以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BX、前面上扉UD、および前面下扉DDからなる箱形の筐体内に第1リールR1〜第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。また筐体内のリールユニットの下部には、メダルの払出装置としてのホッパーユニット(図示省略)が収められている。また本実施形態の遊技機の筐体内には、CPU、ROM(情報記憶媒体の一例)、RAM等を搭載し、遊技機の動作を制御する制御基板も収められている。
図1に示す第1リールR1〜第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1〜第3リールR3は、ステップモータ(リール駆動手段:図示省略)に軸支されており、それぞれステップモータの軸周りに回転駆動され、ステップモータの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによってコマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステップモータが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1〜第3リールR3を回転駆動し、制御基板から駆動パルスの供給が断たれると、ステップモータの回転が停止することに伴って第1リールR1〜第3リールR3が停止する。
前面上扉UDと前面下扉DDとは個別に開閉可能に設けられており、前面上扉UDには第1リールR1〜第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1〜第3リールR3の停止状態では、第1リールR1〜第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうちの3個分(3コマ分)の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。そして遊技者の遊技結果は表示窓DW内の5本の有効ラインL1〜L5上に停止表示された図柄の組合せによって判断され、有効ライン上の図柄の組合せが予め定められた役に対応した組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットからメダルの払い出し等が行われる。
なお5本の有効ラインL1〜L5は、メダルの投入枚数(ベット数)に応じて有効化されるラインが決定される。本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して1枚〜3枚の範囲でメダルを投入可能とされており、前面下扉DDに設けられたメダル投入口MIへ1枚
のメダルを投入した場合、1本の有効ラインL1が有効化され、メダル投入口MIへ2枚のメダルを投入した場合、3本の有効ラインL1〜L3が有効化され、メダル投入口MIへ3枚のメダルを投入した場合、5本の有効ラインL1〜L5が全て有効化される。
また前面上扉UDには、遊技情報表示部DSが設けられている。遊技情報表示部DSは、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルの内部貯留枚数(クレジット数)、1回の遊技におけるメダルの払出枚数(又は獲得枚数)、ボーナス遊技の残り回数等の各種遊技情報が表示される。
また前面上扉UDには、遊技演出を行うための液晶ディスプレイLCDが設けられている。この液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面上扉UDや前面下扉DDに対して、遊技演出を行うためのスピーカ(図示省略)が複数設けられている。このスピーカからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたりするための各種の音声が出力される。
また前面下扉DDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、貯留されたメダルを投入状態にする操作を行うためのベットボタンB0(投入操作手段の一例)、第1リールR1〜第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバーSL(遊技開始操作手段の一例)、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタンB1〜B3(停止操作手段の一例)が設けられている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルをメダル投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、遊技を開始することが可能な準備状態にセットされる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において乱数値を用いた内部抽選が行われるとともに、第1リールR1〜第3リールR3がステップモータの駆動により回転を開始し、第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇し、かつ所定の待機時間(ウェイトタイム)を経過したことを条件に、ストップボタンB1〜B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1〜B3を押下していくと、ストップボタンB1〜B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1〜B3を開放すると、各ボタンのストップスイッチがオフ動作を行い、制御基板に入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そして制御基板は、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング及び開放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる。
