以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによってコマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうちの3個分(3コマ分)の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。そして遊技者の遊技結果は表示窓DW内の5本の有効ラインL1〜L5上に停止表示された図柄の組合せによって判断され、有効ライン上の図柄の組合せが予め定められた役に対応した組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。
なお5本の有効ラインL1〜L5は、メダルの投入枚数(ベット枚数)に応じて有効化されるラインが決定される。本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して1枚〜3枚の範囲でメダルを投入可能とされており、前面下扉DDに設けられたメダル投入口MIへ1枚のメダルを投入した場合、1本の有効ラインL1が有効化され、メダル投入口MIへ2枚のメダルを投入した場合、3本の有効ラインL1〜L3が有効化され、メダル投入口MIへ3枚のメダルを投入した場合、5本の有効ラインL1〜L5が全て有効化される。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット枚数、1回の遊技におけるメダルの払出枚数あるいは獲得枚数、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、貯留されたメダルを投入状態にする操作を行うためのベットボタンB0(投入操作手段の一例)、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバーSL(遊技開始操作手段の一例)、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタンB1〜B3(停止操作手段の一例)が設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、遊技を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において乱数値を用いた内部抽選が行われるとともに、第1リールR1〜第3リールR3がステップモータの駆動により回転を開始し、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し、かつ所定の待機時間(ウェイトタイム)を経過したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を開放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び開放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、スピーカ340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、乱数発生手段110、抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSL(停止操作手段の一例)を押下することで作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて役の当否を決定するための内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、通常状態、ボーナス状態、およびリプレイタイム状態という複数種類の遊技状態が設定可能とされており、記憶手段190には、各遊技状態における内部抽選のための抽選テーブルが記憶されている。そして各遊技状態用の抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対してリプレイ(再遊技:入賞に伴い次回の遊技に際してメダルの投入が不要となる役)、小役(入賞に伴い予め定められた枚数のメダルが払い出される役:ベル、プラム)、及びボーナス(ボーナス状態への移行契機となる役:ボーナス役の一例)などの各種の役もしくはハズレのいずれかが対応づけられている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の抽選テーブル記憶手段191に記憶されている抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役のフラグを非内部当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から内部当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。フラグの設定情報は、記憶手段190のフラグ記憶手段192に格納される。また本実施形態では、入賞するまで次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越し可能なフラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越さずに非内部当選状態にリセットされるフラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ボーナス(ボーナス役の一例)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ等)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSL(遊技開始操作手段の一例)を押下することにより作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3をフラグの設定状態(役の当否)に応じて停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3(停止操作手段の一例)に対する押下操作(停止操作の一例)が有効化された状態(原則的には第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度に達した状態、ウェイトタイムが設定されている場合には、ウェイトタイムを経過していることを有効化のための付加的な条件としてもよい)において遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブルを参照してストップボタンB1〜B3の押下タイミング等(停止操作の態様)に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行う。
