JP2008174815A - 高周波焼き入れ装置 - Google Patents

高周波焼き入れ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008174815A
JP2008174815A JP2007011036A JP2007011036A JP2008174815A JP 2008174815 A JP2008174815 A JP 2008174815A JP 2007011036 A JP2007011036 A JP 2007011036A JP 2007011036 A JP2007011036 A JP 2007011036A JP 2008174815 A JP2008174815 A JP 2008174815A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
quenched
quenching
induction hardening
coil piece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007011036A
Other languages
English (en)
Inventor
Matsukiku Kudou
松菊 工藤
Hideyuki Kadokawa
秀之 門川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2007011036A priority Critical patent/JP2008174815A/ja
Publication of JP2008174815A publication Critical patent/JP2008174815A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Landscapes

  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

【課題】クランクシャフトのジャーナル部やピン部を被焼き入れ部として、これらを高品質で焼き入れ処理を行い得るようにする。
【解決手段】高周波焼き入れ装置は第1のコイル31と第2のコイル32とを有しており、被焼き入れ部であるジャーナル部Jを囲むように配置される。コイル31,32はジャーナル部Jの軸方向一方側に配置される一方側のコイル片と、他方側に配置される他方側のコイル片とをそれぞれ有し、一方側のコイル片の外側に一方側の位置決めチップ25a,26aが配置され、他方側のコイル片の外側に他方側の位置決めチップ25b,26bが一方側の位置決めチップ25a,26aに対して円周方向に位相をずらして配置されている。ジャーナル部Jに対する焼き入れ液は、それぞれのコイル31,32のコイル片の間の隙間から供給される。
【選択図】図2

Description

本発明はクランクシャフトのジャーナル部等の回転部材の軸部を被焼き入れ部としてその表面を高周波焼き入れする高周波焼き入れ装置に関する。
ピストンの往復運動を回転運動に変換するためのクランクシャフトは、シリンダブロックとクランクケースとを有するエンジン本体に回転自在に支持される複数のジャーナル部と、ピストンに連結されるコネクティングロッドの端部が連結される複数のピン部とを有し、それぞれのジャーナル部とピン部はウェブ部を介して一体となっている。これらのジャーナル部とピン部の表面は、ジャーナル部とウェブ部とのコーナー部と、ピン部とウェブ部との間のコーナー部を含めて、その強度と耐摩耗性を高めるために、高周波焼き入れにより焼き入れ処理されている。
特許文献1にはクランクシャフトのピン部に対する高周波焼き入れ装置が記載され、特許文献2にはジャーナル部に対する高周波焼き入れ装置が記載されている。ジャーナル部の焼き入れには、特許文献2に記載されるように、ジャーナル部外周面の半円以下の円弧面に対応する円弧状のコイルを有する高周波焼き入れ装置が使用されており、ピン部の焼き入れには、特許文献1に記載されるように、ピン部外周面の半円以下の円弧面に対応する円弧状のコイルを有する高周波焼き入れ装置が使用されている。ジャーナル部の表面を焼き入れするには、クランクシャフトを回転させることにより、ジャーナル部の外周面が順次コイルに対向するようにしており、高周波焼き入れ装置は焼き入れ時には静止している。これに対し、ピン部の表面を焼き入れするには、クランクシャフトの回転に伴ってピン部がシャフトの中心軸を中心に公転するので、その公転軌跡に対応させて高周波焼き入れ装置を公転移動させるようにしている。
特公平4−4375号公報 実公平3−11225号公報
ジャーナル部やピン部等の軸部を被焼き入れ部として焼き入れ処理を行う高周波焼き入れ装置には、コイルを軸部およびコーナー部にできるだけ近接させるとともにコイルが軸部とウェブ部とに接触しないようにするために、非導電性の部材からなる位置決めチップが複数箇所に取り付けられている。それぞれの位置決めチップは、焼き入れ処理時にはクランクシャフトの軸部と軸部両端のウェブ部に押し当てられ、コイルと軸部等の被焼き入れ部との間に一定の隙間が確保された状態のもとで、被焼き入れ部に対する焼き入れ処理が行われる。クランクシャフトの軸部を焼き入れる場合には、軸部の疲労強度向上のために、軸部両端とウェブ部との間のコーナー部も焼き入れ処理しており、コイルをできるだけコーナー部に近接させることが好ましい。
しかし、本来ならば軸部を囲むようにコイルを配置することが好ましいが、コイルと被焼き入れ部との直接接触を避けるために位置決めチップがコイルに組み込まれるので、コイルの有効長を短くしなければならず、急速加熱を阻害することになる。また、位置決めチップを設けるためにコイルは位置決めチップを避けるように巻回する必要があるので、位置決めチップに対して円周方向にコイルを分割して2つのコイルを一対として設けるようにダブルコイルタイプとすると、屈曲部つまり反転部が増えてコイルが複雑な形状になるだけでなく、屈曲部の存在によりコイルが無駄に長くなり、屈曲により電気抵抗および冷却水の通過抵抗が増大する。
