JP2008177212A - 半導体受光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】光を電圧や電力に効率よく変換して十分な出力電圧や電力が得られる、変換効率に優れた半導体受光素子を提供する。
【解決手段】光を吸収して光起電力を発生する光電変換層を、n型半導体層とp型半導体層を隣接配置又は近接配置して成るドーピングダイポール構造と、動作時に空乏化し光を吸収して光キャリアを生成する光吸収層とを交互に複数設けた層構造で構成し、光吸収層は、その層厚を、光の減衰量に応じて光入射側から遠くなるに従い順次厚くし、且つ、光吸収層内の生成光キャリア数が何れの光吸収層においても同じになるように定めた構成の半導体受光素子。
【選択図】図1
【解決手段】光を吸収して光起電力を発生する光電変換層を、n型半導体層とp型半導体層を隣接配置又は近接配置して成るドーピングダイポール構造と、動作時に空乏化し光を吸収して光キャリアを生成する光吸収層とを交互に複数設けた層構造で構成し、光吸収層は、その層厚を、光の減衰量に応じて光入射側から遠くなるに従い順次厚くし、且つ、光吸収層内の生成光キャリア数が何れの光吸収層においても同じになるように定めた構成の半導体受光素子。
【選択図】図1
Description
本発明は、光を効率よく電圧あるいは電力に変換する半導体受光素子に関し、特に、出力電圧が高く、変換効率、応答速度に優れ、光通信、光情報処理、光計測等の装置に適用可能な半導体受光素子に関する。
光通信、光情報処理、光計測等の分野において、光を電圧あるいは電力に変換する半導体受光素子(光電池あるいはフォトボル素子と呼ばれる)の適用が検討されている。例えば、2005年電子情報通信学会総合大会講演論文集、C−3−113では「MEMSを用いたサージ光抑制器の開発」と題して、マイクロマシン(MEMS)と光電池の組み合わせにより無電源で動作する光ブレーカが報告されている。また、アイトリプルイー・ジャーナル・フォトニクス・テクノロジー(IEEE Journal Photonics Technology)、2006年、18巻、133頁〜135頁では、「Optically Modulated MEMS scanning endoscope」と題して、MEMSと光電池を組み合わせた小型の内視鏡が報告されている。これらは、光ファイバにより供給された光を光電池で電圧に変換し、この変換された電圧をMEMSに印加することによりMEMSを駆動させることが基本原理となっている。ここで、通常、MEMSは5V以上の駆動電圧が必要とされるので、光電池の出力電圧は5V以上であることが必要とされている。
通常、光電池は単純なpin接合構造により構成されており、光入力によりi型光吸収層で発生した光キャリアがp型半導体層およびn型半導体層にドリフトすることにより生じる分極を利用して出力電圧を得ている。この時の出力電圧限界は、i型光吸収層を構成する半導体のバンドギャップエネルギーEgで規定され、飽和電圧と称される。光電池を用いた上記二つの応用技術では、光ファイバでの低損失な伝播が可能な波長帯である1μm帯の光を用いており、この波長帯では光吸収層としてInP基板上に格子整合したInGaAs半導体層を用いるのが一般的である。しかし、このInGaAs半導体層のバンドギャップエネルギーEgにより推測される飽和電圧は0.7V程度であり、MEMSを駆動する電圧としては不十分である。
特開2000−216424号公報に、出力電圧を高めた半導体受光素子として「光−電圧変換型半導体受光素子、光信号処理装置および光集積素子」が開示されている。図9に、特開2000−216424号公報に記載された半導体受光素子の基本構造を示す。この半導体受光素子は、n+型InP半導体基板82上に、n+型InPバッファ層83、InGaAs光吸収層84およびn+型InPキャップ層85が順次積層・形成されて、n+型InPキャップ層85表面から光88が入射する構成の多層メサ構造になっている。n+型InP半導体基板82の裏面とn+型InPキャップ層85表面にはAuGeNiから成る電極81、86が形成されている。n+型InPキャップ層85表面の電極86はn+型InPキャップ層35の縁に沿ってリング状に形成され、リング状電極86に囲まれた領域が受光部87となっている。
InGaAs光吸収層84は、図10(a)に示すように、アンドープスペーサ層844およびアンドープスペーサ層844の両側に形成されたn型高濃度デルタドープ層(n+型デルタドープ層)842とp型高濃度デルタドープ層(p+型デルタドープ層)843とから成るドーピングダイポール構造840と、アンドープ層841とを交互に複数積層・形成した多層構造から構成されている。ドーピングダイポール構造840によって挾まれたアンドープ層841は、何れも同じ層厚になっており、その両側に形成されたドーピングダイポール構造840のうちの一方のドーピングダイポール構造840のn型高濃度デルタドープ層842と他方のドーピングダイポール構造840のp型高濃度デルタドープ層843とに接して、これらn型、p型高濃度デルタドープ層と共にpin接合構造から成る受光セル845を構成している。
