JP2008182950A - 柑橘類酵素遺伝子調製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 柑橘類モノテルペン酵素遺伝子の調製方法及びその調製方法によって得られた柑橘類モノテルペン酵素遺伝子の提供
【解決手段】 3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−ピロリン酸を基質とする柑橘類におけるモノテルペン合成酵素群において、発現されていない酵素をコードする未知の遺伝子の調製方法であって、公知のモノテルペン合成酵素において保存されている領域の塩基配列の情報に基づきプライマーを設計する工程、上記のプライマーを用いて柑橘類ゲノムDNA中から未知の遺伝子のDNAを増幅する工程、増幅されたDNAから公知の類似酵素のアミノ酸配列に基づき推定したイントロンをインビトロで除去する工程からなる、調製方法
【選択図】 なし

Description

本発明は、柑橘類酵素遺伝子調製方法及びその調製方法によって得られた3−カレン合成酵素に関する。
柑橘類における香気成分は、主としてテルペン(テルペノイド、イソプレノイドともよばれる。)であり、より典型的には、リモネン、γ−テルピネン、α−ピネン、β−ピネン等のイソプレン骨格を有する炭素数が10個のモノテルペンである。
柑橘類のモノテルペンは、果皮の油胞に局在し、果汁中にも少量が存在する。各モノテルペンの構成比率は、種によって大きく異なり、柑橘類の香気を特徴付けている。たとえば、グレープフルーツでは、リモネンが約95%であり、γ−テルピネン、α−ピネン及びβ−ピネンは極めて少量である。モノテルペンには、レモン様芳香を持つリモネン(香料、溶剤、ガン予防物質)、α/β−ピネン(香料、溶剤)、メントール(清涼飲料、タバコ香料、局所刺激/麻酔作用)、カンファー(防蛾剤、局所抗痒湿疹剤)等の有用なものが数多く知られている。
モノテルペンは、3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−ピロリン酸(ゲラニルピロリン酸(GPP)及びネリルピロリン酸(NPP)の異性体がある)を基質として、それぞれのモノテルペンに特異的なモノテルペン合成酵素によって合成される。しかし、現在公知の柑橘由来のモノテルペン合成酵素遺伝子の数は少なく、酵素の構造と生成物特異性との関連については不明な点が多い。
これらの酵素の発現量が少ないことから、植物からこの酵素を単離・精製することは難しい。また、従来の方法は、cDNAからモノテルペン合成酵素遺伝子をクローニングするものであったが、翻訳されていない遺伝子についてはmRNAが作られないことからcDNAを入手することができないという欠点があった。さらに、モノテルペン合成酵素は立体構造が似ており、類似した反応機構を持つと考えられるが、一つの種類の酵素が何種類かのモノテルペンを一定の比率で合成することから、その反応機構は複雑であり、その詳細は未だ解明されていない。
そこで、これらの酵素をコードする遺伝子の取得が望まれていた。
本発明は、柑橘類モノテルペン酵素遺伝子の調製方法及びその調製方法によって得られた柑橘類モノテルペン酵素遺伝子を提供する。
本発明は、
1. 3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−ピロリン酸を基質とする柑橘類におけるモノテルペン合成酵素群において、発現されていない酵素をコードする未知の遺伝子の調製方法であって、下記の工程:
公知のモノテルペン合成酵素において保存されている領域の塩基配列の情報に基づきプライマーを設計する工程、
上記のプライマーを用いて柑橘類ゲノムDNA中から未知の遺伝子のDNAを増幅する工程、
増幅されたDNAから公知の類似酵素のアミノ酸配列に基づき推定したイントロンをインビトロで除去する工程、
からなる、調製方法、
2. 下記:
(a)配列番号1に示す塩基配列からなるDNA、又は
(b)配列番号1に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイゼーションし、かつ3−カレン合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA
からなる遺伝子、
3. 下記:
(a)配列番号2に示すアミノ酸配列からなるタンパク質、又は
(b)配列番号2に示すアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ3−カレン合成酵素活性を有するタンパク質、
4. 上記2に記載の遺伝子又は上記3に記載のタンパク質をコードする遺伝子を含む組換えベクター、
