JP5515278B2 - 光給電装置 - Google Patents

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本発明は、光を受光して電気的エネルギーに変換する光電変換素子、これを用いた光給電装置、及び光電変換素子の製造方法に関する。
光通信、光情報、光計測の分野において、光をファイバー、光導波路あるいは空間伝搬によって伝送し、相手先で電力に変換する装置(光給電装置)が検討されている。光給電装置は、光の伝送距離が数cmから数km程度と想定されており、距離に応じて様々な応用が提案されている。
例えば非特許文献1では、ファイバーによる光給電について検討がなされており、遠距離の光給電に関して光波長および伝送損失を含めた方式の比較がなされている。
また非特許文献2では、マイクロマシン(MEMS:Micro Electro Mechanical Systemsの略)スイッチを用いた光抑制器が報告されており、MEMSシャッタとフォトボル素子を組み合わせた無電源光ブレーカが提案されている。
また非特許文献3では、MEMSミラーとフォトボルの組み合わせによる小型内視鏡が提案されており、血管内壁の多次元での細胞観察が報告されている。
これらのシステムでは、伝送光を電力変換する場合に光電変換素子(フォトボル)が必要となる。そして、この光電変換素子の電力変換効率は、入力する光のパワーに対する発生電力(電圧×電流)の比で示され、この値が高いことが光電変換素子に要求される。
図7は、一般的な光給電の方式を示す図である。図7において、光給電用の送信光源701より波長λ1の光を光ファイバー702で伝送し、遠方の装置が備える光電変換素子703で受光して電力に変換している。
通常の光電変換素子は単純なPIN型半導体構造を有しており、入力光によりi型半導体で構成された光吸収層で発生した光キャリアがp、n型半導体層にドリフトすることにより生じる分極を利用して出力電圧を得ている。この時の出力電圧限界は、光吸収層の半導体バンドギャップエネルギーEgで規定され、飽和電圧と称される。
図7に基づく応用技術は、光ファイバー中を低損失で光が伝搬する波長帯である1μm帯で実現されている。そして、この波長帯における光吸収層としては、InP基板上に格子整合したInGaAs光吸収層を用いるのが一般的である。
しかしながら、InGaAs層のEgより推測される飽和電圧は0.7V程度であり、一般的なシステムを駆動する電圧としては十分でないといえる。
このような背景において、出力電圧を高める方法として、特許文献1で開示されているような多接合を有する光電変換素子(多接合型)、および光電変換素子を平面に多数配置して直列接続した構造(集積型)が提案されている。図8には多接合型の光電変換素子、図9には集積型の光電変換素子の基本構造を示す。いずれも、PIN接合を直列配置することにより、電圧増大を図った構造である。
また、特許文献2、及び特許文献3には、複数の光吸収層を有する光電変換素子が開示されている。
H. Miyakawa, et al., "Design approaches to power-over-optical local-area-network systems", APPLIED OPTICS , Vol. 43, No. 6, pp. 1379-1389, 2004 三玉他、「MEMSを用いたサージ光抑制器の開発」、2005年電子情報通信学会主催総合大会、C-3-113 Changho Chong, et. al., "Optically Modulated MEMS Scanning Endoscope", IEEE Photonics Technology Letters, Vol. 18, No. 1, pp. 133-135, 2006 特許第3365329号公報 特開2000−77702号公報 特開2003−142721号公報
図8に示す多接合型の光電変換素子は、半導体基板807上にPIN接合を複数積層した多接合構造になっている。第1のPIN接合は、p型半導体層801、第1の光吸収層802、n型半導体層803で構成されている。第2のPIN接合は、p型半導体層804、第2の光吸収層805、n型半導体層806で構成されている。
この光電変換素子は、波長λ1の光808を吸収するように設計されたバンドギャップエネルギーEg1を有する第1の光吸収層802と第2の光吸収層805において光キャリアを発生し、電力として取り出すようになっている。ここで、第1及び第2の光吸収層における波長λ1の光キャリア分布は809、810のようになる。
