JP2008176338A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の発熱部品の間での温度差を抑制することが可能なプロジェクタを提供する。また、小型化に適したプロジェクタを提供する。
【解決手段】プロジェクタ(170)は、複数の発熱部品(111,112,113)と、放熱体(171)と、複数の発熱部品と放熱体とを熱的に接続する伝熱部材(131)と、複数の発熱部品を覆う筐体(171)と、を備える。複数の発熱部品は、発熱量が大きい順に、放熱体に至るまでの伝熱部材上での熱的な距離が短い。複数の発熱部品と筐体とが熱的に接続されている。筐体には、吸気孔(173)と、吸気孔に比べて上方に配される排気孔(174)とが設けられている。
【選択図】図26

Description

本発明は、発熱部品を備えるプロジェクタに関し、特に、プロジェクタの熱対策に関するものである。
従来より、電子機器における表示装置のひとつとして、映像源の画像を光学系を介してスクリーンに拡大投射する投射型表示装置としてのプロジェクタが知られている。
プロジェクタでは、光源などの発熱部品を有していることから、発熱部品の熱が光路上の光学部材に伝わると、光学部材の取り付け精度や熱特性に影響を与え、光学特性の低下を招くおそれがある。
プロジェクタの熱対策に関する技術としては、例えば、ヒートシンクなどの放熱体を光変調手段である反射型液晶パネルに取り付けて放熱させる技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平14−098937号公報
プロジェクタの発熱部品としては、光変調手段の他に、光源、電源ユニットなどがあり、一般に、これらの発熱量は光変調手段よりも大きい。複数の発熱部品の間での温度差は、光学部材の熱膨張や光学部材の取り付け精度の不均一を招き、光路の歪みや光学系の特性の変化を生じさせ、投射画像の劣化を招くおそれがある。
また近年、プロジェクタの小型化が進む傾向にあり、それに伴ってプロジェクタの熱対策がより重要になっている。
本発明は、上述する事情に鑑みてなされたものであり、複数の発熱部品の間での温度差を抑制することが可能なプロジェクタを提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、小型化に適したプロジェクタを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のプロジェクタは、複数の発熱部品と、放熱体と、前記複数の発熱部品と前記放熱体とを熱的に接続する伝熱部材とを備え、前記複数の発熱部品は、発熱量が大きい順に、前記放熱体に至るまでの前記伝熱部材上での熱的な距離が短いことを特徴とする。
すなわち、本発明のプロジェクタでは、発熱量が大きい発熱部品は、放熱体までの伝熱部材上での熱的な距離が短く、発熱量が小さい発熱部品は、放熱体までの伝熱部材上での熱的な距離が長い。
なお、「熱的な距離」とは、発熱部品と放熱体との間の熱の移動距離であり、伝熱部材上での熱流方向に沿ってはかられるものをいう。
ここで、図1は、伝熱部材の熱抵抗を説明するための図である。
伝熱部材の熱伝導率をλ(W/(m℃))、熱伝導部材の両面の温度差(熱流の方向の温度差)をΔT(℃)、伝熱部材の伝熱面積をA(m )、伝熱部材の長さ(熱流方向に沿ってはかった距離)をL(m)とするとき、伝熱部材を通過する熱量Q(W)は次式(1)で表される。
Q=λ×A×ΔT/L …(1)
伝熱部材が1Wの熱を通過させるときの熱抵抗Rは次式(2)で表される。
R=ΔT/Q=L/(λ×A) …(2)
すなわち、伝熱部材の熱抵抗は、発熱部品から放熱体に至るまでの長さ(熱的な距離)に対して比例的に変化する。すなわち、熱的な距離が長いほど熱抵抗が大きく、短いほど熱抵抗が小さい。
本発明のプロジェクタでは、複数の発熱部品の発熱量が大きい順に、発熱部品から放熱体までの熱的な距離が短いことから、発熱量の大きい発熱部品は放熱に際して熱抵抗が小さく、発熱量の小さい発熱部品は放熱に際して熱抵抗が大きい。そのため、発熱量が大きい発熱部品からより多くの熱が放熱され、それに比べて発熱量が小さい発熱部品からの放熱が抑制される。そのため、複数の発熱部品の間での温度差が抑制される。
また、各発熱部品の発熱量に基づいて伝熱部材上での熱的な距離(伝熱部材の長さ)が定められることから、伝熱部材の形状の最適化が図られ、その結果、伝熱部材の体積を小さく抑えることが可能となる。
これらのことから、本発明のプロジェクタでは、複数の発熱部品の間での温度差を抑制するとともに、装置の小型化を図ることができる。
上記のプロジェクタにおいて、複数の発熱部品としては、例えば、光源、電源回路、及び光変調手段(ライトバルブ)などが挙げられる。
この場合、前記光源が発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)を含むLED光源であることにより、装置の小型化をより図りやすい。
また、上記のプロジェクタにおいて、前記複数の発熱部品はそれぞれ、前記放熱体の一方の側に配され、前記放熱体は、前記複数の発熱部品に近いほど表面積が大きく形成されていてもよい。
すなわち、この場合、放熱体では、前記複数の発熱部品に近い部分ほど表面積が大きく、離れる部分ほど表面積が小さい。
この構成によれば、放熱体における発熱部品に近い部分の表面積が大きく形成されることから、放熱効率の向上が図られ、放熱体の体積を小さく抑えることが可能となる。
また、上記のプロジェクタにおいて、前記放熱体が複数のフィンを有する場合、前記複数のフィンは、該複数のフィン同士の間隙が鉛直方向に延びるように配されるのが好ましい。
この構成によれば、複数のフィン同士の間隙が鉛直方向に延びていることから、放熱体で暖められた空気が上昇しやすいなど、複数のフィンの間を空気が流れやすく、放熱効率の向上が図られる。
また、上記のプロジェクタにおいて、放熱体の熱放射率は、0.5以上であるのが好ましい。
放熱体の熱放射率(ふくしゃ率)が0.5以上であることにより、放熱体から空気中へ熱が良好に放射され、放熱体の放熱効率の向上が図られる。
また、上記のプロジェクタにおいて、前記複数の発熱部品を覆う筐体を備え、前記複数の発熱部品と前記筐体とが熱的に接続されていてもよい。
この構成によれば、複数の発熱部品の熱が、筐体からも放熱される。そのため、前記放熱体の熱的な負荷が軽減され、前記放熱体の体積を小さくでき、装置の小型化が図られる。
この場合、前記筐体は、水平方向に向けて配される複数の側面と、鉛直方向に向けて配される上底面とを有し、前記複数の側面の表面積の合計に比べて、前記上底面の表面積の合計が2倍を超えるのが好ましい。
一般に、鉛直方向の上向きに配される面は、暖められた空気がその表面から離れやすいことなどから、水平方向に向けて配される面に比べて放熱効率が高い(約2倍)。
上記の構成によれば、放熱効率の高い上面の面積が十分に大きくなることから、筐体からの放熱効率が高い。
また、前記筐体の内面の熱吸収率は、0.5以上であるのが好ましい。
筐体の内面の熱吸収率が0.5以上であることにより、筐体内部の熱が筐体に良好に吸収され、その熱が筐体の外に放熱される。そのため、筐体内部の温度上昇が抑制され、前記放熱体の熱的な負荷が軽減される。
また、前記筐体の外面の熱放射率は、0.5以上であるのが好ましい。
筐体の外面の熱放射率が0.5以上であることにより、筐体から外気に熱が良好に放射され、筐体からの放熱効率が高くなる。
また、前記筐体には、吸気孔と、前記吸気孔に比べて上方に配される排気孔とが設けられているのが好ましい。
この構成によれば、空気の対流伝熱により、吸気孔から流入した空気が筐体内を通って発熱部品の熱を奪い、その空気が排気孔から排出される。このとき、吸気孔に比べて排気孔が上方に配されていることにより、暖められた空気が上昇しやすいなど、筐体内を空気が流れやすい。そのため、空気と発熱部品との間で効果的に熱交換が行われる。これにより、この構成では、複数の発熱部品の温度上昇が抑制され、投射画像の劣化が抑制される。
また、前記排気孔は、前記筐体の上面に設けられるのが好ましい。
この構成によれば、筐体の上面に排気孔が設けられることにより、使用時にプロジェクタが斜めに配される場合であっても、筐体内の空気が排気孔から確実に排出される。
なお、筐体の上面とは、プロジェクタの使用時に鉛直方向の上向きに配される面をいう。卓上設置(床上設置)の場合と吊下設置(天井設置)の場合とでプロジェクタが上下反転するなど、鉛直方向の上向きに配される筐体の面が使用方法によって変化する可能性がある場合には、使用時に上向きに配される可能性のあるすべての面に排気孔を設けておくとよい。
また、前記排気孔の開口面積は、前記吸気孔の開口面積に比べて大きいのが好ましい。
この構成によれば、空気の熱膨張分を含めて筐体内から空気が排出されやすく、空気と発熱部品との間で効果的に熱交換が行われる。
また、前記複数の発熱部品は、鉛直方向に関して前記吸気孔と前記排気孔との間に配されるのが好ましい。
この構成によれば、吸気孔から排気孔までの空気の流れの途中に複数の発熱部品が配されるので、空気と発熱部品との間で効果的に熱交換が行われる。
また、前記吸気孔及び前記排気孔は、空気が通過する流路が屈曲しているのが好ましい。
この構成によれば、吸気孔及び排気孔の流路が屈曲していることにより、筐体の内部への異物の侵入が防止される。
また、本発明のプロジェクタは、発熱部品と、放熱体と、前記発熱部品と前記放熱体とを熱的に接続する伝熱部材とを備え、前記放熱体は、前記発熱部品に近いほど表面積が大きく形成されていることを特徴とする。
このプロジェクタによれば、放熱体における発熱部品に近い部分の表面積が大きく形成されることから、放熱効率の向上が図られ、放熱体の体積を小さく抑えることが可能となる。そのため、装置の小型化を図ることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明のプロジェクタの一実施の形態例を図面を参照して説明する。
ここでは、第1の実施形態例として、空間光変調手段(ライトバルブ)として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に対応した3枚の液晶装置(本例では反射型液晶パネル)を備えた3板式反射型液晶プロジェクタについて説明する。
なお、本発明は、1板式液晶プロジェクタや、ライトバルブとして他の空間光変調装置(例えば DMD;Digital Mirror Device など)を用いたプロジェクタにも適用可能である。
図2は液晶プロジェクタ10の概略的な全体構成を模式的に示す図である。
図2において、プロジェクタ10は、光源(ランプ)11、集光レンズ12、ダイクロイックミラー13,14、反射ミラー15、リレーレンズ16、ビームスプリッタ17,18,19、液晶ライトバルブ20,21,22、クロスダイクロイックプリズム23、及び投射系24等を含んで構成される。ここで、3つのライトバルブ20,21,22のうち、ライトバルブ20はR(赤)、21はG(緑)、22はB(青)、の光にそれぞれ対応している。
光源11として、本例では、ハロゲンランプが用いられる。その他、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、等を光源に用いてもよい。光源11の光は、集光レンズ12によって集光されダイクロイックミラー13に入射する。
ダイクロイックミラー13は、光源11からの光のうち、赤色光(R)を透過させるとともに、緑色光(G)と青色光(B)とを反射させるものである。また、ダイクロイックミラー14は、ダイクロイックミラー13の反射光のうち、青色光(B)を透過させるとともに、緑色光(G)を反射させるものである。
ダイクロイックミラー13を透過した赤色光(R)は反射ミラー15で反射され、リレーレンズ16及びビームスプリッタ17を経てライトバルブ20に入射する。一方、ダイクロイックミラー13で反射した光のうち、緑色光(G)はダイクロイックミラー14によって反射され、ビームスプリッタ18を経てライトバルブ21に入射する。また、青色光(B)はダイクロイックミラー14を透過し、ビームスプリッタ19を経てライトバルブ22に入射する。
ライトバルブ20,21,22は、例えば、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)と反射型の液晶セルとを含み、外部からの画像情報(あるいは映像情報)に基づいて光源11からの光を変調する。ライトバルブ20,21,22で反射した光はそれぞれ、ビームスプリッタ17,18,19を経てクロスダイクロイックプリズム23に入射する。
プリズム23は、4つの直角プリズムが貼り合わされた構造からなり、全体が略立方体状に形成されている。また、プリズム23は、赤色光(R)を反射する誘電体多層膜23aと青色光(B)を反射する誘電体多層膜23bとを含み、ライトバルブ21からの緑色光(G)を透過しかつライトバルブ20からの赤色光(R)とライトバルブ22からの青色光(B)とを折り曲げてこれらの3色の光を合成し、カラー画像を形成する。
投射系24は、拡大投射光学系を含み、プリズム23から出射された光を不図示のスクリーン上に投射する。この投射により、スクリーン上には、拡大されたカラー画像が表示される。
図3は、上記プロジェクタ10における各構成部材の配置の様子を模式的に示す平面図である。
図3において、上述した各構成部材は、ベースプレート30上に搭載されている。また、ベースプレート30には、電源回路31、及びライトバルブの駆動回路(液晶駆動回路)も搭載されている。なお、液晶駆動回路は、ベースプレート30において、他の構成部材の搭載面とは反対側の面に搭載されており、図示を省略している。
電源回路31は、トランジスタ31a(FETトランジスタ )を有し、このトランジスタ31aは電源回路31の中で最も発熱量が大きい。また、光源11(ランプ)、及びライトバルブ20,21,22も同様に、プロジェクタ10の使用時における発熱量が比較的大きい。
本例のプロジェクタ10は、これらの発熱部品(光源11、ライトバルブ20,21,22、トランジスタ31a)を放熱させる放熱体としてのヒートシンク32と、上記発熱部品とヒートシンク32とを熱的に接続する伝熱部材33とを備えている。
ヒートシンク32としては、例えば、複数の板状フィンを備えるものが用いられる。なお、ヒートシンクは複数の板状フィンを備える形態に限らず、他の形態のものでもよい。また、ヒートシンクに代えて、他の放熱手段(例えば冷却フィン)を用いてもよい。ヒートシンクは、駆動機構を有しないため、小型化を図りやすいという利点がある。
また、伝熱部材33としては、良熱伝導体が好ましく用いられ、例えばアルミニウム材(熱伝導率:206W/(mK))あるいはその合金の他、銅、黄銅、金、鉄(及び鋼)、ニッケルなどの各種金属及びその合金が用いられる。