また前面下扉DDの下部には、メダル払い出し口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがメダル払い出し口MOからメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。
図2は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、遊技制御手段100によって制御される。遊技制御手段100は、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット320、表示装置330、スピーカ340等の出力手段の動作制御を行う。遊技制御手段100の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして遊技制御手段100は、乱数発生手段110、抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、リプレイ処理手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、記憶手段190を含む。
乱数発生手段110は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
抽選手段120は、遊技者がスタートレバーSL(操作手段の一例)を押下することで作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて役の当否を決定する内部抽選を行う手段であって、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、記憶手段190の抽選テーブル記憶手段191に格納されている複数の抽選テーブルのうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、通常状態およびビッグボーナス状態(BB状態)という複数種類の遊技状態が設定可能とされており、抽選テーブル記憶手段191には、各遊技状態における内部抽選のための抽選テーブルが記憶されている。そして各遊技状態用の抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対してリプレイ(再遊技:入賞に伴い次回の遊技に際してメダルの投入が不要となる役)、小役(入賞に伴い予め定められた枚数のメダルが払い出される役)、及びビッグボーナス(BB)などの各種の役もしくはハズレのいずれかが対応づけられている。
特に、本実施形態の遊技機では、小役としてベル(他の小役の一例)、プラム、ダミー役(特定の小役の一例)の3種類が用意されており、抽選テーブルを構成する乱数値に関して、ベルのみに対応づけられる乱数値群と、ベルとダミー役との双方に共通に対応づけられる乱数値群と、プラムのみに対応付けられる乱数値群とが各小役の当否を決定する乱数値として設定されている。すなわち本実施形態の遊技機では、1回の内部抽選でベルが単独当選する態様と、1回の内部抽選でベルとダミー役とが重複当選する態様とがあるように抽選テーブルが設けられている。
乱数判定処理では、スタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて遊技毎に乱数発生手段110から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について記憶手段190の抽選テーブル記憶手段191に記憶されている抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
フラグ設定処理では、乱数判定の結果に基づいて、当選したと判定された役のフラグを非内部当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から内部当選状態(第2のフラグ状態、
オン状態)に設定する。フラグの設定情報は、記憶手段190のフラグ記憶手段192に格納される。また本実施形態では、入賞するまで次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越し可能なフラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に内部当選状態を持ち越さずに非内部当選状態にリセットされるフラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者のフラグが対応づけられる役としては、ビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ等)は後者のフラグに対応づけられている。
リール制御手段130は、遊技者がスタートレバーSL(遊技開始操作手段の一例)を押下することにより作動するスタートスイッチ230からの遊技スタート信号に基づいて、第1リールR1〜第3リールR3をステップモータにより回転駆動する制御を行うとともに、ステップモータにより回転駆動されている第1リールR1〜第3リールR3をフラグの設定状態(役の当否)に応じて停止させる制御を行う。
そしてリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3(停止操作手段の一例)に対する押下操作(停止操作の一例)が有効化された状態(原則的には第1リールR1〜第3リールR3の回転速度が所定速度に達した状態、ウェイトタイムが設定されている場合には、ウェイトタイムを経過していることを有効化のための付加的な条件としてもよい)において遊技者がストップボタンB1〜B3を押下することによりストップスイッチ240が作動すると、ストップスイッチ240からのリール停止信号に基づいて、リールユニット310のステップモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1〜第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。すなわちリール制御手段130は、ストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1〜第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段190の停止制御テーブル記憶手段193に記憶されている停止制御テーブル(第1制御テーブル1931〜第N制御テーブル193Nのいずれか1つ)を参照してストップボタンB1〜B3の押下タイミング等(停止操作の態様)に応じた第1リールR1〜第3リールR3の停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行う。
ここで第1制御テーブル1931〜第N制御テーブル193Nは、抽選手段120による内部抽選の結果に応じて設定されるフラグの設定状態に対応して用意されるものであり、各制御テーブルでは、ストップスイッチ240の作動時点(ストップボタンB1〜B3の各ボタンの押下操作が検出された時点)における第1リールR1〜第3リールR3の各リールの位置と、第1リールR1〜第3リールR3の各リールの実際の停止位置との対応関係が設定されている。また各制御テーブルでは、ストップボタンB1〜B3に対する押下操作の態様(押下タイミングおよび押下順序)が同一である場合には、第1リールR1〜第3リールR3について同一の停止位置が指定されている。
このようにリール制御手段130は、フラグの設定状態毎の制御テーブルを参照して各リールの停止位置を決定することによって、ストップボタンB1〜B3に対する押下操作の態様と、抽選手段120による内部抽選の結果との組合せが同一である場合には、同一の停止位置で回転中のリールを停止させる制御を行っている。
また各制御テーブルでは、2種類以上の役のフラグが内部当選状態に設定されている場合に選択されるテーブルにおいて、役毎に定められた優先順位に従って、ストップスイッチ240の作動時点における各リールの位置と、実際の各リールの停止位置との対応関係が設定されている。すなわち、リール制御手段130は、2種類以上の役に関するフラグが内部当選状態に設定されている場合には、各役に対して設定された優先順位に従って、優先順位が低い役の入賞形態を示す図柄組合せに優先して優先順位の高い役の入賞形態を
示す図柄組合せを有効ライン上に表示させるようにリールを停止させる制御を行う。
特に本実施形態では、「リプレイ>ビッグボーナス>小役」の順序で優先順位が定められている。例えば、リプレイおよびビッグボーナスのフラグがともに内部当選状態である場合に選択される制御テーブルでは、リプレイの入賞形態を示す図柄組合せがビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せに優先して有効ライン上に表示されるように各リールの停止位置が設定されている。また例えば、ビッグボーナスおよび小役のフラグがともに内部当選状態である場合に選択される制御テーブルでは、ビッグボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが小役の入賞形態を示す図柄組合せに優先して有効ライン上に表示されるように各リールの停止位置が設定されている。
また本実施形態では小役に関して、ベルとダミー役とが重複当選可能に内部抽選が行われるため、ベルとダミー役との間において「ベル>ダミー役」の順序で優先順位が定められている。そして本実施形態では、内部抽選でベルが単独当選した場合に選択される制御テーブルと、内部抽選でベルとダミー役とが重複当選した場合に選択される制御テーブルとが個別に用意されている。具体的には、ベルが単独当選した場合には、第1制御テーブル1931が選択され、ベルとダミー役とが重複当選した場合には、第2制御テーブル1932が選択される。特に第2制御テーブル1932では、「ベル>ダミー役」の優先順位に従って、ベルの入賞形態を示す図柄組合せがダミー役の入賞形態を示す図柄組合せに優先して有効ライン上に表示されるように各リールの停止位置が設定されている。
またリール制御手段130は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、フラグが内部当選状態に設定された役に対応する図柄が有効ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、フラグが非内部当選状態に設定された役に対応する図柄が有効ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、フラグの設定状態、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(あるいは有効ラインL1〜L5上に停止している図柄の種類)に応じて各リールの停止位置が変化するように第1制御テーブル1931〜第N制御テーブル193Nが設定されている。このようにリール制御手段130は、フラグが内部当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方でフラグが非内部当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス(図示省略)を備えており、リール制御手段130は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。
