JP2008174393A - 塩の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩水から品質の高い工業塩を低コストで製造する方法の提供。
【解決手段】廃棄物のガス化処理の洗浄工程等において発生するアルカリ性塩水を晶析処理することによって得られる塩スラリーを脱水機で脱水して工業塩を製造する方法において、該脱水機内の脱水塩に、塩濃度が[20g−塩/100g−salt water]以上の酸性の塩水を洗浄液として添加して再脱水を行なうことにより、中性で有害物質を含まない工業塩を製造する。を特徴とする塩水からの工業塩の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、塩を含有する塩水、例えば廃棄物を溶融ガス化処理或いは焼却処理した際又は廃棄物の焼却灰を溶融処理した際に排ガス処理系で発生する、Na、NH、Ca、Clの各イオンを含有する塩水から塩を製造する方法に関する。
従来、産業廃棄物あるいは一般廃棄物の焼却処理は、様々な型式で実施されてきたが、近年、焼却場における排出ガス中のダイオキシン類などの微量有害物質の排出基準が強化され、また、焼却主灰を埋め立てる主に安定型埋立処分場、さらには焼却飛灰を法律で定められた4つの方式のうちの1つで中間処理を施した後埋め立てる管理型埋立処分場の残余量が逼迫する等、従来の焼却処理型式を踏襲し更新することが困難なケースが増加しつつある。また、資源循環型社会の創出という観点からも、廃棄物をただ単に焼却するのではなく、廃棄物をガス化し、高温で改質することにより、燃料ガスあるいは化学原料ガスとして回収するシステム(非特許文献1参照)が望まれている。
この様な回収システムとしては特許文献1に記載のガス化改質方式の廃棄物溶融設備を挙げることができる。この設備の詳細においては、ガス化溶融炉から排出され、酸洗浄された合成ガスは、次いでアルカリ洗浄され、塩化水素ガスなどの酸性ガスが中和除去されてNaClが精製し、生成したNaClは水処理装置から塩製造装置14に送られて精製され、混合塩として回収される。
しかしながら、この様にして得られた混合塩はそのまま工業用の原料として使用するには品質の点で不十分であるという問題があった。
厚生省:厚生省令第14号、1999年3月3日「ガス化改質方式」 川崎製鉄技報 32(2000)4,287−291 特開2004−195400号公報
本発明は、アルカリ性塩水から品質の高い工業塩を製造することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題は、アルカリ性塩水を晶析し脱水機で脱水して工業塩を製造するに際して、該脱水機内の脱水塩に所定濃度の塩水を添加した後、再脱水を行なうことにより解決することができることを見出して本発明をなすに至ったものである。
すなわち、本発明の構成は次に記載する通りのものである。
(1)アルカリ性塩水を晶析し、得られた塩スラリーを脱水機で脱水して工業塩を製造する方法において、該脱水機内の脱水塩に、塩濃度が[20g−塩/100g−salt water]以上の酸性の塩水を洗浄液として添加して再脱水を行なうことを特徴とする塩水からの工業塩の製造方法。
(2)前記洗浄液が、前記の再脱水によって得られた工業塩を塩酸水溶液に溶解した塩水であることを特徴とする上記(1)記載の塩水からの工業塩の製造方法
(3)前記脱水機が、洗浄液を噴射可能な遠心分離型脱水機であることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の塩水からの工業塩の製造方法