ここで停止制御テーブル記憶手段193は、図3に示すように、フラグ記憶手段192に格納される内部抽選の結果を示すフラグの設定状態毎にストップボタンB1〜B3への押下操作に対応する第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を設定した8種類の停止制御テーブルから構成されている第1停止制御テーブル群1931〜第2停止制御テーブル群1933を記憶している。
本実施形態では、リプレイのフラグのみが内部当選状態に設定される第1態様、ベルのフラグのみが内部当選状態に設定される第2態様、プラムのフラグのみが内部当選状態に設定される第3態様、ハズレによりいずれのフラグも内部当選状態に設定されていない第4態様、リプレイおよびボーナスのフラグが内部当選状態に設定される第5態様、ベルおよびボーナスのフラグが内部当選状態に設定される第6態様、プラムおよびボーナスのフラグが内部当選状態に設定される第7態様、ボーナスのフラグのみが内部当選状態に設定される第8態様の計8種類のフラグの設定状態が存在し、停止制御テーブル記憶手段193には、第1態様〜第8態様に示したフラグの設定状態に応じた8種類の停止制御テーブルが1つの停止制御テーブル群を構成している。
本実施形態では、図3に示すように、フラグ記憶手段192に格納されているフラグの設定状態が、第1態様である場合、リプレイ当選時テーブルAが参照され、第2態様である場合には、ベル当選時テーブルAが参照され、第3態様である場合には、プラム当選時テーブルAが参照され、第4態様である場合には、ハズレ時テーブルAが参照される。また本実施形態では、図3に示すように、フラグ記憶手段192に格納されているフラグの設定状態が、第5態様である場合には、リプレイ当選時テーブルB、リプレイ当選時テーブルC、およびリプレイ当選時テーブルDのいずれかが参照され、第6態様である場合には、ベル当選時テーブルBが参照され、第7態様である場合には、プラム当選時テーブルBが参照され、第8態様である場合には、ハズレ時テーブルB、ハズレ時テーブルC、およびハズレ時テーブルDのいずれかが参照される。
なお本実施形態では、図3に示すように、第1停止制御テーブル群1931〜第3停止制御テーブル群1933の各停止制御テーブル群を構成する8種類の停止制御テーブルのうちボーナスのフラグが内部当選状態に設定されていない遊技において参照されるテーブルをボーナス非当選時用テーブルと称し、ボーナスのフラグが内部当選状態に設定されている遊技において参照されるテーブルをボーナス当選時用テーブルと称することとする。
そして本実施形態では、第1停止制御テーブル群1931〜第3停止制御テーブル群1933のボーナス当選時用テーブルを構成する4種類の停止制御テーブルのうち2種類の停止制御テーブルに関して、ストップボタンB1〜B3への押下操作に対応する第1リールR1〜第3リールR3の停止位置が互いに異なるように設定されている。具体的には、ボーナス当選時用テーブルのうちリプレイ当選時テーブルおよびハズレ時テーブルにおける第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を指定するデータが、各停止制御テーブル群の間で互いに異なるように設定されている。例えば、リプレイおよびボーナスのフラグが内部当選状態に設定されている遊技において、第1停止制御テーブル群1931が選択された場合にはリプレイ当選時テーブルBが参照され、第2停止制御テーブル群1932が選択された場合にはリプレイ当選時テーブルCが参照され、第3停止制御テーブル群1933が選択された場合にはリプレイ当選時テーブルDが参照される。また例えば、ボーナスのフラグのみが内部当選状態に設定されている遊技において、第1停止制御テーブル群1931が選択された場合にはハズレ時テーブルBが参照され、第2停止制御テーブル群1932が選択された場合にはハズレ時テーブルCが参照され、第3停止制御テーブル群1933が選択された場合にはハズレ時テーブルDが参照される。
そして本実施形態では、リール制御手段130が、各遊技状態における毎回の遊技において第1停止制御テーブル群1931〜第3停止制御テーブル群1933のいずれかを選択して、選択された停止制御テーブル群を構成する8種類の停止制御テーブルの中からフラグ記憶手段192に格納されているフラグの設定状態に応じた停止制御テーブルを参照して第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する制御を行っている。
具体的には、リール制御手段130が、参照パターン設定手段131を含んで構成されており、参照パターン設定手段131は、ボーナスのフラグが内部当選状態に設定されていることに基づいて、参照テーブルレジスタ194に所定値を設定する参照パターン設定処理を行う。また参照パターン設定手段194は、毎回の遊技において参照テーブルレジスタ194の値を更新する処理を行う。本実施形態では、図4に示すように、ボーナス当選時以降の3回分の遊技における第1停止制御テーブル群1931〜第3停止制御テーブル群1933の参照パターンを参照テーブルレジスタの値によって選択できるように参照パターンテーブルが構成されており、通常状態においてボーナスに当選した場合、あるいはリプレイタイム状態においてボーナスに当選した場合には、参照パターン設定手段131が、参照テーブルレジスタ194に所定値として「3」を書き込む設定処理を行う。そして毎回の遊技において参照テーブルレジスタに「0」より大きい値が書き込まれている場合には、参照テーブルレジスタ194の値をデクリメントする更新処理を行う。なお参照パターン設定手段131は、ボーナスが入賞した場合など遊技状態が移行する場合には、参照テーブルレジスタ194の値を「0」に初期化する更新処理を行う。