そして本実施形態の遊技機では、回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブル(第1制御テーブル1931〜第N制御テーブル193N)において、ストップボタンB1〜B3の押下時点から各リールR1〜R3が停止するまでに要するコマ数が5コマ(0コマ〜4コマ)を上限として設定されており、リール制御手段130は、第1リールR1〜第3リールR3に関する引き込み処理や蹴飛ばし処理において、ストップボタンB1〜B3の停止契機となる操作が行われた時点で表示窓DW内に位置するコマから最大4コマ先の図柄を引き込むことができるようにリールを停止させる制御を行っている。このため本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3については、各リールの外周面に複数配列されているリプレイ図柄や、ベル図柄などに関して、その間隔が概ね5コマ以内となるように配列しており、ストップボタンB1〜B3の押下タイミング、押下順序等に関係なくリプレイ図柄や、ベル図柄を有効ライン上に引き込むことができるような図柄配列を有している。
入賞判定手段140は、第1リールR1〜第3リールR3の停止状態に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止した際に、記憶手段190の入賞判定テーブル記憶手段194に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、各リールの停止状態によって有効ライン上に停止している図柄の組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
そして本実施形態の遊技機では、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、メダルの払い出しをするための制御処理、リプレイ処理、遊技状態を移行させる制御処理などが実行される。例えば、小役が入賞した場合には払出制御手段150によってメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理手段160によってリプレイ処理が行われ、BBが入賞した場合やBB状態が終了した場合には遊技状態移行制御手段170によって遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
払出制御手段150は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、何らかの役に入賞した場合に、入賞役に対応するメダルの払出枚数をホッパーユニット320(払出装置)に対して指示する制御を行う。このときホッパーユニット320は、指示された払出枚数のメダルを払い出す動作を行う。なおメダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、払出制御手段150がメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段190のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの枚数)に対して払出枚数を加算するクレジット加算処理を行う。また遊技の結果、リプレイあるいはBBが入賞した場合には、ホッパーユニット320からのメダルの払い出しは行われないが、形式的に0枚のメダルを払い出したとする処理(0枚処理)が行われる。
またリプレイ処理手段160は、リプレイ(再遊技)が入賞した場合に、次回の遊技に関してメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、自動的に前回の遊技と同じ枚数分のメダルが遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに投入状態に設定されるベット処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを有効化した状態で次回の遊技の開始操作(遊技者によるスタートレバーSLの押下操作)を待機する。
また遊技状態移行制御手段170は、所定の移行条件の成立に基づいて、通常状態およびビッグボーナス状態(BB状態)の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち、1の条件が成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
BB状態は、通常状態においてビッグボーナス(BB)に内部当選した場合に、所定のボーナス図柄を入賞の形態で停止させることを開始条件とする遊技状態である。またBB状態は、ボーナス遊技において所定枚数(例えば、465枚以下の予め定められた枚数)を超えるメダルが払い出されたことを終了条件とし、その終了条件が満たされた場合には遊技状態が通常状態へ復帰させる制御が行われる。
またBB状態のボーナス遊技では、小役の種類や入賞確率が上昇するように制御される。すなわち、BB状態は、通常状態よりも短期間で多くのメダルが獲得しやすくなっており、遊技者にとって有利な遊技状態(特別状態)となっている。