図10は、ドーピングダイポール構造840が導入されたInGaAs光吸収層84の動作原理を説明するための図で、図10(a)はInGaAs光吸収層84の積層構造を、図10(b)はドーピングダイポール構造840が導入されたInGaAs光吸収層84のバンド構造を示している。図10(a)から分るように、ドーピングダイポール構造840が導入されたInGaAs光吸収層84は、pin接合構造から成る受光セル845がアンドープスペーサ層844を介して直列に多層積層されたタンデム構造と等価であり、図10(b)に示すように、鋸歯形のバンド構造を呈している。ここで、InGaAs光吸収層84に光88を入射させると、図10(b)、矢印A1で示す過程を経て電子−正孔対、所謂、光キャリアが各受光セル845のアンドープ層841で生成される。アンドープ層841で生成された光キャリアのうちの電子eは、内部電界により、n型高濃度デルタドープ層842に、正孔hはp型高濃度デルタドープ層843に、矢印A2で示す如く、ドリフトにより移動し、各デルタドープ層にそれぞれ集まる。このとき各受光セル845に生じる分極により電圧、所謂、起電力が発生する。その後、光キャリアは再結合により消滅していく。ここで、出力電圧値は、pin接合構造の積層数、即ち、受光セル845の数で決まる。例えば、上記の受光セルを10層有する半導体受光素子では2V程度が得られている。
光通信、光情報処理、光計測等の技術分野において、従来の半導体受光素子を光電池として使用する場合には、例えば、上記2005年電子情報通信学会総合大会講演論文集に記載された、MEMSを駆動する光電池の応用例で説明したように、通常、MEMSは5V以上の駆動電圧が必要とされるので、半導体受光素子の出力電圧としては5V以上の高電圧化を図る必要がある。また、半導体受光素子の新たな応用として提案されている、光により電力を供給する光給電技術の分野においては、光−電力変換効率の優れた半導体受光素子が要求されている。
図11に、特許文献1に記載された従来の半導体受光素子における、光吸収層内の深さ方向の光キャリア分布、および、発生電圧分布を示す。図11(a)は、ドーピングダイポール構造を形成した光吸収層84の層構造を示す図で、ドーピングダイポール構造は、各アンドープ層841a〜841eの境界を示す直線で示している。図中、dはアンドープ層841a〜841eの厚さである。図11(b)は、図11(a)において左側より光が入射した場合の光吸収層内の位置Xで発生した光キャリア数(光キャリア分布)を示す図であり、横軸Xは光吸収層内での深さ、縦軸は生成光キャリア数を示している。図中、Δna〜Δneは各アンドープ層841a〜841eでそれぞれ発生した光キャリア数である。図11(c)は、アンドープ層一つあたりの発生電圧を示す図であり、横軸は光吸収層内のアンドープ層の位置、縦軸はアンドープ層一つあたりの発生電圧を示している。図から分るように、光キャリアは、光が入射する光吸収層表面から奥に行くに従い指数関数的に減少する。このため、光入射に伴い光吸収層表面領域のアンドープ層841aでは多数の光キャリア(Δna)が発生する。この結果、ある入力光強度以上では光吸収層表面領域のアンドープ層では大量の光キャリア発生により飽和電圧に達するが、過剰のキャリアが残存することになる。一方、光吸収層の深い領域のアンドープ層841c〜841eでは光キャリアの発生量(Δnc〜Δne)が少ないために光キャリアが不足して、(c)に示すように、電圧発生量が不十分になる。この結果、半導体受光素子全体として不十分な電圧発生量となる。このように、従来の半導体受光素子では発生した光キャリアを効率的に利用していない。また、従来の半導体受光素子は出力電圧も不十分であり、出力電圧あるいは出力電力が大きい高性能な半導体受光素子が求められている。
本発明は、上述した従来技術の課題を解決し、光を電圧あるいは電力に効率よく変換して十分な出力電圧や電力が得られる、変換効率に優れた半導体受光素子を提供することを目的としている。
本発明の半導体受光素子は、光を吸収して光起電力を発生する光吸収層を有し、光吸収層で発生した光起電力を外部に取り出すための電極が形成される半導体層を光吸収層に接して形成した構造を有している。光吸収層は、n型半導体層とp型半導体層を隣接配置又は近接配置して成るドーピングダイポール構造と、光を吸収して光キャリアを生成する光電変換層とを交互に複数設けた層構造から成っている。光電変換層は、光入射側から遠い光電変換層ほど層厚を厚くした構成である。
さらに、本発明の半導体受光素子は、光を吸収して光起電力を発生する光吸収層と、前記光吸収層に接し、光吸収層で発生した光起電力を外部に取り出すための電極が形成される半導体層とを備えた層構造の受光ユニットを同一基板上に複数備えている。光吸収層は、上記本発明の第一の半導体受光素子と同様、n型半導体層とp型半導体層を隣接配置又は近接配置して成るドーピングダイポール構造と、光を吸収して光キャリアを生成する光電変換層とを交互に複数設けた層構造から成り、光電変換層の厚さを光入射側から遠くなる程厚くした構成である。
複数の受光ユニットはそれぞれ単独で使用してもよいが、電気配線により接続して使用した方がより望ましい特性が得られる。受光ユニットを接続するに際しては、高電圧が必要な場合は全ての受光ユニットを直列に接続した直列接続構造、大電流が必要な場合は全ての受光ユニットを並列に接続した並列接続構造、高電圧、大電流が必要な場合、即ち、大電力が必要な場合は直列接続と並列接続を組み合わせた直並列複合接続構造と、目的に応じて接続構造を選択すればよい。
