JP2008183899A - 予備成形品を殺菌する方法および装置 - Google Patents

Abstract

【課題】予備成形品を殺菌する方法および装置であって、小滴の出現につながらない方法および装置を提案する。
【解決手段】本方法は少なくとも、
殺菌用製品によって殺菌すべき予備成形品の少なくとも内壁１５を覆うように、気化された殺菌用製品を含む殺菌蒸気の流れを殺菌すべき予備成形品に向けてスプレーするステップと、
予備成形品を殺菌用製品に対する活性化温度Ｔａに、またはそれより高い温度Ｔ２に持っていくために、殺菌用製品によって覆われた予備成形品を、放射によって加熱するステップとを含む。
殺菌蒸気の流れのスプレーは保護チャンバ４０内で行われ、加熱は保護チャンバ４０の外側で行われ、殺菌蒸気の流れは、殺菌すべき予備成形品の少なくとも内壁１５上に殺菌用製品の凝縮物４８の実質的に均一なフィルムの堆積を、凝縮によって生じさせるような方式での、予備成形品１２上への気化された蒸気のジェットＦの形態である。
【選択図】図１

Description

本発明は、予備成形品を殺菌する方法および装置に関する。

本発明はより詳しくは、特にブロー成型によって成型するプラスチック材料の予備成形品を殺菌する方法に関する。

国際公開第９９／０３６６７号パンフレットは、予備成形品が上流から下流に循環する連続流でプラントの内側に運搬される型式の、プラスチック材料の予備成形品から開始する殺菌瓶を製造するためのプラントを開示する。このプラントは、
加熱手段の上流の予備成形品を湿潤させるステップと、
この予備成形品を加熱手段に移送するステップと、
予備成形品を殺菌するために放射によって湿潤された予備成形品を加熱するステップとからなる方法を実行する。
国際公開第９９／０３６６７号パンフレット 欧州特許公開第０６２００９９号明細書 欧州特許公開第０５６４３５４号明細書 国際公開第００／４８８１９号パンフレット

この型式のプラントは、予備成形品の内側を完全に殺菌できるように予備成形品の内壁を完全に覆うことに成功するために、殺菌用製品の高流速度および／または殺菌用製品に対する高噴射圧力を要するという欠点を有する。

結果として、プラントの殺菌用製品消費量は高く、殺菌操作は高価である。

さらに、殺菌用製品の高流速度の使用は、予備成形品の内壁上の大きなサイズの殺菌用製品の（残留）小滴の堆積につながる可能性がある。予備成形品の加熱中、これらの小滴は加熱の熱放射に拡大鏡効果を生じさせ、問題の予備成形品から製造される瓶の壁上の染みの出現につながる。

実際、従来技術のプラントでは殺菌用製品は、殺菌用製品を熱的に活性化できるように、重い凝縮液の形態で、かつ殺菌され例えば１３０℃程度の温度に加熱された圧縮空気などのガスを圧縮することによって得られる圧力で、約２から３バールの圧力で、スプレーされる。

殺菌用製品の小滴が加熱中に完全に蒸発しない余剰物を形成するのはこの理由のためであり、したがって、殺菌用製品により各小滴が、一般にポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）から作られる予備成形品の材料上に拡大鏡効果を生じさせる。

この現象は、瓶の壁上の染みの出現につながり、出現のこの欠陥は今もなお、ときには「オレンジピール」効果と呼ばれる。

さらに、予備成形品の壁は殺菌用製品の小滴によって均一に覆われず、したがって、予備成形品の内壁および／または外壁の表面上の、小滴の各々の間に殺菌されない領域が残る。

さらに各予備成形品の内壁の形状に応じては、予備成形品の底部に重圧プラグが作り出される理由によって、高レベルの流速度および／または圧力によってでさえ、予備成形品の底部に達するのが確実であることは常に可能とは限らない。

