JP2008182611A - 差動増幅回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 入力電圧が入力され、この電圧に応じて出力電流が変化するサブアンプを2個用い、このサブアンプの出力電流をそれぞれ出力端子に出力することにより、ベースエミッタ間電圧に起因する誤差を補正するようにした。コレクタ側抵抗を大きくする必要がないので、コモンモード電圧の降下を少なくすることができる。
【選択図】 図1
Description
Vin−Vq1BE−Re・Iq1+Re・Iq2+Vq2BE−Vinx=0
・・・・・・・・(1)
VBE=VT・ln(IC/IS)・・・・・・・・・・・・(2)
Vid=Vin−Vinx
=Re・(Iq1−Iq2)+VT・ln(Iq1/Iq2)・・・(3)
Vout=Vcc−Rc・Iq2・・・・・・・(4)
Voutx=Vcc−Rc・Iq1・・・・・・(5)
VoutとVoutxの差電圧(差動出力)をVodとすると、前記(4)、(5)式から、下記(6)式が成立する。
Vod=Vout−Voutx=Rc・(Iq1−Iq2)・・・・・(6)
Vod=(Rc/Re)・Vid−(Rc/Re)・VT・ln(Iq1/Iq2)
・・・・・・・(7)
この(7)式から明らかなように、右辺第2項のためにゲインが低下するので、この差動増幅回路のゲインをNにするためには、RcをReのN倍より大きくしなければならない。以下、ゲインをNにするRcの大きさを求める。
Vod=N・Vid・・・・・・・・・・・(8)
前記(3)、(6)式のVid、Vodを(8)式に代入すると、
Rc・(Iq1−Iq2)
=N・(Re・(Iq1−Iq2)+VT・ln(Iq1/Iq2))
となり、この式を整理すると下記(9)式になる。
Rc=N・Re+N・VT・ln(Iq1/Iq2)/(Iq1−Iq2)
・・・・・・・(9)
すなわち、ゲインをNにするためには、(9)式右辺の第2項の分だけRcの値を増加させなければならない。この第2項は、トランジスタ11、14のベースエミッタ間電圧の影響によって発生する。
第1の抵抗と第1のトランジスタと第2の抵抗を直列接続し、第3の抵抗と第2のトランジスタと第4の抵抗を直列接続して、これらの直列回路を並列接続し、この並列回路と第1の定電流源を直列に接続した回路構成を有し、前記第1、第2のトランジスタのベースを入力端子とし、前記第3の抵抗と前記第2のトランジスタの接続点、および前記第1の抵抗と前記第1のトランジスタの接続点を出力端子とする差動増幅回路において、
前記入力端子に印加される入力電圧が入力され、この入力電圧に応じた出力電流を前記第1の抵抗と前記第1のトランジスタの接続点に出力する第1のサブアンプと、
前記入力電圧が入力され、この入力電圧に応じた出力電流を前記第3の抵抗と前記第2のトランジスタの接続点に出力する第2のサブアンプと、
を具備したものである。コモンモード電圧の低下を小さくすることができる。
前記第1、第2のサブアンプは、トランジスタと抵抗が直列に接続され、この抵抗の他端が定電流源に接続された第1〜第3の直列回路を有し、前記第1および第2の直列回路内のトランジスタのベースが共通接続されると共に、前記第1および第3の直列回路内のトランジスタのベースに前記入力電圧を印加し、かつ第1の直列回路内のトランジスタから電流を出力する構成を具備し、
2つの出力端子から同じ大きさの電流を出力し、前記第3の抵抗と第2のトランジスタの接続点にこの電流の一方を出力し、前記第1のサブアンプ内の第2の直列回路に他方の電流を出力する第1のカレントミラーと、
2つの出力端子から同じ大きさの電流を出力し、前記第1の抵抗と第1のトランジスタの接続点にこの電流の一方を出力し、前記第2のサブアンプ内の第2の直列回路に他方の電流を出力する第2のカレントミラーと、
を具備したものである。コモンモード電圧の低下を小さくすることができる。
前記第1の抵抗と第1のトランジスタの接続点、および前記第3の抵抗と第2のトランジスタの接続点にダイオードを挿入するようにしたものである。カレントミラーの出力レベルを低く保てることができるので、カレントミラーの出力トランジスタの飽和に対してマージンをとることができる。