5. 上記4に記載の組換えベクターを含む宿主細胞、
6. 上記3に記載のタンパク質を用いる、3−カレンの製造方法
である。
本発明で、3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−ピロリン酸を基質とする柑橘類におけるモノテルペン合成酵素とは、柑橘類に由来する酵素であり、GPP又はNPPを基質として、少なくとも1つのモノテルペンを合成することができる酵素をいう。
本発明において、「発現されていない」とは、通常の方法では、RT−PCR等の通常のRNA検出手段を用いてはmRNAを検出することができない程度の極めて発現レベルが低いか又は全く発現されていないことをいう。
本発明で「酵素をコードする未知の遺伝子」とは、適切な発現系よって発現させることができる酵素のアミノ酸配列のみをコードする遺伝子であって、未だその塩基配列が知られていないものをいう。
公知のモノテルペン合成酵素において保存されている領域の塩基配列の情報に基づきプライマーを設計する工程
本発明の公知のモノテルペン合成酵素において保存されている領域は、下記の方法を用いて特定することができる。
生成物が異なる少なくとも3種類のカンキツモノテルペン合成酵素遺伝子の配列を用い、従来公知の配列解析ソフトウエア、例えばCLUSTALWを利用することでアラインメントし、これらの配列を相互に比較する。その結果、連続する20塩基中で、相互に一致する塩基が16塩基、好ましくは17塩基、より好ましくは18塩基、さらにより好ましくは19塩基以上の領域を保存領域とすることができる。
選択された保存領域の中から適宜プライマーを設計することができる。プライマーの設計は、特に制限されず、従来公知のプライマー設計用ソフトウエア、例えば、Primer3を利用することができる。
本発明のプローブ用ポリヌクレオチドの製造方法としては、特に制限されず、例えば、従来公知の方法により化学合成により製造してもよく、酵素的にインビボ又はインビトロで製造することができる。
本発明のDNAの増幅は、従来公知の方法であれば任意の方法を用いることができる。たとえば、PCR、LAMPやICAN法を挙げることができる。
イントロンは得られたゲノムDNAを従来公知の塩基配列解析ソフトウエア、例えばtBLASTxを利用することでアミノ酸に翻訳後、公知のモノテルペン合成酵素遺伝子のアミノ酸配列と比較すること、およびイントロンの5’末端がGTそして3’末端がAGであることによって推定することができる。イントロンと予想された領域のインビトロでの除去方法は、例えばHorton RM, Hunt HD, Ho SN, et al.(Engineering hybrid genes without the use of restriction enzymes: gene splicing by overlap extension. GENE 77 (1): 61-68 1989)記載の方法により可能である。
本発明の別な態様は、下記:
(a)配列番号1に示す塩基配列からなるDNA、又は
(b)配列番号1に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイゼーションし、かつ3−カレン合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA
からなる遺伝子である。
本発明で「ストリンジェントな条件」とは、例えばMolecular Cloning −A LABORATORY MANUAL THIRD EDITION[Joseph Sambrook, David W. Russell., Cold Spring Harbor Laboratory Press]記載の方法が挙げられ、例えば、6×SSC(1×SSCの組成:0.15M 塩化ナトリウム、0.015M クエン酸ナトリウム、pH7.0)、0.5%SDS、5×デンハート及び100mg/mLニシン精子DNAを含む溶液にプローブとともに65℃で8〜16時間恒温し、ハイブリダイズさせる条件を挙げることができる。
変異DNAは、例えば、化学合成、遺伝子工学的手法、突然変異誘発などの当業者に既知の任意の方法により調製することができる。具体的には、配列番号1に示される塩基配列からなるDNAに対し、変異原となる薬剤と接触作用させる方法、紫外線を照射する方法、遺伝子工学的な手法等を用いて、これらDNAに変異を導入することにより、変異DNAを取得することができる。
