JP2008175663A - センサ付車輪用軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両にコンパクトに荷重センサを設置できて、車輪にかかる荷重を正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供する。
【解決手段】 このセンサ付車輪用軸受10は、複列の転走面4が形成された固定輪1と、この固定輪1の転走面4と対向する転走面5を形成した回転輪2と、対向する転走面4,5間に介在した複列の転動体3とを備える。前記固定輪1は車体取付フランジ1aを有し、この車体取付フランジ1aに、車体に固定輪1を取付けるボルトがねじ込まれる複数のボルト孔9が設けられ、前記車体に対して車輪が回転自在に支持される。前記固定輪1には、少なくとも一つの送信部16とこの送信部16から送信された超音波を受信する受信部17を有する超音波センサ15を、前記ボルト孔9内に挿通されるボルトのねじ面に向けて設置する。さらに、前記超音波センサ15の前記受信部17が検出する超音波の大きさもしくは到達時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段18を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】 このセンサ付車輪用軸受10は、複列の転走面4が形成された固定輪1と、この固定輪1の転走面4と対向する転走面5を形成した回転輪2と、対向する転走面4,5間に介在した複列の転動体3とを備える。前記固定輪1は車体取付フランジ1aを有し、この車体取付フランジ1aに、車体に固定輪1を取付けるボルトがねじ込まれる複数のボルト孔9が設けられ、前記車体に対して車輪が回転自在に支持される。前記固定輪1には、少なくとも一つの送信部16とこの送信部16から送信された超音波を受信する受信部17を有する超音波センサ15を、前記ボルト孔9内に挿通されるボルトのねじ面に向けて設置する。さらに、前記超音波センサ15の前記受信部17が検出する超音波の大きさもしくは到達時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段18を設ける。
【選択図】 図2
Description
この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の外輪に超音波センサを設け、転動体と転走面の接触面積により変化するエコー比より荷重を検出する車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2006−177932号公報
しかし、特許文献1に開示された技術では、以下のような問題があった。
・ 超音波が反射を繰り返して複雑に伝達するため、他の位置に設置した超音波センサに影響を及ぼし、荷重を正確に検出することが難しい。
・ 転動体と転走面の接触面に向けて超音波センサを設置する必要があるため、超音波センサの位置決めが難しい。
・ 超音波センサの設置個数が少ないと転動体通過時しか荷重を測定できず、静荷重を測定するためには複数個もしくは幅広い超音波センサを設置する必要がある。
・ 超音波が反射を繰り返して複雑に伝達するため、他の位置に設置した超音波センサに影響を及ぼし、荷重を正確に検出することが難しい。
・ 転動体と転走面の接触面に向けて超音波センサを設置する必要があるため、超音波センサの位置決めが難しい。
・ 超音波センサの設置個数が少ないと転動体通過時しか荷重を測定できず、静荷重を測定するためには複数個もしくは幅広い超音波センサを設置する必要がある。
この発明の目的は、車両にコンパクトに荷重センサを設置できて、車輪にかかる荷重を正確に検出できるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、前記固定輪が車体取付フランジを有し、この車体取付フランジに、車体に固定輪を取付けるボルトがねじ込まれる複数のボルト孔が設けられ、前記車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、少なくとも一つの送信部とこの送信部から送信された超音波を受信する受信部を有する超音波センサを、前記固定輪に、前記ボルト孔内に挿通されるボルトのねじ面に向けて設置し、前記超音波センサの前記受信部が検出する超音波の大きさより、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けたものである。
この発明の他のセンサ付車輪用軸受は、この発明の前記構成のセンサ付車輪用軸受において、前記推定手段として、超音波の大きさにより推定するものに代え、前記超音波センサの前記受信部が検出する超音波の到達時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けたものである。前記到達時間は、送信部が発信してから受信が到達するまでの時間である。
