JP2008179894A - 成膜装置、成膜方法、絶縁膜、誘電体膜、圧電膜、強誘電体膜、圧電素子および液体吐出装置 - Google Patents

成膜装置、成膜方法、絶縁膜、誘電体膜、圧電膜、強誘電体膜、圧電素子および液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマを用いる成膜装置および成膜方法において、良質な膜を安定的に成膜できるようにする。
【解決手段】成膜ガスGの導入と排気が可能な真空容器310と、真空容器310内に配置される、ターゲットTを保持するターゲットホルダ12と、ターゲットホルダ12に対向して配置され、膜が形成される成膜用基板Bを保持する基板ホルダ11と、ターゲットホルダ12と成膜基板側との間にプラズマ空間Pを生成するプラズマ生成部12、13とを備えた成膜装置300において、ターゲットホルダ12の成膜基板側の外周を取囲み、成膜ガスGが通過する間隙204を有するシールド層250aを、上下方向に複数間隔をおいて重なるようにターゲットTと非接触状態で配置してなるシールド250を有する。
【選択図】図4

Description

本発明は、プラズマを用いる気相成長法により成膜を行う成膜装置、成膜方法、その方法により製造された絶縁膜、誘電体膜、圧電膜、強誘電体膜、圧電素子および液体吐出装置に関するものである。
圧電膜等の成膜方法として、スパッタリング法等の気相成長法が知られている。スパッタリング法は、高真空中でプラズマ放電により生成される高エネルギーのArイオン等のプラズマイオンをターゲットに衝突させて、ターゲットの構成元素を放出させ、放出されたターゲットの構成元素を基板の表面に蒸着させる方法である。
良質な膜を成膜するには、種々の成膜条件を好適化する必要がある。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系等のPb含有ペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜では、高温成膜するとPb抜けが起こりやすくなる。そのため、例えば、Pb含有ペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜では、パイロクロア相の少ないペロブスカイト結晶が良好に成長し、かつPb抜けが起こりにくい成膜条件が必要とされる。
膜質はプラズマ条件によっても影響を受けると考えられる。プラズマ条件を変える装置の一例として、プラズマと同一空間に設置された電極の電位でプラズマの電位を制御しながら成膜を行う成膜装置が開示されている(特許文献1)。この成膜装置では、基材の形状やその導電性および保持方法に制約されずに、イオン化したターゲット構成元素の粒子に十分な運動エネルギーを付与して膜質が低下しないようにしている。
また、接地電位から絶縁されたシールドをターゲットの周縁近傍に配置した成膜装置が開示されている(特許文献2)。この装置では、プラズマがターゲットの端部からシールドに流れ込まず、ターゲット端部でのスパッタ速度がターゲットの中央部分と同程度に維持される。またこの成膜装置では、シールドの上に絶縁体を介して別のシールドが重ねられ、下側のシールドはスパッタリングされずに保護されるようになっている。
特開2000-290771号公報(図1) 特開2005-272941号公報(図1)
従来、PZT等のPb含有ペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜では、成膜温度550〜700℃の条件が好ましいとされている。しかしながら、本発明者らが検討を行ったところ、420〜480℃程度でもパイロクロア相の少ないペロブスカイト結晶が成長し、良好な圧電特性を示す圧電膜が得られることが分かった。より低温で成膜できることはPb抜けを抑制することができるので好ましい。
Pbの含有/非含有に関係なく、成膜温度が高くなると、基板と圧電膜との熱膨張係数差に起因して、成膜中又は成膜後の降温過程等において圧電膜に応力がかかり、膜にクラック等が発生する虞があるので、より低温で成膜できることが好ましい。より低温で成膜できれば、ガラス基板などの比較的耐熱性が低い基板を用いることができるなど、基板選択の幅も広がり、好ましい。
プラズマ条件を制御することで、成膜温度を上げずに良質な膜を成膜できると考えられる。例えば、成膜圧力を高くする(低真空度にする)と、圧力が高くなった分、ターゲットから放出された構成元素の粒子エネルギーが低下し、粒子の散乱が増大し、成膜速度が低下する。このように、1つの成膜条件を変えることにより予期しないパラメータまで変わってしまい、それが膜質に影響する虞がある。従って、プラズマ条件のみを制御することで、予期しないパラメータまで変わってしまうという問題を回避できると考えられる。
前述の特許文献1においては、プラズマを制御する点では本願発明と一致するが、構成が異なる。すなわち、プラズマの制御をプラズマ電位制御用電源とこれに連結された、ターゲットと基材の間に配置したプラズマ電位制御用電極で行っている。しかし、本発明の如くシールドによりプラズマの制御を行うことは開示されていない。
また、特許文献2の構成は、シールドの汚れ、すなわちターゲットから放出された元素がシールドに付着した場合の問題について言及しているが、その解決手法が異なる。すなわちシールドに付着したスパッタ粒子の膜が剥離すると、パーティクルすなわち不純物となって成膜用基板に付着し、薄膜の品質を低下させる。引用文献2では、その解決策として、シールドの上にターゲットの端縁との距離を一層遠くした別のシールドを配置している。これにより下側のシールドに膜が生ぜず、膜の剥離によるパーティクルの発生を防止し、膜にパーティクル〈不純物〉が混入しないようにしている。
本発明の成膜装置および成膜方法は上記事情に鑑みてなされたものであり、プラズマ条件を好適化でき、所望の特性を有する良好な膜質の絶縁膜等を成膜することを目的とするものである。
また、本発明の目的は、パイロクロア相の少ないペロブスカイト結晶を安定的に成膜させることが可能な成膜装置および成膜方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記のような良好な膜質を有する絶縁膜、誘電体膜、圧電膜、強誘電体膜を得ることにある。
また、本発明の更に他の目的は、圧電膜を使用した圧電素子、この圧電素子を使用した液体吐出装置を得ることにある。
本発明の成膜装置は、成膜ガスの導入と排気が可能な真空容器と、真空容器内に配置される、ターゲットを保持するターゲットホルダと、ターゲットホルダに対向して配置され、膜が形成される成膜用基板を保持する基板ホルダと、ターゲットホルダと成膜基板側との間にプラズマ空間を生成するプラズマ生成部とを備えた成膜装置において、ターゲットホルダの成膜基板側の外周を取囲むシールドを備えたことを特徴とするものである。
シールドは、成膜ガスを通過する間隙を空けて積層された複数のシールド層からなるように構成することができる。
なお、シールドは、単一の、例えば円筒状の部材であって、この部材の外周に沿う間隙が上下方向に複数形成され、結果的にシールド層が上下方向に複数間隔を置いて重なるように配置された筒状の部材や、螺旋状になった部材も含むものとする。