したがって、これらの欠点を是正し、殺菌用製品の消費量を低減させながら、特に小滴の出現につながらない殺菌方法および装置を提案することが本発明の１つの目的である。

この目的のために、本発明は少なくとも、
殺菌用製品によって殺菌すべき予備成形品の少なくとも内壁を覆うように、気化された殺菌用製品を含む殺菌蒸気の流れを殺菌すべき予備成形品に向けてスプレーするステップと、
予備成形品を殺菌用製品に対する活性化温度に、またはそれより高い温度に持っていくために、殺菌用製品によって覆われた予備成形品を、放射によって加熱するステップとを含み、
この方法は、
殺菌蒸気の流れのスプレーが保護チャンバ内で行われ、
加熱が保護チャンバの外側で行われ、かつ、
殺菌蒸気の流れが、殺菌すべき予備成形品の少なくとも内壁上に殺菌用製品の凝縮物の実質的に均一なフィルムの堆積を凝縮によって生じさせるような方式での、予備成形品上への気化された蒸気のジェットの形態であることを特徴とする、特にブロー成型によって成型される、プラスチック材料から作られる一連の予備成形品を殺菌するための方法を提案する。

本方法の別の特徴によれば、
蒸気のジェットはカーテン内で広がり、予備成形品はこのカーテンを通り列を作って前進し、
本方法は保護チャンバから雰囲気を抽出するステップを含み、
抽出は、殺菌用製品の流れが著しく偏向されないように十分低い抽出速度で行われ、
保護チャンバが予備成形品用の入口／出口開口部および抽出開口部によってのみ貫通され、
抽出開口部を介した抽出速度は、入口／出口開口部を貫通する逃げ流速度と、殺菌蒸気の流れでスプレーされる殺菌用製品の流速度の１５％から２０％より少ない殺菌蒸気の流れの流速度との合計に等しくなるように調節され、かつ
予備成形品が持っていかれる温度は、殺菌用製品の活性化温度および蒸発温度それぞれより上である、ブロー成型によって予備成形品を成型するための温度に実質的に等しい。

本発明はその主題として、
殺菌用製品によって殺菌すべき予備成形品の少なくとも内壁を覆うような方式で、気化された殺菌用製品を含む殺菌蒸気の流れを殺菌すべき予備成形品に向けてスプレーするための少なくとも１つのノズルを含むスプレーステーションと、
予備成形品の少なくとも内壁を殺菌するような方式で、予備成形品を殺菌用製品に対する活性化温度に、またはそれより高い温度に持っていく放射炉を含む加熱調整ステーションと、
予備成形品をスプレーステーションに、次いで加熱調整ステーションに移送するための移送手段と備える装置であって、
スプレーステーションが中に各ノズルが配置される保護チャンバをさらに含み、
加熱調整ステーションが保護チャンバの外側に配置され、かつ
スプレーステーションで殺菌蒸気の流れが、殺菌すべき予備成形品の少なくとも内壁上に殺菌用製品の凝縮物の実質的に均一なフィルムの堆積を、凝縮によって生じさせるような方式で、予備成形品上への気化された蒸気のジェットの形態で蒸発させられることを特徴とする、プラスチック材料から作られる、特にブロー成型によって成型される一連の予備成形品を殺菌するための装置も有する。

本装置の別の特徴によれば、
スプレーステーションは保護チャンバから雰囲気を抽出するための抽出手段を含み、
この抽出手段は、殺菌用製品の流れが著しく偏向されないように抽出速度が十分に低くなるような方式で調節され、
各ノズルは、ネックに向けた殺菌蒸気のスプレーの平均軸を有し、このスプレーの平均軸は移送される予備成形品の軸に対して全体的に平行であり、予備成形品の軸に対して半径方向に偏心しており、かつ
移送手段は、予備成形品の内壁が殺菌用製品に曝される時間の長さを増大させることによって殺菌の程度を増加させるように、ネックによって画成される内側開口部の全部または一部分をふさぐ、各予備成形品のネックの内側を軸方向貫通する、内側コアなどの少なくとも１つの手段を含む。

本発明の別の特徴および利点は、理解のために添付の図面に対し参照が行われる、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。

説明の続きの中で、同様なまたは同一の要素は同じ参照番号によって示される。

図１は、例えばポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）のプラスチック材料から作られる予備成形品１２から開始する、ブロー成型によって有利に得られる瓶１４、特に殺菌または無菌化された瓶などの容器を製造するプラント１０を示す。

