JP2008174523A - メルカプト基含有シラン化合物の製造方法および製造中間体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、メルカプト基含有シラン化合物の製造方法および製造中間体に関する。
従来、メルカプト基含有シラン化合物を製造する方法としては、ハロゲン化オルガニルシラン化合物とアルカリ金属硫化水素化物とを反応させる方法が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、この方法は、(1)反応温度が高い、(2)反応時間が長い、(3)副生成物であるジスルフィドが生成する、(4)強塩基性条件下で塩を取り除くために蒸留が必要である、というように工業的には不利な方法である。
特開平4−261188号公報
本発明の課題は、有機−無機複合材料などとして有用なメルカプト基含有シラン化合物の工業的に有利な製造方法および製造中間体を提供することにある。
本発明は、下記に示すとおりのメルカプト基含有シラン化合物の製造方法および製造中間体を提供するものである。
項1. 一般式(1);
項1. 一般式(1);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。R4はメチル基またはエチル基を示す。mは1〜6であり、nは0または1である。)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物を、還元剤または塩基と反応させることを特徴とする一般式(2);
(式中、R1〜R3、mおよびnは前記と同様である。)で表されるメルカプト基含有シラン化合物の製造方法(工程(e))。
項2. 一般式(1);
項2. 一般式(1);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。R4はメチル基またはエチル基を示す。mは1〜6であり、nは0または1である。)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物が、一般式(3);
(式中、R1〜R3、mおよびnは前記と同様である。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン含有シラン化合物と、一般式(4);
(式中、R4は前記と同様である。Mは水素原子またはアルカリ金属を示す。)で表されるチオカルボン酸またはそのアルカリ金属塩とを反応させることにより得られることを特徴とする項1に記載の方法(工程(d))。
項3. 一般式(3);
項3. 一般式(3);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。Xはハロゲン原子を示す。mは1〜6であり、nは0または1である。)で表されるハロゲン含有シラン化合物が、一般式(5);
(式中、Xおよびnは前記と同様である。pは0〜4である。)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物または一般式(6);
(式中、Xは前記と同様である。)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物と、一般式(7);
(式中、R1〜R3は前記と同様である。)で表されるシラン化合物とを触媒の存在下で反応させることにより得られることを特徴とする項2に記載の方法(工程(c))。
項4. 一般式(3);
項4. 一般式(3);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。Xはハロゲン原子を示す。mは1〜6であり、nは0または1である。)で表されるハロゲン含有シラン化合物が、一般式(5);
(式中、Xおよびnは前記と同様である。pは0〜4である。)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物または一般式(6);
(式中、Xは前記と同様である。)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物と、一般式(8);
(式中、R5〜R7はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基またはハロゲン原子を示す。ただし、R5〜R7の少なくとも1つはハロゲン原子である。)で表されるシラン化合物とを触媒の存在下で反応させ、次いで、一般式(9);
(式中、R8は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)で表されるアルコールと反応させることにより得られることを特徴とする項2に記載の方法(工程(c’))。
項5. 一般式(3);
項5. 一般式(3);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。Xはハロゲン原子を示す。mは1〜6であり、nは0である。)で表されるハロゲン含有シラン化合物が、一般式(10);
(式中、R1〜R3およびmは前記と同様である。)で表されるアルケニル基含有シラン化合物とハロゲンとを、有機溶媒中で反応させることにより得られることを特徴とする項2に記載の方法(工程(b))。
項6. 一般式(10);
項6. 一般式(10);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。mは1〜6である。)で表されるアルケニル基含有シラン化合物が、一般式(11);
(式中、qは1〜4である。)で表されるビスアルケニル化合物と、一般式(7);
(式中、R1〜R3は前記と同様である。)で表されるシラン化合物とを触媒の存在下で反応させることにより得られることを特徴とする項5に記載の方法(工程(a))。
項7. 一般式(10);
項7. 一般式(10);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。mは1〜6である。)で表されるアルケニル基含有シラン化合物が、一般式(11);
(式中、qは1〜4である。)で表されるビスアルケニル化合物と、一般式(8);
(式中、R5〜R7はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基またはハロゲン原子を示す。ただし、R5〜R7の少なくとも1つはハロゲン原子である。)で表されるシラン化合物とを触媒の存在下で反応させ、次いで、一般式(9);
(式中、R8は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)で表されるアルコールと反応させることにより得られることを特徴とする項5に記載の方法(工程(a’))。
項8. 還元剤が水素化ホウ素ナトリウムまたはヒドラジンであることを特徴とする項1に記載の方法。
項9. 塩基がエチレンジアミンであることを特徴とする項1に記載の方法。
項10. 一般式(1);
項8. 還元剤が水素化ホウ素ナトリウムまたはヒドラジンであることを特徴とする項1に記載の方法。
項9. 塩基がエチレンジアミンであることを特徴とする項1に記載の方法。
項10. 一般式(1);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。R4はメチル基またはエチル基を示す。mは1〜6であり、nは0または1である。)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物。
項11. 一般式(3);
項11. 一般式(3);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。Xはハロゲン原子を示す。mは1〜6であり、nは0または1である。)で表されるハロゲン含有シラン化合物。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、説明の便宜上、上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物から上記一般式(10)で表されるアルケニル基含有シラン化合物を得る工程を工程(a)または工程(a’)とし、上記一般式(10)で表されるアルケニル基含有シラン化合物から上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物を得る工程を工程(b)とし、上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物または上記一般式(6)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物から上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物を得る工程を工程(c)または工程(c’)とし、上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物から上記一般式(1)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物を得る工程を工程(d)とし、上記一般式(1)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物から上記一般式(2)で表されるメルカプト基含有シラン化合物を得る工程を工程(e)とする。