シールドが間隙を空けて積層された複数のシールド層からなる場合には、シールド層の数は、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差Vs−Vf(V)を制御するために変更可能とされていることが好ましい。
シールドは、アースされているように構成することができる。シールドは、ターゲットおよび真空容器の壁面から電気的に絶縁された状態で配置され、且つ電圧が印加されているよう構成してもよい。
シールドが間隙を空けて積層された複数のシールド層からなる場合には、複数のシールド層の、積層方向と直交するシールドの壁材の厚みLと、積層方向のシールド層間の距離Sは、LSの関係にあるように構成することが好ましい。
また、本発明の成膜方法は、プラズマを用いる気相成長法によりターゲットの構成元素をターゲットと離隔した位置にある基板に成膜する成膜方法において、ターゲットの成膜基板側の外周を取囲むシールド層を上下方向に間隔をおいて複数重なるようにターゲットと非接触状態で配置し、該複数のシールド層からなるシールドによりプラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差Vs−Vf(V)を制御して成膜することを特徴とするものである。
本発明の成膜方法は、プラズマを用いる気相成長法により膜を成膜する場合に適用することができる。本発明の成膜方法を適用可能な膜としては、絶縁膜、誘電体膜、及び圧電膜等が挙げられる。
本発明の成膜方法は、1種又は複数種のペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜(不可避不純物を含んでいてもよい。)の成膜に好ましく適用できる。ペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜は、電圧無印加時において自発分極性を有する強誘電体膜である。
シールドの高さを調節して、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差Vs−Vf(V)を制御して成膜することができる。
また、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差Vs−Vf(V)を35eV以下とし、基板の温度を400℃以上として、圧電膜を成膜することが好ましい。
本発明の絶縁膜、誘電体膜、圧電膜および強誘電体膜は、上記の本発明の成膜方法により成膜されたことを特徴とするものである。
また、本発明の圧電素子は、上記の本発明の圧電膜と、圧電膜をその両面から挟んで圧電膜に電界を印加する電極とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の液体吐出装置は、上記の本発明の圧電素子と、液体が貯留される液体貯留室および液体貯留室から外部に液体が吐出される液体吐出口を有する液体貯留吐出部材を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の成膜装置は、成膜ガスの導入と排気が可能な真空容器と、真空容器内に配置されたターゲットホルダと、ターゲットホルダに保持されたターゲットと、ターゲットに対向して配置され、膜が形成される成膜用基板を保持する基板ホルダと、ターゲットと成膜基板側との間にプラズマ空間を生成するプラズマ生成部とを備えた成膜装置において、ターゲットを保持したターゲットホルダの成膜基板側の外周を取囲むシールドを備えたことを特徴とするものである。
本明細書において、「成膜温度Ts(℃)」は、成膜を行う基板の中心の表面温度を意味するものとする。
本明細書において、「成膜時のプラズマ中のプラズマ電位Vs及びフローティング電位Vf」は、ラングミュアプローブを用い、シングルプローブ法により測定するものとする。フローティング電位Vfの測定は、プローブに成膜中の膜等が付着して誤差を含まないように、プローブの先端を基板近傍(基板から約10mm)に配し、できる限り短時間で行うものとする。
プラズマ電位Vsとフローティング電位Vfとの差Vs−Vf(V)はそのまま電子温度(eV)に変換することができる。電子温度1eV=11600K(Kは絶対温度)に相当する。
本発明の成膜装置は、ターゲットホルダの成膜基板側の外周を取囲むシールドを備えたものであるので、シールドの存在によって、プラズマ空間の電位状態を調整することができ、これを好適化することができる。本発明の装置では、上記シールドによって、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差Vs−Vf(V)を調整および好適化することができ、これによって良質な膜を成膜することができる。特に、圧電膜等の絶縁膜の成膜に好ましく用いることができる。
シールドが成膜ガスが通過する間隙を空けるように積層された複数のシールド層からなる場合には、シールド層の数を変更してシールドの高さを変更することで、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差Vs−Vf(V)を制御することができる。
本発明の成膜装置に備えられたシールドは、成膜ガスが通過する間隙を有するので、成膜ガスがシールドの間隙を通過してターゲット近傍のプラズマ空間内に到達しやすく、ターゲット近傍でプラズマ化されたガスイオンがターゲットに容易に到達でき、ターゲットの構成元素を効果的に放出させることができる。その結果、所望の特性を有する良質な膜を安定的に成膜することができると考えられる。
また、シールドがアースされている場合は、シールドによりプラズマの広がりが抑えられ、結果的にプラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)の差Vs−Vf(V)を低下させることができると考えられる。
シールドは、ターゲットおよび真空容器の壁面から電気的に絶縁された状態で配置され、且つ電圧が印加されてもよく、この場合は、その電圧を調整することにより、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)の差Vs−Vf(V)を制御することができる。
本発明の成膜装置に備えられたシールドは、成膜ガスが通過する間隙を有するので、ターゲットから放出された構成元素からなる蒸着粒子が、シールド全体に付着して、その電位状態が変わることが防止される。従って、シールドは、繰り返し成膜を行っても安定的に機能し、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差Vs-Vf(V)が安定して維持される。
シールドが間隙を空けるように積層された複数のシールド層からなる場合には、複数のシールド層の、積層方向と直交するシールドの壁材の厚みLと、積層方向のシールド層間の距離Sが、LSの関係にあることが好ましい。かかる構成では、ターゲットに近い側のシールド層の内周側に蒸着粒子が付着しても、蒸着粒子から見てシールド層の奥行きが広く、蒸着粒子の進入を規制するので、ターゲットから遠い側まで蒸着粒子が付着する可能性が低く、蒸着粒子の付着によってシールドの電位状態が変わることが効果的に防止される。
間隙があるシールドも電位的には間隙のないシールドと同じように内周側に等電位の壁を形成するので、間隙があるシールドのVs−Vfの調整効果は間隙のないシールドと同等レベルである。
