JP2008179890A - 装身具用貴金属合金及び当該装身具用貴金属合金からなる装身具 - Google Patents

装身具用貴金属合金及び当該装身具用貴金属合金からなる装身具 Download PDF

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Abstract

【課題】装飾機能と健康増進あるいは治療・治癒機能を備えた上で、合金製造における製造性や装身具等に加工する際の加工性も良好な装身具用貴金属合金及び当該装身具用貴金属合金によりなる装身具を提供すること。
【解決手段】本発明の装身具用貴金属合金は、金、銀、及び白金からなる群から選ばれる1種以上の貴金属を含有し、合金全体に対してゲルマニウムを、ビスマス、及びインジウムを含有することにより構成される。合金中にゲルマニウムに対してビスマスを添加することにより、ゲルマニウムの奏する諸効果を格段に高めることができ、また、かかる貴金属合金からなる装身具は、ロジウムメッキ等のメッキを行わなくとも光沢性が良好であるとともに、健康増進あるいは治療・治癒機能と装飾機能とを備え、また、耐酸化性等の耐蝕性に優れ、安全かつ低コストな装身具となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、装身具用貴金属合金及び当該装身具用貴金属合金からなる装身具に関する。更に詳しくは、装飾機能と治療・治癒機能等を備え、合金製造における製造性や加工性も良好な装身具用貴金属合金及び当該装身具用貴金属合金からなる装身具に関する。
金、銀、白金等の貴金属を主成分とした貴金属合金は、外観的に優れ、更に人体に対して安全な金属であるため、ネックレス、指輪、ピアス等の装身具、装飾品、宝飾品、食器(以下、これらを総称して装身具と呼ぶ。)等に広く使用されている。これらの装身具を用途とする貴金属合金には、合金の硬度や表面強度を高めるようにする等の理由により、種々の添加物を入れることが多い。
また、近年、健康増進や肩こり等の治療・治癒等を目的として、ゲルマニウムを添加する装身具用貴金属合金も知られている。ゲルマニウムは、体温程度の温度で電気が流れる性質を持っており、体に触れると体内に流れる生体電流バランスを整え、免疫力を活性化させ、自然治癒力を高め、不調を緩和するといわれている。ゲルマニウムを添加した装身具用途の合金は、ゲルマニウムの備えるいわゆる遠赤外効果を利用しており、例えば、銀に対してゲルマニウムを0.5〜3.0%添加した装身具用の銀合金が提供されている(例えば、特許文献1を参照。)。
更には、貴金属合金には、ゲルマニウムに加えてインジウムを添加したものも知られている。貴金属に対してゲルマニウム等といった貴金属より大きい粒子の異物質を混入すると、合金中にピンホールができやすくなり、展性、延性が低下し、合金を装身具等に加工する際の加工性が悪くなる問題があるが、貴金属に対して適量のインジウムを添加することにより、ゲルマニウムの添加により低下した展性、延性を改善することができ、合金としての製造性や装身具としての加工性を向上させることができる。ゲルマニウムとインジウムを添加した貴金属合金としては、ゲルマニウムを0.5〜9.0%とインジウムを1.0〜9.0%とを含有し、残りが銀からなる装身具用の銀合金が提供されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特開平6−17167号公報([特許請求の範囲]、[0016]) 特開2001−192753号公報([特許請求の範囲]、[0017])
しかしながら、貴金属合金ないしは当該合金を加工した装身具について前記した遠赤外効果を発揮させるためには、必要量のゲルマニウムを添加せざるを得ない一方、多量のゲルマニウムを添加した場合には、前記したように合金の製造が困難となったり、合金を装身具に加工した際の加工性が悪いという問題が生じ、また、これはインジウムを添加しても改善されない場合が多かった。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、装飾機能と健康増進あるいは治療・治癒機能を備えた上で、合金製造における製造性や装身具等に加工する際の加工性も良好な装身具用貴金属合金及び当該装身具用貴金属合金によりなる装身具を提供することにある。
前記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る装身具用貴金属合金は、金、銀、及び白金からなる群から選ばれる1種以上の貴金属を含有する装身具用貴金属合金であって、ゲルマニウム、ビスマス、及びインジウムを含有することを特徴とする。
本発明の請求項2に係る装身具用貴金属合金は、前記請求項1において、合金全体に対して前記ゲルマニウムを0.01〜5.0質量%、前記ビスマスを0.01〜3.0質量%、及び前記インジウムを0.1〜30.0質量%含有することを特徴とする。
本発明の請求項3に係る装身具用貴金属合金は、前記請求項1または請求項2において、前記ゲルマニウム、前記ビスマス及び前記インジウムをこれらの総量として合金全体に対して0.3〜10.0質量%含有することを特徴とする。