この発明の他のセンサ付車輪用軸受は、この発明の前記構成のセンサ付車輪用軸受において、前記推定手段として、超音波の大きさにより推定するものに代え、前記超音波センサの前記受信部が検出する超音波の到達時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けたものである。前記到達時間は、送信部が発信してから受信が到達するまでの時間である。
このセンサ付車輪用軸受を搭載した車両において、タイヤと路面間に作用する作用力で車輪用軸受に荷重が印加されると、固定輪の車体取付フランジに設けられたボルト孔にねじ込み状態のボルトが弾性変形し、ボルト孔とボルトの接触部での接触面積が変化する。超音波センサの送信部から送信されてボルト孔とボルトの接触部を透過する超音波の大きさは、前記接触部での接触面積の変化に応じて変化するので、推定手段は超音波センサの受信部が検出する超音波の大きさもしくは到達時間から荷重の大きさを推定することができる。ボルトやねじ孔のねじ溝は、荷重により弾性変形し易く、上記接触面の面積の変化が大きい。そのため、受信部の超音波の大きさもしくは到達時間が荷重により大きく変化し、荷重の大きさを鋭敏に検出することができる。ただし、反射位置が分かれば、その部分に受信部を設置し、超音波の大きさや到達時間から荷重を推定しても良い。この検出結果は自動車の車両制御に利用することができる。また、超音波センサは、前記ボルト向けて設置するため、車輪用軸受に対する追加工を殆ど行うことなく取付けることができて、剛性を下げることなく、車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものでき、コスト低減を図ることができる。
この発明において、前記超音波センサの送信部と受信部とは、前記ボルトの軸心回りの円周方向に互いに離れた位置に設置しても良い。
送信部と受信部とが円周方向に離れた位置であると、送信部から送信される超音波のうち、ねじ山同士の接触面における反射波ではなく、透過波を主に検出することができる。ねじ山同士が接触していない部分では、超音波はねじ山の形状によっては垂直方向に反射しないため、反射波を検出することは困難である。しかし、上記のように透過波を検出するようにした構成であると、ねじ山の形状に影響されずに受信部で受信できて、ボルト孔とボルトの接触部の接触面積の変化に応じて大きさが変化する透過波を受信でき、より正確に荷重を推定できる。
送信部と受信部とが円周方向に離れた位置であると、送信部から送信される超音波のうち、ねじ山同士の接触面における反射波ではなく、透過波を主に検出することができる。ねじ山同士が接触していない部分では、超音波はねじ山の形状によっては垂直方向に反射しないため、反射波を検出することは困難である。しかし、上記のように透過波を検出するようにした構成であると、ねじ山の形状に影響されずに受信部で受信できて、ボルト孔とボルトの接触部の接触面積の変化に応じて大きさが変化する透過波を受信でき、より正確に荷重を推定できる。
この発明において、前記超音波センサは、前記受信部を複数有し、これら複数の受信部が前記ボルトの軸心回りの円周方向に互いに離れて配置されても良い。
このように複数の受信部を設けると、ボルト孔とボルトの接触面積が大きくなる部分に配置された受信部では大きなエコーを受信し、他の受信部では小さなエコーを受信することになるので、荷重の方向を推定することが容易となる。
このように複数の受信部を設けると、ボルト孔とボルトの接触面積が大きくなる部分に配置された受信部では大きなエコーを受信し、他の受信部では小さなエコーを受信することになるので、荷重の方向を推定することが容易となる。
この発明において、前記固定輪の前記ボルト孔が、互いに軸受軸心回りの円周方向に離れて4箇所に設けられ、前記超音波センサが、それぞれ各ボルト孔に位置して4箇所に設けられていても良い。この構成の場合、それぞれの超音波センサの検出信号を演算して、垂直方向荷重Fz、前後方向荷重Fx、左右方向荷重Fyなど様々な方向の荷重の大きさを推定できる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、前記固定輪が車体取付フランジを有し、この車体取付フランジに、車体に固定輪を取付けるボルトがねじ込まれる複数のボルト孔が設けられ、前記車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、少なくとも一つの送信部とこの送信部から送信された超音波を受信する受信部を有する超音波センサを、前記固定輪に、前記ボルト孔内に挿通されるボルトのねじ面に向けて設置し、前記超音波センサの前記受信部が検出する超音波の大きさもしくは到達時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けたため、車両にコンパクトに荷重センサを設置できて、車輪にかかる荷重を正確に検出することができる。
