JP2008179117A - 積層体の製造方法、表示装置用部材、表示装置用カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】仮支持体の塗工層が設けられた側と反対側にマット剤含有層を有する転写材料を用いて、前記仮支持体上の前記塗工層を、前記転写時に前記仮支持体にかかるテンションの値を60N/m〜200N/mの範囲にして、支持体上に転写する。
【選択図】なし
Description
しかしながら、この壁を熱可塑性樹脂層及び感光性樹脂層を有する転写材料を用いて形成する場合、転写材料を所望の支持体にラミネートして形成した場合に壁に欠け欠陥が発生して混色を招くことがある。特にラミネートを連続的に長距離にわたって行なったときには、距離に応じて欠け欠陥の発生の程度は次第に顕著になる。また、インクをインクジェット法で吐出して着色領域を形成する場合に混色に対する影響が大きく、混色はカラーフィルタの色特性や表示性能を悪化させる一因となる。
<1> 仮支持体の塗工層が設けられた側と反対側にマット剤含有層を有する転写材料を用いて、前記仮支持体上の前記塗工層を、転写時に前記仮支持体にかかるテンションの値を60N/m〜200N/mの範囲にして、支持体上に転写する工程を含む積層体の製造方法である。
<2> 前記マット剤は、平均粒径が0.1〜10.0μmであって、平均粒径をdとしたとき、粒径(D)が0.90d〜1.1dの範囲(0.90d≦D≦1.1d)に含まれるマット剤の個数がマット剤全量の70%以上であることを特徴とする前記<1>に記載の積層体の製造方法である。
<3> 前記塗工層が、黒色顔料を含有する光重合性黒色樹脂層であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の積層体の製造方法である。
<4> 前記黒色顔料が炭素質黒であることを特徴とする前記<3>に記載の積層体の製造方法である。
<5> 前記光重合性黒色樹脂層は、層厚が1.0〜3.0μmであって、光学濃度が3〜5であることを特徴とする前記<3>又は<4>に記載の積層体の製造方法である。
<6> 前記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の積層体の製造方法により作製された表示装置用部材である。
<8> 転写された前記塗工層をパターン状に露光し、現像して隔壁を形成する工程を更に含み、前記着色領域の形成は、着色液体組成物をインクジェット法により前記隔壁間に付与する方法により行なうことを特徴とする前記<7>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<9> 前記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の積層体の製造方法、又は前記<7又は<8>に記載のカラーフィルタの製造方法により作製された表示装置用カラーフィルタである。
<10> 前記<6>に記載の表示装置用部材又は前記<9>に記載の表示装置用カラーフィルタを備えた表示装置である。
本発明によれば、欠け欠陥の発生が防止された表示装置用部材、カラーフィルタを作製する際の混色が防止された表示装置用カラーフィルタ及びカラーフィルタの製造方法、並びに表示特性(色特性やコントラストを含む)の良好な表示装置を提供することができる。
本発明の積層体の製造方法は、例えばインクジェット法を利用したカラーフィルタ作製用のブラックマトリクスなどの隔壁や、カラーフィルタを構成する着色画素、スペーサ、液晶配向制御用突起などの構造物を作製するものである。具体的には、本発明の積層体の製造方法は、仮支持体の塗工層が設けられた側と反対側にマット剤含有層を有する転写材料を用いて、前記仮支持体上の前記塗工層を、転写時に前記仮支持体にかかるテンションの値を60N/m〜200N/mの範囲にして、支持体上に転写する工程を設けて構成されている。
例えば、転写材料が転写層として光重合性樹脂層を有する感光性転写材料である場合、感光性転写材料を光重合性樹脂層が支持体に接するように支持体に圧着し、感光性転写材料から少なくとも仮支持体を剥離して少なくとも光重合性樹脂層を支持体に転写した後、支持体上に形成された光重合性樹脂層を所望のパターン状に露光し、さらに現像することにより好適に作製することができる。また、必要に応じて、ポスト露光する工程やポストベークする工程などの他の工程を設けてもよい。
、露光装置は公知のものを使用できる。
本発明における転写材料は、仮支持体の一方の側にマット剤を含有するマット剤含有層を有し、他方の側に塗工層を有することを特徴とする。本発明における塗工層には、仮支持体のマット剤含有層が形成されている側と反対側に形成され得る全ての層が含まれ、具体的には、例えば、ブラックマトリクス等の隔壁などの構造物を形成するための転写層(例えば光感応性を持つ光重合性樹脂層)、熱可塑性樹脂層、複数層間に設ける中間層、酸素遮断する酸素遮断層、等が含まれる。好ましくは、塗工層は少なくとも、ブラックマトリクス等の隔壁などの構造物を形成する転写層を含む。
マット剤含有層は、マット剤を含んでなり、好ましくは、マット剤、バインダー、及び必要に応じて架橋剤、界面活性剤等を用いて構成することができる。
