JP2008182032A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外部抵抗を設けずに、飽和電流を低減でき、短絡耐量を向上させることができるIGBTを提供する。
【解決手段】トレンチ型IGBT10は、Pチャネル領域14の表面部に梯子状のエミッタ領域15が形成され、エミッタ領域15のストライプ状部15aの表面からPチャネル領域14の一部を貫いてN−半導体層13に達するように、トレンチ16が形成されている。トレンチ16の内壁面を覆うようにゲート絶縁膜17が形成され、トレンチ16を埋めるようにゲート電極18が形成されている。エミッタ領域15の不純物濃度は低濃度である。エミッタ電極がエミッタ領域15と接触する第1のコンタクト部21aは、エミッタ領域15のクロスバー状部15bに幅広に設けられ、エミッタ電極がPチャネル領域14と接触する第2のコンタクト部21bは、第1のコンタクト部21aより幅が狭く形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】トレンチ型IGBT10は、Pチャネル領域14の表面部に梯子状のエミッタ領域15が形成され、エミッタ領域15のストライプ状部15aの表面からPチャネル領域14の一部を貫いてN−半導体層13に達するように、トレンチ16が形成されている。トレンチ16の内壁面を覆うようにゲート絶縁膜17が形成され、トレンチ16を埋めるようにゲート電極18が形成されている。エミッタ領域15の不純物濃度は低濃度である。エミッタ電極がエミッタ領域15と接触する第1のコンタクト部21aは、エミッタ領域15のクロスバー状部15bに幅広に設けられ、エミッタ電極がPチャネル領域14と接触する第2のコンタクト部21bは、第1のコンタクト部21aより幅が狭く形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置に係り、詳しくはトレンチ構造をもつ絶縁ゲート型バイポーラトランジスタに好適なエミッタ領域のパターン構造に特徴を有する半導体装置に関する。
絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、適宜IGBTと称す。)は、電圧駆動型素子であるため、電流駆動型のバイポーラトランジスタやゲートターンオフサイリスタ(GTOサイリスタ)より駆動電力が小さく、駆動回路を簡単にできる。また、MOSFETに比較してオン電圧が小さく損失が少ないため、電源やインバータ等の分野に急速に広まっている。
オン電圧の小さいIGBTとしては、例えば、特許文献1のIGBTが挙げられる。特許文献1のIGBTは、図5に示すように、高濃度のP型不純物を含むP+コレクタ層202を構成する半導体基板の上に、高濃度のN型不純物を含んだN+バッファ層203が形成されており、このN+バッファ層203の上に、低濃度のN型不純物を含んだN−半導体層204が形成されている。また、N−半導体層204の上にはPベース層205が形成され、Pベース層205の上主面には、高濃度のN型不純物を選択的に拡散することによって、N+エミッタ層206が選択的に形成されている。そして、Pベース層205を複数に分割する溝(トレンチ)207が、N+エミッタ層206の表面からPベース層205の一部を貫いてN−半導体層204に達するようにストライプ状に形成されている。溝207の内面にはゲート絶縁膜209が形成されており、その内側にポリシリコンで構成されるゲート電極(トレンチゲート)210が埋め込まれている。N+エミッタ層206は、溝207に挟まれたPベース層205の上主面に梯子状に露出するように形成されており、N+エミッタ層206と、Pベース層205とにエミッタ電極212が接続されている。図5では、エミッタ電極212が接続される帯状領域Raの境界を二点鎖線で表している。帯状領域Raは一定幅Waのストライプ状に形成されており、エミッタ電極212が梯子状に存在するN+エミッタ層206のクロスバー領域206aと接触するようになっている。また、エミッタ電極212がPベース層205と接触する部分ではN+エミッタ層206と接触しないように、N+エミッタ層206の溝207に沿って延びる部分と帯状領域Raとの間の幅Wbが確保されている。P+コレクタ層202の下主面にはコレクタ電極213が形成されている。