本発明の成膜方法は、ターゲットの成膜基板側の外周を取囲むシールドによって、プラズマ空間の電位状態すなわちプラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差Vs−Vf(V)を調整および好適化することができるので、良質な膜を成膜することができる。
この電位の差Vs−Vf(V)の調整を、シールドの高さを調整することにより行う場合は、電位の差Vs−Vf(V)の調整を容易に行うことができる。
また、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差Vs−Vf(V)を35eV以下とし、基板の温度を400℃以上とした場合は、所望の性能を有する圧電膜を成膜することができる。
本発明の絶縁膜、誘電体膜、圧電膜および強誘電体膜は、本発明の成膜方法によって成膜されるため、優れた品質のものが得られる。
また、上記圧電膜を使用した圧電素子は所望の性能のものが得られる。さらにこの圧電素子を使用した液体吐出装置は、所望の性能のものが得られる。
本発明の成膜装置は、ターゲットを保持したターゲットホルダの成膜基板側の外周を取囲むシールドを備えているので、シールドによって、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差Vs−Vf(V)を調整および好適化することができ、これによって良質な膜を成膜することができる。
「成膜装置」
(第1の実施形態)
以下、本発明に係る第1の実施形態の成膜装置について、図1および図2を参照して説明する。本実施形態では、RFスパッタリング装置(成膜装置)を例として説明する。図1(a)は本実施形態の成膜装置の概略断面図であり、図1(b)は成膜中の様子を模式的に示す図である。図2は、図1中のシールド及びその近傍の拡大図である。
図1(a)に示すように、成膜装置200は、内部に、基板(成膜用基板)Bを保持すると共に基板Bを所定温度に加熱することができる静電チャック等の基板ホルダ11と、プラズマを発生させるプラズマ電極(カソード電極)12とが備えられた真空容器210から概略構成されている。なお、このプラズマ電極12は、ターゲットTを保持するターゲットホルダに相当する。
基板ホルダ11とプラズマ電極12とは互いに対向するように離間配置され、プラズマ電極12上に成膜する膜の組成に応じた組成のターゲットTが装着されるようになっている。プラズマ電極12は高周波電源13に接続されている。なお、プラズマ電極12と高周波電源13をプラズマ生成部という。本実施形態には、ターゲットTの成膜基板側の外周を取囲むシールド250が備えられている。なお、この構成は、ターゲットTを保持するプラズマ電極12すなわちターゲットホルダの成膜基板側の外周を取囲むシールド250が備えられているということもできる。
真空容器210には、真空容器210内に成膜に必要なガス(成膜ガス)Gを導入するガス導入管214と、真空容器210内のガスの排気Vを行うガス排出管15とが取り付けられている。また、ガスGを導入するガス導入口214は、ガス排出管15と反対側に、シールド250と同じ位の高さに設けられている。
ガスGとしては、Ar、又はAr/O混合ガス等が使用される。図1(b)に模式的に示すように、プラズマ電極12の放電により真空容器10内に導入されたガスGがプラズマ化され、Arイオン等のプラスイオンIpが生成する。生成したプラスイオンIpはターゲットTをスパッタする。プラスイオンIpにスパッタされたターゲットTの構成元素Tpは、ターゲットから放出され中性あるいはイオン化された状態で基板Bに蒸着される。図中、符号Pがプラズマ空間を示している。
プラズマ空間Pの電位は、成膜時のプラズマ中のプラズマ電位Vs(V)となる。通常、基板Bは絶縁体であり、かつ、電気的にアースから絶縁されている。したがって、基板Bはフローティング状態にあり、その電位はフローティング電位Vf(V)となる。ターゲットTと基板Bとの間にあるターゲットの構成元素Tpは、プラズマ空間Pの電位と基板Bの電位との電位差Vs−Vfの加速電圧分の運動エネルギーを持って、成膜中の基板Bに衝突すると考えられる。
プラズマを用いる気相成長法において、成膜される膜の特性を左右するファクターとしては、成膜温度、基板の種類、基板に先に成膜された膜があれば下地の組成、基板の表面エネルギー、成膜圧力、雰囲気ガス中の酸素量、投入電極、基板/ターゲット間距離、プラズマ中の電子温度及び電子密度、プラズマ中の活性種密度及び活性種の寿命等が考えられる。本発明者は多々ある成膜ファクターの中で、成膜される膜の特性は、成膜温度と、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差であるVs−Vf(V)との2つのファクターに大きく依存することを見出し、これらファクターを好適化することにより、良質な膜を成膜できることを見出している。
本発明の成膜方法を適用可能な膜としては、絶縁膜、誘電体膜、及び圧電膜等が挙げられる。本発明の成膜方法は、1種又は複数種のペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜(不可避不純物を含んでいてもよい。)の成膜に好ましく適用できる。ペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜は、電圧無印加時において自発分極性を有する強誘電体膜である。
プラズマ電位Vs及びフローティング電位Vfは、ラングミュアプローブを用いて測定することができる。プラズマP中にラングミュアプローブの先端を挿入し、プローブに印加する電圧を変化させると、例えば図3に示すような電流電圧特性が得られる(小沼光晴著、「プラズマと成膜の基礎」p.90、日刊工業新聞社発行)。この図では電流が0となるプローブ電位がフローティング電位Vfである。この状態は、プローブ表面へのイオン電流と電子電流の流入量が等しくなる点である。絶縁状態にある金属の表面や基板表面はこの電位になっている。プローブ電圧をフローティング電位Vfより高くしていくと、イオン電流は次第に減少し、プローブに到達するのは電子電流だけとなる。この境界の電圧がプラズマ電位Vsである。
Vs−Vfが基板Bに衝突するターゲットTの構成元素Tpの運動エネルギーに相関することを述べた。下記式に示すように、一般に運動エネルギーEは温度Tの関数で表されるので、基板Bに対して、Vs−Vfは温度と同様の効果を持つと考えられる。
E=1/2mv=3/2kT
(式中、mは質量、vは速度、kは定数、Tは絶対温度である。)
Vs−Vfは、温度と同様の効果以外にも、表面マイグレーションの促進効果、弱結合部分のエッチング効果などの効果を持つと考えられる。
図1(a)の真空容器210は、ターゲットTの成膜基板側の外周を取囲むシールド250が、真空容器210内に配置されている点を特徴とする。このシールド250は、真空容器210の底面210aに、プラズマ電極12を囲むように立設されたアースシールドすなわち接地部材202上に、ターゲットTの成膜基板側の外周を取り囲むように配置されている。接地部材202は、プラズマ電極12から側方或いは下方に向けて真空容器210に放電しないようにするためのものである。