マット剤は、有機粒子及び無機粒子のいずれであってもよく、好ましくは、後述する粒径、粒度分布を有する粒子である。
これらのうち、硬度や耐熱性の観点から、無機系のマット剤が好ましく、特に二酸化ケイ素が好ましい。
また「平均粒径」とは、数平均した粒子径であり、電子顕微鏡写真画像から100個の粒子について前記粒径を求め、これらを数量平均した値をさす。
この割合が前記範囲内であると、ラミネート時の欠け欠陥の発生防止、特には長時間(例えば100m以上の長さを)連続してラミネートした際に顕著になる欠け欠陥の発生防止に有効である。
更に、この割合は90%以上であることが好ましい。
分級の方法としては、乾式、湿式のいずれの方法でもよい。乾式としては、風力分級、静電気分級などの方法があり、湿式としては、沈降分級などの方法がある。分級方法については、例えば、「超微粒子ハンドブック」(斉藤真六監修、363ページ、株式会社フジ・テクノシステム、1990年発行)、「微粒子工学大系 第I巻 基本技術」(柳田
博明監修、826ページ、株式会社フジ・テクノシステム、1990年発行)に記載されており、ここに記載の技術を本発明にも適用することができる。
マット剤含有層には、マット剤を保持して被膜を形成するためのバインダーを含有することができる。バインダーとしては、被膜形成性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール、セルロース類、スチレン−マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
これらの中でも、分子内にカルボン酸基を複数個有するものが好ましい。分子内にカルボン酸基を導入する方法としては、上記の樹脂成分の合成時に、カルボン酸基を有するモノマーを共重合させる方法が好ましい。カルボン酸基の樹脂成分への導入量としては、酸価として5〜400の範囲となる量が好ましく、10〜300の範囲となる量が特に好ましい。
マット剤含有層には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、目的に応じて、架橋剤、界面活性剤、溶剤など種々の添加剤を含有することができる。
層に充分な強度が必要な場合には、バインダーを架橋するための架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、通常、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ブロックイソシアナート化合物、カルボジイミド化合物等が用いられる。この中では、低温での架橋反応が可能なカルボジイミド化合物が好ましい。架橋剤の添加量は、固形分でバインダーの1〜70質量%が好ましく、より好ましくは2〜30質量%の範囲である。架橋剤の添加量が前記範囲内であると、塗布液のポットライフを保持しつつ、良好な架橋効果が得られる。
マット剤含有層形成用の塗布液を調製するための塗布溶媒には、特に制限はなく、水、メチルアルコール、エチルアルコール、メチルエチルケトン、n−プロパノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等、及びこれらの混合物を用いることができる。これらの中でも、環境負荷、コストの点から水が特に好ましい。
また、好ましくは、塗工層の少なくとも一層が黒色顔料(より好ましくは炭素質黒)を含有し、より好ましくは転写層の少なくとも一層が黒色顔料(より好ましくは炭素質黒)を含有する。
転写層は、転写材料の目的に応じて配合される素材を適宜選択して構成されるものであり、好ましくは少なくとも顔料、染料などの色材を含有する。さらに好ましくは、色材と共に、ポリマー、モノマー、重合開始剤を含んでなり、必要に応じて更に、重合禁止剤、界面活性剤などを用いて構成することができる。
但し、本発明に使用可能な光重合性組成物は上記に限定されるものではなく、公知のものの中から適宜選択することできる。
本発明における転写材料は、仮支持体の前記マット剤含有層が設けられていない側に(好ましくは仮支持体と転写層との間に)熱可塑性樹脂層を有していてもよい。
熱可塑性樹脂層を構成する樹脂としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ゴム系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びこれらの共重合体等を挙げることができる。熱可塑性樹脂層を構成する樹脂は、アルカリ可溶であることは必要とされないが、アルカリ可溶であることが現像時の除去容易性の観点から望ましい。
水溶液に可溶なものが挙げられ、これらの少なくとも1つを用いることができる。
一方の樹脂(樹脂A)としては、重量平均分子量が5万〜50万で、かつガラス転移温度(Tg)が0〜140℃の範囲の樹脂が好ましく、重量平均分子量が6万〜20万で、かつガラス転移温度(Tg)が30〜110℃の範囲の樹脂がさらに好ましい。樹脂Aの好ましい具体例としては、特開昭63−147159号公報に記載のメタクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メチルメタクリレート共重合体を挙げることができる。
本発明における転写材料においては、熱可塑性樹脂層と転写層との間に、塗布時の両層の層混合を防止するためのアルカリ可溶な中間層を設けることが好ましい。
