JP2008181059A - 感光性樹脂版材 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光性樹脂層と基材の両方と優れた接着力を有し、コート液作成作業工程が簡便で製造時のコート膜の外観品位に優れた接着層を提供することである。さらに該接着層を使用して、水現像可能な感光性樹脂層と基材が強固に接着した感光性樹脂版材を提供する。
【解決手段】(1)寸法安定性に優れる基材上に接着層を介して合成ゴム系感光性樹脂層を設けてなる感光性樹脂版材であって、該接着層が次の成分を含有することを特徴とする水現像可能な感光性樹脂版材。 (A)共重合ポリエステル樹脂 (B)多官能イソシアネート (C)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する液状ゴムオリゴマー (D)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する光重合性化合物(2)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する光重合性化合物が分子中に3つの光重合性基を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂版材。
【選択図】 なし

Description

本発明は感光性樹脂版材に関するものであり、さらに詳しくは、フレキソ印刷に用いられる水現像可能な感光性樹脂版材に関するものである。
フレキソ印刷用の印刷版は、手彫り版から鋳造型、さらに感光性樹脂版材とその主流が変わりつつある。近年、より高精度な印刷技術が求められていることから、印刷版に感光性樹脂版材を使用することが急激に増加している。
フレキソ印刷用の感光性樹脂版は、その大部分が寸法安定性のよいポリエステルフィルムなどを基材として、その上に接着層を介して感光性樹脂層が設けられている。
感光性樹脂層と基材を貼り合わせる接着層の働きは重要である。感光性樹脂層と基材との接着力が不足すると、現像工程において基材と感光性樹脂層が剥がれたり、印刷機の版胴に接着テープで印刷版を固定して印刷作業をおこなう場合に、レリーフが剥離・移動し印刷不良の原因となる。また、印刷終了後に印刷版を印刷機械から剥離して回収するときに、基板からレリーフ画像が剥離してしまい、そのレリーフを再び印刷に使用することができなくなるなどの問題がおこる。
ポリエステルフィルムを基材とする場合、溶剤に可溶な共重合ポリエステルを主成分とする系が良好な接着層を示すことが報告されており、接着層を形成する組成物として、この共重合ポリエステルを含有する組成物を用いた様々な報告がある。
例えば、ポリエステルをウレタン変性した後、多官能イソシアネートと反応させて架橋して形成したポリエステルポリウレタン樹脂でなる接着層が開示されている(特許文献1)また、ポリエステルに光重合性ビニルモノマーを光硬化して形成した接着層が開示されている(特許文献2)。
上述の従来技術に加えて、現像工程においても十分な接着力を有する接着層が特許文献3,4で提案されている。これらは、共重合ポリエステル、イソシアネートおよびエチレン性不飽和化合物等からなる組成物で形成された接着層を開示している。しかしながら、特許文献3では、上記組成物を用いて形成した接着層が十分な接着力を得るためには、50℃で2週間のエージングを行ってウレタン化などのイオン的付加反応を完結させる必要があるので、生産効率が悪いという欠点がある。また、特許文献4では、基材上に接着層を形成した後に、基材との接着層に寄与しなかったイソシアネート基、すなわち接着層中に残存するイソシアネート基によって感光性樹脂層が接着されている。そのため、上記のように基材上に接着層を形成した後、長時間が経過して残存イソシアネートが減少すると接着力が経時的に低下するという欠点があり、感光性樹脂版を工業的に生産する場合に、工程管理上不利であるという欠点がある。
ところで、フレキソ印刷版の多くは、有機溶剤を用いて現像されるものである。有機溶剤の使用は必然的に、廃液処理、作業者の衛生上、環境上の問題がある。そのため、水現像可能なフレキソ印刷版が強く望まれている。この要求に答え、近年、幾つかの水現像可能なフレキソ版が提案、実用化されている(特許文献5、6)。ただ、有機溶剤現像版と水現像版では、必然的に樹脂感光層を構成している成分は大きく異なる。そのため、上述した従来の接着層は有機溶剤現像版に対応したものであり、水現像可能な感光性樹脂層との接着力は大幅に不足している。
一方、水現像可能な樹脂感光層に適する接着層(特許文献7)が提案され、共重合ポリエステル樹脂、多官能イソシアネート、水酸基及びアクロイル基を有する化合物を必須として含むものである。しかしながら、特許文献7の接着層でも、合成ゴム系感光性樹脂層に対して満足した接着力が得られておらず、特に水分散ラテックス系感光性樹脂層に対しては満足する高接着力は得られていなかった。