上記のように特許文献1のIGBTでは、高濃度のN型不純物からなるN+エミッタ層206が溝207に沿って連続して形成されているため、アクティブ領域がゲート電極210に沿って連続的に形成されることとなりオン電圧が小さくなる。また、N+エミッタ層206を高濃度のN型不純物で形成しているため、N+エミッタ層206のクロスバー領域206aで接触しているエミッタ電極212とN+エミッタ層206との間のコンタクト抵抗が小さくなり、オン電圧が小さくなる。
ところで、IGBTは負荷が短絡した状態でゲートにオン信号が入ると、素子が制限する飽和電流まで電流が流れる。負荷が短絡した場合、この飽和電流と電源電圧の積で与えられるジュール熱が発生し、IGBTの温度が上昇する。この温度がある一定値以上になると、絶縁ゲートにより電流を制限できなくなり、IGBTは破壊する。
一般にIGBTを使用した電機機器では、IGBTが破壊する前に短絡状態を検出し、ゲート電圧を低下させることにより素子を保護している。そのため、IGBTは、負荷が短絡した状態で所定の時間破壊しないことが求められる。負荷が短絡した状態で、ゲートにオン信号が加わってから素子が破壊するまでの時間は短絡耐量と呼ばれる。短絡耐量を大きくするためにはIGBTの飽和電流を低減(抑制)すれば良い。
飽和電流を低減して短絡耐量を上昇させる方法として、IGBTチップの外部にエミッタ抵抗を設ける方法がある。
特開平7−235672号公報
飽和電流を低減する方法として、IGBTチップの外部にエミッタ抵抗を設けた場合は、別途外部抵抗が必要となるため、部品点数が増えるという問題がある。
また、特許文献1のIGBTでは、N+エミッタ層206のクロスバー領域206aと梯子状のN+エミッタ層206に囲まれたPベース層205とに接触するエミッタ電極212の帯状領域(コンタクト領域)Raは、その幅Waが一定に形成されている。このため、エミッタ電極212の形成時にマスクずれが生じた場合は、梯子状のN+エミッタ層206に囲まれた部分でPベース層205のみと接触していたエミッタ電極212が、同時にN+エミッタ層206の溝207に沿って延びる部分とも接触してしまうこととなり、エミッタ抵抗が低下して、飽和電流が高くなってしまうという問題がある。さらに、特許文献1のIGBTでは、エミッタ電極212とN+エミッタ層206のクロスバー領域206aとの間のコンタクト抵抗のばらつきを低減するために、高濃度のN型不純物を用いて梯子状のN+エミッタ層206を形成している。このため、エミッタ抵抗が低下してしまい、飽和電流が高くなるという問題がある。
また、特許文献1のIGBTでは、N+エミッタ層206のクロスバー領域206aと梯子状のN+エミッタ層206に囲まれたPベース層205とに接触するエミッタ電極212の帯状領域(コンタクト領域)Raは、その幅Waが一定に形成されている。このため、エミッタ電極212の形成時にマスクずれが生じた場合は、梯子状のN+エミッタ層206に囲まれた部分でPベース層205のみと接触していたエミッタ電極212が、同時にN+エミッタ層206の溝207に沿って延びる部分とも接触してしまうこととなり、エミッタ抵抗が低下して、飽和電流が高くなってしまうという問題がある。さらに、特許文献1のIGBTでは、エミッタ電極212とN+エミッタ層206のクロスバー領域206aとの間のコンタクト抵抗のばらつきを低減するために、高濃度のN型不純物を用いて梯子状のN+エミッタ層206を形成している。このため、エミッタ抵抗が低下してしまい、飽和電流が高くなるという問題がある。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は外部抵抗を設けずに、飽和電流を低減でき、短絡耐量を向上させることができる半導体装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、第1導電型の第1の半導体層と、前記第1の半導体層上に形成された第2導電型の第2の半導体層と、前記第2の半導体層上に形成された第1導電型の第3の半導体層と、前記第3の半導体層の表面部にストライプ状部及びクロスバー状部からなる梯子状に形成された第2導電型のエミッタ領域とを備えている。