シールド250は、一例として図1(a)および図2に示すような複数の円環状金属板すなわちリング(フィン、シールド層)250aから構成されている。これらのリング250aは、図示する例では4枚使用されており、各リング250aの間に導電性のスペーサ250bが配置されている。スペーサ250bは、リング250aの円周方向に間隔をおいて複数個配置され、スペーサ250b同士の間にガスGが流れ易くなるように間隙204を形成している。スペーサ250bは、この観点から接地部材202とその直上に載置されるリング250aとの間にも配置されることが望ましい。
上記構成では、シールド250は接地部材202に導通されてアースされている。リング250aおよびスペーサ250bの材質は特に制限なく、SUS(ステンレス)等が好ましい。
シールド250の外周側に、複数のリング250aを電気的に導通させる導通部材(図示略、第2の実施形態において図4に示す導通部材352と同様)を取り付ける構成としてもよい。シールド250のリング250a同士は、導電性のスペーサ250bにより導通されており、それだけでもアースを取ることができるが、外周側に別途導通部材を取り付けることで、複数のリング250aのアースを取りやすくなる。
前述の如く、シールド250は、ターゲットTの成膜基板側の外周を取り囲むように配置されているので、ターゲットTの成膜基板側の外周にシールド250によって接地電位が形成される。
本実施形態では、上記構成のシールド250によって、プラズマ条件を調整および好適化することができ、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差であるVs−Vf(V)を調整および好適化することができる。この理由は、以下のように考えられる。
基板Bに成膜するために、プラズマ電極12に高周波電源13の電圧を印加すると、プラズマがターゲットTの上方に生成されるとともに、シールド250とターゲットTの間にも放電が生じる。この放電によって、プラズマが、シールド250内に閉じ込められて、プラズマ電位Vsが低下し、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差であるVs−Vf(V)が低下すると考えられる。プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差であるVs−Vf(V)が低下すると、ターゲットTから放出されたターゲットTの構成元素Tpが基板Bに衝突するエネルギーが減少する。プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差であるVs−Vf(V)を好適化することによって、ターゲットTの構成元素Tpの粒子エネルギーを好適化することができ、良質な膜を成膜することができる。
リング250aの枚数が多くなり、シールド250全体の高さが高くなる程、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差であるVs−Vf(V)が低下する傾向にある(後記実施例1の図8を参照)。これは、シールド250全体の高さが高くなる程、シールド250とターゲットT間の放電が強くなり、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差であるVs−Vf(V)が低下するためと考えられる。
特定の成膜温度において、最も成膜条件のよいVs−Vf(V)が決まってくる。この最も好ましい電位差を得るために、成膜温度を変えずに、リング250aの枚数を増減して所望の電位差になるように調整することができる。リング250aは、単にスペーサ250bを介して、シールド層として積み重ねているので、リング250aを取り外して枚数を変更することができる。
シールド250の最下端のリング250aは、ターゲットTの外周から離隔しているが、このターゲットTとシールド250との間の離隔した直線距離は、ゼロであると、放電が生じなくなり、遠すぎるとシールドの効果が少なくなるため効率よく効果を得るためには1mmから30mm程度離隔していることが望ましい。
ターゲットTから放出されたターゲットTの構成元素Tpは、基板Bに付着するとともに、ターゲットTの周囲にあるシールド250のリング250aにも付着する。最も付着する量が多いのは、リング250aのターゲットTに面した内周のエッジ251とその近傍である。この状態を図2に示してある。図2に示すように、リング250aの内周のエッジ251と、その近傍のリング250aの上面および下面には構成元素Tpの粒子(蒸着粒子)が付着して膜253が形成される。この膜253が、各リング250aの全面に形成されると、シールド250の接地電位としての機能が損なわれるので、できるだけ膜253が付着しにくいようにシールド250を構成することが好ましい。
本実施形態では、シールド250を、間隙204を空けて上下方向に配置された複数のリング250aにより構成しているので、ターゲットから放出された構成元素からなる蒸着粒子が、シールド250全体に付着して、その電位状態が変わることが防止される。従って、シールド250は、繰り返し成膜を行っても安定的に機能し、プラズマ電位Vsとフローティング電位Vfとの差Vs-Vfが安定して維持される。
特に、シールド層である各リング250aの、積層方向と直交するシールドの壁材の厚みLと、積層方向に互いに隣接するリング250a間の距離すなわちシールド層間の距離Sが、LSの関係にあることが望ましい。この関係は、リング250a間の距離Sに対して、厚みLを所定の範囲内に広げることにより、膜253がリング250a全体に付着しにくいようにする効果がある。すなわち、蒸着粒子から見てリング250aの奥行きを広くすることにより、構成元素Tpが間隙204の外周側まで進入しにくくなり、シールド250が短期間で機能しなくなるということを防止できる。
間隙204にはその他の効果も期待できる。すなわち、間隙204が成膜ガスGの通路としての役割を果たすので、成膜ガスGがシールド250の間隙204を通過してターゲットT近傍のプラズマ空間内に到達しやすく、ターゲットT近傍でプラズマ化されたガスイオンがターゲットに容易に到達でき、ターゲットの構成元素Tpを効果的に放出させることができる。その結果、所望の特性を有する良質な膜を安定的に成膜することができると考えられる。
間隙があるシールド250も電位的には間隙のないシールドと同じように内周側に等電位の壁を形成するので、間隙があるシールドのVs−Vfの調整効果は間隙のないシールドと同等レベルである。
なお、「背景技術」の項に挙げた特許文献2には、複数のシールド層が絶縁体を介して積層された構造のシールドが記載されているが、特許文献2ではシールド層とシールド層との間に間隙は設けられていない。
本実施形態の成膜装置200は、圧電膜等の絶縁膜の成膜に好ましく用いることができる。本発明者は、圧電膜の成膜においては、プラズマ電位Vsとフローティング電位Vfとの差を35eV以下とし、基板Bの温度を400℃以上として、成膜を実施することが好ましいことを見出している。かかる成膜条件で成膜を行うことで、所望の性能を有する圧電膜を成膜することができる。
以上説明したように、本実施形態の成膜装置200は、ターゲットTを保持するプラズマ電極12すなわちターゲットホルダの成膜基板側の外周を取囲み、成膜ガスGが通過する間隙204を有するシールド250を備えたものであるので、シールド250の存在によって、プラズマ空間の電位状態を調整することができ、これを好適化することができる。本実施形態の成膜装置200では、シールド250によって、プラズマ電位Vsとフローティング電位Vfとの差Vs−Vfを制御し好適化することができる。