演出制御手段180は、演出テーブル記憶手段195に記憶されている演出テーブルを参照して、演出テーブルを構成する演出データに基づいて演出装置(表示装置330、スピーカ340)に遊技演出を実行させる制御を行う。例えば、ランプ、LED、液晶ディスプレイ等の表示装置330を用いて行う表示演出やスピーカ340から出力される音による音演出に関する制御を行う。具体的には、遊技状態の変化、役の入賞、メダルの投入やベットボタンB0、スタートレバーSL、ストップボタンB1〜B3に対する操作などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカ340から音を出力させたりすることにより、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出制御を行う。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、メダル投入スイッチ210、ベットスイッチ220、スタートスイッチ230、ストップスイッチ240等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310やホッパーユニット320などは必須の構成要件ではなく、これらの装置ユニットは、ディスプレイ(表示装置330)に表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の制御手法
次に、図3〜図11を参照しながら、本実施形態の遊技機で採用されている制御手法を具体的に説明する。
まず本実施の形態の遊技機では、リールユニットを構成する第1リールR1〜第3リールR3の各リールの外周面に対して図3に示すように図柄が配列されている。各リールの外周面は、0番〜20番までの21個のコマに区画されていて、各コマに図柄が1つずつ配列されている。なお図3では、説明の便宜上、入賞に伴い10枚のメダルが払い出される小役であるベル(他の小役の一例)を構成するベル図柄「BEL」、入賞に伴い1枚のメダルが払い出される小役であるダミー役(特定の小役の一例)を構成するダミー図柄「DUM」、入賞に伴い5枚のメダルが払い出される小役であるプラムを構成するプラム図柄「PLM」、リプレイを構成するリプレイ図柄「RP」、およびビッグボーナスを構成するボーナス図柄「7」のみの配列を示している。そして上述した役毎に設定される優先順位は、「リプレイ>ビッグボーナス>小役」の順序となっており、小役同士の優先順位については、入賞に伴って払い出されるメダルの枚数が多いほど優先順位が高くなるように設定されており、具体的には、「ベル>プラム>ダミー役」の順序となっている。
そして本実施の形態の遊技機では、図1に示す有効ラインL1〜L5のいずれかの有効ライン上に役毎に定められた入賞形態を示す図柄組合せが表示されることにより役が入賞する。例えば、ベルについては「BEL・BEL・BEL」の図柄組合せが有効ライン上に揃って停止することにより入賞する。また例えば、ダミー役については「BEL・DUM・BEL」の図柄組合せが有効ライン上に揃って停止することにより入賞する。また例えば、プラムについては「PLM・PLM・PLM」の図柄組合せが有効ライン上に揃っ
て停止することにより入賞する。また例えば、リプレイについては「RP・RP・RP」の図柄組合せが有効ライン上に停止することにより入賞する。また例えば、ビッグボーナスについては「7・7・7」の図柄組合せが揃って停止することにより入賞する。
また本実施形態の遊技機では、図4に示す抽選テーブルを使用して通常状態における内部抽選を実行している。具体的には、0〜65535までの65536個の乱数値のそれぞれに対して、上述したビッグボーナス、リプレイ、ベル、ダミー役、プラムの各役のいずれか1つ以上またはハズレが対応づけられ、特に図4に示す抽選テーブルの例では、ベルのみが対応づけられる乱数値群A(第1の乱数値群)と、ベルとダミー役とが共通に対応づけられている乱数値群B(第2の乱数値群)とが設定されている。このようにすることによって、内部抽選で乱数値群Aに属する乱数値が取得された場合にはベルが単独当選し、内部抽選で乱数値群Bに属する乱数値が取得された場合にはベルとダミー役とが重複当選する。
そして本実施形態の遊技機では、第1リールR1〜第3リールR3の外周面に配列されている複数種類の図柄のうち内部抽選で当選した役を構成する図柄が、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作が行われた時点で有効ライン上のいずれかの位置(上段、中段、下段のいずれか)に対して4コマ以内(いわゆる引き込み範囲内:所定の範囲内の一例)に配列されている場合に、内部抽選で当選した役を構成する図柄を有効ライン上に表示させるように、停止操作に対応するリールを停止させる制御を行っている。
そこで図3に示す例では、第1リールR1〜第3リールR3の各リールの外周面において、各ベル図柄が上述した引き込み範囲内に配列されているとともに、第2リールR2の外周面において、ダミー役を構成するダミー図柄「DUM」と、ベルを構成するベル図柄「BEL」とが、上述した引き込み範囲内に配列されている。このようにすることによって、内部抽選でベルが単独当選した場合およびベルとダミー役とが重複当選した場合のいずれにおいても、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作の態様に関わらずベルの入賞形態を示す図柄組合せ「BEL・BEL・BEL」を有効ライン上に表示するように各リールを停止させることができるようになっている。すなわち本実施の形態では図3に示すような図柄配列を採用することによって、ダミー役の入賞を狙ってストップボタンB1〜B3に対して押下操作を行っても、ダミー役より優先順位の高いベルを構成する図柄「BEL」がダミー役を構成する図柄「DUM」に対して必ず引き込み範囲内に配列されているため、ダミー役の入賞を回避しつつベルが入賞するように各リールを停止させることができるようになっている。
