JP4429066B2 - 塩水からのヨウ素除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塩素及びヨウ素を含有する都市ゴミや産業廃棄物を熱処理した際に発生するガスを洗浄した際に得られるヨウ素を含む洗浄液からヨウ素を除去する方法に関する。
従来、塩素を含有する都市ごみや産業廃棄物などを焼却処理した場合、主として、塩素は消石灰と反応させ、塩化カルシウムなどの形態で除去され、埋立処分地で埋め立て処分されてきた。しかしながら、このような処分方法は埋め立て処分地を必要とし、近年ではこのような処分場の確保が非常に困難となってきている。また、長期的には、降雨などによる洗い出しによって埋め立て処分された処理物から溶出する塩類が環境汚染の原因となるというリスクを抱えているばかりでなく、また、都市ごみや産業廃棄物中には有用な金属資源が含まれているのに、これら有用な資源が利用されないという問題もある。
そこで、従来から都市ごみや産業廃棄物を、焼却し、排ガスを洗煙した排水から、塩化ナトリウム塩を製造することが試みられている。
従来の方法においては、都市ごみや産業廃棄物などに含まれる塩素分は、酸素が過剰の雰囲気で焼却し、塩化水素とし、水酸化ナトリウムで中和し、晶析する方法が提案されている。
非特許文献1には、廃棄物最終処分場の浸出水を、電気透析法や逆浸透法などの高度処理を施して、浸出水を脱塩し、再生塩(Na塩、Ca塩等)を得ることが記載されているが、この方法は高度処理を施すためコストが大きいという問題がある。
特許文献1には、焼却炉から排出される排ガスの洗浄排水を凝集沈殿処理およびキレート樹脂による吸着処理することによって洗浄排水中の重金属類を除去し、重金属類を除去した後の洗浄排水を加熱濃縮して塩化ナトリウムを晶出分離して回収し、更に前記晶出分離後の分離母液を冷却して硫酸ナトリウムを晶出分離して回収することが記載されている。
しかしながら、このような方法によって塩を回収しても、従来はこの回収塩はソーダ工業における電解原料塩として多量に使用されることはなかった。これは、廃棄物を熱処理して回収された塩を電解原料として多量に混合使用するには、塩の純度が十分でなかっためである。特に、塩中のヨウ素イオン濃度が高いと、電解膜に悪影響を及ぼし、電解膜の寿命が短くなって電解の経済性を悪化させる。従って、再生塩をソーダ工業における電解原料塩として利用するに際しては、再生塩中にヨウ素イオンが含まれないようにすることが必要である。前記の特許文献1及び非特許文献1には、ヨウ素に関する記述はない。
そして、これらの処理によっては、ヨウ素を含有する廃棄物を処理した場合、塩化ナトリウム塩中にヨウ素が混入する。特に、過剰な酸素で焼却するシステムにおいては、廃棄物中のヨウ素はヨウ素酸の形態をとりやすく、廃棄物を焼却・洗煙するシステムではヨウ素を低減した塩化ナトリウム塩を製造することは困難である。
一方、アルカリ金属水溶液中に含まれるヨウ素イオンを除去する方法としては、種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献2には、ヨウ素を含むアルカリ金属塩化物水溶液を精製するために、ヨウ素を次亜塩素酸塩等の活性塩素で過ヨウ素酸塩まで酸化し、次いでこの過ヨウ素酸塩を塩基性媒体中で沈殿除去することが記載されている。
特許文献3には、ヨウ素を含むアルカリ金属塩化物水溶液を精製するために、活性塩素によってヨウ素イオンを酸化してヨウ素にし、このヨウ素を塩基性ハロゲン化陰イオン交換樹脂で除去することが記載されている。