次式は、これらの工程の関係を示す式である。
以下、本発明を工程毎に説明する。
[工程(a)]
工程(a)においては、一般式(11);
工程(a)においては、一般式(11);
(式中、qは1〜4である。)で表されるビスアルケニル化合物と、一般式(7);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。)で表されるシラン化合物とを触媒の存在下で反応させることにより、一般式(10);
(式中、R1〜R3は前記と同様である。mは1〜6である。)で表されるアルケニル基含有シラン化合物が得られる。
上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物としては、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエンなどが挙げられる。
上記一般式(7)で表されるシラン化合物としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、エトキシジメチルシラン、ジエトキシメチルシランなどが挙げられる。使用量は、上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物1モルに対して、0.5〜10モルが好ましく、0.5〜2モルがより好ましい。
用いる触媒としては、塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液が好ましい。使用量は、上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物1モルに対して、0.0000001〜1モルが好ましく、0.000001〜0.001モルがより好ましい。イソプロピルアルコールは、塩化白金酸1gに対して、10〜100gが好ましく、20〜50gがより好ましい。
反応温度としては、0〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。
反応時間としては、1分〜48時間が好ましく、10分〜24時間がより好ましい。
[工程(a’)]
工程(a’)においては、一般式(11);
工程(a’)においては、一般式(11);
(式中、qは1〜4である。)で表されるビスアルケニル化合物と、一般式(8);
(式中、R5〜R7はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基またはハロゲン原子を示す。ただし、R5〜R7の少なくとも1つはハロゲン原子である。)で表されるシラン化合物とを触媒の存在下で反応させ、次いで、一般式(9);
(式中、R8は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)で表されるアルコールと反応させることにより、一般式(10);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。mは1〜6である。)で表されるアルケニル基含有シラン化合物が得られる。
上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物としては、上記工程(a)と同様である。
上記一般式(8)で表されるシラン化合物としては、トリクロロシラン、ジクロロメチルシラン、クロロジメチルシランなどが挙げられる。使用量は、上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物1モルに対して、0.5〜10モルが好ましく、0.5〜2モルがより好ましい。
用いる触媒およびその使用量は、上記工程(a)と同様である。
反応温度および反応時間は、上記工程(a)と同様である。
アルコキシ化で用いる上記一般式(9)で表されるアルコールとしては、メタノール、エタノールが挙げられる。アルコールの使用量は、上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物1モルに対して、1〜5モルが好ましい。
アルコキシ化は、ピリジン、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で行うことが好ましい。塩基の使用量は、上記一般式(9)で表されるアルコールと等モルであることが好ましい。
[工程(b)]
工程(b)においては、一般式(10);
工程(b)においては、一般式(10);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。mは1〜6である。)で表されるアルケニル基含有シラン化合物とハロゲンとを、有機溶媒中で反応させることにより、一般式(3);
(式中、R1〜R3およびmは前記と同様である。Xはハロゲン原子を示す。nは0である。)で表されるハロゲン含有シラン化合物が得られる。
使用するハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、塩素、臭素が好ましい。ハロゲンの使用量は、上記一般式(10)で表されるアルケニル基含有シラン化合物1モルに対して、1〜10モルが好ましく、1〜5モルがより好ましい。
使用する有機溶媒は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などが挙げられるが、ヘキサン、ヘプタン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素が好ましい。有機溶媒の使用量は、上記一般式(10)で表されるアルケニル基含有シラン化合物1gに対して、1〜50mlが好ましく、1〜25mlがより好ましい。
反応温度としては、―50℃〜各有機溶媒の沸点の範囲が好ましい。
反応時間としては、1分〜48時間が好ましく、30分〜24時間がより好ましい。
[工程(c)]
工程(c)においては、一般式(5);
工程(c)においては、一般式(5);
(式中、Xはハロゲン原子を示す。nは0または1であり、pは0〜4である。)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物または一般式(6);
(式中、Xは前記と同様である。)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物と、一般式(7);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。)で表されるシラン化合物とを触媒の存在下で反応させることにより、一般式(3);
(式中、R1〜R3、Xおよびnは前記と同様である。mは1〜6である。)で表されるハロゲン含有シラン化合物が得られる。
上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物としては、3,4−ジクロロ−1−ブテン、4,5−ジクロロ−1−ペンテン、5,6−ジクロロ−1−ヘキセン、6,7−ジクロロ−1−ヘプテン、7,8−ジクロロ−1−オクテン、8,9−ジクロロ−1−ノネン、9,10−ジクロロ−1−デセン、3,4−ジブロモ−1−ブテン、4,5−ジブロモ−1−ペンテン、5,6−ジブロモ−1−ヘキセン、6,7−ジブロモ−1−ヘプテン、7,8−ジブロモ−1−オクテン、8,9−ジブロモ−1−ノネン、9,10−ジブロモ−1−デセンなどが挙げられる。
上記一般式(6)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物としては、3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン、3−ブロモ−2−クロロメチル−1−プロペン、3−クロロ−2−ブロモメチル−1−プロペン、3−ブロモ−2−ブロモメチル−1−プロペンなどが挙げられる。