中間層を構成する樹脂としては、アルカリ可溶であれば特に制限はない。このような樹脂の例としては、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリルアミド系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル系樹脂、ポリアミド樹脂およびこれらの共重合体を挙げることができる。また、ポリエステルのように、通常はアルカリ可溶性でない樹脂にカルボキシル基やスルホン酸基を持つモノマーを共重合してアルカリ可溶性にした樹脂も用いることができる。
中間層の塗布溶媒として好ましい具体例としては、水、水/メタノール=90/10、水/メタノール70/30、水/メタノール=55/45、水/エタノール=70/30、水/1−プロパノール=70/30、水/アセトン=90/10、水/メチルエチルケトン=95/5である。これらの比は質量比を表す。
本発明における転写材料を構成する仮支持体には、特に制限はなく、一般的なプラスチックフィルムであれば、いずれも使用できる。
プラスチックフィルムの素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート類、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエステル系液晶ポリマー、トリアセチルセルロース、ポリプロピレン、ポリアミド類、ポリイミド、ポリシクロオレフィン類等が挙げられる。
中でも、ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルムが、弾性率、透明性、耐熱性、耐薬品性、コストなどの観点から好ましい。
本発明の表示装置用部材は、本発明の積層体の製造方法により作製されたものであり、例えば、カラーフィルタを構成する着色画素、ブラックマトリクス等の隔壁(インクジェット用隔壁を含む)、スペーサ、液晶配向制御用突起などが含まれる。
本発明の積層体の製造方法により作製されるので、一部が欠けたような欠陥(欠け欠陥)が少なく抑えられている。カラーフィルタ作製用の隔壁(ブラックマトリクスを含む)を形成する場合には、インクを隔壁で取り囲まれた領域内にインクジェット付与する際に生ずる混色を防止でき、色純度及び色相が良好なカラーフィルタ、ひいてはで表示特性に優れた表示装置の作製に有効である。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、本発明の積層体の製造方法により積層体を作製する工程と、着色液体組成物をインクジェット法により付与して着色領域を形成する工程(以下、「着色領域形成工程」ということがある。)とを設けて構成される。
上記の「積層体を作製する工程」は、転写工程を有し、好ましくは転写工程と、転写された塗工層をパターン状に露光し、現像して隔壁を形成する工程(以下、「隔壁形成工程」ということがある。)とを有して構成されるものである。
本発明の積層体の製造方法により積層体を作製する工程は、「仮支持体の塗工層が設けられた側と反対側にマット剤含有層を有する転写材料を用いて、前記仮支持体上の前記塗工層を、転写時に前記仮支持体にかかるテンションの値を60N/m〜200N/mの範囲にして、支持体上に転写する工程」であり、詳細は既述の通りである。
着色領域形成工程では、形成された隔壁間に着色領域を形成する。この着色領域の形成は、上記のように、着色液体組成物(インク)をインクジェット法により隔壁間に付与する方法により行なうことが好ましい。この場合、基板上に形成された隔壁で取り囲まれた凹状の部分に、着色画素(例えばRGB3色の画素パターン)を形成するためのインクジェットインクを吐出して侵入させることで、2色以上の複数の着色画素で構成されるようにカラーフィルタを作製することができる。
ドットオンデマンドタイプのうち、サーマル型ヘッドでは、吐出のため、特開平9−323420号に記載されているような稼動弁を持つタイプが好ましい。ピエゾ型ヘッドでは、例えば、欧州特許A277,703号、欧州特許A278,590号などに記載されているヘッドを用いることができる。これらの中で、インクジェットインクに対する熱の影響を少なくすることができ、使用可能な溶剤の選択が広いことから、ピエゾヘッドがより好ましい。
インクの物性値は、25℃の粘度としては20〜100mPa・sが好ましく、25℃の表面張力としては10〜50mN/mが好ましい。
加熱によって硬化する成分としては、各種の熱硬化性樹脂が広く用いられ、また、エネルギー線によって硬化する成分としては、例えばアクリレート誘導体又はメタクリレート誘導体に光反応開始剤を添加したものが挙げられる。特に耐熱性を考慮すると、アクリロイル基、メタクリロイル基を分子内に複数有するものがより好ましい。これらのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導体は水溶性のものが好ましく使用でき、水に難溶性のものでもエマルション化するなどして使用できる。
1段階での加熱とは、溶剤除去してインク残部とした後、初めから完全にインクを硬化させる所定の温度にて加熱することであり、多段階での加熱とは、初めは比較的低温で加熱を開始し、その後順次加熱温度を上げて最終的に完全にインクを硬化させる所定の温度で加熱することである。