この発明の一実施形態を図1および図2と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、かつ駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向外側寄りとなる側をアウトボード側と言い、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。図1では、左側がアウトボード側、右側がインボード側となる。
図1のように、この車輪用軸受10は、内周に複列の転走面4が形成された外方部材1と、これら転走面4にそれぞれ対向する転走面5が形成された内方部材2と、これら複列の転走面4,5間に介在した複列の転動体3とを備える。この車輪用軸受10は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体3はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記各転走面4,5は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。内外の部材2,1間に形成される環状空間のアウトボード側およびインボード側の各開口端部は、それぞれ密封装置である接触式のシール7,8で密封されている。
図1のように、この車輪用軸受10は、内周に複列の転走面4が形成された外方部材1と、これら転走面4にそれぞれ対向する転走面5が形成された内方部材2と、これら複列の転走面4,5間に介在した複列の転動体3とを備える。この車輪用軸受10は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体3はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記各転走面4,5は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。内外の部材2,1間に形成される環状空間のアウトボード側およびインボード側の各開口端部は、それぞれ密封装置である接触式のシール7,8で密封されている。
外方部材1は固定輪となるものであって、その外周に形成された車体取付フランジ1aが、車体取付フランジ1aにおける軸受軸心回りの円周方向に互いに離れて複数箇所(ここでは、斜め左上,左下、右上、右下の4箇所)に設けられたボルト孔9に螺合するボルトにより、車体側のナックル(いずれも図示せず)に締結される。ボルト孔9は内面が雌ねじとなった孔である。
内方部材2は回転輪となるものであって、外周に車輪取付フランジ2aを有するハブ輪2Aと、このハブ輪2Aのインボード側の外周に嵌合した別体の内輪2Bとからなり、ハブ輪2Aには等速ジョイント11の片方の継手部材となる外輪11aが連結される。ハブ輪2Aおよび内輪2Bに、各列の転走面5がそれぞれ形成される。ハブ輪2Aは中央孔12を有し、この中央孔12に、等速ジョイント外輪11aに一体に形成されたステム13が挿通され、ステム13の先端に螺合するナット14の締め付けにより、等速ジョイント外輪11aが内方部材2に連結される。このとき、等速ジョイント外輪11aに設けられたアウトボード側に向く段面11aaが、ハブ輪2Aに圧入した内輪2Bのインボード側に向く端面に押し付けられ、等速ジョイント外輪11aとナット14とで内方部材2が幅締めされる。ハブ輪2Aの中央孔12にはスプライン溝12aが形成されており、ステム13のスプライン溝13aとスプライン嵌合する。
内方部材2は回転輪となるものであって、外周に車輪取付フランジ2aを有するハブ輪2Aと、このハブ輪2Aのインボード側の外周に嵌合した別体の内輪2Bとからなり、ハブ輪2Aには等速ジョイント11の片方の継手部材となる外輪11aが連結される。ハブ輪2Aおよび内輪2Bに、各列の転走面5がそれぞれ形成される。ハブ輪2Aは中央孔12を有し、この中央孔12に、等速ジョイント外輪11aに一体に形成されたステム13が挿通され、ステム13の先端に螺合するナット14の締め付けにより、等速ジョイント外輪11aが内方部材2に連結される。このとき、等速ジョイント外輪11aに設けられたアウトボード側に向く段面11aaが、ハブ輪2Aに圧入した内輪2Bのインボード側に向く端面に押し付けられ、等速ジョイント外輪11aとナット14とで内方部材2が幅締めされる。ハブ輪2Aの中央孔12にはスプライン溝12aが形成されており、ステム13のスプライン溝13aとスプライン嵌合する。