上記特許文献1に記載されるように、コイルの内部に位置決めチップつまり絶縁性スペーサを組み込むようにすると、その位置決めチップでは軸部両端のウェブ部との間の隙間を確保することができないので、ウェブ部に押し当てられる位置決めチップをさらに設ける必要がある。
本発明の目的は、クランクシャフトのジャーナル部等の回転部材の軸部を被焼き入れ部として、被焼き入れ部を迅速に焼き入れ処理し得るようにすることにある。
本発明の高周波焼き入れ装置は、回転部材を回転させながら前記回転部材の軸部を被焼き入れ部として焼き入れ処理する高周波焼き入れ装置であって、前記被焼き入れ部の外周面に沿って円弧状に延びるとともにそれぞれの一端部で相互に連結され、前記被焼き入れ部の軸方向一方側に配置される一方側のコイル片と軸方向他方側に配置される他方側のコイル片とを有する第1のコイルと、前記被焼き入れ部の外周面に沿って円弧状に延びるとともにそれぞれの一端部で相互に連結され、前記被焼き入れ部の軸方向一方側に配置される一方側のコイル片と軸方向他方側に配置される他方側のコイル片とを有し、前記第1のコイルに前記被焼き入れ部を介して対向する第2のコイルと、前記第1のコイルの前記一方側のコイル片の外側に配置され、前記被焼き入れ部に接触する一方側の位置決めチップと、前記第1のコイルの前記他方側のコイル片の外側に、前記一方側の位置決めチップに対して円周方向に位相をずらして配置され、前記被焼き入れ部に接触する他方側の位置決めチップと、前記第2のコイルの前記一方側のコイル片の外側に配置され、前記被焼き入れ部に接触する一方側の位置決めチップと、前記第2のコイルの前記他方側のコイル片の外側に、前記第2のコイルの前記一方側の位置決めチップに対して円周方向に位相をずらして配置され、前記被焼き入れ部に接触する他方側の位置決めチップとを有することを特徴とする。
本発明の高周波焼き入れ装置は、前記第1のコイルの前記一方側の位置決めチップと前記他方側の位置決めチップとの円周方向の中間部であって、一方側のコイル片と他方側のコイル片との間から焼き入れ液を前記被焼き入れ部に吹き付ける第1の焼き入れ液供給ノズルと、前記第2のコイルの前記一方側の位置決めチップと前記他方側の位置決めチップとの円周方向の中間部であって、一方側のコイル片と他方側のコイル片との間から焼き入れ液を前記被焼き入れ部に吹き付ける第2の焼き入れ液供給ノズルとを有することを特徴とする。
本発明の高周波焼き入れ装置は、前記第1と第2のコイルへの通電による前記被焼き入れ部の加熱後、前記第1と第2の焼き入れ液供給ノズルから焼き入れ液を前記被焼き入れ部に吹き付ける際に、前記第1と第2のコイルを相互に離反させて前記被焼き入れ部と前記第1と第2のコイルとの間に焼き入れ液が流れる通路を形成することを特徴とする。
本発明の高周波焼き入れ装置は、前記第1のコイルの前記被焼き入れ部の外周面に沿う方向の端部外方に、前記被焼き入れ部に接触する端部側の位置決めチップを配置し、前記第2のコイルの前記被焼き入れ部の外周面に沿う方向の端部外方に、前記被焼き入れ部に接触する端部側の位置決めチップを配置することを特徴とする。
本発明の高周波焼き入れ装置は、前記第1と第2のコイルの前記被焼き入れ部の外周面に沿う方向の長さを、前記被焼き入れ部のほぼ半円に対応する長さとすることを特徴とする。
本発明の高周波焼き入れ装置は、前記回転部材はクランクシャフトであって前記軸部はクランクシャフトのジャーナル部であり、前記各々のコイル片は、断面ほぼV字形状または断面ほぼU字形状となった外側部と、これに接合される内側部とを有し、各コイル片の内側部のクランクシャフトのウェブ部側を反対側よりも肉厚としたことを特徴とする
本発明によれば、クランクシャフトのジャーナル部やピン部等の回転部材の軸部を被焼き入れ部として被焼き入れ部を加熱するコイルを第1と第2のコイルにより形成し、それぞれのコイルを軸部の一方側に対応する一方側のコイル片と軸部の他方側に対応する他方側のコイル片とにより形成し、それぞれのコイル片の外側に位置決めチップを配置するようにしたので、それぞれのコイルを1巻きのシングルタイプのコイルとすることができる。これにより、従来のように、位置決めチップに対して円周方向にコイルを分割して2つのコイルを一対として設ける必要がなく、反転部が1つのみとなるので、コイルを無駄に長くすることなく、電気抵抗および冷却水の通過抵抗を増大させることなく、所望の温度にまで短時間で迅速に被焼き入れ部を加熱することができる。
コイルへの通電により被焼き入れ部を所望の温度まで加熱した後に焼き入れ液を被焼き入れ部に吹き付ける際に、焼き入れ液をそれぞれのコイルのコイル片相互の隙間から吹き付けることができるので、焼き入れ液を被焼き入れ部全体に確実に供給することができ、焼き入れ品質を向上させることができる。焼き入れ液を吹き付ける際に、2つのコイルを相互に離反させることにより被焼き入れ部とそれぞれのコイルとの間に焼き入れ液が流れる通路を形成すると、より確実に被焼き入れ部全体に焼き入れ液を供給することができる。
位置決めチップをそれぞれのコイルに対して2つのコイル片の外側に配置するとともに、コイルの端部外方に配置するようにしても良い。位置決めチップをコイルの端部外方に配置することなく、それぞれのコイル片の外側に1つずつ配置し、1つのコイルに対して2つの位置決めチップを配置すると、それぞれのコイルの長さを被焼き入れ部のほぼ半円に対応する長さまで長くすることができ、短時間で被焼き入れ部を所望の温度まで加熱することができる。
また、クランクシャフトのジャーナル部の焼き入れに適用する場合は、各々のコイル片を、断面ほぼV字形状または断面ほぼU字形状となった外側部と、これに接合される内側部とにより構成し、各コイル片の内側部のクランクシャフトのウェブ部側を反対側よりも肉厚とすることで、ジャーナル部の端部つまりコーナー部に磁界を集中させて、強度上問題となるクランクシャフトのジャーナル部とウェブ部との間のコーナー部の焼き入れ性を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は高周波焼き入れ処理が行われる回転部材としてのクランクシャフトの一例を示す斜視図であり、このクランクシャフト10は、クランクケースとシリンダブロックとを有するエンジン本体に回転自在に支持され、往復動するピストンによって回転駆動される。クランクシャフト10は、軸部としてそれぞれ回転中心軸Oを中心として回転自在にエンジン本体に支持される複数のジャーナル部Jを有し、それぞれのジャーナル部Jにはウェブ部Wを介してピン部Pが一体となっている。このクランクシャフト10は、それぞれ回転中心軸Oから一定の距離だけ径方向に離れた4つのピン部Pを有し、軸方向の隣り合うピン部Pは回転方向に180度の位相でずれており、このクランクシャフト10は4気筒のエンジンに使用される。