この加熱前に、インク残部を活性エネルギー線で硬化させる工程を設けてもよい。
本発明の表示装置は、既述の本発明のカラーフィルタを備えるものであれば、特に限定するものではない。本発明の表示装置には、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置が含まれる。
本発明の表示装置は、特にカラーTFT方式の液晶表示装置に構成されるのが有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに、本発明の表示装置は、IPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置にも適用できる。これらの方式については、例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
[感光性樹脂転写材料の作製]
〜マット剤含有層〜
二軸延伸し、240℃で10分間熱固定した後、コロナ放電処理を施した厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを仮支持体として用意し、その片面に、スリット状ノズルを用いて、下記マット剤含有層用塗布液1を塗布し、130℃で2分乾燥し、厚さ0.08μmのマット剤含有層を形成した。
・アクリル樹脂水分散液 ・・・ 30.9部
(ジュリマーET−410、数平均分子量9700、重量平均分子量17000、固形分濃度30%、日本純薬社製)
・カルボジイミド架橋剤水溶液 ・・・ 6.4部
(カルボジライトV−02−L2、固形分濃度40%;日清紡社製)
・マット剤 ・・・(下記表3中の量)
*シーホスターKE−W30(実施例1〜10、比較例1〜3;(株)日本触媒製のシリカ微粒子、固形分20%、平均粒径0.3μm、粒径が0.90d≦D≦1.1dに含まれるマット剤の個数:95%[対マット剤全量])
*シーホスターKE−W50(実施例11;(株)日本触媒製のシリカ微粒子、固形分20%、平均粒径0.5μm、粒径が0.90d≦D≦1.1dに含まれるマット剤の個数:95%[対マット剤全量])
・界面活性剤2 ・・・ 0.73部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業社製)
・界面活性剤3 ・・・ 1.44部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業社製)
・金属酸化物分散液 ・・・131部
(FS−10D、固形分濃度20%、石原産業社製)
・蒸留水 ・・・(全量が1000部になるように添加)
次に、マット剤含有層の上に下記マット剤含有層保護用の保護層形成用塗布液1を塗布し、130℃で2分間乾燥させて、厚さ0.05μmの保護層を形成した。
・ポリエチレンラテックス ・・・17.8部
(ケミパールS120、固形分濃度27%、三井化学社製)
・コロイダルシリカ ・・・11.8部
(スノーテックスC、固形分濃度20%、日産化学社製)
・エポキシ硬化剤 ・・・ 1.7部
(デナコールEX−614B、ナガセ化成社製)
・前記界面活性剤2 ・・・ 0.52部
・前記界面活性剤3 ・・・ 0.59部
・蒸留水 ・・・(全量が1000部になるように添加)
次に、仮支持体のマット剤含有層形成面とは反対側の面に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成した。
続いて、この熱可塑性樹脂層上に更に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布し、乾燥させて中間層(酸素遮断膜)を積層した。
・メタノール ・・・ 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・ 6.36部
・メチルエチルケトン ・・・ 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/
メタクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、
分子量=10万、Tg≒70℃) ・・・ 5.83部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成比(モル比)=63/37、
平均分子量=1万、Tg≒100℃) ・・・13.6部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン
(新中村化学工業(株)製) ・・・ 9.1部
・下記界面活性剤1 ・・・ 0.54部
・下記構造物1・・・30%
・メチルエチルケトン・・・70%
・PVA205(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550)・・・32.2部
・ポリビニルピロリドン(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)・・・14.9部
・蒸留水・・・524部
・メタノール・・・429部
引き続いて、下記のようにして濃色組成物K1を調製した。