この場合、発生電圧はPIN接合が直列配置になっていることにより増大するが、発生電流はPIN接合でのキャリア発生に影響される。すなわち、PIN接合の多重接合であるために、外部電流としては電流連続の原理より各接合で発生する光電流の最低値で規定される。このため、接合間では光キャリアが等分に発生することが理想的である。
しかしながら、図8に示したように光発生キャリアは最上層である半導体層801から入射して光吸収層に対し指数関数的に減少する。このため、多接合間でのキャリアを正確に分配し電流を最大化して取り出すことは製作上容易ではない。そして、トータルの発生電力(電圧×電流)としては削減され、電力変換効率として十分ではなくなる。
また、図9に示された集積型の光電変換素子は、半導体基板904上にPIN接合を積層した構造が平面状に多数集積された構造(セル構造)になっている。PIN接合は、p型半導体層901と光吸収層(i型半導体)902とn型半導体層903で構成される。図9では905乃至908の4セル構造となっている。ここで、波長λ1の光909を吸収するように設計されたバンドギャップエネルギーEg1を有する第1接合の光吸収層902において、光キャリアを発生し電力として取り出すようになっている。
この場合、発生電圧はセルが直列配置になっていることにより増大するが、発生電流は各セルでのキャリア発生に影響される。すなわち、PIN接合の直列接合であるために、外部電流としては前述した例と同様に各セルで発生する光電流の最低値で規定される。したがって、各セル間では光キャリアが等分に発生することが理想的である。しかしながら、波長λ1の光909を等分に各セルに照光することは、実装上容易ではない。このため、トータルの発生電力(電圧×電流)としては削減され、電力変換効率として十分ではなくなる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、光から電力への変換効率が高い光電変換素子、これを用いた光給電装置、及び光電変換素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる光電変換素子は、光吸収層のバンドギャップエネルギーが異なる2つ以上のPIN接合を有し、前記2つ以上のPIN接合は、光が入射する側から前記バンドギャップエネルギーが小さくなる順に配置され、且つ、各々の前記PIN接合が直列に接続されている。
また、本発明にかかる光給電装置は、2つ以上の波長を有する光を発生させる光源と、 前記光源からの光を受光する本発明の光電変換素子と、を有する。
また、本発明にかかる光電変換素子の製造方法は、光吸収層のバンドギャップエネルギーが異なる2つ以上のPIN接合を、光が入射する側から前記バンドギャップエネルギーが小さくなる順に、各々のPIN接合が直列に接続するように積層する工程を有する。
また、本発明にかかる光電変換素子の製造方法は、光吸収層のバンドギャップエネルギーが異なる2つ以上のPIN接合を、光が入射する側から前記バンドギャップエネルギーが小さくなる順に配置する工程と、各々のPIN接合を直列に接続する工程と、を有する。
本発明により、光から電力への変換効率が高い光電変換素子、これを用いた光給電装置、光電変換素子の製造方法を提供することができる。
発明の実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態1について説明する。
図2は発明の実施の形態1にかかる光電変換素子を説明するための図である。
図2に示す光電変換素子は、半導体基板(基板)208上にPIN接合が2つ以上積層されている。第1のPIN接合は、p型半導体層201と第1の光吸収層(i型半導体層)202とn型半導体層203とを有する。また、第2のPIN接合は、p型半導体層204と第2の光吸収層(i型半導体層)205とn型半導体層206とを有する。同様に、第nのPIN接合は、p型半導体層213と第nの光吸収層(i型半導体層)207とn型半導体層214とを有する。各PIN接合は直列に接続されており、第1のPIN接合と第nのPIN接合には、各PIN接合で発生した電力を取り出すために、電極が設けられている。
ここで、第1の光吸収層202のバンドギャップエネルギーはEg1、第2の光吸収層205のバンドギャップエネルギーはEg2、第nの光吸収層207のバンドギャップエネルギーはEgnである。第1の光吸収層202では波長λ1の光が吸収され、第2の光吸収層205では波長λ2の光が吸収され、第nの光吸収層207では波長λnの光が吸収される。
入射する光209は2つ以上の波長を有しており、図2の210は波長λ1による光キャリア分布を示し、211は波長λ2による光キャリア分布を示し、212は波長λnによる光キャリア分布を示している。
