JP2008181782A - 光電変換素子及び太陽電池 - Google Patents

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英也 三輪
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Abstract

【課題】光電変換効率が高く、高耐久性の色素増感型の光電変換素子、及び該光電変換素子を備えた太陽電池を提供する。
【解決手段】対向電極間に下記一般式(1)で表される化合物を含有光電変換素子。
Figure 2008181782

【選択図】なし

Description

本発明は、光電変換素子、及び該光電変換素子用いた太陽電池に関する。
近年、無限で有害物質を発生しない太陽光の利用が精力的に検討されている。このクリーンエネルギー源である太陽光利用として現在実用化されているものは、住宅用の単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン及びテルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の無機系太陽電池が挙げられる。
しかしながら、これらの無機系太陽電池の欠点としては、例えば、シリコン系では非常に純度の高いものが要求され、当然精製の工程は複雑でプロセス数が多く、製造コストが高いことが挙げられる。
その一方で、有機材料を使う太陽電池も多く提案されている。有機太陽電池としては、p型有機半導体と仕事関数の小さい金属を接合させるショットキー型光電変換素子、p型有機半導体とn型無機半導体、あるいはp型有機半導体と電子受容性有機化合物を接合させるヘテロ接合型光電変換素子等があり、利用される有機半導体はクロロフィル、ペリレン等の合成色素や顔料、ポリアセチレン等の導電性高分子材料、またはそれらの複合材料等である。これらを真空蒸着法、キャスト法、またはディッピング法等により、薄膜化し電池材料が構成されている。有機材料は低コスト、大面積化が容易等の長所もあるが、変換効率は1%以下と低いものが多く、また耐久性も悪いという問題もあった。
こうした状況の中で、良好な特性を示す太陽電池がスイスのグレッツェル博士らによって報告された(例えば、非特許文献1参照。)。提案された電池は色素増感型太陽電池であり、ルテニウム錯体で分光増感された酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この方式の利点は酸化チタン等の安価な金属化合物半導体を高純度まで精製する必要がないこと、従って安価で、更に利用できる光は広い可視光領域にまで亘っており、可視光成分の多い太陽光を有効に電気へ変換できることである。
反面、資源的制約があるルテニウム錯体が使われているため、この太陽電池が実用化された場合にルテニウム錯体の供給が危ぶまれている。また、このルテニウム錯体は高価であることと、経時での安定性に問題があり、安価で安定な有機色素へ変更することが出来ればこの問題は解決出来る。
この電池の色素としてトリフェニルアミン構造を有する化合物を用いると光電変換効率が高い素子が得られることが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、これらの色素は酸化チタンへの吸着が低かったり、高い増感効果を得るには至っておらず、また耐久性にも問題があることがわかった。
特開2005−123033号公報 Nature,353,737(1991),B.O’ReganとM.Gratzel
本発明の目的は、光電変換効率が高く、高耐久性の色素増感型の光電変換素子、及び該光電変換素子を備えた太陽電池を提供することである。
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
1.対向電極間に下記一般式(1)または(2)で表される化合物を含有することを特徴とする光電変換素子。
Figure 2008181782
(一般式(1)中、R1〜R4は各々アルキル基、アリール基、複素環基を表し、R5、R6は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基を表す。Ar1、Ar2はアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。)
Figure 2008181782
(一般式(2)中、R7、R8は各々アルキル基、アリール基、複素環基を表し、R9は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基を表す。Ar3はアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。nは0または1を表す。)
2.前記一般式(1)または(2)で表される化合物が下記一般式(a)または(b)で表される置換基を含有することを特徴とする前記1に記載の光電変換素子。
Figure 2008181782
(一般式(a)中、Zは少なくとも一つ以上の酸性基を有するCと共に5員環または6員環を形成するのに必要な原子群を表し、Raは水素原子または置換基を表す。一般式(b)中、Xは電子求引性基を表し、Yは酸性基を表す。Rbは水素原子または置換基を表す。)