まず、下記表1に記載の量のK顔料分散物1、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートをはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150r.p.m.で10分間攪拌し、攪拌しながら下記表1に記載の量のメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、バインダー1、フェノチアジン、DPHA液、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン、及び前記界面活性剤1をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150r.p.m.で30分間攪拌することにより、濃色組成物K1を得た。
なお、下記表1に記載の量は質量部であり、各成文の詳細は下記の通りである。
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) ・・・13.1%
・分散剤(下記化合物1) ・・・ 0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、
分子量3.7万) ・・・ 6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・79.53%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物、分子量3.8万) ・・・27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・73%
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(重合禁止剤MEHQ 500ppm含有、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD
DPHA) ・・・76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート ・・・24%
このようにして、PET仮支持体のマット剤含有層が形成されていない側に、乾燥膜厚が14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.3μm(光学濃度4.0)の感光性樹脂層K1を積層し、この感光性樹脂層K1の表面に保護フィルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。
以上のようにして、仮支持体の一方の側にマット剤含有層を有し、他方の側に熱可塑性樹脂層と中間層と感光性樹脂層K1とを有して一体に構成された感光性転写材料K1を作製した。
次に、7°に傾けた(以下、基板洗浄、現像工程においても同様に傾けて処理した。)無アルカリガラス基板(以下、単に「ガラス基板」ともいう。)を、25℃に調整したガラス洗浄剤液(商品名:T−SD3、(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈したもの)をシャワーにより20秒間吹き付けながら、ナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、さらに純水でシャワー洗浄した。その後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄を5秒間行なった。次いで、エアーナイフによりエアを吹きかけて基板上の液だまりと液滴を除去した。この基板を基板予備加熱装置により下記表2に記載の温度で2分間加熱し、シランカップリング処理ガラス基板を得た。
なお、テンションの測定は、ラミネータのテンション設定を実際のラミネート時と同様に設定したうえで、図1〜図2に示すように、転写材料が搬送される方向と同方向にラミネートロールの間から転写材料の仮支持体を引き出し、該転写材料を構成する仮支持体の端部を硬いフレーム材で挟み、搬送方向と平行にこのフレーム材の中央をフォースゲージで引っ張って測定することにより行なった。
仮支持体を剥離後、ミラープロジェクション型露光機(MPA−8800CF、キヤノン(株)製)により、露光量100mJ/cm2にてパターン露光した。
引き続き、このガラス基板の上面にエアを吹きかけて液切りした後、アクアナイフにより純水を吹きかけた。次いで純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアーナイフによりエアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。
引き続き、このガラス基板の上面にエアを吹きかけて液切りした後、アクアナイフにより純水を吹きかけた。次いで純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアーナイフによりエアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。
引き続き、このガラス基板の上面にエアを吹きかけて液切りした後、アクアナイフにより純水を吹きかけた。次いで純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアーナイフによりエアを吹きかけて基板上の液だまりと液滴を除去した。