そしてリール制御手段130は、参照パターンテーブル記憶手段194に記憶されている参照パターンテーブルから参照テーブルレジスタ194の値に基づいて、第1停止制御テーブル群1931〜第2停止制御テーブル1933のうちいずれか1つを選択して、選択された停止制御テーブル群を構成する8種類の停止制御テーブルの中からフラグ記憶手段192に格納されているフラグの設定状態に応じた停止制御テーブルを参照して第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する。
本実施形態では、通常状態あるいはリプレイタイム状態においてボーナスに当選していない遊技では、参照テーブルレジスタ194の値が0であるため、第1停止制御テーブル群1931が選択される。また通常状態においてボーナスに当選すると、ボーナス当選時の遊技において参照テーブルレジスタ194に「3」が書き込まれ、各遊技において値がデクリメントされていくことにより、3回の連続した遊技において第1停止制御テーブル群1931→第2停止制御テーブル群1932→第3停止制御テーブル群1933の順序による参照パターンが設定される。またボーナスが入賞して遊技状態がボーナス状態に移行した場合には、参照テーブルレジスタ194の値が遊技状態の移行に伴って初期化されるため、ボーナス状態での各遊技では、第1停止制御テーブル群が選択される。またリプレイタイム状態においてボーナスに当選すると、ボーナス当選時の遊技において参照テーブルレジスタ194に「3」が書き込まれ、各遊技において値がデクリメントされていくことにより、3回の連続した遊技において第3停止制御テーブル群1933→第2停止制御テーブル群1932→第1停止制御テーブル群1931の順序による参照パターンが設定される。
なお本実施形態では、各停止制御テーブルでは、ストップボタンB1〜B3に対する押下操作の態様(押下タイミングおよび押下順序)が同一である場合には、第1リールR1〜第3リールR3について同一の停止位置が指定されており、リール制御手段130は、フラグの設定状態毎の停止制御テーブルを参照して各リールの停止位置を決定することによって、ストップボタンB1〜B3に対する押下操作の態様と、抽選手段120による内部抽選の結果との組合せが同一である場合には、同一の停止位置で回転中のリールを停止させる制御を行っている。
また各停止制御テーブル群を構成するボーナス当選時用テーブルでは、役毎に定められた優先順位に従って、ストップスイッチ240の作動時点における各リールの位置と、実際の各リールの停止位置との対応関係が設定されている。すなわち、リール制御手段130は、ボーナスのフラグと、リプレイ、ベル、およびプラムのいずれかのフラグとがともに内部当選状態に設定されている場合には、各役に対して設定された優先順位に従って、優先順位が低い役の入賞形態を示す図柄組合せに優先して優先順位の高い役の入賞形態を示す図柄組合せを有効ライン上に表示させるようにリールを停止させる制御を行う。
特に本実施形態では、「リプレイ>ボーナス>小役(ベル、プラム)」の順序で優先順位が定められている。例えば、リプレイおよびボーナスのフラグがともに内部当選状態である場合に参照されるリプレイ当選時テーブルB、C、Dでは、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せがボーナスの入賞形態を示す図柄組合せに優先して有効ライン上に表示されるように各リールの停止位置が設定されている。また例えば、ボーナスおよび小役(ベル、プラム)のフラグがともに内部当選状態である場合に参照されるベル当選時テーブルB、プラム当選時テーブルBでは、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが小役(ベル、プラム)の入賞形態を示す図柄組合せに優先して有効ライン上に表示されるように各リールの停止位置が設定されている。
またリール制御手段130は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、フラグが内部当選状態に設定された役に対応する図柄が有効ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、フラグが非内部当選状態に設定された役に対応する図柄が有効ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、フラグの設定状態、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(あるいは有効ラインL1〜L5上に停止している図柄の種類)に応じて各リールの停止位置が変化するように第1停止制御テーブル群1931〜第3停止制御テーブル群1933を構成する停止制御テーブルが設定されている。このようにリール制御手段130は、フラグが内部当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方でフラグが非内部当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス(図示省略)を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。
そして本実施形態の遊技機では、回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルにおいて、ストップボタンB1〜B3の押下時点から各リールR1〜R3が停止するまでに要するコマ数が5コマ(0コマ〜4コマ)を上限として設定されており、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3に関する引き込み処理や蹴飛ばし処理において、ストップボタンB1〜B3の停止契機となる操作が行われた時点で表示窓DW内に位置するコマから最大4コマ先の図柄を引き込むことができるようにリールを停止させる制御を行っている。