本実施形態にかかる光電変換素子のPIN接合は、光吸収層のバンドギャップエネルギーが、光が入射する側から小さくなる順(つまり、Eg1>Eg2>・・・>Egnの順)に配置されており、更に、各々のPIN接合が直列に接続されている。このような構成を有することで、光から電力への変換効率が高い光電変換素子を提供することができる。
また、更に好ましい構成として、波長λnとバンドギャップエネルギーEgnの関係が以下の式を満足するように、各光吸収層のバンドギャップエネルギーを設定してもよい。
(1.23/λ1)>Eg1>(1.23/λ2)>Eg2>・・・>(1.23/λn)>Egn ・・・式1
以上の条件を呈することにより、波長λ1、λ2、・・・、λn(μm)の光209は、キャップ層でもあるp型半導体層201側より入射し、第1の光吸収層では式1より波長λ1の光が吸収される。このとき、波長λ2、・・・、λn(μm)の光は透過する。同様に第2の光吸収層では波長λ2の光が、第nの光吸収層では波長λnの光が支配的に吸収される。
そして、光が吸収されることにより発生した光キャリアは分極し電圧を発生し、更に電極に収集されて電流として寄与する。
図2には、各接合の光キャリア分布を示している。本実施形態にかかる発明によれば、各接合層の厚さおよびバンドギャップエネルギーを各波長別に設計することが可能となる。このため、光キャリアの分布を制御しやすく光電流を等分に発生させることが容易となる。これにより、PIN接合間での損失が低減される。
次に、本実施形態にかかる光電変換素子を用いた光給電装置について図1を用いて説明する。図1において、送信側には2つ以上の波長λ1、λ2、・・・、λn(μm)を有する光を発生する光源101を配置する。ここで、光源101には、例えばレーザーダイオード(LD)を用いる。光源101で発生した光は合波して光ファイバー102を伝送して、受信側にある本実施形態にかかる光電変換素子103に結合する。なお、図1では、光源101で発生した光を光ファイバーを用いて伝送しているが、光伝送についてはこの限りではなく、例えば光導波路や空間伝播により光を伝送してもよい。
このとき、受信側の光電変換素子において波長λ1、λ2、・・・、λn(μm)の光を分離して受光できるように、光吸収層のバンドギャップエネルギーをEg1、Eg2、・・・、Egnとしている。更に、これらの光吸収層を光が入射する側からバンドギャップエネルギーが小さくなる順に配置し、且つ、各々のPIN接合が直列に接続するようにしている。
本実施形態にかかる光給電装置は、2つ以上の波長を有する光を用いた多波長給電方式である。また、本実施形態にかかる光給電装置は、光吸収層のバンドギャップエネルギーが異なる2つ以上のPIN接合を有する光電変換素子を用いている。これにより、光電流の損失を抑制してかつ電圧の増大を図ることができ、高効率に電力を変換することが可能となる。
以下、本実施形態にかかる光給電装置の方式を多波長給電方式、単一の波長を有する光を入射する方式を1波長給電方式と略称する。
尚、1波長給電方式では、例えば図8、図9に示すような、全て同じバンドギャップエネルギーを有する光吸収層で構成された光電変換素子を用いている。
図4に、1波長給電方式と比較した、PIN接合数に対する発生電圧(図4(a))および電力変換効率(電力/光パワー)(図4(b))を示す。PIN接合を構成する材料としては、InGaAsP系を想定している。また、送信側の光の総パワーは1波長および多波長方式において同等と仮定している。ここで、1波長給電方式では送信光源が1波長であるのに対し、光電変換素子のPIN接合の数はn個、本実施形態の発明では送信光源がn波長であるのに対し光電変換素子のPIN接合数はn個となる。
図4(a)に示すように、発生電圧に関しては、多波長給電方式および1波長給電方式ともに、PIN接合が複数接合された多接合構造をとるため、両方式で増大する。
一方、変換効率に関しては、図4(b)に示すように、1波長給電方式では接合間での電流損失が多く、接合数が増えるに従いトータルでの変換効率が減少していく。
これに対し多波長給電方式では、光電流分布が等分されるように制御が可能であるため、多接合においても電流損失が抑制でき変換効率の劣化も抑制できる。
以上より、本実施形態にかかる光電変換素子およびこれを用いた光給電装置では、変換効率を劣化させることなく、電圧を増大することが可能となる。