複数の受光ユニットは全て同じ材料で構成してもよいが、複数の受光ユニットのうち、少なくとも一つの受光ユニット或いは一つの受光ユニットグループの材料、組成を他の受光ユニット或いは受光ユニットグループと異なるものとし、受光ユニットを構成する光電変換層のバンドギャップエネルギーが他の受光ユニット或いは受光ユニットグループと異なる受光ユニット或いは受光ユニットグループとすると、異なる波長を同時に受光することができる多波長対応の半導体受光素子とすることも可能となる。
ドーピングダイポール構造はn型半導体層とp型半導体層が隣接した、所謂、pn接合構造(隣接配置構造)、n型半導体層とp型半導体層との間にi型又は低濃度半導体層(以下、i型で代表する)で成るスペーサ層を挾んで構成したpin接合構造(近接配置構造)のどちらでもよい。pn接合構造のドーピングダイポール構造の場合、製造時にn型不純物とp型不純物の相互拡散が生じることがある。不純物の相互拡散が起こると、不純物分布や不純物濃度の制御が難しいので、このときは、例えば、n型不純物にSi、p型不純物にBeを用いる等により不純物の相互拡散を抑制できる構成にする、低温で形成する等により、相互拡散が起こらないようにすればよい。pin接合構造のドーピングダイポール構造は、n型半導体層とp型半導体層との間にi型スペーサ層があるので不純物の相互拡散の問題は生じない。
ドーピングダイポール構造の層厚は任意であるが、効率向上のためには、ドーピングダイポール構造での光吸収を抑制し、光電変換層に入射する光が減衰しないよう、ドーピングダイポール構造の層厚を極力薄くするのが望ましい。また、ドーピングダイポール構造で光吸収があると、ドーピングダイポール構造で光キャリア生成による逆方向光起電力が発生して半導体受光素子の特性が劣化する。この特性劣化を防止する上でもドーピングダイポール構造の層厚を薄くするのが望ましい。さらに、応答速度向上のためにもドーピングダイポール構造の層厚を薄くするのが望ましい。このため、ドーピングダイポール構造を構成するn型半導体層とp型半導体層を、不純物をデルタドープした半導体層(デルタドープ層)で構成するのがよい。このとき、pin接合構造のドーピングダイポール構造ではi型スペーサ層もデルタドープ層と同じ厚さか、それ以下の厚さにするのが望ましい。
pn接合構造、pin接合構造の何れのドーピングダイポール構造においても、ドーピングダイポール構造を構成するn型半導体層とp型半導体層は、高濃度ドーピング半導体層、例えば、不純物濃度1019cm−3以上の半導体層で構成するのが望ましい。ドーピングダイポール構造を構成するn型半導体層とp型半導体層を高濃度ドーピング半導体層(n+型半導体層、p+型半導体層)とすることにより、光電変換層内に形成される内部電界強度が大きくなると共に、ドーピングダイポール構造部にトンネル接合が形成、或いは、多量の再結合準位が形成され、このトンネル接合、或いは、再結合準位を介して光キャリアが再結合するので、ドーピングダイポール構造を介して隣り合う光電変換層は実質的にオーミックに直列接続される。隣り合う光電変換層がドーピングダイポール構造部でオーミックに直列接続されないと、光キャリアの蓄積による空間電荷二重層のために内部電界が弱められ、光電変換層での再結合が増大し、外部に取り出せる電力が大幅に低下して特性が大きく劣化する。また、ドーピングダイポール構造を構成するn型半導体層とp型半導体層を高濃度ドーピング半導体層とすることにより、光電変換層内に形成される内部電界強度が大きくなるので、光キャリアは速やかにドーピングダイポール構造部に移動でき、高速応答が達成できる。なお、n型半導体層とp型半導体層に集まった電子と正孔がドーピングダイポール構造部で速やかに再結合する構成、例えば、再結合準位を形成する不純物のドープ、格子欠陥の導入、歪み半導体層の形成等により、ドーピングダイポール構造部に再結合準位を形成して、再結合準位を介して光キャリアが速やかに再結合する構成にすれば、ドーピングダイポール構造を構成するn型半導体層とp型半導体層の不純物の濃度を高濃度にしなくてもよい。
ドーピングダイポール構造がpin接合構造の場合、i型スペーサ層の厚さを数十nm以下、例えば、20nm以下の厚さにすると、n型半導体層とp型半導体層は十分接近しているので、光キャリアの再結合が阻害されることはない。また、pin接合に歪みを導入する等により、i型スペーサ層に再結合準位を形成し、i型スペーサ層を再結合層として機能するよう構成すれば、n型半導体層とp型半導体層に集まった電子と正孔は、i型スペーサ層の再結合準位を介して光キャリアが再結合し、隣り合う光吸収層がドーピングダイポール構造部で実質的にオーミックに直列接続するので、i型スペーサ層の厚さを薄く、例えば、20nm以下に、しなくてもよい。i型スペーサ層での光吸収損失が可能な限り小さくなるようにi型スペーサ層の厚さを決めればよい。