また、前記エミッタ領域のストライプ状部と前記第3の半導体層と前記第2の半導体層とに接触する状態で前記ストライプ状部に沿ってストライプ状に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上にストライプ状に形成されたゲート電極と、前記第3の半導体層及び前記エミッタ領域に電気的に接続されたエミッタ電極と、前記第1の半導体層に電気的に接続されたコレクタ電極とを備えている。そして、前記エミッタ領域の第2導電型の不純物濃度は低濃度であり、前記エミッタ電極の前記エミッタ領域と接触する第1のコンタクト部は、前記エミッタ領域のクロスバー状部において幅広に設けられており、前記エミッタ電極の前記第3の半導体層と接触する第2のコンタクト部は、前記第1のコンタクト部より幅が狭く形成されている。ここで、「ストライプ状部」とは梯子の長手方向に延びる2本の支持部に相当する形状の部分を意味する。また、「クロスバー状部」とは、梯子の横木に相当する形状の部分を意味する。そして、「幅」とは、梯子の長手方向と直交する方向についての長さを意味する。
この発明では、エミッタ領域が梯子状に形成されるとともに、エミッタ領域の第2導電型の不純物濃度が低濃度であるため、エミッタ抵抗を確保でき、飽和電流が抑制されて短絡耐量が向上する。また、エミッタ電極は、エミッタ領域のクロスバー状部に幅広に設けられた第1のコンタクト部においてエミッタ領域と接触するため、第1のコンタクト部の幅が広くなり、エミッタ電極とエミッタ領域との間のコンタクト抵抗のばらつきが低減される。そして、エミッタ領域のストライプ状部がゲート絶縁膜に沿って連続して延びるように形成され、かつエミッタ電極は、第3の半導体層とはクロスバー状部の間に形成された第2のコンタクト部において接触しており、その第2のコンタクト部は、第1のコンタクト部より幅が狭く形成されている。つまり、エミッタ領域のストライプ状部と第2のコンタクト部とが接触しにくい構成となっているため、エミッタ抵抗を安定して確保できる。また、エミッタ領域のストライプ状部がゲート絶縁膜に沿って連続して延びるように形成されることになるため、アクティブ領域の面積を十分に確保でき、オン電圧を小さくできる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記ゲート絶縁膜は、前記エミッタ領域のストライプ状部の表面から前記第2の半導体層にまで延びるように形成されたトレンチの内壁を覆うように形成され、前記ゲート電極は前記ゲート絶縁膜上から前記トレンチを埋めるように形成されている。この発明では、ゲートが平面ではなく縦方向に形成されるため、プレナー型(横型)の場合よりセルサイズの小型化ができる。
本発明によれば、外部抵抗を設けずに、飽和電流を低減でき、短絡耐量を向上させることができる半導体装置を提供することができる。
以下、本発明をNチャネル型のトレンチ型IGBTに具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。図1はエミッタ電極や絶縁膜等を省略したIGBTの模式斜視図であり、図2(a)は図1のA−A線に対応する模式断面図であり、図2(b)は図1のB−B線に対応する模式断面図である。なお、図1では断面のハッチングを省略し、図2においては断面のハッチングを一部省略している。
図1及び図2に示すように、半導体装置としてのトレンチ型IGBT10は、第1導電型の第1の半導体層としてのP+コレクタ層11の上にN+半導体層12及びN−半導体層13が順に形成されている。N+半導体層12及びN−半導体層13により第2導電型の第2の半導体層が構成されている。N−半導体層13の上には、第1導電型の第3の半導体層としてのPチャネル領域14が形成されている。Pチャネル領域14の表面部にはストライプ状部15a及びクロスバー状部15bからなる梯子状に形成された第2導電型のエミッタ領域15が形成されている。
エミッタ領域15の第2導電型の不純物濃度は、従来技術のIGBTにおけるエミッタ領域の不純物濃度より低濃度、例えば、1/2以下に設定されている。具体的には、従来技術のエミッタ領域の不純物濃度が1×1020cm−3であるのに対して、この実施形態ではエミッタ領域15の不純物濃度が5×1019cm−3である。
エミッタ領域15のストライプ状部15aの表面からPチャネル領域14の一部を貫いてN−半導体層13に達するように、トレンチ16がストライプ状に形成されている。そして、トレンチ16の内壁面を覆うようにゲート絶縁膜17が形成され、ゲート絶縁膜17上からトレンチ16を埋めるようにゲート電極18が形成されている。即ち、ゲート絶縁膜17は、エミッタ領域15のストライプ状部15a及びPチャネル領域14と接触する状態でストライプ状部15aに沿ってストライプ状に形成されており、ゲート電極18は、ゲート絶縁膜17上にストライプ状に形成されている。