また、本方式である多波長給電方式では、送信側の各波長のパワーを独立で制御できるため、受信側での各PIN接合での電流が一致するように送信側で制御することが可能となる、という利点がある。また、本実施形態では、光吸収層材料はInGaAsP系としたが、他にAlGaAs系、InAlGaAs系においても、同様の効果が得られる。
次に、本実施形態にかかる光電変換素子の製造方法(PIN接合が3つの場合)について説明する。
基板上に有機金属気相成長法(MOCVD法)などの一般的な成膜技術を用いて、n型半導体層(例えば、n−InP)、光吸収層(i型半導体層。例えば、InGaAsPやInGaAs)、p型半導体層(例えば、p−InP)を順に形成する。このPIN接合は、光が入射する側から最も離れたところにあることから、第3のPIN接合となる。
次に、第3のPIN接合のp型半導体層上に、第3のPIN接合と同様に第2のPIN接合を形成する。このとき、第2のPIN接合の光吸収層(i型半導体層)のバンドギャップエネルギーは、第3のPIN接合の光吸収層のバンドギャップエネルギーよりも大きくなるようにする。
更に、第2のPIN接合のp型半導体層上に、第2、第3のPIN接合と同様に第1のPIN接合を形成する。このときも、第1のPIN接合の光吸収層のバンドギャップエネルギーは、第2のPIN接合の光吸収層のバンドギャップエネルギーよりも大きくなるようにする。
そして、第1のPIN接合のp型半導体にp型電極を形成し、第3のPIN接合のn型半導体にn型電極を形成する。
ここで、n型電極は基板上に第3のPIN接合を積層する前に形成してもよい。
また、n型半導体基板を第3のPIN接合のn型半導体層として用いてもよく、この場合は、例えば基板の裏側(PIN接合が形成されない側)にn型電極を形成してもよい。
本実施形態にかかる発明により、光から電力への変換効率が高い光電変換素子、これを用いた光給電装置、光電変換素子の製造方法を提供することができる。
発明の実施の形態2.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。
この発明の実施の形態2にかかる光電変換素子は、各PIN接合が基板の面内方向(基板面と水平な方向)であって光が伝播する方向に配置されていることを特徴としている。
図3は発明の実施の形態2にかかる光電変換素子を説明するための図である。
図3に示す光電変換素子は、半導体基板(基板)300上に、PIN接合からなる接合構造が基板の面内方向であって光308の伝播する方向に2つ以上配置されている。
第1のPIN接合は、p型半導体層301と第1の光吸収層(i型半導体層)302とn型半導体層307を有する。また、第2のPIN接合は、p型半導体層303と第2の光吸収層(i型半導体層)304とn型半導体層307を有する。同様に、第nのPIN接合は、p型半導体層305と第nの光吸収層(i型半導体層)306とn型半導体層307を有する。
ここで、n型半導体層307には、第1乃至第nのPIN接合が電気的に独立するように、例えば溝などが形成されている。そして、各PIN接合は電極を介して直列に接続されている。この場合は、例えば第1のPIN接合のn型半導体層307と第2のPIN接合のp型半導体層303を電気的に接続し、また、第2のPIN接合のn型半導体層307と第nのPIN接合のp型半導体層305を電気的に接続する。そして、各PIN接合で発生する電力は、第1のPIN接合のp型半導体層301と第nのPIN接合のn型半導体層307に電極を設けることで取り出すことができる。
尚、各PIN接合を接続する順番は、上記の場合と逆になってもよい。つまり、第1のPIN接合のp型半導体層301と第2のPIN接合のn型半導体層307を電気的に接続し、また、第2のPIN接合のp型半導体層301と第nのPIN接合のn型半導体層307を電気的に接続してもよい。この場合、各PIN接合で発生する電力は、第1のPIN接合のn型半導体層307と第nのPIN接合のp型半導体層305に電極を設けることで取り出すことができる。
また、n型半導体層307は光308を導波する光導波層としても用いられる。ここで、図3ではn型半導体層と光導波層は同一層(307)であるが、本実施形態ではこれに限定されることはなく、例えば、n型半導体層と光導波層を別々に形成してもよい。
第1の光吸収層302のバンドギャップエネルギーはEg1、第2の光吸収層304のバンドギャップエネルギーはEg2、第nの光吸収層306のバンドギャップエネルギーはEgnである。第1の光吸収層302では波長λ1の光がエバネッセント結合して吸収され、第2の光吸収層304では波長λ2の光がエバネッセント結合して吸収され、第nの光吸収層306では波長λnの光がエバネッセント結合して吸収される。入射する光308は2つ以上の波長(λ1、λ2、・・・、λn)を有している。