特許文献8では、特許文献7の配合物に合成ゴムを配合した接着層が提案されている。これは、ゴム成分を配合することで感光性樹脂層との接着力向上を狙ったものである。しかし、特許文献8の接着層のコート液組成物では、塗工・乾燥時にゴム成分が層分離を起しやすいために接着層コート面が不均一となって外観品位が低下する問題が起こりやすい。又、高分子量のゴム成分を使用しているためにゴム成分を溶解する工程が増え、作業性の低下や製造コストアップにつながる問題点があった。
特公昭52−50563号公報 特公昭41−12987号公報 特開昭58−174945号公報 特開昭60−146235号公報 特開平03−136052号公報 特開2005−148587号公報 特開平06−67426号公報 特開2006−154038号公報
本発明は、上記状況を鑑みてなされてものであり、その目的は、感光性樹脂層と基材の両方と優れた接着力を有し、コート液作成作業工程が簡便で製造時のコート膜の外観品位に優れた接着層を提供することである。さらに該接着層を使用して、水現像可能な感光性樹脂層と基材が強固に接着した感光性樹脂版材を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題について鋭意検討した結果、接着剤の成分を詳細に検討することにより上記課題を解決しうることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の通りである。
(1)寸法安定性に優れる基材上に接着層を介して合成ゴム系感光性樹脂層を設けてなる感光性樹脂版材であって、該接着層が次の成分を含有することを特徴とする水現像可能な感光性樹脂版材。
(A)共重合ポリエステル樹脂
(B)多官能イソシアネート
(C)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する液状ゴムオリゴマー
(D)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する光重合性化合物
(2)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する光重合性化合物が分子中に3つの光重合性基を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂版材。
(3)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する液状ゴムオリゴマーが0.5〜2.0モル/kgの水酸基を含有し、且つ両末端が水酸基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂版材。
本発明は感光性樹脂層と基材が接着層を介して強固に接着することができ、現像工程や長期間の印刷においても基材からレリーフが剥がれることがなく長期間安定して印刷を行うことができる。また、本発明は簡便な接着層製造工程で外観品位にも優れた接着層が得られ、外観品位と接着力の両者を満足しうる感光性樹脂版材を提供できる。
本発明の感光性樹脂版材は、基材上に接着層を介して水現像可能な合成ゴム系感光性樹脂層を設けてなるが、カバーフィルム、粘着防止層などの層を含んでいてもよい。合成ゴム系感光性樹脂層は、ネガを通して活性光線により露光した後、現像液により未露光部が洗い出される性質を有するものである。
本発明に使用される基材は、寸法安定性の良好な材料であることが好ましい。例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属版、ゴム、プラスチックなどの重合体からなるフィルム、シート、紙、布などが用いられ、ポリエチレンテレフタレートが好適に用いられる。基材の形状は、シート状や円筒状のものが好ましく用いられる。
本発明に使用されるポリエステルフィルムは、接着層を向上させる目的で塗布されている層(下引き層)を有するものでもよい。この下引き層は通常、0.001〜1μm程度の厚みで塗布されている。下引き層を有するポリエステルフィルムは二軸延伸フィルムを製造する工程で下引き層成分を塗布する、いわゆるインライン工程で製造することが好ましい。これら下引き層の有無については、赤外線吸収スペクトル測定や電子分光法による測定などの公知技術によって調べることができる。更には、支持体にイオンビームを照射し、支持体表面を分解し、その分解物を調べることによっても、下引き層の有無を調べることができる。
このような下引き層を有するフィルムは市販されており、本発明でも使用できる。このような下引き層を有するポリエステルフィルムの例としては、東洋紡績株式会社製の「コスモシャインA4000番」(商標)シリーズ、東レ株式会社製の「ルミラーT90番」(商標)シリーズ、帝人株式会社の「テトロンHPE、SG2」(商標)、デュポン株式会社の「メリネックス700番」(商標)シリーズなどが挙げられる。
本発明における接着層は、(A)共重合ポリエステル樹脂、(B)多官能イソシアネート、(C)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する液状ゴムオリゴマー、(D)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する光重合性化合物を含有する。