上記一般式(7)で表されるシラン化合物としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、エトキシジメチルシラン、ジエトキシメチルシランなどが挙げられる。使用量は、上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物または上記一般式(6)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物1モルに対して、0.5〜10モルが好ましく、0.5〜2モルがより好ましい。
用いる触媒としては、塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液が好ましい。使用量は、上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物または上記一般式(6)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物1モルに対して、0.0000001〜1モルが好ましく、0.000001〜0.001モルがより好ましい。イソプロピルアルコールは、塩化白金酸1gに対して、10〜100gが好ましく、20〜50gがより好ましい。
反応温度としては、0〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。
反応時間としては、1分〜48時間が好ましく、10分〜24時間がより好ましい。
[工程(c’)]
工程(c’)においては、一般式(5);
工程(c’)においては、一般式(5);
(式中、Xはハロゲン原子を示す。nは0または1であり、pは0〜4である。)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物または一般式(6);
(式中、Xは前記と同様である。)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物と、一般式(8);
(式中、R5〜R7はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基またはハロゲン原子を示す。ただし、R5〜R7の少なくとも1つはハロゲン原子である。)で表されるシラン化合物とを触媒の存在下で反応させ、次いで、一般式(9);
(式中、R8は炭素数1〜2のアルキル基を示す。)で表されるアルコールと反応させることにより、一般式(3);
(式中、R1〜R3、Xおよびnは前記と同様である。mは1〜6である。)で表されるハロゲン含有シラン化合物が得られる。
上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物としては、上記工程(c)と同様である。
上記一般式(6)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物としては、上記工程(c)と同様である。
上記一般式(8)で表されるシラン化合物としては、トリクロロシラン、ジクロロメチルシラン、クロロジメチルシランなどが挙げられる。使用量は、上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物または上記一般式(6)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物1モルに対して、0.5〜10モルが好ましく、0.5〜2モルがより好ましい。
用いる触媒およびその使用量は、上記工程(c)と同様である。
反応温度および反応時間は、上記工程(c)と同様である。
アルコキシ化で用いる上記一般式(9)で表されるアルコールとしては、メタノール、エタノールが挙げられる。アルコールの使用量は、上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物または上記一般式(6)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物1モルに対して、1〜5モルが好ましい。
アルコキシ化は、ピリジン、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で行うことが好ましい。塩基の使用量は、上記一般式(9)で表されるアルコールと等モルであることが好ましい。
[工程(d)]
工程(d)においては、一般式(3);
工程(d)においては、一般式(3);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。Xはハロゲン原子を示す。mは1〜6であり、nは0または1である。)で表されるハロゲン含有シラン化合物と、一般式(4);
(式中、R4はメチル基またはエチル基を示し、Mは水素原子またはアルカリ金属を示す。)で表されるチオカルボン酸またはそのアルカリ金属塩とを反応させることにより、一般式(1);
(式中、R1〜R4、mおよびnは前記と同様である。)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物が得られる。
上記一般式(4)で表されるチオカルボン酸またはそのアルカリ金属塩としては、チオ酢酸、チオ安息香酸などのチオカルボン酸、または、これらのカリウム塩、ナトリウム塩などのアルカリ金属塩が挙げられ、チオ酢酸カリウムを使用するのが好ましい。チオカルボン酸またはそのアルカリ金属塩の使用量は、上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物1モルに対して、1〜10モルが好ましく、1〜5モルがより好ましい。
使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられるが、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。反応溶媒の使用量は、上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物1gに対して、1〜30mlが好ましく、1〜15mlがより好ましい。
反応温度としては、0℃〜各溶媒の沸点の範囲が好ましい。
反応時間としては、10分〜10時間が好ましく、30分〜5時間がより好ましい。
[工程(e)]
工程(e)においては、一般式(1);
工程(e)においては、一般式(1);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。R4はメチル基またはエチル基を示す。mは1〜6であり、nは0または1である。)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物を、還元剤または塩基と反応させることにより、一般式(2);
(式中、R1〜R3、mおよびnは前記と同様である。)で表されるメルカプト基含有シラン化合物が得られる。
使用する還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、リチウムアルミニウムハイドライド、ヒドラジン、蟻酸、ジイミド、アルデヒドなどが挙げられるが、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジンが好ましい。還元剤の使用量は、上記一般式(1)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物1モルに対して、0.5〜8モルが好ましく、1〜4モルがより好ましい。
使用する塩基としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、モルホリン、ジメチルアミン、ジエチルアミンなどのアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属などが挙げられるが、アンモニア、エチレンジアミンが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。塩基の使用量は、上記一般式(1)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物1モルに対して、0.5〜8モルが好ましく、1〜4モルがより好ましい。
使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類、水などが挙げられるが、メタノール、エタノールが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。反応溶媒の使用量は、上記一般式(1)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物1gに対して、1〜30mlが好ましく、2〜20mlがより好ましい。