このため本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3については、図5に示すように、各リールの外周面に複数配列されているリプレイ図柄「RP」やベル図柄「BEL」などに関して、その間隔が5コマ以内となるように配列しており、リプレイ当選時やベル当選時においては、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序等に関係なくリプレイ図柄「RP」やベル図柄「BEL」を有効ライン上に引き込むことができる図柄配列を有している。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止状態に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した際に、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段196に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、各リールの停止状態によって有効ライン上に停止している図柄の組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
本実施形態では、図5に示すように、リールユニット310を構成する第1リールR1〜第3リールR3の外周面に対して、ボーナス図柄「7」、ベル図柄「BEL」、リプレイ図柄「RP」、プラム図柄「PLM」がそれぞれ配列されており、各リールが停止した状態において、「7・7・7」の図柄組合せが図1に示す有効ラインL1〜L5のいずれかに表示されるとボーナスが入賞したと判定され、「BEL・BEL・BEL」の図柄組合せが図1に示す有効ラインL1〜L5のいずれかに表示されるとベルが入賞したと判定され、「RP・RP・RP」の図柄組合せが図1に示す有効ラインL1〜L5のいずれかに表示されるとリプレイが入賞したと判定され、「PLM・PLM・PLM」の図柄組合せが図1に示す有効ラインL1〜L5のいずれかに表示されるとプラムが入賞したと判定される。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、メダルの払い出しをするための制御処理、リプレイ処理、遊技状態を移行させる制御処理などが実行される。例えば、小役(ベル、プラム)が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合や、ボーナス状態あるいはリプレイタイム状態が終了した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、何らかの役に入賞した場合に、入賞役に対応するメダルの払出枚数をホッパーユニット320(払出装置)に対して指示する制御を行う。このときホッパーユニット320は、指示された払出枚数のメダルを払い出す動作を行う。なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、払出制御手段150がメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に対して払出枚数を加算するクレジット加算処理を行う。また遊技の結果、リプレイあるいはボーナスが入賞した場合には、ホッパーユニット320からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に0枚のメダルを払い出したとする処理(0枚処理)が行われる。
またリプレイ処理手段160は、リプレイ(再遊技)が入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、自動的に前回の遊技と同じ枚数分のメダルが遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに投入状態に設定される自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを有効化した状態で次回の遊技の開始操作(遊技者によるスタートレバーSLの押下操作)を待機する。
また遊技状態移行制御手段170は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態、ボーナス状態、およびリプレイタイム状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
ボーナス状態は、内部抽選においてボーナスに当選した場合に、ボーナス図柄「7」を入賞の形態「7・7・7」で有効ラインL1〜L5のいずれかに停止させることを開始条件とする遊技状態である。またボーナス状態は、ボーナス遊技において所定枚数(例えば、465枚以下の予め定められた枚数)を超えるメダルが払い出されたことを終了条件とし、その終了条件が満たされた場合には遊技状態をリプレイタイム状態へ移行させる制御が行われる。
またボーナス状態の遊技では、小役の種類や入賞確率が上昇するように制御される。すなわち、ボーナス状態は、通常状態よりも短期間で多くのメダルが獲得しやすくなっており、遊技者にとって有利な遊技状態(特別状態)となっている。
リプレイタイム状態は、ボーナス状態の終了を開始条件とする遊技状態である。リプレイタイム状態では、遊技回数が所定回数(1回、5回、10回、50回、100回等)に達した場合にリプレイタイム状態を終了させて他の遊技状態へ移行するように制御される。なお所定の図柄組合せが表示されたことをリプレイタイム状態の開始条件として設定してもよく、さらにリプレイタイム状態での遊技中にボーナスに当選してボーナスのフラグが内部当選状態となった場合にリプレイタイム状態を終了させるようにしてもよい。
また本実施形態の遊技機では、遊技状態移行制御手段170がリプレイタイム状態での遊技回数を監視している。リプレイタイム状態では、ボーナス状態からの移行時にRTゲーム数として所定の遊技回数に相当する値がセットされ、遊技状態移行制御手段170は、遊技が行われる毎にRTゲーム数を1回分ずつデクリメントする。このRTゲーム数が0になった場合には、リプレイタイム状態が終了して、遊技状態が他の遊技状態へ移行する。なお所定の遊技回数分のRTゲーム数を予めセットするのではなく、RT状態への移行時にRTゲーム数をリセット(0にする)する処理を行うようにして遊技が行われる毎に1回分だけ値をカウントアップしていくようにしてもよい。
