JP2008177383A - 金属セラミックス接合回路基板およびその製造方法 - Google Patents

金属セラミックス接合回路基板およびその製造方法 Download PDF

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【課題】アルミニウムセラミックス接合基板に搭載される半導体素子やチップ部品の半田付けに際し、半導体素子やチップ部品が所定の場所から位置ズレするのを防止できる金属セラミックス接合回路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックス基板にアルミニウム回路板を形成した後、該アルミニウム回路板の表面に半田付け可能なめっき層を形成し、該めっき層にレーザーを照射し、半田の濡れない部分を形成することを特徴とする。また、金属セラミックス接合回路基板は、セラミックス基板と、このセラミックス基板に接合されたアルミニウム回路板と、該アルミニウム回路板の表面に施されためっき層とより成り、該めっき層の一部がレーザ照射により形成された半田の濡れない部分を有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は金属セラミックス接合回路基板およびその製造方法、特に、アルミニウムセラミックス接合基板に搭載される半導体素子やチップ部品の半田付けに際し、半導体素子やチップ部品が所定の場所から位置ズレするのを防止できる金属セラミックス接合回路基板及びその製造方法に関する。
特許文献1には、所定の回路パターンを有する導電層を備えた回路基板と、この回路基板に半田により接合された放熱板と、この放熱板に半田で接合された半導体素子と、これら各部を電気的に接続するボンディングワイヤとを備えている半導体装置が開示されている。そして半導体素子が固着されるこの放熱板の主面は、半田付け可能な領域と、半田をはじく金属領域とを有し、放熱板のチップが搭載されていない領域が半田をはじく領域とし、この結果、マウント半田流れが防止され、バラツキがなくなり半田厚が均一になり、TFTレベルが向上することが開示されている。
特許文献2には、回路基板の表面に導体薄膜が形成されており、かつ導体薄膜が、素子搭載領域の周囲において接合材を接合目的で溶融させたときにその溶融物の過剰分が流入し貯留可能な仕切り溝を有することが開示されている。
特開平8−148647号 特開2004−39988号
特許文献1に記載の半田をはじく金属領域あるいは半田付可能な金属領域の作製は、例えばそれらの金属を貼り付けたり、或いはマスキングをしてエッチング法などで形成する必要がある。また、特許文献2ではレーザーにより導体を除去しセラミックス基板を露出させる加工を行うため、導体の厚さが薄くないとあるいはセラミックス基板を露出させないと効果を得られなかった。
本発明の目的は、例えばパワー半導体を搭載する、比較的厚い回路用金属板が接合された金属セラミックス接合回路基板において、半導体やチップ部品を半田で搭載する際の半田流れを防止し、半導体やチップ部品の位置ズレを防止する金属セラミックス接合回路基板及びこれを短時間に簡単に作製できる方法を提供することにある。
本発明の金属セラミックス接合回路基板の製造方法は、セラミックス基板にアルミニウム回路板を形成した後、該アルミニウム回路板の表面に半田付け可能なめっき層を形成し、該めっき層にレーザーを照射し、半田の濡れない部分を形成することを特徴とする。
また、前記半田の濡れない部分は、前記めっき層の、半導体素子またはチップ部品を半田付けする部分の周囲にレーザーを照射し半田の濡れない部分を形成することを特徴とする。
また、記アルミニウム回路板の表面の前記めっき層が除去される条件で、前記レーザーを照射することを特徴とする。
前記めっき層がニッケルめっき層、ニッケル合金めっき層、及び銅めっき層であって、電気めっきまたは無電解めっきにより形成することを特徴とする。
前記セラミックス基板と前記アルミニウム回路板の形成が、ろう接法、直接接合法、及び溶湯接合法の何れかにより前記セラミックス板とアルミニウム板を接合し、接合されたアルミニウム板を加工することによりアルミニウム回路板を形成することを特徴とする。
また、本発明の金属セラミックス接合回路基板は、セラミックス基板と、このセラミックス基板に接合されたアルミニウム回路板と、該アルミニウム回路板の表面に施されためっき層とより成り、該めっき層の一部が、レーザ照射により形成された半田の濡れない部分であることを特徴とする。
前記半田の濡れない部分は、前記めっき層の表面より低い位置にあることを特徴とする。
前記半田の濡れない部分は、半導体素子またはチップ部品を半田付けする部分の周囲にあることを特徴とする。