(4)前記アルカリ性塩水が廃棄物のガス化処理において該ガスを水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した際に発生する塩水であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の塩水からの工業塩の製造方法
(5)前記廃棄物のガス化処理がガス化改質方式による処理であることを特徴とする上記(4)記載の塩水からの工業塩の製造方法
本発明によれば、塩水、特に、廃棄物を溶融ガス化処理又は焼却処理する際に、ガス処理系で発生する塩を含有する塩水から、苛性ソーダ工業用原料等に再利用できる品質の高い工業塩を製造することができる。
本発明を、ガス化改質方式の廃棄物溶融設備において、ガス洗浄工程において回収される塩水を塩製造装置で濃縮・晶析する場合を例として挙げて説明する。
図1に示したこのプロセスは次の4つのステップから工程から構成されている。
(1)プレス・ 脱ガスチャンネル
(a)ごみ(廃棄物)の圧縮、(b)乾燥・熱分解
(2)高温反応炉・均質化炉
(c)ガス化溶融、(d)スラグ均質化、(e)ガス改質
(3)ガス精製
(f)ガス急冷(急冷・酸洗浄・アルカリ洗浄)、(g)ガス精製(除塵・脱硫・除湿)
(4)水処理
(h)水処理・ 塩製造装置
各ステップの概要は次のとおりである。
(1)プレス・ 脱ガスチャンネル
(a)まずピット1から移送された廃棄物をプレス2で最初の容積の1/5 程度に圧縮する。これにより廃棄物中の水分の分布は均一化され、空気は排除されて脱ガス効率が向上する。
(b)次に圧縮された廃棄物は間接的加熱炉である脱ガスチャンネル3で脱ガス(水分の蒸発、熱分解による揮発分の発生)され、続いて高温反応炉4からの放射熱などによりさらに熱分解される。廃棄物中に含まれる炭化水素、セルロースの熱分解反応として次のような反応例((1),(2)式)があり、これらの反応により熱分解カーボンが得られる。
CnHm → xCH+yH+zC (1)
3C10 → 8HO+CO+2CO+2CO
+CH+H+7C (2)
(2)高温反応炉・ 均質化炉
(c)脱ガスチャンネル3で発生したガスは高温反応炉4に流入し、熱分解物は新たな圧縮廃棄物の装入により押し出されて高温反応炉4下部に堆積する。高温反応炉4下部にPSA(Pressure Swing Adsorption;圧力スイング吸着)6で製造した酸素を吹き込み、該酸素と熱分解物中の炭素との反応((3),(4)式)により下部の温度は中心部で最高約2000℃になり、廃棄物中の金属や無機質の成分は溶融する。
C+O ⇔ CO+ΔQ (3)
C+1/2O ⇔CO+ΔQ (4)
高温反応炉4下部に残存する炭素成分とOが発熱反応しCOになる。発生したCOはCを含有する熱分解物中を通過するとCOに還元される((5)式)。
C+CO ⇔ 2CO−ΔQ (5)
過剰の高温水蒸気分子が存在する場合は水性ガス化反応が生ずる。この場合、炭素と水蒸気がCOとHに転換する((6)式)。
C+HO ⇔ CO+H−ΔQ (6)
有機化合物はCOとHなどに熱分解される((7)式)。
CnHm+nHO→nCO+(n+1/2m)H −ΔQ (7)
(d)溶融物は高温反応炉4から約1600℃に保持された均熱化炉5へ流れ、微量の炭素等はガス化される。均質化炉5において金属溶融物(メタル)は密度が大きいため、無機質溶融物(スラグ)の下部に溜まる。これらは連続的に溢流堰を通り水砕システム7へ流れ落ちて冷却固化される。冷却固化した回収混合物は磁選によりスラグ、メタルに分離される。
(e)高温反応炉4下部で発生したガスと脱ガスチャンネルで発生した熱分解ガスは合流し、高温反応炉4上部の改質部において約1200℃で2s 以上滞留する。この条件で、ガス中のタール分やダイオキシン類およびその前駆体は完全に分解され、H,CO,CO,HOを主成分とする粗合成ガスに改質される。約1200℃の温度では(8)式の平衡が右辺に移動し、メタンガスの量は極微量となる。