本発明における(A)共重合ポリエステルとしては、カルボン酸およびその誘導体と多価アルコール類から合成され、有機溶剤に可溶なポリエステル樹脂が使用できる。
カルボン酸およびその誘導体成分としては特に限定されないが、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシイソフタル酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)バァレリック酸、p―ヒドロキシフェニル酢酸などが挙げられる。このうち、テレフタル酸を30〜70モル%含有することが、接着層の面から好ましい。
多価アルコール成分としては、特に限定されないが、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサスド付加物、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタンジオール、1,10−デカンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロ[5.2.1.02、7]デカン−4,8−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等などの二価アルコールや、必要に応じてトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリートなどの三価以上の多価アルコールを用いることができる。
上記カルボン酸類と多価アルコール類とを任意に組み合わせることにより、所望の共重合ポリエステルを製造することができる。共重合ポリエステルの数平均分子量は、5000〜100000であることが必要であり、好ましくは、10000〜50000である。数平均分子量が5000未満では、接着力が乏しい。反対に100000以上であれば、溶融粘度が高くなりすぎ作業上困難である。
共重合ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、−20℃〜80℃であることが好ましく、さらに好ましくは、0℃〜30℃である。ガラス転移温度がー20℃未満であれば、ブロッキングが激しく接着層を塗布したフィルムを巻き取ることができない。反対に80℃以上であれば、接着力が乏しい。
共重合ポリエステル樹脂の水酸基価(KOH mg/g)は2〜10の範囲が好ましい。2未満であれば、多価イソシアネートとの架橋が不十分であり、反対に10以上であれば架橋が密になりすぎ接着力が低下する。
本発明における(B)多官能イソシアネートとしては、脂肪族、芳香族を問わずその分子内にイソシネート基を2個以上含有する多価イソシアネート類、これらの多価イソシアネート類と多価アルコール類との付加物、および熱解離してイソシアネート基を発生するブロック型イソシアネート類が使用できる。
本発明における(C)液状合成ゴムオリゴマーは、分子内に水酸基をもつことが必須である。分子内に水酸基をもつ合成ゴムであれば、本接着層に配合してある多官能イソシアネートと重付加反応を起こし、接着層のマトリックスの中に合成ゴム成分が組み込まれる。これによってゴム成分は、層分離することなく接着層組成の分子中に安定化する。このため、接着層乾燥時や乾燥後にゴム成分がブリードアウトして層分離することがなく、外観品位及び接着性能に優れた接着層が得られる。さらに接着層を長期保管しても経時変化が少なく、優れた外観品位と接着性能とを保持できる。
本発明における(C)分子末端に一つ以上の水酸基を有する液状ゴムオリゴマーは分子末端に0.5〜2.0モル/kgの水酸基を含有する合成ゴムとしては、ブタジエンゴムまたはイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴムなどの原料ゴムあるいはエラストマーや、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリル酸共重合体などのジエン類の共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン類の共重合体が挙げられるが、その中でもブタジエンゴムまたはイソプレンゴムが好ましい。さらに好ましくは、ブタジエンゴムである。これらのゴム成分を使用することで、感光性樹脂層との接着をより高めることが可能である。
本発明で使用する合成ゴムは室温(25℃)で液状であることが好ましい。上述の数平均分子量が500〜10000の範囲の合成ゴムであれば室温で液状であり、接着層配合時に直接投入できる。これに対し、数平均分子量が10000以上のものであれば室温で固体状であり、接着層用コート液組成物作製前に一度合成ゴムを溶解する工程が増える問題点が起こる。