また、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるDNAとしては、プローブとして使用するDNAの塩基配列と一定以上の相同性を有するDNAを挙げることもでき、例えば、配列番号1に示される塩基配列と80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上の相同性を有するアミノ酸配列をコードするDNAを好適に例示することができる。
本発明で「3−カレン合成酵素」とは、NPPを基質として3−カレン、リモネン及びα−テルピネオールを合成する酵素をいう。NPPを基質として少なくとも3−カレンを合成することができる限り、3−カレン合成酵素活性を有するという。得られたそのタンパク質が、3−カレン合成酵素活性を有するかどうかは、例えば後述の実施例に記載したように、そのタンパク質とNPPを適当なバッファー又は塩溶液中で接触させ、3−カレンの生成を調べることで容易に確認することができる。
本発明の別の態様は、(a)配列番号2に示すアミノ酸配列からなるタンパク質、又は(b)配列番号2に示すアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ3−カレン合成酵素活性を有するタンパク質である。
上記「1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列」とは、例えば1〜120個、好ましくは1〜60個、より好ましくは1〜20個、さらに好ましくは1〜5個、最も好ましくは1〜3個の任意の数のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を意味する。
遺伝子工学的手法の一つである部位特異的変異誘発法は特定の位置に特定の変異を導入できる手法であることから有用であり、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989等に記載の方法に準じて行うことができる。この変異DNAを適切な発現系を用いて発現させることにより、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるタンパク質を得ることができる。
本発明のさらに別な態様は、上記遺伝子、又は上記タンパク質をコードする遺伝子を含む組換えベクターである。
本発明の組換えベクターとしては、本件遺伝子DNAが組み込まれた組換えベクターであれば特に制限されることなく用いることができる。本発明の組換えベクターは、本件遺伝子DNAを発現ベクターに適切に組換えることにより構築することができる。例えば、本件遺伝子DNAを適当なプロモーターの下流につないだ構成を好適に例示することができる。発現ベクターとしては、宿主細胞において自立複製可能であるものや、あるいは宿主細胞の染色体中へ組込み可能であるものが好ましく、また、本発明の遺伝子の発現に関与するプロモーター、ターミネーター等の制御配列及び転写制御因子の遺伝子を含有しているものを好適に使用することができる。
また、本発明は、上記組換えベクターを含む宿主細胞にも関する。
本発明の宿主細胞は、従来公知の任意の細胞を用いることができ、好適には、微生物、植物又は動物細胞である。微生物としては、上記本発明の組換えベクターを導入することができる微生物であれば特に制限されず、例えばエシェリヒア属細菌、シュードノカルディア属細菌、ストレプトミセス属細菌、バチルス属細菌、ストレプトコッカス属細菌、スタフィロコッカス属細菌等を挙げることができる。上記組換えベクターを宿主微生物に導入する方法としては、モレキュラークローニング第2版など多くの標準的な実験室マニュアルに記載されている方法、例えば、エレクトロポレーション、形質導入、形質転換等により行うことができる。また、本発明の形質転換微生物を培養することによって、本件タンパク質を培養物中に生成蓄積させ、さらに、該培養物から該タンパク質を採取することにより、本件タンパク質を大量に製造することができる。
本発明のさらに別の態様は、本発明のタンパク質を用いる、3−カレンの製造方法である。本発明のタンパク質とNPPを適当なバッファー又は塩溶液中で接触させ、3−カレン、リモネン及びα−テルピネオールを製造することができる。
材料として、独特の爽やかな香りが評価され、調味料や香水に利用されているユズ(Citrus junos)を用いた。静岡県立大学の圃場に生育するユズの葉を採取し、液体窒素で凍結後、乳鉢および乳棒を用い破砕し、Isoplant II(日本ジーン)を用い添付のプロトコールにしたがってゲノムDNAを抽出した。
特異的プライマーを用いたユズゲノムDNAの増幅とクローニング
ユズゲノムDNAを鋳型にして、柑橘類のモノテルペン合成酵素遺伝子で保存されている領域の中から、モノテルペン合成酵素の活性部位であるDDxxDアミノ酸配列モチーフを挟む2カ所について下記のプライマーを設計した。
