JP2008174535A - メルカプト基含有シラン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、メルカプト基含有シラン化合物の製造方法に関する。
従来、メルカプト基含有シラン化合物を製造する方法としては、ハロゲン化オルガニルシラン化合物とアルカリ金属硫化水素化物とを反応させる方法が知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、この方法は、(1)反応温度が高く、(2)反応時間が長く、(3)副生成物であるジスルフィドが生成する、(4)強塩基性条件下で塩を取り除くために蒸留が必要である、というように工業的には不利な方法である。
特開平4−261188号公報
本発明の課題は、有機−無機複合材料などとして有用なメルカプト基含有シラン化合物の工業的に有利な製造方法を提供することにある。
本発明は、下記に示すとおりのメルカプト基含有シラン化合物の製造方法を提供するものである。
項1. 一般式(1);
項1. 一般式(1);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。R4はメチル基またはエチル基を示す。A1は炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物を、還元剤または塩基と反応させることを特徴とする一般式(2);
(式中、R1〜R3、およびA1は前記と同様である。)で表されるメルカプト基含有シラン化合物の製造方法(工程(e))。
項2. 一般式(1);
項2. 一般式(1);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。R4はメチル基またはエチル基を示す。A1は炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物が、一般式(3);
(式中、R1〜R3、およびA1は前記と同様である。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン含有シラン化合物と、一般式(4);
(式中、R4は前記と同様でる。Mは水素原子またはアルカリ金属を示す。)で表されるチオカルボン酸またはそのアルカリ金属塩とを反応させることにより得られることを特徴とする項1に記載の方法(工程(d))。
項3. 一般式(3);
項3. 一般式(3);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。A1は炭素数1〜10のアルキレン基を示す。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン含有シラン化合物が、一般式(5);
(式中、Xは前記と同様である。A2は炭素数1〜8のアルキレン基を示す。)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物を、一般式(6);
(式中、R1〜R3は前記同様である。)で表されるシラン化合物とを触媒の存在下で反応させることにより得られることを特徴とする項2に記載の方法(工程(c))。
項4. 一般式(3);
項4. 一般式(3);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。A1は炭素数1〜10のアルキレン基を示す。Xはハロゲン原子を示す。)で表されるハロゲン含有シラン化合物が、一般式(5);
(式中、Xは前記と同様である。A2は炭素数1〜8のアルキレン基を示す。)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物と、一般式(7);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。R4はメチル基またはエチル基を示す。A1は炭素数1〜10のアルキレン基を示す。)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物が、一般式(9);
(式中、R1〜R3は前記と同様である。A3は炭素数2〜10のアルケニル基を示す。)で表されるアルケニル基含有シラン化合物と一般式(10);
(式中、R4は前記と同様である。)で表されるチオカルボン酸とを、有機溶媒中で反応させることにより得られることを特徴とする項1に記載の方法(工程(b))。
項6. 一般式(9);
項6. 一般式(9);
(式中、R1〜R3はそれぞれ独立して、炭素数1〜2のアルキル基または炭素数1〜2のアルコキシ基を示す。ただし、R1〜R3の少なくとも1つは炭素数1〜2のアルコキシ基である。A3は炭素数2〜10のアルケニル基を示す。)で表されるアルケニル基含有シラン化合物が、一般式(11);
(式中、A4は炭素数2〜8のアルケニル基を示す。)で表されるビスアルケニル化合物または一般式(12);
(式中、R9は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で表されるアルキン化合物を、一般式(6);
(式中、R1〜R3は前記と同様である。)で表されるシラン化合物とを触媒の存在下で反応させることにより得られることを特徴とする項2に記載の方法(工程(a))。
項7. 一般式(9);
項7. 一般式(9);
(式中、A4は炭素数2〜8のアルケニル基を示す。)で表されるビスアルケニル化合物または一般式(12);
(式中、R9は水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示す。)で表されるアルキン化合物を、一般式(7);