特許文献4には、ヨウ素を含む塩化ナトリウム水溶液の精製方法であって、塩化ナトリウム溶液中のヨウ素を分子状態のヨウ素に酸化し、予め酸化した活性炭のベッドでヨウ素を吸着し除去することが記載されている。
特開昭57−119897号公報 特公平6−88777号公報 特開平7−237919号公報 特公平7−91666号公報
本発明は、ヨウ素を含む塩水から塩を再生するに際し、再生した塩がソーダ工業における電解原料塩として利用することができる程度に塩水からヨウ素を除去する方法を提供することを目的とする。
本発明者等は上記の目的を達成する方法について鋭意検討した結果、塩素およびヨウ素を含む廃棄物を酸素が不足する状況で熱処理し、還元雰囲気ガスを水溶液に接触させて、塩化ナトリウムで中和させて塩水とした場合、ヨウ素の形態としてヨウ素酸ではなく、ヨウ素イオンの形態で得られることを見いだし、このヨウ素イオンを除去することによって、ヨウ素含有量の低い電解原料として適した塩を回収する方法を完成した。
すなわち、本発明は次に記載するとおりの構成を有する。
(1)Na、Cl、I、Feを含有する塩水からのヨウ素除去方法であって、
該塩水に酸化剤を添加し第一鉄イオンを第二鉄イオンに酸化し、アルカリ剤を添加し鉄分を水酸化鉄として該塩水から分離して除去する鉄分除去工程と、
鉄分除去工程により鉄分除去された塩水を濃縮する塩水濃縮工程と、
塩水濃縮工程により濃縮された塩水から固形塩を晶析する塩晶析工程と、
塩晶析工程により生成された固形塩と分離液とを分離する分離工程と、
前記分離工程により分離された前記固形塩を水に溶解して得た塩水からヨウ素イオンをイオン交換樹脂にイオン交換吸着させて除去するヨウ素除去工程とを含み、
鉄分除去工程において該塩水の酸化還元電位を0〜400mV(SHE)とするように該酸化剤の添加量を制御することを特徴とする塩水からのヨウ素除去方法。
)前記分離工程で固形塩を分離した後の分離液の一部又は全部から、該分離液中のヨウ素イオンをイオン交換樹脂によって除去し、ヨウ素イオンを分離した分離液を塩晶析工程又は塩晶析以前の工程に戻すことを特徴とする上記()の塩水からのヨウ素除去方法。
)前記イオン交換樹脂が強塩基性陰イオン交換樹脂であることを特徴とする上記(1)又は(2)の塩水からのヨウ素除去方法。
)前記塩水が、廃棄物の還元性雰囲気下でのガス化改質処理、廃棄物の還元性雰囲気下での溶融ガス化改質処理又は廃棄物の焼却灰の還元性雰囲気下での溶融処理において排出されるガスを洗浄して得られる洗浄水であることを特徴とする上記(1)〜()の塩水からのヨウ素除去方法。
本発明の方法が処理の対象とするのは、ナトリウム(Na)、塩素(Cl)、ヨウ素(I)を含有する塩水である。
このような塩水としては、例えば、次に記載するような処理工程において排出されるガスを洗浄して得られる洗浄水がある。
(1)廃棄物を還元性雰囲気下でガス化改質処理する工程
(2)廃棄物を還元性雰囲気下で溶融ガス化改質処理する工程
(3)廃棄物を焼却処理して得られる焼却灰を還元性雰囲気下で溶融処理する工程
本発明の塩水からのヨウ素の除去方法は、該塩水の酸化還元電位を400mV(SHE)以下、より好ましくは300mV(SHE)以下とすることによって該塩水中のヨウ素をヨウ素イオンの形態とし、これをイオン交換樹脂で処理してヨウ素イオンを除去することを特徴とする。
本発明を、都市ごみや産業廃棄物を還元雰囲気の条件下で熱処理して、水素、一酸化炭素を主体とする燃料ガスを回収する上記(1)のガス改質化方式の焼却施設に適用した場合を例にして以下、説明する。
ガス改質化方式の焼却施設としては、例えば図1に示されるようなプロセスフローになる川鉄サーモセレクト方式による廃棄物ガス化溶融プロセスがある。