本発明で使用する(C)分子末端に少なくとも一つ以上の水酸基をもつ液状合成ゴムオリゴマーとしては、ブタジエンゴムまたはイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴムなどの原料ゴムあるいはエラストマーや、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリル酸共重合体などのジエン類の共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン類の共重合体が挙げられるが、その中でもブタジエンゴムまたはイソプレンゴムが好ましい。さらに好ましくは、ブタジエンゴムである。これらのゴム成分を使用することで、感光性樹脂層との接着をより高めることが可能である。
液状合成ゴムオリゴマーは、コート液の安定性及び接着層コート面の外観品位の面から分子末端の水酸基の数が2つであることが好ましい。分子末端の水酸基の数は、好ましくは2つである。分子末端の水酸基の数が一つの場合は、反応したとしても接着層分子内に完全に固定されないために層分離を起しやすく、又分子末端の水酸基の数が2つを越える場合はコート液保管中にゲル化を起しやすい問題点を有する。
(C)液状合成ゴムオリゴマーの含有率としては全組成物中に、4.0〜20.0質量%であり、さらに好ましくは10.0〜15.0質量%である。光重合性化合物の配合量が4.0質量%未満の場合には感光性樹脂層との光接着の効果がなく、又配合量が20.0質量%を超えると支持体との接着力が低下するために好ましくない。
本発明では(D)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する光重合性化合物を含有することでさらに接着性能が安定化するので必須成分である。具体的な化合物としては、グリセリン骨格を有するグリセリンジメタクリレートやグリセリンジアクレーリレート、トリメチロールプロパン骨格を有するトリメチロールプロパンジアクリレートやトリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトール骨格を有するペンタエリスリトールトリアクリレートやペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトール骨格を有するジペンタエリスリトールヘキサアクリレートやジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、エチレングリコール骨格で水酸基を有するエポキシエステルによって光重合性基を導入したエチレングリコールジエポキシアクリレートやエチレングリコールジエポキシメタクリレート等が挙げられるが、その中でもペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、グリセリンジアクレーリレートが好ましく、特にペンタエリスリトール骨格を有するペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールトリメタクリレートが好ましい。
光重合性化合物分子中の光重合性基の数は、光重合性基の反応効率及び反応した後の光接着性の面から2〜4個であることが好ましく、特に好ましくは2〜3個である。
分子中の光重合性基の数が5を超える光重合性化合物の場合には反応性が低下することで接着力がやや低下し、又分子中の光重合性基の数が1の場合には光重合によるネットワーク構造が弱いために十分な光接着性が得られない問題がある。
又、光重合性化合物分子中の水酸基の数は、接着層分子中に固定するためには分子中に一つが好ましい。光重合性化合物分子中に二つ以上の水酸基を有する場合にはコート液保管中の粘度変化が大きくなり、生産性の面から好ましくない。
(D)光重合性化合物の好ましい配合量としては接着層全組成に対して、2.0〜15.0質量%であり、さらに好ましくは4.0〜7.0質量部である。光重合性化合物の配合量が2.0質量%未満の場合には感光性樹脂層との光接着の効果がなく、又配合量が15.0質量%を超えると接着層膜が脆くなるために接着力が低下するために好ましくない。
上記、接着層には必要に応じて、他の成分を少量添加することも可能である。例えば、染料、紫外線吸収剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、触媒などが挙げられる。
接着層を基材上に形成する方法としては、上記接着層組成物をトルエン、酢酸エチル、シクロヘキサノンなどで溶解した溶液を塗布して乾燥する方法が最も容易である。塗布方法としてはリバースロール、グラビアコートなど公知の方法が適用できる。塗布液に、多価イソシアネートの硬化触媒として公知の物質を添加すると、乾燥時の熱反応を促進させることができ好適である。乾燥後の接着層の厚みは0.5〜100μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは2〜50μmである。
続いて、本発明における水現像可能な感光性樹脂層について説明する。
感光性樹脂組成物についてはゴム系感光性樹脂組成物であれば特に限定されない。ゴム系感光性樹脂組成物としては、少なくとも(A)水分散ラテックスから得られる疎水性重合体、(C)重合性化合物及び(D)重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物が好ましく、さらに好ましくは、(A)水分散ラテックスから得られる疎水性重合体、(B)親水性重合体、(C)光重合性化合物および(D)光重合開始剤を含有する感光性樹脂組成物である。