3.前記1または2に記載の光電変換素子を備えたことを特徴とする太陽電池。
本発明により、光電変換効率が高く、高耐久性の色素増感型の光電変換素子、及び該光電変換素子を備えた太陽電池を提供することができた。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、金属化合物半導体に前記一般式(1)、(2)で表される化合物(単に色素ともいう)を用いることで、熱や光に対して高い耐久性を有し、また光励起電子の生成効率の高い光電変換素子が得られることを見出した。また、これを用いて、高い光電変換率を有する太陽電池を提供することができた。
以下、本発明について詳述する。
本発明にかかる一般式(1)または(2)で表される化合物について説明する。
一般式(1)中、R1〜R4は各々アルキル基、アリール基、複素環基を表し、R5、R6は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基を表す。これらの基は置換基を有していてもよく、またこれらの基は互いに結合して環状構造を形成してもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。
アリール基(芳香族炭化水素基、芳香族炭素環基等ともいう)としては、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等が挙げられる。
複素環基としては、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、フタラジニル基等が挙げられる。
一般式(1)中、Ar1、Ar2はアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。これらの基は置換基を有してもよい。
アリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、ナフタセンジイル基、ピレンジイル基、ナフチルナフタレンジイル基、ビフェニルジイル基(例えば、[1,1′−ビフェニル]−4,4′−ジイル基、3,3′−ビフェニルジイル基、3,6−ビフェニルジイル基等)、テルフェニルジイル基、クアテルフェニルジイル基、キンクフェニルジイル基、セキシフェニルジイル基、セプチフェニルジイル基、オクチフェニルジイル基、ノビフェニルジイル基、デシフェニルジイル基等が挙げられる。
ヘテロアリーレン基としては、例えば、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(モノアザカルボリン環ともいい、カルボリン環を構成する炭素原子のひとつが窒素原子で置き換わった構成の環構成を示す)、トリアゾール環、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、キノキサリン環、チオフェン環、オキサジアゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、インドール環からなる群から導出される2価の基等が挙げられる。
1〜R4、R5、R6及びAr1、Ar2が表す置換基は、上記のように更に置換基を有してもよく、かかる置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいう)、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、ホスホノ基等が挙げられる。
一般式(2)中、R7、R8は各々アルキル基、アリール基、複素環基を表し、R9は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基を表す。これらの基は置換基を有していてもよく、またこれらの基は互いに結合して環状構造を形成してもよい。Ar3はアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。nは0または1を表す。
7、R8、R9が表す上記基は、一般式(1)のR1〜R4、R5、R6及と同義であり、Ar3は一般式(1)のAr1、Ar2と同義である。
一般式(1)または(2)は、前記一般式(a)または(b)で表される置換基を含有することが好ましい。以下、一般式(a)、(b)について説明する。
一般式(a)中、Zは少なくとも一つ以上の酸性基を有するCと共に5員環または6員環を形成するのに必要な原子群を表し、Raは水素原子または置換基を表す。
Cと共に形成される5員環としては、シクロペンタジエン環、ピロリジン環、ピラゾリジン環、イミダゾリジン環、イソオキサゾリジン環、イソチアゾリジン環、フラン環、チオフェン環、セレノフェン環、テルロフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環等が挙げられる。Cと共に形成される6員環としては、ベンゼン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環、セレノモルホリン環、テルロモルホリン環、ピラン環、チオピラン環、セレノピラン環、テルロピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環等が挙げられる。