本発明によれば、例えばパワー半導体を搭載する、比較的厚い回路用金属板が接合されたアルミニウムセラミックス接合回路基板において、半導体やチップ部品を半田で搭載する際の半田流れを防止し、半導体やチップ部品の位置ズレを防止する金属セラミックス接合回路基板及びこれを短時間に簡単に作製できる方法を提供することができる。
また、本発明においては、半田の濡れない部分を作製するためには、レーザーを照射するだけで良い。即ち、半田の濡れない金属や樹脂(半田レジスト等)を貼り付けて形成したり、マスキングしてエッチングしたりする必要がないのでコストダウンがはかれる。さらにレーザーで加工するため微細な部分のみ半田の濡れない部分を形成できるので、回路基板を小型化することも可能となる。また、その材質から高温半田やPbレス半田等、比較的高い半田付けの温度条件でも使用できる。
さらに、レーザ照射により加工するのは、アルミニウム回路板の表面の一部だけなので、1つの回路板(アイランド)に2箇所以上の半田付けされない部分を形成することができる。すなわち例えば半導体チップを1つのアイランドに複数搭載することができ回路設計において自由度が高いという特徴をもたせることができる。
以下図面によって本発明を説明する。
本発明の一例としてのアルミニウムセラミックス接合回路基板は、セラミックス基板1にろう材2を介して回路用金属板としてアルミニウム回路板3を加熱、接合し、その後、必要に応じて、回路パターン形成のためのマスキング、露光、エッチング、マスキング部材の剥離を行い、回路パターンを形成した。このアルミニウム回路板3の表面に半田付け可能なめっき層4を施す。半田付け性の良好なめっき層4としては、ニッケルめっき層あるいはニッケル合金めっき層、銅、金、銀、錫めっき層が好ましい。これらのめっき層は電気めっきやまたは無電解めっきにより、形成することができる。
その後、半導体素子またはチップ部分(コンデンサや抵抗等)を搭載する部分5のめっき層周囲にレーザーを照射し、半田の濡れない部分6を形成する。レーザー照射された部分はレーザー照射によって、アルミニウム表面が露出するため、またはアルミニウムが露出し、その表面が酸化して半田濡れ性が悪くなる、あるいはアルミニウム表面が露出しないまでも、めっき層4の組織の変化や酸化等により半田濡れ性が悪くなると考えられる。また、半田の濡れない部分は図示されるように1つのアルミニウム板3(アイランド)に2箇所以上形成しても良い。
前記セラミックス基板1とアルミニウム回路板3の接合は、ろう接法以外にも、直接接合法、接着剤を介した接合法、及び溶湯接合法の何れかとなし得る。また、両面にアルミニウム回路板を接合しても良く、アルミニウム回路板を接合した反対の面に放熱板を接合しても良い。
また、前記半田の濡れない部分は、レーザー照射によりめっき表面を加工して形成するために、アルミニウム回路板3上のめっき層4より、低い位置に形成される。
前記セラミックス基板1としてはパワーモジュール用アルミニウムセラミックス基板に使用されている、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化珪素を主とする組成のセラミックス基板が代表的であり、これらを使用することが好ましい。
前記ろう材2は、アルミニウム製の回路基板を接合するために、Al系ろう材、例えばAl−Si系ろう材を用いることが好ましい。
また、前記アルミニウム回路板3としては、99.5%以上の純度のアルミニウムやアルミニウム合金(Al−Si系合金等)の使用が好ましい。また厚さは0.1〜1.0mm、さらには0.15〜0.6mm更に好ましくは0.25〜0.5mm程度が好ましい。パワー半導体を搭載する等の場合、電気抵抗等より、ある程度厚いものが要求されるからである。
レーザ照射する装置としては、YAGやYVO4 、Co2 を用いたレーザーがあるがどの装置を用いても良い。例えば、レーザーマーカー用であれば、プログラムにより、所定の形状に沿って細いパターンにレーザを照射することが容易であるので好ましい。また、同時に製品名等のマーキングも可能であり、また、装置にワークをのせればあとは、プログラムで自動的に加工されるので、簡単で短時間(数〜数10秒/枚)で加工できる。レーザー加工はめっき層が除去されアルミニウム表面が露出する程度(めっき表面からの深さで0.5〜20μm程度)が好ましい。
前記めっきの厚さは0.5〜10μm程度が好ましい。薄すぎると半田付け性が悪く、厚すぎるとレーザー照射時間を長くして加工しなければならないので、前記範囲が好ましい。さらに好ましくは、1〜6μmである。