ここで、光学濃度及び膜厚の測定は以下に示す方法により行なった。
1.光学濃度
ベーク処理後のブラックマトリクスの光学濃度は、分光光度計UV−2100〔(株)島津製作所製〕を用いて、ブラックマトリクス基板の透過光学濃度(OD1)を波長555nmで測定すると共に、各ブラックマトリクス基板に用いたガラス基板の透過光学濃度(OD0)を同様の方法で測定し、OD1からOD0を差し引いた透過濃度OD(=OD1−OD0)を光学濃度とした。
2.膜厚
ベーク処理後のブラックマトリクスの膜厚を、接触式表面粗さ計P−10(TENCOR社製)を用いて測定した。
隔壁が形成されたガラス基板に、カソードカップリング方式平行平板型プラズマ処理装置を用いて、以下の条件にて撥インク化プラズマ処理を施した。
(条件)
・使用ガス :CF4
・ガス流量 :80sccm
・圧力 :40Pa
・RFパワー:50W
・処理時間 :30sec
下記の成分のうち、先ず、顔料、高分子分散剤及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて顔料分散液を得た。その顔料分散液をディソルバー等で十分攪拌しながら、その他の材料を少量ずつ添加し、赤色(R)画素用の着色液体組成物(インクR)を調製した。
・顔料(C.I.ピグメントレッド254) ・・・ 5部
・高分子分散剤(AVECIA社製のソルスパース24000) ・・・ 1部
・バインダー ・・・ 3部
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物、重量平均分子量3.7万)
・第一エポキシ樹脂 ・・・ 2部
(ノボラック型エポキシ樹脂、油化シェル社製エピコート154)
・第二エポキシ樹脂(ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル) ・・・ 5部
・硬化剤(トリメリット酸) ・・・ 4部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル ・・・80部
また更に、前記組成中のC.I.ピグメントレッド254をこれと同量のC.I.ピグメントブルー15:6に代えた以外は、赤色画素用の着色液体組成物と同様にして、青色(B)画素用の着色液体組成物(インクB)を調製した。
インクジェットヘッドとしてDimatix社製のSE−128を、吐出制御装置としてDimatix社製のApolloIIを用い、以下の形態でインクを打滴した。
インクジェットヘッドを自動2次元移動ステージ(駿河精機製KS211−200)上に搭載し、隔壁が形成されたガラス基板の隔壁(ブラックマトリクス)で囲まれた凹部に所定インク量が吐出されるように、ステージを移動させながら吐出制御装置によるヘッドからの吐出を同期させた。ここで、インクR、インクG、及びインクBの3色のインクは、各々別のヘッドに充填されており、各ヘッドはXYステージ上に固定され、各々のインクが所定の位置に着弾するように、吐出制御装置により3つのヘッドを独立に制御した。
打滴は、所望の濃度になるまで各色のインクを吐出し、吐出完了後、ホットプレートで100℃で2分間加熱乾燥させた後、さらに230℃のオーブン中で30分間ベーク処理することにより、隔壁及び着色画素(R画素、G画素、及びB画素)ともに良好に硬化されたカラーフィルタを作製した(以下、これを「カラーフィルタ基板」という。)。
得られたカラーフィルタ基板における混色の程度を以下の方法により評価した。評価結果は下記表3に示す。
3.混色の評価
上記のカラーフィルタのうち、300m連続してラミネートした後の感光性樹脂層K1を露光、現像等して得たカラーフィルタを光学顕微鏡により観察し、混色が発生している画素の個数を数えた。
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びに隔壁の上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)透明電極をスパッタリングにより形成した。別途、対向基板としてガラス基板を用意し、同様にITO透明電極をスパッタリングにより形成した。そして、前記ITO透明電極上の隔壁の上方に相当する部分にフォトスペーサを設け、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
下記処方Aよりなる突起用感光性樹脂層用塗布液を、上記と同様のスリットコーターによりカラーフィルタ上のITO透明電極の上に塗布し、乾燥させて突起用感光性樹脂層を形成した。
次に、突起用感光性樹脂層上に前記処方P1よりなる中間層用塗布液を用いて、乾燥膜厚が1.6μmの保護層を設けた。
・ポジ型レジスト液 ・・・53.3部
(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製、FH−2413F)
・メチルエチルケトン ・・・46.7部
・前記界面活性剤1 ・・・ 0.04部
得られた液晶表示装置に通電し、下記方法によりコントラスト測定を行なって評価した。評価結果は下記表3に示す。
4.コントラストの評価