都市ごみや産業廃棄物を還元雰囲気の条件下で熱処理し、水素、一酸化炭素を主体とする燃料ガスを回収するガス改質化方式の焼却施設として例えば図1に示されるようなプロセスフローになる川鉄サーモセレクト方式による廃棄物ガス化溶融プロセスがある。
図1に示されたガス化改質方式は次のプロセスから構成されている。
1.プレス・脱ガスチャンネル
(1)廃棄物の圧縮、(2)乾燥・熱分解
2.高温反応炉・均質化炉
(3)ガス化溶融、(4)スラグの均質化、(5)ガスの改質
3.ガス精製
(6)ガスの急冷(急冷・酸洗浄、酸洗浄)、(7)ガス精製(アルカリ洗浄、脱硫、除湿)
4.水処理
(8)水処理(沈殿、脱塩等)
この方式をフローに沿って説明すると次の通りである。
ピットに集積された塩素及びヨウ素を含有する都市ゴミ等の廃棄物はプレス機で圧縮された後、乾燥熱分解工程で間接加熱により加熱乾留されて高温反応炉内に送られる。高温反応炉の下部にはバーナーが配置され、このバーナーによって炉内に燃料ガスと酸素とが導入され、この酸素ガスが乾留物中の炭素をガス化し、一酸化炭素と二酸化炭素が生成する。また、高温水蒸気が存在する場合には炭素と水蒸気とによる水性ガス化反応が生じて一酸化炭素と水素とが生成される。更に、有機化合物は熱分解して一酸化炭素と水素が生成する。
上記の反応の結果、高温反応炉の塔頂部から粗合成ガスが排出される。
一方、高温反応炉下部で生成した溶融物は高温反応炉から均質化炉へ流れ出る。この溶融物には炭素や微量の重金属等が含まれており、均質化炉において炭素は十分な酸素と水蒸気によってガス化されて二酸化炭素、一酸化炭素及び水素を生成する。均質化炉において金属溶融物は比重が大きいため、スラグの下部に溜まる。溶融物は水砕システムへ流れ落ちて、冷却固化され、メタル−スラグの混合物は、磁選によりメタルとスラグとに分離される。
高温反応炉から排出される粗合成ガスに対して、急冷装置で酸性水を噴射することによってガスの温度を約1200℃から約70℃にまで急速冷却し、ダイオキシン類の生成を阻止する。この時、酸性水によってガスが洗浄され、粗合成ガス中に含まれるZn、Pbなどの重金属成分と塩素分は洗浄液中に溶け込む。
酸洗浄された合成ガスは、必要に応じて更に酸洗浄を施されたのちアルカリ洗浄され、残存する塩化水素ガス等の酸性ガスが中和除去される。次いで、脱硫洗浄装置でガス中の硫化水素が硫黄に転換されて硫黄ケーキとして排出される。次いで合成ガスは低温除湿工程で水分を除去された後、精製された燃料ガスとして利用される。
一方、洗浄水は排水処理装置において鉄、亜鉛等の金属分を回収するが、本発明は上記のような洗浄水からヨウ素を含まない塩水を得るための構成に特徴がある。
上記のような、塩素およびヨウ素を含む廃棄物を酸素が不足する条件下(還元雰囲気)で熱処理して、水素、一酸化炭素を主体とする燃料ガスを回収する系においては、廃棄物中に硫黄が含まれている場合は、硫化水素に転換されるが、比較的酸性の溶液で洗浄するかぎりは、硫化水素をほとんど吸収しない。また、ヨウ素は過剰に酸化されることなく、吸収された溶液中で、ヨウ素酸の状態ではなく、塩素イオンとともにヨウ素イオンの状態で回収される。
図2は、洗浄液の処理工程を示すフロー図である。
急冷・酸洗浄工程で発生した洗浄水を鉄分除去工程において、過酸化水素等の酸化剤を添加し、次いでNaOH等のアルカリ剤を添加し、pH4〜7に調整することによって鉄イオンを水酸化物として選択的に沈殿させ、得られた沈殿物を固液分離して、水酸化鉄を固形分として分離・回収する。この水酸化鉄は、高温反応塔に再循環し、メタル、スラグとして回収し再利用することができる。