図2は図1に示したクランクシャフト10のジャーナル部の表面を焼き入れ処理するための高周波焼き入れ装置を示す正面図であり、図3は図2に示された第1の焼き入れユニットの先端部を一部拡大して示す斜視図であり、図4は図2に示された第2の焼き入れユニットの先端部を一部拡大して示す斜視図であり、図5は図2に示された第1の焼き入れユニットを拡大して示す正面図であり、図6は図5における6−6線に沿う方向の拡大断面図であり、図7(A)はコイルを示す拡大正面図であり、図7(B)は図7(A)における7A−7A線に沿う方向の展開側面図である。
図2に示すように、この高周波焼き入れ装置は第1の焼き入れユニット11と第2の焼き入れユニット12とを有し、これらは相互に接近離反移動自在となっている。2つの焼き入れユニット11,12を相互に接近離反移動させるために、それぞれの焼き入れユニット11,12の図2における上端部は、相互にピンを中心に揺動自在に連結される図示しないアームの先端に取り付けられるようになっており、アームを開閉させることによって2つの焼き入れユニット11,12は相互に接近離反移動することになる。ただし、それぞれの焼き入れユニット11,12を直線往復動部材にそれぞれ取り付けることにより、2つの焼き入れユニット11,12を相互に接近離反移動させるようにしても良い。
第1の焼き入れユニット11は、図3に示すように、2枚のホルダープレート13a,13bを有しており、両方のホルダープレート13a,13bは図2に示すようにこれらの間に配置されるスペーサ14により間隔が設定されるとともに、スペーサ14を貫通するねじ部材15により相互に締結されている。第2の焼き入れユニット12も、図4に示すように、第1の焼き入れユニット11と同様に2枚のホルダープレート16a,16bを有し、スペーサ17により両方のホルダープレート16a,16bの間隔が設定されるとともにねじ部材18により相互に締結されている。
焼き入れユニット11のホルダープレート13a,13bの先端面は真っ直ぐな対向面21となっており、対向面21の中央部分には切り欠き部22が形成されている。同様に、焼き入れユニット12のホルダープレート16a,16bの先端面は真っ直ぐな対向面23となっており、対向面23の中央部分には切り欠き部24が形成されている。図2に示すように、ジャーナル部Jの表面を焼き入れ処理する際には、2つの焼き入れユニット11,12は、対向面21,23が相互に対向し、両方の切り欠き部22,24により形成されるスペースにクランクシャフト10のジャーナル部Jが入り込むことになる。
図2〜図4に示すように、焼き入れユニット11には第1のコイル31が取り付けられ、焼き入れユニット12には第2のコイル32が取り付けられている。第1のコイル31は焼き入れユニット11をクランクシャフト10に装着したときにジャーナル部Jの外周面に沿ってそれぞれ隙間を介して円弧状に延びる一方側のコイル片31aと他方側のコイル片31bとを有している。一方側のコイル片31aはホルダープレート13a側に配置され、他方側のコイル片31bはホルダープレート13b側に配置されており、両方のコイル片31a,31bはそれぞれの一端部つまり図3において下側端部で反転部31cにより相互に連結されている。
第2のコイル32は焼き入れユニット12をクランクシャフト10に装着したときにジャーナル部Jの外周面に沿ってそれぞれ隙間を介して円弧状に延びる一方側のコイル片32aと他方側のコイル片32bとを有している。一方側のコイル片32aはホルダープレート16a側に配置され、他方側のコイル片32bはホルダープレート16b側に配置されており、両方のコイル片32a,32bはそれぞれの一端部つまり図4における下側端部で反転部32cにより相互に連結されている。それぞれのコイル31,32は銅合金製の中空のパイプにより形成されており、内部には冷却液が流れる流路が形成されている。両方の焼き入れユニット11,12をクランクシャフト10に装着すると、第1と第2の2つのコイル31,32は、ジャーナル部Jに対して隙間をもってジャーナル部Jを介して相互に対向することになる。
第1のコイル31を構成する両方のコイル片31a,31bの他端部、つまり図3における上側端部にはそれぞれ銅合金製の給電用チューブ33a,33bが接続されており、図2に示すように、それぞれの給電用チューブ33a,33bは高周波供給用の電源ユニット34に電気的に接続されている。同様に、第2のコイル32を構成する両方のコイル片32a,32bの他端部、つまり図4における上側端部にはそれぞれ銅合金製の給電用チューブ35a,35bが接続されており、図2に示すように、それぞれの給電用チューブ35a,35bは高周波供給用の電源ユニット36に電気的に接続されている。
給電用チューブ33a,33bには第1のコイル31の流路に連通する流路が形成されており、それぞれの給電用チューブ33a,33bには図示しない冷却液供給ポンプが接続され、そのポンプから供給された冷却液が給電用チューブ33a,33bを介してそれぞれのコイル片31a,31bに供給されるようになっている。第1のコイル31の反転部31cには図2に示すように排出用チューブ37が接続されており、排出用チューブ37にはそれぞれのコイル片31a,31b内の流路に連通する流路が形成され、それぞれのコイル片31a,31bの内部を流れて第1のコイル31を冷却した後の冷却液は排出用チューブ37を介して外部に案内される。同様に、給電用チューブ35a,35bには第2のコイル32の流路に連通する流路が形成されており、それぞれの給電用チューブ35a,35bには図示しない冷却液供給ポンプが接続され、そのポンプから供給された冷却液が給電用チューブ35a,35bを介してそれぞれのコイル片32a,32bに供給されるようになっている。第2のコイル32の反転部32cには排出用チューブ38が接続されており、排出用チューブ38にはそれぞれのコイル片32a,32b内の流路に連通する排出流路が形成され、それぞれのコイル片32a,32bの内部を流れて第2のコイル32を冷却した後の冷却液は排出用チューブ38を介して外部に案内される。