各予備成形品１２は、一端で閉じられ、もう１つの端部が瓶１４のネック１６の最終形状を既に有するＵ字形の長手方向断面のチューブの全体的な形状にある。

図２では、非限定的な例として、垂直に延びかつネック１６の軸と一致する円筒形本体１８の軸Ａ１を有して、予備成形品１２が示されている。

予備成形品１２の下端部２０は、半球の全体的な形状で閉じられ、一方その上端部は、内側開口部２２を画成し、この場合外側半径方向カラー２４が設けられるネック１６を形成する。

この予備成形品１２は、一般に射出成型プロセスによって製造され、プラント１０が配置される場所以外の場所で成型される。

いくつかの用途用に、予備成形品１２から得られる瓶１４は、ある程度の殺菌性を示さなければならない。この理由のために、予備成形品１２の殺菌作業は瓶１４の製造用のこのプラント１０内で行われる。

より正確には、この殺菌作業は、充填される瓶１４の内部容積を画成する内壁に対応する、予備成形品１２のネック１６および内壁１５に優先的に関する。

図１を参照すると、このプラント１０はコンベアレール２５の形態の予備成形品を移送するための手段を備える。したがって、予備成形品１２は上流から下流に、すなわち、図１の左から右に循環する連続流でプラント１０内に搬送される。

プラント１０は、上流から下流に、予備成形品１２を殺菌するための殺菌ユニット２６と、瓶１４を形成するための殺菌された予備成形品１２用の成形ユニット２８を備える。

プラント１０はまた、成形ユニット２８に続いて充填ユニット３０と密栓ユニット３２を含むのが有利である。これら後者の２つのユニットは、よく知られておりより詳細には説明しない。

殺菌ユニット２６は、殺菌蒸気準備手段３６による殺菌蒸気を伴って供給される、殺菌蒸気をスプレーするためのスプレーステーション３４を含む。殺菌ユニット２６は、加熱ステーション３８も含む。

殺菌蒸気準備手段３６は、殺菌用製品を蒸発させるために殺菌用製品を加熱するための加熱手段３６Ａと、本明細書で後で説明するノズルを介して蒸発した殺菌用製品をスプレーするように構成される、任意の適切な手段によって有利に圧縮されかつ／または殺菌された空気源３６Ｂとを含む。蒸発した殺菌用製品と空気の混合物は殺菌蒸気の流れを形成する。

この圧縮空気は脱水され、気化された殺菌用製品に対して進路を構成できるように、一方向流で低速で循環させられるのが好ましい。

この殺菌用製品は、過酸化水素を含有する化合物または気化された過酸化水素（Ｈ_２Ｏ_２）からなり、スプレーステーション３４で蒸気の状態の殺菌用製品を含むガスの、乾燥蒸気のジェットが有利であるジェットの形態で予備成形品１２に向かってスプレーされるのが好ましい。

例えば、この殺菌用製品は７５％の水と２５％のＨ_２Ｏ_２の混合物である。

したがって、この殺菌蒸気は気化された殺菌用製品と高温空気からなる。

高温空気に対する気化された殺菌用製品の（体積による）割合Ｐは、１０％と１５％の間にあることが好ましい。したがって高温空気の割合は１００％−Ｐである。

スプレーステーション３４は、蒸気の拡散に対して保護するための保護チャンバ４０をさらに備える。

この保護は、殺菌用製品蒸気は一般に健康に有害であるので、先ず第一に機械オペレータのためのものである。この保護は、殺菌用製品の腐食効果によって劣化する可能性のある、プラント１０の他の要素、特に加熱ステーション３８のためのものでもある。

この保護チャンバ４０は、予備成形品１２の入口４０Ａおよび出口４０Ｂ用の開口部、および蒸気用の上側抽出開口部４０Ｃを除き密封してシールされる。予備成形品１２用の入口／出口開口部４０Ａ，４０Ｂは、予備成形品１２に対する自由な通過を丁度可能にするように構成されるのが好ましい。脱着可能な遮蔽物（図示せず）が、予備成形品が小さなサイズのものであるとき、開口部４０Ａ、４０Ｂの部分を閉鎖するために設けられる。