この車輪用軸受10には、図1のインボード側から見た構成図を示す図2のように、複数の超音波センサ15が荷重センサとして設けられている。この超音波センサ15は、タイヤと路面間の作用力を、超音波の大きさもしくは到達時間に換算して検出するものであり、少なくとも一つの送信部16と、この送信部16から送信された超音波を受信する受信部17とを有する。具体的には、固定輪である外方部材1の前記車体取付フランジ1aの外周面に、その複数(ここでは4個)のボルト孔9にそれぞれ螺合する各ボルトのねじ面に向けて(ここではボルトの軸心に対して垂直方向となるように向けて)各超音波センサ15が設置される。すなわち、各ボルト孔9に螺合するボルトに対して、超音波センサ15の送信部16と受信部17とが、ボルトの軸心回りの円周方向に互いに離れた位置(ここではボルトの軸心を挟んで互いに対向する位置)に設置される。
ボルト孔9のねじ山とボルトのねじ山とが互いに接触する部分では、超音波の反射波よりも透過波を主として検出することができる。また、ボルト孔9のねじ山とボルトのねじ山とが互いに接触していない部分では、ねじ山の形状のために超音波はボルトの軸心に対して垂直方向には反射せず、反射波を検出することは困難である。そこで、上記したように、超音波センサ15の送信部16と受信部17とを、ボルトの軸心回りの円周方向に互いに離れた位置に設置すると、送信部15から送信される超音波のうち、ボルト孔9とボルトの接触部の接触面積の変化に応じて大きさが変化する透過波を受信部17で受信できることになる。
ボルト孔9のねじ山とボルトのねじ山とが互いに接触する部分では、超音波の反射波よりも透過波を主として検出することができる。また、ボルト孔9のねじ山とボルトのねじ山とが互いに接触していない部分では、ねじ山の形状のために超音波はボルトの軸心に対して垂直方向には反射せず、反射波を検出することは困難である。そこで、上記したように、超音波センサ15の送信部16と受信部17とを、ボルトの軸心回りの円周方向に互いに離れた位置に設置すると、送信部15から送信される超音波のうち、ボルト孔9とボルトの接触部の接触面積の変化に応じて大きさが変化する透過波を受信部17で受信できることになる。
これら各超音波センサ15の受信部17は推定手段18に接続される。推定手段18は、前記各超音波センサ15の受信部17が検出する超音波の大きさもしくは到達時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する手段である。前記各超音波センサ15の超音波の大きさは、受信部17で受信した超音波の振幅より求めることができる。また、前記各超音波センサ15の超音波の到達時間は、送信部16からパルス状の超音波を送信し、受信部17で受信した超音波との位相差から求めることができる。なお、図1における車輪用軸受10の断面図は、図2におけるI−O−I矢視断面図を示す。
このセンサ付車輪用軸受10を搭載した車両において、タイヤと路面間に作用する作用力でセンサ付車輪用軸受10に荷重が印加されると、外方部材1の車体取付フランジ1aにおける軸受軸心回りの円周方向に離れて4箇所に設けられたボルト孔9に螺合する各ボルトが弾性変形し、ボルト孔9とボルトの接触部での接触面積が変化する。各超音波センサ15の送信部16から送信されてボルト孔9とボルトの接触部を透過する超音波の大きさは、前記接触部での接触面積の変化に応じて変化するので、推定手段18は超音波センサ15の受信部17が検出する超音波の大きさもしくは到達時間から荷重の大きさを推定することができる。例えば、推定手段18は、検出された超音波の大きさもしくは到達時間と荷重の大きさの関係を設定したテーブル、演算式、変換回路等の関係設定手段を有し、検出された超音波の大きさもしくは到達時間を前記関係設定手段と比較することで、荷重の大きさの推定値を出力する。
超音波センサ15の個数については特に限定しないが、この実施形態では超音波センサ15を、互いに軸受軸心回りの円周方向に離れて設けられた4箇所のボルト孔9の設置位置に対応付けて4箇所に設置しているので、それぞれの超音波センサ15の検出信号を演算して、垂直方向荷重(z軸方向:車両の上下方向)Fz、前後方向荷重(x軸方向:車両の前後方向)Fx、左右方向荷重(y軸方向:車幅方向)Fyなど様々な方向の荷重の大きさを推定できる。
また、超音波センサ15の設置場所についても特に指定しないが、車体取付フランジ1aの外周面に、ボルトの軸心に対して垂直方向となるように送信部16と受信部17を互いに対向配置したこの実施形態の場合には、ボルトのねじ面に向けて超音波センサ15を設置することが容易となり、車輪用軸受に対する追加加工もほとんど必要ないので、剛性確保やコスト低減の観点からメリットが大きい。なお、この実施形態のように超音波センサ15を直接車体取付フランジ1aに設置する場合のほか、超音波センサ15を含んだユニットを、ねじ等により車体取付フランジ1aに設置するようにしても良い。