本実施形態では、シールド250がアースされているので、シールド250によりプラズマの広がりが抑えられ、結果的にプラズマ電位Vsとフローティング電位Vfの差Vs−Vfを低下させることができると考えられる。
本実施形態の成膜装置200を用いることにより、プラズマ電位Vsとフローティング電位Vfとの差Vs−Vfを制御することができ、良質な膜を成膜することができる。本実施形態では、リング250aの枚数を変えてシールド250の高さを調節することにより、簡易にプラズマ電位Vsとフローティング電位Vfとの差Vs−Vfを制御することができる。
本実施形態の成膜装置200では、シールド250の高さを調整することによって、Vs−Vfを制御することができる。Vs−Vfは、ターゲット投入電力や成膜圧力等を変えることでも調整できる。しかしながら、ターゲット投入電力や成膜圧力等を変えてVs−Vfを制御する場合には、成膜速度等の他のパラメータまで変わってしまい、所望の膜質が得られなく虞がある。本発明者がある条件で実験したところ、ターゲット投入電力を700Wから300Wに変えると、Vs−Vfを38eVから25eVに低減できることができるが、成膜速度が4μm/hから2μm/hに低下してしまった。本実施形態の装置200では、成膜速度等の他のパラメータを変えることなく、Vs−Vfを調整することができるので、成膜条件を好適化しやすく、良質な膜を安定的に成膜することができる。
(第2の実施形態)
上記実施形態では、シールド250が接地されている場合の例について説明したが、シールドが絶縁され、且つシールドにバイアス電圧が印加された構成としてもよい。この第2の実施形態について、図4を参照して説明する。
図4に示す本実施形態の成膜装置300は、基本構成は第1の実施形態と同様であり、シールド250に制御電圧を印加可能な構成としたものである。なお、説明にあたり、図1(a)の成膜装置200と同じ要素については、同じ参照番号を使用して説明を省略する。
この第2の実施形態では、シールド250は、絶縁ガイシ351を介して接地部材202から電気的に絶縁されている。この絶縁ガイシ351は、前述のスペーサ250bと同様なものであり、複数箇所に配置されるが、絶縁体である点がスペーサ250bと相違する。シールド250の各リング250aは、第2の実施形態と同様に導電性のスペーサ250bを介して積層されている。
シールド250の外周側には、複数のリング250aを互いに導通させる導通部材352が取り付けられている。シールド250のリング250a同士は、導電性のスペーサ250bにより導通されているので、この導通部材352は必須ではないが、外周側に別途導通部材352を取り付けることで、シールド250への外部からの電圧印加が容易になる。導通部材352としては特に制限なく、短冊状のアルミホイル等が挙げられる。
このシールド250は、真空容器310の外部の制御用電源330と電気的に接続されている。この制御用電源330は、シールド250に対し真空容器310の電位すなわち接地電位に対し、正(+)或いは負(―)のどちら側にも電圧を印加できるように構成されている。正に印加する場合は、プラズマ空間Pの電位が上昇し、負に印加する場合は、プラズマ空間Pの電位が低下する。すなわち、本実施形態においても、シールド250によって、プラズマ電位Vs(V)とフローティング電位Vf(V)との差Vs−Vfを制御することができる。
以上、実施形態を挙げて本願発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形変更が考えられることはいうまでもない。例えば、シールド250の形状は、上記実施形態の如く別体の円環板状のリング250aを層状に積み重ねたものの他、円環板状のリングを積層した状態に一体に構成したものでもよい。また、複数の線状部材を輪にして、それらを、スペーサを介して積層したものであってもよい。また、線状部材をコイル状にして、螺旋の1巻きを構成する各線材の間にスペーサにより間隙を設けてもよい。コイルの場合は、巻きの1周が1つのシールド層となる。また、円筒状のシールドに、円筒の円周に沿う間隙を上下に層状に設けたものであってもよい。いずれの変形例の場合であっても、間隙を有し、これらの間隙が導入されたガスGの通過を容易にする。また、これらの変形例の場合においても、間隙の存在によってシールドへの蒸着粒子の付着を制限して、シールドが短期間に膜で覆われてその機能が低下することが防止できる。
また、シールドは円形である必要はなく、ターゲットの形状に応じて、矩形や多角形、楕円等適宜形状であってもよい。
「圧電膜の成膜方法」
上記第1,第2の実施形態の成膜装置200,300は、圧電膜の成膜に好ましく用いることができる。
圧電膜としては、下記一般式(P)で表される1種又は複数種のペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜が挙げられる。圧電膜は、不可避不純物を含んでいてもよい。
一般式Aa・・・(P)
(式中、A:Aサイト元素であり、Pbを含む少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe,Ni,及びランタニド元素からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素原子、
a=1.0かつb=1.0である場合が標準であるが、これらの値はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1.0からずれてもよい。)
上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物としては、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ジルコニウム酸鉛、チタン酸鉛ランタン、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、ニッケルニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛等の鉛含有化合物、及び、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム等の非鉛含有化合物が挙げられる。圧電膜は、これら上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物の混晶系であってもよい。これら圧電材料は、電界無印加時において、自発分極性を有する強誘電体である。
上記実施形態の成膜装置200,300は、下記一般式(P−1)で表されるPZT又はそのBサイト置換系、及びこれらの混晶系の成膜に好ましく適用できる。
Pb(Zrb1Tib2b3)O・・・(P−1)
(式(P−1)中、XはV族及びVI族の元素群より選ばれた少なくとも1種の金属元素である。a>0、b1>0、b2>0、b3≧0。a=1.0であり、かつb1+b2+b3=1.0である場合が標準であるが、これらの数値はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1.0からずれてもよい。)