Raが表す置換基としては、アルキル基、アリール基、複素環基が挙げられ、具体的にはR1〜R4で挙げられたものと同義である。
酸性基としては、下記一般式(b)中のYが表すものが挙げられる。
一般式(b)中、Xは電子求引性基を表し、Yは酸性基を表す。Rbは水素原子または置換基を表す。
Xで表される電子吸引性基としては、シアノ基(0.66)、カルバモイル基(0.36)、メトキシカルボニル基(0.45)、エトキシカルボニル基(0.45)、2−ベンゾオキサゾリル基(0.33)、2−ベンゾチアゾリル基(0.29)、1−フェニル−2−ベンゾイミダゾリル基(0.21)、クロロ原子(0.23)、フッ素原子(0.06)、ニトロ基(0.78)、テトラゾリル基(0.50)、フェニルベンゾイル基(0.43)、メチルスルホニル基(0.72)等が挙げられる。なお、()内の値は下記のハメットのσp値を示す。
本発明において、「電子吸引性基」とは下記のハメットのσp値が正の値を示す置換基のことであり、そのような置換基は水素原子と比べて結合原子側から電子を吸引しやすい特性を有する。
また、ハメットのσp値については、例えば、下記文献等が参照できる。ハメットのσp値とはハメットの置換基定数σpを指す。ハメットのσpの値は、Hammett等によって安息香酸エチルの加水分解に及ぼす置換基の電子的効果から求められた置換基定数であり、「薬物の構造活性相関」(南江堂:1979年)、「Substituent Constants for Correlation Analysis in chemistry and biology」(C.Hansch and A.Leo,John Wiley&Sons,New York,1979年)等。
Yで表される酸性基としては、カルボキシ基、スルホ基、スルフィニル基、ホスホリル基、ホスフィニル基、ホスホノ基等が挙げられる。
Rbが表す置換基はRaのそれと同義である。
以下、本発明に係る一般式(1)または一般式(2)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2008181782
Figure 2008181782
Figure 2008181782
Figure 2008181782
Figure 2008181782
Figure 2008181782
Figure 2008181782
Figure 2008181782
Figure 2008181782
以下、例示化合物の合成例を示す。
(例示化合物D−1の合成)
Figure 2008181782
化合物(A)55.8gをトルエン250mlに溶解し、N,N−ジメチルホルムアミド31mlを加え、5℃でオキシ塩化リン20mlを滴下した。次いで、室温で2時間撹拌した後、約40℃で還流し、放冷後、塩化メチレン200mlで希釈し、炭酸カリウム水溶液で中和した。有機相を分取し、残査をカラムクロトグラフィーにより精製して、ホルミル化された中間体(B)を40g得た。
中間体(B)2.0g、シアノ酢酸0.6g、酢酸アンモニウム0.8gを酢酸5.0gに溶解し、120℃で加熱攪拌した。30分後、加熱を停止すると直ぐに固化した。室温まで冷却後、水50mlを加えて攪拌し、結晶を濾取した。結晶をビーカーに移し、水100mlで2回洗浄し、次いで2−プロパノール(50ml)で2回洗浄し、例示化合物D−1を得た。例示化合物D−1の構造は1H−NMR、13C−NMR等を用いて確認した。
(例示化合物D−2の合成)
Figure 2008181782
中間体(B)62.6g(0.1モル)を塩化メチレン200mlに溶解し、15℃以下で臭素33.6gを溶解させた塩化メチレン60mlを滴下した。室温にて5時間撹拌した後、溶媒を留去し、アセトニトリルより再結晶し、中間体(C)を得た。
中間体(C)39.2g、2−ジヒドロキシボリルチオフェン6.4gをTHFに溶解し、これにPd(PPh341.67gのTHF溶液を加え、室温にて30分撹拌。その後、K2CO3、11.8gの水溶液を加え、室温にて6.5時間撹拌する。反応液をクロロホルムを加え、クロロホルム相をよく水洗し、残査をカラムクロトグラフィーにより精製して、中間体(D)を得た。
中間体(D)のホルミル化、更にはシアノ酢酸との反応は化2と同様に行い、例示化合物D−2を合成した。例示化合物D−2の構造は1H−NMR、13C−NMR等を用いて確認した。
(例示化合物D−3の合成)
Figure 2008181782
化合物(C)を用い、化12の中間体(B)の合成と同様にして、中間体(F)を得た。中間体(F)25.6g、ローダニン−3−酢酸7.4g、酢酸アンモニウム5.12gを酢酸100mlに溶解し、120℃で加熱撹拌。30分後、加熱を停止する。室温まで冷却し、固化した残査に水を加えて撹拌し、結晶を濾取する。粗結晶を2−プロパノールで再結晶し、例示化合物D−3を得た。例示化合物D−3の構造は1H−NMR、13C−NMR等を用いて確認した。
その他の例示化合物も上記合成法に準じて合成することができる。