ここで、各発熱部品の発熱量は、光源11:50W、赤色用ライトバルブ20:1W、緑色用ライトバルブ21:2W、青色用ライトバルブ22:3W、トランジスタ31a:69W、である。
そして、これらの複数の発熱部品(光源11、ライトバルブ20,21,22、トランジスタ31a)は、その発熱量が大きい順に、ヒートシンク32に至るまでの伝熱部材33上での熱的な距離が短くなっている。
すなわち、上記複数の発熱部品のうち、トランジスタ31aの発熱量(62W)と光源11の発熱量(50W)とが特に大きく、この両者の間で発熱量は、 トランジスタ31a>光源11 、となっている。そのため、ヒートシンク32までの熱的な距離は、 光源11>トランジスタ31a となっている。
また、上記複数の発熱部品のうち、ライトバルブ20,21,22は、他の発熱部品(光源11、トランジスタ31a)に比べて発熱量が小さく、また、青色用ライトバルブ22(B)の発熱量>緑色用ライトバルブ21の発熱量(G)>赤色用ライトバルブ20の発熱量(R) (B>G>R) 、となっている。そのため、ライトバルブ20,21,22は、光源11及びトランジスタ31aに比べて、ヒートシンク32までの熱的な距離が長く、また、その熱的な距離は、赤色用ライトバルブ20(R)>緑色用ライトバルブ21(G)>青色用ライトバルブ22(B) (R>G>B) 、となっている。
この構成により、本例のプロジェクタ10では、発熱量が大きい発熱部品(光源11及びトランジスタ31a)からより多くの熱が放熱され、それに比べて発熱量が小さい発熱部品(ライトバルブ20,21,22)からの放熱が抑制される。そのため、複数の発熱部品の間での温度差が抑制される。
また、本例のプロジェクタ10では、各発熱部品の発熱量に基づいて伝熱部材33上での熱的な距離(伝熱部材33の長さ)が定められることから、伝熱部材33の形状の最適化が図られ、その結果、伝熱部材33の体積を小さく抑えることが可能となる。そのため、このプロジェクタ10では、装置の小型化が図られる。
(実施例1)
次に、先の図3に示す第1の実施形態のプロジェクタ10について、熱対策技術の効果について調べた(実施例1、比較例1)。
ここで、電源回路はフォワード・コンバータ方式のスイッチングレギュレータ回路(入力:商用電源100V、出力:DC12V×12A)を用いた。なお、電源回路中のFETトランジスタが最も発熱し、その発熱量は62Wであった。
ランプ(光源)はハロゲンランプ12V−50W(ウシオ電機株式会社製JCR12V−50WG/32)を用い、ヒートシンクは株式会社アルファ社製のUB60−25B(風量0.5m/secのとき熱抵抗1.3℃/W)を6個用いた。
以下、電源回路中のトランジスタとヒートシンク、ランプとヒートシンク、反射型液晶パネル(ライトバルブ)とヒートシンクを熱的に接続する伝熱部材の設計について説明する。
なお、以後の説明において図中の寸法の単位は「mm」である。
トランジスタの発熱量は62W、ハロゲンランプの発熱量は50W、反射型液晶パネルの発熱量は青色(B)が3W、緑色(G)が2W、赤色(R)が1Wである。
したがって、ヒートシンクは118Wの放熱を行う。よってヒートシンクと大気との温度差は、
118(W)×1.3(℃/W)/6=25.6(℃) …(3)
となる。
このプロジェクタの動作補償上限環境温度は35℃である。また、最も上限温度の低い部品が反射型液晶パネルであり、その温度が65℃である。
したがって、伝熱部材の両端で発生する許容温度差は式(3)より、次式(4)で表される。
ΔT=65−25.6−35=4.4(℃) …(4)
(伝熱部材E:赤色反射型液晶パネル〜ヒートシンク)
図3より、赤色反射型液晶パネルとヒートシンクの端部の最長距離は次式(5)で表される。
L=0.093+0.196+0.36=0.649(m) …(5)
よって、式(4)、(5)、及び、Q=1(W)、アルミ材質を採用するとして、λ=206(W/(m℃))を式(2)へ代入すると、次式(6)が得られる。
A=LQ/(λΔT)=0.649×1/(206×4.4)=0.000716(m ) …(6)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000716/0.06×1000=11.9(mm) …(7)
である。
(伝熱部材D:緑色反射型液晶パネル〜ヒートシンク)
同様にして、図3より、L=0.056+0.145+0.36=0.561(m)、Q=2(W)、ΔT=4.4(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(8)が得られる。
A=0.00124(m ) …(8)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.00124/0.06×1000=20.6(mm) …(9)
である。なお、伝熱部材Cは赤色及び緑色反射型液晶パネルの合計熱量が通過するので、厚みは式(7)と(9)を合わせた32.5mmとなる。
(伝熱部材A:ランプ〜ヒートシンク)
同様にして、図3より、L=0.31(m)、Q=50(W)、ΔT=4.4(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(10)が得られる。
A=0.0171(m ) …(10)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.0171/0.06×1000=285(mm) …(11)
である。
(伝熱部材B:青色反射型液晶パネル〜ヒートシンク)
同様にして、図3より、L=0.09+0.267=0.357(m)、Q=3(W)、ΔT=4.4(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(12)が得られる。
A=0.00118(m ) …(12)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.00124/0.06×1000=19.7(mm) …(13)
である。
(伝熱部材A:トランジスタ〜ヒートシンク)
同様にして、図3より、L=0.18(m)、Q=62(W)、ΔT=4.4(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(14)が得られる。
A=0.0123(m ) …(14)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.0171/0.06×1000=205.2(mm) …(15)
である。なお、伝熱部材Aは赤色、緑色、青色反射型液晶パネル、及び、ランプ、トランジスタの合計熱量が通過するので、厚みは、式(7)、(9)、(11)、(13)、(15)を合わせた542.4mmとなる。
(比較例1)
図4に比較例のプロジェクタの各構成要素の配置の様子を示す。
図4に示すプロジェクタは、図3に示すプロジェクタと同様の、電源回路、ランプ、反射型液晶パネル(ライトバルブ)、ヒートシンクを備えており、図3に示すプロジェクタに対して、ヒートシンクの配置位置を、反射型液晶バルブに近い位置(図4の下側の位置)に変更したものである。
以下、この構成における伝熱部材の設計について説明する。
(伝熱部材AA:トランジスタ〜ヒートシンク)
図4より、トランジスタとヒートシンクの端部の最長距離は、
L=0.18+0.36=0.54(m) …(16)
である。よって、式(4)、(16)、及び、Q=62(W)、アルミ材質を採用するとして、λ=206(W/(m℃))を式(2)へ代入すると、次式(17)が得られる。
A=LQ/(λΔT)=0.54×62/(206×4.4)=0.0369(m ) …(17)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.0369/0.06×1000=616(mm) …(18)
である。
(伝熱部材AB:青色反射型液晶パネル〜ヒートシンク)
同様にして、図4より、L=0.093+0.36=0.453(m)、Q=3(W)、ΔT=4.4(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(19)が得られる。
A=0.00150(m ) …(19)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.0015/0.06×1000=25(mm) …(20)
である。なお、伝熱部材ACはトランジスタ及び青色反射型液晶パネルの合計熱量が通過するので、厚みは、式(18)と(20)を合わせた641mmとなる。
(伝熱部材AD:ランプ〜ヒートシンク)
同様にして、図4より、L=0.05+0.36=0.365(m)、Q=50(W)、ΔT=4.4(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、
A=0.0201(m ) …(21)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.0201/0.06×1000=336(mm) …(22)
である。なお、伝熱部材ADはトランジスタ及び青色反射型液晶パネル、ランプの合計熱量が通過するので、厚みは、式(18)、(20)、(22)を合わせた977mmとなる。
(伝熱部材AG:赤色反射型液晶パネル〜ヒートシンク)
同様にして、図4より、L=0.093+0.36=0.453(m)、Q=1(W)、ΔT=4.4(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(23)が得られる。
A=0.00050(m ) …(23)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.00050/0.06×1000=8.3(mm) …(24)
である。
(伝熱部材AF:緑色反射型液晶パネル〜ヒートシンク)
同様にして、図4より、L=0.056+0.303=0.359(m)、Q=2(W)、ΔT=4.4(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(25)が得られる。
A=0.000792(m ) …(25)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000792/0.06×1000=13.2(mm) …(26)
である。なお、伝熱部材AEはトランジスタ及び青色、緑色、赤色反射型液晶パネル、ランプの合計熱量が通過するので、厚みは、式(18)、(20)、(22)、(24)、(26)を合わせた998.5mmとなる。
上記実施例1及び比較例1から明らかなように、 トランジスタの発熱量>ランプの発熱量 に従い、 トランジスタとヒートシンクの距離<ランプとヒートシンクの距離 としたことにより、ベースプレートの大きさを、比較例1では 1345(mm)×1359(mm) であるのに対して、実施例1では 750.3(mm)×392.5(mm) と小型化することができた。
[第2実施形態]
次に、本発明のプロジェクタの第2の実施形態例について説明する。
図5は、第2の実施形態例に係るプロジェクタ40を示す図である。なお、先の図2及び図3に示した第1の実施形態例と同一の機能を有する構成要素は同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
このプロジェクタ40は、第1の実施形態例と同様に、光変調手段(ライトバルブ)として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に対応した3枚の反射型液晶パネルを備えた3板式反射型液晶プロジェクタである。
また、プロジェクタ40は、第1の実施形態と異なり、電源回路(電源ユニット)が本体とは別に配されている。
すなわち、図6に示すように、発熱部品のひとつである電源ユニット41(ACアダプタ)が、プロジェクタ本体の外部に配されている。
図5に戻り、ベースプレート42には、それぞれ発熱部品である、光源11(ランプ)、ライトバルブ20,21,22、及び液晶駆動回路が搭載されている。なお、液晶駆動回路は、ベースプレート42において、他の構成部材の搭載面とは反対側の面に搭載されており、図示を省略している。
また、光源11及びライトバルブ20,21,22はそれぞれ、伝熱部材43を介して放熱体であるヒートシンク44に熱的に接続されている。
ヒートシンク44としては、例えば、複数の板状フィンを備えるものが用いられる。
また、伝熱部材43としては、良熱伝導体が好ましく用いられ、例えばアルミニウム材(熱伝導率:206W/(mK))あるいはその合金が用いられる。
ここで、各発熱部品の発熱量は、光源11:50W、赤色用ライトバルブ20:1W、緑色用ライトバルブ21:2W、青色用ライトバルブ22:3W、である。
そして、これらの複数の発熱部品(光源11、ライトバルブ20,21,22)は、その発熱量が大きい順に、ヒートシンク44に至るまでの伝熱部材43上での熱的な距離が短くなっている。
すなわち、発熱量は、 光源11>ライトバルブ20,21,22 であることから、ヒートシンク44までの熱的な距離は、 ライトバルブ20,21,22>光源11 となっている。
また、ライトバルブ20,21,22において、発熱量は、 青色用ライトバルブ22(B)>緑色用ライトバルブ21(G)>赤色用ライトバルブ20(R)、(B>G>R) であることから、ヒートシンク44までの熱的な距離は、 赤色用ライトバルブ20(R)>緑色用ライトバルブ21(G)>青色用ライトバルブ22(B)(R>G>B) 、となっている。
この構成により、本例のプロジェクタ40では、発熱部品のひとつである電源ユニットが、プロジェクタ本体の外部に配されていることから、電源ユニット(電源回路)の発熱、ノイズが、本体の液晶駆動回路や光学系に影響を及ぼすのを防止することができる。
また、本例のプロジェクタ40では、発熱量が大きい発熱部品(光源11)からより多くの熱が放熱され、それに比べて発熱量が小さい発熱部品(ライトバルブ20,21,22)からの放熱が抑制される。そのため、複数の発熱部品の間での温度差が抑制される。
また、本例のプロジェクタ40では、各発熱部品の発熱量に基づいて伝熱部材43上での熱的な距離(伝熱部材43の長さ)が定められることから、伝熱部材43の形状の最適化が図られ、その結果、伝熱部材43の体積を小さく抑えることが可能となる。そのため、このプロジェクタ40では、装置の小型化が図られる。
(実施例2)
次に、先の図5に示す第2の実施形態のプロジェクタ40について、熱対策技術の効果について調べた(実施例2、比較例2)。
ここで、ランプはハロゲンランプ12V−50W(ウシオ電機株式会社製JCR12V−50WG/32)を用い、ヒートシンクは株式会社アルファ社製のUB60−25B(風量0.5m/secのとき熱抵抗1.3℃/W)を3個用いた。