このように、このセンサ付車輪用軸受10では、送信部16とこの送信部16から送信された超音波を受信する受信部17を有する超音波センサ15を、車体取付フランジ1aを有する固定輪(ここでは外方部材)1に、その車体取付フランジ1aのボルト孔9に螺合するボルトのねじ面に向けて設置し、超音波センサ15の受信部17が検出する超音波の大きさもしくは到達時間より、タイヤと路面間に作用する作用力の大きさを推定手段18で推定するようにしているので、車輪にかかる荷重を正確に検出することができ、この検出結果を自動車の車両制御に利用することができる。また、荷重検出のセンサの構成も簡単であるため、車両にコンパクトに荷重センサを設置でき、量産性に優れたものとでき、コスト低減を図ることができる。
図3は、この発明の他の実施形態のセンサ付車輪用軸受10をインボード側から見た構成図を示す。この実施形態では、先の実施形態において、各超音波センサ15が、1つの送信部16と2つの受信部17,17を有するものとしている。この場合、2つの受信部17は、前記ボルトの軸心回りの円周方向に互いに離して配置される。具体的には、1つ目の受信部17は、ボルトの軸心を挟んで送信部16と対向する位置に配置されるが、2つ目の受信部17は、1つ目の受信部17からボルトの軸心回りの円周方向に90°だけ離れた位置に配置される。その他の構成は先の実施形態の場合と同様である。
この実施形態のように2つの受信部17をボルトの軸心回りの円周方向に互いに離して配置すると、接触面積が大きくなる部分に配置された受信部17では大きなエコーを受信でき、荷重の方向を推定することが容易となる。受信部17の数はさらに増やしても良い。
1…外方部材(固定輪)
1a…車体取付フランジ
2…内方部材(回転輪)
3…転動体
4,5…転走面
9…ボルト孔
10…センサ付車輪用軸受
15…超音波センサ
16…送信部
17…受信部
18…推定手段
1a…車体取付フランジ
2…内方部材(回転輪)
3…転動体
4,5…転走面
9…ボルト孔
10…センサ付車輪用軸受
15…超音波センサ
16…送信部
17…受信部
18…推定手段
Claims (5)
- 複列の転走面が形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、前記固定輪が車体取付フランジを有し、この車体取付フランジに、車体に固定輪を取付けるボルトがねじ込まれる複数のボルト孔が設けられ、前記車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
少なくとも一つの送信部とこの送信部から送信された超音波を受信する受信部を有する超音波センサを、前記固定輪に、前記ボルト孔内に挿通されるボルトのねじ面に向けて設置し、前記超音波センサの前記受信部が検出する超音波の大きさより、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けたセンサ付車輪用軸受。 - 複列の転走面が形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、前記固定輪が車体取付フランジを有し、この車体取付フランジに、車体に固定輪を取付けるボルトがねじ込まれる複数のボルト孔が設けられ、前記車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
少なくとも一つの送信部とこの送信部から送信された超音波を受信する受信部を有する超音波センサを、前記固定輪に、前記ボルト孔内に挿通されるボルトのねじ面に向けて設置し、前記超音波センサの前記受信部が検出する超音波の到達時間より、タイヤと路面間に作用する作用力を推定する推定手段を設けたセンサ付車輪用軸受。 - 請求項1または請求項2において、前記超音波センサの送信部と受信部とは、前記ボルトの軸心回りの円周方向に互いに離れた位置に設置したセンサ付車輪用軸受。
- 請求項3において、前記超音波センサは、前記受信部を複数有し、これら複数の受信部が前記ボルトの軸心回りの円周方向に互いに離れて配置されたセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記固定輪の前記ボルト孔が、互いに軸受軸心回りの円周方向に離れて4箇所に設けられ、前記超音波センサが、それぞれ各ボルト孔に位置して4箇所に設けられたセンサ付車輪用軸受。
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