図2に示すように、第1のコイル31の給電用チューブ33a,33bと排出用チューブ37にはそれぞれねじ部材41が取り付けられており、このねじ部材41をそれぞれスペーサ14に締結することによって第1のコイル31は2枚のホルダープレート13a,13bに固定されている。同様に、第2のコイル32の給電用チューブ35a,35bと排出用チューブ38にはそれぞれねじ部材42が取り付けられており、このねじ部材42をそれぞれスペーサ17に締結することによって第2のコイル32は2枚のホルダープレート16a,16bに固定されている。それぞれのねじ部材41,42は絶縁体43によりスペーサ14,17に対して絶縁させており、コイル31,32とそれぞれのホルダープレートとの電気的接続が防止されている。
図3に示すように、第1の焼き入れユニット11のホルダープレート13aの内側には、第1のコイル31の一方側のコイル片31aの外側に配置させて一方側の位置決めチップ25aが取り付けられている。また、ホルダープレート13bの内側には、他方側のコイル片31bの外側に配置させるとともに、一方側の位置決めチップ25aに対して円周方向に位相をずらして他方側の位置決めチップ25bが取り付けられている。同様に、図4に示すように、第2の焼き入れユニット12のホルダープレート16aの内側には、第2のコイル32の一方側のコイル片32aの外側に配置させて一方側の位置決めチップ26aが取り付けられ、ホルダープレート16bの内側には、他方側のコイル片32bの外側に配置させるとともに、一方側の位置決めチップ26aに対して円周方向に位相をずらして他方側の位置決めチップ26bが取り付けられている。したがって、図2に示すように両方の焼き入れユニット11,12をジャーナル部Jに装着すると、位置決めチップ25aは位置決めチップ26aに対向し、位置決めチップ25bは位置決めチップ26bに対向することになる。ただし、一方の焼き入れユニットにおける2つの位置決めチップの円周方向の位置を反転させると、それぞれの位置決めチップ25a〜26bは相互に対向しない食い違い状態となる。
第1のコイル31の一方側のコイル片31aには一方側の位置決めチップ25aを迂回するようにコイル31の内側に湾曲する湾曲部30aが形成され、他方側のコイル片31bにも他方側の位置決めチップ25bを迂回するようにコイル31の内側に湾曲する湾曲部30bが形成されており、それぞれの位置決めチップ25a,25bの外側面は、コイル片31a,31bの湾曲部30a,30b以外の外側面よりも僅かに外側に突出し、クランクシャフト10のウェブ部Wと第1のコイル31との接触が防止されている。同様に、第2のコイル32の一方側のコイル片32aには一方側の位置決めチップ26aを迂回するようにコイル32の内側に湾曲する湾曲部40aが形成され、他方側のコイル片32bにも他方側の位置決めチップ26bを迂回するように第2のコイル32の内側に湾曲する湾曲部40bが形成されており、それぞれの位置決めチップ26a,26bの外側面は、コイル片32a,32bの湾曲部40a,40b以外の外側面よりも僅かに外側に突出している。
このように、それぞれのコイル片31a,31b,32a,32bの外側に位置決めチップ25a〜26bを配置するようにすると、それぞれの焼き入れユニット11,12に設けられるコイル31,32を1巻きのコイル、つまりシングルタイプのコイルとすることができ、従来のように、位置決めチップに対してその円周方向の両側にコイルを配置し、2つのコイルにより一対のコイルを形成するようにしたダブルタイプの場合よりも、反転部が少なくなり、それぞれのコイル31,32を無駄に長くすることが防止され、電気抵抗および冷却水の通過抵抗を低減することができ、短時間で被焼き入れ部を加熱することができる。
第1の焼き入れユニット11のホルダープレート13a,13bの内面には、図3に示すように、第1のコイル31のジャーナル部Jの外周面に沿う方向の両端部の外方に位置させて、それぞれ端部側の位置決めチップ27a,27bが取り付けられている。2つの位置決めチップ27aはコイル31の一方の端部外方に配置され、2つの位置決めチップ27bはコイル31の他方の端部外方に配置されている。同様に、第2の焼き入れユニット12のホルダープレート16a,16bの内面には、図4に示すように、第2のコイル32のジャーナル部Jの外周面に沿う方向の両端部の外方に位置させて、それぞれ端部側の位置決めチップ28a,28bが取り付けられている。2つの位置決めチップ28aはコイル32の一方の端部外方に配置され、2つの位置決めチップ28bはコイル32の他方の端部外方に配置されている。
それぞれの位置決めチップ25a〜28bは、絶縁性の材料により形成され、ホルダープレート13a〜16bに対してねじ部材29により取り付けられており、2つの焼き入れユニット11,12をクランクシャフト10に装着したときにジャーナル部Jの回転中心軸Oに向かう方向に突出しており、ジャーナル部Jの外周面とその軸方向の端部に連なるウェブ部Wとに接触してそれぞれのコイル31,32がジャーナル部Jに直接接触することが防止される。これにより、コイル31,32の内周面とジャーナル部Jの外周面との間に僅かな隙間が形成される。
図2に破線で示すように、第1の焼き入れユニット11には第1の焼き入れ液供給ノズル44が取り付けられている。この焼き入れ液供給ノズル44は、第1のコイル31の一方側の位置決めチップ25aと他方側の位置決めチップ25bとの円周方向の中間位置であって、両方のコイル片31a,31bの間から焼き入れ液を被焼き入れ部としてのジャーナル部Jに吹き付ける。同様に、第2の焼き入れユニット12には第2の焼き入れ液供給ノズル45が取り付けられている。この焼き入れ液供給ノズル45は、第2のコイル32の一方側の位置決めチップ26aと他方側の位置決めチップ26bとの円周方向の中間位置であって、両方のコイル片32a,32bの間から焼き入れ液を被焼き入れ部としてのジャーナル部Jに吹き付ける。