上記一般式(P−1)で表されるペロブスカイト型酸化物は、d=0のときチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)であり、d>0のとき、PZTのBサイトの一部をV族及びVI族の元素群より選ばれた少なくとも1種の金属元素であるXで置換した酸化物である。
Xは、VA族、VB族、VIA族、及びVIB族のいずれの金属元素でもよく、V,Nb,Ta,Cr,Mo,及びWからなる群より選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
本発明者は、上記一般式(P)で表される1種又は複数種のペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜に適用する場合、下記式(1)及び(2)を充足する範囲で成膜条件を決定することが好ましいことを見出している。
Ts(℃)≧400・・・(1)、
−0.2Ts+100<Vs−Vf(V)<−0.2Ts+130・・・(2)
本発明者は、上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜を成膜する場合、上記式(1)を充足しないTs(℃)<400の成膜条件では、成膜温度が低すぎてペロブスカイト結晶が良好に成長せず、パイロクロア相がメインの膜が成膜されることを見出している。
本発明者はさらに、上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜を成膜する場合、上記式(1)を充足するTs(℃)≧400の条件では、成膜温度TsとVs−Vfが上記式(2)を充足する範囲で成膜条件を決定することで、パイロクロア相の少ないペロブスカイト結晶を安定的に成長させることができ、しかもPb抜けを安定的に抑制することができ、結晶構造及び膜組成が良好な良質な圧電膜を安定的に成膜することができることを見出している。
PZTのスパッタ成膜において、高温成膜するとPb抜けが起こりやすくなることが知られている。本発明者は、Pb抜けが、成膜温度以外にVs−Vfにも依存することを見出している。PZTの構成元素であるPb,Zr,及びTiの中で、Pbが最もスパッタ率が大きく、スパッタされやすい。例えば、「真空ハンドブック」((株)アルバック編、オーム社発行)の表8.1.7には、Arイオン300evの条件におけるスパッタ率は、Pb=0.75、Zr=0.48,Ti=0.65であることが記載されている。スパッタされやすいということは、スパッタされた原子が基板面に付着した後に、再スパッタされやすいということである。プラズマ電位と基板の電位との差が大きい程、すなわち、Vs−Vfの差が大きい程、再スパッタの率が高くなり、Pb抜けが生じやすくなると考えられる。このことは、PZT以外のPb含有ペロブスカイト型酸化物でも、同様である。また、スパッタリング法以外のプラズマを用いる気相成長法でも同様である。
成膜温度TsとVs−Vfがいずれも過小の条件では、ペロブスカイト結晶を良好に成長させることができない傾向にある。また、成膜温度TsとVs−Vfのうち少なくとも一方が過大の条件では、Pb抜けが生じやすくなる傾向にある。
すなわち、上記式(1)を充足するTs(℃)≧400の条件では、成膜温度Tsが相対的に低い条件のときには、ペロブスカイト結晶を良好に成長させるためにVs−Vfを相対的に高くする必要があり、成膜温度Tsが相対的に高い条件のときには、Pb抜けを抑制するためにVs−Vfを相対的に低くする必要がある。これを表したのが、上記式(2)である。
本発明者は、上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜を成膜する場合、下記式(1)〜(3)を充足する範囲で成膜条件を決定することで、圧電定数の高い圧電膜が得られることを見出している。
Ts(℃)≧400・・・(1)、
−0.2Ts+100<Vs−Vf(V)<−0.2Ts+130・・・(2)、
10≦Vs−Vf(V)≦35・・・(3)
本発明者は、上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜を成膜する場合、成膜温度Ts(℃)=約420の条件では、Vs−Vf(V)=約42とすることで、Pb抜けのないペロブスカイト結晶を成長させることができるが、得られる膜の圧電定数d31は100pm/V程度と低いことを見出している。この条件では、Vs−Vf、すなわち基板に衝突するターゲットTの構成元素Tpのエネルギーが高すぎるために、膜に欠陥が生じやすく、圧電定数が低下すると考えられる。本発明者は、上記式(1)〜(3)を充足する範囲で成膜条件を決定することで、圧電定数d31≧130pm/Vの圧電膜を成膜できることを見出している。
圧電膜の成膜において、上記実施形態の成膜装置200又は300を用い、成膜温度TsとVs−Vf(V)とが上記(1)及び(2)、好ましくは上記(1)〜(3)を充足する範囲で成膜条件を決定することで、パイロクロア相の少ないペロブスカイト結晶を安定的に成長させることができ、しかもPb抜けを安定的に抑制することが可能となる。成膜温度TsとVs−Vf(V)とが上記(1)及び(2)、好ましくは上記(1)〜(3)を充足する範囲で成膜条件を決定することで、1.0≦aであるPb抜けのない組成の圧電膜を提供することができ、1.0<aであるPbリッチな組成の圧電膜を提供することもできる。aの上限は特に制限なく、本発明者は、1.0≦a≦1.3であれば、圧電性能が良好な圧電膜が得られることを見出している。
「圧電素子及びインクジェット式記録ヘッド」
図5を参照して、本発明に係る実施形態の圧電素子及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造について説明する。図5はインクジェット式記録ヘッドの要部断面図(圧電素子の厚み方向の断面図)である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。
本実施形態の圧電素子2は、基板20上に、下部電極30と圧電膜40と上部電極50とが順次積層された素子であり、圧電膜40に対して、下部電極30と上部電極50とにより厚み方向に電界が印加されるようになっている。
下部電極30は基板20の略全面に形成されており、この上に図示手前側から奥側に延びるライン状の凸部41がストライプ状に配列したパターンの圧電膜40が形成され、各凸部41の上に上部電極50が形成されている。
圧電膜40のパターンは図示するものに限定されず、適宜設計される。また、圧電膜40は連続膜でも構わない。但し、圧電膜40は、連続膜ではなく、互いに分離した複数の凸部41からなるパターンで形成することで、個々の凸部41の伸縮がスムーズに起こるので、より大きな変位量が得られ、好ましい。
基板20としては特に制限なく、シリコン、ガラス、ステンレス(SUS)、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)、アルミナ、サファイヤ、シリコンカーバイド等の基板が挙げられる。基板20としては、シリコン基板の表面にSiO酸化膜が形成されたSOI基板等の積層基板を用いてもよい。
下部電極30の主成分としては特に制限なく、Au,Pt,Ir,IrO,RuO,LaNiO,及びSrRuO等の金属又は金属酸化物、及びこれらの組合せが挙げられる。
上部電極50の主成分としては特に制限なく、下部電極30で例示した材料、Al,Ta,Cr,及びCu等の一般的に半導体プロセスで用いられている電極材料、及びこれらの組合せが挙げられる。