以下、ランプとヒートシンク、反射型液晶パネル(ライトバルブ)とヒートシンクを熱的に接続する伝熱部材の設計について説明する。
なお、以後の説明において図中の寸法の単位は「mm」である。
ハロゲンランプの発熱量50W、反射型液晶パネルは青色が3W、緑色が2W、赤色が1Wである。
したがって、ヒートシンクは56Wの放熱を行う。よってヒートシンクと大気との温度差は、
56(W)×1.3(℃/W)/3=24.2(℃) …(27)
となる。
このプロジェクタの動作補償上限環境温度は35℃である。また、最も上限温度の低い部品が反射型液晶パネルであり、その温度が65℃である。
したがって、伝熱部材の両端で発生する許容温度差は(27)式より、次式(28)で表される。
ΔT=65−24.2−35=5.8(℃) …(28)
(伝熱部材D:赤色反射型液晶パネルとヒートシンクの伝熱部材)
図5より、ランプとヒートシンクの端部の最長距離は、
L=0.093+0.196+0.18=0.469(m) …(29)
である。よって、式(28)、(29)、及び、Q=1(W)、アルミ材質を採用するとして、λ=206(W/(m℃))を式(2)へ代入すると、次式(30)が得られる。
A=LQ/(λΔT)=0.469×1/(206×5.8)=0.000393(m ) …(30)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000393/0.06×1000=6.5(mm) …(31)
である。
(伝熱部材C:緑色反射型液晶パネル〜ヒートシンク)
同様にして、図5より、L=0.056+0.145+0.18=0.381(m)、Q=2(W)、ΔT=5.8(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(32)が得られる。
A=0.000638(m ) …(32)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000638/0.06×1000=10.6(mm) …(33)
である。なお、伝熱部材Eは赤色及び緑色反射型液晶パネルの合計熱量が通過するので、厚みは、式(31)と(33)を合わせた17.1mmとなる。
(伝熱部材B:青色反射型液晶パネル〜ヒートシンク)
同様にして、図5より、L=0.09+0.093=0.183(m)、Q=3(W)、ΔT=5.8(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(34)が得られる。
A=0.000459(m ) …(34)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000459/0.06×1000=7.7(mm) …(35)
である。
(伝熱部材A:ランプ〜ヒートシンク)
同様にして、図5より、L=0.18−0.05=0.13(m)、Q=50(W)、ΔT=5.8(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(36)が得られる。
A=0.00544(m ) …(36)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.00544/0.06×1000=90.7(mm) …(37)
である。なお、伝熱部材Aはランプの熱量に加えて赤色、緑色及び青色反射型液晶パネルの合計熱量が通過するので、厚みは、式(31)、(33)、(35)、(37)を合わせた115.5mmとなる。
(比較例2)
図7に比較例のプロジェクタの各構成要素の配置の様子を示す。
図7に示すプロジェクタは、図5に示すプロジェクタと同様の、ランプ、反射型液晶パネル(ライトバルブ)、ヒートシンクを備えており、図5に示すプロジェクタに対して、赤色反射型液晶パネル(R)と青色反射型液晶パネル(B)の配置位置を入れ替え、かつ、ヒートシンクの配置位置を、ランプ(光源)から離して青色反射型液晶パネル(B)の背面側(図7の右側)に変更したものである。
以下、この構成における伝熱部材の設計について説明する。
(伝熱部材F:赤色反射型液晶パネル〜ヒートシンク)
図7より、ランプとヒートシンクの端部の最長距離は、
L=0.09+0.093+0.196+0.93=0.472(m) …(38)
である。よって、式(28)、(38)、及び、Q=1(W)、アルミ材質を採用するとして、λ=206(W/(m℃))を式(2)へ代入すると、次式(39)が得られる。
A=LQ/(λΔT)=0.472×1/(206×5.8)=0.000395(m ) …(39)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000395/0.06×1000=6.6(mm) …(40)
である。
(伝熱部材G:ランプとヒートシンクの伝熱部材)
同様にして、図7より、L=0.05+0.196+0.093=0.339(m)、Q=50(W)、ΔT=5.8(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(41)が得られる。
A=0.0142(m ) …(41)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.0142/0.06×1000=236(mm) …(42)
である。なお、伝熱部材Gはランプの熱量に加えて赤色反射型液晶パネルの合計熱量が通過するので、厚みは、式(40)、(42)を合わせた243mmとなる。
(伝熱部材H:緑色反射型液晶パネル〜ヒートシンク)
同様にして、図7より、L=0.056+0.04+0.093=0.189(m)、Q=2(W)、ΔT=5.8(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(43)が得られる。
A=0.000316(m ) …(43)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000316/0.06×1000=5.3(mm) …(44)
である。なお、伝熱部材Iは赤色反射型液晶パネル、ランプの熱量に加えて緑色反射型液晶パネルの合計熱量が通過するので、厚みは、式(40)、(42)、(44)を合わせた248mmとなる。
(伝熱部材J:青色反射型液晶パネル〜ヒートシンク)
同様にして、図7より、L=0.18(m)、Q=3(W)、ΔT=5.8(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(45)が得られる。
A=0.000452(m ) …(45)
ヒートシンクの高さは60mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000452/0.06×1000=7.5(mm) …(46)
である。なお、伝熱部材Jはランプの熱量に加えて赤色、緑色反射型液晶パネルの合計熱量が通過するので、厚みは、式(40)、(42)、(44)、(46)を合わせた255.4mmとなる。
上記実施例2及び比較例2から明らかなように、 ランプの発熱量>青色、赤色、緑色の反射型液晶パネルの発熱量 に従い、 ランプとヒートシンクの距離<青色、赤色、緑色の反射型液晶パネルとヒートシンクの距離 としたことにより、ベースプレートの大きさを、比較例2では 694.4(mm)×473(mm) であるのに対して、実施例2では 311.5(mm)×231.5(mm) と小型化することができた。
[第3実施形態]
次に、本発明のプロジェクタの第3の実施形態例について説明する。
図8は、第3の実施形態例に係るプロジェクタ50を示す図であり、このプロジェクタ50は、先の図5に示した第2の実施形態例に係るプロジェクタ40の変形例である。なお、図5に示した第2の実施形態例と同一の機能を有する構成要素は同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
このプロジェクタ50は、第2の実施形態例と同様に、光変調手段(ライトバルブ)として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に対応した3枚の反射型液晶パネルを備えた3板式反射型液晶プロジェクタである。
また、プロジェクタ50は、第2の実施形態と異なり、複数の発熱部品(光源11、ライトバルブ20,21,22)と、筐体51とが熱的に接続されている。
筐体51は、ベースプレート42に搭載された各部品を覆うように配設されており、伝熱部材43と熱的に接続されている。すなわち、この筐体51の一部を間に挟んで、ベースプレート42とヒートシンク52とが熱的に接続されている。
また、筐体51は、ヒートシンク52を覆うように配設されかつ、空気を通過させるための開口が形成された金網部52aを有している。
なお、筐体51内には、各部品の支持部材、筐体51の強度確保のためのリブ立て、間仕切り、取り回し電気配線等(いずれも不図示)が存在している。
また、投射系24は、鏡筒53内に保持されている。
筐体51の材質としては、良熱伝導体が好ましく用いられ、例えばアルミニウム材(熱伝導率:206W/(mK))あるいはその合金の他、銅、黄銅、金、鉄(及び鋼)、ニッケルなどの各種金属及びその合金が用いられる。
この構成により、本例のプロジェクタ50では、複数の発熱部品(光源11、ライトバルブ20,21,22)の熱が、伝熱部材43を介して筐体51に伝わり、その熱が筐体51から外部に放熱される。複数の発熱部品の熱が筐体51からも放熱されることにより、ヒートシンク52の熱的な負荷が軽減され、ヒートシンク52の体積を小さくでき、装置の小型化が図られる。
なお、上記のプロジェクタ50においては、筐体51は、水平方向に向けて配される複数の側面の表面積の合計に比べて、鉛直方向に向けて配される上底面の表面積の合計が2倍を超えるのが好ましい。
この構成によれば、放熱効率の高い上面の面積が十分に大きくなることから、筐体51からの放熱効率が高くなる。そのため、ヒートシンク52の体積を小さくでき、装置の小型化が図られる。
(実施例3)
次に、先の図8に示す第3の実施形態のプロジェクタ50について、熱対策技術の効果について調べた(実施例3、比較例3)。
ここで、筐体は厚さ1.5mmのアルミ製とした。図中ABE−ABFの範囲で筐体→伝熱部材→各発熱部品と熱伝導経路が形成され、熱的に接続されている。
また、ヒートシンクは高温になるのでユーザが直接触れないように、かつ、十分な通風量を確保するために金網で囲われている。
また、各発熱部品を同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、ヒートシンク突出長さLAが異なる水準のものについて抵抗器の温度を測定した。
電源投入から45分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図9の表の実施例3、実験例1,2に示す。
なお、測定環境温度は35℃、最も上限温度の低い部品が反射型液晶パネルであり、その温度が65℃である。
ここで、実施例3、及び実験例1,2における筐体の上底面積は、金網部の放熱への寄与率が無視できるほど小さいことを考慮して、次式(47)で表される。
0.4×0.525=0.21(m ) …(47)
放熱に寄与している側面積は、図中ABD−ABAのヒートシンクに熱的に接続されている範囲は除くと、
((0.4+0.525)×2−0.18)×0.06=0.10(m ) …(48)
である。式(47)、(48)より放熱に寄与している筐体の (上底面積)>(側面積)×2 の関係になっている。
伝熱工学/谷下市松著/裳華房/1993年第5版の167ページ、または、168ページの6.2表には、空気中にある物体の自然対流熱伝達率の簡易公式として、
(a)垂直平板の熱伝達率=1.42(Δt/L)0.25
(b)水平平板(加熱された上向き面)の熱伝達率=1.32(Δt/L)0.25
(Δtは平板と大気の温度差、Lは代表長さ、例えば正方形ならば一辺の長さ)
であることが示されている。
すなわち、同一大きさの平板ならば、垂直に立てた平板の両側からの放熱、及び、水平にした平板の上面からの放熱はほぼ等しい。
ここで、筐体の側面は放熱に寄与するのが外側の大気中に向いている面であることを考慮すると、垂直に立てた平板の片側からの放熱の2倍が水平にした平板の上面からの放熱にほぼ等しい。
よって放熱に寄与する筐体の側面積の2倍よりも上底の面積を大きくすることにより、筐体からの放熱効率をより高めることができる。
(比較例3)
図10に比較例のプロジェクタの各構成部材の配置の様子を示す。
図10に示すプロジェクタは、図8に示すプロジェクタとほぼ同様の構成となっており、複数の発熱部品(ランプ(光源)、反射型液晶パネル(ライトバルブ))と筐体とが熱的に接続されている。
また、図10のプロジェクタは、図8のプロジェクタと比較して、筐体の高さが倍(高さ120)になっている。
なお、図示していないがベースプレートの裏側の空間には、各部品の支持部材、筐体強度確保のためのリブ立て、間仕切り、取り回し電気配線等が存在している。
また、筐体は厚さ1.5mmのアルミ製である。図中ACE−ACFの範囲で筐体→伝熱部材→各発熱部品と熱伝導経路が形成され、熱的に接続されている。
ヒートシンクは高温になるのでユーザが直接触れないように、かつ、十分な通風量を確保するために金網で囲われている。
このとき、金網部分を除いた筐体の体積は、次式(49)で表される。
0.35×0.3×0.12=0.0126(m3 ) …(49)
先の図8の金網部分を除いた筐体の体積は、
0.4×0.525×0.06=0.0126(m3 ) …(50)
であり、放熱に寄与する筐体の大きさが実施例3と比較例3でほぼ同じである。
さらに、図8の筐体の上底面積は、金網部分の放熱への寄与率が無視できるほど小さいことを考慮して、次式(51)で表される。
0.35×0.3=0.105(m ) …(51)
このとき、放熱に寄与している側面積は、図中ACD−ACAのヒートシンクに熱的に接続されている範囲は除くと(ヒートシンクの高さが60(mm)、筐体の高さが120(mm)であることも考慮)、
(0.35+0.3)×2×0.12−0.18×0.06=0.145(m ) …(52)
である。式(51)、(52)より放熱に寄与している筐体の (上底面積)<(側面積)×2 の関係になっている。
各発熱部品を、同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、ヒートシンク突出長さLBが異なる水準のものについて抵抗器の温度を測定した。
電源投入から45分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を先の図9の表の比較例3、実験例3,4に示す。