殺菌ユニット２６のスプレーステーション３４には、保護チャンバ４０内に配置される少なくとも１つのノズル４３が設けられる。処理中各ノズル４３は、蒸気のジェットの形態で殺菌蒸気の流れＦを、この場合は殺菌すべき予備成形品１２のネック１６に向かって、少なくとも予備成形品の内壁１５上に、好ましくは内壁１５およびネック１６の外側上に、殺菌用製品の凝縮物の実質的に均一なフィルムの堆積を、凝縮によって生じさせるような方式でスプレーする。そうするために、この装置はネックの外壁を掃射する蒸気の流れを供給する。

ここで、特に図３に、示される実施形態によれば、予備成形品１２は垂直配置で、作動方向Ｘ１と呼ばれる長手方向の水平方向に整列したままで、ネック１６を上向きにして殺菌ユニット２６のスプレーステーション３４内に列を作って前進する。

この作動方向Ｘ１は、処理されている予備成形品１２の軸Ａ１を通る。

ノズル４３の平均スプレー軸Ａ２が処理されている各予備成形品１２の軸Ａ１に対して全体的に平行であり、かつ軸Ａ２が特定のオフセット値Ｅだけ、予備成形品１２の軸Ａ１に対して半径方向に偏心しているのが有利である。

この場合は垂直である平均スプレー軸Ａ２は、作動方向Ｘ１に対して直角であるネック１６の内側半径Ｒ１に沿って偏心しているのが好ましい。

この結果、各ノズル４３の形状によって殺菌蒸気の流れＦを下向きに全体的に層流の形態で、すなわち長手方向垂直カーテンの形状でスプレーすることが可能になる。この目的のために、各ノズル４３は、流れＦをスプレーするための例えばスロットまたは全体的に円形の穴を含む。

この場合の層流Ｆは、作動方向Ｘ１に対してオフセットＥと等しい距離だけ半径方向にオフセットする、スプレー平面Ｘ２と呼ばれる長手方向垂直平面内に含まれるカーテン内で全体的に広がる。

このオフセット値Ｅは、各予備成形品１２のネック１６の内側直径Ｄ１の１９％にほぼ等しい最小値Ｅｍｉｎと内側直径Ｄ１の３２％にほぼ等しい最大値Ｅｍａｘの間の範囲であることが好ましい。

有利な実施形態によれば、このオフセット値Ｅは、約２５ミリメートルと４２ミリメートルの間の内径Ｄ１を有する予備成形品１２の原型に適するように、固定されかつほぼ８ミリメートルに等しいように選択される。

ノズル４３のそのような配置に起因して、殺菌蒸気の流れＦは、殺菌蒸気の流れＦがセクター４４を一掃するように、各予備成形品１２の内壁１５の第１のセクター４４と実質的に面一になる。

予備成形品１２の下端部２０に到着すると、殺菌蒸気の流れＦは、予備成形品１２の実質的に半球状の底部に沿って滑走し、第１のセクター４４と正反対の内壁１５の第２のセクター４６に沿って上昇する。

したがって殺菌蒸気の流れＦは、層流タイプの流れによって各予備成形品１２の内壁１５全体を、端から端まで、一掃する。

そのような配置によって、殺菌用製品が底部に届くのを妨げる重圧プラグが予備成形品１２の底部に作り出されるのを防止することが特に可能になる。

ノズル４３は、予備成形品の軌跡をたどり、堆積時間に対応する所与の時間蒸気を拡散させる。

流れＦのガス状態によって、全表面領域にわたる均一な拡散が可能になる。

特に、ノズル４３の出口の殺菌蒸気のスプレー速度は、実質的に層流タイプの流れを可能にするように十分に低い。

プラント１０を、特に殺菌ユニット２６を通過する予備成形品１２は、ここではネック１６を上向きにして、すなわち「ネックアップ（ｎｅｃｋ−ｕｐ）」と呼ばれる位置で、垂直に向けられている。

したがって、スプレーステーション３４で、殺菌蒸気の流れＦは、各予備成形品１２上に蒸発させられる。予備成形品の温度Ｔ１は、殺菌蒸気の流れに含有される殺菌用製品凝集物４８のフィルムが、殺菌されるべき予備成形品１２の少なくとも内壁１５上に、好ましくはネック１６の外側にも凝縮によって均一に堆積するように、殺菌用製品の凝縮温度Ｔｃより下にある。

ノズル４３の出口で、気化された殺菌用製品を含有する蒸気は、殺菌用製品が予備成形品１２上に即時に凝縮するように、殺菌用製品の蒸発温度Ｔｅより実質的に高い所与の温度にある。