圧電膜40は、上記の本発明の成膜方法により成膜された膜である。圧電膜40は、好ましくは、上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電膜である。
下部電極30と上部電極50の厚みは特に制限なく、例えば200nm程度である。圧電膜40の膜厚は特に制限なく、通常1μm以上であり、例えば1〜5μmである。
インクジェット式記録ヘッド3は、概略、上記構成の圧電素子2の基板20の下面に、振動板60を介して、インク(液体)が貯留されるインク室(液体貯留室)71及びインク室71から外部にインクが吐出されるインク吐出口(液体吐出口)72を有するインクノズル(液体貯留吐出部材)70が取り付けられたものである。インク室71は、圧電膜40の凸部41の数及びパターンに対応して、複数設けられている。
インクジェット式記録ヘッド3では、圧電素子2の凸部41に印加する電界強度を凸部41ごとに増減させてこれを伸縮させ、これによってインク室71からのインクの吐出や吐出量の制御が行われる。
本実施形態の圧電素子2及びインクジェット式記録ヘッド3は、以上のように構成されている。
「インクジェット式記録装置」
図6及び図7を参照して、上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3を備えたインクジェット式記録装置の構成例について説明する。図6は装置全体図であり、図7は部分上面図である。
図示するインクジェット式記録装置100は、インクの色ごとに設けられた複数のインクジェット式記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」という)3K,3C,3M,3Yを有する印字部102と、各ヘッド3K,3C,3M,3Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、印字部102のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送する吸着ベルト搬送部122と、印字部102による印字結果を読み取る印字検出部124と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とから概略構成されている。
印字部102をなすヘッド3K,3C,3M,3Yが、各々上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3である。
デカール処理部120では、巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム130により記録紙116に熱が与えられて、デカール処理が実施される。
ロール紙を使用する装置では、図6のように、デカール処理部120の後段に裁断用のカッター128が設けられ、このカッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置される。カット紙を使用する装置では、カッター128は不要である。
デカール処理され、カットされた記録紙116は、吸着ベルト搬送部122へと送られる。吸着ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)となるよう構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示略)が形成されている。ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによってベルト133上の記録紙116が吸着保持される。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図示略)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図6上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図6の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部102の上流側に、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後に乾きやすくなる。
印字部102は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図7を参照)。各印字ヘッド3K,3C,3M,3Yは、インクジェット式記録装置100が対象とする最大サイズの記録紙116の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙116の送り方向に沿って上流側から、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド3K,3C,3M,3Yが配置されている。記録紙116を搬送しつつ各ヘッド3K,3C,3M,3Yからそれぞれ色インクを吐出することにより、記録紙116上にカラー画像が記録される。
印字検出部124は、印字部102の打滴結果を撮像するラインセンサ等からなり、ラインセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まり等の吐出不良を検出する。
印字検出部124の後段には、印字された画像面を乾燥させる加熱ファン等からなる後乾燥部142が設けられている。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けた方が好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部142の後段には、画像表面の光沢度を制御するために、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144では、画像面を加熱しながら、所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で画像面を加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして得られたプリント物は、排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット式記録装置100では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(図示略)が設けられている。
大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列にプリントする場合には、カッター148を設けて、テスト印字の部分を切り離す構成とすればよい。
インクジェット記記録装置100は、以上のように構成されている。
本発明に係る実施例および比較例について説明する。
(実施例1)
市販のスパッタリング装置を用意し、120mmφのターゲットTの側方に、内径130mmφ、外径180mmφ、厚さ1mmのステンレス鋼(SUS)製のリング250aを5枚接地電位にして設置して、上記第1の実施形態の成膜装置を得た。各リング250aは、直径10mmφ、厚さ5mmの柱状の導電性のスペーサ250bを介して積層した。スペーサ250bは、リング250aのサイズに比して十分小さいので、真空容器210内に導入されたガスGが、スペーサ250bに影響されずに、リング250aの間隙204を通過してターゲットTに容易に到達することができる。