(式中、R8は炭素数1〜2のアルキル基をを示す。)で表されるアルコールと反応させることにより得られることを特徴とする項5に記載の方法(工程(a’))。
項8. 還元剤がヒドラジンまたは水素化ホウ素ナトリウムであることを特徴とする項1に記載の方法。
項9. 塩基がエチレンジアミンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
項8. 還元剤がヒドラジンまたは水素化ホウ素ナトリウムであることを特徴とする項1に記載の方法。
項9. 塩基がエチレンジアミンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、説明の便宜上、上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物から上記一般式(10)で表されるアルケニル基含有シラン化合物を得る工程(a)または工程(a’)とし、上記一般式(10)で表されるアルケニル基含有シラン化合物から上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物を得る工程を工程(b)とし、上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物または上記一般式(6)で表させるハロゲン含有アルケニル化合物から一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物を得る工程を工程(c)または工程(C’)とし、上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物から一般式(1)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物を得る工程を工程(d)とし、上記一般式(1)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物から上記一般式82)で表されるメルカプト基含有シラン化合物を得る工程を工程(e)とする。
なお、説明の便宜上、上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物から上記一般式(10)で表されるアルケニル基含有シラン化合物を得る工程(a)または工程(a’)とし、上記一般式(10)で表されるアルケニル基含有シラン化合物から上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物を得る工程を工程(b)とし、上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物または上記一般式(6)で表させるハロゲン含有アルケニル化合物から一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物を得る工程を工程(c)または工程(C’)とし、上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物から一般式(1)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物を得る工程を工程(d)とし、上記一般式(1)で表されるチオカルボニル基含有シラン化合物から上記一般式82)で表されるメルカプト基含有シラン化合物を得る工程を工程(e)とする。
次式は、これらの工程の関係を示す式である。
以下、本発明を工程毎に説明する。
[工程(a)、工程(a’)]
工程(a)、(a’)の上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物としては、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、などが挙げられる。
工程(a)、(a’)の上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物としては、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、などが挙げられる。
工程(a)、(a’)の上記一般式(12)で表されるアルキン化合物としては、アセチレン、プロピン、1−ブチン、1−ペンチン、1−ヘキシン、1−ヘプシン、1−オクチン、1−ノチン、1−デシンなどが挙げられる。
工程(a)の上記一般式(6)で表されるシラン化合物は、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、エトキシジメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン等が挙げられる。上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物、または上記一般式(12)で表されるアルキン化合物1モルに対して、0.5〜10モルが好ましく、0.5〜2モルが特に好ましい。
工程(a’)の上記一般式(7)で表されるシラン化合物は、トリクロロシラン、ジクロロメチルシラン、クロロジメチルシラン、ジクロロシラン等が挙げられる。上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物、または上記一般式(12)で表されるアルキン化合物1モルに対して、0.5〜10モルが好ましく、0.5〜2モルが特に好ましい。