光吸収層を構成する光電変換層それぞれの厚さは光の減衰量に応じ、光入射側から遠くなるに従い順次増大するよう定める。この場合、光入射側から遠くなるに従い順次増大すれば、各光吸収層の厚さは適当に定めてもよいが、各光電変換層での発生電流が同じ場合に効率が最高になる、即ち、各光電変換層での光の吸収量が同じ場合に効率が最高になるので、図1に示すように、光電変換層内の生成光キャリア数Δni(i=1、2、・・・)が何れの光電変換層11a〜11eにおいても同じ(Δn1=Δn2=・・・)になるように各光電変換層11a〜11eの厚さdi(i=1、2、・・・)を定めるのがよい。このとき、光電変換層で発生する電圧が何れの光電変換層においても飽和電圧になるように各光吸収層の厚さを定めると最も効率がよく、出力電力も最大になる。なお、光電変換層は、ドーピングダイポール構造に挟まれて形成されたときに空乏化する半導体層であれば真性半導体層(i型半導体層)、低濃度半導体層(p−型半導体層、n−型半導体層)の何れでもよい(以下、i型半導体層で代表する)。
〔作用〕
本発明の半導体受光素子の動作原理を図1に示す。図1(a)は、ドーピングダイポール構造を形成した本発明の光吸収層の層構造、図1(b)は図1(a)において図中左側より光が入射した場合の光吸収層内の位置Xで発生した光キャリア数、(c)は光電変換層1層あたりの出力電圧の概念を示している。図中、Δn1〜Δn5は各光電変換層内の光キャリア数、d1〜d5は各光電変換層11a〜11eの厚さである。図1(a)に示すように、光吸収層10には、光電変換層が複数形成されている。光電変換層11a〜11eの厚さは、図示の如く、光の入射側では薄く、光入射側から遠くなるにつれて厚くなっている(d1<d2<d3<d4<d5)。隣り合う光電変換層間には、n型半導体層およびp型半導体層を隣接又は少なくとも20nm以下で近接させたドーピングダイポール構造が複数個形成されている。なお、ドーピングダイポール構造は、図中、各光電変換層11a〜11eの境界を示す直線で示している。
〔作用〕
本発明の半導体受光素子の動作原理を図1に示す。図1(a)は、ドーピングダイポール構造を形成した本発明の光吸収層の層構造、図1(b)は図1(a)において図中左側より光が入射した場合の光吸収層内の位置Xで発生した光キャリア数、(c)は光電変換層1層あたりの出力電圧の概念を示している。図中、Δn1〜Δn5は各光電変換層内の光キャリア数、d1〜d5は各光電変換層11a〜11eの厚さである。図1(a)に示すように、光吸収層10には、光電変換層が複数形成されている。光電変換層11a〜11eの厚さは、図示の如く、光の入射側では薄く、光入射側から遠くなるにつれて厚くなっている(d1<d2<d3<d4<d5)。隣り合う光電変換層間には、n型半導体層およびp型半導体層を隣接又は少なくとも20nm以下で近接させたドーピングダイポール構造が複数個形成されている。なお、ドーピングダイポール構造は、図中、各光電変換層11a〜11eの境界を示す直線で示している。
半導体受光素子の動作は、図9において説明したように、光入射により光キャリアが光電変換層11a〜11eで発生、内部電界によりドリフトしてドーピングダイポール構造に集まり、このときに生じる分極により電圧が発生する。ドーピングダイポール構造に集まった光キャリアは再結合により消滅していく。ここで本発明の特徴は、図1(a)に示すように、光吸収層10を構成する光電変換層11a〜11eの層厚を光入射面より光伝播方向に向かって増大したことにある。このため、多数の光キャリアが発生する光入射面側では光電変換層数が多く、光電変換層の層厚が薄いので、各光電変換層内に十分な光キャリアが生成されるが、各光電変換層での光キャリア過剰は生じない。一方、光入射面から遠い領域では光電変換層が厚いために光キャリアを多数得ることができる。この結果、従来の半導体受光素子において各光電変換層で生じていた光キャリアの過不足が補償されて、図1(b)に示す光キャリア発生分布に応じて光キャリアが有効に電圧発生に寄与することができる。さらに、図示の如く、各光電変換層の厚さdi(i=1、2、・・・)を、各光電変換層内の生成光キャリア数Δni(i=1、2、・・・)がΔn1=Δn2=・・・になるように定めていると、図1(c)に示すように、光電変換層で発生する電圧は全ての光電変換層で同じになるので変換効率が更に向上し、効率的な発生電圧(開放電圧)を得ることができる。
図2に、複数の受光ユニットを同一基板上に設けた本発明の半導体受光素子における受光ユニットの接続構造を示す。受光ユニットを同一基板上に複数設けた本発明の半導体受光素子は、図2(a)の如く、m個の受光ユニット20を直列に配置した場合、電圧増大が可能となり、受光ユニット1個の場合に比べてm倍の電圧が得られる。図2(b)の如く、受光ユニットn個を並列配置した場合、電流増大が可能となり、受光ユニット1個の場合に比べてn倍の電流が得られる。図2(c)、(d)は、直列および並列配置を複合した接続で、電圧および電流が増大し、受光ユニット1個の場合に比べてn×m倍の電力が得られる。
本発明の半導体受光素子は、光吸収層が、ドーピングダイポール構造と光電変換層とを交互に複数設けた層構造から成り、光電変換層が、光入射側から遠い光吸収層ほど層厚を厚くした構成になっている。このため、多数の光キャリアが発生する入射面側では層厚の薄い多くの光電変換層に、過剰にならず、且つ、飽和電圧になる十分な量の生成光キャリアを分配できる。また、光入射面から遠い領域では光吸収層が厚いために光キャリアを多数得ることができるので、従来の半導体受光素子において各光電変換層で生じていた光キャリアの過不足が補償されて、光キャリア発生分布に応じて光キャリアが有効に電圧発生に寄与する。この結果、光を効率よく電圧、電力に変換することが可能となる。また、隣り合う光電変換層がドーピングダイポール構造を介して直列接続しているので、一つの光電変換層の半導体受光素子に比べて、光電変換層数倍の開放電圧が得られ、従来よりも効率的に高い電圧、大きい電力が得られる。
