNバッファ層2、N型窒化物系化合物半導体層3、MQW発光層4、P型窒化物系化合物半導体層5およびP型窒化物系化合物半導体コンタクト層6が、この順番にそれぞれ一定の厚さで積層されている。
このような窒化物系化合物半導体発光素子10は、以下のようにして製造される。まず、Si基板1の表面を洗浄した後に、Si基板1を、MOCVD装置内に配置する。そして、MOCVD装置内にSi基板1が配置されると、Si基板1上にAlNバッファ層2を200nmの厚さに積層する。そして、AlNバッファ層2上に、N型窒化物系化合物半導体層3としてN型GaN層を500nmの厚さに形成する。N型GaN層の膜厚は、500nm以上1000nm以下が好ましい。膜厚が500nmよりも小さいと、AlNバッファ層2に溝11を形成するためのドライエッチングの際のダメージを十分に吸収することができない。膜厚が1000nmよりも大きいと、N型GaN層の結晶性が悪化し、さらには、N型窒化物系化合物半導体層3に隣接して形成されるMQW発光層4の結晶性が悪化する。
そして、N型窒化物系化合物半導体層3上に、MQW発光層4を50nmの厚さに、P型窒化物系化合物半導体層5を20nmの厚さに、P型窒化物系化合物半導体コンタクト層6を250nmの厚さでそれぞれ順番に積層し、ウェハー60を完成させる。
ウェハー60をMOCVD装置から取り出し、P型窒化物系化合物半導体コンタクト層6上に、P型電極12としてPd(パラジウム)を50nmの厚さに形成する。そして、P型電極12上に、P型台座電極13としてNi(ニッケル)を100ミクロンの厚さに形成する。
次に、フッ酸:硝酸:酢酸=10:5:1の混合液であるフッ酸系エッチング液を用いて、Si基板1を除去する。その後、RIE法等のドライエッチング法により、塩素系ガスを用いてAlNバッファ層2をエッチングし、N型窒化物系化合物半導体層3が露出するように、AlNバッファ層2の上面における略中央に、溝11を1辺の長さが約100ミクロンの正方形状に形成する。溝11の幅は、約20ミクロンとする。AlNバッファ層2の表面における略中央には、溝11によって囲まれた電極形成部16が形成される。
次に、溝11および電極形成部16を覆うように、N型透光性電極7としてTiを7nmの厚さに形成する。そして、N型透光性電極7の上に、N型パッド電極8としてAuを0.5ミクロンの厚さに形成する。
このような状態になると、矢印Aに示す方向から見て350ミクロン角に積層体9を分割し、リードフレームのカップ底部に窒化物系化合物半導体発光素子10に設けられたP型台座電極13をマウントする。P型台座電極13は、窒化物系化合物半導体発光素子10の台座として機能する。次に、N型パッド電極8にAuワイヤ14をボンディングする。N型パッド電極8は透光性を有していないので、窒化物系化合物半導体発光素子10の主たる発光面は、AlNバッファ層2の表面のうち、N型パッド電極8が設けられた領域を除く領域に形成される。
このようにして形成される窒化物系化合物半導体発光素子10の動作を説明する。Auワイヤー14からN型パッド電極8に供給された電流は、N型透光性電極7およびN型窒化物系化合物半導体層3を通ってMQW発光層4に注入される。電流が注入されたMQW発光層4は、光を発光する。MQW発光層4から発光した光は、N型窒化物系化合物半導体層3を通り、AlNバッファ層2の表面のうちN型パッド電極8が設けられた領域を除く領域に形成された主たる発光面を通って、矢印Aと逆の方向である上方に向って出射する。
なお、上記実施の形態では、P型電極12およびP型台座電極13を形成した後にSi基板1を除去する例を示したが、本発明はこれに限定されない。Si基板1を除去した後にP型電極12およびP型台座電極13を形成してもよい。
また、AlNバッファ層2に形成される溝11が矢印Aの方向から見て略正方形状に形成されている例を説明したが、本発明はこれに限定されない。溝11は、円形状に形成されていてもよく、ストライプ状に形成されていてもよい。
さらに、AlNバッファ層2は、高抵抗のAlNバッファ層であってもよい。
以上のように実施の形態1によれば、N型窒化物系化合物半導体層3の上にAlNバッファ層2を積層し、AlNバッファ層2に形成された溝11とAlNバッファ層2の電極形成部16との上に形成されたN型透光性電極7が、N型窒化物系化合物半導体層3とN型パッド電極8と接続されているために、N型パッド電極8は、N型窒化物系化合物半導体層3の上に直接形成されず、従って、N型パッド電極8を形成する際にN型窒化物系化合物半導体層3に発生する応力が低減する。その結果、N型窒化物系化合物半導体層3およびN型窒化物系化合物半導体層3に隣接するように形成された発光層4にクラックが発生するおそれがない。
また、N型パッド電極8がN型窒化物系化合物半導体層3の上に直接形成されないので、N型パッド電極8にAuワイヤー14をボンディングする際に、N型窒化物系化合物半導体層3に加わる機械的なダメージが減少する。従って、N型窒化物系化合物半導体層3およびN型窒化物系化合物半導体層3に隣接するMQW発光層4にクラックが発生するおそれがない。