図2(a),(b)に示すように、ゲート電極18の上面、Pチャネル領域14の上面及びエミッタ領域15を覆うように絶縁膜19が設けられている。絶縁膜19には、クロスバー状部15bの中央付近と対応する位置及びPチャネル領域14の中央付近に開口部20が形成されている。そして、絶縁膜19を覆うようにエミッタ電極21が形成され、エミッタ電極21は、開口部20を介してPチャネル領域14及びエミッタ領域15と電気的に接続されている。エミッタ電極21は、開口部20と対応する部分がPチャネル領域14及びエミッタ領域15とのコンタクト部となる。
エミッタ電極21のエミッタ領域15との第1のコンタクト部21aは、エミッタ領域15のクロスバー状部15bにおいてエミッタ領域15と接触し、エミッタ電極21のPチャネル領域14との第2のコンタクト部21bは、エミッタ領域15の両ストライプ状部15aから等距離の位置においてPチャネル領域14と接触する。エミッタ領域15との第1のコンタクト部21aは幅広に形成されており、Pチャネル領域14との第2のコンタクト部21bの幅Wcは、エミッタ領域15との第1のコンタクト部21aの幅Weより狭く形成されている。トレンチ型IGBT10の大きさにもよるが、例えば、幅Weは2μm程度、幅Wcは1μmに形成されている。なお、図1には第1のコンタクト部21a及び第2のコンタクト部21bが二点鎖線で図示されている。
P+コレクタ層11の下面にはコレクタ電極22が形成され、P+コレクタ層11とコレクタ電極22とが電気的に接続されている。
次に前記のように構成されたトレンチ型IGBT10の作用を説明する。トレンチ型IGBT10を使用する場合は、まず、外部電源を接続してコレクタ電極22とエミッタ電極21との間に正方向に電圧(コレクタ電圧)を印加する。この状態で、ゲート電極18とエミッタ電極21との間の正方向に、所定のゲート閾電圧を超えるゲート電圧を印加する(ゲートをオンする)。すると、Pチャネル領域14におけるトレンチ16の側壁付近にN型のチャネルが形成される。また、エミッタ電極21からエミッタ領域15を経由した電子がN−半導体層13へ注入される。この注入された電子によりP+コレクタ層11とN−半導体層13(N+半導体層12を含む)との間が順バイアスされるので、P+コレクタ層11からN−半導体層13へホールが注入される。その結果、N−半導体層13の抵抗が低下し、コレクタ電極22からエミッタ電極21へ主電流(コレクタ電流)が流れる。
次に前記のように構成されたトレンチ型IGBT10の作用を説明する。トレンチ型IGBT10を使用する場合は、まず、外部電源を接続してコレクタ電極22とエミッタ電極21との間に正方向に電圧(コレクタ電圧)を印加する。この状態で、ゲート電極18とエミッタ電極21との間の正方向に、所定のゲート閾電圧を超えるゲート電圧を印加する(ゲートをオンする)。すると、Pチャネル領域14におけるトレンチ16の側壁付近にN型のチャネルが形成される。また、エミッタ電極21からエミッタ領域15を経由した電子がN−半導体層13へ注入される。この注入された電子によりP+コレクタ層11とN−半導体層13(N+半導体層12を含む)との間が順バイアスされるので、P+コレクタ層11からN−半導体層13へホールが注入される。その結果、N−半導体層13の抵抗が低下し、コレクタ電極22からエミッタ電極21へ主電流(コレクタ電流)が流れる。
次にゲート電圧をゼロあるいはマイナスの値に戻す(ゲートをオフする)と、Pチャネル領域14に形成されたチャネルは消滅し、Pチャネル領域14は本来のP型の導電形式へ復帰する。その結果、エミッタ電極21からの電子の注入が止まるので、P+コレクタ層11からのホールの注入も停止する。その後、N−半導体層13及びN+半導体層12に溜まっていた電子とホールは、それぞれコレクタ電極22及びエミッタ電極21へと回収されるか、又は互いに再結合する。