以下、感光性樹脂組成物の実施形態を説明する。
感光性樹脂組成物の(A)成分として好ましく用いられる水分散ラテックスとは重合体粒子を分散質として水中に分散したものである。また少なくとも2種類以上の水分散ラテックスより得られる疎水性重合体が好ましい。水分散ラテックスとは、この水分散ラテックスから水を取り除いて得られる疎水性重合体そのものであり、2種類以上用いられることがさらに好ましい。
具体的に(A)成分としては、以下の少なくとも2種類以上から選ばれるラテックスである。ポリブタジエンラテックス、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリクロロプレンラテックス、ポリイソプレンラテックス、ポリウレタンラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ビニルピリジン重合体ラテックス、ブチル重合体ラテックス、チオコール重合体ラテックス、アクリレート重合体ラテックスなどの水分散ラテックス重合体やこれら重合体にアクリル酸やメタクリル酸などの他の成分を共重合して得られる重合体が挙げられる。この中でも分子鎖中にブタジエン骨格またはイソプレン骨格を含有する水分散ラテックス重合体が、硬度やゴム弾性の点から好ましく用いられる。具体的には、ポリブタジエンラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリイソプレンラテックスが好ましい。
感光性樹脂組成物の(B)成分である親水性重合体は、−COOH、−COOM(Mは1価、2価あるいは3価の金属イオンまたは置換または無置換のアンモニウムイオン)、−OH、−NH2、−SO3H、リン酸エステル基などの親水基を有するものが好ましく、具体的には、(メタ)アクリル酸またはその塩類の重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とスチレンとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類と酢酸ビニルとの共重合体、(メタ)アクリル酸またはその塩類とアクリロニトリルとの共重合体、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、−COOM基を有するポリウレタン、−COOM基を有するポリウレアウレタン、−COOM基を有するポリアミド酸およびこれらの塩類または誘導体が挙げられる。これらはそれぞれを単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
これら(B)成分の含有量は(A)成分100質量部に対して好ましくは0.1〜50質量部、特に0.1〜30質量部であることが好ましい。0.1質量部未満では水系現像液で現像ができず、50質量部を超えると、水に対する膨潤が大きくなり、水性インキ耐性が悪くなるので好ましくない。
感光性樹脂組成物の(C)成分である光重合性化合物は、連続層として存在するものである。本発明においては、光重合性化合物としては光重合性オリゴマーが好ましく、光重合性オリゴマーとは、共役ジエン系重合体の末端および/または側鎖にエチレン性不飽和基が結合した重合体であって、数平均分子量が1000以上、10000以下のものである。具体的には、分子構造中に次のような構造を有する化合物をいう。
共役ジエン系エチレン性重合体を構成する共役ジエン系重合体は、共役ジエン不飽和化合物の単独重合体または共役ジエン不飽和化合物とモノエチレン性不飽和化合物との共重合体によって構成される。かかる共役ジエン不飽和化合物の単独重合体または共役ジエン不飽和化合物とモノエチレン性不飽和化合物との共重合体としては、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、スチレン−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−イソプレン共重合体、メタクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−イソプレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリル酸メチル−クロロプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン−スチレン共重合体等が挙げられる。これらのうちゴム弾性と光硬化性の点で、ブタジエン重合体、イソプレン重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましく、特に好ましくはブタジエン重合体、イソプレン重合体である。