前記第1、第2のサブアンプは、抵抗とトランジスタを直列接続し、この抵抗の他端が定電流源に接続された2個の直列回路を有し、これら2個の直列回路内のトランジスタのベースに前記入力電圧を印加すると共に、一方の直列回路から電流を出力するようにしたものである。回路構成を簡単にすることができる。
請求項1,2、3および4の発明によれば、2個の抵抗とトランジスタを直列接続した回路を2組並列接続する構成の差動増幅回路において、入力電圧の大きさに応じた電流を出力するサブアンプを2個用い、差動増幅回路の出力端子にこのサブアンプの出力電流を出力して、ベースエミッタ間電圧に起因するゲインの誤差成分を補正するようにした。
Vin−Vq3BE−Rx・Iq3+Ry・Iq4+Vq4BE−Vinx=0
・・・・・・(10)
トランジスタ31の面積はトランジスタ33の面積のM倍であることを考慮して前記(10)式を整理すると、下記(11)式に示す入力電圧の差電圧Vidが求められる。
Vid=Rx・Iq3−Ry・Iq4+VT・ln(Iq3/(Iq4/M))
・・・・・・(11)
Vid=Ry・Iq5−Rx・Iq6+VT・ln((Iq5/M)/Iq6)
・・・・・・(12)
Iq4=Ixx−Iq3−Iq7・・・・・・・・(13)
Iq5=Ixx−Iq6−Iq8・・・・・・・・(14)
Iq7=Iq3・・・・・・・・(15)
同様に、トランジスタ42と43は同じ特性を有し、また抵抗45と抵抗46の抵抗値は共にRxなので、そのコレクタ電流は等しくなる。従って、下記(16)式が成立する。
Iq8=Iq6・・・・・・・・(16)
Vid=(Rx+2・Ry)・Iq3−Ry・Ixx
+VT・ln(Iq3/((Ixx−2・Iq3)/M))・・・(17)
同様に、前記(14)式と(16)式を(12)式に代入すると、下記(18)式が得られる。
Vid=−(Rx+2・Ry)・Iq6+Ry・Ixx
+VT・ln(((Ixx−2・Iq6)/M)/Iq6)・・・(18)
Vout=Vcc−Rc・(Iq2+Iq6−ICM1)・・・・・・(19)
同様に、電源Vccと出力端子outxについてキルヒホッフの電圧法則を適用すると、下記(20)式が得られる。
Voutx=Vcc−Rc・(Iq1+Iq3−ICM2)・・・・・・(20)
Vod=Rc・(Iq1−Iq2+Iq3−Iq6+ICM1−ICM2)
・・・・・・・(21)
カレントミラー50、51の特性、および前記(15)式、(16)式から
ICM1=Iq7=Iq3
ICM2=Iq8=Iq6
が得られるので、これらの式を前記(21)式に代入すると、下式が得られる。
Vod=Rc・(Iq1−Iq2)+2・Rc・(Iq3−Iq6)
Vod=(Rc/Re)・Vid−(Rc/Re)・VT・ln(Iq1/Iq2)
+2・Rc・(Iq3−Iq6)・・・・・・(22)
この(22)式右辺の第2項と第3項が打ち消されるように、すなわち下記(23)式を満足するようにRx、Ry、Ixxを選定することにより、RcとReの比をゲインとすることができる。
VT・ln(Iq1/Iq2)=2・Re(Iq3−Iq6)・・・・(23)
電圧降下=Rc・(Iq1+Iq2)/2=Rc・Iee/2・・・・(24)
この式にRc=2.82kΩ、Iee=200μAを代入すると、コモンモード電圧の降下ΔV1=0.282Vになる。
Vid=Re・(2・Iq1−Iee)+VT・ln(Iq1/(Iee−Iq1))
この式にVid=0.25V、Iee=200μA,VT=26×10-3を代入してIq1を計算すると、
Iq1=188.6μA
が得られる。従って、前記(23)式右辺の第2項の値は下式になる。
−(Rc/Re)・VT・ln(Iq1/(Iee−Iq2)=−0.146V
ΔV2=(Rc・(Iq2+Iq6−ICM1+Iq1+Iq3−ICM2))/2
=Rc・(Iq1+Iq2)/2=Rc・Iee/2=0.2V