工程(a)、(a’)で用いる触媒としては、塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液が好ましい。上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物、または上記一般式(12)で表されるアルキン化合物1モルに対して、0.0000001〜1モルが好ましく、特に0.000001〜0.001モルが好ましい。イソプロピルアルコールは、塩化白金酸1gに対し、10〜100gが好ましく、特に20〜50gが好ましい。
工程(a)、(a’)の反応温度としては、0〜150℃が好ましいが、0〜100℃が特に好ましい。
工程(a)、(a’)の反応時間は、1分〜48時間が好ましい。特に10分から〜24時間が特に好ましい。
工程(a’)のアルコキシ化で用いる上記一般式(8)で表されるアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール、エタノールが特に好ましい。アルコールの使用量は、上記一般式(11)で表されるビスアルケニル化合物、または上記一般式(12)で表されるアルキン化合物1モルに対し、1〜5モルが好ましい。
工程(a’)のアルコキシ化で使用する塩基としては、ピリジン、トリエチルアミンが好ましい。塩基の使用量は、上記一般式(8)で表されるアルコールと同じモルであることが好ましい。
[工程(a)]
工程(b)に使用するチオカルボン酸としては、チオ酢酸、チオプロピオン酸が挙げられるが、チオ酢酸が特に好ましい。チオカルボン酸の使用量は、上記一般式(9)で表されるアルケン含有シラン化合物1モルに対して、1〜10モルが好ましく、1〜5モルが特に好ましい。
工程(b)に使用するチオカルボン酸としては、チオ酢酸、チオプロピオン酸が挙げられるが、チオ酢酸が特に好ましい。チオカルボン酸の使用量は、上記一般式(9)で表されるアルケン含有シラン化合物1モルに対して、1〜10モルが好ましく、1〜5モルが特に好ましい。
工程(b)で使用する溶媒は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等が挙げられるが、特にヘキサン、ヘプタン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素が好ましい。反応溶媒の使用量は、上記一般式(9)で表されるアルケニル基含有シラン化合物1gに対して、1〜50mLが好ましく、1〜25mLがより好ましい。
工程(b)の反応温度としては、0℃〜各溶媒の沸点までが好ましい。
工程(b)の反応時間は、1分〜48時間が好ましい。特に5分から〜24時間が特に好ましい。
[工程(c)、(c’)]
工程(c)(c’)に使用する上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物としては、4−クロロ−1−ブテン、3−クロロ−1−ブテン、5−クロロ−1−ペンテン、4−クロロ−1−ペンテン、6−クロロ−1−ヘキセン、7−クロロ−1−ヘプテン、8−クロロ−1−オクテン、9−クロロ−1−ノネン、10−クロロ−1−デセン、4−ブロモ−1−ブテン、5−ブロモ−1−ペンテン、6−ブロモ−1−ヘキセン、7−ブロモ−1−ヘプテン、8−ブロモ−1−オクテン、9−ブロモ−1−ノネン、10−ブロモ−1−デセン、などが挙げられる。
工程(c)(c’)に使用する上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物としては、4−クロロ−1−ブテン、3−クロロ−1−ブテン、5−クロロ−1−ペンテン、4−クロロ−1−ペンテン、6−クロロ−1−ヘキセン、7−クロロ−1−ヘプテン、8−クロロ−1−オクテン、9−クロロ−1−ノネン、10−クロロ−1−デセン、4−ブロモ−1−ブテン、5−ブロモ−1−ペンテン、6−ブロモ−1−ヘキセン、7−ブロモ−1−ヘプテン、8−ブロモ−1−オクテン、9−ブロモ−1−ノネン、10−ブロモ−1−デセン、などが挙げられる。
工程(c)の上記一般式(6)で表されるシラン化合物は、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、エトキシジメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン等が挙げられる。上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物1モルに対して、0.5〜10モルが好ましく、0.5〜2モルが特に好ましい。
工程(c’)の上記一般式(7)で表されるシラン化合物は、トリクロロシラン、ジクロロメチルシラン、クロロジメチルシラン、ジクロロシラン等が挙げられる。上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物1モルに対して、0.5〜10モルが好ましく、0.5〜2モルが特に好ましい。
工程(c)、(c’)で用いる触媒としては、塩化白金酸のイソプロピルアルコール溶液が好ましい。上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物1モルに対して、0.0000001〜1モルが好ましく、特に0.000001〜0.001モルが好ましい。イソプロピルアルコールは、塩化白金酸1gに対し、10〜100gが好ましく、特に20〜50gが好ましい。
工程(c)、(c’)の反応温度としては、0〜150℃が好ましいが、0〜100℃が特に好ましい。