水と過酸化水素（Ｈ_２Ｏ_２）の混合物が使用される場合は、ノズルでの出口温度は、１０６℃を超える、好ましくは１１０℃と１２０℃の間であることが有利である。

この蒸気がより冷たい各予備成形品１２と接触するとき、気化された殺菌用製品は、予備成形品１２の全体が、特に内壁１５上で殺菌用製品凝集物４８のフィルムで覆われるように凝縮する。

この場合ノズル４３は、凝縮物４８の実質的に均一なフィルムが主としてネック１６上に、かつ内壁１５の表面全体上に堆積するような方法で製造される。

殺菌用製品の凝縮物４８の均一なフィルムの形態で、凝縮によって堆積させることは、従来技術と比較して、染みおよび「オレンジピール」出現の起きるどのようなリスクも実質的になくすことを可能にするので、有利である。

スプレーステーション３４は、抽出開口部４０Ｃを介してチャンバ４０から雰囲気を強制抽出するための手段５０を含む。この手段５０の目的は、余剰の、すなわち予備成形品上に堆積しない気化された殺菌用製品を、かつ殺菌用製品を移送する高温空気をも回収することである。したがって、この抽出手段５０によって、予備成形品用の入口／出口開口部４０Ａ、４０Ｂを通る気化された殺菌用製品のどのような出現も実質的に回避することが可能になる。

殺菌ユニットの動作を妨げないように、この抽出手段５０は、殺菌蒸気の流れが著しく偏向されないように抽出流速度が十分低くなるような方式で調節される。

発明者らは、ノズル４３によってスプレーされた殺菌蒸気の流れ内に含有される気化された殺菌用製品の流速度のたった１５％から２５％が、凝縮物４８のフィルムを形成するために予備成形品１２上に堆積されたことに気づいた。したがって、抽出開口部４０Ｃを介した抽出速度の満足すべき調節は、
入口／出口開口部４０Ａ、４０Ｂを貫通する逃げ流速度と、
気化された殺菌用製品のスプレー流速度の７５％から８５％と、
高温空気流速度（１００％−Ｐ）との合計に等しくなる量に調節することによって得られる。

換言すればこの抽出速度は、入口／出口開口部４０Ａ、４０Ｂを貫通する逃げ流速度と、殺菌蒸気の流れ内でスプレーされる殺菌用製品の流速度の１５％から２５％より少ない殺菌蒸気の流れの流速度の合計に等しくなるように調節される。

実際面ではこの満足すべき調節は、凝縮物４８の適切なフィルムが実際に存在すること、および筐体４０の内壁に凝縮物の出現が全くないことをチェックするために、スプレーステーション３４から出てくる試験予備成形品の観察をすることによって、経験的に得られる。

加熱ステーション３８は、保護チャンバ４０の外側、保護チャンバの下流に配置される。搬送手段２５は、加熱ステーション３８内への入場前に予備成形品１２を上下逆にし、次いでそれらは「ネックダウン（ｎｅｃｋ−ｄｏｗｎ」で列を作って前進する。実際、物理的現象かつ換気に起因する効果の故に、炉内の熱流は底部から頂部に導かれる。ネックはブロー成型プロセスで決定的に成型される部分であり、変形または過熱のいずれも受けるべきではない。過熱と関連する主たるリスクは、瓶の成型中のネックの破裂である。したがって、低位置のネック（予備成形品「ネックダウン」）は過熱を回避するように位置決めされ、冷却された傾斜板（図示せず）によって赤外放射からも保護される。

加熱ステーション３８は、予備成形品１２の少なくとも内壁１５を、好ましくはネック１６をも殺菌するように、凝縮物４８のフィルムが設けられた予備成形品を殺菌用製品の活性化のための温度Ｔａに、またはそれを超えた温度Ｔに持っていくために、放射によって予備成形品１２を加熱する少なくとも１つの炉４２を含む。図１に負担をかけ過ぎないように、炉４２は予備成形品の基部２０に対向して、予備成形品１２の上方に配置されているが、一方実際には炉を構成する加熱手段は、炉内の予備成形品の移送経路の各側に配置される。