このΔV2を従来の差動増幅回路のコモンモード電圧降下ΔV1と比較すると、29%改善されていることがわかる。
11、14、31〜33、41〜43 トランジスタ
16、37、47 定電流源
20 メインアンプ
30、40、70、80 サブアンプ
50、51 カレントミラー
60、61 ダイオード
1q1〜Iq8 コレクタ電流
in 非反転入力端子
inx 反転入力端子
out、outx 出力端子
Iee、Ixx 定電流源の出力電流
ICM1、ICM2 カレントミラーの出力電流
Claims (4)
- 第1の抵抗と第1のトランジスタと第2の抵抗を直列接続し、第3の抵抗と第2のトランジスタと第4の抵抗を直列接続して、これらの直列回路を並列接続し、この並列回路と第1の定電流源を直列に接続した回路構成を有し、前記第1、第2のトランジスタのベースを入力端子とし、前記第3の抵抗と前記第2のトランジスタの接続点、および前記第1の抵抗と前記第1のトランジスタの接続点を出力端子とする差動増幅回路において、
前記入力端子に印加される入力電圧が入力され、この入力電圧に応じた出力電流を前記第1の抵抗と前記第1のトランジスタの接続点に出力する第1のサブアンプと、
前記入力電圧が入力され、この入力電圧に応じた出力電流を前記第3の抵抗と前記第2のトランジスタの接続点に出力する第2のサブアンプと、
を具備したことを特徴とする差動増幅回路。 - 前記第1、第2のサブアンプは、トランジスタと抵抗が直列に接続され、この抵抗の他端が定電流源に接続された第1〜第3の直列回路を有し、前記第1および第2の直列回路内のトランジスタのベースが共通接続されると共に、前記第1および第3の直列回路内のトランジスタのベースに前記入力電圧を印加し、かつ第1の直列回路内のトランジスタから電流を出力する構成を具備し、
2つの出力端子から同じ大きさの電流を出力し、前記第3の抵抗と第2のトランジスタの接続点にこの電流の一方を出力し、前記第1のサブアンプ内の第2の直列回路に他方の電流を出力する第1のカレントミラーと、
2つの出力端子から同じ大きさの電流を出力し、前記第1の抵抗と第1のトランジスタの接続点にこの電流の一方を出力し、前記第2のサブアンプ内の第2の直列回路に他方の電流を出力する第2のカレントミラーと、
を具備したことを特徴とする請求項1記載の差動増幅回路。 - 前記第1の抵抗と第1のトランジスタの接続点、および前記第3の抵抗と第2のトランジスタの接続点にダイオードを挿入したことを特徴とする請求項2記載の差動増幅回路。
- 前記第1、第2のサブアンプは、抵抗とトランジスタを直列接続し、この抵抗の他端が定電流源に接続された2個の直列回路を有し、これら2個の直列回路内のトランジスタのベースに前記入力電圧を印加すると共に、一方の直列回路から電流を出力するようにしたことを特徴とする請求項1記載の差動増幅回路。
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---|---|---|---|---|
CN104391147A (zh) * | 2014-11-25 | 2015-03-04 | 苏州立瓷电子技术有限公司 | 一种改进放大器结构的低误差示波器 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5785715U (ja) * | 1980-11-12 | 1982-05-27 | ||
JPH04271097A (ja) * | 1990-03-15 | 1992-09-28 | David W Bengel | 電流モード多重化サンプル・ホールド回路 |
JPH08265064A (ja) * | 1995-03-22 | 1996-10-11 | Yokogawa Electric Corp | 帰還型差動増幅回路 |
JPH10335951A (ja) * | 1997-05-30 | 1998-12-18 | Yokogawa Electric Corp | 差動増幅器 |
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