そしてリプレイタイム状態の遊技では、小役及びボーナスの当選確率は通常状態と同じ確率に維持されたまま、入賞により次回の遊技に際してメダルの投入が不要となるリプレイ(再遊技)の当選確率が通常状態より上昇する。すなわち、リプレイタイム状態は、通常状態よりもリプレイの当選頻度が高くなることにより、通常状態よりもメダルを消費しにくくなっており、遊技者にとって有利な遊技状態(特別状態)となっている。
演出制御手段180は、演出テーブル記憶手段197に記憶されている演出テーブルを参照して、演出テーブルを構成する演出データに基づいて演出装置(表示装置330、スピーカ340)に遊技演出を実行させる制御を行う。例えば、ランプ、LED、液晶ディスプレイ等の表示装置330を用いて行う表示演出やスピーカ340から出力される音による音演出に関する制御を行う。具体的には、遊技状態の変化、役の入賞、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカ340から音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310やホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の制御手法
本実施の形態では、複数の停止制御テーブル群を用意し、内部抽選によってボーナスが当選した場合に、予め複数回の遊技において参照される停止制御テーブル群を決定しておくことによって、複数回の遊技におけるリールの停止状態において表示される出目の推移によってボーナスの当選に対する期待感を演出する手法を採用する。
まず本実施の形態では、内部抽選の結果に応じて参照テーブルレジスタの値(以下、単にレジスタ値と呼ぶことがある)を設定することにより図4に示す参照パターンテーブルにおいて定義された複数回の遊技における第1停止制御テーブル群〜第3停止制御テーブル群の参照パターンを設定している。
具体的には、図6に示すように、通常状態において遊技が開始された当初は、レジスタ値が初期値である「0」に設定されていることに基づいて、第1停止制御テーブル群のボーナス非当選時用テーブルを構成する停止制御テーブルを参照して第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する。そして、通常状態における内部抽選においてボーナスに当選することによってボーナスフラグが内部当選状態に設定されると、レジスタ値が「3」に設定される。
するとボーナス当選時の遊技では、レジスタ値が「3」に設定されていることに基づいて、図4に示す参照パターンテーブルにおいて定義されている第1停止制御テーブル群のボーナス当選時用テーブルを構成する停止制御テーブルを参照して遊技における内部抽選の結果に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する。また遊技毎にレジスタ値はデクリメント更新され、ボーナス当選時の次回の遊技では、レジスタ値が「2」に設定されていることに基づいて、図4に示す参照パターンテーブルにおいて定義されている第2停止制御テーブル群のボーナス当選時用テーブルを構成する停止制御テーブルを参照して遊技における内部抽選の結果に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する。また上記と同様にして遊技毎にレジスタ値がデクリメント更新されることによって、ボーナス当選時の次々回の遊技では、レジスタ値が「1」に設定されていることに基づいて、図4に示す参照パターンテーブルにおいて定義されている第3停止制御テーブル群のボーナス当選時用テーブルを構成する停止制御テーブルを参照して遊技における内部抽選の結果に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する。
そして本実施形態の制御手法では、通常状態においてボーナスに当選した場合には、ボーナスが入賞するまでレジスタ値が「3」→「2」→「1」→「3」(一旦「0」にしてから設定し直す)→「2」→・・・となるように繰返しレジスタ値を設定および更新することによって、第1停止制御テーブル群→第2停止制御テーブル群→第3停止制御テーブル群の順序で各停止制御テーブル群が繰返し参照されるようになっている。
そして遊技者が停止制御テーブル群の参照パターンに応じた第1リールR1〜第3リールR3の挙動によってボーナスの当選に気付き、ボーナスを入賞させると、遊技状態をボーナス状態に移行させることに伴ってレジスタ値を「0」に初期化する。ボーナス状態では、レジスタ値が「0」に設定されていることに基づいて、図4に示す参照パターンテーブルにおいて定義されている第1停止制御テーブル群のボーナス非当選時用テーブルを参照して遊技における内部抽選の結果に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する。
またボーナス状態が終了すると、遊技状態をリプレイタイム状態に移行させることに伴って、レジスタ値を「0」に初期化する。リプレイタイム状態においても、レジスタ値が「0」に設定されていることに基づいて、図4に示す参照パターンテーブルにおいて定義されている第1停止制御テーブル群のボーナス非当選時用テーブルを参照して遊技における内部抽選の結果に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する。
そしてリプレイタイム状態における内部抽選においてボーナスに当選することによってボーナスフラグが内部当選状態に設定されると、レジスタ値が「3」に設定される。
するとボーナス当選時の遊技では、レジスタ値が「3」に設定されていることに基づいて、図4に示す参照パターンテーブルにおいて定義されている第3停止制御テーブル群のボーナス当選時用テーブルを構成する停止制御テーブルを参照して遊技における内部抽選の結果に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する。また遊技毎にレジスタ値はデクリメント更新され、ボーナス当選時の次回の遊技では、レジスタ値が「2」に設定されていることに基づいて、図4に示す参照パターンテーブルにおいて定義されている第2停止制御テーブル群のボーナス当選時用テーブルを構成する停止制御テーブルを参照して遊技における内部抽選の結果に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する。また上記と同様にして遊技毎にレジスタ値がデクリメント更新されることによって、ボーナス当選時の次々回の遊技では、レジスタ値が「1」に設定されていることに基づいて、図4に示す参照パターンテーブルにおいて定義されている第1停止制御テーブル群のボーナス当選時用テーブルを構成する停止制御テーブルを参照して遊技における内部抽選の結果に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定する。