Cmt 5 fd 5'-TTRGAGGCAAGGTGGTTCAT-3'(配列番号3)
Cmt 12 rv 5'-TCCGATGAWGTTCCCAAATC-3'、R=A+G、W=A+T(配列番号4)
これら2つのプライマーを用い、ユズゲノムを鋳型としてPCR反応を行い、得られたPCR産物をTA cloning kit(プロメガ)を用いてライゲーションした後、大腸菌を形質転換した。
制限酵素処理による増幅配列の分類
得られた増幅断片を制限酵素XbaI、EcoRI、HaeIIIにより処理し、得られたフラグメントの数及び長さのパターンによってそれらを分類した。同じグループに分類されたクローン及び増幅断片長が650bp以下のものを除き塩基配列を決定した。
公知配列との比較
得られたクローンの塩基配列を、下記の公知の柑橘類モノテルペン酵素遺伝子の塩基配列と比較し、相同性を調べた。
レモン(Citrus limon)
リモネン合成酵素遺伝子(AF514287、AF514289)、
γ-テルピネン合成酵素遺伝子(AF514286)、
β-ピネン合成酵素遺伝子(AF514288)
温州ミカン(Citrus unshiu)
リモネン合成酵素遺伝子(AB110636、AB110637)
γ-テルピネン合成酵素遺伝子(AB110639、AB110640)
β-ピネン合成酵素遺伝子(AB110641)
(E)-β-オシメン合成酵素遺伝子(AB110642)
1,8 シネロール合成酵素遺伝子(AB110638)
相同性は、配列解析ソフトウエアCLUSTALWを利用して算出した。
公知のモノテルペン合成酵素遺伝子と相同性が85%以上のクローンは、すでに単離されている遺伝子と同種であるとみなし、相同性が85%未満のクローンが新規遺伝子である可能性が高いと判断した。得られた9つのクローンの中から、yuzu16と名付けたクローンの配列は、温州みかん由来のd−リモネン合成酵素遺伝子との相同性が最も高くて74%であったため新規遺伝子とみなす判断基準に合致し、さらにCLUSTALWを利用した系統樹解析の結果、公知のいずれのモノテルペン合成酵素遺伝子とも異なる場所に位置した。これらの結果から、yuzu16が新規の遺伝子に由来すると判断し、その全長配列の取得を目指した。
全長配列の取得
yuzu16のみに特異的な下記の配列のプライマーを作製した。
y16sp2 rv 5'-GTAATAAGCCTAGCCACTGATG-3'(配列番号5)
y16sp3 fd 5'-CTTTCTGCCACAGATCCAATCG-3'(配列番号6)
y16sp3 rv 5'-GAGCAACTTACCAGGAAGAACTC-3'(配列番号7)
また、柑橘類のモノテルペン合成酵素遺伝子で保存されている領域をカバーした特異的プライマーも作製した
CMRR fd 5'-AGGCGATCAGCMRAYTAC-3'(配列番号8)
CM1 fd 5'-GAARAGCTGARGGRAVAAGT-3'(配列番号9)
CM3 rv 5'-CACCRTGHCCATCTCCA-3'(配列番号10)
(R=A+G, M=A+C, Y=C+T, V=A+C+G, H=A+C+T)。
上記のプライマーのうち、CMRR fdとy16sp3 rv、CM1 fdとy16sp2 rv、y16sp3 fdとCM3 rvをそれぞれ用いてPCRを行った。得られた3種類の増幅断片をサブクローニングし、塩基配列を決定した。
イントロンは、得られたゲノムDNA配列を従来公知の塩基配列解析ソフトウエア、例えばtBLASTxを利用することでアミノ酸に翻訳後、公知のモノテルペン合成酵素のアミノ酸と比較すること、およびイントロンの5’末端がGTそして3’末端がAGであることによって推定した。CMRR fdからCM3 rvの領域(配列番号11)における6つのイントロンを配列番号11のアノテーションとして示した。
イントロンと予想された領域を除去し、インビトロでエクソン同士を連結するために、Horton RM, Hunt HD, Ho SN, et al.(Engineering hybrid genes without the use of restriction enzymes - gene-splicing by overlap extension. GENE 77 (1): 61-68 1989)記載の方法を用いた。
最初に、7つ存在するエクソンについて、以下に示す各エクソンに対応するfdおよびrvプライマーの組み合わせで各エクソンをPCRにて増幅した。
エクソンの増幅および結合のためのプライマー
Y16exon1Nde fd 5'-ATACATATGAGGCGATCAGCAAATTACCAACCTTCAATTTGGGACCATG-3'
(配列番号12)