本発明の請求項4に係る装身具用貴金属合金は、前記請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、前記ゲルマニウムと前記ビスマスの含有量の比が、ゲルマニウム/ビスマス=5/2〜1/1であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る装身具は、装身した場合に皮膚に接触する部分が、前記請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の装身具用貴金属合金から構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項1に係る装身具用貴金属合金は、金、銀、白金から選ばれる1種以上の貴金属を主成分として含有するとともに、ゲルマニウム、ビスマス及びインジウムを含有する構成を採用しているので、ゲルマニウムとビスマスを併用することにより、ビスマスがゲルマニウムと相乗効果を起こし、ゲルマニウムの諸効果を格段に高めることができ、例えば、遠赤外効果や温熱効果(温熱刺激効果。貴金属自体が多少の熱を発することにより接触部を刺激する効果のこと。以下同。)の向上により肩こり等の健康増進、治療効果に優れた合金となる。加えて、ゲルマニウムとビスマスの添加により、外観に輝きを増すので、ロジウムメッキ等のメッキを行わなくとも、光沢性が良好な装飾機能に優れた合金となる。
また、本発明の貴金属合金は、ゲルマニウムやビスマスといった、貴金属より大きい粒子からなる成分を含有するに際し、これらに併せてインジウムを含有しているので、良好な展性、延性を維持し、装身具としての加工性を向上させ、また、装身具としての適度な硬度を付与することができる。
更には、本発明の装身具用貴金属合金は、ゲルマニウム、ビスマス及びインジウムを含有することにより、耐酸化性等の耐蝕性を向上させることができる。そして、これらの成分は、装身具として皮膚に接触させて使用するのに安全かつ安価な材料であるため、装身具用途として安全な貴金属合金を低コストで提供することができる。
本発明の請求項2に係る装身具用貴金属合金は、前記した請求項1において、ゲルマニウム、ビスマス及びインジウムを貴金属合金全体に対して特定量含有するような構成としているので、前記した効果を効率よく発現させることができる。
本発明の請求項3に係る装身具用貴金属合金は、前記した請求項1または請求項2において、ゲルマニウム、ビスマス及びインジウムの総量を貴金属合金全体に対して特定量含有するような構成としているので、合金に対してこれら3成分がバランスよく添加され、前記した効果をより効率よく発現させることができる。
本発明の請求項4に係る装身具用貴金属合金は、前記した請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、ゲルマニウムの含有量とビスマスの含有量との比を特定範囲としているので、ゲルマニウムに対してビスマスが適量となり、ビスマスがゲルマニウムに効率よく作用して、ゲルマニウムの諸効果が効率よく発現することになる。
本発明の請求項5に係る装身具は、装身した場合に皮膚に接触する部分が、前記した本発明の装身具用貴金属合金から構成されていることとしているので、前記した本発明の貴金属合金の奏する効果を享受する、遠赤外効果及び温熱効果による健康増進あるいは治療・治癒機能と装飾機能とを備える装身具となる。また、耐酸化性等の耐蝕性に優れ、安全かつ低コストな装身具となる。加えて、装着により精神を集中する時に集中力を高める効果や、リラックスした快感状態をもたらす効果、精神的・心理的ストレスの緩和・抑制効果を有する装身具となる。
以下、本発明の装身具用貴金属合金(以下、単に「貴金属合金」とする場合もある。)は、金、銀、白金からなる群から選ばれる1種以上の貴金属を含有し、合金全体に対して、さらに、ゲルマニウム、ビスマス及びインジウムを添加することにより構成される。
本発明の貴金属合金は、従来公知の貴金属である金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、といった貴金属を主成分とし、必要によりいわゆる割がね(後記)を併用することによりなる貴金属成分を基本構成とする。本発明の貴金属合金にあっては、例えば、貴金属として金を主成分として含有するようにすれば、後記する効果を好適に奏する金合金を提供することができる。
貴金属合金を構成する貴金属の含有量は、所望の貴金属合金となるように適宜設定すればよく、また、これらの貴金属の強度を向上させるべく、貴金属に対して必要に応じて割がね(割りがね、割金ともいわれる)を併用するようにしてもよい。割がねとしては、金(ゴールド)に対しては、銀や銅が使用され、所望の金となるように、純金と割がねを併用する。K5(5金)にあっては全体の21%が金、79%が銀及び/または銅であり、K8(8金)にあっては全体の33%が金、67%が銀及び/または銅であり、K10(10金)にあっては全体の42%が金、58%が銀及び/または銅であり、K14(14金)にあっては全体の58%が金、42%が銀及び/または銅であり、K18(18金)であれば、全体の75%が金、25%が銀及び/または銅であり、K24(24金)であれば100%の金で構成されていることになる。なお、ホワイトゴールドとする場合には、割がねとしてニッケル(Ni)やパラジウム(Pd)を使用するようにしてもよい。