そして本実施形態の制御手法では、リプレイタイム状態においてボーナスに当選した場合においても、ボーナスが入賞するまでレジスタ値が「3」→「2」→「1」→「3」(一旦「0」にしてから設定し直す)→「2」→・・・となるように繰返しレジスタ値を設定および更新することによって、第3停止制御テーブル群→第2停止制御テーブル群→第1停止制御テーブル群の順序で各停止制御テーブル群が繰返し参照されるようになっている。
次に、図8〜図11を参照しながら、ボーナスのフラグが内部当選状態に設定された場合における停止制御テーブル群の参照パターンに応じた出目の推移を説明する。
まず通常状態においてボーナスに当選した場合には、第1停止制御テーブル群→第2停止制御テーブル群→第3停止制御テーブル群の順序で停止制御テーブル群が順次参照される。以下、図8〜図10に関しては、ボーナス当選後の各遊技における内部抽選でハズレの結果が得られた場合について説明する。
まず図8に示す例において、第1停止制御テーブル群のハズレ時テーブルBが参照される遊技では、例えば、図5に示す第1リールR1に関して上段に2番のリプレイ図柄が位置するとともに下段に4番のベル図柄が位置するタイミングでストップボタンB1が押下され、図5に示す第2リールR2に関して上段に2番のリプレイ図柄が位置するとともに下段に4番のベル図柄が位置するタイミングでストップボタンB2が押下され、図5に示す第3リールR3に関して上段に4番のリプレイ図柄が位置するとともに中段に5番のベル図柄が位置するタイミングでストップボタンB3が押下されたとすると、図8(A)に示すように第1リールR1および第2リールR2についてボーナス図柄が下段に停止して、第3リールR3についてボーナス図柄が上段の停止位置よりさらに上の位置(図1に示す表示窓DWの外)に停止する出目が表示される。
次に、第2停止制御テーブル群のハズレ時テーブルCが参照される遊技では、上述したタイミングと同じタイミングでストップボタンB1〜B3が押下されると、図8(B)に示すように第1リールR1および第2リールR2についてボーナス図柄が下段に停止して、第3リールR3についてボーナス図柄が上段に停止する出目が表示される。
次に、第3停止制御テーブル群のハズレ時テーブルDが参照される遊技では、上述したタイミングと同じタイミングでストップボタンB1〜B3が押下されると、図8(C)に示すように第1リールR1および第2リールR2についてボーナス図柄が下段に停止して、第3リールR3についてボーナス図柄が中段に停止する出目が表示される。
このように図8に示す例によれば、3回の連続した遊技において同一のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下した場合であっても、第1リールR1および第2リールR2に関してボーナス図柄が下段に揃って停止するとともに、第3リールR3に関してボーナス図柄が下段に徐々に近づくように停止位置が可変していくことによって、ボーナスの当選に対する期待感を徐々に高めながら遊技者にボーナスの当選を報知する演出を行うことができる。
また図9に示す例において、第1停止制御テーブル群のハズレ時テーブルBが参照される遊技では、例えば、図5に示す第1リールR1に関して上段に16番のリプレイ図柄が位置するとともに中段に17番のベル図柄が位置するタイミングでストップボタンB1が押下され、図5に示す第2リールR2に関して上段に15番のプラム図柄が位置するとともに下段に17番のベル図柄が位置するタイミングでストップボタンB2が押下され、図5に示す第3リールR3に関して上段に17番のリプレイ図柄が位置するとともに中段に18番のベル図柄が位置するタイミングでストップボタンB3が押下されたとすると、図9(A)に示すように第1リールR1および第2リールR2についてプラム図柄が下段に停止して、第3リールR3についてプラム図柄が上段に停止する出目が表示される。
次に、第2停止制御テーブル群のハズレ時テーブルCが参照される遊技では、上述したタイミングと同じタイミングでストップボタンB1〜B3が押下されると、図9(B)に示すように第1リールR1および第2リールR2についてプラム図柄が上段に停止して、第3リールR3についてプラム図柄が下段に停止する出目が表示される。
次に、第3停止制御テーブル群のハズレ時テーブルDが参照される遊技では、上述したタイミングと同じタイミングでストップボタンB1〜B3が押下されると、図9(C)に示すように第1リールR1および第3リールR3についてプラム図柄が上段に停止して、第2リールR2についてプラム図柄が下段に停止する出目が表示される。
このように図9に示す例によれば、3回の連続した遊技において同一のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下した場合であってもプラム図柄の停止位置が可変することによって、ボーナスの当選に対する期待感を徐々に高めながら遊技者にボーナスの当選を報知する演出を行うことができる。
また図10に示す例において、第1停止制御テーブル群のハズレ時テーブルBが参照される遊技では、例えば、図5に示す第1リールR1に関して中段に11番のリプレイ図柄が位置するとともに下段に12番のベル図柄が位置するタイミングでストップボタンB1が押下され、図5に示す第2リールR2に関して上段に10番のリプレイ図柄が位置するとともに下段に12番のベル図柄が位置するタイミングでストップボタンB2が押下されたとすると、図10(A)に示すように第3リールR3が回転中のまま第1リールR1および第2リールR2についてリプレイ図柄が中段に停止する出目が表示される。このとき第3リールR3に関して任意のタイミングでストップボタンB3が押下されると、中段にリプレイ図柄が表示されない位置で第3リールR3が停止する。