受光ユニットを複数備えた本発明の半導体受光素子は、これら受光ユニットを電気配線により、全ての受光ユニットを直列に接続した直列接続構造、全ての受光ユニットを並列に接続した並列接続構造、直列接続と並列接続を組み合わせた直並列複合接続構造と、目的に応じて接続構造を適宜選択することで高電圧、大電流、大電力が得られる。
本発明の半導体受光素子について図面を参照して詳細に説明する。
図3に、本発明による半導体受光素子の第一の実施例を示す。図中、(a)は半導体受光素子の断面図、(b)は光吸収層の層構造を示している。
本実施例1の半導体受光素子は、図示の如く、n型InP半導体基板32上に、n型InP層33、InGaAs光吸収層34、n型InP層35が形成されて、n型InP層35表面から光38が入射する構成の多層メサ構造になっている。InP半導体基板32の裏面とn型InP層35表面にはAuGeNiから成る電極31、36が形成されている。多層メサ構造の平面形状は円形になっており、n型InP層35表面の電極36はn型InP層35の縁に沿ってリング状に形成され、リング状電極36に囲まれた領域が受光部37となっている。受光部37は、直径が50μmで、受光部表面、即ち、受光面には反射防止膜(図示省略)が形成されている。
InGaAs光吸収層34は、図3(b)に示すように、厚さ5nm、キャリア濃度1×1019cm−3のp+型InGaAsデルタドープ層343、厚さ5nmのi型InGaAsスペーサ層344、厚さ5nm、キャリア濃度1×1019cm−3のn+型InGaAsデルタドープ層342、i型InGaAs光電変換層341を順次積層して構成された多層構造を単位構造とし、この単位構造を20層積層した多層構造になっている。n+型InGaAsデルタドープ層342、i型InGaAsスペーサ層344、p+型InGaAsデルタドープ層343は、これら3層でドーピングダイポール構造340を構成し、i型InGaAs光吸収層344を挾んでいる。ドーピングダイポール構造340によって挾まれたi型InGaAs光電変換層341は、その両側に形成されたドーピングダイポール構造のうちの一方のドーピングダイポール構造340のn+型InGaAsデルタドープ層342と他方のドーピングダイポール構造のp+型InGaAsデルタドープ層343とに接していて、これらn+型、p+型InGaAsデルタドープ層と共にpin接合構造から成る受光セル345を構成している。受光セル345を構成するi型InGaAs光電変換層341は、光入射面側から遠いi型InGaAs光電変換層ほど層厚が増大した構成になっている。本実施例ではi型InGaAs光電変換層341は、光入射面側での層厚10nmから、光入射面から最も遠いi型InGaAs光電変換層の層厚100nmまで層厚が徐々に増大している。なお、この実施例では、不純物の相互拡散を防ぐために、n+型InGaAsデルタドープ層342とp+型InGaAsデルタドープ層343の間にi型InGaAsスペーサ層344を挟んだpin接合構造のドーピングダイポール構造340としたが、不純物の相互拡散が問題にならないならi型InGaAsスペーサ層344を設けないpn接合構造のドーピングダイポール構造としてもよい。
図4に、本実施例の半導体受光素子の光−出力電圧特性を示した。横軸は入力光の光強度(パワー)、縦軸は出力電圧を示している。図中、曲線4aはこの実施例の半導体受光素子の特性、曲線4bは図9、図10に示した従来の半導体受光素子の特性を表している。
図に示すように、何れの半導体受光素子も入力光のパワーが1mW以上であれば出力電圧が飽和に達する。従来の半導体受光素子の出力飽和電圧は約2V、本実施例の半導体受光素子の出力飽和電圧は約5Vであり、従来の半導体受光素子よりも本実施例の半導体受光素子の方が出力飽和電圧が大きい。また、入力光のパワーが1mW以下の領域においても本実施例の半導体受光素子の方が出力電圧が大きく、出力特性が改善されていることが分る。この特性改善の要因は、受光セルを構成するi型InGaAs光電変換層341の厚さを光入射側から光導波方向に沿って順次厚くした構成としたことにより、従来の半導体受光素子において各光電変換層で生じていた光キャリアの過不足を補償し、光キャリア発生分布に応じて光キャリアを有効に電圧発生に寄与することができためである。
上記実施例では、ドーピングダイポール構造は、下層(基板側)をp+型InGaAsデルタドープ層343、上層(光入射側)をn+型InGaAsデルタドープ層342としたが、この逆の構造、即ち、下層(基板側)をn+型InGaAsデルタドープ層、上層(光入射側)をp+型InGaAsデルタドープ層としても効果は同じである。