本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物は、本発明の光電変換素子の半導体の増感処理に用いられる。半導体としては金属化合物半導体が好ましく用いられる。金属化合物半導体については、後に詳細に説明する。
一般式(1)、(2)で表される化合物は、本発明の光電変換素子や太陽電池に用いた場合、光電変換時において光酸化反応を繰り返すことにより電流を発生させる。
一般式(1)、(2)で表される化合物は、後述する金属化合物半導体表面に吸着または該半導体中に含まれることにより増感し、本発明に記載の効果である高い光電変換効率を示すことが可能となる。
ここで、金属化合物半導体に一般式(1)、(2)で表される化合物を含むとは、半導体表面への吸着、半導体が多孔質等のポーラスな構造を有する場合には、半導体の多孔質構造に前記色素を充填する等の種々の態様が挙げられる。
また、半導体層1m2当たりの一般式(1)、(2)で表される化合物の含有量は0.01〜100ミリモルの範囲が好ましく、更に好ましくは0.1〜50ミリモルであり、特に好ましくは0.5〜20ミリモルである。
本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物を用いて増感処理を行う場合、前記化合物を単独で用いてもよいし、複数を併用してもよく、また他の化合物(例えば、米国特許第4,684,537号明細書、同4,927,721号明細書、同5,084,365号明細書、同5,350,644号明細書、同5,463,057号明細書、同5,525,440号明細書、特開平7−249790号公報、特開2000−150007号公報等に記載の化合物)と混合して用いることもできる。
特に、本発明の光電変換素子の用途が後述する太陽電池である場合には、光電変換の波長域をできるだけ広くして太陽光を有効に利用できるように吸収波長の異なる二種類以上の色素を混合して用いることが好ましい。
金属化合物半導体に本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物を含ませるには、前記化合物を適切な溶媒(エタノール等)に溶解し、その溶液中によく乾燥した半導体を長時間浸漬する方法が一般的である。
本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物を複数種類併用したり、その他、従来公知の増感色素を併用して増感処理する際には、各々の化合物の混合溶液を調製して用いてもよいし、それぞれの化合物について溶液を用意して、各溶液に順に浸漬して調製することもできる。
各化合物について別々の溶液を用意し、各溶液に順に浸漬して調製する場合は、半導体に前記化合物を含ませる順序がどのようであっても本発明に記載の効果を得ることができる。また、前記化合物を単独で吸着させた半導体(微粒子状が好ましい)を混合する等により作製してもよい。
吸着処理は半導体が粒子状の時に行ってもよいし、導電性支持体上に半導体層を形成した後に行ってもよい。吸着処理に用いる化合物を溶解した溶液はそれを常温で用いてもよいし、該化合物が分解せず溶液が沸騰しない温度範囲で加熱して用いてもよい。
後述する光電変換素子の製造のように、半導体粒子の塗布後に前記化合物の吸着を実施してもよい。
半導体粒子と本発明に係る前記化合物とを同時に塗布することにより、前記化合物の吸着を実施してもよい。また、未吸着の化合物は洗浄によって除去することができる。
本発明に係る金属化合物半導体の増感処理の詳細については、後述する光電変換素子のところで具体的に説明する。
また、空隙率の高い金属酸化物半導体の場合には、空隙に水分、水蒸気等により水が半導体薄膜上、並びに半導体薄膜内部の空隙に吸着する前に前記化合物の吸着処理を完了することが好ましい。
〔光電変換素子〕
次に本発明の光電変換素子について説明する。
本発明の光電変換素子の形態としては、導電性支持体上に半導体に色素を含ませてなる電極(光電極)と、電解質層を介してこの対向位置に電極(対向電極)を配置してなるものが挙げられる。
以下、半導体、光電極、電解質、対向電極について順次説明する。
(半導体)
光電極に用いられる半導体としては、金属化合物半導体が好ましい。金属化合物半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体、周期表(元素周期表ともいう)の第3〜第5族、第13〜第15族系の元素を有する化合物、金属のカルコゲニド(例えば、酸化物、硫化物、セレン化物等)、金属窒化物等を使用することができる。
好ましい金属のカルコゲニドとして、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。
他の化合物半導体としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等が挙げられる。
具体例としては、TiO2、SnO2、Fe23、WO3、ZnO、Nb25、CdS、ZnS、PbS、Bi23、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS2、CuInSe2、Ti34等が挙げられるが、好ましくはTiO2、ZnO、SnO2、Fe23、WO3、Nb25、CdS、PbSであり、更に好ましいのはTiO2またはNb25である。上記の中でも特に好ましいのは、TiO2である。