第1の焼き入れ液供給ノズル44は、2つの位置決めチップ25a,25bの円周方向の中間であって両方のコイル片31a,31bの間から焼き入れ液を吹き付けるので、両方のコイル片31a,31bの間の隙間に入り込んだ焼き入れ液は図2において上下に円周方向に分流し、流通抵抗を受けることなく確実にジャーナル部Jの表面に分散して流れる。これにより、所望量の焼き入れ液を被焼き入れ部に確実に供給することができ、効果的に焼き入れ処理を行うことができる。第2の焼き入れ液供給ノズル45も同様の構造となっており、効果的に焼き入れ処理を行うことができる。
それぞれのコイル31,32に高周波電流を供給すると、電磁誘導によりコイル31,32により生成される磁界によってジャーナル部Jに渦電流が発生し、そのジュール熱によりジャーナル部Jの表面は加熱される。コイル31,32に複数枚の珪素鋼板を積層して形成される磁界集中部材を組み込むと、コイル31,32により生成されて被加熱部に向けられる磁界強度を高めることができ、その結果、被加熱部に発生される誘導渦電流を高めて発熱温度を高めることができる。
図2および図3に示すように、第1のコイル31の一方側のコイル片31aには磁界集中部材46が2つ設けられており、それぞれの磁界集中部材46はコイル31の両端部側に配置されている。他方側のコイル片31bにも同様の磁界集中部材46が一方側のコイル片31aに設けられた磁界集中部材46に対応させて設けられている。図2および図4に示すように、第2のコイル32の一方側のコイル片32aにも磁界集中部材46が2つ設けられており、それぞれの磁界集中部材46はコイル32の両端部側に配置されている。他方側のコイル片32bにも同様の磁界集中部材46が一方側のコイル片32aに設けられた磁界集中部材46に対応させて設けられている。
図8は磁界集中部材46が設けられた部分におけるコイル31の拡大断面図であり、磁界集中部材46はそれぞれのコイル片31a,31bの内側面を覆うとともに、コイル片31a,31bの一部を覆っている。コイル32に設けられる磁界集中部材46についても同様に、コイル片32a,32bの一部を覆うようになっている。なお、図8において、磁界集中部材46を構成する積層された珪素鋼板の1枚がハッチングを付して示されている。
次に、上述した高周波焼き入れ装置により図1に示すクランクシャフト10のそれぞれのジャーナル部Jを焼き入れ処理する手順について説明すると、クランクシャフト10を図示しない回転装置に取り付けた状態のもとで、図2に示す高周波焼き入れ装置を図2に示すようにジャーナル部Jを囲むようにクランクシャフト10に装着する。
それぞれのジャーナル部Jの全てを同時に焼き入れ処理する場合には、それぞれのジャーナル部Jに対応させて5台の高周波焼き入れ装置がクランクシャフト10に装着され、1台の高周波焼き入れ装置により全てのジャーナル部を焼き入れ処理する場合には1箇所のジャーナル部に対する焼き入れ処理が終了したら順次高周波焼き入れ装置をクランクシャフト10の軸方向に移動させて順次各々のジャーナル部を処理することになる。
焼き入れ処理を行う際には、第1と第2のコイル31,32をジャーナル部Jに対して隙間を介して相互に対向させた状態のもとで、それぞれのコイル31,32内の流路に冷却液を供給し、クランクシャフト10を回転させながら、それぞれのコイル31,32に電力を供給する。コイル31,32に電力を供給しながらクランクシャフト10を複数回回転させると、ジャーナル部Jの外周面は全体的にほぼ均一な所望の温度にまで加熱される。加熱工程が終了した後には、焼き入れ液供給ノズル44,45から焼き入れ液をジャーナル部Jの表面にクランクシャフト10を回転させた状態のもとで吹き付ける。このときには、それぞれの位置決めチップ25a〜28bをジャーナル部Jに突き当てた状態としてもよく、両方の焼き入れユニット11,12を僅かに離反させてコイル31,32とジャーナル部Jの表面との間に通電時よりも大きな焼き入れ液用の通路を形成するようにしても良い。このように通路を形成することによって焼き入れ液が円滑にジャーナル部Jの表面に沿って流れて、焼き入れ性を向上させることができる。
図9は本発明の他の実施の形態である高周波焼き入れ装置を示す正面図であり、図10は図9に示された第1の焼き入れユニットを示す拡大正面図であり、図11(A)は図10における11A−11A線に沿う展開図であり、図11(B)は図10における11B−11B線に沿う断面図であり、図11(C)は図11(A)における11C−11C線に沿う断面図であり、図12(A)はコイルを示す拡大正面図であり、図12(B)は図12(A)における12B−12B線に沿う側面図である。これらの図においては、前述した焼き入れ装置における部材と共通する部材には、同一の符号が付されている。
図9および図11(B)に示すように、第1の焼き入れユニット11の先端面には、対向面21の上下両端部に位置させて突起部51が対向面21よりも突出して設けられており、それぞれの突起部51に対応させて第2の焼き入れユニット12の先端部には突起部51が入り込む凹部を有する噛み合い部52が設けられている。したがって、両方の焼き入れユニット11,12をクランクシャフト10のジャーナル部Jに装着すると、突起部51が噛み合い部52の凹部に入り込んでこれらの噛み合いによって両方のユニット11,12が連結される。図示する場合には、突起部51がユニット11のホルダープレート13a,13bの間に設けられ、噛み合い部52がユニット12のホルダープレート16a,16bの間に設けられているが、突起部51をユニット12に設け、噛み合い部52をユニット11に設けるようにしても良い。