上記において、酸化剤を添加する理由は次の通りである。すなわち、廃棄物を還元熱処理した場合、洗浄液中の鉄分の形態は第一鉄イオン(Fe2+)であり、このままではアルカリ性にしないと沈殿分離することができず、鉄分を選択的に分離することができないが、過酸化水素等により酸化処理すると、第一鉄イオン(Fe2+)が第二鉄イオン(Fe3+)となり、酸性であるpH5レベルで沈殿除去することが可能となり、後の工程で、亜鉛イオン(Zn)を水酸化ナトリウムで金属水酸化物として析出分離回収することにより、金属水酸化物の亜鉛濃度を高くすることが可能になるからである。
また、過酸化水素などの酸化剤で、第一鉄イオンを第二鉄イオンに酸化するに際しては、溶液の酸化還元電位を測定することにより、過剰に酸化剤を添加しないように制御する。
これは、ヨウ素イオンが酸化されてヨウ素酸イオンに転換しないようにするためであり、
このため、溶液の酸化還元電位は、0mV〜400mV、さらに好ましくは、100mV〜300mVとなるように制御する。
また、塩水がアルカリ性である場合においては、ヨウ素イオンが、ヨウ素酸イオンに転換する可能性が高いので、アルカリ性領域で処理を行う場合にも、酸化還元電位を測定し、酸化剤が、過剰にならないように酸化還元電位が400mV以下、さらに好ましくは300mV以下となるように管理するのが好ましい。
なお、この水酸化鉄を分離する工程は、亜鉛、鉛の純度を向上させるために行うものであるが、鉄分を含有した形で亜鉛、鉛を含む山本還元用の精錬原料を得る場合には、この工程は省略することができる。
次いで、鉄分除去工程から得られた水酸化鉄が分離された分離水は、亜鉛分除去工程において、NaOH等のアルカリ剤を添加し、被処理水のpHを8〜12程度に高めることによって被処理水中の亜鉛イオンを水酸化亜鉛として選択的に析出させ、得られた沈殿物を固液分離して水酸化亜鉛を含んだ固形分を回収する。
なお、アンモニアが混在する場合には、重金属がアンモニア錯体を形成しているため、アンモニア除去した後、上記の処理を行うことが好ましい。また、残存している重金属を更に除去するために重金属用のイオン交換樹脂を用いて分離液を処理することが好ましい。
亜鉛分除去工程から得られた分離水は、Ca分除去工程において炭酸ガスを吹込んでCa分を炭酸カルシウムとして沈殿分離する。
Ca分を除去された分離水は、塩製造工程において蒸発缶を用いて蒸発濃縮され、塩化ナトリウムを主成分とする塩を晶析させ、次いで分離工程において固形塩と分離液とに分離する。
分離液は、イオン交換樹脂によってヨウ素イオンを除去して塩晶析工程又はそれ以前の工程に戻す。これは、晶析母液中のヨウ素イオン濃度が高くならないようにするためであるが、この工程は必要に応じて行う。
次いで、分離工程で得られた固形塩を水に溶解して、イオン交換樹脂と接触させてヨウ素イオンをイオン交換樹脂にイオン交換吸着させて塩水から除去する。
但し、ヨウ素イオンをイオン交換樹脂で除去する際には、逆浸透膜、電気透析、あるいは、蒸発により、水を除去して塩濃度を高めた後に、イオン交換樹脂で処理した方が好ましい。
ヨウ素イオンを除去された塩化ナトリウム溶液から晶析によって塩化ナトリウム塩を回収することができ、これを電解原料として用いることができる。
塩を工業用原料として用いるためには、不純物をできるだけ除去しておくことが好ましい。塩の利用先、例えば、電解用原料に利用する場合において、電解用原料とする塩水精製においても、一般に、岩塩や天日塩などを水に溶解して、塩水とした後、不純物を除去している。塩に不純物が多い場合、この工程が困難になるだけでなく、廃棄物を発生することになる。