CH+HO ⇔ CO+3H (8)
(3)ガス精製
(f)高温反応炉4で改質された粗合成ガスを、急冷装置8で約1200℃から約70℃まで急水冷し、de novo合成によるダイオキシン類の再合成を阻止した後、洗浄塔11において、酸洗浄により亜鉛などの重金属を、アルカリ洗浄により酸性ガスを、それぞれ除去する。
ここで、沸点の低いZn,Pbなどの重金属成分は主として高温反応炉4からガスの状態で移送される。また、廃棄物に含まれる塩素は、主としてHClとして合成ガス中に存在し、HClは冷却・洗浄液に溶け込む。このHClを含む酸性水(pH2〜3)によって粗合成ガスは洗浄され、重金属成分が取り除かれる(例えば(9),(10)式)。よって、このプロセスでは飛灰は発生しない。
Zn+2HCl→H+ZnCl (9)
Pb+2HCl→H+PbCl (10)
このように、このプロセスでは廃棄物中の塩素分が有効に利用される。洗浄液は沈降槽12に送られて炭素微粒子を取り除かれ、熱交換器15Aで間接冷却された後、再びガスの急冷に循環使用される。ごみに由来する水は沈降槽12で余剰水となり、水処理装置13へ送られて処理される。
酸洗浄された合成ガスは、アルカリ洗浄され、塩化水素ガスなどの酸性ガスが中和除去される((11)式)。生成したNaClは最終的には、塩製造装置14で工業塩として回収される。
HCl+NaOH→NaCl+HO (11)
(g)さらに、ガスは洗浄塔11からマルチスクラバー9に送られて除塵され、脱硫洗浄され、除湿乾燥されて、有害物質を除去されたクリーンな精製合成ガスとなり、例えばガスエンジン発電機10の燃料ガスとして使用される。
(4)水処理
(h)ガス改質工程までに生成したHOがガス急冷・精製工程で凝縮し、従来の焼却方式では飛灰となって排ガス中に含まれていた重金属や塩類はすべて洗浄水中に移行する。そのため、飛灰は発生せず、Fe,Zn,Pb,Na,Kなどの金属を含む水が発生するが、洗浄液に移行した飛灰構成成分は水処理装置13によってスラグ成分、金属分、塩分に分離する。スラグ成分(鉄分を含む)は高温反応炉に戻し、亜鉛、鉛を含む金属分は水酸化物の状態で濃縮回収し、最後に(11)式の反応で生成したNaClは、水処理装置13から塩製造装置14に送られて精製され、工業塩として回収される。
それぞれの成分についての分離法の概要を次に示す。
(鉄分の除去)
被処理水に過酸化水素を添加することにより2価の鉄を3価にし、次いで水酸化ナトリウム添加によって水酸化第2鉄フロックとして除去する。
(亜鉛、鉛の除去)
被処理水に水酸化ナトリウムを添加することによりアルカリ性に調整し、亜鉛と鉛を水酸化物としてフロック化する。これを沈殿分離して回収し、これは非鉄原料として山元還元される。
(カルシウムの除去)
塩製造装置におけるスケーリング障害防止のためにカルシウム分を除去する。脱ガスチャンネル加熱排ガスに含まれる二酸化炭素を利用することにより、水中に含まれているカルシウムは炭酸カルシウムとして沈降分離する。
(工業塩、再利用水の回収)
NaCl等の工業塩は塩製造装置において塩水の濃縮分離を行い、工業塩として回収する。
通常、この塩製造装置における工業塩の回収は例えば、図2に示すようなプロセスで行われている。
すなわち、塩原水は凝集沈殿工程AにおいてFeイオンを凝集沈殿させて水酸化物として分離し、凝集沈殿工程BにおいてZnイオンを凝集沈殿させて水酸化物として分離する。
次の脱Ca工程ではCaイオンを炭酸カルシウムとして沈殿させて分離する。
Ca分等を除去された分離液は、脱アンモニア工程で真空蒸発によりアンモニアをストリッピングされた後、晶析工程に送られる。