この加熱ステーション３８は、殺菌用製品のフィルムの活性化の機能に加え、予備成形品１２を成型のために準備する機能を有する。

したがってこの予備成形品１２は、予備成形品の種類によって９５℃と１３５℃の間で変わる成型温度Ｔｍに実際は加熱される。この温度Ｔｍは、この場合は殺菌用製品の活性化温度Ｔａおよび蒸発温度Ｔｅを超えており、追加の手段の必要なしに、蒸発による殺菌用製品の除去が可能になる。

実際、過酸化水素（Ｈ_２Ｏ_２）の活性化温度Ｔａは約７０℃、すなわちこの場合は成型温度Ｔｍより下の温度である。

一般に、この炉４２は、殺菌用製品のフィルムが設けられた予備成形品１２を３つの温度Ｔｍ、ＴａおよびＴｅのうちのもっとも高い温度に持っていくように構成される。

炉４２は、材料の表面層の過熱なしに予備成形品１２の厚さ全体にわたる均一な加熱を促進するために、吹き込まれた空気の通過を可能にするエアレーション（ａｅｒａｔｉｏｎ）開口部（図示せず）を装備することが好ましい。

実際、この吹き込まれた空気によって、加熱手段が作り出す放射の、予備成形品１２を形成する材料の厚さ内への貫通を容易にするために、加熱手段によって発生する対流熱を排出することが可能になる。

そのような予備成形品加熱炉４２に関するより詳細に対して、例えば次の文献：欧州特許公開第０６２００９９号明細書または欧州特許公開第０５６４３５４号明細書に対する参照が行われるであろう。

この炉４２は、特に予備成形品１２から蒸発する殺菌用製品に曝される部分または部品の腐食を制限するために、保護手段を含むことが好ましい。

移送手段２５は、予備成形品１２の完全な加熱、すなわち底部を形成する下端部２０、および円筒形本体１８の両方の加熱を確実にできるように、炉４２内の予備成形品の循環中、予備成形品１２を予備成形品自体に対して回転させるための手段５２を含むのが有利である。より詳細について参照されるであろう国際公開第００／４８８１９号パンフレットは、そのような手段の一例を開示する。

移送手段２５は、加熱ステーション３８に、予備成形品１２の内壁１５が殺菌用製品に曝される時間の長さを増大させることによって殺菌の程度を増加させることができるように、ネック１６によって画成される内側開口部２２の全部または一部分をふさぐ、各予備成形品１２のネック１６の内側を軸方向に貫通する、スピナピボット（ｓｐｉｎｎｅｒ ｐｉｖｏｔ）としても知られている内側コア５４などの少なくとも１つの手段をさらに含む。

理解されてきているように、炉４２の出口で内側が主として殺菌され、最終密栓動作まで有利に殺菌状態のままであるべきである予備成形品１２が得られる。

加熱ステーション３８に加えて、成形ユニット２８は、成型ステーション５５を備える。この成型ステーション５５は、予備成形品が型５８の型穴の形状をとり、それによって殺菌瓶１４を作り出すように、各予備成形品１２を内部過圧力に曝すブロー成型装置５６を含む。

成型ステーション３４は、成型動作中予備成形品１２を型５８の底部に向かって伸ばす伸長手段（図示せず）を含むこともできる。

次にこの殺菌ユニット２６の動作について説明を行う。

予備成形品１２の特に内壁１５を殺菌するために、
予備成形品１２の温度が殺菌用製品の凝縮温度Ｔｃより下の温度Ｔ１にあることを確認するステップと、
予備成形品をチャンバ４０内に持ち込むステップと、
気化した殺菌用製品を含有する、蒸気のジェットの形態の殺菌蒸気の流れＦを、殺菌すべき予備成形品１２の少なくとも内壁１５上に、殺菌用製品の凝縮物４８の実質的に均一なフィルムの堆積を凝縮によって生じさせるような方式で、予備成形品１２のネック１６に向けてスプレーするステップと、
凝縮物４８のフィルムが設けられた予備成形品をチャンバ４０から取り出し、予備成形品１２の少なくとも内壁１５を殺菌できるように予備成形品１２を殺菌用製品の活性化温度Ｔａに、またはそれより高い温度Ｔ２に持っていくために、このように処理された予備成形品１２を、放射によって加熱するステップとが、連続的に実行される。