また、上記実施例では、InGaAs光吸収層34の上部(光入射側)と下部(基板側)にはn型InP層33、35がそれぞれ形成されているが、電極とオーミック接触が形成でき、且つ、InGaAs光吸収層34と実質的にオーミックに接続できる半導体層であればn型InP層に替えてp型の半導体層を用いてもよい。また、n型InP層33、35のどちらか一方をp型InP層、他方をn型InP層としてもよい。また、n型InP層33、35を設けずに、直接InGaAs光吸収層34に電極を形成してもよい。この場合、電極は、InGaAs光吸収層34の光電変換層にショットキー接触し、電極−光電変換層−ドーピングダイポール構造が、pin接続構造と実質的に同じバンド構造になるようにし、電極−光電変換層−ドーピングダイポール構造で受光セルが構成されるように留意する。
さらに、上記実施例では、光吸収層の最上層(光入射側の層)と最下層(基板側の層)の両方にドーピングダイポール構造が存在する光吸収層構造としたが、図5(a)に示すように、光吸収層の最上層と最下層にドーピングダイポール構造がない構造、即ち、最上層と最下層が光電変換層341である光吸収層構造でもよい。この場合、最上層と最下層の光電変換層341がp型層とn型層に挾まれてpin接合が形成されるように光吸収層に接する半導体層、図3の例ではInP層33、35の導電型を定める必要がある。また、図5(b)、(c)に示すように、光吸収層の最上層或いは最下層のどちらか一方をドーピングダイポール構造とし、他方を光電変換層とする構造(例えば、最上層をドーピングダイポール構造、最下層を光電変換層とした構造)、或いは、図5(d)に示すように、光吸収層の最上層と最下層を、ドーピングダイポール構造の一方の導電型のデルタドープ層(例えば、最上層をp+型デルタドープ層、最下層をn+型デルタドープ層)で構成した構造、さらには、図5(e)、(f)に示すように、光吸収層の最上層或いは最下層のどちらか一方を光電変換層で構成し、他方をドーピングダイポール構造の一方の導電型のデルタドープ層で構成した構造(例えば、最上層を光電変換層、最下層をn+型又はp+型デルタドープ層とした構造)の何れの光吸収層構造でも効果は変わらない。
図6に、本発明の実施例2の半導体受光素子を示す。図中、(a)は半導体受光素子の平面図、(b)は(a)の切断線A−Aにおける半導体受光素子の断面図である。
本実施例の半導体受光素子は、図6(b)の如く、InP半導体基板52上に、n型InP層53、InGaAs光吸収層54、n型InP層55が形成されて、n型InP層35表面から光58が入射する構成の多層メサ構造で成る受光ユニットが4つ互いに近接配置された集積構造になっている。各受光ユニットの多層メサ構造最上部のn型InP層55表面は受光面になっており、各n型InP層55の表面とInP半導体基板52の裏面にAuGeNiから成る電極51、56が形成されている。各受光ユニットの平面形状は、図6(a)に示すように、扇形になっており、各n型InP層55表面の電極56はそれぞれn型InP層55の円弧状外縁に沿って円弧状に配置され、各n型InP層表面の電極が形成されていない領域が受光部57a〜57dになっている。各受光部表面(受光面)には反射防止膜(図示省略)が形成されている。
InP基板52上に集積された4個の受光ユニット50a、50b、50c、50dは、電極配線(図示省略)により互いに接続されている。受光ユニット間の接続は、高電圧が必要なときは全ての受光ユニットを直列に接続した直列接続構造(1×4)、大電流が必要なときは全ての受光ユニットを並列に接続した並列接続構造(4×1)、高電圧、大電流が必要なときは二つずつ直列接続し、二つの直列接続構造を並列接続した直並列複合接続構造(2×2)と、目的に応じて接続構造を選択すればよい。本実施例2では、4個の受光ユニット50a〜50dを直列接続した構成とした。
InGaAs光吸収層54は、実施例1と同様、ドーピングダイポール構造と光電変換層を交互に積層した層構造で構成されている。基本構造は図3に示すように、厚さ5nmのp+型InGaAsデルタドープ層343、厚さ5nmのi型InGaAsスペーサ層344、厚さ5nmのn+型InGaAsデルタドープ層342、i型InGaAs光電変換層341を順次積層して構成された多層構造を単位構造とし、この単位構造を20層積層した多層構造で構成されている。i型InGaAs光電変換層341は、光入射面側から遠くなるに従い順次層厚が厚くなっている。本実施例では光入射面側でのi型InGaAs光電変換層の層厚は10nm、光入射面から最も遠いi型InGaAs光電変換層の層厚は100nmで、その間のi型InGaAs光電変換層の層厚は100nmまで光入射面側から徐々に増大している。なお、ドーピングダイポール構造340は、n+型InGaAsデルタドープ層342、i型InGaAsスペーサ層344、p+型InGaAsデルタドープ層343の3層で構成されている。
図7に、本実施例2の半導体受光素子の光−出力電圧特性を示す。図中、横軸は入力光パワー、縦軸は出力電圧、曲線7aは、受光ユニット全てを直列接続した直列接続構造の本実施例2の半導体受光素子の特性、曲線7bは、実施例1の半導体受光素子の特性を表している。
図に示すように、何れの半導体受光素子も入力光のパワーが1mWで出力電圧が飽和に達している。実施例1の半導体受光素子の出力飽和電圧は約5V、受光ユニット全てを直列接続した半導体受光素子の出力飽和電圧は20Vであり、実施例1の半導体受光素子よりも本実施例の半導体受光素子の方が出力飽和電圧が大きい。また、入力光のパワーが1mW以下の領域においても本実施例の半導体受光素子の方が出力電圧が大きい。この出力電圧の増大は、受光セルを構成するi型InGaAs光電変換層の層厚を光入射側から遠くなるに従い順次大きくした結果により、光キャリア発生分布に応じて光キャリアを有効に電力発生に寄与することができたためと、マトリックス状に配置した4つの受光ユニットを全て直列に接続した効果によるものである。