図9の表に示す実施例3及び比較例3の評価結果から明らかなように、筐体と発熱部品を熱的に接続し、かつ、筐体の大きさ(体積)は変えないで筐体の (上底面積)>(側面積)×2 とすることにより、筐体からの放熱効率が高くなり、ヒートシンクの突出長さを小さく出来ることがわかった。
[第4実施形態]
次に、本発明のプロジェクタの第4の実施形態例について説明する。
図11は、第4の実施形態例に係るプロジェクタ110の概略的な全体構成を模式的に示す図である。
ここでは、第4の実施形態例として、光変調手段(ライトバルブ)として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に対応した3枚の液晶装置(本例では透過型液晶パネル)を備えた3板式透過型液晶プロジェクタについて説明する。
図11において、プロジェクタ110は、光源111,112,113、光源111,112,113からの各光を変調する液晶ライトバルブ114,115,116、変調された各光を合成するクロスダイクロイックプリズム117、及びこのプリズム117から出射された光を不図示のスクリーンに拡大投射する投射系118等を含んで構成される。ここで、光源111はR(赤)、112はG(緑)、113はB(青)、の光をそれぞれ発するものであり、ライトバルブ114はR、115はG、116はB、の光にそれぞれ対応している。
光源111,112,113としては、発光素子としてのLED(発光ダイオード、有機電界発光素子)を含むLED光源(LEDランプ)が用いられる。なお、LED光源は装置の小型化を図る上で有利である。
ライトバルブ114,115,116は、例えば、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)と透過型の液晶セルとを含み、外部からの画像情報(あるいは映像情報)に基づいて光源111,112,113からの光を変調する。
プリズム117は、4つの直角プリズムが貼り合わされた構造からなり、全体が略立方体状に形成されている。また、プリズム117は、赤色光(R)を反射する誘電体多層膜117aと青色光(B)を反射する誘電体多層膜117bとを含み、ライトバルブ115からの緑色光(G)を透過しかつライトバルブ114からの赤色光(R)とライトバルブ116からの青色光(B)とを折り曲げてこれらの3色の光を合成し、カラー画像を形成する。
投射系118は、拡大投射光学系を含み、プリズム117から出射された光を不図示のスクリーン上に投射する。この投射により、スクリーン上には、拡大されたカラー画像が表示される。
図12は、上記プロジェクタ110における各構成部材の配置の様子を模式的に示す平面図である。
図12において、上述した各構成部材は、ベースプレート120上に搭載されている。また、ベースプレート120には、ライトバルブの駆動回路(液晶駆動回路)も搭載されているが、他の構成部材の搭載面とは反対側の面に搭載されており、図示を省略している。
また、先の図6に示したプロジェクタと同様に、発熱部品のひとつである電源ユニット(ACアダプタ)が、プロジェクタ本体の外部に配されている。これにより、このプロジェクタ110では、電源ユニット(電源回路)の発熱、ノイズが及ぼす、本体の液晶駆動回路や光学系への影響が防止される。
このプロジェクタ110では、特に、光源111,112,113(LEDランプ)の発熱量が比較的大きく、これらの発熱部品(光源111,112,113)は、伝熱部材131を介して、放熱体としてのヒートシンク125に熱的に接続されている。
ヒートシンク125としては、例えば、複数の板状フィンを備えるものが用いられる。なお、ヒートシンクは複数の板状フィンを備える形態に限らず、他の形態のものでもよい。また、ヒートシンクに代えて、他の放熱手段(例えば冷却フィン)を用いてもよい。ヒートシンクは、駆動機構を有しないため、小型化を図りやすいという利点がある。
また、伝熱部材131としては、良熱伝導体が好ましく用いられ、例えばアルミニウム材(熱伝導率:206W/(mK))あるいはその合金の他、銅、黄銅、金、鉄(及び鋼)、ニッケルなどの各種金属及びその合金が用いられる。
ここで、各光源111,112,113の発熱量(ここでは消費電力)は、赤色用光源111(R):1.6W、緑色用光源112(G):6.1W、青色用光源113(B):2.3W、である。
そして、これらの複数の発熱部品(光源111,112,113)は、その発熱量が大きい順に、ヒートシンク125に至るまでの伝熱部材131上での熱的な距離が短くなっている。
すなわち、上記光源111,112,113において、発熱量は、 緑色用光源112>青色用光源113>赤色用光源111 (G>B>R) である。そのため、ヒートシンク125までの熱的な距離は、 赤色用光源111>青色用光源113>緑色用光源112 (R>B>G) となっている。
この構成により、本例のプロジェクタ110では、発熱量が大きい発熱部品(光源112)からより多くの熱が放熱され、それに比べて発熱量が小さい発熱部品(光源111,113)からの放熱が抑制される。そのため、複数の発熱部品の間での温度差が抑制される。
また、本例のプロジェクタ110では、各発熱部品の発熱量に基づいて伝熱部材131上での熱的な距離(伝熱部材131の長さ)が定められることから、伝熱部材131の形状の最適化が図られ、その結果、伝熱部材131の体積を小さく抑えることが可能となる。そのため、このプロジェクタ110では、装置の小型化が図られる。
ここで、前述したように、ヒートシンク125は、複数の板状フィンを有している。この場合、図13(a)に示すように、複数のフィン同士の間隙が鉛直方向に延びるように配されるのが好ましい。
すなわち、図13(a)に示すヒートシンク125は、ベース125a上に、複数の板状フィン(フィン125b)が立設された形態からなる。複数のフィン125bは、伝熱面(放熱面)同士が互いに対向するように列状に配列され、その列方向が水平方向となっている。複数のフィン125bが水平方向に並べられることにより、複数のフィン125bの伝熱面同士の間隙が鉛直方向に延びて配される。
図13(a)に示すヒートシンク125では、複数のフィン125bの伝熱面同士の間隙が鉛直方向に延びていることから、各フィン125bで暖められた空気が上昇しやすいなど、複数のフィン125bの間を空気が流れやすく、放熱効率の向上が図られる。
これに対して、例えば、図13(b)に示すヒートシンクでは、複数のフィンの伝熱面同士の間隙が水平方向に延びていることから、各フィンで暖められた空気がフィンに遮られて上昇しにくく、放熱効率の低下を招きやすい。
なお、図12及び図13(a)に示すヒートシンク125は、その熱放射率が、0.5以上であるのが好ましく、0・9以上であるのがより好ましい。例えば、伝熱面に黒色塗装を施すことにより、その伝熱面の熱放射率を 0・95 とすることができる。
ヒートシンク125の熱放射率が0.5以上であることにより、ヒートシンク125から空気中へ熱が良好に放射され、ヒートシンク125の放熱効率の向上が図られる。そのため、ヒートシンク125の小型化が図られる。
(実施例4)
次に、先の図12に示す第4の実施形態のプロジェクタ110について、熱対策技術の効果について調べた(実施例4,5,6、比較例4,5,6)。
ここで、ランプ(光源)はLEDランプ(LumiLeds社製のLuxeonシリーズ)を用いた。消費電力は赤色1.6W、緑色6.1W、青色2.3Wである。ヒートシンクは株式会社アルファ社製のUB35−10B(風量0.5m/secのとき熱抵抗5℃/W)を1個用いた。
以下、LEDランプとヒートシンクとを熱的に接続する伝熱部材の設計について説明する。
なお、以後の説明において図中の寸法の単位は「mm」である。
LEDランプの発熱量は3色合計で10Wである。
したがって、ヒートシンクは10Wの放熱を行う。よってヒートシンクと大気との温度差は、
10(W)×5(℃/W)=50(℃) …(53)
となる。
このプロジェクタの動作補償上限環境温度は35℃である。また、LED素子のPN接合部の上限温度は90℃である。
したがって、伝熱部材の両端で発生する許容温度差は(53)式より、次式(54)で表される。
ΔT=90−50−35=5(℃) …(54)
(伝熱部材AA:赤色LEDランプ〜ヒートシンク)
図12より、ランプとヒートシンクの端部の最長距離は、
L=0.025+0.048+0.0175=0.0905(m) …(55)
である。よって、式(54)、(55)、及び、Q=1.6(W)、アルミ材質を採用するとして、λ=206(W/(m℃))を式(2)へ代入すると、次式(56)が得られる。
A=LQ/(λΔT)=0.0905×1.6/(206×5)=0.00014(m ) …(56)
ヒートシンクの高さは35mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.00014/0.035×1000=4.0(mm) …(57)
である。
(伝熱部材AB:青色LEDランプ〜ヒートシンク)
同様にして、図12より、L=0.025+0.048+0.0175=0.0905(m)、Q=2.3(W)、ΔT=5(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(58)が得られる。
A=0.000202(m ) …(58)
ヒートシンクの高さは35mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000202/0.035×1000=5.7(mm) …(59)
である。
(伝熱部材AC:緑色LEDランプ〜ヒートシンク)
同様にして、図12より、L=0.0175(m)、Q=6.1(W)、ΔT=5(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(60)が得られる。
A=0.000104(m ) …(60)
ヒートシンクの高さは35mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000104/0.035×1000=3.0(mm) …(61)
である。なお、伝熱部材ACは各色LEDランプの合計熱量が通過するので、厚みは、式(57)、(59)、(61)を合わせた12.7mmとなる。
(比較例4)
図14に比較例のプロジェクタの各構成要素の配置の様子を示す。
図14に示すプロジェクタは、図12に示すプロジェクタと同様の、光源(LEDランプ)、透過型液晶パネル(ライトバルブ)、ヒートシンクを備えており、図12のプロジェクタに対して、赤色用LEDランプ(R)と緑色用LEDランプ(G)の配置位置を入れ替えたものである。
以下、この構成における伝熱部材の設計について説明する。
(伝熱部材AD:緑色LEDランプ〜ヒートシンク)
図14より、ランプとヒートシンクの端部の最長距離は、
L=0.025+0.048+0.0175=0.0905(m) …(62)
である。よって、式(54)、(62)、及び、Q=6.1(W)、アルミ材質を採用するとして、λ=206(W/(m℃))を式(2)へ代入すると、次式(63)が得られる。
A=LQ/(λΔT)=0.0905×6.1/(206×5)=0.000536(m ) …(63)
ヒートシンクの高さは35mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000536/0.035×1000=15.3(mm) …(64)
である。
(伝熱部材AE:青色LEDランプ〜ヒートシンク)
同様にして、図14より、L=0.025+0.048+0.0175=0.0905(m)、Q=2.3(W)、ΔT=5(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(65)が得られる。
A=0.000202(m ) …(65)
ヒートシンクの高さは35mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.000202/0.035×1000=5.7(mm) …(66)
である。
(伝熱部材AF:赤色LEDランプ〜ヒートシンク)
同様にして、図14より、L=0.0175(m)、Q=1.6(W)、ΔT=5(℃)、λ=206(W/(m℃))を代入すると、次式(67)が得られる。
A=0.0000271(m ) …(67)
ヒートシンクの高さは35mmなので、伝熱部材に必要な厚みは、
0.0000271/0.035×1000=0.8(mm) …(68)
である。なお、伝熱部材AFは各色LEDランプの合計熱量が通過するので、厚みは、式(64)、(66)、(68)を合わせた21.8mmとなる。
上記実施例4及び比較例4から明らかなように、 緑色LEDランプの発熱量>青色LEDランプの発熱量>赤色LEDランプ (G>B>R) の発熱量に従い、 緑色LEDランプとヒートシンクの距離<青色LEDランプとヒートシンクの距離<赤色LEDランプとヒートシンク (R>B>G) の距離としたことにより、ベースプレートの大きさを、比較例4では、117.0(mm)×171.8(mm)であるのに対して、実施例4では、105.7(mm)×162.7(mm)と小型化することができた。
(実施例5、比較例5)
次に、先の図12に示す第4の実施形態のプロジェクタ110について、ヒートシンクの形態の特徴による放熱効果について調べた(実施例5、比較例5)。
ヒートシンクはアルファ社製UBシリーズを用い、先の図13(a)に示すようにフィンの伝熱面を鉛直方向に配した形態(実施例5)と、先の図13(b)に示すようにフィンの伝熱面を水平方向に配したに形態(比較例5)とについて放熱特性の評価を行った。
実施例5及び比較例5ともに、電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図15の表に示す。
なお、比較例5では、プロジェクタのLEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、フィンの構造、寸法は同一で底面積の異なる水準のヒートシンクを取り付けて抵抗器の温度を測定した(比較例5a,5b,5c)。
図15の表に示す、実施例5及び比較例5(比較例5a,5b,5c)の評価結果から明らかなように、ヒートシンクの取り付けを垂直方向(フィンの伝熱面が鉛直方向)にすることにより、ヒートシンクの放熱効率が高く、ヒートシンクの底面積(フィンが取り付けられるベースの面積。全体の大きさに比例)を小さくできることがわかった。
(実施例6、比較例6)
次に、先の図12に示す第4の実施形態のプロジェクタ110について、ヒートシンクの表面の熱放射率による放熱効果について調べた(実施例6、比較例6)。
ヒートシンクはアルファ社製UBシリーズを用い、フィンに黒色塗装を施したところ、熱放射率は、 ε黒=0.95 であった(実施例6)。
また、同一の構造、寸法のヒートシンクを用い、フィンに黒色塗装を施さなかったところ、熱放射率は、 εアルミ=0.06 であった。