反応温度としては、0℃〜各溶媒の沸点の範囲が好ましく、0〜50℃がより好ましい。
反応時間としては、10分〜10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
本発明によれば、有機−無機複合材料などとして有用なメルカプト基含有シラン化合物を、効率よく製造することができ、工業的に有利である。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
実施例1 1−(トリエトキシシリル)−3,4−ブタンジチオールの製造
工程(c’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(5)で表される3,4−ジクロロ−1−ブテン(1.3g、10.0mmol)に加え、60℃まで昇温した。その後、トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点100〜103℃/7hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−(トリクロロシリル)−3,4−ジクロロブタン(1.9g、収率74.0%:3,4−ジクロロ−1−ブテン基準)を得た。
工程(c’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(5)で表される3,4−ジクロロ−1−ブテン(1.3g、10.0mmol)に加え、60℃まで昇温した。その後、トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点100〜103℃/7hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−(トリクロロシリル)−3,4−ジクロロブタン(1.9g、収率74.0%:3,4−ジクロロ−1−ブテン基準)を得た。
得られた1−(トリクロロシリル)−3,4−ジクロロブタン(1.9g、7.4mmol)にヘキサン(15ml)を加え、撹拌しながら5〜7℃まで冷却した。そこに、エタノール(1.0g、22.2mmol)とピリジン(1.8g、22.2mmol)の混合液を滴下した。滴下終了後、ピリジン塩酸塩を濾過することにより取り除いた。その後、減圧濃縮することにより、一般式(3)で表される1−(トリエトキシシリル)−3,4−ジクロロブタン(2.1g、収率99.3%:1−(トリクロロシリル)−3,4−ジクロロブタン基準)を得た。
工程(d):
得られた1−(トリエトキシシリル)−3,4−ジクロロブタン(2.1g、7.4mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミド(7.4ml)を加えて撹拌した。そこに、チオ酢酸カリウム(1.9g、16.3mmol)を、10分かけて分割添加した。添加した後に、30〜40℃で5時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(7.4ml)を加え、水(14.8ml)で洗浄し、さらに水(7.4ml)で1回洗浄を行った後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(1)で表される1−(トリエトキシシリル)−3,4−ジチオアセチルブタン(2.4g、収率89.3%:1−(トリエトキシシリル)−3,4−ジクロロブタン基準)を得た。
得られた1−(トリエトキシシリル)−3,4−ジクロロブタン(2.1g、7.4mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミド(7.4ml)を加えて撹拌した。そこに、チオ酢酸カリウム(1.9g、16.3mmol)を、10分かけて分割添加した。添加した後に、30〜40℃で5時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(7.4ml)を加え、水(14.8ml)で洗浄し、さらに水(7.4ml)で1回洗浄を行った後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(1)で表される1−(トリエトキシシリル)−3,4−ジチオアセチルブタン(2.4g、収率89.3%:1−(トリエトキシシリル)−3,4−ジクロロブタン基準)を得た。
工程(e):
得られた1−(トリエトキシシリル)−3,4−ジチオアセチルブタン(2.4g、6.6mmol)に、エタノール(13.2ml)を加えて撹拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.5g、14.5mmol)を、30分かけて添加した。添加した後に、30〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(6.6ml)を加え、水(13.2ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される1−(トリエトキシシリル)−3,4−ブタンジチオール(1.6g、収率84.3%:1−(トリエトキシシリル)−3,4−ジチオアセチルブタン基準、通算収率55.6%:3,4−ジクロロ−1−ブテン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.81(6H、q、J=7.2Hz)、2.82−2.80(1H、m)、2.79−2.71(2H、m)、1.91−1.80(1H、m)、1.65−1.56(3H、m)、1.21(9H、t、J=7.2Hz)、0.88−0.78(1H、m)、0.70−0.60(1H、m)。
得られた1−(トリエトキシシリル)−3,4−ジチオアセチルブタン(2.4g、6.6mmol)に、エタノール(13.2ml)を加えて撹拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.5g、14.5mmol)を、30分かけて添加した。添加した後に、30〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(6.6ml)を加え、水(13.2ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される1−(トリエトキシシリル)−3,4−ブタンジチオール(1.6g、収率84.3%:1−(トリエトキシシリル)−3,4−ジチオアセチルブタン基準、通算収率55.6%:3,4−ジクロロ−1−ブテン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.81(6H、q、J=7.2Hz)、2.82−2.80(1H、m)、2.79−2.71(2H、m)、1.91−1.80(1H、m)、1.65−1.56(3H、m)、1.21(9H、t、J=7.2Hz)、0.88−0.78(1H、m)、0.70−0.60(1H、m)。
実施例2 1−(トリエトキシシリル)−5,6−ヘキサンジチオールの製造
工程(a’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(11)で表される1,5−ヘキサジエン(0.8g、10.0mmol)に加え、60℃まで昇温した。その後、トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点65〜68℃/10hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−(トリクロロシリル)−5−ヘキセン(1.0g、収率46.0%:1,5−ヘキサジエン基準)を得た。
工程(a’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(11)で表される1,5−ヘキサジエン(0.8g、10.0mmol)に加え、60℃まで昇温した。その後、トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点65〜68℃/10hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−(トリクロロシリル)−5−ヘキセン(1.0g、収率46.0%:1,5−ヘキサジエン基準)を得た。
得られた1−(トリクロロシリル)−5−ヘキセン(1.0g、4.6mmol)にヘキサン(10ml)を加え、撹拌しながら5〜7℃まで冷却した。そこに、エタノール(0.6g、13.8mmol)とピリジン(1.1g、13.8mmol)の混合液を滴下した。滴下終了後、ピリジン塩酸塩を濾過することにより取り除いた。その後、減圧濃縮することにより、一般式(10)で表される1−(トリエトキシシリル)−5−ヘキセン(1.1g、収率98.8%:1−(トリクロロシリル)−5−ヘキセン基準)を得た。