Y16exon1 rv 5'-TTTGTAACTTTCGCCCGTAAAGTTGCAACTAAATGAGTGCAGAAAGTCATGGTCCC-3'
(配列番号13)
Y16exon2 fd 5'-AGTTGCAACTTTACGGGCGAAAGTTACAAAAAACAAGC -3' (配列番号14)
Y16exon2 rv 5'-AGCTACTAAAAACCTCTTGAGATACATTATAACCATG -3(配列番号15)
Y16exon3 fd 5'-ATAATGTATCTCAAGAGGTTTTTAGTAGCTTTAGAGAC -3' (配列番号16)
Y16exon3 rv 5'-TGTCTTTCCACCACCCTGAAATGTCTTTGAGTTCTT -3' (配列番号17)
Y16exon4 fd 5'-CAAAGACATTTCAGGGTGGTGGAAAGACAAAGGTC-3' (配列番号18)
Y16exon4 rv 5'-AAATTGATGTCCCACCTCTCCACAGCATTAGTGAAC -3' (配列番号19)
Y16exon5 fd 5'-TAATGCTGTGGAGAGGTGGGACATCAATTTTGCTATA-3' (配列番号20)
Y16exon5 rv 5'-TAATAAGCCTAGCCATGAATTTTTAATTCTGAGAAGCT -3' (配列番号21)
Y16exon6 fd 5'-AGAATTAAAAATTCATGGCTAGGCTTATTACAAGCC-3' (配列番号22)
Y16exon6 rv 5'-CCTCTGTATCTCATCCGATGAAGTTCCCAAATCATC -3' (配列番号23)
Y16exon7 fd 5'-TTGGGAACTTCATCGGATGAGATACAGAGGGGGG-3' (配列番号24)
Y16exon7 rv 5'-AGATTCAATATGAATTCATTTGTGA-3' (配列番号25)
さらに未クローニングのC末端側の約150bpと予想される領域に相当する部分は、公知の配列中で最も相同性が高いリモネン合成酵素遺伝子の配列を参考に、ユズゲノムからLSstop fdとLSstopBam rvプライマーを用いPCRにて増幅した。
LSstop fd 5'-ATTCATATTGAATCTTGTGAGAATGTCCCATTTTATG-3' (配列番号26)
LSstopBam rv 5'-TTAGGATCCATCATCAGCCTTTGGTGCCA-3' (配列番号27)
なお、Y16exon1Nde fdおよびLSstopBam rv以外のプライマーには、隣のエクソンと連結するために必要な、隣のエクソンに対応する配列が含まれる。
次ぎに、得られた8つのDNA断片について、エクソン1と2の増幅断片および最末端に位置する2つのプライマーY16exon1Nde fdとY16exon2 rvを用いたPCR反応によってエクソン1と2を結合し、同様に、エクソン3と4の増幅断片およびプライマーY16exon3 fdとY16exon4 rv、エクソン5と6の増幅断片およびプライマーY16exon5 fdとY16exon6 rv、エクソン7とC末端部分の増幅断片およびプライマーY16exon7 fdとLSstopBam rvのそれぞれの組み合わせでエクソン3と4、5と6、7とC末端部分を各々連結した合計4つのDNA断片を得た。
同様にしてエクソン1+2と3+4の増幅断片およびプライマーY16exon1Nde fdとY16exon4 rv、エクソン5+6と7+C末端部との増幅断片およびプライマーY16exon5 fdとLSstopBam rvを用いたPCR反応によってエクソン1+2と3+4、エクソン5+6と7+C末端部とを結合した2つのDNA断片を、そして最後にエクソン1+2+3+4と5+6+7+C末端部の増幅断片およびプライマーY16exon1Nde fdとLSstopBam rvを用いたPCR反応によって全長がつながったDNA断片を作成した。得られた全長DNA断片を制限酵素のNdeIとBamHIで切断後、発現ベクターのpET-15b(Novagen)のNdeI、BamHIサイトに導入した。
酵素の発現と精製
発現株BL21CodonPlus(DE3)RIL(Novagen)をyuzu16遺伝子の入った発現ベクターで形質転換し、得られた形質転換体をLB/Amp(100μg/ml)+Cm(30μg/ml)液体培地100mlに0.5Mソルビトールと2.5mM ベタインを添加した後に植菌し、37℃,200rpmでOD 0.6になるまで振とう培養した。その後、0.5mM IPTGを加え、20℃,100 rpmにて一晩振とう培養した。