ターゲットTとして、Pb:Zr:Ti(モル比)=1.3:0.52:0.48のPZTを用いた。基板BとターゲットTの間の距離は60mmとし、真空度0.5Pa、Ar/O混合雰囲気(O体積分率2.5%)の条件下で、高周波電源に700Wを印加した。以上の条件で発生したプラズマ電位Vsとフローティング電位Vfとを測定したところ、Vs=38V、Vf=16Vであった(Vs−Vf=22eV)。
さらに、リング250aの枚数を0〜4枚の間で変えて、同様に測定を実施した。リング250aの枚数とVs−Vfとの関係を図8に示す。
リング250aがない状態ではVs−Vf=43eVであった。枚数を、1枚、2枚と増加するに従い電位差は低下し、2枚ではVs−Vf=33eV、5枚ではVs−Vf=22eVとなった。このようにリング250aの枚数を増加させるとVs−Vf=は低下し、リング250aの枚数を変えることでVs−Vfを制御できることが示された。
(実施例2)
リング250aの枚数を5枚とした実施例1の成膜装置を用い、実施例1の成膜条件で、PZT膜の成膜を行った(Vs−Vf=22eV)。成膜用基板としては、SiウエハにTi密着層(厚さ30nm)とIr電極(厚さ150nm)とが順次積層されたものを用意した。450℃にて約1時間成膜を行った。得られた圧電膜の厚さは5μmであった。得られた圧電膜について、X線回折(XRD)測定を実施したところ、(100)面に優先配向した良質なペロブスカイト構造の膜であった。膜の誘電率は約850であった。
また、基板を変えて同様の成膜を5回繰り返したが、同じ性能の膜を得られた。このことは、繰り返し成膜を行っても、シールド250の機能が低下しなかったことを意味する。
(比較例1)
リング250aをすべて取り外した以外は、実施例2と同様にして、PZT膜の成膜を実施した(Vs−Vf=38eV)。得られた圧電膜についてXRD測定を実施したところ、パイロクロア構造であり、ペロブスカイト結晶のない膜構造であった。
(比較例2)
実施例1と同じ真空容器にて、ステンレス(SUS)製の内径130mmφ、高さ24mmの円筒形のシールドを、前述のシールド250の代わりに接地部材202上にターゲットT周辺を囲むように設置し、接地電位を形成した。実施例2と同様にPZT膜の成膜を実施したところ、得られた圧電膜は実施例2と同様、(100)面に優先配向した良質なペロブスカイト構造の膜であった。
しかしながら、基板を変えて同様の成膜を5回繰り返したところ、5回目の膜はパイロクロア構造となり所望の特性を有する膜が得られなかった。間隙を有しない円筒形状のシールドでは、繰り返し成膜を行うと機能が低下することがわかった。これは、比較例2のシールドが間隙のない円筒形状であったため、ターゲットTの構成元素Tpの粒子がシールドの内面を覆い、シールドとしての機能が低下したためと考えられる。
本発明の成膜装置および成膜方法は、プラズマを用いる気相成長法により膜を成膜する場合に適用することができ、インクジェット式記録ヘッド、強誘電体メモリ(FRAM)、及び圧力センサ等に用いられる圧電膜等の成膜に適用することができる。
(a)は、本発明の第1の実施形態のRFスパッタリング装置(成膜装置)の概略断面図、(b)は成膜中の様子を模式的に示す図 図1中のシールド及びその近傍の拡大図である プラズマ電位及びフローティング電位の測定方法を示す説明図 本発明の第2の実施形態の、シールドに制御電圧を印加可能に構成した成膜装置の縦断面図 本発明に係る実施形態の圧電素子及びインクジェット式記録ヘッドの構造を示す断面図 図5のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置の構成例を示す図 図6のインクジェット式記録装置の部分上面図 実施例1の測定結果(リングの枚数と、プラズマ電位およびフローティング電位の差との関係)を示す図
符号の説明
2 圧電素子
3、3K,3C,3M,3Y インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)
11 基板ホルダ
12 プラズマ電極(ターゲットホルダ)(プラズマ生成部)
13 高周波電源(プラズマ生成部)
40 圧電膜
71 インク室(液体貯留室)
72 インク吐出口(液体吐出口)
200、300 成膜装置
204 間隙
210、310 真空容器
250 シールド
250a リング(シールド層)
330 制御電源
B 成膜用基板
G 成膜ガス
L 厚み
P プラズマ空間
T ターゲット
Vf フローティング電位
Vs プラズマ電位
S 距離

Claims (7)

  1. 成膜ガスの導入と排気が可能な真空容器と、該真空容器内に配置される、ターゲットを保持するターゲットホルダと、該ターゲットホルダに対向して配置され、膜が形成される成膜用基板を保持する基板ホルダと、前記ターゲットホルダと成膜基板側との間にプラズマ空間を生成するプラズマ生成部とを備えたスパッタ成膜装置において、
    前記ターゲットホルダの成膜基板側の外周を取囲むシールドを備え、
    該シールドが、前記成膜ガスが通過する間隙を空けて積層された複数のシールド層からなり、
    該複数のシールド層の、積層方向と直交する前記シールドの壁材の厚みLと、積層方向の前記シールド層間の距離Sが、LSの関係にあることを特徴とするスパッタ成膜装置。
  2. 前記シールドがアースされていることを特徴とする請求項1記載のスパッタ成膜装置。
  3. 前記シールドが、前記ターゲットおよび前記真空容器の壁面から電気的に絶縁された状態で配置され、且つ電圧が印加されていることを特徴とする請求項1記載のスパッタ成膜装置。
  4. 請求項1〜3いずれか1項記載のスパッタ成膜装置を用いて成膜されたことを特徴とする圧電膜。
  5. 請求項4記載の圧電膜と、該圧電膜を該圧電膜の両面から挟んで前記圧電膜に電界を印加する電極とを備えたことを特徴とする圧電素子。
  6. 請求項5記載の圧電素子と、
    液体が貯留される液体貯留室および該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口を有する液体貯留吐出部材を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  7. 成膜ガスの導入と排気が可能な真空容器と、該真空容器内に配置されたターゲットホルダと、該ターゲットホルダに保持されたターゲットと、該ターゲットに対向して配置され、膜が形成される成膜用基板を保持する基板ホルダと、前記ターゲットと成膜基板側との間にプラズマ空間を生成するプラズマ生成部とを備えたスパッタ成膜装置において、
    前記ターゲットを保持した前記ターゲットホルダの成膜基板側の外周を取囲むシールドを備え、
    該シールドが、前記成膜ガスが通過する間隙を空けて積層された複数のシールド層からなり、
    該複数のシールド層の、積層方向と直交する前記シールドの壁材の厚みLと、積層方向の前記シールド層間の距離Sが、LSの関係にあることを特徴とするスパッタ成膜装置。
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