共役ジエン系重合体の末端および/または側鎖エチレン性不飽和基を導入する方法は特に限定されないが、例えば、(1)過酸化水素を重合開始剤として得られた水酸基末端共役ジエン系重合体の末端の水酸基に(メタ)アクリル酸等のモノエチレン性不飽和カルボン酸を脱水反応によりエステル結合させる、若しくは、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチル等のモノエチレン性不飽和カルボン酸アルキルエステルをエステル交換反応によりエステル結合させる方法、(2)共役ジエン化合物と少なくとも一部に不飽和カルボン酸(エステル)を含むエチレン性不飽和化合物を共重合して得られた共役ジエン系重合体にアリルアルコール、ビニルアルコール等のエチレン性不飽和アルコールを反応させる方法、等が挙げられる。
共役ジエン系エチレン性重合体におけるエチレン性不飽和基の量は、重合体中に0.005〜2.0m当量/gが好ましく、特に好ましくは0.01〜2.0m当量である。2.0m当量/gより多いと硬度が高くなりすぎて充分な弾性が得難くなり、0.005m当量/gより少ないと、反応性が小さくなって画像再現性が低下する傾向を示す。
これら(C)成分の含有量は(A)成分100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましい。1質量部以下では生版が硬くなるため水系現像液で現像ができず、200質量部以上では生版が柔らかくなり過ぎ、ハンドリング性が悪くなるので好ましくない。
感光性樹脂においては、印刷版の機械的強度を上げ、耐刷性を向上させるため、(C)成分のうち、前記以外に、少なくとも一種がアルキルメタクリレートであることが好ましい。特にアルキルメタクリレートが炭素数8〜18であり直鎖状であることが好ましい。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート、クロロプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、特に好ましくはn−ラウリルメタクリレート、アルキル(C12〜13)メタクリレート、トリデシルメタクリレート、アルキル(C12〜15)メタクリレート等が挙げられる。
これらアルキルメタクリレートの含有量は、(A)成分100質量部に対して好ましくは1〜50質量、特に好ましくは5〜10質量部である。1質量部未満では、露光した版の機械的強度が十分ではなく、50質量部を超えると感光性樹脂組成物層の表面にブリードアウトし、カバーフィルムが剥がれ難くなるので好ましくない。
また、感光性樹脂組成物は(D)成分として光重合開始剤を加えるものである。光重合開始剤としては、光によって重合性の炭素−炭素不飽和基を重合させることができるものであれば全て使用できる。なかでも、光吸収によって、自己分解や水素引き抜きによってラジカルを生成する機能を有するものが好ましく用いられる。例えば、ベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェノン類、アントラキノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などである。光重合開始剤の配合量としては、(A)成分100質量部に対して0.1〜50質量部の範囲が好ましい。0.1質量部以上とすることで、開始効率が減少することなく、画像再現が良好である。50質量部以下とすることで感度が高すぎることなくて、露光時間のコントロールが容易となるので好ましい。
感光性樹脂組成物には、さらに可塑剤を加えることもできる。この可塑剤としては、一般的に版材を柔軟化する性質を有するものであれば特に限定されるものではないが、(A)成分や(B)成分と相溶性が良好なものが好ましい。より好ましくは、室温で液状のポリエン化合物やエステル結合を有する化合物である。室温で液状のポリエン化合物としては、液状のポリブタジエン、ポリイソプレン、されにそれらの末端基あるいは側鎖を変性したマレイン化物、エポキシ化物などがある。エステル結合を有する化合物としては、フタル酸エステル、リン酸エステル、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、分子量1000〜3000のポリエステルが挙げられる。
これら可塑剤成分を加える場合には、光架橋前の固形版としての強度を充分なものとする観点から、(A)成分100質量部に対して0〜100質量部が好ましい。
感光性樹脂組成物の熱安定性を上げる為に、従来公知の重合禁止剤を添加することもできる。好ましい重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類などが挙げられる。これらの配合量は、全感光性樹脂組成物に対して、0.001〜5質量%の範囲で使用することが一般的である。
また、他の成分として、染料、顔料、粘度調整剤、消泡剤、紫外線吸収剤、香料、凝集防止剤、界面活性剤などを添加することができる。
感光性樹脂組成物は、(A)成分である水分散ラテックスから得られる疎水性重合体が、(C)成分である光重合性化合物中に分散した形態を有してことが好ましい。このような形態を有することで、(A)成分の水分散ラテックスから得られる重合体同士が融着することなく組成物中に存在し得ると考えられる。