工程(b):
得られた1−(トリエトキシシリル)−5−ヘキセン(1.1g、4.5mmol)に、ヘプタン(9ml)を加えて0℃まで冷却し、10℃以下に保ちながら10分かけて臭素(0.8g、5.0mmol)を滴下した。滴下終了後、−5℃〜5℃で1時間反応させた。反応終了後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(4.6ml)で洗浄した後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(3)で表される1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジブロモヘキサン(1.7g、収率91.9%:1−(トリエトキシシリル)−5−ヘキセン基準)を得た。
得られた1−(トリエトキシシリル)−5−ヘキセン(1.1g、4.5mmol)に、ヘプタン(9ml)を加えて0℃まで冷却し、10℃以下に保ちながら10分かけて臭素(0.8g、5.0mmol)を滴下した。滴下終了後、−5℃〜5℃で1時間反応させた。反応終了後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(4.6ml)で洗浄した後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(3)で表される1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジブロモヘキサン(1.7g、収率91.9%:1−(トリエトキシシリル)−5−ヘキセン基準)を得た。
工程(d):
得られた1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジブロモヘキサン(1.7g、4.1mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミド(4.1ml)を加えて撹拌した。そこに、チオ酢酸カリウム(1.0g、9.1mmol)を、10分かけて分割添加した。添加した後に、20〜30℃で1時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(4.1ml)を加え、水(8.2ml)で洗浄し、さらに水(4.1ml)で1回洗浄を行った後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(1)で表される1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジチオアセチルヘキサン(1.6g、96.4%:1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジブロモヘキサン基準)を得た。
得られた1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジブロモヘキサン(1.7g、4.1mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミド(4.1ml)を加えて撹拌した。そこに、チオ酢酸カリウム(1.0g、9.1mmol)を、10分かけて分割添加した。添加した後に、20〜30℃で1時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(4.1ml)を加え、水(8.2ml)で洗浄し、さらに水(4.1ml)で1回洗浄を行った後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(1)で表される1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジチオアセチルヘキサン(1.6g、96.4%:1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジブロモヘキサン基準)を得た。
工程(e):
得られた1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジチオアセチルヘキサン(1.6g、4.0mmol)に、エタノール(13.2ml)を加えて撹拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.3g、8.8mmol)を、20分かけて添加した。添加した後に、30〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(4ml)を加え、水(8ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される1−(トリエトキシシリル)−5,6−ヘキサンジチオール(1.0g、収率82.6%:1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジチオアセチルヘキサン基準、通算収率33.0%:1,5−ヘキサジエン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.80(6H、q、J=6.8Hz)、2.90―2.82(1H、m)、2.80−2.65(2H、m)、1.80−1.70(1H、m)、1.68(1H、d、J=7.2Hz)、1.61(1H、t、J=8.4Hz)、1.59−1.38(5H、m)、1.21(9H、t、J=6.8Hz)、0.62(1H、t、J=7.6Hz)。
得られた1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジチオアセチルヘキサン(1.6g、4.0mmol)に、エタノール(13.2ml)を加えて撹拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.3g、8.8mmol)を、20分かけて添加した。添加した後に、30〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(4ml)を加え、水(8ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される1−(トリエトキシシリル)−5,6−ヘキサンジチオール(1.0g、収率82.6%:1−(トリエトキシシリル)−5,6−ジチオアセチルヘキサン基準、通算収率33.0%:1,5−ヘキサジエン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.80(6H、q、J=6.8Hz)、2.90―2.82(1H、m)、2.80−2.65(2H、m)、1.80−1.70(1H、m)、1.68(1H、d、J=7.2Hz)、1.61(1H、t、J=8.4Hz)、1.59−1.38(5H、m)、1.21(9H、t、J=6.8Hz)、0.62(1H、t、J=7.6Hz)。
実施例3 1−(トリエトキシシリル)−5−ヘキセンの製造
工程(a):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(11)で表される1,5−ヘキサジエン(0.8g、10.0mmol)に加え、60℃まで昇温した。その後、トリエトキシシラン(1.8g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で2時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点117〜128℃/8〜10hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−(トリエトキシシリル)−5−ヘキセン(0.2g、収率9.3%:1,5−ヘキサジエン基準)を得た。
工程(a):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(11)で表される1,5−ヘキサジエン(0.8g、10.0mmol)に加え、60℃まで昇温した。その後、トリエトキシシラン(1.8g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で2時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点117〜128℃/8〜10hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−(トリエトキシシリル)−5−ヘキセン(0.2g、収率9.3%:1,5−ヘキサジエン基準)を得た。