工程(c)、(c’)の反応時間は、1分〜48時間が好ましい。特に10分から〜24時間が特に好ましい。
工程(c’)のアルコキシ化で用いるアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール、エタノールが特に好ましい。アルコールの使用量は、上記一般式(5)で表されるハロゲン含有アルケニル化合物1モルに対し、1〜5モルが好ましい。
工程(c’)のアルコキシ化で使用する塩基としては、ピリジン、トリエチルアミンが好ましい。塩基の使用量は、上記一般式(8)で表されるアルコールと同じモルであることが好ましい。
[工程(d)]
工程(d)で使用する上記一般式(4)で表されるチオカルボン酸、またはそのアルカリ金属塩としては、チオ酢酸、チオ安息香酸または、これらのカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属塩が挙げられ、チオ酢酸カリウムを使用するのが好ましい。チオカルボン酸、またはそのアルカリ金属塩の使用量は、上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物1モルに対して、1〜10モルが好ましく、1〜5モルがより好ましい。
工程(d)で使用する上記一般式(4)で表されるチオカルボン酸、またはそのアルカリ金属塩としては、チオ酢酸、チオ安息香酸または、これらのカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属塩が挙げられ、チオ酢酸カリウムを使用するのが好ましい。チオカルボン酸、またはそのアルカリ金属塩の使用量は、上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物1モルに対して、1〜10モルが好ましく、1〜5モルがより好ましい。
工程(d)で使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられるが、N,N−ジメチルホルムアミドが特に好ましい。反応溶媒の使用量は、上記一般式(3)で表されるハロゲン含有シラン化合物1gに対して、1〜30mLが好ましく、1〜15mLが特に好ましい。
工程(d)の反応温度としては、0℃〜各溶媒の沸点までが好ましい。
工程(d)の反応時間は、10分〜10時間が好ましい。特に30分から〜5時間が特に好ましい。
[工程(e)]
工程(e)で使用する還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、リチウムアルミニウムハイドライド、ヒドラジン、蟻酸、ジイミド、アルデヒド等が挙げられるが、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。還元剤の使用量は上記一般式(1)で表されるジチオカルボニル基含有シラン化合物1モルに対して、0.5〜8モルが好ましく、1〜4モルがより好ましい。
工程(e)で使用する還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、リチウムアルミニウムハイドライド、ヒドラジン、蟻酸、ジイミド、アルデヒド等が挙げられるが、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。還元剤の使用量は上記一般式(1)で表されるジチオカルボニル基含有シラン化合物1モルに対して、0.5〜8モルが好ましく、1〜4モルがより好ましい。
工程(e)で使用する塩基としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、モルホリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン等のアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、またはこれら2種類以上を混合して用いることが出来るが、アンモニア、エチレンジアミンが特に好ましい。塩基の使用量は上記一般式(1)で表されるジチオカルボニル基含有シラン化合物1モルに対して、0.5〜8モルが好ましく、1〜4モルがより好ましい。
工程(e)で使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類、水、またはこれらの混合溶媒が挙げられるが、メタノール、エタノールが好ましい。反応溶媒の使用量は、上記一般式(1)の化合物1gに対して、1〜30mLが好ましく、2〜20mLがより好ましい。
工程(e)の反応温度としては、0℃から、各溶媒の沸点までが好ましいが、0〜50℃が特に好ましい。
工程(e)の反応時間としては、10分〜10時間が好ましいが、特に1時間〜5時間が好ましい。
本発明によれば、有機−無機複合材料などとして有用なメルカプト基含有シラン化合物を、効率よく製造することができ、工業的に有利である。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
実施例1 2−メルカプトエチルトリエトキシシランの製造
工程(b):
一般式(9)で表されるビニルトリエトキシシラン(70g、368mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解後、50℃まで昇温した。次にチオ酢酸(30.9g、405mmol)を35分かけて滴下し、2時間攪拌した。原料が消失したことを確認後、ジクロロメタンを濃縮することで、一般式(1)で表される2−チオアセチルエチルトリエトキシシラン(96.1g、収率98.0%=ビニルトリエトキシシラン基準)を得た。