光電極に用いる金属化合物半導体は、上述した複数の半導体を併用して用いてもよい。例えば、上述した金属酸化物もしくは金属硫化物の数種類を併用することもできるし、また、酸化チタン半導体に20質量%の窒化チタン(Ti34)を混合して使用してもよい。また、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,15(1999)記載の酸化亜鉛/酸化錫複合としてもよい。このとき、半導体として金属酸化物もしくは金属硫化物以外に成分を加える場合、追加成分の金属酸化物もしくは金属硫化物半導体に対する質量比は30%以下であることが好ましい。
また、本発明に係る金属化合物半導体は有機塩基を用いて表面処理してもよい。前記有機塩基としては、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン、キノリン、ピペリジン、アミジン等が挙げられるが、中でもピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジンが好ましい。
上記の有機塩基が液体の場合は、そのまま固体の場合は有機溶媒に溶解した溶液を準備し、本発明に係る金属化合物半導体を液体アミンまたはアミン溶液に浸漬することで、表面処理を実施できる。
(導電性支持体)
本発明の光電変換素子や本発明の太陽電池に用いられる導電性支持体には、金属板のような導電性材料や、ガラス板やプラスチックフイルムのような非導電性材料に導電性物質を設けた構造のものを用いることができる。導電性支持体に用いられる材料の例としては、金属(例えば、白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム)あるいは導電性金属酸化物(例えば、インジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素をドープしたもの)や炭素を挙げることができる。導電性支持体の厚さは特に制約されないが、0.3〜5mmが好ましい。
また、導電性支持体は実質的に透明であることが好ましく、実質的に透明であるとは光の透過率が10%以上であることを意味し、50%以上であることが更に好ましく、80%以上であることが最も好ましい。透明な導電性支持体を得るためには、ガラス板またはプラスチックフイルムの表面に導電性金属酸化物からなる導電性層を設けることが好ましい。透明な導電性支持体を用いる場合、光は支持体側から入射させることが好ましい。
導電性支持体は表面抵抗は50Ω/cm2以下であることが好ましく、10Ω/cm2以下であることが更に好ましい。
(光電極の作製)
本発明に係る半導体に色素を含ませてなる電極(光電極)の作製方法について説明する。
光電極の金属化合物半導体が粒子状の場合には、金属化合物半導体を導電性支持体に塗布あるいは吹き付けて、光電極を作製するのがよい。また、金属化合物半導体が膜状の場合には、金属化合物半導体を導電性支持体上に貼合して光電極を作製することが好ましい。
本発明に係る光電極の好ましい態様としては、上記導電性支持体上に上記金属化合物半導体の粒子を用いて焼成により形成する方法が挙げられる。
本発明に係る金属化合物半導体が焼成により作製される場合には、色素を用いての該半導体の増感(吸着、多孔質層への充填等)処理は、焼成後に実施することが好ましい。焼成後、半導体に水が吸着する前に素早く化合物の吸着処理を実施することが特に好ましい。
以下、本発明に好ましく用いられる、光電極を金属化合物半導体微粉末を用いて焼成により形成する方法について詳細に説明する。
(半導体微粉末含有塗布液の調製)
まず、金属化合物半導体の微粉末を含む塗布液を調製する。この半導体微粉末はその1次粒子径が微細な程好ましく、その1次粒子径は1〜5000nmが好ましく、更に好ましくは2〜50nmである。半導体微粉末を含む塗布液は、半導体微粉末を溶媒中に分散させることによって調製することができる。溶媒中に分散された半導体微粉末はその1次粒子状で分散する。溶媒としては半導体微粉末を分散し得るものであればよく、特に制約されない。
前記溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合液が包含される。有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。塗布液中には、必要に応じ界面活性剤や粘度調節剤(ポリエチレングリコール等の多価アルコール等)を加えることができる。溶媒中の半導体微粉末濃度の範囲は0.1〜70質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜30質量%である。
(半導体微粉末含有塗布液の塗布と形成された半導体層の焼成処理)
上記のようにして得られた半導体微粉末含有塗布液を導電性支持体上に塗布または吹きつけ、乾燥等を行った後、空気中または不活性ガス中で焼成して、導電性支持体上に半導体層(半導体膜)が形成される。
導電性支持体上に塗布液を塗布、乾燥して得られる皮膜は、半導体粒子の集合体からなるもので、その微粒子の粒径は使用した半導体微粉末の1次粒子径に対応するものである。