実施例4 1−(トリエトキシシリル)−7,8−オクタンジチオールの製造
工程(a’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(11)で表される1,7−オクタジエン(1.1g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後、トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点89〜92℃/6hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−(トリクロロシリル)−7−オクテン(1.1g、収率45.2%:1,7−オクタジエン基準)を得た。
工程(a’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(11)で表される1,7−オクタジエン(1.1g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後、トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点89〜92℃/6hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−(トリクロロシリル)−7−オクテン(1.1g、収率45.2%:1,7−オクタジエン基準)を得た。
得られた1−(トリクロロシリル)−7−オクテン(1.1g、4.5mmol)にヘキサン(11ml)を加え、撹拌しながら5〜7℃まで冷却した。そこに、エタノール(0.6g、13.5mmol)とピリジン(1.1g、13.5mmol)の混合液を滴下した。滴下終了後、ピリジン塩酸塩を濾過することにより取り除いた。その後、減圧濃縮することにより、一般式(10)で表される1−(トリエトキシシリル)−7−オクテン(1.2g、収率100.0%:1−(トリクロロシリル)−7−オクテン基準)を得た。
工程(b):
得られた1−(トリエトキシシリル)−7−オクテン(1.2g、4.5mmol)に、ヘプタン(9ml)を加えて0℃まで冷却し、10℃以下に保ちながら10分かけて臭素(0.8g、5.0mmol)を滴下した。滴下終了後、−5℃〜5℃で1時間反応させた。反応終了後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(4.6ml)で洗浄した後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(3)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジブロモオクタン(1.9g、収率99.7%:1−(トリエトキシシリル)−7−オクテン基準)を得た。
得られた1−(トリエトキシシリル)−7−オクテン(1.2g、4.5mmol)に、ヘプタン(9ml)を加えて0℃まで冷却し、10℃以下に保ちながら10分かけて臭素(0.8g、5.0mmol)を滴下した。滴下終了後、−5℃〜5℃で1時間反応させた。反応終了後、10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(4.6ml)で洗浄した後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(3)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジブロモオクタン(1.9g、収率99.7%:1−(トリエトキシシリル)−7−オクテン基準)を得た。
工程(d):
得られた1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジブロモオクタン(1.9g、4.5mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミド(4.5ml)を加えて撹拌した。そこに、チオ酢酸カリウム(1.1g、9.4mmol)を、10分かけて分割添加した。添加した後に、20〜30℃で1時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(4.5ml)を加え、水(9.0ml)で洗浄し、さらに水(4.5ml)で1回洗浄を行った後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(1)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン(1.6g、84.7%:1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジブロモオクタン基準)を得た。
得られた1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジブロモオクタン(1.9g、4.5mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミド(4.5ml)を加えて撹拌した。そこに、チオ酢酸カリウム(1.1g、9.4mmol)を、10分かけて分割添加した。添加した後に、20〜30℃で1時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(4.5ml)を加え、水(9.0ml)で洗浄し、さらに水(4.5ml)で1回洗浄を行った後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(1)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン(1.6g、84.7%:1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジブロモオクタン基準)を得た。
工程(e):
得られた1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン(1.6g、3.8mmol)に、エタノール(12.5ml)を加えて撹拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.3g、8.4mmol)を、20分かけて添加した。添加した後に、30〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(3.8ml)を加え、水(7.6ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−オクタンジチオール(1.1g、収率84.1%:1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン基準、通算収率32.1%:1,7−オクタジエン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.80(6H、q、J=6.8Hz)、2.94―2.81(1H、m)、2.80−2.65(2H、m)、1.79−1.70(1H、m)、1.67(1H、d、J=7.2Hz)、1.61(1H、t、J=8.4Hz)、1.51−1.20(9H、m)、1.21(9H、t、J=7.2Hz)、0.61(1H、t、J=8.0Hz)。
得られた1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン(1.6g、3.8mmol)に、エタノール(12.5ml)を加えて撹拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.3g、8.4mmol)を、20分かけて添加した。添加した後に、30〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(3.8ml)を加え、水(7.6ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−オクタンジチオール(1.1g、収率84.1%:1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン基準、通算収率32.1%:1,7−オクタジエン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.80(6H、q、J=6.8Hz)、2.94―2.81(1H、m)、2.80−2.65(2H、m)、1.79−1.70(1H、m)、1.67(1H、d、J=7.2Hz)、1.61(1H、t、J=8.4Hz)、1.51−1.20(9H、m)、1.21(9H、t、J=7.2Hz)、0.61(1H、t、J=8.0Hz)。