混練設備としては、2軸押出機、単軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどが挙げられるが特に限定するものではない。
上記感光性樹脂組成物を、本発明の接着層を形成した基材に、押出機により溶融押し出しし、必要に応じて粘着防止層を塗布したカバーフィルムを感光性樹脂層上に密着させることで感光性樹脂版材を得ることができる。また、基材とカバーフィルムの間に感光性樹脂組成物を挟み込み、加熱プレスなどで必要な厚さまで押さえ込むことによっても感光性樹脂版材を得ることができる。
感光性樹脂層の厚みは0.1〜10mmの厚さに形成することが好ましい。層厚を0.1mm以上とすることで、印刷版として用いるのに必要なレリーフ深度が得られ、10mm以下とすることで、感光性樹脂版の質量が抑えられ、取り扱いに実用上の不具合が生じることがない。
このようにして粘着防止層を塗布したカバーフィルムを装着した感光性樹脂版は、活性光線の露光に先だってカバーフィルムを剥がす際に、粘着防止層が感光層側に転写するので、該層が版表面となり、原図フィルムとの密着性が良好となる。カバーフィルムとしてマット化されたものを使用すれば、感光層側に転写された水溶性セルロース誘導体からなる層の表面もマット化されることになり、原図フィルムの密着性は極めて良好となる。
本発明の感光性樹脂版にレリーフ像を形成するためには、まず基材側より、通常波長300〜400nmの光源、例えば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン灯、カーボンアーク灯、ケミカル灯により紫外線を照射し、その後、カバーフィルムがある場合にはこれを剥離した合成ゴム系感光性樹脂層上にネガティブまたはポジティブの原画フィルムを密着させ紫外線照射し、光重合によって硬化させる。
次に、未露光部をスプレー式現像装置やブラシ式洗い出し機により溶出させることにより基材上にレリーフ像を形成することができる。これを乾燥後、活性光線処理して印刷版材を得ることができる。
本発明の感光性樹脂版は、感光性樹脂層と基材が本発明の接着層により強固に貼りあわされている。このため、数万回の印刷においてもレリーフがずれることがなく、安定して高精度な印刷を実施できる。また、版のとりはずしにおいてもレリーフが剥がれることがないので、再度、版を印刷にかけることができる。
以下、本発明を実施例をもちいて具体的に説明する。
なお、特性値は以下の測定方法によって測定したものである。
数平均分子量:テトラヒドロフランを溶離液としたウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)150cを用いて、カラム温度35℃、流量1ml/分にてGPC測定を行なった結果から計算して、ポリスチレン換算の測定値を得た。ただしカラムは昭和電工(株)shodex KF−802、804、806を用いた。
ガラス転移温度:アイティー計測制御株式会社製、動的粘弾性装置DVA220を用い、引っ張りモードで測定した。空気雰囲気下において、昇温速度4℃/分、周波数10Hz、サンプル形状15mm×4mmで測定した。Tanδのピーク温度をガラス転移温度とした。
接着力:テンシロンによる剥離試験で求めた。25℃、60RH%の条件下で 180度剥離で測定した。 剥離速度は100mm/分で行った。
参考例1;感光性樹脂の製造
(親水性重合体の合成)
ヘキサメチレンジイソシアネート21.8部、ジメチロールプロピオン酸15.4部、ポリテトラメチレングリコール(PG−100 日本ポリウテラン工業(株)製)7.6部、およびジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ1.0部をテトラヒドロフラン300部に溶解した溶液の撹拌を続けながらフラスコを65℃に加熱し3時間反応を続けた。別の容器で、末端アミノ基含有アクリロニトリル・ブタジエンオリゴマー(Hycar ATBNBNX 1300×16宇部興産(株)製)55.3部をメチルエチルケトン100部に溶解して調整した溶液を室温下で撹拌しながら添加した。得られたポリマー溶液を減圧乾燥してテトラヒドロフラン、メチルエチルケトンを除去し、数平均分子量が21,000のポリマーを得た。次に該ポリマー100部をメチルエチルケトン100部に溶解した溶液に、水酸化リチウム4.8部をメチルアルコール100部に溶解した溶液を室温下で撹拌しながら添加し、さらにテトラヒドロフラン100部を添加して30分間撹拌することによって固形分が25質量%の親水性重合体を得た。
(感光性樹脂1の製造)
ブタジエンラテックス(Nipol LX111NF 不揮発分55% 日本ゼオン(株)製)22質量部、アクリロニトリル−ブタジエンラテックス(Nipol SX1503 不揮発分42% 日本ゼオン(株)製)5質量部、参考例1の親水性重合体5質量部、オリゴブタジエンアクリレート(ABU−2S 共栄社化学(株)製)10質量部、ラウリルメタクリレート(ライトエステルL 共栄社化学(株)製)3質量部、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート0.9質量部、光重合開始剤0.45質量部、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.03質量部、その他の添加剤としてノニオン系界面活性剤0.1質量部をトルエン6質量部とともに容器中で混合してから、次に加圧ニーダーを用いて105℃で混練し、その後トルエンと水を減圧除去し、感光性樹脂1を得た。