なお、熱放射率の測定方法はヒートシンクに黒体テープ(放射率ε=0.93)を貼り付け、放射温度計の測定対象物放射率パラメータを変化させて、黒体テープと同一温度を指し示す放射率の値を読み取ることにより行った。
実施例6及び比較例6ともに、電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図16の表に示す。
なお、比較例6では、プロジェクタのLEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、フィンの構造、寸法は同一で底面積の異なる水準の黒色塗装なしのヒートシンクを取り付けて抵抗器の温度を測定した(比較例6a,6b,6c)。
図16の表に示す、実施例6及び比較例6(比較例6a,6b,6c)の評価結果から明らかなように、ヒートシンクに黒色塗装(熱放射率が0.5以上)を施すことにより、ヒートシンクの放熱効率が高く、ヒートシンクの底面積(全体の大きさに比例)を小さく出来ることがわかった。
[第5実施形態]
次に、本発明のプロジェクタの第5の実施形態例について説明する。
図17は、第5の実施形態例に係るプロジェクタ150を示す図であり、このプロジェクタ150は、先の図11及び図12に示した第4の実施形態例に係るプロジェクタ110の変形例である。なお、図11及び図12に示した第4の実施形態例と同一の機能を有する構成要素は同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
このプロジェクタ150は、第4の実施形態例と同様に、光変調手段(ライトバルブ)として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に対応した3枚の透過型液晶パネルを備えた3板式透過型液晶プロジェクタである。
また、プロジェクタ150は、第4の実施形態例と同様に、R,G,Bの各光に対応した、光源(LEDランプ)111,112,113、及びライトバルブ(透過型液晶パネル)114,115,116を備え、光源111,112,113は、伝熱部材131を介して、放熱体としてのヒートシンク151に熱的に接続されている。
なお、発熱部品のひとつである電源ユニット(ACアダプタ)は、プロジェクタ本体の外部に配されている。
また、プロジェクタ150は、第4の実施形態例と異なり、ヒートシンク151が、光源111,112,113に近いほど表面積が大きく形成されている。
すなわち、光源111,112,113はそれぞれ、ヒートシンク151における一の吸熱面(ベース面)の側に配されており、伝熱部材131を介してこの一の吸熱面に熱的に接続されている。また、ヒートシンク151は、この一の吸熱面の近傍における縦断面方向(図17の紙面に直交方向)の形状が最も大きく、一の吸熱面から離れるに従ってこの断面形状が小さく形成されている。
より具体的には、ヒートシンク151は、図17に示す横断面形状(図17の紙面に平行な方向の断面)が、一の吸熱面(ベース面)に底辺を有しかつ、この底辺から所定高さ(伝熱部材131から離れる方向)の位置に頂点を有する三角形形状に形成されている。なお、本例では、上記三角形の頂点は、緑色用光源112(G)の配置位置を通りかつ、上記三角形の底辺に垂直な線の上に設けられている。これにより、ヒートシンク151は、発熱部品である光源111,112,113(厳密には緑色用光源112)に近いほど表面積が大きく、離れるほど表面積が小さくなる。
ヒートシンク151では、発熱部品(光源111,112,113)に近い部分ほど通過する熱量が多いことから、その部分の表面積が大きく形成されることにより、放熱効率の向上が図られる。また、ヒートシンク151では、発熱部品(光源111,112,113)から離れた部分では、通過する熱量が比較的少ないことから、その部分の表面積が小さく形成されることにより、形状の最適化が図られ、体積を小さく抑えることが可能となる。これにより、本例のプロジェクタ150では、装置の小型化が図られる。
なお、上記のプロジェクタ150では、ヒートシンクの全体の形状を変化させることによって、部分ごとのヒートシンクの表面積を変化させているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、部分ごとに、複数のフィンの配置密度を変化させたり、フィンの形状を変化させたりすることにより、ヒートシンクの表面積を変化させてもよい。
(実施例7)
次に、先の図17に示す第5の実施形態のプロジェクタ150について、熱対策技術の効果について調べた(実施例7、比較例7)。
ヒートシンクはα社製のUB35−10B、3個分を加工して用いた。
なお、以後の説明において図中の寸法の単位は「mm」である。
図17に示す点P1−1、点P1−2、点P1−3:発熱部品(緑色、赤色、青色LEDランプ)の発光部(発熱部)、点P2−1:最大発熱部品(緑色LEDランプ)に最も近いヒートシンクの部分、点P3−1、点P3−2:最大発熱部品(緑色LEDランプ)から最も遠いヒートシンクの部分に熱電対を貼り付け温度を測定した(実施例7)。
なお、各LEDランプの上限温度は90℃であり、これを超えると破損したり、寿命が短くなるため、23.6Ω(12Vで0.51A、即ち6.1W発熱)の抵抗器(ニッコーム株式会社製電力用金属被膜抵抗RNP-5タイプ、ヒートシンク接続構造有り)を緑色LEDランプの代わりの発熱部品として用いた。
同様に90Ω(12Vで0.13A、即ち1.6W発熱)の抵抗器を赤色LEDランプの代わりに、62.6Ω(12Vで0.19A、即ち2.3W発熱)の抵抗器を青色LEDランプの代わりの発熱部品として用いた。
また、外部からの風の影響を除去し、大気が自然対流になるように、ユニットを1m四方の透明なアクリル樹脂製の箱に入れた。環境温度は恒温室を用い35℃に保った。
電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図18の表に示す。なお、実験として図17に示すヒートシンクの突出長さH1の水準を振った時のデータも併記する。さらに、ヒートシンクの底面の面積も合わせて示す。この底面積は、ヒートシンクのフィンの表面積(伝熱面・放熱面の面積)の合計に比例している。
(比較例7)
図19に比較例のプロジェクタの各構成要素の配置の様子を示す。
図19に示すプロジェクタは、図12に示すプロジェクタと同じ構成である。このプロジェクタでは、発熱部品(LEDランプ)からの距離にかかわらず、ヒートシンクの表面積を一定としている。すなわち、図19に示すヒートシンクの一の吸熱面の近傍における縦断面方向(図19の紙面に直交方向)の断面形状と、一の吸熱面から離れた位置における同断面形状とが同じである。
ヒートシンクはα社製のUB35−10Bを用いた。
発熱部品としてLEDランプの代わりに抵抗器を取り付け、図19に示す点P4−1、点P4−2、点P4−3:発熱部品(緑色、赤色、青色LEDランプ)の発光部(発熱部)、点P5−1:最大発熱部品(緑色LEDランプ)に最も近いヒートシンクの部分、点P6−1、点P6−2:最大発熱部品(緑色LEDランプ)から最も遠いヒートシンクの部分に熱電対を貼り付け温度を測定した。測定方法は上記実施例7と同様である。
電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図18の表の比較例7に示す。
図18の表に示す、実施例7及び比較例7の評価結果から明らかなように、ヒートシンクの、発熱部品(最大発熱部品)に近い部分ほど表面積が大きく形成されることにより、ヒートシンクの放熱効率の向上が図られ、その結果、ヒートシンクの底面積(ヒートシンクの全体の表面積、すなわち全体の大きさに比例)を小さくできることがわかった。
[第6実施形態]
次に、本発明のプロジェクタの第6の実施形態例について説明する。
図20は、第6の実施形態例に係るプロジェクタ160を示す図であり、このプロジェクタ160は、先の図11及び図12に示した第4の実施形態例に係るプロジェクタ110の変形例である。なお、図11及び図12に示した第4の実施形態例と同一の機能を有する構成要素は同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
このプロジェクタ160は、第4の実施形態例と同様に、光変調手段(ライトバルブ)として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に対応した3枚の透過型液晶パネルを備えた3板式透過型液晶プロジェクタである。
また、プロジェクタ160は、第4の実施形態例と同様に、R,G,Bの各光に対応した、光源(LEDランプ)111,112,113、及びライトバルブ(透過型液晶パネル)114,115,116を備え、光源111,112,113は、伝熱部材131を介して、放熱体としてのヒートシンク161に熱的に接続されている。
なお、発熱部品のひとつである電源ユニット(ACアダプタ)は、プロジェクタ本体の外部に配されている。
また、プロジェクタ160は、第4の実施形態例と異なり、発熱部品である光源111,112,113と、筐体162とが熱的に接続されている。
筐体162は、ベースプレート120に搭載された各部品を覆うように配設されており、伝熱部材131と熱的に接続されている。すなわち、この筐体162の一部を間に挟んで、ベースプレート120とヒートシンク161とが熱的に接続されている。
また、筐体162は、ヒートシンク161を覆うように配設されかつ、空気を通過させるための開口が形成された金網部162aを有している。
なお、筐体162内には、各部品の支持部材、筐体162の強度確保のためのリブ立て、間仕切り、取り回し電気配線等(いずれも不図示)が存在している。
また、投射系118は、鏡筒163内に保持されている。
筐体162の材質としては、良熱伝導体が好ましく用いられ、例えばアルミニウム材(熱伝導率:206W/(mK))あるいはその合金の他、銅、黄銅、金、鉄(及び鋼)、ニッケルなどの各種金属及びその合金が用いられる。
この構成により、本例のプロジェクタ160では、複数の発熱部品(光源111,112,113)の熱が、伝熱部材131を介して筐体162に伝わり、その熱が筐体162から外部に放熱される。複数の発熱部品の熱が筐体162からも放熱されることにより、ヒートシンク161の熱的な負荷が軽減され、ヒートシンク161の体積を小さくでき、装置の小型化が図られる。
なお、上記のプロジェクタ160においては、筐体162の内面の熱吸収率が0.5以上であるのが好ましい。例えば、筐体162の内面に黒色塗装を施すことにより、その熱吸収率を 0.95 とすることができる。
筐体162の内面の熱吸収率が0.5以上であることにより、筐体162内部の熱が筐体162に良好に吸収され、その熱が筐体162の外に放熱される。そのため、筐体162内部の温度上昇が抑制され、ヒートシンク161の熱的な負荷が軽減される。
また、上記のプロジェクタ160において、筐体162の外面の熱放射率が0.5以上であるのが好ましい。例えば、筐体162の外面に黒色塗装を施すことにより、その熱放射率を 0.95 とすることができる。
筐体162の外面の熱放射率が0.5以上であることにより、筐体162から外気に熱が良好に放射され、筐体162からの放熱効率が高くなる。
そして、筐体162からの放熱効率の向上により、さらにヒートシンク161の体積を小さくでき、装置の小型化が図られる。
(実施例8)
次に、先の図20に示す第6の実施形態のプロジェクタ160について、熱対策技術の効果について調べた(実施例8,9,10、比較例8,9,10)。
ここで、筐体は厚さ1.5mmのアルミ製とした。図中AAA−AABの範囲で筐体→伝熱部材→各LEDランプと熱伝導経路が形成され、熱的に接続されている。
また、ヒートシンクは高温になるのでユーザが直接触れないように、かつ、十分な通風量を確保するために金網で囲われている。
また、各LEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、ヒートシンク突出長さLが異なる水準のものについて抵抗器の温度を測定した。
電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図21の実施例8、実験例1,2に示す。
(比較例8)
図22に比較例のプロジェクタの各構成部材の配置の様子を示す。
図22に示すプロジェクタは、図20に示すプロジェクタとほぼ同様の構成となっているものの、複数の発熱部品(LEDランプ(光源))と筐体とが熱的に接続されてない。
ここで、各LEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、ヒートシンク突出長さはL=10とした。
電源投入から30分後に抵抗器の温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図21の比較例8に示す。
図21の表に示す実施例8及び比較例8の評価結果から明らかなように、筐体と発熱部品(各LEDランプ)とを熱的に接続することにより、ヒートシンクの突出長さを小さく出来ることがわかった。
(実施例9、比較例9)
次に、先の図20に示す第4の実施形態のプロジェクタ110について、筐体の内面の熱吸収の効果について調べた(実施例9、比較例9)。
ここで、図20に示したプロジェクタの筐体の内面に黒色塗装(熱吸収率α=0.95)を施した。
また、各LEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、ヒートシンク突出長さLが異なる水準のものについて抵抗器の温度を測定した。
また、筐体表面に熱電対を取り付け、筐体表面の温度も測定した。測定個所は図23に示す点P7−1、P7−2、P7−3、点P8である。
点P7−1は赤色LEDの真上、P7−2は緑色LEDの真上、P7−3は青色LEDの真上である。点P8はレンズ類の上方で発熱部品から遠い位置にある。
環境温度35℃で電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図24の表の実施例9、実験例1,2に示す。
図24の表には図20に示したプロジェクタで筐体の内側がアルミ表面、すなわち、金属光沢(α=0.055)の場合の測定データも比較例(比較例9)として併記する。なお、図24の表に示す比較例9は、図21の表に示す比較例8とほぼ同一条件である。
また、図24の表のヒートシンク突出長さ「L=0」はヒートシンクを取り付けていないことを示す(よって筐体の金網部もない)。ただし、先の図20に示すように、伝熱部材と筐体とはAAA−AABの範囲で筐体に熱的に接続されている。
図24の表に示す、実施例9及び比較例9の評価結果から明らかなように、筐体の内面に黒色塗装を施すことにより、発熱部品からの放射熱の吸収量を増加させることができる。その結果、筐体の温度が上昇し、大気中への放熱量が増加するため、ヒートシンクの突出長さを小さく出来ることがわかった。