このようにN型窒化物系化合物半導体層3およびMQW発光層4にクラックが発生しないので、窒化物系化合物半導体発光素子10は電気的に短絡することがない。この結果、不均一な発光を防止することができ、窒化物系化合物半導体発光素子10の発光の信頼性を向上させることができる。
さらに、AlNバッファ層2は結晶の硬度が軟らかいために、N型窒化物系化合物半導体層3が露出するようにAlNバッファ層2に溝11を形成するためのドライエッチングの際にN型窒化物系化合物半導体層3およびN型窒化物系化合物半導体層3に隣接するMQW発光層4が受けるダメージを低減することができる。この結果、発光層4におけるリーク電流を低減することができ、窒化物系化合物半導体発光素子10の発光の信頼性を向上させることができる。
さらに、AlNバッファ層2に溝11を形成するためのドライエッチングに晒されるN型窒化物系化合物半導体層3はP型層よりも膜厚が厚いN型層なので、膜厚が薄いP型層よりもエッチングを容易に制御することができる。
さらに、ドライエッチングによってN型窒化物系化合物半導体層3を露出する溝11の幅は必要最小限の20ミクロンと狭くしているために、ドライエッチングに晒されるN型窒化物系化合物半導体層3の領域は狭い。従って、ドライエッチングの際にN型窒化物系化合物半導体層3および発光層4が受けるダメージをより一層低減することができる。
さらに、発光層4から発光する光の約50%程度を吸収するSi基板1は、製造工程において除去されるので、実施の形態1に係る窒化物系化合物半導体発光素子10にはSi基板1が存在しない。従って、窒化物系化合物半導体発光素子の発光効率を高めることができる。
さらに、N型窒化物系化合物半導体層3は、N型導電性であるために、不純物濃度を高くすることができるので、ドライエッチングの際にエッチングに晒されるN型窒化物系化合物半導体層3が高抵抗を示すことがない。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2に係る窒化物系化合物半導体発光素子20の正面断面図である。図1を参照して前述した実施の形態1に係る窒化物系化合物半導体発光素子10の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は省略する。実施の形態1に係る窒化物系化合物半導体発光素子10と異なる点は、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3Aがさらに形成されている点である。
窒化物系化合物半導体発光素子20は、略長方体形状をした積層体9Aを備えている。積層体9Aは、長方体形状をしたP型台座電極13を有し、このP型台座電極13上には、P型電極12、P型窒化物系化合物半導体コンタクト層6、P型窒化物系化合物半導体層5、MQW発光層4、N型窒化物系化合物半導体層3、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3AおよびAlNバッファ層2が、それぞれ一定の厚さで順番に積層されている。N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3Aは、例えば、N型InGaN層によって構成されている。N型窒化物系化合物半導体層3は、実施の形態1と同様に、例えば、N型GaN層によって構成されている。
AlNバッファ層2の上面における略中央には、溝11が、矢印A1に示す方向から見て略正方形の枠状に形成されている。溝11の底面には、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3Aが全周にわたって露出している。AlNバッファ層2の略中央部には、溝11によって囲まれた略正方形状の電極形成部16が形成されている。
AlNバッファ層2には、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3Aと溝11内にて電気的に接続するN型透光性電極7が、溝11の内面および電極形成部16を覆うように形成されている。電極形成部16上には、N型透光性電極7、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3AおよびN型窒化物系化合物半導体層3を通ってMQW発光層4に電流を注入するためのN型パッド電極8が、N型透光性電極7を介して形成されている。N型パッド電極8の上には、N型パッド電極8に外部から電流を供給するためのAuワイヤ14がボンディングされている。
P型電極12およびP型台座電極13は、金属膜によって構成されており、MQW発光層4から発光される光を遮断する。透光性を有しているAlNバッファ層2は、MQW発光層4から発光される光を透過する。従って、AlNバッファ層2の表面が、窒化物系化合物半導体発光素子20の主たる発光面となる。