晶析工程Cにおいて塩濃縮液は、蒸発缶を用いて蒸発濃縮するか、又は冷却することによって塩化ナトリウムを主成分とする塩を晶析させ、晶析した塩を含むスラリー(c1)は脱水工程Eに送られ、脱水工程Eにおいて固形塩と分離液とに分離する。分離液(e2)は晶析工程に戻される。晶析工程Cから排出される蒸発蒸気は凝縮され、凝縮液(c2)はRO(逆浸透)工程Dに送られる。
RO(逆浸透)工程において、凝縮液は逆浸透膜処理を受け、NH4+イオンを低減されて再利用水(d1)となり、系内で再使用される。また、分離液(d2)は適宜晶析工程Eに送られる塩水と合流させる。
図2に示すように、サーモセレクト(ガス化改質方式廃棄物溶融設備)において、ガス化溶融炉から排出されるガスには塩素分が含まれており、このガスのアルカリ洗浄により、又はアルカリ洗浄の前に酸洗浄し、その洗浄液を(部分)中和することによりNaCl等の塩が生成する。なお、廃棄物のガス化ガスを洗浄する際にその洗浄液をアルカリ性にしておくのは、アンモニア(NH)を後工程で飛ばすためである。アンモニアが残存した場合は、利用時に、例えば、電解時に爆発性の物質を生成する可能性がある。
ガス洗浄で回収される塩水は、亜鉛、鉛などの重金属をはじめ、種々の不純物が取り除かれるが、それだけでは、塩の品質は不十分であるため晶析を行うことで純度を向上させて、塩化ナトリウム濃度の高い(Na+Cl≧95%)の工業塩を製造している。
この晶析操作は液相から結晶(固相)を析出する操作であり、一般に溶液を冷却あるいは蒸発によって溶質の濃度を蝕和溶解度以上に高くして結晶を析出させて純度の高い製品を得る操作であり、サーモセレクトでは蒸発による晶析を実施している。
現状の塩製造では、晶析工程の装入液のpHが高くなっており(pH12以上)、晶析の脱水工程を経ても脱水した晶析塩には約5%程度の母液が付着残存しており、この母液の影響によりpHが高くなり、工業塩のハンドリング上の問題があるほか、pHが中性に調整されていないことにより工業用原料としての用途が限定され、付着母液による微量の不純物の増加により、苛性ソーダ原料として利用できないと言う問題がある。
また、炉あるいは水処理でのシアン等の有害物質の除去・分解が十分でなく微量の有害物質が取り決められた値以上となってそれら有害物質が塩とともに他の工程にもたらされることにより排水処理の問題が生じる。更に、イオン交換樹脂の再生に工業塩を使用する場合に、工業塩がアルカリ性であるとその排水処理の問題が生じて不都合となる。
以上の理由から、回収された工業塩の品質の向上が急務となっている。
上記の問題を避けるために、アルカリ性塩水を晶析装置に入れる前に苛性ソーダにより、中和すると、強アルカリで溶解していた物質(例、両性物質、アルミニウム、アルミン酸塩など)が中性になることで急に析出し、晶析装置を閉塞させたり、炭酸塩を含む場合は、中性になることで発泡し、晶析不能となり晶析装置が運転できなくなったりするという問題がある。
そこで本発明では、晶析工程で得られた塩を塩水で洗浄して、塩に付着している母液を洗浄することにより、製品純度を高めるとともに、pHを調製するようにしたものである。
図3に本発明の晶析・脱水工程の概要を示し、図4に塩水による洗浄(以下「リンス」ともいう)の効果を示す概念図を示した。
原塩水は晶析装置で濃縮されることにより塩が晶析する。アルカリ性塩水から晶析した塩は、その周りにアルカリ分、その他、排水に流れた場合に不都合なものが付着しており、この晶析してきた塩を脱水機において脱水し、次いで脱水した塩を製品となる工業塩を溶解し、塩酸等で酸性に調整した塩水でリンスすることによって、脱水した塩の表面に付着している母液を塩水で洗浄除去して製品純度を高めると共に塩表面のpHを調整する。次いで洗浄された塩を脱水して製品として取り出す。これにより、安価、簡便に製品である工業塩の高品質化を図ることができる。