次に、第2停止制御テーブル群のハズレ時テーブルCが参照される遊技では、上述したタイミングと同じタイミングでストップボタンB1、B2が押下されると、図10(B)に示すように第3リールR3が回転中のまま第1リールR1および第2リールR2についてベル図柄が中段に停止する出目が表示される。このとき第3リールR3に関して任意のタイミングでストップボタンB3が押下されると、中段にベル図柄が表示されない位置で第3リールR3が停止する。
次に、第3停止制御テーブル群のハズレ時テーブルDが参照される遊技では、例えば、図5に示す第1リールR1に関して中段に14番のプラム図柄が位置するタイミングでストップボタンB1が押下され、図5に示す第2リールR2に関して上段に18番のリプレイ図柄が位置するタイミングでストップボタンB2が押下されたとすると、図10(C)に示すように第3リールR3が回転中のまま第1リールR1および第2リールR2についてプラム図柄が中段に停止する出目が表示される。このとき第3リールR3に関して任意のタイミングでストップボタンB3が押下されると、中段にプラム図柄が表示されない位置で第3リールR3が停止する。
このように図9に示す例によれば、2回の連続した遊技において同一のタイミングでストップボタンB1、B2を押下した場合に、中段の停止位置に揃って停止する図柄の種類がリプレイ図柄→ベル図柄の順序で可変することによって、次の遊技でボーナスの当選に対する期待感を徐々に高めながらプラム図柄を中段に停止させるようにストップボタンB1、B2に対して押下操作を行わせて、遊技者にボーナスの当選を報知する演出を行うことができる。
次に、リプレイタイム状態においてボーナスに当選した場合には、第3停止制御テーブル群→第2停止制御テーブル群→第1停止制御テーブル群の順序で停止制御テーブル群が順次参照される。以下、図11に関しては、ボーナス当選後の各遊技における内部抽選でリプレイ当選の結果が得られた場合について説明する。
図11に示す例において、第3停止制御テーブル群のリプレイ当選時テーブルDが参照される遊技では、例えば、図5に示す第1リールR1に関して上段に12番のベル図柄が位置するとともに下段に14番のプラム図柄が位置するタイミングでストップボタンB1が押下され、図5に示す第2リールR2に関して上段に12番のベル図柄が位置するとともに中段に13番のリプレイ図柄が位置するタイミングでストップボタンB2が押下され、図5に示す第3リールR3に関して上段に12番のリプレイ図柄が位置するとともに中段に13番のベル図柄が位置するタイミングでストップボタンB3が押下されたとすると、図11(A)に示すように有効ラインL2においてリプレイが入賞するように第1リールR1〜第3リールR3が停止する出目が表示される。
次に、第2停止制御テーブル群のリプレイ当選時テーブルCが参照される遊技では、上述したタイミングと同じタイミングでストップボタンB1〜B3が押下されると、図11(B)に示すように有効ラインL1においてリプレイが入賞するように第1リールR1〜第3リールR3が停止する出目が表示される。
次に、第1停止制御テーブル群のリプレイ当選時テーブルBが参照される遊技では、上述したタイミングと同じタイミングでストップボタンB1〜B3が押下されると、図11(C)に示すように有効ラインL3においてリプレイが入賞するように第1リールR1〜第3リールR3が停止する出目が表示される。
このように図11に示す例によれば、3回の連続した遊技において同一のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下した場合であってもリプレイの入賞形態を示す図柄組合せ「RP・RP・RP」が表示される有効ラインが可変することによって、ボーナスの当選に対する期待感を徐々に高めながら遊技者にボーナスの当選を報知する演出を行うことができる。特にリプレイタイム状態では、通常状態に比べてリプレイの当選確率が飛躍的に高められているため、3回の連続した遊技での内部抽選においてリプレイが当選することが期待できるため、本実施形態の制御手法によれば、ボーナス当選に対する期待感を3回分の遊技において維持させつつ遊技者にボーナスが当選したことを確実かつ早期に報知する演出を行うことができる。
以上に述べた本実施形態の制御手法によれば、内部抽選の結果に応じて設定されるフラグの設定状態がボーナスの当選を示す設定状態であることに基づいて、複数回の連続した遊技における第1停止制御テーブル群〜第3停止制御テーブル群の参照パターンを設定することとしたので、遊技者は、複数回の連続した遊技における第1リールR1〜第3リールR3の停止制御の内容が特殊であることによってボーナスに当選していることを把握することができるようになる。このため本実施形態の制御手法によれば、1回の遊技におけるリールの停止状態において表示される図柄組合せによって遊技者にとって関心の高いボーナスの当否を遊技者に即座に把握されてしまうという不都合を解消することができ、複数回の遊技においてボーナスの当選に対する期待感を持続させながら遊技を行わせることができるようになる。
続いて図12および図13のフローチャートを参照しながら本実施形態の手法を実現する遊技機の制御処理の例を説明する。
図12は、複数の遊技状態の関係を示したフローチャートである。
まず本実施形態の遊技機では、初期設定で通常状態に設定され、通常遊技が実行される(ステップS10)。そして通常状態中にボーナスに当選して、ボーナス図柄が1の有効ライン上に揃って停止することによりボーナスが入賞すると(ステップS11でY)、遊技状態が通常状態からボーナス状態に移行する(ステップS12)。
ボーナス状態では、小役の種類や入賞率がアップし、通常状態よりも多くのメダルが短時間で獲得できるボーナス遊技が実行される。そして、ボーナス遊技は、所定枚数(例えば、465枚)を超えるメダルが払い出されるまで継続され(ステップS13でN)、メダルの総払出枚数が所定枚数に達すると(ステップS13でY)、ボーナス状態は終了する。ボーナス状態が終了すると、リプレイタイム状態のゲーム数(所定の遊技回数に相当する値)を設定してから遊技状態をリプレイタイム状態に移行させる(ステップS14、S15)。