図4は、窒化物系化合物半導体発光素子20の製造工程において作製されるウェハー70の正面断面図である。ウェハー70は、Si基板1を有している。Si基板1の上には、AlNバッファ層2、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3A、N型窒化物系化合物半導体層3、MQW発光層4、P型窒化物系化合物半導体層5およびP型窒化物系化合物半導体コンタクト層6が、この順番にそれぞれ一定の厚さで積層されている。
このような窒化物系化合物半導体発光素子20は、以下のようにして製造される。まず、Si基板1の表面を洗浄した後に、Si基板1を、MOCVD装置内に配置する。そして、MOCVD装置内にSi基板1が配置されると、Si基板1上にAlNバッファ層2を150nmの厚さに積層する。そして、AlNバッファ層2上に、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3AとしてN型InGaN層を100nmの厚さに形成する。N型InGaN層の膜厚は、100nm以上500nm以下が好ましい。膜厚が100nmよりも小さいと、AlNバッファ層2に溝11を形成するためのドライエッチングの際のダメージを十分に吸収することができない。膜厚が500nmよりも大きいと、N型InGaN層の結晶性が悪化する。N型InGaN層の組成比は、MQW発光層4から発光する光を吸収しないように設定される。
そして、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3Aの上に、N型窒化物系化合物半導体層3を600nmの厚さに形成する。次に、N型窒化物系化合物半導体層3の上に、MQW発光層4を40nmの厚さで、P型窒化物系化合物半導体層5を10nmの厚さで、P型窒化物系化合物半導体コンタクト層6を150nmの厚さでそれぞれ順番に積層し、ウェハー70を完成させる。
ウェハー70をMOCVD装置から取り出し、P型窒化物系化合物半導体コンタクト層6上に、P型電極12としてPd(パラジウム)を30nmの厚さに形成する。そして、P型電極12上に、P型台座電極13としてNi(ニッケル)を80ミクロンの厚さに形成する。
次に、フッ酸:硝酸:酢酸=10:5:2の混合液であるフッ酸系エッチング液を用いて、Si基板1を除去する。その後、RIE法等のドライエッチング法により、塩素系ガスを用いてAlNバッファ層2をエッチングし、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3Aが露出するように、AlNバッファ層2の表面における略中央に、溝11を1辺の長さが約120ミクロンの正方形状に形成する。溝11の幅は、約15ミクロンとする。AlNバッファ層2には、溝11によって囲まれた電極形成部16が形成される。
次に、溝11および電極形成部16を覆うように、N型透光性電極7としてHf/Tiを8nmの厚さに形成する。8nmの厚さのHf/Tiのうち、Hfは3nmの厚さに形成し、Tiは5nmの厚さに形成する。そして、N型透光性電極7の上に、N型パッド電極8としてAuを0.5ミクロンの厚さに形成する。
このような状態になると、矢印Aに示す方向から見て350ミクロン角に積層体9を分割し、リードフレームのカップ底部に窒化物系化合物半導体発光素子20に設けられたP型台座電極7をマウントする。次に、N型パッド電極8にAuワイヤ14をボンディングする。N型パッド電極8は透光性を有しないので、窒化物系化合物半導体発光素子20の主たる発光面は、AlNバッファ層2の表面のうち、N型パッド電極8が設けられた領域を除く領域に形成される。
このようにして形成される窒化物系化合物半導体発光素子20の動作を説明する。Auワイヤー14からN型パッド電極8に供給された電流は、N型透光性電極7、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3AおよびN型窒化物系化合物半導体層3を通ってMQW発光層4に注入される。電流が注入されたMQW発光層4は、光を発光する。MQW発光層4から発光した光は、N型窒化物系化合物半導体層3およびN型Inを含む窒化物系化合物半導体層3Aを通り、AlNバッファ層2の表面のうち、N型パッド電極8が設けられた領域を除く領域に形成された主たる発光面を通って、矢印A1と逆の方向である上方に向って出射する。
なお、上記実施の形態では、N型窒化物系化合物半導体層3であるN型GaN層の上にN型Inを含む窒化物系化合物半導体層3AであるN型InGaN層を積層する例を示したが、本発明はこれに限定されない。N型GaN層とN型InGaN層とを交互に積層する多層構造としてもよい。さらには、N型GaN層の上にN型InGaN層を積層し、N型InGaN層の上にN型GaN層して、N型InGaN層をN型GaN層が挟みこむ構成としてもよい。