なお、ここでリンス液として塩水を使用するのは、製品を溶解させないためである。リンスを水で行なうと、洗浄効果は高いが、製品である塩(NaCl)が水に溶解し、製品量が少なくなるという問題がある。
このリンス用の塩水は製品を溶解させないために塩の飽和溶液であることが好ましいが、飽和濃度に達していない溶液であってもよく、20g−塩(salt)/100g−salt water以上の濃度の塩水を用いることができる。この場合、製品塩の表面が少し溶解し製品量が減少する。
リンス用の塩水としては脱水塩の塩水であることが経済的面から好ましい。また、脱水塩の表面にはNaOHが残存するので、pH調整用の酸としては塩酸を用いることが他のイオンの混入を防ぎ、塩素純度が良くなるというメリットがあるため好ましい。
リンスの方法としては、次の二つの方法が考えられる。
(1)脱水機で脱水した塩を外部に取り出さずに脱水内でリンスする方法。
(2)脱水機で脱水した塩を外部に取り出して別工程でリンスする方法。
しかしながら、上記(2)の方法は、別途、洗浄液との混合攪拌槽などが必要になり、装置が煩雑、閉塞などのハンドリングトラブルが発生しやすくなる。また、混合槽での洗浄になるため、必要な洗浄液量が増加するとともに、品質の向上が容易ではない。
これに対し、上記(1)の方法は、脱水機内で、塩を脱水した後、酸性の塩水で洗浄・脱水すると、洗浄しているあいだにも脱水機が駆動しているため、付着水の洗浄効果が良好になる。従って、本発明では上記(1)の方法でリンスする。
脱水機としては、回分式の固液分離装置を用いることが好ましく、具体的には遠心分離機、真空濾過機等を用いることができるが、特に、リンス液を噴射することが可能な遠心分離型脱水機を用いることが好ましい。
本発明において用いることができる脱水機の模式図を図5に、脱水・洗浄工程のタイムチャートを図6にそれぞれ示した。
本発明における脱水工程を、遠心分離機を用いて脱水する場合について図6のタイムチャートに基づいて説明する。
第1段階工程で晶析スラリー塩水を脱水機に装入して脱水機を回転して脱液し、第2段階工程では、酸性の塩水をスプレーにて装入しながら脱水機を回転させてリンスし、第3段階工程で洗浄液の供給を停止して、脱水機を回転・脱水する。前記リンス用の酸性塩水は、第3段階工程で得られた脱水塩を一部再溶解し、塩酸を添加して酸性塩水としたものを用いる。
このように、回収された塩をリンス用の洗浄液として用いることにより、新たな塩を使用する必要がないので、コスト的に有利である。また、製造された塩は、微細な結晶であって溶解性に富んでいるため、溶解ハンドリング性が良好である。
上記においては、ガス化改質方式の廃棄物溶融設備において、ガス洗浄工程において回収される塩水を例として挙げて説明したが、本発明の方法は、埋立浸出塩水など、カルシウムを多く含む塩水において、カルシウム分をアルカリ性で炭酸カルシウムとして除去した後のアルカリ性塩水の処理にも適用である。
ごみを焼却した後の焼却残渣は最終処分場で埋め立てされるが、この焼却残渣には焼却炉から排出される有害ガスを処理するために使用された無機化合物、主として塩化カルシウムが含まれており、この塩化カルシウムは特に飛灰中に含まれている。この飛灰中の塩化カルシウムは水への溶解度が高いため、埋立地で雨水等と接触すると浸出水中に溶出してくる。浸出水中のカルシウム(Ca)、塩素(Cl)濃度が高くなると、浸出水処理設備へのスケール障害、腐食、浸出水処理後の放流先での生態系への悪影響という問題が発生する。本発明の方法によれば、埋立浸出塩水中に含まれる無機塩類も工業塩として回収することができる。
廃棄物をガス化改質し、洗浄した液から、亜鉛などの重金属を除去した後、pH12.2で蒸発濃縮装置にてアンモニアを除去し、20g−salt/100g−salt waterの高濃度塩水を調製した。この高濃度塩水を蒸発型晶析装置に装入し、晶析によって得られた塩スラリー液を脱水機に装入・脱液した。pH5に調整された高濃度塩水を脱水機内で吹付け洗浄した。さらに脱水して5%水分を含む工業塩を得た。これを(25g−salt/100g−salt water)溶解した後、pHを測定したところpH6.9であった。