本実施例3は、上記実施例2と同様、InP半導体基板上に4個の受光ユニットを形成した構成になっている。実施例2と違う点は、受光ユニットを直並列複合接続した点である。この他の点、即ち、受光ユニットの構造、光吸収層の構造、受光セルの構造、ドーピングダイポール構造等は実施例2と同じである。
図8に、入力光パワーが10mWのときの半導体受光素子の出力電圧−出力電流特性を示す。図中、横軸は出力電圧、縦軸は出力電流、曲線8aは4つの受光ユニットを直並列複合接続(2×2)した本実施例3の半導体受光素子の特性、曲線8bは、実施例1の半導体受光素子の特性を表している。
図から分るように、実施例1の半導体受光素子では、出力電圧が1Vで出力電流は約0.5mA、即ち、出力電力は0.5mW程度であったが、本実施例3の半導体受光素子では、出力電圧が2Vで出力電流は約1mAとなり、2mWまでの電力供給が可能となった。この電力供給量の増大は、光吸収層を構成するi型InGaAs光電変換層の層厚を光入射側から遠くなるに従い順次大きくした結果により、光キャリア発生分布に応じて光キャリアを有効に電力発生に寄与することができたためと、複数の受光ユニットを直並列複合接続した結果生じる、直列接続による出力電圧増大と、並列接続による出力電流増大によるものである。
以上、図7、図8から分るように、複数の受光ユニットを適宜接続(直列接続、並列接続、直並列複合接続を目的に応じて選択)することにより特性の優れた半導体受光素子が実現できる。
本実施例4は多波長対応の半導体受光素子である。
本実施例4の半導体受光素子は、図6に示した実施例2と同様、InP半導体基板上に4個の受光ユニットを形成した構成になっている。実施例2と違う点は、4個の受光ユニットを二つのグループに分け、受光ユニットを構成する光吸収層を、グループ毎に異なるバンドギャップエネルギーの半導体材料で形成した点である。即ち、図6において、受光ユニット50aと受光ユニット50bを直列接続して、これを第1のグループとし、光吸収層をInGaAsで構成し、波長1.55μmの光を受光・吸収する受光ユニットとした。第2のグループは、受光ユニット50cと受光ユニット50dを直列接続して、光吸収層をInGaAsPで構成し、波長1.33μmの光を受光・吸収する受光ユニットになっている。第1、第2のグループの各受光ユニットの表面(受光部57a〜57dの表面)にはそれぞれ誘電体多層膜から成るフィルタが形成され、不要な波長の光を遮断する構成になっている。即ち、第1のグループの各受光ユニットの表面には波長1.55μmの光のみを透過するフィルタ、第2のグループの各受光ユニットの表面には波長1.33μmの光のみを透過するフィルタが形成されている。電極は、各グループから独立に出力を取り出すように構成されている。なお、上記説明した点以外、即ち、受光ユニットの積層構造、光吸収層の積層構造、受光セルの構造、ドーピングダイポール構造等は実施例2と同じである。
本実施例4の半導体受光素子は、波長1.55μmの光を受光・吸収する受光ユニットと、波長1.33μmの光を受光・吸収する受光ユニットを備えおり、各波長に応じて電圧や電力が取り出せるので、例えば、本実施例4の半導体受光素子を光スイッチや光変調器等と組み合わせて用いると、各波長に応じて光スイッチや光変調器を駆動でき、波長多重光通信において有用である。
尚、本実施例4では、グループ内の受光ユニットは直列接続したが、直列接続に替えて並列接続にしてもよい。或いは、グループ内の受光ユニットの数を増やし、直並列複合接続としてもよい。グループ内の受光ユニットをどのような接続にするかは、目的に応じて選択すればよい。
上記何れの実施例においても、半導体積層構造の表面より光を入射する構造としたが、これとは逆に、基板裏面より光を入射する構造(基板裏面入射型)としても、上記実施例と同様の効果が得られる。なお、基板裏面入射型の場合は、光吸収部の厚さは、基板側が薄く、基板から遠くなるにつれて順次厚くすればよい。また、光が入射する領域に該当する基板裏面領域を除去、または、薄くした構造や、入射光に対して透明となる材料(入射光のエネルギーよりもバンドギャップエネルギーが大きい材料)で基板(半導体に限らず、サファイア、石英等でもよい)を構成する等、基板での光吸収を低減する構造にするのが望ましい。
さらに、上記実施例では基板にInP基板、光吸収層にInGaA光吸収層を用いたが、これ以外の材料、例えば、基板としては、GaAs基板、Si基板、GaN基板、サファイア基板、石英基板等が、また、光吸収層としては、In、Al、Ga、As、P、Sb、N等の組み合わせから成る3−5族半導体材料、Zn、Cd、Hg、S、Se、Te、O等の組み合わせから成る2−6族半導体材料、Si、Ge、C、および、その組み合わせから成る4族半導体材料を用いることができる。なお、これら材料は、受光する光の波長に応じて最適なものを適宜選択すればよい。