銀(シルバー)に対しては、真鍮及び/または銅が割がねとして併用される。銀については、シルバー500であれば銀が50%、シルバー800であれば銀が80%、シルバー900であれば銀が90%、シルバー925であれば銀が93%(92.5%)、シルバー950であれば銀が95%であり、残部が割がねである真鍮及び/または銅となる。なお、シルバー1000であれば銀が100%である。
白金(プラチナ)に対しては、パラジウムが割がねとして併用される。白金については、Pt500であれば白金が50%、Pt800であれば白金が80%、Pt900であれば白金が90%、Pt925であれば白金が93%(92.5%)、Pt950であれば白金が95%であり、残部が割がねであるパラジウムとなる。なお、Pt1000であれば白金が100%である。
なお、銅(Cu)は、前記した金、銀、白金に対して必要により割がねとして添加され、貴金属に対して所望の量を含有させればよい。
本発明の貴金属合金にあっては、割がねの一部をゲルマニウム、ビスマス及びインジウムで補填する構成であり、例えば、K18(18金)であれば、金が75%であり、残部(25%)が前記した割がねの成分とゲルマニウム、ビスマス及びインジウムとなる。また、貴金属は合金全体の50質量%以上とすれば、本発明の効果を効率よく発揮させることができる。
本発明にあっては、貴金属合金全体に対して、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)及びインジウム(In)を添加する。ここで、ゲルマニウムは電気を熱に変換するはたらきを持ち、かかるゲルマニウムの添加は、合金ないしは当該合金を用いて製造された装身具に対していわゆる遠赤外効果ないしは温熱効果を付与することができ、例えば、肩こり等を治療する健康増進効果、治療効果を発揮させることができる。また、ゲルマニウムの添加により、合金ないしは当該合金を用いて製造された装身具に輝きと光沢を与えることができ、装飾機能を向上させることができる。
更には、ゲルマニウムの添加により、合金ないしは当該合金を用いて製造された装身具に対して、耐酸化性、耐硫化性等の耐蝕性を付与することができる。更にまた、ゲルマニウムの添加により、合金に適度な硬度を付与することができ、硬い合金となるため加工性にも優れる。そして、ゲルマニウムは、装身具として皮膚に接触させて使用するのに安全な材料であり、更には、安価な材料であるためコストが高くなることもないといったメリットもある。
ゲルマニウムの添加量は、合金全体に対して0.01〜5.0質量%であることが好ましい。ゲルマニウムの添加量をかかる範囲とすることにより、前記した効果を効率よく発現させることができる。ゲルマニウムの添加量が0.01質量%より少ないと、ゲルマニウムを添加する効果が発現されない場合があり、一方、ゲルマニウムの添加量が5.0質量%より大きいと、添加するゲルマニウムの量が過大となり、後記するインジウムを添加しても展性、延性が改善されず、装身具とした場合における加工性が悪くなる場合がある。ゲルマニウムの添加量は、合金全体に対して0.01〜0.56質量%とすることが特に好ましい。
一方、ビスマスは、熱を電気に変換するはたらきがあり、ビスマスの添加は、ゲルマニウムと同様、合金ないしは当該合金を用いて製造された装身具に健康増進、治療効果を付与する等、前記したゲルマニウムが発現する効果と同等の効果を貴金属合金に付与することができる。また、ゲルマニウムとビスマスを併用することにより、ゲルマニウムと相乗効果を起こし、ゲルマニウムの諸効果を格段に高めることができる。すなわち、ビスマスの添加により、同量のゲルマニウムを入れるより、前記した遠赤外効果ないしは温熱効果による健康増進、治療効果を向上させることができ、その他、装飾機能、耐蝕性及び硬度を高めることもできる。また、ビスマスもゲルマニウムと同様、装身具として皮膚に接触させて使用するのに安全な材料であり、また、イオン化により汚れや埃(ほこり)を寄せ付けにくくなる。更には、これもゲルマニウムと同様、安価な材料であるためコストが高くなることもない。なお、ビスマスを添加しなかった場合にあっては、溶融状態とした際に融点の低いインジウムが涸れた状態となり、合金に「す」ができやすくなる。
ビスマスの添加量は、合金全体に対して0.01〜3.0質量%であることが好ましい。ビスマスの添加量がかかる範囲であれば、ゲルマニウムに対しても適量となり、ゲルマニウムとの相乗効果により、ゲルマニウムの有する諸効果を効率よく発現させることができる。ビスマスの添加量が0.01質量%より少ないと、ビスマスを添加する効果が発現されない場合があり、一方、ビスマスの添加量が3.0質量%より大きいと、ゲルマニウムとのバランスが悪く、また、貴金属成分に対しての割合が高くなるため、インジウムを添加することによっても、装身具とした場合における加工性が改善されない場合がある。ビスマスの添加量は、合金全体に対して0.01〜0.2質量%とすることが特に好ましい。