以上のように実施の形態2によれば、N型窒化物系化合物半導体層3の上にN型Inを含む窒化物系化合物半導体層3AおよびAlNバッファ層2を積層し、AlNバッファ層2に形成された溝11とAlNバッファ層2の電極形成部16との上に形成されたN型透光性電極7が、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3AとN型パッド電極8と接続されているために、N型パッド電極8は、N型窒化物系化合物半導体層3の上に直接形成されず、従って、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
さらに、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3AであるN型InGaN層は、結晶の硬度が軟らかいので、N型Inを含む窒化物系化合物半導体層3Aが露出するようにAlNバッファ層2に溝11を形成するためのドライエッチングの際に発光層4が受けるダメージをより一層低減することができる。この結果、発光層4におけるリーク電流をより一層低減することができ、窒化物系化合物半導体発光素子の発光の信頼性をより一層向上させることができる。
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に係る窒化物系化合物半導体発光素子30の正面断面図である。図1を参照して前述した実施の形態1に係る窒化物系化合物半導体発光素子10の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は省略する。実施の形態3に係る窒化物系化合物半導体発光素子30においては、AlNバッファ層2の替わりにAlGaNバッファ層2Bを設けており、溝11の替わりに溝11Aおよび11BをAlGaNバッファ層2Bに形成しており、N型透光性電極7の替わりにN型酸化物半導体7Aを設けている。
窒化物系化合物半導体発光素子30は、略長方体形状をした積層体9Bを備えている。積層体9Bは、長方体形状をしたP型台座電極13を有し、このP型台座電極13上にはP型電極12、P型窒化物系化合物半導体コンタクト層6、P型窒化物系化合物半導体層5、MQW発光層4、N型窒化物系化合物半導体層3およびAlGaNバッファ層2Bがそれぞれ一定の厚さで順番に積層されている。N型窒化物系化合物半導体層3は、例えば、N型GaN層によって構成されている。
AlGaNバッファ層2Bの上面における略中央には、溝11Aが、矢印Aに示す方向から見て略正方形の枠状に形成されている。溝11Aの底面には、N型窒化物系化合物半導体層3が全周にわたって露出している。AlGaNバッファ層2Bの略中央には、溝11Aによって囲まれた電極形成部16Aが略正方形の形状に形成されている。溝11Aの外周縁側には、溝11Bが、矢印Aに示す方向から見て略正方形の枠状に形成されている。溝11Bの底面には、N型窒化物系化合物半導体層3が全周にわたって露出している。矢印Aに示す方向から見た正方形状の溝11Aの中心と溝11Bの中心とは、同一の位置になっている。溝11Aは1辺の長さが約80ミクロンの正方形状になっており、溝11Aの幅は約10ミクロンである。溝11Bは1辺の長さが約150ミクロンの正方形状になっており、溝11Bの幅は約15ミクロンである。
電極形成部16A上には、N型パッド電極8が形成されている。AlGaNバッファ層2Bの表面には、電極形成部16Aを除いて、N型酸化物半導体層7Aが、溝11A、溝11B、N型パッド電極8の側面およびN型パッド電極8の上面の一部を覆うように形成されている。N型パッド電極8の上には、N型パッド電極8に外部から電流を供給するためのAuワイヤ14がボンディングされている。
P型電極12およびP型台座電極13は、金属膜によって構成されており、MQW発光層4から発光される光を遮断する。AlGaNバッファ層2Bは、透明な材質によって構成されているので、MQW発光層4から発光される光を透過する。従って、AlGaNバッファ層2Bの表面が、窒化物系化合物半導体発光素子30の主たる発光面となる。
図6は、窒化物系化合物半導体発光素子30の製造工程において作製されるウェハー80の正面断面図である。ウェハー80は、Si基板1を有している。Si基板1の上には、AlGaNバッファ層2B、N型窒化物系化合物半導体層3、MQW発光層4、P型窒化物系化合物半導体層5およびP型窒化物系化合物半導体コンタクト層6が、この順番にそれぞれ一定の厚さで積層されている。
このような窒化物系化合物半導体発光素子30は、以下のようにして製造される。まず、Si基板1の表面を洗浄した後に、Si基板1を、MOCVD装置内に配置する。そして、MOCVD装置内にSi基板1が配置されると、Si基板1上にAlGaNバッファ層2Bを200nmの厚さに積層する。そして、AlGaNバッファ層2B上に、N型窒化物系化合物半導体層3を650nmの厚さで、MQW発光層4を45nmの厚さで、P型窒化物系化合物半導体層5を25nmの厚さで、P型窒化物系化合物半導体コンタクト層6を250nmの厚さで、それぞれ順番に積層し、ウェハー80を完成させる。