このようにして導電性支持体等の導電層上に形成された半導体粒子層は、導電性支持体との結合力や微粒子相互の結合力が弱く、機械的強度の弱いものであることから、機械的強度を高め、基板に強く固着した半導体層とするため前記半導体粒子層の焼成処理が行われる。
本発明においては、この半導体層はどのような構造を有していてもよいが、多孔質構造膜(空隙を有する、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
ここで、本発明に係る半導体層の空隙率は10体積%以下が好ましく、更に好ましくは8体積%以下であり、特に好ましくは0.01〜5体積%である。なお、半導体層の空隙率は誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(島津ポアライザー9220型)等の市販の装置を用いて測定することができる。
多孔質構造を有する焼成物膜になった半導体層の膜厚は少なくとも10nm以上が好ましく、更に好ましくは100〜10000nmである。
焼成処理時、焼成物膜の実表面積を適切に調製し、上記の空隙率を有する焼成物膜を得る観点から、焼成温度は1000℃より低いことが好ましく、更に好ましくは200〜800℃の範囲であり、特に好ましくは300〜800℃の範囲である。
また、見かけ表面積に対する実表面積の比は、半導体粒子の粒径及び比表面積や焼成温度等によりコントロールすることができる。また、加熱処理後、半導体粒子の表面積を増大させたり、半導体粒子近傍の純度を高め、色素から半導体粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば、四塩化チタン水溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよい。
(金属化合物半導体の増感処理)
金属化合物半導体の増感処理は、前述のように本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物を適切な溶媒に溶解し、その溶液に前記半導体を焼成した基板を浸漬することによって行われる。その際には半導体層(半導体膜ともいう)を焼成により形成させた基板を、予め減圧処理したり加熱処理したりして膜中の気泡を除去し、本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物が半導体層(半導体膜)内部深くに進入できるようにしておくことが好ましく、半導体層(半導体膜)が多孔質構造膜である場合には特に好ましい。
本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物を溶解するのに用いる溶媒は、前記化合物を溶解することができ、且つ半導体を溶解したり半導体と反応したりすることのないものであれば格別の制限はないが、溶媒に溶解している水分及び気体が半導体膜に進入して、前記化合物の吸着等の増感処理を妨げることを防ぐために、予め脱気及び蒸留精製しておくことが好ましい。
前記化合物の溶解において、好ましく用いられる溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒であり、特に好ましくはメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンである。
(増感処理の温度、時間)
金属化合物半導体を焼成した基板を本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物を含む溶液に浸漬する時間は、半導体層(半導体膜)に前記化合物が深く進入して吸着等を充分に進行させ、半導体を十分に増感させ、且つ溶液中での前記化合物の分解等により生成して分解物が化合物の吸着を妨害することを抑制する観点から、25℃条件下では3〜48時間が好ましく、更に好ましくは4〜24時間である。この効果は、特に半導体膜が多孔質構造膜である場合において顕著である。但し、浸漬時間については25℃条件での値であり、温度条件を変化させて場合には、上記の限りではない。
浸漬しておくに当たり、本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物を含む溶液は、前記色素が分解しないかぎりにおいて、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよい。好ましい温度範囲は10〜100℃であり、更に好ましくは25〜80℃であるが、前記の通り溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合はこれらに限定されない。
(電解質層)
本発明に係る電解質層について説明する。
電解質層にはレドックス電解質が好ましく用いられる。ここで、レドックス電解質としては、I-/I3-系や、Br-/Br3-系、キノン/ハイドロキノン系等が挙げられる。このようなレドックス電解質は従来公知の方法によって得ることができ、例えば、I-/I3-系の電解質は、ヨウ素のアンモニウム塩とヨウ素を混合することによって得ることができる。電解質層はこれらレドックス電解質の分散物で構成され、それら分散物は溶液である場合に液体電解質、常温において固体である高分子中に分散させた場合に固体高分子電解質、ゲル状物質に分散された場合にゲル電解質と呼ばれる。