そこで、上記したように、塩製造工程を少なくとも、鉄分除去工程、亜鉛分除去工程、塩水濃縮・晶析・分離工程から構成することによって、塩晶析・分離工程にて塩水を塩スラリーとする前に鉄分除去工程、亜鉛分除去工程においてFe、Znを除去しておくことが好ましい。
一方、廃棄物処理において塩製造の前に不純物を取り除くことにより、分離回収された亜鉛等は、それぞれ、スラグやメタル、あるいは、金属水酸化物として亜鉛原料等として山元還元されるため、循環型社会構築のためには、好ましい。
ヨウ素除去工程は、塩製造工程とは別サイトにおいて行うことが好ましい。すなわち、塩水濃縮・晶析・分離工程から排出される塩水に対し、別サイトにおいて、ヨウ素除去工程を施すことにより、その制御、管理が容易になり、塩水中のヨウ素量を、より低減することができる。また、このヨウ素除去工程のサイトを電解設備に併設することにより共有できる設備がある。また、複数の塩製造サイトからの塩水を集合して処理できることから、スケールメリットがある。
本発明に適用されるイオン交換樹脂は、固定された陽イオン部位およびハロゲンアニオンでイオン交換可能な陰イオン部からなる塩基性樹脂である。固定化された陽イオン部位が、スチレンとジビニルベンゼンのコポリマーに結合した4級アンモニウム塩であり、ハロゲンアニオンでイオン交換可能な陰イオン部は、通常塩素イオンとして入手できる。このタイプの樹脂は市販されている汎用の強塩基性イオン交換樹脂、弱塩基性イオン交換樹脂を用いることができる。より好ましくは強塩基性イオン交換樹脂であり、4級アンモニウム塩部位がトリメチルアンモニウム塩、ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩などの汎用な構造である。
また表面の状態により分類されるゲル型とマクロポーラス型のいずれでも良く両方とも使用できる。例えば、三菱化学製のダイヤイオン(登録商標)SA10シリーズ、SA20シリーズ、PA300シリーズ、PA400シリーズ、ダイヤイオン(登録商標)NSA100を用いることができる。装置形式としては、流動床、固定床の何れでも可能である、バッチ処理でも連続でも可能である。これら方法は公知の方法を任意に適用できる。
[実施例1、2]
塩素および少量のヨウ素を含む都市ごみをガス化改質し、発生した水素、一酸化炭素を主体とするガスを酸で洗浄した。ヨウ素はヨウ素イオンの形態で存在した。該洗浄液を過酸化水素で第一鉄イオンを第二鉄イオンとし、水酸化ナトリウムでpH5レベルに調整し、鉄分を水酸化第二鉄として除去した。溶液の酸化還元電位は190mVであった。さらにpH9レベルで重金属を除去し、pH10レベルで二酸化炭素により炭酸カルシウムとして、カルシウムイオンを除去した。該液の酸化還元電位は210mVであった。さらに、濃縮、晶析することにより、塩化ナトリウムが95%の塩を得た。塩中のヨウ素の形態はヨウ素イオン単独であり、その濃度は14mg−I/kgであった。該塩を水で溶解し、塩化ナトリウム濃度が所定濃度の塩水を得た。この液100gに、三菱化学製塩基性イオン交換樹脂PA318を10g加え、20℃で3時間撹拌した。その後塩水をサンプリングして、ヨウ素イオンの分析を、イオンクロマトで行った。尚、ヨウ素酸を分析する場合、前処理として硫酸酸性下、亜硫酸ナトリウムで還元処理し、全ヨウ素イオンを元々のヨウ素濃度を差し引いて求めた。その結果塩水中のヨウ素濃度は表1のようになった。
Figure 0004429066
[実施例3]
