JP2008174639A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Yosuke Suzuki
洋介 鈴木
Shuichi Fukutani
修一 福谷
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】黒色度を改善して、タイヤの外観を向上させるタイヤ用ゴム組成物及び当該組成物を使用したタイヤを提供する。
【解決手段】ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック10〜100重量部と、群青0.1〜10重量部とを配合したタイヤ用ゴム組成物。ジエン系ゴムが天然ゴム及び/又はイソプレンゴム20〜80重量部と、ブタジエンゴム及び/又はスチレンブタジエンゴム80〜20重量部とからなる該タイヤ用ゴム組成物。また、当該組成物を使用したタイヤ。
【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物に関し、更に詳細には、黒色度を改善して、タイヤの外観を向上させるタイヤ用ゴム組成物に関する。
従来、補強性、耐摩耗性を改良し、ウェット制動性及び低燃費性並びに対ガス透過性を向上させた特定のグラフト化ジエン系ゴムに対してカーボンブラックを含むタイヤ用ゴム組成物において、他の配合剤の一として任意に群青等の着色剤が配合されてもよいことが以下の特許文献1に開示され、また、カーボンブラックを配合しない耐候性ジエン系ゴム組成物に対して、着色剤として群青等が配合されてもよいこと、あるいは、カーボンブラックを配合しない自己発光性ジエン系ゴム組成物に対して、着色剤として群青等を配合して美しい蓄光性の青色ゴム組成物を得ることなどが、以下の特許文献2及び3に開示されている。しかしながら、上記特許文献1に係る技術は、カーボンブラックを含むジエン系ゴムに対して特定量の群青を配合することによって黒色タイヤの外観を向上させるものではないし、また、上記特許文献2及び3に係る技術は、カーボンブラックを含む通常の黒色タイヤの外観を向上させるものでもない。
特開2004−2625号公報 特開2000−143895号公報 特開2003−49021号公報
本発明では、通常の黒色タイヤを形成するカーボンブラックを一定量含むジエン系ゴム組成物に対して、当該カーボンブラックと共に特定量の群青を配合することによって、諸物性を損なうことなく黒色度を改善して、外観を向上させ、もってタイヤの商品性を高めることを目的とする。
よって、本発明によれば、ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック10〜100重量部と、群青0.1〜10重量部とを配合したタイヤ用ゴム組成物が提供される。
本発明者は、商品としての黒色タイヤの外観を向上させ、また経年変化による黒色度の落ち込みの少ないタイヤを得るべく鋭意検討していたところ、この度、一定量のカーボンブラックと共に特定量の群青を配合することで、かかる目的を達成することができることを見出したものである。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いられるジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、各種ブタジエンゴム(BR)、各種スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン−ブタジエン共重合体ゴムなどが挙げられる。これらのジエン系ゴムは単独で、あるいは二種以上のブレンドゴムとして使われる。かかるジエン系ゴムは、本発明のタイヤ用ゴム組成物では、これをタイヤトレッド部あるいはタイヤサイドウォール部に用いるときには、特に、NR及び/又はIR20〜80重量部とBR及び/又はSBR80〜20重量部のブレンドゴムとして使われることが好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に配合使用されるカーボンブラックは、10〜100重量部の量で使用される。本発明のタイヤ用ゴム組成物に配合して用いられるカーボンブラックとしては特に限定されるものではなく、タイヤ用に用いられているカーボンブラックであれば使用できる。当該カーボンブラックの配合量としては、当該ジエン系ゴム100重量部に対して、10〜100重量部、好ましくは20〜100重量部の量で配合される。かかるカーボンブラックの配合量が10重量部未満であると、本発明における所期の効果が発揮されず、逆に100重量部を超えると、発熱が高くなり低燃費性が不十分となるので好ましくない。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に配合使用される群青としては、その製造条件により多くの異性体が得られるが、一般式:NaxALxSi(12-x)24・Nayzで示される群青のうち、特に、Na6Al6Si6244として示される含硫黄ナトリウム−アルミノシリケートが好適に使用される。かかる群青は、ジエン系ゴム100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜7重量部の量で配合される。この配合量が、0.1重量部未満では初期の効果が発揮できないので好ましくなく、逆に10重量部を超えると黒色の輝度及び色差が低下するので好ましくない。
本発明に係るタイヤ用ゴム組成物には、更に、その他シリカなどの補強性充填剤、通常の加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、その他タイヤゴム用に配合されている各種配合剤を配合することができ、かかる配合剤は、一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫または架橋することができる。これら配合剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例および比較例によって本発明を更に説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
試験サンプルの作製
表1に示す配合(重量部)に従って、硫黄及び加硫促進剤を除く各配合成分を1.7Lの密閉式バンバリーミキサーに装填して5分間混合し、当該ゴムを混合機外に放出して室温まで冷却した後、オープンロールミキサーにて、硫黄と加硫促進剤を配合、混合してゴム組成物を得た。次いで、このゴム組成物を15cm×15cm×0.2cmの金型中で、160℃、20分間プレス加硫して試験サンプル(ゴムシート)を作製し、以下の各試験に供した。
試験方法
1)破断強度:JIS K 6251に準拠して、JIS3号ダンベルにて2mm厚のゴムシートを打抜き、500mm/分の引張速度の条件下で、引張強さ(Ts)を測定した。数値が大きい程、破断強度が良好であることを示す。
2)切断時伸び:JIS K6251に準拠して、JIS3号ダンベルにて2mm厚のゴムシートを打ち抜き、500mm/分の引張速度の条件下で切断時伸び(EB)を測定した。数値が大きい程、切断時伸びが良好であることを示す。
3)発熱性:JIS K6394に準拠して、(株)東洋精機製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪=10%、振幅=±2%、周波数=20Hzの条件下でtanδ(60℃)を測定した。数値が小さい程、発熱性が小さく良好であることを示す。
4)L*値及びb*値:スガ試験機製カラーテスター H−CT型を用いて、加硫ゴムシートの色度を3回測定して、その算術平均値を求めた。L*値は、数値が小なる程、輝度が小さい(黒色度が高い)ことを示し、b*値は、数値が小なる程、色差が小さい(黒色度が高い)ことを示す。
実施例1〜2及び比較例1〜2
結果を、以下の表1に示す。
Figure 2008174639
表1の結果から、所定量のカーボンブラックと共に所定量の群青を配合した実施例1〜2のゴム組成物では、ゴム物性を悪化させないで、黒色度が向上していることが分る。
よって、本発明のゴム組成物は、例えば、これをタイヤトレッドあるいはタイヤサイドウォール用ゴム組成物として利用すれば新品時から廃品時に至るまで外観のよいタイヤが得られ、極めて有用である。

Claims (3)

  1. ジエン系ゴム100重量部に対して、カーボンブラック10〜100重量部と、群青0.1〜10重量部とを配合したタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記ジエン系ゴムが天然ゴム及び/又はイソプレンゴム20〜80重量部と、ブタジエンゴム及び/又はスチレンブタジエンゴム80〜20重量部とからなる、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のタイヤ用ゴム組成物を使用したタイヤ。
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