電解質層として液体電解質が用いられる場合、その溶媒としては電気化学的に不活性なものが用いられ、例えば、アセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネート等が用いられる。固体高分子電解質の例としては、特開2001−160427号公報記載の電解質が、ゲル電解質の例としては「表面科学」21巻、第5号288〜293頁に記載の電解質が挙げられる。
(対向電極)
本発明に用いられる対向電極について説明する。
対向電極は導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料が用いられるが、I3-イオン等の酸化や他のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる触媒能を持ったものの使用が好ましい。このようなものとしては、白金電極、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等が挙げられる。
本発明の光電変換素子について、図で説明する。
図1は、本発明の光電変換素子の1例を示す構成断面図である。
図1に示すように、本発明の光電変換素子は、基板1、透明導電膜2、金属化合物半導体3、増感色素4、電解質5、基板6、透明導電膜7、白金8等から構成されている。
光電極として、透明導電膜2を付けた基板1(導電性支持体とも言う。)上に金属化合物半導体3の粒子を焼結して形成した空孔を有する半導体層を有し、その空孔表面に増感色素4を吸着させたものが用いられる。
対向電極には、基板6上の透明導電膜7に白金8を蒸着したもの等が好ましく用いられ、光電極と対向電極間には電解質層5として電解質が充填されている。
〔太陽電池〕
本発明の太陽電池について説明する。
本発明の太陽電池は本発明の光電変換素子の一態様として、太陽光に最適の設計並びに回路設計が行われ、太陽光を光源として用いたときに最適な光電変換が行われるような構造を有する。
即ち、色素増感された金属化合物半導体に太陽光が照射されうる構造となっている。本発明の太陽電池を構成する際には、前記光電極、電解質層及び対向電極をケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
本発明の太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、金属化合物半導体に吸着された本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物(増感色素分子として作用する)は照射された光もしくは電磁波を吸収して励起する。
励起によって発生した電子は金属化合物半導体に移動し、次いで導電性支持体を経由して対向電極に移動して、電解質層のレドックス電解質を還元する。
一方、半導体に電子を移動させた本発明に係る一般式(1)、(2)で表される化合物(増感色素分子として作用する)は酸化体となっているが、対向電極から電解質層のレドックス電解質を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に電解質層のレドックス電解質は酸化されて、再び対向電極から供給される電子により還元されうる状態に戻る。
上記のようにして電子が流れ、本発明の光電変換素子を用いた本発明の太陽電池を構成することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
(光電変換素子SC−1の作製)
市販の酸化チタンペースト(粒径18nm)をフッ素ドープ酸化スズ(FTO)導電性ガラス基板へドクターブレード法により塗布した。60℃で10分間加熱してペーストを乾燥させた後、500℃で30分間焼成を行い、厚さ5μmの酸化チタン薄膜を得た。
例示化合物D−1をエタノールに溶解させ、3×10-4mol/Lの溶液を調製した。酸化チタンを塗布焼結させたFTOガラス基板を、この溶液に室温で16時間浸漬させて、色素の吸着処理を行なった後、クロロホルムで洗浄、真空乾燥し、光電変換電極とした。
電解液にはヨウ化リチウム0.4mol/L、ヨウ素0.05mol/L、4−(t−ブチル)ピリジン0.5mol/Lを含む3−メチルプロピオニトリル溶液を用いた。
対極に白金板を用い、先に作製した光電変換電極ならびに電解液とクランプセルで組み立てることにより光電変換素子SC−1を得た。
(光電変換素子SC−2〜SC−5の作製)
光電変換素子SC−1の作製において、例示化合物D−1を表1中の化合物に変更した以外は同様にして、それぞれ光電変換素子SC−2〜SC−5を得た。
(光電変換素子SC−R1、SC−R2の作製)
光電変換素子SC−1の作製において、例示化合物D−1を下記R−1及びR−2に変更した以外は同様にして、それぞれ光電変換素子SC−R1及びSC−R2を得た。
Figure 2008181782
(光電変換素子の評価)
得られた光電変換素子SC−1〜SC−5、比較の光電変換素子SC−R1、SC−R2の各々について、下記のようにして光電変換性能を評価した。