図9に示す高周波焼き入れ装置においては、上述した高周波焼き入れ装置における図3および図4に示した位置決めチップ27a,27b,28a,28bは設けられておらず、第1の焼き入れユニット11にはホルダープレート13a側とホルダープレート13b側とに相互に円周方向に位相をずらして位置決めチップ25a,25bが1つずつ設けられており、第2の焼き入れユニット12にもホルダープレート16a側とホルダープレート16b側とに相互に円周方向に位相をずらして位置決めチップ26a,26bが1つずつ設けられている。したがって、高周波焼き入れ装置をジャーナル部Jに装着すると、合計4つの位置決めチップ25a,25b,26a,26bがジャーナル部Jの外周面に押し当てられることになる。
このように、それぞれのコイル31,32の両端部の外方には図3および図4に示した位置決めチップ27a,27b,28a,28bが設けられていないので、その部分にまでコイル31,32の円周面方向、つまりジャーナル部Jの外周面に沿う方向の長さを上述した高周波焼き入れ装置よりも長くすることができる。このように、2つのユニット11,12をジャーナル部Jに装着したときに、両方のコイル31,32が直接接触しない程度まで長くすることによって、それぞれのコイル31,32の長さをほぼ半円に近い長さにまで設定することができるので、上述した高周波焼き入れ装置よりもコイル31,32により生成される磁界の強度が高められ、短時間で所望の温度まで被焼き入れ部を加熱することができる。
コイル31,32の長さはほぼ半円に近い長さに設定されるので、焼き入れユニット11における2つの位置決めチップ25a,25bの相互間の距離、および焼き入れユニット12における2つの位置決めチップ26a,26bの相互間の距離は、上述した高周波焼き入れ装置よりも大きく設定されている。図9に示すように両方の焼き入れユニット11,12をジャーナル部Jに装着すると、位置決めチップ25aは位置決めチップ26aに対向し、位置決めチップ25bは位置決めチップ26bに対向することになるが、一方の焼き入れユニットにおける2つの位置決めチップの円周方向の位置を反転させて、それぞれの位置決めチップ25a〜26bを相互に対向しない食い違い状態となるようにしても良い。
図9に示すように、第1の焼き入れユニット11には磁界集中部材46がそれぞれのコイル片31a,31bの長手方向中央部に2つの位置決めチップ25a,25bの間に位置させて配置されており、第2の焼き入れユニット12には磁界集中部材46がそれぞれのコイル片32a,32bの長手方向中央部に2つの位置決めチップ26a,26bの間に位置させて配置されている。第1の焼き入れユニット11における焼き入れ液供給ノズル44の先端は、上述した高周波焼き入れ装置と相違して2つの噴出口44a,44bに分岐しており、それぞれの噴出口44a,44bは位置決めチップ25a,25bとオーバーラップしている。同様に、第2の焼き入れユニット12における焼き入れノズル45の先端は、2つの噴出口45a,45bに分岐しており、それぞれの噴出口45a,45bは位置決めチップ26a,26bとオーバーラップしている。
図13(A),(B)はそれぞれ磁界集中部材46が設けられた部分におけるコイル31の拡大断面図である。図13(A)に示すように、それぞれのコイル片31a,31bは断面ほぼV字形状の外側部53と、これに接合される内側部54とを有しており、磁界集中部材46はコイル片31a,31bの外側部53の外周面全体を覆うようにそれぞれのコイル片31a,31bに設けられている。コイル片31a,31bの内側部54のウェブ部W側は反対側よりも肉厚となっており、ジャーナル部Jの端部つまりコーナー部に磁界を集中させるようにしている。これにより、強度上問題となるクランクシャフト10のジャーナル部Jとウェブ部Wとの間のコーナー部の焼き入れ性を向上することができる。すなわち、コイル片31a,31bの内側部54を被焼き入れ部に対する加熱温度に応じて厚みを変化させることにより、必要部分に磁界強度を高めることができる。
図13(B)に示すコイル片31a,31bは、断面ほぼU字形状となった外側部53と、これに接合される内側部54とを有しており、磁界集中部材46はコイル片31a,31bの外側部53の外周面全体を覆うようにそれぞれのコイル片31a,31bに設けられている。図13(B)に示すコイル片31a,31bも図13(A)と同様に、内側部54のウェブ部W側は反対側よりも肉厚となっており、ジャーナル部Jの端部つまりコーナー部に磁界を集中させるようにしている。なお、図13(A),(B)は、それぞれ第1のコイル31の構造とコイル31に装着される磁界集中部材46を示すが、第2のコイル32およびこれに装着される磁界集中部材46についても同様とすることができる。
このように、コイル31,32を断面ほぼV字形状ないしU字形状の外側部53と肉厚の内側部54とにより形成し、内側部54を被焼き入れ部であるジャーナル部Jに対向させることにより、コイル31,32により生成される磁界強度を高めるとともに、コーナー部に磁界を集中させ、強度上問題となるクランクシャフト10のジャーナル部Jとウェブ部Wとの間のコーナー部の焼き入れ性を向上することができる。なお、図2に示す高周波焼き入れ装置におけるそれぞれのコイル31,32および磁界集中部材46についても、図8に示す構造に代えて図13に示す構造としても良い。
この高周波焼き入れ装置においても、上述した場合と同様の手順によりジャーナル部Jを焼き入れ処理することができ、焼き入れ処理を行う際には、第1と第2のコイル31,32をジャーナル部Jに対して隙間を介して相互に対向させた状態のもとで、それぞれのコイル31,32内の流路に冷却液を供給し、クランクシャフト10を回転させながら、それぞれのコイル31,32に電力を供給する。加熱工程が終了した後には、焼き入れ液供給ノズル44,45の噴出口44a,44b,45a,45bから焼き入れ液をジャーナル部Jの表面にクランクシャフト10を回転させた状態のもとで吹き付ける。図9は両方の焼き入れユニット11,12を僅かに離反させてコイル31,32とジャーナル部Jの表面との間に焼き入れ液用の通路を形成した状態を示しており、このように、通路を形成することによって焼き入れ液が円滑にジャーナル部Jの表面に沿って流されることになる。ただし、それぞれの位置決めチップをジャーナル部Jに突き当てた状態のもとで焼き入れ液を吹き付けるようにしても良い。