従来技術においては、エミッタ電極21がエミッタ領域15と接触する第1のコンタクト部21aの幅Weと、エミッタ電極21がPチャネル領域14と接触する第2のコンタクト部21bの幅Wcとは同じに形成されていた。そして、IGBTの構造上、トレンチ16に沿って延びるエミッタ領域15のストライプ状部15aと第2のコンタクト部21bとの間の幅Wbは十分に確保される必要があり、第2のコンタクト部21bの幅は制限されていた。即ち、エミッタ電極21とエミッタ領域15とが接触する第1のコンタクト部21aの幅は、第2のコンタクト部21bの幅に依存していたのである。
そのため、エミッタ電極21とエミッタ領域15との間のコンタクト抵抗のばらつきを低減し、エミッタ領域15のストライプ状部15aと第2のコンタクト部21bとの間の幅Wbを確保し、しかもアクティブ領域を十分に確保するためには、エミッタ領域15の不純物濃度を高濃度にする必要があった。しかし、不純物濃度を高濃度にすると、エミッタ抵抗が低下して飽和電流が上昇するため短絡耐量が低下する虞がある。なお、エミッタ領域15のトレンチ16に沿って延びる部分の一部を削除すると、飽和電流を抑制できるが、アクティブ領域の面積が低下してしまい、オン電圧が上昇する虞がある。
これに対して、この実施形態(本発明)では、エミッタ領域15を梯子状に形成するとともに、エミッタ領域15の不純物濃度を従来技術より低濃度にし、エミッタ電極21がエミッタ領域15と接触する第1のコンタクト部21aの幅Weを広くし、エミッタ電極21がPチャネル領域14と接触する第2のコンタクト部21bの幅Wcを、第1のコンタクト部21aの幅Weより狭くしている。即ち、従来は一定であった第1のコンタクト部21aの幅と第2のコンタクト部21bの幅を、それぞれが最適となるように、異なる幅で設計している。
エミッタ電極21がエミッタ領域15と接触する第1のコンタクト部21aの幅Weを広くしているので、エミッタ電極21とエミッタ領域15との間のコンタクト抵抗のばらつきが低減される。また、エミッタ電極21がPチャネル領域14と接触する第2のコンタクト部21bの幅Wcを第1のコンタクト部21aの幅Weより狭くしているので、トレンチ16に沿って延びるエミッタ領域15のストライプ状部15aと第2のコンタクト部21bとの間の幅Wbを十分に確保できる。つまり、トレンチ16に沿って延びるエミッタ領域15のストライプ状部15aとエミッタ電極21との接触がなくなり、エミッタ抵抗を安定して確保できる。さらに、トレンチ16に沿って延びるようにエミッタ領域15のストライプ状部15aを形成しているので、アクティブ領域の面積を十分に確保でき、オン電圧を小さくすることができる。そして、エミッタ領域15の不純物濃度を低濃度としているため、エミッタ抵抗として機能するストライプ状部15aの抵抗値が高くなり、飽和電流が抑制される。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)IGBTは、エミッタ領域15が梯子状に形成されるとともに、エミッタ領域15の第2導電型の不純物濃度が従来のエミッタ領域の不純物濃度より低濃度のため、エミッタ抵抗を確保でき、飽和電流が抑制されて短絡耐量が向上する。即ち、外部抵抗を設けずに、IGBTの飽和電流を低減でき、短絡耐量を向上させることができる。
(1)IGBTは、エミッタ領域15が梯子状に形成されるとともに、エミッタ領域15の第2導電型の不純物濃度が従来のエミッタ領域の不純物濃度より低濃度のため、エミッタ抵抗を確保でき、飽和電流が抑制されて短絡耐量が向上する。即ち、外部抵抗を設けずに、IGBTの飽和電流を低減でき、短絡耐量を向上させることができる。
(2)エミッタ電極21は、エミッタ領域15のクロスバー状部15bに設けられた第1のコンタクト部においてエミッタ領域15と接触するため、第1のコンタクト部21aの幅を広くすることにより、エミッタ電極21とエミッタ領域15との間のコンタクト抵抗のばらつきが低減する。また、コンタクト部の形成プロセス中に発生するマスクずれの有無にかかわらず、即ち絶縁膜19に形成された開口部20のずれの有無にかかわらず、エミッタ領域15とエミッタ電極21とが接する面積を常に一定に保つことができる。これにより、左右のセルにおけるそれぞれのコレクタ−エミッタ間電流のバランスをとることができるので、コレクタ−エミッタ間電流のバランスが悪くなることに影響を受けて起こるオン電圧の上昇や短絡耐量の低下を抑制することができる。