ウェハー80をMOCVD装置から取り出し、P型窒化物系化合物半導体コンタクト層6上に、P型電極12としてPd(パラジウム)を60nmの厚さに形成する。そして、P型電極12上に、P型台座電極13としてNi(ニッケル)を100ミクロンの厚さに形成する。
次に、フッ酸:硝酸:酢酸=10:5:3の混合液であるフッ酸系エッチング液を用いて、Si基板1を除去する。その後、RIE法等のドライエッチング法により、塩素系ガスを用いてAlGaNバッファ層2Bをエッチングし、N型窒化物系化合物半導体層3が露出するように、AlGaNバッファ層2Bの上面における略中央に、溝11Aを1辺の長さが約80ミクロンの正方形状に、溝11Bを1辺の長さが約150ミクロンの正方形状にそれぞれ形成する。溝11Aの幅は約10ミクロンとし、溝11Bの幅は約15ミクロンとする。AlGaNバッファ層2Bの表面における略中央には、溝11Aによって囲まれた電極形成部16Aが形成される。
次に、透明導電体であるN型酸化物半導体層7Aとして、AlGaNバッファ層2Bの表面のうち電極形成部16Aを除いて、SnによりドープしたIn2O3によって構成されるITOを、溝11A、溝11BおよびN型パッド電極8を覆うように、250nmの厚さに形成する。そして、AlGaNバッファ層2Bに形成された電極形成部16Aの上に、N型パッド電極8としてAuを1ミクロンの厚さに形成する。
このような状態になると、矢印A2に示す方向から見て400ミクロン角に積層体9Bを分割し、窒化物系化合物半導体発光素子30に設けられたP型台座電極13をリードフレームのカップ底部にマウントする。次に、N型パッド電極8にAuワイヤ14をボンディングする。窒化物系化合物半導体発光素子10の主たる発光面は、AlNバッファ層2の表面のうち、N型パッド電極8が設けられた領域を除く領域に形成される。
このようにして形成される窒化物系化合物半導体発光素子30の動作を説明する。Auワイヤー14からN型パッド電極8に供給された電流は、N型酸化物半導体層7AおよびN型窒化物系化合物半導体層3を通ってMQW発光層4に注入される。電流が注入されたMQW発光層4は、光を発光する。MQW発光層4から発光した光は、N型窒化物系化合物半導体層3を通り、AlGaNバッファ層2Bの表面のうち、N型パッド電極8が設けられた領域を除く領域に形成された主たる発光面を通って、矢印A2と逆の方向である上方に向って出射する。
なお、上記実施の形態では、N型窒化物系化合物半導体層3とN型パッド電極8とを接続するためにN型酸化物半導体層7Aのみを用いる構成を示したが、本発明はこれに限定されない。溝11Aおよび11Bに、極薄膜の金属によって構成される透光性電極を形成し、透光性電極を覆うようにN型酸化物半導体層7Aを形成する多層構造としてもよい。
また、N型酸化物半導体層7AとしてITOを用いる例を示したが、N型酸化物半導体層7Aは、アンチモンまたはガリウムをドープしたSnO2(酸化スズ)、もしくは、アルミニウムまたはガリウムをドープしたZnO(酸化亜鉛)を用いてもよい。
以上のように実施の形態3によれば、N型窒化物系化合物半導体層3の上にAlGaNバッファ層2Bを積層し、AlGaNバッファ層2Bに形成されたN型酸化物半導体層7Aが、N型窒化物系化合物半導体層3とN型パッド電極8と接続されているために、N型パッド電極8は、N型窒化物系化合物半導体層3の上に直接形成されず、従って、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、N型酸化物半導体層7Aは、実施の形態1における薄膜のN型透光性電極7よりも膜厚が厚いために、発光層4に電流を、実施の形態1よりも均一に注入することができる。このため、より均一に発光する窒化物系化合物半導体発光素子を得ることができる。
さらに、N型酸化物半導体層7Aは透光性を有しているので、発光層4から発光する光を遮ることがない。
(実施の形態4)
図7は、実施の形態4に係る窒化物系化合物半導体発光素子40の平面図である。図1を参照して前述した実施の形態1に係る窒化物系化合物半導体発光素子10の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は省略する。実施の形態1に係る窒化物系化合物半導体発光素子10と異なる点は、積層体9が、周縁部15によってその側面を覆うように囲まれている点、およびN型パッド電極8とAuワイヤ14とが周縁部15上に設けられている点である。
窒化物系化合物半導体発光素子10は、略長方体形状をした積層体9と、中空長方体形状をしており、積層体9の各側面を覆って積層体9を囲むように設けられた周縁部15とを備えている。
図1を参照して前述した実施の形態1に係る窒化物系化合物半導体発光素子10と同様に、積層体9は、長方体形状をしたP型台座電極13を有し、このP型台座電極13上には、P型電極12、P型窒化物系化合物半導体コンタクト層6、P型窒化物系化合物半導体層5、MQW発光層4、N型窒化物系化合物半導体層3およびAlNバッファ層2が、それぞれ一定の厚さで順番に積層されている。AlNバッファ層2の上面における略中央には、溝11が、略正方形の枠状に形成されている。