上述したそれぞれの高周波焼き入れ装置は、軸部として図1に示したジャーナル部Jを焼き入れ処理するために適用されているが、図1に示したクランクシャフトのピン部Pの表面を焼き入れ処理するためにも適用することができる。ただし、ピン部Pの外径はジャーナル部Jの外径よりも小径となっているので、それぞれのコイル31,32の円弧形状の曲率半径は、図示したコイル31,32の曲率半径よりも小さい値に設定される。しかも、ピン部Pを焼き入れ処理する際には、クランクシャフト10を回転させるとともに、クランクシャフトの回転に伴うピン部Pのジャーナル部Jに対する公転移動に対応させて2つの焼き入れユニット11,12を公転移動させることになる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、図1は4気筒エンジン用のクランクシャフト10を示すが、6気筒用等の他のエンジン用のクランクシャフトに対してもジャーナル部やピン部等のように、断面が円形である部材であれば、どのような部材の軸部にも焼き入れ処理することができる。また、回転部材はクランクシャフトに限定されない。
高周波焼き入れ処理が行われる回転部材としてのクランクシャフトの一例を示す斜視図である。 図1に示したクランクシャフトのジャーナル部の表面を焼き入れ処理するための高周波焼き入れ装置を示す正面図である。 図2に示された第1の焼き入れユニットの先端部を一部拡大して示す斜視図である。 図2に示された第2の焼き入れユニットの先端部を一部拡大して示す斜視図である。 図2に示された第1の焼き入れユニットを拡大して示す正面図である。 図5における6−6線に沿う方向の拡大断面図である。 (A)はコイルを示す拡大正面図であり、(B)は(A)における7B−7B線に沿う方向の展開側面図である。 磁界集中部材が設けられた部分におけるコイルの拡大断面図である。 本発明の他の実施の形態である高周波焼き入れ装置を示す正面図である。 図9に示された第1の焼き入れユニットを示す拡大正面図である。 (A)は図10における11A−11A線に沿う展開図であり、(B)は図10における11B−11B線に沿う断面図であり、(C)は図11(A)における11C−11C線に沿う断面図である。 (A)はコイルを示す拡大正面図であり、(B)は図12(A)における12B−12B線に沿う側面図である。 (A),(B)はそれぞれ磁界集中部材が設けられた部分におけるコイルの拡大断面図である。
符号の説明
10 クランクシャフト(回転部材)
11 第1の焼き入れユニット
12 第2の焼き入れユニット
13a,13b ホルダープレート
16a,16b ホルダープレート
25a〜28b 位置決めチップ
30a,30b 湾曲部
31 第1のコイル
31a 一方側のコイル片
31b 他方側のコイル片
32 第2のコイル
32a 一方側のコイル片
32b 他方側のコイル片
40a,40b 湾曲部
44 第1の焼き入れ液供給ノズル
45 第2の焼き入れ液供給ノズル
44a,44b,45a,45b 噴出口
46 磁界集中部材

Claims (6)

  1. 回転部材を回転させながら前記回転部材の軸部を被焼き入れ部として焼き入れ処理する高周波焼き入れ装置であって、
    前記被焼き入れ部の外周面に沿って円弧状に延びるとともにそれぞれの一端部で相互に連結され、前記被焼き入れ部の軸方向一方側に配置される一方側のコイル片と軸方向他方側に配置される他方側のコイル片とを有する第1のコイルと、
    前記被焼き入れ部の外周面に沿って円弧状に延びるとともにそれぞれの一端部で相互に連結され、前記被焼き入れ部の軸方向一方側に配置される一方側のコイル片と軸方向他方側に配置される他方側のコイル片とを有し、前記第1のコイルに前記被焼き入れ部を介して対向する第2のコイルと、
    前記第1のコイルの前記一方側のコイル片の外側に配置され、前記被焼き入れ部に接触する一方側の位置決めチップと、
    前記第1のコイルの前記他方側のコイル片の外側に、前記一方側の位置決めチップに対して円周方向に位相をずらして配置され、前記被焼き入れ部に接触する他方側の位置決めチップと、
    前記第2のコイルの前記一方側のコイル片の外側に配置され、前記被焼き入れ部に接触する一方側の位置決めチップと、
    前記第2のコイルの前記他方側のコイル片の外側に、前記第2のコイルの前記一方側の位置決めチップに対して円周方向に位相をずらして配置され、前記被焼き入れ部に接触する他方側の位置決めチップとを有することを特徴とする高周波焼き入れ装置。
  2. 請求項1記載の高周波焼き入れ装置において、前記第1のコイルの前記一方側の位置決めチップと前記他方側の位置決めチップとの円周方向の中間部であって、一方側のコイル片と他方側のコイル片との間から焼き入れ液を前記被焼き入れ部に吹き付ける第1の焼き入れ液供給ノズルと、前記第2のコイルの前記一方側の位置決めチップと前記他方側の位置決めチップとの円周方向の中間部であって、一方側のコイル片と他方側のコイル片との間から焼き入れ液を前記被焼き入れ部に吹き付ける第2の焼き入れ液供給ノズルとを有することを特徴とする高周波焼き入れ装置。
  3. 請求項2記載の高周波焼き入れ装置において、前記第1と第2のコイルへの通電による前記被焼き入れ部の加熱後、前記第1と第2の焼き入れ液供給ノズルから焼き入れ液を前記被焼き入れ部に吹き付ける際に、前記第1と第2のコイルを相互に離反させて前記被焼き入れ部と前記第1と第2のコイルとの間に焼き入れ液が流れる通路を形成することを特徴とする高周波焼き入れ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波焼き入れ装置において、前記第1のコイルの前記被焼き入れ部の外周面に沿う方向の端部外方に、前記被焼き入れ部に接触する端部側の位置決めチップを配置し、前記第2のコイルの前記被焼き入れ部の外周面に沿う方向の端部外方に、前記被焼き入れ部に接触する端部側の位置決めチップを配置することを特徴とする高周波焼き入れ装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の高周波焼き入れ装置において、前記第1と第2のコイルの前記被焼き入れ部の外周面に沿う方向の長さを、前記被焼き入れ部のほぼ半円に対応する長さとすることを特徴とする高周波焼き入れ装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の高周波焼き入れ装置において、前記回転部材はクランクシャフトであって前記軸部はクランクシャフトのジャーナル部であり、前記各々のコイル片は、断面ほぼV字形状または断面ほぼU字形状となった外側部と、これに接合される内側部とを有し、各コイル片の内側部のクランクシャフトのウェブ部側を反対側よりも肉厚としたことを特徴とする高周波焼き入れ装置。