実施例5 3−メルカプト−2−メルカプトメチルプロピルトリエトキシシランの製造
工程(c’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(6)で表される3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン(1.3g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後、トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点126〜130℃/7hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリクロロシラン(1.8g、収率70.0%:3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン基準)を得た。
工程(c’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(6)で表される3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン(1.3g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後、トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点126〜130℃/7hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリクロロシラン(1.8g、収率70.0%:3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン基準)を得た。
得られた3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリクロロシラン(1.8g、7.0mmol)にヘキサン(15ml)を加え、撹拌しながら5〜7℃まで冷却した。そこに、エタノール(1.0g、21.0mmol)とピリジン(2.1g、21.0mmol)の混合液を滴下した。滴下終了後、ピリジン塩酸塩を濾過することにより取り除いた。その後、減圧濃縮することにより、一般式(3)で表される3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリエトキシシラン(2.0g、収率99.5%:3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリクロロシラン基準)を得た。
工程(d):
得られた3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリエトキシシラン(2.0g、7.0mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミド(7.0ml)を加えて撹拌した。そこに、チオ酢酸カリウム(1.7g、14.7mmol)を、10分かけて分割添加した。添加した後に、30〜40℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(7.0ml)、水(14.0ml)を加え、抽出した。さらに、水(7.4ml)で1回洗浄を行った後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(1)で表される3−チオアセチル−2−チオアセチルメチルプロピルトリエトキシシラン(2.3g、収率87.4%:3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリエトキシシラン基準)を得た。
得られた3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリエトキシシラン(2.0g、7.0mmol)に、N,N−ジメチルホルムアミド(7.0ml)を加えて撹拌した。そこに、チオ酢酸カリウム(1.7g、14.7mmol)を、10分かけて分割添加した。添加した後に、30〜40℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(7.0ml)、水(14.0ml)を加え、抽出した。さらに、水(7.4ml)で1回洗浄を行った後に、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(1)で表される3−チオアセチル−2−チオアセチルメチルプロピルトリエトキシシラン(2.3g、収率87.4%:3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリエトキシシラン基準)を得た。
工程(e):
得られた3−チオアセチル−2−チオアセチルメチルプロピルトリエトキシシラン(2.3g、6.1mmol)に、エタノール(12.2ml)を加えて撹拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.5g、12.8mmol)を、15分かけて添加した。添加した後に、40〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(6.0ml)を加え、水(12.1ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される3−メルカプト−2−メルカプトメチルプロピルトリエトキシシラン(1.5g、収率88.4%:3−チオアセチル−2−チオアセチルメチルプロピルトリエトキシシラン基準、通算収率53.8%:3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.82(6H、q、J=6.8Hz)、2.79―2.62(4H、m)、1.96−1.87(1H、m)、1.25−1.17(11H、m)、0.77(2H、d、J=7.2Hz)。
得られた3−チオアセチル−2−チオアセチルメチルプロピルトリエトキシシラン(2.3g、6.1mmol)に、エタノール(12.2ml)を加えて撹拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.5g、12.8mmol)を、15分かけて添加した。添加した後に、40〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(6.0ml)を加え、水(12.1ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される3−メルカプト−2−メルカプトメチルプロピルトリエトキシシラン(1.5g、収率88.4%:3−チオアセチル−2−チオアセチルメチルプロピルトリエトキシシラン基準、通算収率53.8%:3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.82(6H、q、J=6.8Hz)、2.79―2.62(4H、m)、1.96−1.87(1H、m)、1.25−1.17(11H、m)、0.77(2H、d、J=7.2Hz)。
実施例6 3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリエトキシシランの製造
工程(c):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(6)で表される3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン(1.3g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後、トリエトキシシラン(1.8g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点126〜130℃/7hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリエトキシシラン(1.4g、収率48.4%:3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン基準)を得た。