実施例1
ガラス転移温度が7℃の共重合ポリエステル(東洋紡(株)製バイロンRV−30SS、数平均分子量23000、固形分濃度30質量%)276.9質量部と、多官能イソシアネート(日本ポリウレタン(株)製コロネートL、固形分濃度75質量%)30.2質量部と、水酸基を含有する液状ブタジエンオリゴマー(出光興産(株)製R45H、水酸基含有量0.83モル/kg、固形分濃度100質量%)13.7質量部、光重合性化合物として一個の水酸基と三個のアクロイル基を有するペンタエリスリトールトリアクリレート(新中村化学(株)製TMM−3L)5.9質量部にトルエンを加えて混合し、接着剤組成物を得た。得られた接着層組成物には、液状ゴムオリゴマー成分を10.9質量%、水酸基を有する光重合性化合物4.4質量%を含有していた。接着層の構成成分はすべて液状であり、溶解工程が不要な作業性に優れた接着層組成物であった。次に基材として厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(東洋紡績(株)製E5000)を用い、その上に上記接着層組成物を塗布し、130℃で1分30秒乾燥して接着層を形成した。得られた接着層の厚みは10μmであった。このようにして得られた基板の上に、感光性樹脂1をのせ、さらにその上に粘着防止層をもつカバーフィルムではさみ、100℃に加熱したプレス機で感光性樹脂層の厚みが1.7mmになるようにプレスし、感光性樹脂版を得た。得られた感光性樹脂版を365nmにおける照度17.5W/m2(Anderson&Vreeland社製ランプFR20T12−BL−9−BP)を用いて裏露光と表露光をおこなった。その後現像を行い、画像を形成した。次に接着性能を評価し、その結果を表1にまとめた。実施例1の印刷版はコート液準備作業性、接着性能、50℃で1カ月保管した後の長期保管を想定した条件化でも接着性能の低下は見られず、優れた接着性能であった。特に接着層(コート層)の外観品位に優れ、印刷版材としても優れた外観品位であった。
実施例2〜12
表1及び2に記載した接着層組成物を用いて実施例1と同様にして接着層を作成し、その後に感光性樹脂層を積層して1.7mmの感光性樹脂版を得た。次に実施例1と同様にして画像を形成し、接着性能を評価した。その結果を表1及び2に示したが、優れた接着性能であった。
比較例1〜5
比較例1では水酸基を含有しない液状ゴム成分、比較例2では水酸基を有しない光重合性化合物、比較例3では水酸基を含有しない固形ゴムとしてポリブタジエン(宇部興産(株)BR150B 数平均分子量50万)10部を攪拌下にトルエン90部に100℃で5時間加熱溶解した固形分が10質量%であるポリブタジエンのトルエン溶液を用いた。比較例4及び5ではゴム成分及び光重合性分を含有しない接着層組成物である。評価結果を表2示すが、いずれもコート液準備作業性、接着性能及び外観品位のすべてを満足するものでなかった。
Figure 2008181059
Figure 2008181059
本発明の水現像可能な感光性樹脂版材は、感光性樹脂層と基材が接着層を介して強固に接着されている。このため、現像工程や長期間の印刷においても基材からレリーフが剥がれることがなく長期間安定して印刷を行うことができ、また、接着層の製造工程が簡便であり、作業性の面からも優れるものである。




Claims (3)

  1. 寸法安定性に優れる基材上に接着層を介して合成ゴム系感光性樹脂層を設けてなる感光性樹脂版材であって、該接着層が次の成分を含有することを特徴とする水現像可能な感光性樹脂版材。
    (A)共重合ポリエステル樹脂
    (B)多官能イソシアネート
    (C)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する液状ゴムオリゴマー
    (D)分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する光重合性化合物
  2. 分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する光重合性化合物が分子中に3つの光重合性基を含有することを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂版材。
  3. 分子内に少なくとも一つ以上の水酸基を有する液状ゴムオリゴマーが0.5〜2.0モル/kgの水酸基を含有し、且つ両末端が水酸基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性樹脂版材。































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