工程(e):
2−チオアセチルエチルトリエトキシシラン(96.1g、361mmol)にエタノール(200mL)を加え攪拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(13.9g、367mmol)を53分かけて添加した。添加後30〜50℃で2時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン(200mL)を加え、水(100mL)で洗浄し、その後有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される2−メルカプトエチルトリエトキシシラン(72.7g、収率89.7%=2−チオアセチルエチルトリエトキシシラン基準、通算収率87.9%=ビニルトリエトキシシラン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.82(6H、q、J=6.8Hz)、2.65(2H、q、J=7.6Hz)、1.60(1H、t、J=7.6Hz)、1.21(9H、t、J=7.6Hz)、1.06−1.03(2H、m)
工程(b):
一般式(9)で表されるビニルトリエトキシシラン(70g、368mmol)をジクロロメタン(50mL)に溶解後、50℃まで昇温した。次にチオ酢酸(30.9g、405mmol)を35分かけて滴下し、2時間攪拌した。原料が消失したことを確認後、ジクロロメタンを濃縮することで、一般式(1)で表される2−チオアセチルエチルトリエトキシシラン(96.1g、収率98.0%=ビニルトリエトキシシラン基準)を得た。
工程(e):
2−チオアセチルエチルトリエトキシシラン(96.1g、361mmol)にエタノール(200mL)を加え攪拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(13.9g、367mmol)を53分かけて添加した。添加後30〜50℃で2時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン(200mL)を加え、水(100mL)で洗浄し、その後有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される2−メルカプトエチルトリエトキシシラン(72.7g、収率89.7%=2−チオアセチルエチルトリエトキシシラン基準、通算収率87.9%=ビニルトリエトキシシラン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.82(6H、q、J=6.8Hz)、2.65(2H、q、J=7.6Hz)、1.60(1H、t、J=7.6Hz)、1.21(9H、t、J=7.6Hz)、1.06−1.03(2H、m)
実施例2 8−メルカプトオクチルトリエトキシシランの合成
工程(a’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解後、一般式(11)で表される1,7−オクタジエン(1.1g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点89〜92℃/6hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−(トリクロロシリル)−7−オクテン(1.1g、収率45.2%=1,7−オクタジエン基準)を得た。
1−トリクロロシリル−7−オクテン(1.1g、4.5mmol)にヘキサン(11mL)を加え攪拌しながら5〜7℃まで冷却した。そこに、エタノール(0.6g、13.5mmol)とピリジン(1.1g、13.5mmol)の混合液を滴下した。滴下終了後、ピリジン塩酸塩を濾過することで、取り除いた。その後、減圧濃縮することで、一般式(10)で表される1−トリエトキシシリル−7−オクテン(1.2g、収率100.0%=1−(トリクロロシリル)−7−オクテン基準)を得た。
工程(b):
一般式(9)で表される、1−トリエトキシシリル−7−オクテン(1.2g、4.5mmol)をクロロホルム(5mL)に溶解後、50℃まで昇温した。次にチオ酢酸(0.37g、5.0mmol)を5分かけて滴下し、2時間攪拌した。原料が消失したことを確認後、クロロホルムを濃縮することで、一般式(1)で表される8−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン(1.6g、収率99.1%=1−トリエトキシシリル−7−オクテン基準)を得た。
工程(e):
8−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン(1.6g、4.5mmol)にエタノール(20mL)を加え攪拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.3g、5.9mmol)を7分かけて添加した。添加後30〜50℃で2時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン(20mL)を加え、水(10mL)で洗浄し、その後有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される8−メルカプトオクチルトリエトキシシラン(1.1g、収率83.4%=8−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン基準、通算収率37.4%=1,7−オクタジエン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.79(6H、q、J=7.2Hz)、2.50(2H、q、J=7.6Hz)、1.65−1.12(22H、m)、0.63−0.51(2H、m)