ゲルマニウムとビスマスは、質量比(合金全体に対する含有量とも同意)として、ゲルマニウム/ビスマス=5/2〜1/1とすることが好ましい。ゲルマニウムとビスマスとの比をかかる範囲とすれば、ゲルマニウムに対してビスマスが適量となり、ビスマスがゲルマニウムに効率よく作用することになる。ゲルマニウムとビスマスは、ゲルマニウム/ビスマス=2/1〜1/1となることが特に好ましい。
更には、インジウム(In)の添加は、装身具としての加工性を向上させることができる。すなわち、前記したゲルマニウム及びビスマスの添加により展性、延性が低下し、合金が脆くなりやすい一方、適量のインジウムの添加によって、当該インジウムが粒子径の小さい貴金属と粒子径の大きいゲルマニウム及びビスマスを繋ぐ「ノリ(糊)」の役割を果たし、良好な展性、延性を維持し、装身具としての加工性を向上させ、また、装身具としての適度な硬度を付与することができる。更には、インジウムの添加により、前記のゲルマニウム等と同様、耐酸化性や耐硫化性その他の耐蝕性を向上させることができる。そして、インジウムの添加により、白色の合金(シルバー、ホワイトゴールド、プラチナ)の白さを鮮やかに発現させることができる。なお、インジウムもゲルマニウム等と同様、装身具として皮膚に接触させて使用するのに安全な材料であり、また、安価な材料であるためコストが高くなることもない。
インジウムの添加量は、合金全体に対して0.1〜30.0質量%であることが好ましい。インジウムの添加量をかかる範囲とすることにより、前記した効果を効率よく発現させることができる。インジウムの添加量が0.1質量%より少ないと、インジウムを添加する効果が発現されない場合があり、一方、インジウムの添加量が30.0質量%より大きいと、展性や延性が過大となってしまい、装身具とした場合の硬度を維持することができなくなる場合がある。インジウムの添加量は、合金全体に対して0.1〜10.0質量%とすることがさらに好ましく、0.1〜9.0質量%とすることが特に好ましい。
このように、ゲルマニウム、ビスマス及びインジウムは、これらの総量として、合金全体に対して0.12〜38.0質量%添加することが好ましいが、合金全体に対して0.3〜10.0質量%含有することがさらに好ましい。ゲルマニウム、ビスマス及びインジウムの総量がかかる範囲であれば、合金に対してこれら3成分がバランスよく添加され、前記した効果を効率よく発現させることができる一方、添加量の総量が0.3質量%より小さいと、諸効果を発現できない場合があり、添加量の総量が10.0質量%より大きいと、金属分子の剥離が起きやすくなり、製造性や加工性に悪影響を及ぼす可能性がある。
また、ゲルマニウム及びビスマスの含有量の合計と、インジウムの含有量との比について、(ゲルマニウム+ビスマス)/インジウム=1/20〜1/5であるようにすることが好ましく、かかる範囲であれば、ゲルマニウム及びビスマスとインジウムとのバランスがよく、インジウムがゲルマニウム及びビスマスに対しても適量となり、合金自体の製造性及び装身具に加工する際の加工性が安定する。ゲルマニウム及びビスマスの含有量の合計と、インジウムの含有量の比は、(ゲルマニウム+ビスマス)/インジウム=1/15〜1/5となることが特に好ましい。
以下、表1ないし表3に、本発明の貴金属合金における、選択する貴金属(金、銀、白金)に対する添加するゲルマニウム、ビスマス及びインジウムの含有量を示した。
(貴金属の種類:金)
Figure 2008179890
(貴金属の種類:銀)
Figure 2008179890
(貴金属の種類:白金)
Figure 2008179890
本発明の貴金属合金を製造するには、従来公知の製造方法を用いることができ、例えば、使用する成分を混合し、950〜1100℃程度で溶解させた後、鋳型に流し込んで冷却して地金を製造する鋳造法により製造することができる。また、このようにして得られた地金を再度950〜1100℃程度で溶解させた後、水の中に落下させて直径が1.0〜1.5mmの合金粒を形成させ、当該合金粒を再度溶解させることにより、使用する成分を均一化することができる。
以上のような構成からなる本発明の貴金属合金は、貴金属成分に対して、所定量のゲルマニウムとビスマスを含有しているので、ゲルマニウムとビスマスの相乗効果により、遠赤外効果、温熱効果等による肩こり等の健康増進、治療効果に優れた合金となる。また、ゲルマニウムとビスマスの添加により、外観に輝きを増し、ロジウムメッキ等のメッキをしなくとも、光沢性が良好な装飾機能に優れた合金となる。
また、本発明の貴金属合金は、ゲルマニウムやビスマスといった、貴金属合金成分より大きい粒子からなる成分を含有するに際し、適量のインジウムを含有しているので、良好な展性、延性を維持し、装身具としての加工性を向上させ、また、装身具としての適度な硬度を付与することができる。
