JP2008183629A - ロボットおよびロボットの制御装置と制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 物体を把持するロボットであって、少なくとも2本の指部を有するハンド部と、指部が物体から受ける接触力を測定する接触力測定手段と、指部が物体表面で摺動した際に接触力測定手段によって測定される接触力の振動周波数を測定する周波数測定手段と、周波数測定手段によって測定された振動周波数に基づいて、ハンド部が物体を把持する把持動作を調節する把持動作調節手段を備えている。
【選択図】 図3
Description
また、カメラを必要とすることなく、把持対象物の形状を認識する技術も提案されている(特許文献1)。この技術では、各指部と把持対象物との接触を検出するセンサと、各指部の開閉角度を検出するセンサを利用し、把持対象物と接触したときの各指部の開閉角度に基づいて把持対象物の概略形状を計算する。この技術によれば、例えば物体が暗闇に配置されている場合でも、物体の形状に応じて把持動作を調節することができる。
本発明は、上記の問題を解決する。本発明は、物体の表面性状に応じて把持動作を調整し、様々な物体を適切に把持することを可能とする技術を提供する。
このロボットによると、様々な表面性状の物体を適切に把持することができる。
このロボットによると、物体表面の粗さに応じた把持力によって、物体をより確実に把持することができる。
このロボットによると、表面が平滑な物体については大きな把持力で把持し、表面が粗い物体については小さな把持力で把持することが可能となる。
このロボットの制御装置によると、ロボットは様々な表面性状の物体を適切に把持することが可能となる。
このロボットの制御方法によると、ロボットは様々な表面性状の物体を適切に把持することが可能となる。
(特徴1) ロボットは、把持対象物を撮像する2つのカメラを備えている。
(特徴2) ロボットは、2つのカメラによって把持対象物を撮像した画像から、把持対象物の位置を計算する手段を備えている。
(特徴3) 指部は複数のリンクを有しており、最も先端のリンクには圧力センサが設けられている。
(特徴4) ロボットの制御装置は、設定した把持力の目標値と、指部が把持対象物から受けている接触力の測定値に基づいて、指部の動作を制御する把持動作制御部を備えている。
図1に示すように、ロボット10は、ロボット本体20と、ロボット本体20の動作を制御する制御装置100を備えている。ロボット本体20は、頭部30と、胴部40と、アーム部50と、ハンド部70を備えている。頭部30は、胴部40に揺動可能に連結されている。頭部30には、把持対象物2を撮影する二つのカメラ32(一つは図示されていない)が設けられている。アーム部50は、複数のリンクを有するロボットアームである。アーム部50の基端は胴部40に連結されており、アーム部50の先端にはハンド部70が連結されている。アーム部50は、アクチュエータである複数のモータ52(図3参照)を備えており、自身の姿勢を変化させることによってハンド部70の位置や向きを変化させる。
各指部80の指先リンク81には、圧力センサ90が設けられている。圧力センサ90は、ハンド部70が把持対象物2を把持したときに、把持対象物2と接触する位置に設けられている。各圧力センサ90は、面状に配列された複数の感圧素子を有しており、指先リンク81の表面に加えられている圧力分布を測定することができる。圧力センサ90は、把持対象物2から指先リンク81の表面に加えられる力(以下、接触力という)を測定するために設けられている。
画像処理部102は、ロボット本体20の頭部30に設けられている二つのカメラ32が撮影した画像を処理し、把持対象物2の位置を計算する。画像処理部102は、計算した把持対象物2の位置を、アーム制御部104へ出力する。
アーム制御部104は、ロボット本体20のアーム部50を制御する。アーム制御部104は、画像処理部102から入力した把持対象物2の位置に基づいて、ハンド部70を移動させる目標位置を計算する。そして、アーム制御部104は、ハンド部70が計算した目標位置に位置するように、アーム部50のモータ52を制御する。
センサ信号処理部112は、ハンド部70の各指80に設けられている圧力センサ90の出力信号を入力し、各指部80が把持対象物2から受けている接触力を計算する。センサ信号処理部112が計算した各指部80の接触力は、把持力設定部114および指動作計算部116へ出力される。
把持力設定部114は、センサ信号処理部112が計算した指部80の接触力に基づいて、把持対象物2を把持する際の把持力の目標値を設定する。この目標値の設定処理については、後段において詳細に説明する。把持力設定部114が設定した把持力の目標値は、指動作計算部116へ出力される。
指動作計算部116は、把持力設定部114が設定した把持力の目標値と、センサ信号処理部112が計算した実際の接触力との間の偏差に基づいて、各指部80の目標動作量を計算する。
モータドライバ118は、指動作計算部116が計算した各指部80の目標動作量に基づいて、ハンド部70の各モータ72を制御する。
以上のように、ハンド制御部110は、把持対象物2を把持する際の把持力の目標値を設定し、設定した把持力で把持対象物2を把持するように、ハンド部70の動作を制御する。
ステップS2では、画像処理部102が、カメラ32による撮影画像に基づいて、把持対象物2の位置と形状を計算する。