本発明の半導体受光素子は、光を電圧や電力に効率よく変換できるので、光通信、光情報処理、光計測等の種々の分野において、電力を供給せずに光の供給のみで駆動できる駆動源、即ち、電圧供給源、電流供給源、或いは、電力供給源として利用できる。
10 光吸収層
11a〜11e 光電変換層
20 受光ユニット
31 電極
32 InP半導体基板
33 n型InP層
34 InGaAs光吸収層
35 n型InP層
36 電極
37 受光部
38 入射光
340 ドーピングダイポール構造
341 i型InGaAs光電変換層
342 n+型InGaAsデルタドープ層
343 p+型InGaAsデルタドープ層
344 i型InGaAsスペーサ層
345 受光セル
50a〜50d 受光ユニット
51 電極
52 InP半導体基板
53 n型InP層
54 InGaAs光吸収層
55 n型InP層
56 電極
57a〜57d 受光部
58 入射光
81 電極
82 InP半導体基板
83 n+型InPバッファ層
84 InGaAs光吸収層
85 n+型InPキャップ層
86 電極
87 受光部
88 入射光
840 ドーピングダイポール構造
841 アンドープ層
842 n+型デルタドープ層
843 p+型デルタドープ層
844 アンドープスペーサ層
845 受光セル
11a〜11e 光電変換層
20 受光ユニット
31 電極
32 InP半導体基板
33 n型InP層
34 InGaAs光吸収層
35 n型InP層
36 電極
37 受光部
38 入射光
340 ドーピングダイポール構造
341 i型InGaAs光電変換層
342 n+型InGaAsデルタドープ層
343 p+型InGaAsデルタドープ層
344 i型InGaAsスペーサ層
345 受光セル
50a〜50d 受光ユニット
51 電極
52 InP半導体基板
53 n型InP層
54 InGaAs光吸収層
55 n型InP層
56 電極
57a〜57d 受光部
58 入射光
81 電極
82 InP半導体基板
83 n+型InPバッファ層
84 InGaAs光吸収層
85 n+型InPキャップ層
86 電極
87 受光部
88 入射光
840 ドーピングダイポール構造
841 アンドープ層
842 n+型デルタドープ層
843 p+型デルタドープ層
844 アンドープスペーサ層
845 受光セル
Claims (10)
- 光を吸収して光起電力を発生する光吸収層と、前記光吸収層に接し、光吸収層で発生した光起電力を外部に取り出すための電極が形成される半導体層とを有し、前記光吸収層が、n型半導体層とp型半導体層を隣接配置又は近接配置して成るドーピングダイポール構造と、光を吸収して光キャリアを生成する光電変換層とを交互に複数設けた層構造から成り、前記光電変換層が、光入射側から遠い光電変換層ほど層厚が厚いことを特徴とする半導体受光素子。
- 光を吸収して光起電力を発生する光吸収層と、前記光吸収層に接し、光吸収層で発生した光起電力を外部に取り出すための電極が形成される半導体層とを備えた層構造の受光ユニットを同一基板上に複数備え、前記光吸収層が、n型半導体層とp型半導体層を隣接配置又は近接配置して成るドーピングダイポール構造と、光を吸収して光キャリアを生成する光電変換層とを交互に複数設けた層構造から成り、前記光電変換層の厚さを光入射側から遠くなる程厚くしたことを特徴とする半導体受光素子。
- 複数の受光ユニットの内、少なくとも一つの受光ユニットの光電変換層のバンドギャップエネルギーが他の受光ユニットの光電変換層のバンドギャップエネルギーと異なることを特徴とする請求項2に記載の半導体受光素子。
- 複数の受光ユニットを全て直列に接続したことを特徴とする請求項2記載の半導体受光素子。
- 複数の受光ユニットを全て並列に接続したことを特徴とする請求項2記載の半導体受光素子。
- 複数の受光ユニットを直並列複合接続したことを特徴とする請求項2記載の半導体受光素子。
- ドーピングダイポール構造を構成するn型半導体層とp型半導体層が、不純物をデルタドープした半導体層であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の半導体受光素子。
- ドーピングダイポール構造を構成するn型半導体層とp型半導体層が、不純物を高濃度にドープした半導体層であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の半導体受光素子。
- 光電変換層内の生成光キャリア数が何れの光電変換層においても同じになるように各光電変換層の厚さを定めたことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の半導体受光素子。
- 光電変換層で発生する電圧が何れの光電変換層においても飽和電圧になるように各光電変換層の厚さを定めたことを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の半導体受光素子。
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-
2007
- 2007-01-16 JP JP2007006838A patent/JP2008177212A/ja not_active Withdrawn
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