更には、貴金属に対してゲルマニウム、ビスマス及びインジウムを添加させることにより、耐酸化性等の耐蝕性を向上させることができる。そして、これらの成分は、装身具として皮膚に接触させて使用するのに安全かつ安価な材料であるため、装身具用途として安全な貴金属合金を低コストで提供することができる。
本発明の貴金属合金の効果について、貴金属となる成分ごとにまとめると、以下のようになる。すなわち、貴金属として金は、従来のホワイトゴールドについては割がねに銅を使用するため、地金の色が黄色みを帯び、光沢性も劣ってしまうので、従来のホワイトゴールドは、製品段階でロジウムメッキをかけていたのが実情であった(一部パラジウム割がねの地金が製造されているが、後記する白金(プラチナ)と同様に、地金の急騰によりグラム単価が高くなり市場性がほとんどないのが現状である。)。
なお、メッキに関しては、どの貴金属についても、耐摩耗性の優れたニッケルメッキが主流であったが、ニッケルが原因とされる皮膚の金属アレルギーのため、現在では前記したようにロジウムメッキが主流とされている。一方、ロジウムメッキは、耐摩耗性が劣っているので剥がれやすいという問題があり、貴金属として金を使用した場合にあっては、従来のホワイトゴールドの本来の色見がでてきてしまうという問題が発生する。また、後記するように、貴金属として銀や白金を使用した場合でも、メッキがすぐに剥がれてしまい、その部分が酸化・硫化されてしまうという問題があった。
これに対して、本発明の貴金属合金は、銅の代わりの割がねとしてゲルマニウム、ビスマス及びインジウムを併用することにより地金自体を白く加工でき、光沢性が良好で、硬度を付与することができ、表面にロジウムメッキ等のメッキをかける必要がない。よって、指輪のサイズ直しや破損による修理などの後加工でメッキを一度外して加工し、再度メッキをかける必要がなくなるといったメリットがあり(特に石付の指輪等)、前記の特性を備えた貴金属を低コストで提供可能とする。
また、貴金属としての銀は、従来のシルバー(銀)もホワイトゴールドと同様、割がねに銅を使用するので、地金の変色が起こりやすく、そのため、製品段階でロジウムメッキをかけている場合があるのが実情であった。本発明の貴金属合金は、銅の代わりの割がねとしてゲルマニウム、ビスマス及びインジウムを併用することにより、地金自体が耐酸化性等の耐蝕性に優れるほか、良好な硬度を備える合金となる。なお、従来の銀(シルバー)製品(石付の指輪等)の加工における問題として、サイズ直しの際に地金全体を加熱して一定状態にしないとロウ材が流れ込まない性質があるため、石を一度外しての加工をしなければならず、しかも、加熱の際、温度を上げすぎると地金自体が溶解してしまうので、現状では後加工のサイズ直しを避け、サイズ別のストック対応を余儀なくされる。一方、本発明の貴金属合金は、同じ性質を持った融点の低いロウ材の役割を果たすこととなり、石を外さずに部分的な加熱によるサイズ直しが可能となり、後加工でのメッキを外す必要がないので加工が容易にできる(特に石付の指輪に加工する場合等)。これも、貴金属合金を低コストで提供することに繋がるものである。
そして、貴金属としての白金(プラチナ)は、地金急騰のため、装身具の構成材料としての使用を見送っているのが現状であり、また、従来の白金(プラチナ)の持つ性質として金(例えば、金K18等)と比較して軟らかく表面が傷つきやすく、また、白金(プラチナ)自体の色見について若干黒みがかっていて光沢性にも劣っているので、製品段階で表面にロジウムメッキをかけているものが多かった。一方、本発明の貴金属合金は、割がねとしてゲルマニウム、ビスマス及びインジウムを併用しているので、光沢性が良好で硬度を維持できるので、前記のメッキが不要となり、また、地金の表面磨き(仕上げ)が容易に可能となる。加えて、例えば、プラチナの含有量を減らしゲルマニウム、ビスマス及びインジウムの含有量を増やすことにより、低コストの材料として市場性の拡大が期待できる。
以上のように本発明の装身具用貴金属合金は、ロジウムメッキ等を不要にする等の理由で、低コストの合金材料を提供することができる。なお、合金の形態としては、1種類はもちろんのこと、2種類以上の合金を複合させた複合体としてもよい。図1は、本発明の装身具用貴金属合金からなる線材1の一態様を示した正面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。また、図3は本発明の装身具用貴金属合金からなる板材1aの一態様を示した正面図であり、図4は、図3のA−A断面図である。線材1や板材1aを構成する第1材11として、例えば、SV925合金、第2材12として、例えば、KW10WG合金等を使用することができる(以下、図5ないし図8についても同様。)。