工程(a’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解後、一般式(11)で表される1,7−オクタジエン(1.1g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点89〜92℃/6hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−(トリクロロシリル)−7−オクテン(1.1g、収率45.2%=1,7−オクタジエン基準)を得た。
1−トリクロロシリル−7−オクテン(1.1g、4.5mmol)にヘキサン(11mL)を加え攪拌しながら5〜7℃まで冷却した。そこに、エタノール(0.6g、13.5mmol)とピリジン(1.1g、13.5mmol)の混合液を滴下した。滴下終了後、ピリジン塩酸塩を濾過することで、取り除いた。その後、減圧濃縮することで、一般式(10)で表される1−トリエトキシシリル−7−オクテン(1.2g、収率100.0%=1−(トリクロロシリル)−7−オクテン基準)を得た。
工程(b):
一般式(9)で表される、1−トリエトキシシリル−7−オクテン(1.2g、4.5mmol)をクロロホルム(5mL)に溶解後、50℃まで昇温した。次にチオ酢酸(0.37g、5.0mmol)を5分かけて滴下し、2時間攪拌した。原料が消失したことを確認後、クロロホルムを濃縮することで、一般式(1)で表される8−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン(1.6g、収率99.1%=1−トリエトキシシリル−7−オクテン基準)を得た。
工程(e):
8−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン(1.6g、4.5mmol)にエタノール(20mL)を加え攪拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.3g、5.9mmol)を7分かけて添加した。添加後30〜50℃で2時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン(20mL)を加え、水(10mL)で洗浄し、その後有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される8−メルカプトオクチルトリエトキシシラン(1.1g、収率83.4%=8−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン基準、通算収率37.4%=1,7−オクタジエン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.79(6H、q、J=7.2Hz)、2.50(2H、q、J=7.6Hz)、1.65−1.12(22H、m)、0.63−0.51(2H、m)
実施例3 2−チオアセチルヘキシルトリエトキシシランの合成
工程(a’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解後、上記一般式(12)で表される、1−ヘキシン(0.82g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点71〜75℃/6hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−トリクロロシリル−1−オクテン(1.2g、収率59.4%=1−ヘキシン基準)を得た。
1−トリクロロシリル−1−オクテン(1.3g、5.9mmol)にヘキサン(10mL)を加え攪拌しながら5〜7℃まで冷却した。そこに、エタノール(0.9g、17.7mmol)とピリジン(1.4g、17.7mmol)の混合液を滴下した。滴下終了後、ピリジン塩酸塩を濾過することで、取り除いた。その後、減圧濃縮することで、一般式(9)で表される1−トリエトキシシリル−1−オクテン(1.4g、収率96.6%=1−トリクロロシリル−1−オクテン基準)を得た。
工程(b):
一般式(9)で表される、1−トリエトキシシリル−1−オクテン(1.4g、5.7mmol)をクロロホルム(28mL)に加え、50℃まで昇温した。次にチオ酢酸(0.4g、6.3mmol)を5分かけて滴下し、2時間攪拌した。原料が消失したことを確認後、クロロホルムを濃縮することで、上記一般式(1)で表される、2−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン(1.8g、収率100.0%=1−トリエトキシシリル−7−オクテン基準)を得た。
工程(e):
2−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン(1.8g、5.7mmol)にエタノール(20mL)を加え攪拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.3g、6.8mmol)を7分かけて添加した。添加後30〜50℃で2時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン(20mL)を加え、水(10mL)で洗浄し、その後有機溶媒を留去した。その結果、上記一般式(2)で表される2−メルカプトオクチルトリエトキシシラン(1。4g、収率88.1%=2−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン基準、通算収率50.6%=1−ヘキシン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.88(6H、q、J=6.8Hz)、3.11−3.00(1H、m)、2.01−1.15(18H、m)、0.88(3H、t、J=6.8Hz)