したがって温度Ｔ２は、放射による殺菌用製品の熱活性化と同時に、蒸発によって殺菌用製品の除去を生じさせるように、殺菌用製品の蒸発温度Ｔｅより高い。

過酸化水素の凝縮温度Ｔｃは約３５℃より上である。したがって、予備成形品１２が例えば７℃と３５℃の間のプラント１０の周囲温度に実質的に等しい温度であるとき、気化した殺菌用製品の良好な凝縮が容易に得られる。

さらに、その場合は温度の確認は簡単になる。実際、予備成形品の内壁１５上に殺菌用製品の凝縮を得るために、加熱または冷却によって予備成形品１２の温度を改変する必要はない。

プラント１０の代替実施形態（図示せず）によれば、殺菌された予備成形品１２および瓶１４の殺菌性を制御し保存することを可能にするために、プラントの異なるユニットまたは異なるステーションの間に殺菌閉じ込め筐体を設けることができる。

図１によるプラント１０を使用して、３Ｄの程度の、または１０００単位（１０３）に等しいＬｏｇ３の細菌数の対数的減少が得られる。

知られた方法で、例えば洗浄、ろ過および培養操作後に数えることによって、細菌の量が数え上げられた。

本プラント１０は殺菌ユニット２６、成形ユニット２８、充填ユニット３０、および密栓ユニット３２などの処理ユニットを伴って示されてきたことに気づくであろう。これらのユニットは、例示の目的で整列しているが、これらのユニットは異なる形態で、特に回転テーブルなどの回転移送手段を伴って配置することができる。

ブロー成型によって殺菌瓶を製造し、本発明による殺菌方法を実施する殺菌ユニットを含むプラントの例示的な実施形態を示す図である。 図１のプラントの殺菌ユニット内の予備成形品を概略的に示す、図３の断面ＩＩ−ＩＩに沿った軸方向断面の図である。 殺菌ユニットのスプレーステーションの一連の予備成形品を示す、上からの図である。

符号の説明

１０ プラント
１２ 予備成形品
１４ 瓶
１５ 内壁
１６ ネック
１８ 円筒形本体
２０ 下端部
２２ 内側開口部
２４ カラー
２５ 搬送手段
２６ 殺菌ユニット
２８ 成形ユニット
３０ 充填ユニット
３２ 密栓ユニット
３４ スプレーステーション
３６ 殺菌蒸気準備手段
３８ 加熱ステーション
４０ 保護チャンバ
４２ 炉
４３ ノズル
４４ セクター
４８ 凝縮物
５０ 抽出手段
５２ 回転手段
５４ 内側コア
５５ 成型ステーション
５６ ブロー成型装置
Ｘ１ 作動方向
Ｒ１ ネック内側半径
Ａ１、Ａ２ 軸
Ｅ オフセット量
Ｆ 殺菌蒸気の流れ

Claims (10)