(3)エミッタ領域15のストライプ状部15aがゲート絶縁膜17に沿って連続して延びるように形成され、かつエミッタ電極21は、Pチャネル領域14とはクロスバー状部15bの間に形成された第2のコンタクト部21bにおいて接触し、その第2のコンタクト部21bは、第1のコンタクト部21aより幅が狭く形成されている。そのため、エミッタ電極21がPチャネル領域14と接触する部分においては、トレンチ16に沿って延びるエミッタ領域15のストライプ状部15aと第2のコンタクト部21bとの間の幅Wbを十分に確保できる。即ち、第2のコンタクト部21bの幅に依存することなく、第1のコンタクト部21aの幅を設定できるので、第1のコンタクト部21aの幅を十分に広くしてコンタクト抵抗のばらつきを低減することが容易になる。
(4)(1)〜(3)の構成がトレンチ型IGBT10に適用されているため、プレナー型IGBTに比較してセルの微細化が可能なトレンチ型のIGBTにおいて、(1)〜(3)の効果が得られ、セルサイズの小型化に寄与する。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ エミッタ電極21がPチャネル領域14と接触する第2のコンタクト部21bは、エミッタ領域15の両クロスバー状部15bと連続する形状に限らない。例えば、図3(a)に示すように、第2のコンタクト部21bがそれぞれクロスバー状部15bから突出する形状に形成したり、図3(b)に示すように、第2のコンタクト部21bがクロスバー状部15bとは連続せずに、Pチャネル領域14の中央に存在する形状に形成したりしてもよい。これらの場合も前記実施形態と同様の効果が得られる。
○ エミッタ電極21がPチャネル領域14と接触する第2のコンタクト部21bは、エミッタ領域15の両クロスバー状部15bと連続する形状に限らない。例えば、図3(a)に示すように、第2のコンタクト部21bがそれぞれクロスバー状部15bから突出する形状に形成したり、図3(b)に示すように、第2のコンタクト部21bがクロスバー状部15bとは連続せずに、Pチャネル領域14の中央に存在する形状に形成したりしてもよい。これらの場合も前記実施形態と同様の効果が得られる。
○ IGBTはトレンチ型(縦型)に限らず、プレナー型(横型)であってもよい。プレナー型の場合は、例えば、図4に示すように、N−半導体層13上にPチャネル領域14が選択的に形成され、Pチャネル領域14の表面部にエミッタ領域15が梯子状に形成される。ゲート絶縁膜17は、エミッタ領域15のストライプ状部15aとPチャネル領域14とN−半導体層13との上面と接触する状態でストライプ状部15aに沿ってストライプ状に形成され、ゲート絶縁膜17上にゲート電極18がストライプ状に形成される。そして、図示しない絶縁膜19がPチャネル領域14、エミッタ領域15及びゲート電極18を覆うように形成されるとともに、絶縁膜19の上にエミッタ電極21(図示せず)が形成される。エミッタ電極21は絶縁膜19に設けられた開口部20と対応する部分の第1のコンタクト部21a及び第2のコンタクト部21bにおいて、エミッタ領域15及びPチャネル領域14と電気的に接続される。なお、エミッタ電極21がエミッタ領域15と接触する第1のコンタクト部21a及びPチャネル領域14と接触する第2のコンタクト部21bを、図4に二点鎖線で示す。
○ 第1の半導体層(P+コレクタ層11)上に形成された第2導電型の第2の半導体層はN+半導体層12及びN−半導体層13で構成する代わりに、N+半導体層12を省略してN−半導体層13のみで構成してもよい。
○ Nチャネル型のIGBTに限らず、Pチャネル型のIGBTとしてもよい。この場合、第1導電型の不純物と第2導電型の不純物とを逆に用いればよい。即ち、第1導電型の不純物をP型からN型に変更し、第2導電型の不純物をN型からP型に変更する。例えば、P+コレクタ層11をN+コレクタ層、N+半導体層12をP+半導体層、N−半導体層13をP−半導体層、Pチャネル領域14をNチャネル領域、エミッタ領域15の不純物をN型からP型とする。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第2の半導体層は、2層で構成され、前記第1の半導体層上に形成された第1の層はその上に形成された第2の層に比較して第2導電型の不純物濃度が高く形成されている。