工程(a’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解後、上記一般式(12)で表される、1−ヘキシン(0.82g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点71〜75℃/6hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の1−トリクロロシリル−1−オクテン(1.2g、収率59.4%=1−ヘキシン基準)を得た。
1−トリクロロシリル−1−オクテン(1.3g、5.9mmol)にヘキサン(10mL)を加え攪拌しながら5〜7℃まで冷却した。そこに、エタノール(0.9g、17.7mmol)とピリジン(1.4g、17.7mmol)の混合液を滴下した。滴下終了後、ピリジン塩酸塩を濾過することで、取り除いた。その後、減圧濃縮することで、一般式(9)で表される1−トリエトキシシリル−1−オクテン(1.4g、収率96.6%=1−トリクロロシリル−1−オクテン基準)を得た。
工程(b):
一般式(9)で表される、1−トリエトキシシリル−1−オクテン(1.4g、5.7mmol)をクロロホルム(28mL)に加え、50℃まで昇温した。次にチオ酢酸(0.4g、6.3mmol)を5分かけて滴下し、2時間攪拌した。原料が消失したことを確認後、クロロホルムを濃縮することで、上記一般式(1)で表される、2−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン(1.8g、収率100.0%=1−トリエトキシシリル−7−オクテン基準)を得た。
工程(e):
2−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン(1.8g、5.7mmol)にエタノール(20mL)を加え攪拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.3g、6.8mmol)を7分かけて添加した。添加後30〜50℃で2時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン(20mL)を加え、水(10mL)で洗浄し、その後有機溶媒を留去した。その結果、上記一般式(2)で表される2−メルカプトオクチルトリエトキシシラン(1。4g、収率88.1%=2−チオアセチルオクチルトリエトキシシラン基準、通算収率50.6%=1−ヘキシン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.88(6H、q、J=6.8Hz)、3.11−3.00(1H、m)、2.01−1.15(18H、m)、0.88(3H、t、J=6.8Hz)
実施例4 4−メルカプトブチルトリエトキシラン合成
工程(c’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解後、一般式(5)で表される、4−クロロ−1−ブテン(0.91g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点69〜73℃/6hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の4−クロロブチルトリクロロシラン(1.5g、収率68.3%=4−クロロ−1−ブテン基準)を得た。
4−クロロブチルトリクロロシラン(1.5g、6.8mmol)にヘキサン(10mL)を加え攪拌しながら5〜7℃まで冷却した。そこに、エタノール(0.9g、20.4mmol)とピリジン(1.6g、20.4mmol)の混合液を滴下した。滴下終了後、ピリジン塩酸塩を濾過することで、取り除いた。その後、減圧濃縮することで、一般式(3)で表される4−クロロブチルトリエトキシシラン(1.7g、収率96.0%=4−クロロブチルトリクロロシラン基準)を得た。
工程(d):
一般式(3)で表される4−クロロブチルトリエトキシシラン(1.7g、6.5mmol)にN,N−ジメチルホルムアミド(13mL)を加え攪拌した。そこに、チオ酢酸カリウム(0.8g、7.2mmol)を3分かけて分割添加した。添加後30〜40℃で2時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン(7.0mL)、水(14.0mL)を加え、抽出した。さらに水(7.4mL)で1回洗浄を行ってから、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(1)で表される4−チオアセチルブチルトリエトキシシラン(1.7g、収率88.3%=4−クロロブチルトリエトキシシラン基準)を得た。
工程(e):