工程(c):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解した後、一般式(6)で表される3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン(1.3g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後、トリエトキシシラン(1.8g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点126〜130℃/7hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の3−クロロ−2−クロロメチルプロピルトリエトキシシラン(1.4g、収率48.4%:3−クロロ−2−クロロメチル−1−プロペン基準)を得た。
実施例7 1−(トリエトキシシリル)−7,8−オクタンジチオールの製造
工程(e):
一般式(1)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン(1.6g、3.8mmol)に、エタノール(12.5ml)を加えて撹拌した。そこに、ヒドラジン1水和物(0.4g、8.4mmol)を、5分かけて添加した。添加した後に、30〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(3.8ml)を加え、水(7.6ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−オクタンジチオール(0.9g、収率69.5%:1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン基準)を得た。
工程(e):
一般式(1)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン(1.6g、3.8mmol)に、エタノール(12.5ml)を加えて撹拌した。そこに、ヒドラジン1水和物(0.4g、8.4mmol)を、5分かけて添加した。添加した後に、30〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(3.8ml)を加え、水(7.6ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−オクタンジチオール(0.9g、収率69.5%:1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン基準)を得た。
実施例8 1−(トリエトキシシリル)−7,8−オクタンジチオールの製造
工程(e):
一般式(1)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン(1.6g、3.8mmol)に、エタノール(12.5ml)を加えて撹拌した。そこに、エチレンジアミン(0.5g、8.4mmol)を、5分かけて添加した。添加した後に、30〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(3.8ml)を加え、水(7.6ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−オクタンジチオール(0.4g、収率30.9%:1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン基準)を得た。
工程(e):
一般式(1)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン(1.6g、3.8mmol)に、エタノール(12.5ml)を加えて撹拌した。そこに、エチレンジアミン(0.5g、8.4mmol)を、5分かけて添加した。添加した後に、30〜50℃で2時間撹拌した。反応終了後、ヘキサン(3.8ml)を加え、水(7.6ml)で洗浄した後に有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される1−(トリエトキシシリル)−7,8−オクタンジチオール(0.4g、収率30.9%:1−(トリエトキシシリル)−7,8−ジチオアセチルオクタン基準)を得た。
Claims (11)
- 一般式(1);
- 一般式(3);
- 一般式(3);
- 一般式(10);
- 還元剤が水素化ホウ素ナトリウムまたはヒドラジンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 塩基がエチレンジアミンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007011747A JP2008174523A (ja) | 2007-01-22 | 2007-01-22 | メルカプト基含有シラン化合物の製造方法および製造中間体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007011747A JP2008174523A (ja) | 2007-01-22 | 2007-01-22 | メルカプト基含有シラン化合物の製造方法および製造中間体 |
Publications (1)
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---|---|
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ID=39701811
Family Applications (1)
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JP2007011747A Withdrawn JP2008174523A (ja) | 2007-01-22 | 2007-01-22 | メルカプト基含有シラン化合物の製造方法および製造中間体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008174523A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014108922A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Daiso Co Ltd | 有機珪素化合物の混合物およびゴム組成物 |
WO2014138113A2 (en) | 2013-03-04 | 2014-09-12 | President And Fellows Of Harvard College | 1,2-hydrosilylation of dienes |
EP3730499A1 (de) * | 2019-04-26 | 2020-10-28 | Continental Reifen Deutschland GmbH | Silan, kautschukmischung enthaltend das silan und fahrzeugreifen, der die kautschukmischung in wenigstens einem bauteil aufweist sowie verfahren zur herstellung des silans |
-
2007
- 2007-01-22 JP JP2007011747A patent/JP2008174523A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014108922A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Daiso Co Ltd | 有機珪素化合物の混合物およびゴム組成物 |
WO2014138113A2 (en) | 2013-03-04 | 2014-09-12 | President And Fellows Of Harvard College | 1,2-hydrosilylation of dienes |
EP3730499A1 (de) * | 2019-04-26 | 2020-10-28 | Continental Reifen Deutschland GmbH | Silan, kautschukmischung enthaltend das silan und fahrzeugreifen, der die kautschukmischung in wenigstens einem bauteil aufweist sowie verfahren zur herstellung des silans |
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