(1)請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第2の半導体層は、2層で構成され、前記第1の半導体層上に形成された第1の層はその上に形成された第2の層に比較して第2導電型の不純物濃度が高く形成されている。
Wc,We…幅、11…第1の半導体層としてのP+コレクタ層、12…第2の半導体層を構成するN+半導体層、13…第2の半導体層を構成するN−半導体層、14…第3の半導体層としてのPチャネル領域、15…エミッタ領域、15a…ストライプ状部、15b…クロスバー状部、16…トレンチ、17…ゲート絶縁膜、18…ゲート電極、21…エミッタ電極、21a…第1のコンタクト部、21b…第2のコンタクト部、22…コレクタ電極。
Claims (2)
- 第1導電型の第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に形成された第2導電型の第2の半導体層と、
前記第2の半導体層上に形成された第1導電型の第3の半導体層と、
前記第3の半導体層の表面部にストライプ状部及びクロスバー状部からなる梯子状に形成された第2導電型のエミッタ領域と、
前記エミッタ領域のストライプ状部と前記第3の半導体層と前記第2の半導体層とに接触する状態で前記ストライプ状部に沿ってストライプ状に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上にストライプ状に形成されたゲート電極と、
前記第3の半導体層及び前記エミッタ領域に電気的に接続されたエミッタ電極と、
前記第1の半導体層に電気的に接続されたコレクタ電極とを備え、
前記エミッタ領域の第2導電型の不純物濃度は低濃度であり、
前記エミッタ電極の前記エミッタ領域と接触する第1のコンタクト部は、前記エミッタ領域のクロスバー状部において幅広に設けられており、前記エミッタ電極の前記第3の半導体層と接触する第2のコンタクト部は、前記第1のコンタクト部より幅が狭く形成されていることを特徴とする半導体装置。 - 前記ゲート絶縁膜は、前記エミッタ領域のストライプ状部の表面から前記第2の半導体層にまで延びるように形成されたトレンチの内壁面を覆うように形成され、前記ゲート電極は前記ゲート絶縁膜上から前記トレンチを埋めるように形成されている請求項1に記載の半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007013982A JP2008182032A (ja) | 2007-01-24 | 2007-01-24 | 半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007013982A JP2008182032A (ja) | 2007-01-24 | 2007-01-24 | 半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008182032A true JP2008182032A (ja) | 2008-08-07 |
Family
ID=39725697
Family Applications (1)
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JP2007013982A Pending JP2008182032A (ja) | 2007-01-24 | 2007-01-24 | 半導体装置 |
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JP (1) | JP2008182032A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101420528B1 (ko) | 2012-12-07 | 2014-07-16 | 삼성전기주식회사 | 전력 반도체 소자 |
CN113497033A (zh) * | 2020-03-19 | 2021-10-12 | 株式会社东芝 | 半导体装置及其控制方法 |
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2007
- 2007-01-24 JP JP2007013982A patent/JP2008182032A/ja active Pending
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