ステップS4では、アーム制御部104が把持対象物2の位置に基づいてアーム部50を動かし、ハンド部70を把持対象物2の近傍に移動させる。このハンド部70を移動させる位置は、把持対象物2を把持するための位置ではなく、次のステップS6における摺動動作のための初期位置である。
図6は、摺動動作中に測定される接触力の一例を示している。図6中において、時間t1は指部80と把持対象物2の表面2aとの接触開始時点を示しており、時間t2は指部80と把持対象物2の表面2aとの接触終了時点を示している。即ち、時間t1から時間t2の期間は、指部80が把持対象物2の表面2aを摺動している(撫でている)期間を示している。指部80が把持対象物2の表面2aを摺動している期間に測定される接触力は、把持対象物2の表面2aの粗さに応じて経時的に振動する。
図7は、接触力の振動周波数(横軸)と、それに対して把持力設定部114が決定する把持力の目標値(縦軸)の関係を示している。図7に示すように、把持力設定部114は、測定された接触力の振動周波数が大きいほど、把持力の目標値を小さく設定する。それにより、把持対象物2の表面2aが粗い場合は把持力の目標値が小さく設定され、把持対象物2の表面2aが滑らかな場合は把持力の目標値が大きく設定される。
本実施例では、指部80の指先リンク81に設けた圧力センサ90によって、把持対象物2の表面粗さを測定するとともに、指部80が把持対象物2に加えている把持力を測定している。それにより、把持対象物2の表面粗さを測定するために専用の圧力センサを別途設ける必要がない。ただし、把持対象物2の表面粗さを測定するために専用の圧力センサを、例えば手平部74やハンド部70の裏側(手の甲に相当する位置)に別途設ける構成とすることもできる。
把持対象物2の表面硬さは、例えば、指先リンク81で把持対象物2の表面を押し付け、そのときの把持対象物2の変形量(即ち、指先リンク81の移動量)と指先リンク81に加わる接触力から計算することができる。即ち、ハンド部70によって把持対象物2を把持する時(図4のステップS14)に、指先リンク81の移動量と指先リンク81に加わる接触力を測定することによって、把持対象物2の表面硬さを計算することができる。そして、計算した把持対象物2の表面硬さに対して把持力の目標値が過大であれば、把持対象物2の把持を中止することが可能となる。
例えば、指部80が把持対象物2から受ける接触力は、圧力センサ90を用いることなく、指部80の関節82、84、86に加わるトルクを測定して算出することもできる。
また、本実施例のロボット10では、把持対象物2の表面粗さに基づいて、把持対象物2を把持する際の各指部80の姿勢を変化させてもよい。例えば把持対象物2の表面2aが滑らかである場合(即ち、接触力の振動周波数が小さい場合)には、各指部80が把持対象物2に広い面積で接触する姿勢となるように、各指部80の動作を調節するとよい。そのためには、把持対象物2を把持する際の各指部80の動作を記述する把持動作データを複数種類用意し、ハンド制御部110に予め記憶させておくとよい。それにより、ハンド制御部110は、判断した把持対象物2の表面粗さに基づいて、使用する把持動作データを選択することが可能となる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
20:ロボット本体
30:頭部
32:カメラ
40:胴部
50:アーム部
52:アーム部のモータ
70:ハンド部
72:ハンド部のモータ
80:指部
81:指先リンク
90:圧力センサ
100:制御装置
102:画像処理部
104:アーム制御部
110:ハンド制御部
112:センサ信号処理部
114:把持力設定部
116:指動作計算部
118:モータドライバ
200:ニューラルネットワーク
Claims (5)
- 物体を把持するロボットであって、
少なくとも2本の指部を有するハンド部と、
指部が物体から受ける接触力を測定する接触力測定手段と、
指部が物体表面で摺動した際に接触力測定手段によって測定される接触力の振動周波数を測定する周波数測定手段と、
周波数測定手段によって測定された振動周波数に基づいて、ハンド部が物体を把持する把持動作を調節する把持動作調節手段と、
を備えるロボット。 - 前記把持動作調節手段は、測定された前記振動周波数に基づいて、前記ハンド部が物体を把持する把持力の目標値を設定することを特徴とする請求項1に記載のロボット。
- 前記把持動作調節手段は、測定された前記振動周波数が小さいほど、前記把持力の目標値を大きくすることを特徴とする請求項2に記載のロボット。
- 少なくとも2本の指部を有するハンド部と、指部が物体から受ける接触力を測定する接触力測定手段を備えるロボットに物体を把持させるロボットの制御装置であって、
指部が物体表面で摺動した際に接触力測定手段によって測定される接触力の振動周波数を測定する周波数測定手段と、
周波数測定手段によって測定された振動周波数に基づいて、ハンド部が物体を把持する把持動作を調節する把持動作調節手段と、
を備える制御装置。 - 少なくとも2本の指部を有するハンド部と、指部が物体から受ける接触力を測定する接触力測定手段を備えるロボットに物体を把持させるロボットの制御方法であって、
指部が物体表面で摺動した際に接触力測定手段によって測定される接触力の振動周波数を測定する周波数測定工程と、
周波数測定工程によって測定された振動周波数に基づいて、ハンド部が物体を把持する把持動作を調節する把持動作調節工程と、
を備える制御方法。
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