セラミックス基板として縦50mm×幅50mm、厚さ0.6mmの窒化アルミニウム基板を準備し、溶湯接合法によって、厚さ0.5mmの99.9%アルミニウム板を窒化アルミニウム基板の両面のほぼ全面に形成した。その次に、回路パターン形状に形成されたエッチングレジストをアルミニウム板の表面に塗布し、UV硬化してマスキングした。その後、塩化鉄溶液により不要なアルミニウム板を除去し、アルミニウム回路板を得た。
この後に、無電解めっきにより、アルミニウム回路板の表面の全面にニッケル−リンめっき層を3μm施した。
次に、一辺10mmの正方形の半導体チップを搭載する部分を想定し、その周囲にYVO4レーザー装置(KEYENCE製)でレーザーを幅0.5mmにわたって照射するようにプログラムした。その後、レーザー照射加工を実施した結果、照射部に変色が見られた。また、レーザー加工した部分はめっき層表面より低い位置であった。
次に、レーザー加工後のアルミニウムセラミックス接合回路基板を、共晶半田が溶けた半田槽(230℃)に30秒間ディップしたところ、レーザー加工部のみ半田が濡れなかった。
前記めっきがニッケルの電気めっきであること以外は、実施例1記載の方法でサンプルを作製し、同様の評価を行ったところ、実施例1と同様にレーザー加工部のみ半田が濡れなかった。
アルミニウム板と窒化アルミニウム基板の接合をAl−Si系ろう材を介して接合した以外は、実施例1記載の方法でサンプルを作製し、同様の評価を行ったところ、実施例1と同様にレーザー加工部のみ半田が濡れなかった。
前記めっきがニッケルの電気めっきであること以外は、実施例3記載の方法でサンプルを作製し、同様の評価を行ったところ、実施例1と同様にレーザー加工部のみ半田が濡れなかった。
実施例1〜4のサンプルの半導体搭載部分に、一辺を10mmとする厚さ0.1mmの共晶半田箔を乗せ、その上に10mm角の半導体チップ(半田付面はメタライズされている)を載せ、250℃まで加熱したあとに冷却、接合した。このとき、レーザー加工部を超えて半田が流れ出すことがなく、所定の位置に半導体チップが半田付けされ、位置ズレもなかった。
(比較例1)
セラミックス基板として縦50mm×幅50mm、厚さ0.6mmの窒化アルミニウム基板を準備し、Ag−Cu−Ti系ろう材を介して厚さ0.2mmの銅板を窒化アルミニウム基板の両面のほぼ全面に接合した以外は、実施例1記載の方法でサンプルを作製し、同様の評価を行った。
レーザ照射加工を実施した部分は変色がみられた。実施例1と同じ条件の半田濡れ評価では、レーザ照射加工された部分にも半田が濡れてしまった。
本発明の金属セラミックス基板の斜視図である。 図1に示す金属セラミックス基板のA−A線断面図である。
符号の説明
1 セラミックス基板
2 ろう材
3 アルミニウム回路板
4 めっき層
5 半導体またはチップ部品を半田付けする部分
6 ハンダの濡れない部分

Claims (8)

  1. セラミックス基板にアルミニウム回路板を形成した後、該アルミニウム回路板の表面に半田付け可能なめっき層を形成し、該めっき層にレーザーを照射し、半田の濡れない部分を形成することを特徴とする金属セラミックス接合回路基板の製造方法。
  2. 前記めっき層の、半導体素子またはチップ部品を半田付けする部分の周囲にレーザーを照射し半田の濡れない部分を形成することを特徴とする請求項1記載の金属セラミックス接合回路基板の製造方法。
  3. 前記アルミニウム回路板の表面の前記めっき層が除去される条件で、前記レーザーを照射することを特徴とする請求項2記載の金属セラミックス接合回路基板の製造方法。
  4. 前記めっき層がニッケルめっき層、ニッケル合金めっき層、及び銅めっき層であって、電気めっきまたは無電解めっきにより形成することを特徴とする請求項1、2または3記載の金属セラミックス接合回路基板の製造方法。
  5. 前記セラミックス基板と前記アルミニウム回路板の形成が、ろう接法、直接接合法、及び溶湯接合法の何れかにより前記セラミックス板とアルミニウム板を接合し、接合されたアルミニウム板を加工することによりアルミニウム回路板を形成することを特徴とする請求項1、2、3または4記載の金属セラミックス接合回路基板の製造方法。
  6. セラミックス基板と、このセラミックス基板に接合されたアルミニウム回路板と、該アルミニウム回路板の表面に施されためっき層とより成り、該めっき層の一部がレーザ照射により形成された半田の濡れない部分を有することを特徴とする金属セラミックス接合回路基板。
  7. 前記半田の濡れない部分が、前記めっき層の表面より低い位置にあることを特徴とする請求項6記載の金属セラミックス接合回路基板。
  8. 前記半田の濡れない部分が、半導体素子またはチップ部品を半田付けする部分の周囲にあることを特徴とする請求項6または7記載の金属セラミックス接合回路基板。
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