4−チオアセチルブチルトリエトキシシラン(1.7g、5.7mmol)にエタノール(20mL)を加え攪拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.2g、6.4mmol)を5分かけて添加した。添加後30〜50℃で2時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン(20mL)を加え、水(10mL)で洗浄し、その後有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される4−メルカプトブチルトリエトキシシラン(1.4g、収率83.2%=4−チオアセチルブチルトリエトキシシラン基準、通算収率47.4%=1−ヘキシン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.80(6H、q、J=6.8Hz)、2.51(2H、q、J=7.6Hz)、1.68−1.42(4H、m)、1.30(1H、t、J=7.6Hz)、1.21(9H、t、J=7.6Hz)、0.63−0.59(2H、m)
工程(c’):
ヘキサクロロ白金酸六水和物(5.2mg、0.01mmol)をイソプロパノール(15mg)に溶解後、一般式(5)で表される、4−クロロ−1−ブテン(0.91g、10.0mmol)に加え、55℃まで昇温した。その後トリクロロシラン(1.5g、11.0mmol)を滴下した。滴下終了後、55〜65℃で1時間反応させた。反応終了後、減圧蒸留により沸点69〜73℃/6hpaの留分を分取した結果、無色透明液状の4−クロロブチルトリクロロシラン(1.5g、収率68.3%=4−クロロ−1−ブテン基準)を得た。
4−クロロブチルトリクロロシラン(1.5g、6.8mmol)にヘキサン(10mL)を加え攪拌しながら5〜7℃まで冷却した。そこに、エタノール(0.9g、20.4mmol)とピリジン(1.6g、20.4mmol)の混合液を滴下した。滴下終了後、ピリジン塩酸塩を濾過することで、取り除いた。その後、減圧濃縮することで、一般式(3)で表される4−クロロブチルトリエトキシシラン(1.7g、収率96.0%=4−クロロブチルトリクロロシラン基準)を得た。
工程(d):
一般式(3)で表される4−クロロブチルトリエトキシシラン(1.7g、6.5mmol)にN,N−ジメチルホルムアミド(13mL)を加え攪拌した。そこに、チオ酢酸カリウム(0.8g、7.2mmol)を3分かけて分割添加した。添加後30〜40℃で2時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン(7.0mL)、水(14.0mL)を加え、抽出した。さらに水(7.4mL)で1回洗浄を行ってから、有機溶媒を留去した。その結果、一般式(1)で表される4−チオアセチルブチルトリエトキシシラン(1.7g、収率88.3%=4−クロロブチルトリエトキシシラン基準)を得た。
工程(e):
4−チオアセチルブチルトリエトキシシラン(1.7g、5.7mmol)にエタノール(20mL)を加え攪拌した。そこに、水素化ホウ素ナトリウム(0.2g、6.4mmol)を5分かけて添加した。添加後30〜50℃で2時間攪拌した。反応終了後、ヘキサン(20mL)を加え、水(10mL)で洗浄し、その後有機溶媒を留去した。その結果、一般式(2)で表される4−メルカプトブチルトリエトキシシラン(1.4g、収率83.2%=4−チオアセチルブチルトリエトキシシラン基準、通算収率47.4%=1−ヘキシン基準)を得た。
1H−NMR(CDCl3、400MHz、δ;ppm)=3.80(6H、q、J=6.8Hz)、2.51(2H、q、J=7.6Hz)、1.68−1.42(4H、m)、1.30(1H、t、J=7.6Hz)、1.21(9H、t、J=7.6Hz)、0.63−0.59(2H、m)
Claims (9)
- 一般式(1);
- 一般式(3);
- 一般式(1);
- 一般式(9);
- 一般式(9);
- 還元剤がヒドラジンまたは水素化ホウ素ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 塩基がエチレンジアミンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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JP2007037071A JP2008174535A (ja) | 2007-01-22 | 2007-01-22 | メルカプト基含有シラン化合物の製造方法 |
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JP2015218171A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-07 | エボニック インダストリーズ アクチエンゲゼルシャフトEvonik Industries AG | 尿素含有メルカプトシラン、その製造方法およびその使用 |
-
2007
- 2007-01-22 JP JP2007037071A patent/JP2008174535A/ja active Pending
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JP2015218171A (ja) * | 2014-05-15 | 2015-12-07 | エボニック インダストリーズ アクチエンゲゼルシャフトEvonik Industries AG | 尿素含有メルカプトシラン、その製造方法およびその使用 |
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