得られた光電変換素子SC−1〜SC−5、比較の光電変換素子SC−R1、SC−R2の各々を、ソーラーシミュレータ(ワコム電創株式会社製、商品名;「WXS−85−H型」)を用い、AMフィルター(AM−1.5)を通したキセノンランプから100mW/cm2の疑似太陽光を照射することにより、各光電変換素子について、I−Vテスターを用いて、室温にて電流−電圧特性として、短絡電流(Jsc)、開放電圧(Voc)の発生を測定し、変換効率を求めた。なお、変換効率は本発明の光電変換素子SC−1の値を100とする相対評価で示す。
また、耐久性については、下記にように評価を行った。
耐久性は、光電変換素子の初期の変換効率A(組み立て直後の変換効率である)と、太陽光を100時間(合計の照射時間)照射後の変換効率Bとから、下記式を用いて耐久性評価を算出した。
耐久性(%)=(B/A)×100(%)
得られた結果を表1に示す。
Figure 2008181782
表1から、比較に比べて、本発明の光電変換素子SC−1〜SC−5は、いずれも良好な光電変換効率を示していることが分かる。
また、本発明に係る色素を用いた光電変換素子SC−1〜SC−5は、比較のトリフェニルアミン及びRu錯体を用いた光電変換素子SC−R1〜SC−R2を大幅に上回る耐久性を有することが分かる。
更に、各光電変換素子を樹脂で封入した後、ロード線を取り付けて太陽電池として組み立て、上記と同様の評価を行った結果、本発明の試料は長期に亘り良好な性能を示すことが分かった。
実施例2
(光電変換素子SE−1の作製)
FTO電極にアルコキシチタン溶液(松本交商:TA−25/IPA希釈)をスピンコート法にて塗布。室温で30分放置後、450℃で間焼成を行い、短絡防止層とした。続いて、市販の酸化チタンペースト(粒径18nm)を上記基盤へドクターブレード法により塗布した後、60℃で10分間加熱処理後、500℃で30分間焼成を行い、厚さ5μmの酸化チタン薄膜を有する半導体電極基盤を得た。
例示化合物D−1をエタノールに溶解させ、3×10-4mol/Lの溶液を調製した。上記半導体電極基盤をこの溶液に室温で16時間浸漬させて、色素の吸着処理を行なった後、クロロホルムで洗浄、真空乾燥し、光電変換電極とした。
次に、トルエン溶媒中にホール輸送剤として、下記spiro−Ome TADを0.17M、ホールドーピング剤としてN(PhBr)3SbCl6を033mM、Li[(CF3SO22N]を15mMを溶解させ、色素吸着後の上記光電変換電極上にスピンコートし、ホール移動層を形成した。更に真空蒸着法により金を30nm蒸着し、対極を作製した。
(光電変換素子SE−R1、SE−R2の作製)
光電変換素子SE−1の作製おいて、例示化合物D−1を前記R−1及びR−2に変更した以外は同様にして、それぞれ光電変換素子SE−R1、SE−R2を得た。
得られた光電変換素子について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2008181782
表2から、本発明の光電変換素子SE−1は、良好な光電変換効率を示していることが分かる。また、本発明に係る色素を用いた光電変換素子SE−1は、比較のトリフェニルアミン及びRu錯体を用いた光電変換素子SE−R1、SE−R2を大幅に上回る耐久性を有することが分かる。
本発明の光電変換素子の1例を示す構成断面図である。
符号の説明
1、6 基板
2、7 透明導電膜
3 金属化合物半導体
4 増感色素
5 電解質
8 白金

Claims (3)

  1. 対向電極間に下記一般式(1)または(2)で表される化合物を含有することを特徴とする光電変換素子。
    Figure 2008181782
    (一般式(1)中、R1〜R4は各々アルキル基、アリール基、複素環基を表し、R5、R6は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基を表す。Ar1、Ar2はアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。)
    Figure 2008181782
    (一般式(2)中、R7、R8は各々アルキル基、アリール基、複素環基を表し、R9は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基を表す。Ar3はアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。nは0または1を表す。)
  2. 前記一般式(1)または(2)で表される化合物が下記一般式(a)または(b)で表される置換基を含有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
    Figure 2008181782
    (一般式(a)中、Zは少なくとも一つ以上の酸性基を有するCと共に5員環または6員環を形成するのに必要な原子群を表し、Raは水素原子または置換基を表す。一般式(b)中、Xは電子求引性基を表し、Yは酸性基を表す。Rbは水素原子または置換基を表す。)
  3. 請求項1または2に記載の光電変換素子を備えたことを特徴とする太陽電池。
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