本発明の貴金属合金は、例えば、ネックレス、ブレスレット、指輪、時計ケース、時計バンド、カットリング、マシーンチェーン、洋食器(スプーン、フォーク)、メガネフレーム、歯科用金属、健康用の接触芯等といった装身具の構成材料とした場合に、その効果を最大限に発揮することができ、前記した本発明の貴金属合金の奏する効果を享受する、健康増進あるいは治療・治癒機能と装飾機能とを備え、また、耐酸化性等の耐蝕性に優れ、安全であり低コストの装身具となる。ここで、装身具の製造は、特に制限はなく、溶融状態の貴金属合金を鋳造したり、貴金属合金を加熱等して引き延ばしたりする等の手段により所望の形状に加工すればよい。
本発明の装身具用貴金属合金からなる装身具は、装着によりα波や大脳前頭葉の脳波θ波の出現を有意に増強することができるので、装着により精神を集中する時に集中力を高める効果や、ランナーズハイに相当する、リラックスした快感状態をもたらす効果を備えている。また、装着により唾液酵素アミラーゼの酵素活性を減少させ、交感神経の緊張を緩和させることができ、すなわち、精神的・心理的ストレスの緩和・抑制効果を有するものである。
なお、かかる装身具は、装身した場合に皮膚に接触する部分が、本発明の装身具用貴金属合金からなればよく、例えば、その全体が本発明の装身具用貴金属合金からなるようにしてもよく、また、装身した場合に皮膚に接触する外表面等の部分を、本発明の装身具用貴金属合金で構成させるようにしてもよい。
図5ないし図8は、本発明の装身具用貴金属合金を用いた装身具について、2種類の貴金属合金を適用した態様を示したものである。図5は、本発明の装身具の一態様である接着芯1bを示した正面図であり、図6は、図5のA−A断面図である。また、図7は、本発明の装身具の一態様であるネックレスの留め具1c(本発明の貴金属合金は、少なくとも差し具1dを構成する。)を示した正面図であり、図8は、図7の留め具1cにおける差し具1dのA−A断面図である。本発明の装身具用貴金属合金を使用すれば、2種の貴金属合金(第1材11,第2材12)を用いたこれらの装身具(接着芯1b及びネックレス留め具1cの差し具1d)についてもロジウムメッキ等のメッキを適用することなく、低コストの装身具を提供することができる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例等に限定されるものではない。
[実施例1]
装身具用貴金属合金の製造:
下記の方法により、本発明の装身具用貴金属合金を製造した。
装身具用貴金属合金の製造(1):
下記組成の成分を均一に混合し、約990℃程度で溶解させた後、鋳型に流し込んで冷却して地金を製造した。得られた地金を再度約990℃程度で溶解させた後、水の中に落下させて直径が1.0〜1.5mmの合金粒を形成させ、当該合金粒をさらに再度約990℃で溶解させた後、冷却させることにより、金を主成分とする本発明の装身具用貴金属合金(金合金)を得た。
(金合金の組成)
成分 含有量(質量%)
1.純金 75.0
2.銀(割がね) 9.6
3.銅(割がね) 14.4
4.ゲルマニウム 0.04
5.ビスマス 0.04
6.インジウム 0.92
合計 100
[実施例2]
装身具用貴金属合金の製造:
下記の方法により、本発明の装身具用貴金属合金を製造した。
装身具用貴金属合金の製造(2):
下記組成の成分を均一に混合し、約900℃程度で溶解させた後、鋳型に流し込んで冷却して地金を製造した。得られた地金を再度約900℃程度で溶解させた後、水の中に落下させて直径が1.0〜1.5mmの合金粒を形成させ、当該合金粒をさらに再度約900℃で溶解させた後、冷却させることにより、銀を主成分とする本発明の装身具用貴金属合金(銀合金)を得た。
(銀合金の組成)
成分 含有量(質量%)
1.純銀 92.5
2.ゲルマニウム 0.04
3.ビスマス 0.02
4.インジウム 7.44
合計 100
(融点の測定)
実施例2で得られた装身具用貴金属合金(銀合金)について、熱分析/示差熱熱重量同時測定(TG/DTA)により融解温度(融点)を測定した。図9はTG/DTAチャートを示した図、図10は図9の部分拡大図である。図9及び図10に示すように、吸熱反応は880.4℃付近で始まることが分かり、実施例2で得られた装身具用貴金属合金(銀合金)の融点は約880.4℃であることが確認できた。
(引張特性の測定)
実施例2において、得られる装身具用貴金属合金(銀合金)の形状を、長さ4.3cm×幅1.5cm×厚さ1.0mmtとした板状(板状サンプル)とした。得られた板状サンプルについて、詳しい試験条件を下記の内容として、JIS Z2241に準拠して引張強度を測定した。測定結果を表4に示す。表4に示すように、実施例2の装身具用貴金属合金(銀合金)は引張特性に優れ、製造性及び加工性に優れる合金であることが確認できた。
(試験条件)
試験機器 : 万能試験機(RTC−1310:(株)オリエンテック製)
引張速度 : 1.0mm/分
試験片寸法 : 長さ37.0mm×幅8.0mm×厚み1.0mmt
(測定結果:引張強度)
Figure 2008179890
(ビッカース硬度の測定)
引張強度を測定したものと同仕様の板状サンプルについて、下記の試験条件に準拠してビッカース硬度を測定した。測定結果を表5に示す。なお、結果はn=4の平均値である。表5に示すように、実施例2の装身具用貴金属合金(銀合金)は適度な硬度を備えるため、これによっても製造性及び加工性に優れる合金であることが確認できた。