塩素および少量のヨウ素を含む都市ごみをガス化改質し、発生した水素、一酸化炭素を主体とするガスを酸で洗浄した。ヨウ素はヨウ素イオンの形態で存在した。該洗浄液を過酸化水素で第一鉄イオンを第二鉄イオンとし、水酸化ナトリウムでpH 5レベルに調整し、鉄分を水酸化第二鉄として除去した。溶液の酸化還元電位は190 mVであった。さらにpH 9レベルで重金属を除去し、pH 10レベルで二酸化炭素により炭酸カルシウムとして、カルシウムイオンを除去した。該液の酸化還元電位は190 mVであった。該液に含まれているヨウ素はヨウ素イオンの形態で存在した。さらに、濃縮した後、晶析することにより、塩化ナトリウムが95%の塩を得た。晶析過程の分離液をブローし、ヨウ素イオンをイオン交換樹脂で除去し、晶析の母液のヨウ素イオン濃度が高くならないように調整した。塩中のヨウ素濃度は0.5 mg−I/kg であった。ヨウ素の形態はヨウ素イオンであった。該塩を水で溶解し、塩化ナトリウム濃度が25重量%の塩水を得た。液中のヨウ素イオン濃度は0.13ppmであった。この液100gに、三菱化学製塩基性イオン交換樹脂PA318を10g加え、20℃で3時間撹拌した。その後塩水をサンプリングして、ヨウ素イオンの分析を、イオンクロマトで行った。尚、ヨウ素酸を分析する場合、前処理として硫酸酸性下、亜硫酸ナトリウムで還元処理し、全ヨウ素イオンを元々のヨウ素濃度を差し引いて求めた。その結果塩水中のヨウ素濃度は表2のようになった。
Figure 0004429066
本発明によると、廃棄物の処理工程から排出される塩水から、ヨウ素を含まない再生塩を製造することができ、この再生塩をソーダ工業における電解原料塩として有効に利用することができる。
廃棄物をガス化改質方式で処理する場合のプロセスフロー図の一例を示す図である。 本発明の塩水からヨウ素を除去する方法を実施するための各工程を示す図である。

Claims (4)

  1. Na、Cl、I、Feを含有する塩水からのヨウ素除去方法であって、
    該塩水に酸化剤を添加し第一鉄イオンを第二鉄イオンに酸化し、アルカリ剤を添加し鉄分を水酸化鉄として該塩水から分離して除去する鉄分除去工程と、
    鉄分除去工程により鉄分除去された塩水を濃縮する塩水濃縮工程と、
    塩水濃縮工程により濃縮された塩水から固形塩を晶析する塩晶析工程と、
    塩晶析工程により生成された固形塩と分離液とを分離する分離工程と、
    前記分離工程により分離された前記固形塩を水に溶解して得た塩水からヨウ素イオンをイオン交換樹脂にイオン交換吸着させて除去するヨウ素除去工程とを含み、
    鉄分除去工程において該塩水の酸化還元電位を0〜400mV(SHE)とするように該酸化剤の添加量を制御することを特徴とする塩水からのヨウ素除去方法。
  2. 前記分離工程で固形塩を分離した後の分離液の一部又は全部から、該分離液中のヨウ素イオンをイオン交換樹脂によって除去し、ヨウ素イオンを分離した分離液を塩晶析工程又は塩晶析以前の工程に戻すことを特徴とする請求項記載の塩水からのヨウ素除去方法。
  3. 前記イオン交換樹脂が強塩基性陰イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塩水からのヨウ素除去方法。
  4. 前記塩水が、廃棄物の還元性雰囲気下でのガス化改質処理、廃棄物の還元性雰囲気下での溶融ガス化改質処理又は廃棄物の焼却灰の還元性雰囲気下での溶融処理において排出されるガスを洗浄して得られる洗浄水であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の塩水からのヨウ素除去方法。
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