AlNバッファ層2には、N型窒化物系化合物半導体層3と溝11内にて電気的に接続するN型透光性電極7が、溝11の内面を覆うように形成されている。周縁部15上の一方のコーナーには、絶縁体層18がAlNバッファ層2と隣接するように形成されている。絶縁体層18は、SiO2等によって構成されている。なお、絶縁体層18は、高抵抗層であってもよい。絶縁体層18の上には、N型パッド電極8が形成されている。AlNバッファ層2および絶縁体層18の上には、N型透光性電極7とN型パッド電極8と電気的に連結するように設けられた連結層28が形成されている。N型パッド電極8の上には、N型パッド電極8に外部から電流を供給するためのAuワイヤ14がボンディングされている。
このような構成を有する窒化物系化合物半導体発光素子40においては、Auワイヤー14からN型パッド電極8に電流が供給されると、この電流は、連結層28、N型透光性電極7およびN型窒化物系化合物半導体層3を通ってMQW発光層4に注入される。電流が注入されたMQW発光層4は、光を発光する。MQW発光層4から発光した光は、N型窒化物系化合物半導体層3を通り、AlNバッファ層2の表面に形成された主たる発光面を通って出射する。
以上のように実施の形態4によれば、N型パッド電極8は、積層体9を囲むように設けられた周縁部15上の一方のコーナーに形成されているので、N型パッド電極8を形成する際にN型窒化物系化合物半導体層3および発光層4に発生する応力がより一層低減する。従って、N型窒化物系化合物半導体層3および発光層4にクラックが発生するおそれがない。
また、N型パッド電極8は、周縁部15上の一方のコーナーに形成されているので、N型パッド電極8にAuワイヤー14をボンディングする際に、N型窒化物系化合物半導体層3および発光層4に加わる機械的なダメージがより一層減少する。従って、N型窒化物系化合物半導体層3および発光層4にクラックが発生するおそれがない。
さらに、N型パッド電極8は、積層体9を囲むように設けられた周縁部15上の一方のコーナーに形成されているので、N型パッド電極8は発光層4から発光した光を遮ることがない。このため、窒化物系化合物半導体発光素子の発光効率をより一層高めることができる。
(実施の形態5)
図8は、実施の形態5に係る窒化物系化合物半導体発光素子50の正面断面図である。図1を参照して前述した実施の形態1に係る窒化物系化合物半導体発光素子10の構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は省略する。実施の形態5に係る窒化物系化合物半導体発光素子50においては、N型透光性電極7の替わりにN型厚膜金属電極7Bを設けている。
窒化物系化合物半導体発光素子50は、実施の形態1に係る窒化物系化合物半導体発光素子10と同様に、略長方体形状をした積層体9を備えている。電極形成部16上には、N型パッド電極8が形成されている。溝11には、N型厚膜金属電極7Bが、N型パッド電極8の側面およびN型パッド電極8の上面の一部を覆うように形成されている。N型パッド電極8の上には、N型パッド電極8に外部から電流を供給するためのAuワイヤ14がボンディングされている。
このような窒化物系化合物半導体発光素子50は、以下のようにして製造される。まず、実施の形態1と同様にウェハー60を完成させ、P型電極12、P型台座電極13を形成し、Si基板1を除去した後、AlNバッファ層2に溝11を形成する。
そして、電極形成部16の上に、N型パッド電極8としてAuを0.5ミクロンの厚さに形成する。次に、溝11、N型パッド電極8の側面および上面の一部を覆うように、N型厚膜金属電極7BとしてTiを15nmの厚さに形成し、Alを150nmの厚さに形成する。
このようにして形成される窒化物系化合物半導体発光素子50の動作を説明する。Auワイヤー14からN型パッド電極8に供給された電流は、N型厚膜金属電極7BおよびN型窒化物系化合物半導体層3を通ってMQW発光層4に注入される。電流が注入されたMQW発光層4は、光を発光する。MQW発光層4から発光した光は、N型窒化物系化合物半導体層3を通り、AlNバッファ層2の表面のうち、N型パッド電極8が設けられた領域を除く領域に形成された主たる発光面を通って、上方に向って出射する。
以上のように実施の形態5によれば、N型窒化物系化合物半導体層3の上にAlNバッファ層2を積層し、AlNバッファ層2に形成された溝11とAlNバッファ層2の電極形成部16との上に形成されたN型厚膜金属電極7Bが、N型窒化物系化合物半導体層3とN型パッド電極8と接続されているために、N型パッド電極8は、N型窒化物系化合物半導体層3の上に直接形成されず、従って、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、N型厚膜金属電極7Bは、実施の形態1におけるN型透光性電極7の膜厚よりも膜厚が厚い厚膜金属によって構成されているために、膜厚を精密に制御する必要がない。このため、窒化物系化合物半導体発光素子の生産性を向上させることができる。