廃棄物をガス化改質し、洗浄した液から、亜鉛などの重金属を除去した後、pH11.5で蒸発濃縮装置にてアンモニアを除去し、20g−salt/100g−salt waterの高濃度塩水を調製した。この高濃度塩水にはアンモニウムイオンが2mg/L含まれていた。この高濃度塩水を蒸発型晶析装置に装入し、晶析によって得られた塩スラリー液を脱水機に装入・脱液した。pH5に調製された高濃度塩水を脱水機内で吹付け洗浄した。さらに脱水して5%水分を含む工業塩が調整できた。これを(25g−salt/100g−salt water)溶解した後、pHを測定したところpH7.2であった。また、アンモニウムイオン濃度は測定限界濃度以下であった。
[比較例1]
廃棄物をガス化改質し、洗浄した液から、亜鉛などの重金属を除去した後、pH12.2で蒸発濃縮装置にてアンモニアを除去し、20g−salt/100g−salt waterの高濃度塩水を調製した。この高濃度塩水を蒸発型晶析装置に装入し、晶析によって得られた塩スラリー液を脱水機に装入・脱液した。さらに脱水して5%水分を含む工業塩が調整できた。これを(25g−salt/100g−salt water)溶解した後、pHを測定したところpH10.5であった。
本発明の方法によれば、廃棄物処理装置から排出されるNa等の塩を含む原水から不純物濃度が低く品質の高い塩を製造することができるので、得られた塩を苛性ソーダ工業用原料等に再利用することができる。
廃棄物をガス化改質方式で処理する場合のプロセスフローの一例を示す図である。 本発明の塩製造方法を実施するための工程の一例を示す図である。 本発明における塩の脱水・洗浄工程の概要を示す図である。 塩水によるリンスの効果を示す概念図である。 本発明において用いる脱水機の概要を示す図である。 本発明における塩の脱水・洗浄工程のタイムチャートを示す図である。
符号の説明
1 ピット
2 プレス
3 脱ガスチャンネル
4 高温反応炉
5 均質化炉
6 PSA(Pressure Swing Adsorption;圧力スイング吸着)
7 水冷システム
8 急冷装置
9 マルチスクラバー
10 ガスエンジン発電機
11 洗浄塔
12 沈降槽
13 水処理装置
14 塩製造装置

Claims (5)

  1. アルカリ性塩水を晶析し、得られた塩スラリーを脱水機で脱水して工業塩を製造する方法において、該脱水機内の脱水塩に、塩濃度が[20g−塩/100g−salt water]以上の酸性の塩水を洗浄液として添加して再脱水を行なうことを特徴とする塩水からの工業塩の製造方法。
  2. 前記洗浄液が、前記の再脱水によって得られた工業塩を塩酸水溶液に溶解した塩水であることを特徴とする請求項1記載の塩水からの工業塩の製造方法
  3. 前記脱水機が、洗浄液を噴射可能な遠心分離型脱水機であることを特徴とする請求項1又は2記載の塩水からの工業塩の製造方法
  4. 前記アルカリ性塩水が廃棄物のガス化処理において該ガスを水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した際に発生する塩水であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塩水からの工業塩の製造方法
  5. 前記廃棄物のガス化処理がガス化改質方式による処理であることを特徴とする請求項4記載の塩水からの工業塩の製造方法
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