なお、本実施例9による評価結果から、ヒートシンクを取り外しても使用可能であることが確認された。
(実施例10、比較例10)
次に、先の図20に示す第4の実施形態のプロジェクタ110について、筐体の外面の熱放射の効果について調べた(実施例10、比較例10)。
本実施例10では、先の図20に示すプロジェクタ110からヒートシンクを取り外したものを用いた。
また、筐体の内面と外面に黒色塗装(熱吸収率α=0.95、熱放射率ε=0.95)を施した。
また、各LEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、その温度を測定した。
さらに、筐体表面に熱電対を取り付け、筐体表面の温度も測定した。測定個所は先の図23に示す点P7−1、P7−2、P7−3、点P8である(ただし、本例では、ヒートシンクと筐体金網部は存在しない)。
点P7−1は赤色LEDの真上、P7−2は緑色LEDの真上、P7−3は青色LEDの真上である。点P8はレンズ類の上方で発熱部品から遠い位置にある。
環境温度35℃で電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図25の実施例に示す。
図25の表には筐体の内面のみに黒色塗装を施し、外面がアルミ金属光沢(ε=0.055)のデータを比較例(比較例10)として示す。
なお、図25の表に示す比較例10は、図24の表に示す実施例9とほぼ同一条件である。
図25の表に示す、実施例10及び比較例10の評価結果から明らかなように、筐体の外面に黒色塗装を施すことにより、筐体から大気中への放熱量が増加するため、筐体温度を減少させ、かつ、各LED(代用抵抗)の温度上昇を低減出来ることがわかった。
ここで、各LEDの上限温度は90℃であるが、一方、LEDは高温になるにつれ、輝度が減少し、かつ、波長が長波長側へシフトする半導体素子である。
したがって、LED上限温度を超えないように放熱状態を設計しても、プロジェクタ電源投入開始後から各LEDが飽和温度に達するまで、投影画像の輝度が低下したり、カラーバランスが変化して色合いがずれたりすることがあった。
よって、実施例10は、比較例10とプロジェクタの大きさは同一であるが、電源投入後からの投影画質劣化が小さいという利点を有する。
[第7実施形態]
次に、本発明のプロジェクタの第7の実施形態例について説明する。
図26及び図27は、第7の実施形態例に係るプロジェクタ170を示す図であり、このプロジェクタ170は、先の図20に示した第6の実施形態例に係るプロジェクタ160の変形例である。なお、図11及び図12に示した第4の実施形態例及び図20に示した第6の実施形態例と同一の機能を有する構成要素は同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
このプロジェクタ170は、第6の実施形態例と同様に、光変調手段(ライトバルブ)として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に対応した3枚の透過型液晶パネルを備えた3板式透過型液晶プロジェクタである。
また、プロジェクタ170は、第6の実施形態例と同様に、R,G,Bの各光に対応した、光源(LEDランプ)111,112,113を備え、発熱部品である光源111,112,113と、筐体171とが熱的に接続されている。
なお、図27に示す符号172は、ライトバルブの駆動回路(液晶駆動回路)である。
また、プロジェクタ170は、第6の実施形態例と異なり、放熱体としてのヒートシンクが取り外された構成となっている。
すなわち、本例では、筐体171が放熱体となっており、光源111,112,113と筐体171とが、伝熱部材131を介して熱的に接続されている。また、これに伴って、第6の実施形態における筐体の金網部は省かれた構成となっている。筐体171の材質としては、良熱伝導体が好ましく用いられ、例えばアルミニウム材(熱伝導率:206W/(mK))あるいはその合金の他、銅、黄銅、金、鉄(及び鋼)、ニッケルなどの各種金属及びその合金が用いられる。
また、筐体171の内面及び外面の双方には、黒色塗装が施されており、筐体171の内面及び外面の熱吸収率及び熱放射率が約 0.95 となっている。
さらに、筐体171には、吸気及び排気用の開口(吸気孔173、排気孔174)が設けられている。本例では、吸気孔173及び排気孔174は、筐体171の側面に形成されており、吸気孔173に比べて排気孔174が上方に配されている。
より具体的には、吸気孔173は、緑色用光源112の背面側に配される筐体171の側面に形成されており、ベースプレート175よりも下方に配されている。
また、排気孔174は、吸気孔173が形成された側面と対向する筐体171の側面に形成されており、ベースプレート175よりも上方に配されている。
ベースプレート175に対して、吸気孔173が下方、排気孔174が上方に配されていることにより、ベースプレート175上に搭載される発熱部品である光源111,112,113は、鉛直方向に関して吸気孔173と排気孔174との間、すなわち、吸気孔173より上方かつ排気孔174より下方に配されることになる。
なお、本例では、排気孔174は、吸気孔173に比べて開口面積が大きくなるように形成されている。
また、ベースプレート175には、光源111,112,113の近傍位置において、開口(通気孔176)が設けられている。この通気孔176は、機器配置や構造上などの制約の範囲内で、開口面積が可能な限り大きくなるように形成されるのが好ましい。
この構成により、本例のプロジェクタ170では、吸気孔173から流入した空気が通気孔176を介して筐体171内を通り、発熱部品である光源111,112,113の熱を奪い、その空気が排気孔174から排出される。このとき、吸気孔173に比べて排気孔174が上方に配されていることにより、暖められた空気が上昇しやすいなど、筐体171内を空気が流れやすい。そのため、空気と発熱部品(光源111,112,113)との間で効果的に熱交換が行われる。そのため、このプロジェクタ170では、発熱部品の温度上昇が抑制され、投射画像の劣化が抑制される。
また、排気孔174の開口面積が吸気孔173の開口面積に比べて大きいことから、空気の熱膨張分を含めて筐体171内から空気が排出されやすく、空気と発熱部品(光源111,112,113)との間で効果的に熱交換が行われる。
さらに、この構成によれば、鉛直方向に関して吸気孔173と排気孔174との間に発熱部品(光源111,112,113)が配されることから、これらの発熱部品は、吸気孔173から排気孔174までの空気の流れの途中に配される。そのため、空気と発熱部品との間でより効果的に熱交換が行われる。
ここで、図28及び図29は、筐体171の吸気孔173及び排気孔174の形態の一例を示す図であり、図28は斜視図、図29は断面図である。
図28及び図29において、吸気孔173及び排気孔174は、筐体171の一部に切り込みが入れられた後に、その一部分171aを筐体171の内側あるいは外側に向けて折り曲げることにより形成される。
これにより、吸気孔173及び排気孔174は、図29に示すように、実質的に、空気が通過する流路が屈曲した状態となる。この場合、吸気孔173及び排気孔174の1つあたりの開口面積は、およそ Loa×(2×Lob+Loc)で与えられる。
なお、図29中、符号171bは、上記折り曲げ部分171aにおいて筐体171の外面と略平行に配される遮蔽部171b、符号171cは、上記折り曲げ部分171aにおいて筐体171の外面に対して斜めあるいは垂直に配される庇部171cである。
この構成によれば、筐体171の吸気孔173及び排気孔174の流路が屈曲していることにより、筐体171の内部への異物の侵入が防止される。なお、折り曲げ部分171aが筐体171の内側に配される場合、筐体171の外面における突起物の形成が回避され、例えば、電気配線などが筐体に引っ掛かるなどの不具合の生じる可能性が少なくなる。
図30、図31、及び図32は、図28及び図29に示した形状の吸気孔173及び排気孔174の配置例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
また、図30(a)、図31(a)、及び図32(a)のいずれにおいても、紙面手前が筐体の内方であり、紙面奥側が筐体の外方である。
図30に示す例では、上記折り曲げ部分171aの遮蔽部171bが鉛直方向に延在して配されかつ、遮蔽部171bに対して庇部171cが鉛直方向の下側に配される。
この場合、筐体171の開口部分(吸気孔173、排気孔174)に、筐体171の外から内に向かう方向に関して鉛直上向きの流路、内から外に向かう方向に関して鉛直下向きの流路が形成される。
図31に示す例では、上記折り曲げ部分171aの遮蔽部171bが鉛直方向に延在して配されかつ、遮蔽部171bに対して庇部171cが鉛直方向の上側に配される。
この場合、筐体171の開口部分(吸気孔173、排気孔174)に、筐体171の外から内に向かう方向に関して鉛直下向きの流路、内から外に向かう方向に関して鉛直上向きの流路が形成される。
図32に示す例では、上記折り曲げ部分171aの遮蔽部171bが水平方向に延在して配されかつ、庇部171cが水平方向を向いて配される。
この場合、筐体171の開口部分(吸気孔173、排気孔174)における流路において、鉛直方向に関して抵抗となる部分はなくなる。
吸気孔173及び排気孔174を、図30〜図32に示したうちのいずれの状態にするかは、空気の流れ方向に基づいて定められるのが好ましい。例えば、吸気孔173は図30あるいは図32に示す状態、排気孔174は図31あるいは図32に示す状態とすることにより、暖められた空気の上昇の流れに対する、庇部171cの影響が回避され、吸気孔173及び排気孔174における抵抗の増加が抑制される。
(実施例11)
次に、先の図26及び図27に示す第7の実施形態のプロジェクタ170について、筐体の吸気孔及び排気孔の効果について調べた(実施例11、比較例11(11a〜11e))。
本実施例11において、筐体に形成された吸気孔及び排気孔は以下のとおりである。
(1)筐体に通風孔を2箇所以上設け、一方を上方(排気孔)、他方を下方(吸気孔)に配置する、(2)吸気孔よりも排気孔の開口面積を大きくする(開口面積とは、空気が通過する孔の開口面積の合計のことである)、(3)吸気孔鉛直位置−排気孔鉛直位置、及び、吸気孔水平位置−排気孔水平位置の囲む領域内に発熱部品(各LEDランプ)を配置する、である。
プロジェクタは、先の図27に示すように、レンズ筒(鏡筒)を上方に傾け、プロジェクタに対して斜め上向きに画像を投射(投影)するように設置した(卓上設置・床上設置)(実施例11)。
このとき、空気の流れは、図27中の矢印に示すように、(1)吸気孔を介して室温空気が筐体内部に入る、(2)空気はベースプレートに開けた通気孔を通過してLEDランプに達する、(3)各LEDランプ、伝熱部材等の放熱により暖められた空気は上昇する、(4)暖められた空気は筐体上面内壁に沿って上昇する、(5)排気孔を介して空気が筐体の外に排出される、であった。
次に、各LEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、抵抗器の温度を測定した。
環境温度35℃で電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度の測定結果を図33の表の実施例11に示す。なお、図33の表には吸気孔、及び排気孔の開口面積も併記する。
(比較例11a)
筐体に通風孔(吸気孔、排気孔)を設けない形態について、実施例11と同様に温度を測定した(比較例11a)。その測定結果を図33の表の比較例11aに示す。
(比較例11b)
筐体に吸気孔のみを設け、排気孔を設けない形態について、実施例11と同様に温度を測定した(比較例11b)。その測定結果を図33の表の比較例11bに示す。吸気孔のみを設けた場合、上昇する風の通り道が形成されにくいことから、暖められた空気が滞留しやすい。その結果、冷却効果は小さく、発熱部品の温度低下は小さい。
(比較例11c)
筐体に排気孔のみを設け、吸気孔を設けない形態について、実施例11と同様に温度を測定した(比較例11c)。その測定結果を図33の表の比較例11cに示す。排気孔のみを設けた場合、風の通り道が形成されにいことから、冷却効果は小さいため、発熱部品の温度低下は小さい。
(比較例11d)
筐体に吸気孔及び排気孔を設け、 吸気孔の開口面積>排気孔の開口面積 とした形態について実施例11と同様に温度を測定した(比較例11d)。その測定結果を図33の表の比較例11dに示す。 吸気孔の開口面積>排気孔の開口面積 の場合、暖められた空気が膨張しようとして圧力が高まるのに伴い、排気孔付近の空気圧が高まり、吸気孔から流入する空気の流れを押し戻そうとするので、筐体内部の空気の流れの流量が減少する。よって、冷却効率が減少し、発熱部品の温度低下は小さくなる。
(比較例11e)
図34に示すように、吸気孔及び排気孔の双方を発熱部品に対して上方に設けた形態について実施例11と同様に温度を測定した(比較例11e)。その時の温度を図33の表の比較例11eに示す。この形態では、吸気孔鉛直位置−排気孔鉛直位置、及び、吸気孔水平位置−排気孔水平位置の囲む領域の外に発熱部品(各LEDランプ)がある。
したがって、図34中の矢印で示すように、各LEDランプで暖められた空気が上昇する流れと、吸気孔から室温空気が下方に吸気される流れが妨げあい、筐体内部の空気の流れの流量が減少する。
すなわち、吸気孔から排気孔まで暖められた空気が上昇しつづける風の通り道の範囲内に発熱部品が配置されるようにしていないため、筐体内部の空気の流れの流量が減少する。
その結果、冷却効率が減少し、発熱部品の温度低下は小さくなる。
図33の表に示す、実施例11及び比較例11(11a〜11e)の評価結果から明らかなように、鉛直方向に関して吸気孔と排気孔との間に発熱部品を配することなどにより、空気と発熱部品との間で効果的に熱交換が行われ、発熱部品の温度上昇が抑制されることがわかった。
(実施例12)
次に、先の図26及び図27に示す第7の実施形態のプロジェクタ170について、図28〜図32に示す筐体の吸気孔及び排気孔の形態及び配置の効果について調べた(実施例12(12a、12b)、比較例12)。
(実施例12a)
筐体に対して、吸気孔を図30に示す状態、排気孔を図31に示す状態で形成した(実施例12a)。
次に、各LEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、抵抗器の温度を測定した。
環境温度35℃で電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度の測定結果を図35の表に示す。