1. 少なくとも、
   殺菌用製品によって殺菌すべき予備成形品の少なくとも内壁（１５）を覆うように、気化された殺菌用製品を含む殺菌蒸気の流れを殺菌すべき予備成形品に向けてスプレーするステップと、
   予備成形品を殺菌用製品に対する活性化温度（Ｔａ）に、またはそれより高い温度（Ｔ２）に持っていくために、殺菌用製品によって覆われた予備成形品を、放射によって加熱するステップとを含み、
   殺菌蒸気の流れのスプレーが保護チャンバ（４０）内で行われ、
   加熱が保護チャンバ（４０）の外側で行われ、かつ、
   殺菌蒸気の流れが、殺菌すべき予備成形品の少なくとも内壁（１５）上に殺菌用製品の凝縮物（４８）の実質的に均一なフィルムの堆積を、凝縮によって生じさせるような方式での、予備成形品（１２）上への気化された蒸気のジェット（Ｆ）の形態である、プラスチック材料から作られる、特にブロー成型によって成型される一連の予備成形品（１２）を殺菌する方法であって、
   この方法が、保護チャンバ内に設けられた予備成形品用の入口／出口開口部（４０Ａ、４０Ｂ）を通る気化された殺菌用製品のどのような出現も実質的に回避するために、保護チャンバ（４０）から雰囲気を抽出するステップを含むことを特徴とする、方法。
2. 蒸気のジェット（Ｆ）がカーテン内で広がり、予備成形品（１２）がこのカーテン内を通り列を作って前進することを特徴とする、請求項１に記載の殺菌方法。
3. 殺菌用製品の流れが著しく偏向されないように抽出が十分低い抽出速度で行われることを特徴とする、請求項１または２に記載の殺菌方法。
4. 保護チャンバ（４０）が予備成形品（１２）用の入口／出口開口部（４０Ａ、４０Ｂ）および抽出開口部（４０Ｃ）によってのみ貫通されることを特徴とする、請求項３に記載の殺菌方法。
5. 抽出開口部（４０Ｃ）を介した抽出速度が、入口／出口開口部（４０Ａ、４０Ｂ）を貫通する逃げ流速度と、殺菌蒸気の流れでスプレーされる殺菌用製品の流速度の１５％から２５％より少ない殺菌蒸気の流れの流速度との合計に等しくなるように調節されることを特徴とする、請求項４に記載の殺菌方法。
6. 予備成形品（１２）が持っていかれる温度（Ｔ２）が、殺菌用製品の活性化温度（Tａ）および蒸発温度（Ｔｅ）それぞれより上である予備成形品（１２）のブロー成型のための成型温度（Ｔｍ）に実質的に等しいことを特徴とする、請求項１から５のいずれか一項に記載の方法。
7. 殺菌用製品によって殺菌すべき予備成形品の少なくとも内壁（１５）を覆うような方式で、気化された殺菌用製品を含む殺菌蒸気の流れを殺菌すべき予備成形品（１２）に向けてスプレーするための少なくとも１つのノズル（４３）を含むスプレーステーション（３４）と、
   予備成形品の少なくとも内壁（１５）を殺菌するような方式で、予備成形品を殺菌用製品に対する活性化温度（Ｔａ）に、またはそれより高い温度（Ｔ２）に持っていく放射炉（４２）を含む加熱調整ステーション（３８）と、
   予備成形品をスプレーステーションに、次いで加熱調整ステーションに移送するための移送手段（２５）と備え、
   スプレーステーション（３４）が中に各ノズル（４３）が配置される保護チャンバ（４０）をさらに含み、
   加熱調整ステーション（３８）が保護チャンバ（４０）の外側に配置され、
   スプレーステーション（３４）で、殺菌蒸気の流れが、殺菌すべき予備成形品の少なくとも内壁（１５）上に殺菌用製品の凝縮物（４８）の実質的に均一なフィルムの堆積を、凝縮によって生じさせるような方式で、予備成形品（１２）上に気化された蒸気のジェット（Ｆ）の形態で蒸発させられる、プラスチック材料から作られる、特にブロー成型によって成型される一連の予備成形品（１２）を殺菌するための装置であって、
   スプレーステーション（３４）が、保護チャンバ内に設けられた予備成形品用の入口／出口開口部（４０Ａ、４０Ｂ）を通る気化された殺菌用製品のどのような出現も実質的に回避するように、保護チャンバ（４０）から雰囲気を抽出するための抽出手段（５０）を含むことを特徴とする、装置。
8. 殺菌用製品の流れが著しく偏向されないように抽出速度が十分低くなるような方式で抽出手段（５０）が調節されることを特徴とする、請求項７に記載の殺菌装置。
9. 各ノズル（４３）が、殺菌蒸気を予備成形品のネック（１６）に向けてスプレーするための平均スプレー軸（Ａ２）を有し、この平均スプレー軸（Ａ２）は一方では移送される予備成形品（１２）の軸（Ａ１）に対して全体的に平行であり、他方では予備成形品（１２）の軸（Ａ１）に対して半径方向に偏心していることを特徴とする、請求項７または８のいずれかに記載の殺菌装置。
10. 移送手段（２５）が、予備成形品（１２）の内壁（１５）が殺菌用製品に曝される時間の長さを増大させることによって殺菌の程度を増加させることができるように、ネック（１６）によって画成される内側開口部（２２）の全部または一部分をふさぐ、各予備成形品（１２）のネック（１６）の内側を軸方向貫通する、内側コアなどの少なくとも１つの手段（５４）を含むことを特徴とする、請求項７から９のいずれか一項に記載の殺菌装置。

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