リプレイタイム状態では、リプレイの当選確率を通常状態よりも上昇させたリプレイタイム遊技を実行する。そしてリプレイタイム状態において、ボーナスに当選してボーナスを入賞させた場合には(ステップS16でY)、リプレイタイム状態を強制終了させて遊技状態をボーナス状態へ移行させる(ステップS12へ)。またリプレイタイム状態において、ステップS14で設定されたゲーム数に相当する回数のリプレイタイム遊技を消化した場合(RTゲーム数が0になった場合:ステップS17でY)には、遊技状態を通常状態へ復帰させる(ステップS10へ)。
図13は、各遊技状態において行われる遊技制御処理の例を示すフローチャートである。
まず遊技者がスタートレバーSLを押下してスタートスイッチが作動すると(ステップS20でY)、内部抽選が行われる(ステップS21)。内部抽選では、インクリメントカウンタより乱数値を取得して、取得した乱数値を抽選テーブルと比較することにより役の当否を決定する。このとき内部抽選の結果に基づいて、当選役に対応する当選フラグが内部当選状態に設定される。
そして内部抽選が済むと、内部抽選の結果に基づいて、ボーナスフラグのチェック処理が行われる(ステップS22)。具体的には、ボーナスフラグが内部当選状態に設定されているか否かをチェックする。
このときボーナスフラグが内部当選状態に設定されている場合には(ステップS22でY)、参照テーブルレジスタのチェック処理を行う(ステップS23)。すなわち現在の参照テーブルレジスタの値が初期化されているか否かによって、参照テーブルレジスタの書き換えが必要であるか否かを判定する。
そして参照テーブルレジスタの値が初期化されている場合には(ステップS23でY)、参照テーブルレジスタに所定の値(例えば、「3」)を書き込むことにより、複数回の遊技における第1停止制御テーブル群〜第3停止制御テーブル群の参照パターンを設定する(ステップS24)。
次に、参照パターンテーブルを参照して、現在の参照テーブルレジスタの値に応じた停止制御テーブル群を選択してから(ステップS25)、ステップモータへの駆動パルスの供給を開始して、第1リールR1〜第3リールR3の回転駆動を開始する(ステップS26)。
そして、遊技者がストップボタンB1〜B3のいずれかを押下することによりストップスイッチが作動すると(ステップS27でY)、ストップスイッチのオン動作に基づいて押下されたボタンに対応するリールのステップモータを駆動する駆動パルスの供給を停止してリールを停止させる処理を行う(ステップS28)。このときステップS25において選択された停止制御テーブル群を構成する内部抽選の結果に応じた停止制御テーブルを参照してリールの停止位置を決定する処理が行われる。
そしてストップボタンB1〜B3が全て押下されることにより第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止すると(ステップS29でY)、全リールの停止状態に基づいて役が入賞したか否かが判定される入賞判定処理が行われる(ステップS30)。このとき内部抽選において当選した役が入賞していた場合には(ステップS30でY)、入賞時処理として入賞役に応じた処理が行われる(ステップS31)。具体的には、小役(ベル、プラム)が入賞した場合には、ホッパーユニットによりメダルを払い出す払出処理が行われ、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数のメダルを遊技者のメダルを要さずに自動投入して次回の遊技開始の操作を待機するリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合には、遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。また内部抽選の結果、何らかの役に当選していても、入賞を果たせなかった場合には(ステップS30でN)、ステップS31の入賞時処理はバイパスされる。
最後に遊技の結果を踏まえて参照テーブルレジスタの値を更新する処理を行う(ステップS32)。具体的には、遊技状態の移行を伴わない場合には、参照テーブルレジスタの値を減算(デクリメント)する処理を行い、遊技状態の移行を伴う場合には、参照テーブルレジスタの値を初期化する処理を行う。
なお、本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
例えば、上記実施形態では、各遊技状態における第1停止制御テーブル群〜第3停止制御テーブル群の参照パターンがそれぞれ1種類である場合を例に取り説明をしたが、各遊技状態に関して複数種類の参照パターンを参照パターンテーブルに設定しておいてもよい。この場合には、参照パターンを選択するフラグを個別に対応づけておき、内部抽選とは別の抽選を行うことでフラグを作動させることにより、参照パターンを選択することができる。
また例えば、上記実施形態では、参照パターン設定処理をボーナス当選からボーナス入賞まで繰返し行う場合を例に取り説明をしたが、ボーナス当選後の遊技において参照パターン設定処理を行うか否かを決定する抽選を行って、その抽選に当選したことを契機として参照パターン設定処理が実行されるようにしてもよい。また参照パターン設定処理は、ボーナス当選時に限らず、内部抽選の対象となっているボーナス以外の役が当選したことに基づいて行われるようにしてもよい。
また例えば、上記実施形態では、複数回の連続した遊技における第1停止制御テーブル群〜第3停止制御テーブル群の参照パターンを設定する場合を例に取り説明をしたが、所定回数毎の連続していない遊技において参照される停止制御テーブル群を設定するようにしてもよい。
また例えば、停止制御テーブル群の数は3つに限られず、また参照パターンで設定される遊技の回数は、3回に限られない。少なくとも停止制御テーブル群が2つ用意されていればよく、また少なくとも2回の遊技に関する参照パターンを予め設定するようにすれば、本発明の範囲に含まれるものとする。
また例えば、上記実施形態で説明した参照パターンの設定手法は、一例を示したに過ぎず、上記実施形態の手法と同様の効果を奏する均等な手法を採用した場合においても本発明の範囲に含めることができる。