(実施例12b)
筐体に対して、吸気孔及び排気孔をともに図32に示す状態で形成した(実施例12b)。この形態について実施例12aと同様に温度を測定した。その測定結果を図35の表の実施例12bに示す。
(比較例12)
筐体に対して、吸気孔を図31に示す状態、排気孔を図31に示す状態で形成した(比較例12)。この形態について実施例12aと同様に温度を測定した。その測定結果を図35の表の比較例12に示す。
図35の表に示す、実施例12a,12b及び比較例12の評価結果から明らかなように、曲がった通風孔を筐体側面に設け、吸気孔は外から内向きを上方、排気孔は内から外向きを上方とすることにより、筐体内で暖められた空気が上昇する流れを庇部が妨げることがない。もしくは、庇部を鉛直方向に沿って設けることでも、上昇気流を妨げるのを防止できる。
その結果、異物の進入が防止できると同時に冷却効率が落ちることがない。
[第8実施形態]
次に、本発明のプロジェクタの第8の実施形態例について説明する。
図36は、第8の実施形態例に係るプロジェクタ180を示す図であり、このプロジェクタ180は、先の図26及び図27に示した第7の実施形態例に係るプロジェクタ170の変形例である。なお、図26及び図27に示した第7の実施形態例と同一の機能を有する構成要素は同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
このプロジェクタ180は、第7の実施形態例と同様に、光変調手段(ライトバルブ)として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に対応した3枚の透過型液晶パネルを備えた3板式透過型液晶プロジェクタである。
また、プロジェクタ180は、第7の実施形態例と同様に、R,G,Bの各光に対応した、光源(LEDランプ)111,112,113を備え、発熱部品であるこれら光源111,112,113と、筐体181とが熱的に接続されている。
また、このプロジェクタ180では、筐体181が放熱体となっており、筐体181はアルミなどの良熱伝導体からなり、光源111,112,113と筐体181とが、伝熱部材131を介して熱的に接続されている。
また、筐体181の内面及び外面の双方に、黒色塗装が施されており、筐体181の内面及び外面の熱吸収率及び熱放射率が約 0.95 となっている。
さらに、筐体181には、吸気及び排気用の開口(吸気孔183、排気孔184)が形成されており、吸気孔183に比べて排気孔184が上方に配されている。
本例のプロジェクタ180が第7の実施形態例と異なる点は、排気孔184が筐体181の上面に形成されている点である。
すなわち、排気孔184は、プロジェクタ180の使用時に鉛直方向の上向きに配される面に形成され、本例では、上面のほぼ中央部に形成されている。
なお、吸気孔183は、第7の実施形態例と同様に、筐体181の側面に形成されており、発熱部品である光源111,112,113が搭載されるベースプレート175よりも下方に配されている。
図38は、排気孔184の形態例を示している。
排気孔184は、先の図30〜図32と同様に、排気孔184は、筐体181の一部に切り込みが入れられた後に、その一部分(折り曲げ部分181a)を筐体181の内側あるいは外側(本例では内側)に向けて折り曲げることにより形成されている。また、図38に示す例では、上記折り曲げ部分181aの遮蔽部181bが水平方向に延在して配されかつ、庇部181cが水平方向を向いて配される。
なお、吸気孔183は、例えば、先の図30と同様の形態である。
この構成により、本例のプロジェクタ180では、筐体181の上面に排気孔184が設けられることから、使用時にプロジェクタが斜めに配される場合であっても、筐体181内の空気が排気孔184から確実に排出される。なお、図36は、プロジェクタ180を、投射方向が斜め下向きになるように設置した状態(天井設置・吊下設置)、図37は、プロジェクタ180を、投射方向が斜め上向きになるように設置した状態(卓上設置・床上設置)を示している。
よって、本例のプロジェクタ180では、投射時の姿勢に大きく影響されることなく、空気と発熱部品(光源111,112,113)との間で効果的に熱交換が行われることにより、発熱部品の温度上昇が抑制され、投射画像の劣化が抑制される。
(実施例13)
次に、先の図36及び図37に示す第8の実施形態のプロジェクタ180について、排気孔の効果について調べた(実施例13(13a,13b)、比較例13(13a,13b)。
(実施例13a)
プロジェクタを、先の図36に示すように、レンズ筒(鏡筒)を下方に傾け、プロジェクタに対して斜め下向きに画像を投射(投影)するように設置した(天井設置・吊下設置)(実施例13a)。
このとき、空気の流れは、図36中の矢印に示すように、(1)吸気孔を介して室温空気が筐体内部に入る、(2)空気はベースプレートに開けた通気孔を通過してLEDランプに達する、(3)各LEDランプ、伝熱部材等の放熱により暖められた空気は上昇する、(4)暖められた空気は筐体上面内壁に沿って若干下降する、(5)筐体上面の排気孔を介して空気が筐体の外に排出される、であった。
次に、各LEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、抵抗器の温度を測定した。
環境温度35℃で電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度の測定結果を図39の表の実施例13aに示す。なお、図39の表にはプロジェクタの投影方向(プロジェクタの姿勢)も併記する。
図39の表に示すように、実施例13aでは、先の図33に示す実施例11に比べて、発熱部品(各LEDの代用抵抗)の飽和温度が少し高くなっている。
これは、上述の空気の流れの説明(4)の影響により、筐体内部の空気の流れの流量が若干減少した結果、冷却効率(熱交換の効率)が減少し、発熱部品の温度低下が小さくなったためである。
(実施例13b)
次に、プロジェクタを、図37に示すように、レンズ筒(鏡筒)を上方に傾け、プロジェクタに対して斜め上向きに画像を投射(投影)するように設置した(卓上設置・床上設置)(実施例13b)。
このとき、空気の流れは、図37中の矢印に示すように、(6)吸気孔を介して室温空気が筐体内部に入る、(7)空気はベースプレートに開けた通気孔を通過してLEDランプに達する、(8)各LEDランプ、伝熱部材等の放熱により暖められた空気は上昇する、(9)暖められた空気は筐体上面内壁に沿って上昇する、(10)筐体上面の排気孔を介して空気が筐体の外に排出される、であった。
次に、各LEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、抵抗器の温度を測定した。
環境温度35℃で電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度の測定結果を図39の表の実施例13bに示す。
実施例13bでは、実施例13aにおける空気の流れの上記「説明(4)」の状態が、「説明(9)」の状態に変化したことにより、筐体内部の空気の流れの流量が増加した。
そのため、実施例13bでは、図39の表に示すように、発熱部品(各LEDの代用抵抗)の飽和温度は、先の図33に示す実施例11と同程度となった。
つまり、実施例13bでは、冷却効率(熱交換の効率)、発熱部品(各LEDの代用抵抗)の温度低下は実施例11と同程度であった。
(比較例13a,13b)
次に、先の図26及び図27に示した第7実施形態例に係るプロジェクタを、図40に示すように、レンズ筒(鏡筒)を下方に傾け、プロジェクタに対して斜め下向きに画像を投射(投影)するように設置した(天井設置・吊下設置)(比較例13a)。なお、プロジェクタの姿勢は、実施例13aと同じである。
このとき、空気の流れは、図40中の矢印に示すように、(11)吸気孔を介して室温空気が筐体内部に入る、(12)空気はベースプレートに開けた通気孔を通過してLEDランプに達する、(13)各LEDランプ、伝熱部材等の放熱により暖められた空気は上昇する、(14)暖められた空気は筐体上面内壁に沿って筐体の排気孔のある位置まで下降する、(15)筐体側面の排気孔を介して空気が外に排出される、であった。
次に、各LEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、抵抗器の温度を測定した。
環境温度35℃で電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度の測定結果を図39の表の比較例13aに示す。
また、この比較例13aのプロジェクタを上向きに設置した場合(すなわち、先の実施例11と同条件)を、図39の表の比較例13bに示す。
プロジェクタを下向きに設置した場合、実施例13aに比べて、比較例13aの発熱部品(各LEDの代用抵抗)の温度が高くなっている。
これは、上述の風の流れの「説明(14)」の方が「説明(4)」よりも長い距離を暖められた空気が下降しなければならない。すなわち、筐体内部の空気の流れの流量が「説明(14)」の方が「説明(4)」よりも小さくなる。その結果、冷却効率が減少し、「説明(14)」の方が「説明(4)」よりも発熱部品の温度低下が小さくなったためである。
図39の表に示す、実施例13a,13b及び比較例13a,13bの評価結果から明らかなように、発熱部品(各LEDの代用抵抗)の温度は、
実施例13b(上向き)=比較例13b(上向き)<実施例13a(下向き)<比較例13aの(下向き) 、の順に低くなっている。
よって、排気孔を筐体上面に設けることにより、プロジェクタの使用状態の姿勢が変わったときの、発熱部品の放熱効率の変動を減少させることができることがわかった。
例えば、プロジェクタを天井からつるして使用した場合でも、発熱部品の温度上昇を減少させ、それによる輝度の低下、カラーバランスのずれを減少させることが出来る。
[第9実施形態]
次に、本発明のプロジェクタの第9の実施形態例について説明する。
図41及び図42は、第9の実施形態例に係るプロジェクタ190を示す図であり、このプロジェクタ190は、先の図36に示した第8の実施形態例に係るプロジェクタ190の変形例である。なお、図36に示した第8の実施形態例と同一の機能を有する構成要素は同一の符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
このプロジェクタ190は、第8の実施形態例と同様に、光変調手段(ライトバルブ)として、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色に対応した3枚の透過型液晶パネルを備えた3板式透過型液晶プロジェクタである。
また、プロジェクタ190は、第9の実施形態例と同様に、R,G,Bの各光に対応した、光源(LEDランプ)111,112,113を備え、発熱部品であるこれら光源111,112,113と、アルミなどの良熱伝導体からなる筐体191とが熱的に接続されている。
また、筐体181の内面及び外面の双方に、黒色塗装が施されており、筐体181の内面及び外面の熱吸収率及び熱放射率が約 0.95 となっている。
本例のプロジェクタ190が第8の実施形態例と異なる点は、複数の排気孔194,195,196が筐体191の上面に形成され、そのうちの少なくとも1つが光源111,112,113のほぼ真上に位置している点である。
本例では、排気孔194,195,196は、排気孔194が光源111、排気孔195が光源112、排気孔196が光源113のそれぞれのほぼ真上に位置するように、筐体191の上面に形成されている。
なお、吸気孔193は、第8の実施形態例と同様に、筐体191の側面に形成されており、発熱部品である光源111,112,113が搭載されるベースプレート175よりも下方に配されている。
この構成により、本例のプロジェクタ190では、発熱部品(光源111,112,113)のほぼ真上に排気孔194,195,196が設けられることから、使用時にプロジェクタが斜めに配される場合であっても、筐体181内の空気が排気孔184からより確実に排出される。なお、図42は、プロジェクタ190を、投射方向が斜め下向きになるように設置した状態(天井設置・吊下設置)、図43は、プロジェクタ190を、投射方向が斜め上向きになるように設置した状態(卓上設置・床上設置)を示している。
プロジェクタ190では、投射時の姿勢に大きく影響されることなく、空気と発熱部品(光源111,112,113)との間でより確実に熱交換が行われることにより、発熱部品の温度上昇が抑制され、投射画像の劣化がより確実に抑制される。
(実施例13c,13d)
次に、先の図41〜図43に示す第9の実施形態のプロジェクタ190について、排気孔の効果について調べた(実施例13c,13d)。
発熱部品(各LEDランプ)の真上に排気孔が設けられたプロジェクタを、先の図42に示すように、レンズ筒(鏡筒)を下方に傾け、プロジェクタに対して斜め下向きに画像を投射(投影)するように設置した(天井設置・吊下設置)(実施例13c)。
また同様に、発熱部品(各LEDランプ)の真上に排気孔が設けられたプロジェクタを、図43に示すように、レンズ筒(鏡筒)を上方に傾け、プロジェクタに対して斜め上向きに画像を投射(投影)するように設置した(卓上設置・床上設置)(実施例13d)。
このとき、実施例13c及び実施例13dにおいて、空気の流れは、図42または図43中の矢印に示すように、(16)吸気孔を介して室温空気が筐体内部に入る、(17)空気はベースプレートに開けた通気孔を通過して各LEDランプに達する、(18)各LEDランプ、伝熱部材等の放熱により暖められた空気は上昇する、(19)上昇気流は妨げられることなく筐体上面の排気孔に達し、排気孔を介して排出される、であった。
次に、各LEDランプを同一発熱量を持つ抵抗器に置き換え、抵抗器の温度を測定した。
環境温度35℃で電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図39の表の実施例13c及び実施例13dに示す。
図39の表に示す、実施例13c,13d、及び前に説明した実施例13a,13b、比較例13a,13bの評価結果から明らかなように、排気孔を筐体上面、かつ、発熱部品の真上に設けることにより、プロジェクタの使用状態の姿勢による発熱部品の放熱効率への影響をなくすことができることがわかった。
(実施例14、比較例14)
次に、先の図41〜図43に示す第9の実施形態のプロジェクタ190について、投射画像の品質について調べた(実施例14)。なお、吸気孔は先の図30に示す形態、排気孔は先の図38に示す形態とした。
また、第9の実施形態のプロジェクタ190に対して、(a)筐体に黒色塗装を施さない、(b)吸気孔及び排気孔を省いた、形態について、同様に画質を調べた(比較例14)。