(試験条件)
試験機器 : 微小硬度計(MVK−G3500AT:(株)アカシ製)
試験荷重 : 0.10kgf(0.9806N)
(測定結果:ビッカース硬度)
Figure 2008179890
[比較例1]
装身具用貴金属合金の製造(3):
実施例1に示した方法において、ゲルマニウム、ビスマス及びインジウムを使用せず、下記の組成に置き換えた以外は、実施例1の方法を用いて、金を主成分とする装身具用貴金属合金(金合金)を製造した。
(金合金の組成)
成分 含有量(質量%)
1.純金 75.0
2.銀(割がね) 15.0
3.銅(割がね) 10.0
合計 100
[比較例2]
装身具用貴金属合金の製造(4):
実施例1に示した方法において、ゲルマニウム、ビスマス及びインジウムを使用せず、下記の組成に置き換えた以外は、実施例2の方法を用いて、銀を主成分とする装身具用貴金属合金(銀合金)を製造した。
(銀合金の組成)
成分 含有量(質量%)
1.純銀 92.5
2.銅(割がね) 7.0
3.亜鉛 0.5
合計 100
[実施例3]
装身具の製造(1):
実施例1で得られた金合金を鋳型に流し込んで、厚さが2.5cm、幅が4.0cm、サイズが12番、重量が6.56gの甲丸リングを製造した。
[実施例4]
装身具の製造(2):
実施例2で得られた銀合金を鋳型に流し込んで、厚さが2.5cm、幅が4.0cm、サイズが12番、重量が3.8gの甲丸リングを製造した。
[実施例5]
装身具の製造(3):
実施例2で得られた銀合金をφ0.75mmの丸線を引いた後、喜平(幅5mm)のマシーンチェーン(ケーブルチェーン)を作製し、このマシーンチェーンで長さ45cm、重さ12.22gのネックレスを製造した。
[比較例3]
装身具の製造(4):
比較例1で得られた金合金を鋳型に流し込んで、厚さが2.5cm、幅が4.0cm、サイズが12番、重量が6.56gの甲丸リングを製造した。
[比較例4]
装身具の製造(5):
比較例2で得られた銀合金を鋳型に流し込んで、厚さが2.5cm、幅が4.0cm、サイズが12番、重量が3.8gの甲丸リングを製造した。
[比較例5]
装身具の製造(6):
比較例2で得られた銀合金をφ0.75mmの丸線を引いた後、喜平(幅5mm)のマシーンチェーン(ケーブルチェーン)を作製し、このマシーンチェーンで長さ45cm、重さ12.22gのネックレスを製造した。
[試験例1]
唾液酵素アミラーゼの酵素活性の測定:
唾液酵素アミラーゼの酵素活性は、ストレス負荷に対する交感神経系の興奮(緊張)レベルと相関して上下すると考えられている。すなわち、被験者のストレスによる緊張の上下を示すものである。8名の被験者について、下記の試験方法を用いて、実施例3ないし実施例5の装身具を装着した場合における唾液酵素アミラーゼの酵素活性(アミラーゼ活性)を測定し、本発明の装身具の精神的・心理的ストレスの緩和・抑制効果を確認した。
(試験方法)
(1)8人の被験者に対して、まず、装身具を装着しない状態で、暗算及びクレペリンテストを10分間実施し、精神ストレス負荷をかけた。
(2)暗算等の実施を止め、精神ストレス負荷をかけない状態で15分間休息させた。
(3)休息後、実施例3ないし実施例5の装身具を装着して、(1)とは異なる内容の暗算及びクレペリンテストを10分間実施し、精神ストレス負荷をかけた。
(4)暗算等の実施を止め、装身具を装着したままで精神ストレス負荷をかけない状態で休息させた。
そして、「試験前」「(1)の終了後」、「(2)の終了後」、「(3)の終了後」及び「(4)の終了後」に、被験者の唾液を採取して、アミラーゼ活性を測定した。
酵素活性は、高いほど精神的・心理的ストレスによる緊張が高い状態であることを示す。実施例の装身具の装着の有無によらず、精神作業により精神ストレス負荷をかけた状態では交感神経緊張によってアミラーゼ活性が上昇するが、実施例の装身具を装着させた状態で10分間精神ストレス負荷をかけた場合のアミラーゼ活性((2)の終了後→(3)の終了後)は、装身具を装着しない状態で10分間精神ストレス負荷をかけた場合(試験前→(1)の終了後)と比較して有意に低い(P<0.03)ことが確認できた。以上の結果より、実施例3ないし実施例5の装身具を装着することによって、精神的・心理的ストレスに対する緊張が緩和・抑制されることが確認できた。
[試験例2]
脳波の測定:
本発明の装身具を装着した場合の脳波の変化を、以下の試験方法を用いて確認した。
(試験方法)
(1)被験者として年齢が18〜22歳の男女25人を選んだ。被験者は、本試験の24時間前から飲酒と激しい運動を控えて十分な睡眠を取り、試験当日はコーヒー等の刺激物を採取しないようにした。
(2)被験者は、試験環境として、室温が18〜22℃であり、暗幕遮光遮音の測定室に馴化させた。馴化後、被験者を座角が135°、ヘッドレスト付き、アームレスト付きのリクライニングシートに着座させた状態で、被験者に脳波記録用皿電極を装着して、被験者を安静閉眼状態にした。