TOPCON CORPORATION JAPAN社製の輝度計BM−5を、液晶表示装置の表示パネル面の法線方向50cmの距離のところに設置し、液晶表示装置を黒表示させたときの輝度と、白表示させたときの輝度との比を測定した。測定は、暗室内で行なった。なお、実技評価は、各種映像を表示させたものを目視し、映像に迫力があると感じた場合を「○」とし、迫力が無いと感じた場合を「×」として行なった。
実施例1の感光性樹脂転写材料の作製において、マット剤含有層及びマット剤含有層保護用の保護層の形成を下記に変更して行なったこと以外は、実施例1と同様にして、感光性樹脂転写材料K2を作製した。また、隔壁(ブラックマトリクス基板)の形成及び評価、カラーフィルタ(カラーフィルタ基板)の作製及び評価、表示装置の作製及び評価その他の操作は実施例1と同様にした。
〜マット剤含有層〜
二軸延伸し、240℃で10分間熱固定した後、コロナ放電処理を施した厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを仮支持体として用意し、その片面に、スリット状ノズルを用いて、下記マット剤含有層用塗布液2を塗布し、130℃で2分乾燥し、厚さ0.09μmのマット剤含有層を形成した。
〈マット剤含有層用塗布液2の処方〉
・アクリル樹脂水分散液 ・・・ 19.7部
(ジュリマーET−410、数平均分子量9700、重量平均分子量17000、固形分濃度30%、日本純薬社製)
・カルボジイミド架橋剤水溶液 ・・・ 4.0部
(カルボジライトV−02−L2、固形分濃度40%;日清紡社製)
・シーホスターKE−W30(マット剤;(株)日本触媒製のシリカ微粒子、固形分20%、平均粒径0.3μm、粒径が0.90d≦D≦1.1dに含まれるマット剤の個数:95%[対マット剤全量]) ・・・(下記表3中の量)
・界面活性剤4 ・・・ 0.73部
(ナローアクティCL-95、三洋化成工業社製)
・界面活性剤3 ・・・ 1.39部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業社製)
・金属酸化物分散液 ・・・176部
(TDL−1、固形分濃度17%、三菱マテリアル社製)
・蒸留水 ・・・(全量が1000部になるように添加)
次に、マット剤含有層の上に下記マット剤含有層保護用の保護層形成用塗布液2を塗布し、130℃で2分間乾燥させて、厚さ0.06μmの保護層を形成した。
〈マット剤含有層保護用の保護層形成用塗布液2の処方〉
・ポリエチレンラテックス ・・・25.7部
(ケミパールS−75N、固形分濃度24%、三井化学社製)
・コロイダルシリカ ・・・12.4部
(スノーテックスC、固形分濃度20%、日産化学社製)
・カルボジイミド架橋剤水溶液 ・・・ 0.77部
(カルボジライトV−02−L2、固形分濃度40%;日清紡社製)
・前記界面活性剤3 ・・・ 1.32部
・前記界面活性剤4 ・・・ 0.52部
・蒸留水 ・・・(全量が1000部になるように添加)
Claims (10)
- 仮支持体の塗工層が設けられた側と反対側にマット剤含有層を有する転写材料を用いて、前記仮支持体上の前記塗工層を、転写時に前記仮支持体にかかるテンションの値を60N/m〜200N/mの範囲にして、支持体上に転写する工程を含む積層体の製造方法。
- 前記マット剤は、平均粒径が0.1〜10.0μmであって、平均粒径をdとしたとき、粒径が0.90d〜1.1dの範囲に含まれるマット剤の個数がマット剤の全個数の70%以上であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
- 前記塗工層の少なくとも一層が、黒色顔料を含有する光重合性黒色樹脂層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体の製造方法。
- 前記黒色顔料が炭素質黒であることを特徴とする請求項3に記載の積層体の製造方法。
- 前記光重合性黒色樹脂層は、層厚が1.0〜3.0μmであって、光学濃度が3〜5であることを特徴とする請求項3又は4に記載の積層体の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体の製造方法により作製された表示装置用部材。
- 仮支持体の塗工層が設けられた側と反対側にマット剤含有層を有する転写材料を用いて、前記仮支持体上の前記塗工層を、転写時に前記仮支持体にかかるテンションの値を60N/m〜200N/mの範囲にして、支持体上に転写する工程と、
着色液体組成物をインクジェット法により付与して着色領域を形成する工程と、
を有するカラーフィルタの製造方法。 - 転写された前記塗工層をパターン状に露光し、現像して隔壁を形成する工程を更に含み、前記着色領域の形成は、着色液体組成物をインクジェット法により前記隔壁間に付与する方法により行なうことを特徴とする請求項7に記載のカラーフィルタの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体の製造方法、又は請求項7又は8に記載のカラーフィルタの製造方法により作製された表示装置用カラーフィルタ。
- 請求項6に記載の表示装置用部材又は請求項9に記載の表示装置用カラーフィルタを備えた表示装置。
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