JP2007011036A 2007-01-22 2007-01-22 高周波焼き入れ装置 Pending JP2008174815A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007011036A JP2008174815A (ja) 2007-01-22 2007-01-22 高周波焼き入れ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007011036A JP2008174815A (ja) 2007-01-22 2007-01-22 高周波焼き入れ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008174815A true JP2008174815A (ja) 2008-07-31

Family

ID=39702038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007011036A Pending JP2008174815A (ja) 2007-01-22 2007-01-22 高周波焼き入れ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008174815A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013023725A (ja) * 2011-07-20 2013-02-04 Toyota Motor Corp クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波誘導加熱コイル
JP2019133818A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 富士電子工業株式会社 高周波誘導加熱装置の加熱コイル体のスペーサ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013023725A (ja) * 2011-07-20 2013-02-04 Toyota Motor Corp クランクシャフトの高周波焼入方法及び高周波誘導加熱コイル
JP2019133818A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 富士電子工業株式会社 高周波誘導加熱装置の加熱コイル体のスペーサ
JP7082793B2 (ja) 2018-01-31 2022-06-09 富士電子工業株式会社 高周波誘導加熱装置の加熱コイル体のスペーサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10648052B2 (en) Induction hardening apparatus, induction hardening method, induction heating coil, heat treatment apparatus, and heat treatment method
JP5985141B2 (ja) 誘導加熱コイル、熱処理装置、及び熱処理方法
JP3061648B2 (ja) 誘導硬化装置
JP2008174815A (ja) 高周波焼き入れ装置
KR20110110317A (ko) 복잡한 형상의 워크피스의 유도 열처리
JP2008214698A (ja) 高周波焼き入れ装置及び方法
US9885094B2 (en) Single shot inductor for heat treatment of closely spaced multiple eccentric cylindrical components arranged along the longitudinal axis of a workpiece
JP5089109B2 (ja) クランクシャフトの高周波焼戻方法及びこの方法に用いる高周波誘導加熱装置
JP6445282B2 (ja) 誘導加熱コイル
JP3676972B2 (ja) クランクシャフトの高周波焼入冷却方法とその装置
JP6017195B2 (ja) クランクシャフトの焼き入れ装置
JP4101722B2 (ja) カムシャフトの高周波誘導加熱装置
JP2007523992A (ja) 誘導加熱焼入れ装置
JP6290714B2 (ja) カムシャフトの誘導加熱装置、並びに、カムシャフトの誘導加熱方法
JPH10330833A (ja) 異なる輪郭を持つカム軸誘導硬化装置及び方法
JP7082793B2 (ja) 高周波誘導加熱装置の加熱コイル体のスペーサ
JP4851661B2 (ja) クランクシャフトの高周波焼入装置
JP2013023740A (ja) 高周波誘導加熱コイル及び高周波誘導加熱方法
JP2004156088A (ja) クランクシャフト平焼入用の高周波誘導加熱コイル
CN102952925B (zh) 一种凸轮加热淬火感应器
JP2004043919A (ja) 肉厚に変動がある円筒部材及びシリンダブロックの誘導加熱焼戻装置
JP2004225081A (ja) クランクシャフトの高周波焼入方法及び装置
JP5886992B2 (ja) 誘導加熱焼入装置及び誘導加熱焼入方法
JP2004277821A (ja) クランクシャフトの高周波焼入焼戻装置及びその装置に用いられる高周波焼戻コイル体
JP2004238724A (ja) クランクシャフトの高周波誘導加熱コイル