(3)被験者は、目を閉じて10分間安静状態とした後、実施例3ないし実施例5の装身具を装着した安静閉眼状態(試験)で10分間、脳波(8チャンネル)を連続記録した。装身具を装着しない安静閉眼状態をコントロール(ブランク)とした。なお、被験者には、その間事前に与えられた2桁の連続加算(クレペリンテスト)を暗算で実施し、加算回数と答えを記憶して、10分間の各セッション終了後に答えるという課題を与えた。
脳波記録は正中線上と左右前頭部から採取した。得られたデータはBIMUTAS社製解析ソフトを用い、高速フーリエ変換周波数解析をして、脳波はδ波、θ波、α波1、α波2、β波の出現頻度及びスペクトルパワー積分値を測定した。なお、被験者が実施した暗算の結果は、前記したように各セッション終了時に聞き取った後、加算回数と加算結果を記録した。
測定ないし記録結果の検証方法としては、脳波各成分のうち、θ波成分及びα波成分を上昇させる効果を検証した。
本試験を実施した結果、クレペリンテスト時に、装身具装着によってθ波領域(4〜6Hz)のパワースペクトル積分値が増加した被験者16人について、装身具の有無によりθ波パワースペクトル積分値とα波パワースペクトル積分値の平均値の統計的検定(t検定)を実施した。この結果、実施例の装身具を装着することによって、θ波パワースペクトル積分値が有意に増加すること(P<0.004)、及びα波パワースペクトル積分値が有意に増加すること(P<0.004)が確認できた。以上より、本発明の装身具に、課題を与えられる等によって精神を集中する必要がある場合に集中力を高める効果、及び雑念を取り除いたリラックス状態をもたらす効果があることが確認できた。
また、前記の測定の直後に、実施例の装身具を装着した場合と装着しない場合のどちらがクレペリンテストに集中できたかについて主観的な印象を問い合わせたところ、θ波パワースペクトル積分値の増減と、主観的な印象が一致した被験者は10名/16名であった。この結果より、精神負荷を与える作業において、実施例の装身具を装着した場合には、精神を集中していたと被験者本人に自覚させることとなることが確認できた。
[試験例3]
耐酸化性・耐硫化性の確認:
実施例3及び比較例3で得られた装身具(ネックレス)を、日中(7時から17時)に太陽光が差し込む窓辺(室内)に、それ以外の時間のうち8時間を室内光(蛍光灯)の2m下にそれぞれ放置し、これを11ヶ月間継続して実施し、装身具の耐酸化性・耐硫化性を確認した。その結果、所定量のインジウム、ゲルマニウム及びビスマスを含有する実施例3の装身具は変色が全く認められず、耐蝕性に優れることが確認できた。一方、比較例3の装身具(通常のSV925)は外観が退色し、酸化、硫化が確認できた。
本発明の装身具用貴金属合金は、例えば、ネックレス、ブレスレット、指輪、時計ケース、時計バンド等の構成材料として有利に使用することができる。
本発明の装身具用貴金属合金からなる線材の一態様を示した正面図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の装身具用貴金属合金からなる板材の一態様を示した正面図である。 図3のA−A断面図である。 本発明の装身具の一態様である接着芯を示した正面図である。 図5のA−A断面図である。 本発明の装身具の一態様であるネックレスの留め具を示した正面図(開放した状態)である。 図7の留め具における差し具のA−A断面図である。 実施例2で得られた装身具用貴金属合金(銀合金)のTG/DTAチャートを示した図である。 図9の部分拡大図である。
符号の説明
1 線材
1a 板材
1b 接着芯
1c ネックレス留め具
1d 差し具
11 第1材
12 第2材

Claims (5)

  1. 金、銀、及び白金からなる群から選ばれる1種以上の貴金属を含有する装身具用貴金属合金であって、
    ゲルマニウム、ビスマス、及びインジウムを含有することを特徴とする装身具用貴金属合金。
  2. 合金全体に対して前記ゲルマニウムを0.01〜5.0質量%、前記ビスマスを0.01〜3.0質量%、及び前記インジウムを0.1〜30.0質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の装身具用貴金属合金。
  3. 前記ゲルマニウム、前記ビスマス及び前記インジウムをこれらの総量として合金全体に対して0.3〜10.0質量%含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装身具用貴金属合金。
  4. 前記ゲルマニウムと前記ビスマスの含有量の比が、ゲルマニウム/ビスマス=5/2〜1/1であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の装身具用貴金属合金。
  5. 装身した場合に皮膚に接触する部分が、前記請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の装身具用貴金属合金から構成されていることを特徴とする装身具。
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