本発明は、半導体発光素子、特に青色領域から紫外領域において発光可能な窒化物系化合物半導体発光素子の分野において、発光の信頼性が高い窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法を提供することができる。
実施の形態1に係る窒化物系化合物半導体発光素子の正面断面図 実施の形態1に係るSi基板を除去する前の窒化物系化合物半導体発光素子の正面断面図 実施の形態2に係る窒化物系化合物半導体発光素子の正面断面図 実施の形態2に係るSi基板を除去する前の窒化物系化合物半導体発光素子の正面断面図 実施の形態3に係る窒化物系化合物半導体発光素子の正面断面図 実施の形態3に係るSi基板を除去する前の窒化物系化合物半導体発光素子の正面断面図 実施の形態4に係る窒化物系化合物半導体発光素子の平面図 実施の形態5に係る窒化物系化合物半導体発光素子の正面断面図 従来の窒化物系化合物半導体発光素子の正面断面図
符号の説明
1 Si基板
2 AlNバッファ層
3 N型窒化物系化合物半導体層
4 MQW発光層
5 P型窒化物系化合物半導体層
6 P型窒化物系化合物半導体コンタクト層
7 N型透光性電極
7A N型酸化物半導体層
7B N型厚膜金属電極
8 N型パッド電極
9 積層体
11 溝
12 P型電極
13 P型台座電極
14 Auワイヤ
15 周縁部
18 絶縁体層
28 連結部

Claims (18)

  1. 第1窒化物系化合物半導体層、第2窒化物系化合物半導体層、発光層、P型窒化物系化合物半導体層およびP型電極が、この順番に積層された積層体を具備し、
    前記第1窒化物系化合物半導体層は、AlN層またはAlGaN層によって構成されており、
    該第1窒化物系化合物半導体層には、前記第2窒化物系化合物半導体層が露出するように溝が形成されており、
    該溝内には、前記第2窒化物系化合物半導体層と、前記発光層に電流を注入するためのパッド電極とを接続するN型電極が設けられており、
    該第1窒化物系化合物半導体層の表面の光出射領域は露出しており、
    該バッド電極が該第1窒化物系化合物半導体層の上方に配置されて、該バッド電極にワイヤーがボンディングされていることを特徴とする窒化物系化合物半導体発光素子。
  2. 第1窒化物系化合物半導体層、第2窒化物系化合物半導体層、発光層、P型窒化物系化合物半導体層およびP型電極が、この順番に積層された積層体を具備し、
    前記第1窒化物系化合物半導体層は、AlN層またはAlGaN層によって構成されており、
    該第1窒化物系化合物半導体層には、前記第2窒化物系化合物半導体層が露出するように溝が形成されており、
    該溝内には、前記第2窒化物系化合物半導体層と、前記発光層に電流を注入するためのパッド電極とを接続するN型酸化物半導体層が設けられており、
    該第1窒化物系化合物半導体層の表面の光出射領域は、N型酸化物半導体層により覆われており、
    該バッド電極が前記第1窒化物系化合物半導体層の上方に配置されて、該バッド電極にワイヤーがボンディングされていることを特徴とする窒化物系化合物半導体発光素子。
  3. 前記パッド電極が前記第1窒化物系化合物半導体層上に接して設けられている、請求項2記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  4. 前記第2窒化物系化合物半導体層は、GaN層とInGaN層との少なくとも1つによって構成されている、請求項1または2に記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  5. 前記第1窒化物系化合物半導体層は、前記第2窒化物系化合物半導体層の表面の全体を覆うように積層されている、請求項1または2に記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  6. 前記N型電極は、金属を含む透光性薄膜によって構成されている、請求項1記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  7. 前記酸化物半導体は、透光性導電体である、請求項2記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  8. 前記P型電極に対して前記発光層の反対側に設けられ、前記積層体を支持する導電層をさらに具備する、請求項1または2に記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  9. 前記導電層は、メッキにより形成された金属からなる、請求項8記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  10. 前記導電層は、前記P型電極に接着された金属板または半導体基板によって構成されている、請求項8記載の窒化物系化合物半導体発光素子。