本実施形態にかかる光電変換素子のPIN接合は、光が入射する側からバンドギャップエネルギーが小さくなる順(つまり、Eg1>Eg2>・・・>Egnの順)に配置されており、更に、各々のPIN接合が直列に接続されている。このような構成を有することで、光から電力への変換効率が高い光電変換素子を提供することができる。
また、更に好ましい構成として、波長λnとバンドギャップエネルギーEgnの関係が以下の式を満足するように、各光吸収層のバンドギャップエネルギーを設定してもよい。
(1.23/λ1)>Eg1>(1.23/λ2)>Eg2>・・・>(1.23/λn)>Egn ・・・式2
以上の条件を呈することにより、波長λ1、λ2、・・・、λn(μm)の光308は、キャップ層である半導体光導波層307より入射し、導波することにより第1の光吸収層では上記関係式より波長λ1の光がエバネッセント結合して吸収される。このとき、波長λ2、・・・、λnの光は透過する。同様に第2の光吸収層では波長λ2の光が、第nの光吸収層では波長λnの光が支配的にエバネッセント結合して吸収される。そして、光が吸収されることにより発生した光キャリアは分極し電圧を発生し、更に電極に収集されて電流として寄与する。
本実施形態にかかる発明によれば、各接合層の厚さおよびバンドギャップエネルギーを各波長別に設計することが可能となる。このため、光キャリアの分布を制御しやすく光電流を等分に発生させることが容易となる。これにより、PIN接合間での損失が低減される。
尚、本実施形態にかかる光電変換素子の製造方法は、光吸収層のバンドギャップエネルギーが異なる2つ以上のPIN接合を、光が入射する側から前記バンドギャップエネルギーが小さくなる順に配置する工程と、各々のPIN接合を直列に接続する工程と、を有する。
次に、本実施形態にかかる光電変換素子を用いた光給電装置について説明する。本実施形態にかかる光給電装置も、発明の実施の形態1で説明した光給電装置と同様である。
すなわち、図1において、送信側には2つ以上の波長λ1、λ2、・・・、λn(μm)を有する光を発生する光源101を配置する。ここで、光源101には、例えばレーザーダイオード(LD)を用いる。光源101で発生した光は合波して光ファイバー102を伝送して、受信側にある本実施形態にかかる光電変換素子103に結合する。なお、図1では、光源101で発生した光を光ファイバーを用いて伝送しているが、光伝送についてはこの限りではなく、例えば光導波路や空間伝播により光を伝送してもよい。
このとき、受信側の光電変換素子において波長λ1、λ2、・・・、λn(μm)の光を分離して受光できるように、光吸収層のバンドギャップエネルギーをEg1、Eg2、・・・、Egnとしている。更に、これらの光吸収層を光が入射する側からバンドギャップエネルギーが小さくなる順に配置し、且つ、各々のPIN接合が直列に接続するようにしている。
本実施形態にかかる光給電装置は、2つ以上の波長を有する光を用いた多波長給電方式である。また、本実施形態にかかる光給電装置は、光吸収層のバンドギャップエネルギーが異なる2つ以上のPIN接合を有する光電変換素子を用いている。これにより、光電流の損失を抑制してかつ電圧の増大を図ることができ、高効率に電力を変換することが可能となる。
また、1波長給電方式と比較した、本実施形態にかかる発明の発生電圧と電力変換効率(電力/光パワー)は、発明の実施の形態1の場合と同様である。
すなわち、発生電圧に関しては、多波長給電方式および1波長給電方式ともに、PIN接合が複数接合された多接合構造をとるため、両方式で増大する。
一方、変換効率に関しては、1波長給電方式では接合間での電流損失が多く、接合数が増えるに従いトータルでの変換効率が減少していく。
これに対し多波長給電方式では、光電流分布が等分されるように制御が可能であるため、多接合においても電流損失が抑制でき変換効率の劣化も抑制できる。
以上より、本実施形態にかかる光電変換素子およびこれを用いた光給電装置では、変換効率を劣化させることなく、電圧を増大することが可能となる。
また、本方式である多波長給電方式では、送信側の各波長のパワーを独立で制御できるため、受信側での各PIN接合での電流が一致するように送信側で制御することが可能となる、という利点がある。また、本実施形態では、光吸収層材料はInGaAsP系としたが、他にAlGaAs系、InAlGaAs系においても、同様の効果が得られる。
本実施形態にかかる発明により、光から電力への変換効率が高い光電変換素子、これを用いた光給電装置、光電変換素子の製造方法を提供することができる。
実施例1.