培養した菌を、4℃,4000rpm,30minで遠心し集菌した。菌体1gに対して、10mlのSonication buffer(25mM Tris−HCl pH 7.5,100mM NaCl)を加え、マイクロチップを装備したSONIFIER 250を用い、Duty 30%、Output 3、30minの条件で超音波破砕した。得られた破砕液を11,000rpm,4℃,30minで遠心した後、上清を0.45μmのフィルター(AVANTEC DISMIC 25 cs)に通し、粗酵素液とした。
Ni2+を吸着させたHi TrapTM Cheleting SepharoseTMHPアフィニティーカラム(GE Healthcae Bio-Science)を、平衡buffer(20mM Tris−HCl(pH7.4)、0.5M NaCl)で平衡化した後、粗酵素液を添加してタンパク質を吸着させ、Wash buffer(20mM Tris−HCl(pH7.4)、0.5M NaCl、50mMイミダゾール)で洗浄後、Elution buffer(20mM Tris−HCl(pH7.4)、0.5M NaCl、500mMイミダゾール)で目的のタンパク質を溶出した。得られたタンパク質をSDS−PAGEにて解析した結果、期待される約60kDaにバンドが認められた。
酵素活性の測定
精製した酵素を用い、0.11mMGPPあるいはNPPを基質として含む、20mM Tris−HCl(pH7.2)、10mMMgCl2、2mMDTT、10%グリセロール反応溶液100μlとして調製後、内部標準として上層に0.05mMのカンファー50μlを加え密封し、30℃,6時間反応させた。反応後、30秒間のボルテックス処理を行い、5,500rpm,4℃,10minで遠心した。遠心後、上層40μlを測定用のビンに移し、以下の条件でGC−MS分析した。
カラム:HP−5MS 30cm×0.25mm(Agilent Technologies)、オーブン:60℃、Front inlet:250℃、Aux:250℃、昇温プログラム:60℃で2min保持、60℃〜120℃=5℃/minで昇温、120℃〜200℃=20℃/minで昇温。
GPPを基質として用いた場合には、反応生成物が検出できなかった(図1)。一方、NPPを基質とした場合には3つのピーク(A、B、C)が得られた(図2)。それらをライブラリ検索した結果、3−カレン(ピークA)、リモネン(ピークB)、α−テルピネオール(ピークC)と一致することが明らかになった。
本発明の遺伝子調製方法は、種々の生理活性を有するモノテルペンの合成に有用である遺伝子を提供することができる。また、本発明の酵素を用いて合成される3−カレンは、鎮咳作用やアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有する。
図1は、GPPを基質として用いた場合の反応生成物である。 図2は、NPPを基質として用いた場合の反応生成物である。

Claims (6)

  1. 3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−ピロリン酸を基質とする柑橘類におけるモノテルペン合成酵素群において、発現されていない酵素をコードする未知の遺伝子の調製方法であって、下記の工程:
    公知のモノテルペン合成酵素において保存されている領域の塩基配列の情報に基づきプライマーを設計する工程、
    上記のプライマーを用いて柑橘類ゲノムDNA中から未知の遺伝子のDNAを増幅する工程、
    増幅されたDNAから公知の類似酵素のアミノ酸配列に基づき推定したイントロンをインビトロで除去する工程、
    からなる、調製方法。
  2. 下記:
    (a)配列番号1に示す塩基配列からなるDNA、又は
    (b)配列番号1に示す塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件でハイブリダイゼーションし、かつ3−カレン合成酵素活性を有するタンパク質をコードするDNA
    からなる遺伝子。
  3. 下記:
    (a)配列番号2に示すアミノ酸配列からなるタンパク質、又は
    (b)配列番号2に示すアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ3−カレン合成酵素活性を有するタンパク質。
  4. 請求項2に記載の遺伝子又は請求項3に記載のタンパク質をコードする遺伝子を含む組換えベクター。
  5. 請求項4に記載の組換えベクターを含む宿主細胞。
  6. 請求項3に記載のタンパク質を用いる、3−カレンの製造方法。
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