なお、実施例14における各LEDランプの飽和温度は74℃、比較例14における各LEDランプの飽和温度は90℃であった。
ただし、このデータは環境温度35℃の場合であるので、画質評価は被験者に快適に判断してもらう必要があるため、室温20〜25℃で画質の評価をした。
画質の評価方法は次のとおりである。
(画質の評価方法)
(a)被験者として18歳から60歳までの男女を年齢、性別をランダムに50名ほど選出した。
(b)評価した投影画像は文字、グラフからなる静止画像、及び、風景の静止画像、アニメ動画、実写動画の4種類である。
(c)室内の明るさは、30ルックス(月の明るさ)、70ルックス(労働基準法の雑作業用照明基準)、150ルックス(普通作業)、300ルックス(精密作業)、1000ルックス(精密作業推奨基準)の5水準である。
(d)良好から色あせて見えない、または、明確に色バランスがずれているまでの5段階評価をしてもらい、平均をとり、5から4までを良好(記号○)、4未満3以上をやや不良(記号△)、3未満を不良(記号×)とした。
(画質の評価結果)
画質の評価結果を図44の表に示す。
図44に示す表から明らかなように、実施例14は、室内の明るさ30ルックスから1000ルックスまでにおいて実写動画まで良好に投影可能であることがわかった。
また、比較例14は、室内の明るさが30ルックスの時は、実写動画まで使用可能であることが分かった。また室内の明るさが150ルックスまでは、若干の画質劣化はあるものの、風景静止画まで使用可能であった。少なくとも文字静止画、すなわち、ビジネスプレゼンテーション用としては十分である。
すなわち、空気と発熱部品との間での熱交換の促進を図り、発熱部品(各LEDランプ)の温度上昇を減少させることにより、輝度の低下、カラーバランスのすれを減少させ、より明るいところで、または、より自然に近い形の画像を高画質で投影できることがわかった。
[第10実施形態]
次に、本発明のプロジェクタの第10の実施形態例について説明する。
図45及び図46は、第10の実施形態例に係るプロジェクタ200を示す図であり、このプロジェクタ200は、光変調手段(ライトバルブ)として、1つの透過型液晶パネルを備えた単板式透過型液晶プロジェクタである。
プロジェクタ200は、光源201、ホーン型リフレクタ202、ライトバルブ(透過型液晶パネル)203、及び投射系204等を備えて構成されている
光源201としては、発光素子としてのLED(発光ダイオード、有機電界発光素子)を含むLED光源(LEDランプ)が用いられる。
光源201からの光は、リフレクタ202内を通過し、ライトバルブ203に入射する。ライトバルブ203は、例えば、スイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)と透過型の液晶セルを含み、外部からの画像情報(あるいは映像情報)に基づいて光源201からの光を変調する。投射系204は、拡大投射光学系を含み、ライトバルブ203から出射された光を不図示のスクリーン上に投射する。この投射により、スクリーン上には、拡大された画像が表示される。なお、光源201として、白色光を発するLEDランプを用い、赤(R)、緑(G)、青(B)の微小フィルタが配列したカラーフィルタをライトバルブ203(液晶パネル)に設置することにより、カラー画像を得ることができる。
また、プロジェクタ200は、発熱部品である光源201の熱を放熱するためのヒートシンク210と、光源201とヒートシンク210とを熱的に接続する伝熱部材211とを備えている。
なお、電源回路(電源ユニット)は本体とは別に配されている。
伝熱部材211としては、良熱伝導体が好ましく用いられ、本例ではアルミニウム材(熱伝導率:206W/(mK))あるいはその合金が用いられる。その他、伝熱部材としては、銅、黄銅、金、鉄(及び鋼)、ニッケルなどの各種金属及びその合金を用いてもよい。また、伝熱部材211には、ライトバルブの駆動回路(液晶駆動回路)も搭載されているが図示を省略している。
ヒートシンク210としては、本例では、複数の板状フィンを備えるものが用いられる。なお、ヒートシンクは複数の板状フィンを備える形態に限らず、他の形態のものでもよい。また、ヒートシンクに代えて、他の放熱手段(例えば冷却フィン)を用いてもよい。ヒートシンクは、駆動機構を有しないため、小型化を図りやすいという利点がある。
また、ヒートシンク210は、発熱部品である光源201に近い部分ほど表面積が大きく形成されている。
すなわち、本例では、光源201から離れる方向とリフレクタ202の軸方向とが一致しており、ヒートシンク210は、リフレクタ202の軸方向に沿って、光源201に近い部分ほど表面積が大きく、遠い部分ほど表面積が小さくなるように形成されている。
ヒートシンク210では、発熱部品(光源201)に近い部分ほど通過する熱量が多いことから、その部分の表面積が大きく形成されることにより、放熱効率の向上が図られる。また、ヒートシンク210では、発熱部品(光源201)から離れた部分では、通過する熱量が比較的少ないことから、その部分の表面積が小さく形成されることにより、形状の最適化が図られ、体積を小さく抑えることが可能となる。これにより、本例のプロジェクタ200では、装置の小型化が図られる。
なお、上記のプロジェクタ200では、ヒートシンクの全体の形状を変化させることによって、部分ごとのヒートシンクの表面積を変化させているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、部分ごとに、複数のフィンの配置密度を変化させたり、フィンの形状を変化させたりすることにより、ヒートシンクの表面積を変化させてもよい。
(実施例15)
次に、先の図45及び図46に示す第10の実施形態のプロジェクタ200について、熱対策技術の効果について調べた(実施例15)。
なお、以後の説明において図中の寸法の単位は「mm」である。
LEDランプは、LumiLeds社製のLuxeonシリーズ、AB07−White(白色)、消費電力5Wを用いた。また、ヒートシンクは、α社製のUB35−25Bを加工して用いた。
図45及び図46に示す点P1:発熱部品(LEDランプ)の発光部(発熱部)、点P2:ヒートシンクの発熱部に最も近いところ、点P3:ヒートシンクの発熱部に最も遠いところ、に熱電対を貼り付け温度を測定した。
なお、LEDランプの上限温度は90℃であり、これを超えると破損したり、寿命が短くなるため、28.8Ω(12Vで0.42A、即ち5W発熱)の抵抗器(ニッコーム株式会社製電力用金属被膜抵抗RNP-5タイプ、ヒートシンク接続構造有り)をランプの代わりの発熱部品として用いた。
また、外部からの風の影響を除去し、大気が自然対流になるように、ユニットを1m四方の透明なアクリル樹脂製の箱に入れた。環境温度は恒温室を用い35℃に保った。
電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図47の表の実施例15に示す。なお、図47の表にはヒートシンクの羽根(フィン)が配列している底面の面積も合わせて示す。この底面積は、ヒートシンクのフィンの表面積(伝熱面・放熱面の面積)の合計に比例している。
(比較例15)
図48に比較例のプロジェクタを示す。
図48に示すプロジェクタ(比較例15)は、図45及び図46に示すプロジェクタ(実施例15)に対して、ヒートシンクの表面積を発熱部品(光源(LEDランプ))からの距離に関わらず一定としたものである。他の構成は、図45及び図46に示すプロジェクタと同じである。
なお、実施例15と比較例15との間で、ヒートシンク全体の表面積は同一である。
また、LEDランプは実施例15と同じものを用いた。
発熱部品としてLEDランプの代わりに抵抗器を取り付け、図48に示す点P4:発熱部品(LEDランプ)の発光部(発熱部)、点P5:ヒートシンクの発熱部に最も近いところ、点P6:ヒートシンクの発熱部に最も遠いところ、に熱電対を貼り付け温度を測定した。測定方法は実施例15と同じである。
電源投入から30分後に温度上昇は飽和に達した。その時の温度を図47の表の比較例15aに示す。
なお、図47の表より、発熱部点P4の温度が上限値の90℃を超えてしまったので、L1の長さを増加させることにより、ヒートシンク底面積(表面積に比例)を増加させて温度を測定した。その測定結果を図47の表の比較例15b、15cに示す。
図47の表に示す、実施例15及び比較例15の評価結果から明らかなように、ヒートシンクの、発熱部品に近い部分ほど表面積が大きく形成されることにより、ヒートシンクの放熱効率の向上が図られ、その結果、ヒートシンクの底面積(ヒートシンクの全体の表面積、すなわち全体の大きさに比例)を小さくでき、プロジェクタ本体内部ユニットを小型化できることがわかった。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
伝熱部材の熱抵抗を説明するための図。 第1実施形態に係るプロジェクタの概略的な全体構成を模式的に示す図。 図2のプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す平面図。 比較例1に係るプロジェクタの構成図。 第2の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す平面図。 電源ユニットの配置図。 比較例2に係るプロジェクタの構成図。 第3の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す平面図。 発熱部品の温度とヒートシンク突出長さとの関係を調べた結果を示す図。 比較例3に係るプロジェクタの構成図。 第4の実施形態に係るプロジェクタの概略的な全体構成を模式的に示す図。 図11のプロジェクタ110における各構成部材の配置の様子を模式的に示す平面図である。 ヒートシンクの配置状態を示す図。 比較例4に係るプロジェクタの各構成要素の配置の様子を示す。 発熱部品の温度とヒートシンクの底面積(表面積)との関係を調べた結果を示す図。 発熱部品の温度とヒートシンクの底面積(表面積)との関係を調べた結果を示す図。 第5の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す平面図。 プロジェクタの温度を測定した結果を示す図。 比較例7に係るプロジェクタの構成図。 第6の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す平面図。 発熱部品の温度とヒートシンク突出長さとの関係を調べた結果を示す図。 比較例8に係るプロジェクタの構成図。 温度の測定箇所を示す図。 発熱部品及び筐体の温度とヒートシンク突出長さとの関係を調べた結果を示す図。 発熱部品及び筐体の温度とヒートシンク突出長さとの関係を調べた結果を示す図。 第7の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す平面図。 第7の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す側面図。 吸気孔及び排気孔の形態の一例を示す斜視図。 吸気孔及び排気孔の形態の一例を示す断面図。 吸気孔及び排気孔の配置例を示す図。 吸気孔及び排気孔の配置例を示す図。 吸気孔及び排気孔の配置例を示す図。 発熱部品の温度と筐体の吸気孔及び排気孔の開口面積との関係を調べた結果を示す図。 比較例11eに係るプロジェクタの構成図。 発熱部品の温度を測定した結果を示す図。 第8の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す側面図。 第8の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す側面図。 排気孔の形態例を示す図。 発熱部品の温度を測定した結果を示す図。 比較例13aに係るプロジェクタの構成図。 第9の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す側面図。 第9の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す側面図。 第9の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す側面図。 画質の評価結果を示す図。 第10の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す側面図。 第10の実施形態に係るプロジェクタにおける各構成部材の配置の様子を模式的に示す側面図。 ヒートシンクの温度を測定した結果を示す図。 比較例15に係るプロジェクタの構成図。
符号の説明
10,40,50,110,150,160,170,180,190,200…プロジェクタ、11…光源(ハロゲンランプ、発熱部品)、20,21,22…ライトバルブ(反射型液晶パネル、発熱部品)、31a…トランジスタ(発熱部品)、32,44,52,125,151,161,210…ヒートシンク(放熱体)、33,43,131,211…伝熱部材、41…電源ユニット(発熱部品)、51,162,171,181,191…筐体、111,112,113,201…光源(LEDランプ、発熱部品)、114,115,116,203…ライトバルブ(透過型液晶パネル)、127,173,183,193…吸気孔、128,174,184,194…排気孔。

Claims (5)

  1. 複数の発熱部品と、
    放熱体と、
    前記複数の発熱部品と前記放熱体とを熱的に接続する伝熱部材と、
    前記複数の発熱部品を覆う筐体と、を備え、
    前記複数の発熱部品は、発熱量が大きい順に、前記放熱体に至るまでの前記伝熱部材上での熱的な距離が短く、
    前記複数の発熱部品と前記筐体とが熱的に接続され、
    前記筐体には、吸気孔と、前記吸気孔に比べて上方に配される排気孔とが設けられている、ことを特徴とするプロジェクタ。
  2. 前記排気孔は、前記筐体の上面に設けられることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
  3. 前記排気孔の開口面積は、前記吸気孔の開口面積に比べて大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロジェクタ。
  4. 前記複数の発熱部品は、鉛直方向に関して前記吸気孔と前記排気孔との間に配されることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載のプロジェクタ。
  5. 前記吸気孔及び前記排気孔は、屈曲した流路を有することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれかに記載のプロジェクタ。
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