  11. 基板上に、AlN層またはAlGaN層によって構成された第1窒化物系化合物半導体層、第2窒化物系化合物半導体層、発光層およびP型窒化物系化合物半導体層をこの順番に形成する工程と、
    該P型窒化物系化合物半導体層上にP型電極を形成する工程と、
    該P型電極上に導電層を形成する工程と、
    該導電層を形成する工程の後に、前記基板を、該第1窒化物系化合物半導体層が露出するように除去する工程と、
    該基板を除去する工程の後に、前記第2窒化物系化合物半導体層が露出するように前記第1窒化物系化合物半導体層に溝を形成する工程と、
    該溝内に露出した前記第2窒化物系化合物半導体層上にN型電極を形成する工程と、
    前記第1窒化物系化合物半導体層の上方に、前記N型電極に接続されたバッド電極を設ける工程と、
    を包含することを特徴とする窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  12. 基板上に、AlN層またはAlGaN層によって構成された第1窒化物系化合物半導体層、第2窒化物系化合物半導体層、発光層およびP型窒化物系化合物半導体層をこの順番に形成する工程と、
    該P型窒化物系化合物半導体層上にP型電極を形成する工程と、
    該P型電極上に導電層を形成する工程と、
    該導電層を形成する工程の後に、前記基板を、該第1窒化物系化合物半導体層が露出するように除去する工程と、
    該基板を除去する工程の後に、前記第2窒化物系化合物半導体層が露出するように前記第1窒化物系化合物半導体層に溝を形成する工程と、
    該第1窒化物系化合物半導体層上、および該溝内に露出した前記第2窒化物系化合物半導体層上にN型酸化物半導体層を形成する工程と、
    前記第1窒化物系化合物半導体層の上方に、前記N型酸化物半導体層に接続されたパッド電極を形成する工程と
    を包含することを特徴とする窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  13. 前記基板は、シリコン基板によって構成されている、請求項11または12記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  14. 前記基板を除去する工程は、少なくともフッ酸、硝酸および酢酸が混合された混合液を用いたエッチング法によって実施される、請求項11または12記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  15. 前記N型電極は、透光性を有している、請求項11記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  16. 前記N型酸化物半導体層は、透光性を有している、請求項12記載の窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  17. 基板上に、AlN層またはAlGaN層によって構成された第1窒化物系化合物半導体層、第2窒化物系化合物半導体層、発光層およびP型窒化物系化合物半導体層をこの順番に形成する工程と、
    該基板を、該第1窒化物系化合物半導体層が露出するように除去する工程と、
    該基板を除去する工程の後、該第2窒化物系化合物半導体層が露出するように該第1窒化物系化合物半導体層に溝を形成する工程と、
    該溝内に露出した該第2窒化物系化合物半導体層上にN型電極を形成する工程と、
    該第1窒化物系化合物半導体層の上方に、該N型電極に接続されたバッド電極を設ける工程と、
    該P型窒化物系化合物半導体層上にP型電極を形成する工程とを包含することを特徴とする窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
  18. 基板上に、AlN層またはAlGaN層によって構成された第1窒化物系化合物半導体層、第2窒化物系化合物半導体層、発光層およびP型窒化物系化合物半導体層をこの順番に形成する工程と、
    該基板を、該第1窒化物系化合物半導体層が露出するように除去する工程と、
    該基板を除去する工程の後、該第2窒化物系化合物半導体層が露出するように該第1窒化物系化合物半導体層に溝を形成する工程と、
    該第1窒化物系化合物半導体層上および該溝内に露出した該第2窒化物系化合物半導体層上にN型酸化物半導体層を形成する工程と、
    該第1窒化物系化合物半導体層の上方に、該N型酸化物半導体層に接続されたバッド電極を設ける工程と、
    該P型窒化物系化合物半導体層上にP型電極を形成する工程とを包含することを特徴とする窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
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