次に、本発明の実施例1について図5を用いて説明する。
本発明の実施例1にかかる光電変換素子は発明の実施の形態1に対応しており、PIN接合が互いに積層されている構造を有する。図5の光電変換素子は、三波長を送電する光給電装置に用いることができる。以下、詳細に説明する。
第1のPIN接合は、p型半導体層501と第1の光吸収層(i型半導体層)502とn型半導体層503とを有する。また、第2のPIN接合は、p型半導体層504と第2の光吸収層(i型半導体層)505とn型半導体層506とを有する。また、第3のPIN接合は、p型半導体層507と第3の光吸収層(i型半導体層)508とn型半導体層509とを有する。
各PIN接合を形成する半導体は、例えば、p型半導体層(501、504、507)がp−InP層、光吸収層(502、505、508)がi−InGaAsP層、n型半導体層(503、506、509)がn−InP層で構成される。また、n型半導体層509は基板としても用いられる。
また、半導体基板509にはn型電極511が形成され、第1のPIN接合のp型半導体層501にはp型電極510が形成されている。3つの波長を有する光(送信光)512は、第1のPIN接合側から光電変換素子内へ導入される。
そして、光吸収層は光−電流変換効率(A/W)が同一になるように所定の層厚およびバンドギャップエネルギーで積層されている。ここで、送信光512は、λ1=1.3μm、λ2=1.4μm、λ3=1.5μmである。また、各光吸収層は、第1の光吸収層502がEg1=0.92eV、第2の光吸収層505がEg2=0.85eV、第3の光吸収層508がEg3=0.77eVである。p型電極510およびn型電極511は、例えばAuを含有する積層電極である。ここで、入射した各波長の光は、発明の実施の形態1の式1に従い、第1の光吸収層でλ1=1.3μmの光が、第2の光吸収層でλ2=1.4μmの光が、そして、第3の光吸収層でλ3=1.5μmの光が支配的に吸収され、光キャリアが発生し電力として寄与する。
実施例2.
次に、本発明の実施例2について図6を用いて説明する。
本発明の実施例2にかかる光電変換素子は発明の実施の形態2に対応しており、PIN接合が基板の面内方向であって光が伝播する方向に配置されている構造を有する。図6の光電変換素子は、三波長を送電する光給電装置に用いることができる。以下、詳細に説明する。
図6(a)は実施例2の光電変換素子の上面図であり、図6(b)は図6(a)のa−a'における断面図である。
実施例2の光電変換素子の第1のPIN接合は、p型半導体層601と第1の光吸収層(i型半導体層)602とn型半導体層(半導体バッファ層)618とを有する。また、第2のPIN接合は、p型半導体層603と第2の光吸収層(i型半導体層)604とn型半導体層(半導体バッファ層)618とを有する。また、第3のPIN接合は、p型半導体層605と第3の光吸収層(i型半導体層)606とn型半導体層(半導体バッファ層)618とを有する。
各PIN接合を形成する半導体は、例えば、p型半導体層(601、603、605)がp−InP、光吸収層(602、604、606)がi−InGaAsP、n型半導体層(半導体バッファ層)618がn−InPで構成される。
光吸収層(602、604、606)とn型半導体層(半導体バッファ層)618の間には、i−InGaAsPで構成された半導体光導波層607を有する。
半導体基板608は半絶縁性である。
また、実施例2の光電変換素子はp型電極(610、611、612)、及び、n型電極(613、615、617)を有する。そして、p型電極(610、611、612)は各PIN接合のp型半導体層上に形成されている。また、n型電極(613、615、617)は各PIN接合のn型半導体層(半導体バッファ層)618の上に形成されている。そして、第1のPIN接合のn型電極613と第2のPIN接合のp型電極611は電極間配線614で接続されている。また、第2のPIN接合のn型電極615と第3のPIN接合のp型電極612は電極間配線616で接続されている。これにより、各PIN接合は直列に接続されている。
また、各PIN接合の境界部分にはアイソレーション溝619が形成されている。
また、3つの波長を有する光(送信光)609は、第1のPIN接合側から半導体光導波層607へ導入される。
そして、光吸収層は光−電流変換効率(A/W)が同一になるように所定の層厚およびバンドギャップエネルギーで積層されている。ここで、送信光609は、λ1=1.3μm、λ2=1.4μm、λ3=1.5μmである。また、各光吸収層は、第1の光吸収層602がEg1=0.92eV、第2の光吸収層604がEg2=0.85eV、第3の光吸収層606がEg3=0.77eVである。p型電極(610、611、612)およびn型電極(613、615、617)は、例えばAuを含有する積層電極である。
ここで、入射した各波長の光は、発明の実施の形態2の式2に従い、第1の光吸収層でλ1=1.3μmの光が、第2の光吸収層でλ2=1.4μmの光が、そして、第3の光吸収層でλ3=1.5μmの光が、エバネッセント結合が生じることで支配的に吸収され、光キャリアが発生し電力として寄与する。
このとき、半導体光導波層607は、バンドギャップエネルギーEg=1.13eVであるので、各波長(λ1、λ2、λ3)の光は吸収されることなく透過する。
実施の形態1及び2にかかる光給電装置を示す図である。 実施の形態1にかかる光電変換素子、及び、光キャリアの分布状態を示す図である。 実施の形態2にかかる光電変換素子の図である。 1波長給電方式と比較した、PIN接合数に対する発生電圧(a)、および電力変換効率(電力/光パワー)(b)を示す図である。 実施例1にかかる光電変換素子の図である。 実施例2にかかる光電変換素子の図である。 1波長給電方式を説明するための図である。 1波長給電方式で適用される光電変換素子の構造図(多接合型)、及び、光キャリアの分布状態を示す図である。 1波長給電方式で適用される光電変換素子(集積型)の上面図(a)、及び、a−a'における断面図(b)である。
符号の説明
101 光源
102 光ファイバー
103 光電変換素子
201 p型半導体層
202 第1の光吸収層(i型半導体層)
203 n型半導体層
204 p型半導体層
205 第2の光吸収層(i型半導体層)
206 n型半導体層
207 第nの光吸収層207
208 半導体基板(基板)
209 光
210 波長λ1の光キャリア分布
211 波長λ2の光キャリア分布
212 波長λnの光キャリア分布

Claims (1)

  1. レーザーダイオードを使用して2つ以上の波長を有する光を発生させる光源と、
    前記光源からの光を受光する光電変換素子を備え、
    前記光電変換素子は、光吸収層のバンドギャップエネルギーが異なり、互いに積層されている2つ以上のPIN接合を有し、
    前記2つ以上のPIN接合は、前記光源からの光が入射する側から前記バンドギャップエネルギーが小さくなる順に配置され、且つ、各々の前記PIN接合が直列に接続されており、前記2つ以上のPIN接合の光吸収層はAlGaAs、InGaAsP、あるいはInAlGaAsで構成され、当該光吸収層のバンドギャップエネルギーを前記光源からの光が入射する側からそれぞれEg1、Eg2、・・・、Egn(eV)とし、前記光電変換素子に入射する前記光源の光の波長をλ1、λ2、・・・、λn(μm)とした場合に
    (1.23/λ1)>Eg1>(1.23/λ2)>Eg2>・・・>(1.23/λn)>Egn
    の関係が成立し、
    前記光源の光の各波長におけるパワーは、前記光電変換素子が備える前記各PIN接合での電流が一致するように独立に制御される、
    光給電装置。
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