ここで図5〜図7では、内部抽選でベルが単独当選した場合におけるリールの停止制御の例を示している。
まず図5(A)に示すように、回転中の第1リールR1に関して、下段に16番のリプレイ図柄が位置するタイミングで遊技者がストップボタンB1を押下操作すると、ストップボタンB1の押下操作に伴って第1リールR1を停止させる。本例では、ベルのフラグが内部当選状態であることに伴って第1制御テーブル1931(図2参照)が選択され、13番のベル図柄を有効ライン上に引き込むように第1リールR1の停止位置が決定される。具体的には、図5(A)に示す回転状態から第1リールR1を1コマ分滑らせてから停止させる制御が行われて、図5(B)に示すように、上段にベル図柄が表示される。
次に、図5(B)に示す状態から、図6(A)に示すように、回転中の第2リールR2に関して、上段に13番のリプレイ図柄が位置し、中段に14番のダミー図柄が位置し、下段に15番のプラム図柄が位置するタイミングで遊技者がストップボタンB2を押下操作すると、ストップボタンB2の押下操作に伴って第2リールR2を停止させる。本例で
は、第1制御テーブル1931を参照して、12番のベル図柄を有効ライン上に引き込むように第2リールR2の停止位置が決定される。具体的には、図6(A)に示す回転状態から第2リールR2を1コマ分滑らせてから停止させる制御が行われて、図6(B)に示すように、上段にベル図柄が表示される。
次に、図6(B)に示す状態から、図7(A)に示すように、回転中の第3リールR3に関して、中段に16番のプラム図柄が位置し、下段に17番のリプレイ図柄が位置するタイミングで遊技者がストップボタンB3を押下操作すると、ストップボタンB3の押下操作に伴って第3リールR3を停止させる。本例では、第1制御テーブル1931を参照して、13番のベル図柄を有効ライン上に引き込むように第3リールR3の停止位置が決定される。具体的には、図7(A)に示す回転状態から第3リールR3を2コマ分滑らせてから停止させる制御が行われて、図7(B)に示すように、上段にベル図柄が表示されて有効ラインL2においてベルが入賞する。
続いて図5、図8、図9を参照しながら、内部抽選でベルとダミー役とが重複当選した場合におけるリールの停止制御の例を説明する。
まず本例では、ベルのフラグとダミー役のフラグとがともに内部当選状態であることに伴って第2制御テーブル1932(図2参照)が選択され、本例においても図5(A)に示すタイミングでストップボタンB1が押下操作されると、図5(B)に示すように、上段に13番のベル図柄が表示されるように第1リールR1を停止させる制御が行われる。
次に、図5(B)に示す状態から、図8(A)に示すように、回転中の第2リールR2に関して、上段に13番のリプレイ図柄が位置し、中段に14番のダミー図柄が位置し、下段に15番のプラム図柄が位置するタイミング(図6(A)と同一のタイミング)で遊技者がストップボタンB2を押下操作すると、ストップボタンB2の押下操作に伴って第2リールR2を停止させる。本例では、第2制御テーブル1932において、第1制御テーブル1931を参照した場合とは異なる停止位置が指定されている。具体的には、図8(A)に示す回転状態から12番のベル図柄を中段に引き込むように第2リールR2を2コマ分滑らせてから停止させる制御が行われ、図8(B)に示すように、上段にダミー図柄が表示され、中段にベル図柄が表示される。
次に、図8(B)に示す状態から、図9(A)に示すように、回転中の第3リールR3に関して、中段に16番のプラム図柄が位置し、下段に17番のリプレイ図柄が位置するタイミング(図7(A)と同一のタイミング)で遊技者がストップボタンB3を押下操作すると、ストップボタンB3の押下操作に伴って第3リールR3を停止させる。本例では、第2制御テーブル1932を参照して、13番のベル図柄を有効ライン上に引き込むように第3リールR3の停止位置が決定される。このときベルのフラグとダミー役のフラグとがともに内部当選状態に設定されているが、上段にベル図柄を停止させると、ベルよりも優先順位の低いダミー役の入賞形態を示す図柄組合せ「BEL・DUM・BEL」が有効ラインL2上に表示されてしまうため、第2制御テーブル1932では、優先順位の低いダミー役の入賞を回避しつつ、優先順位の高いベルが入賞するように第3リールR3の停止位置が指定されている。具体的には、図9(A)に示す回転状態から第3リールR3を4コマ分滑らせてから停止させる制御が行われて、図9(B)に示すように、下段にベル図柄が表示されて有効ラインL4においてベルが入賞する。すなわち本例では、第2制御テーブル1932において、ダミー役の入賞を回避しつつベルを入賞させるように各リールの停止位置が指定されることによって、ベルとダミー役とが重複当選している遊技では、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作の態様が同一であっても、ベルが単独当選している遊技と異なる有効ライン上でベルを入賞させることができるようになる。
以上に述べたように本実施形態の遊技機では、内部抽選において単独当選せずに、必ずベルと重複当選するダミー役を設定しており、このダミー役は、ベルよりも優先度が低く設定されている。そして第2制御テーブル1932を参照してリールを停止させる制御においては、優先順位の高いベルの入賞形態を示す図柄組合せ「BEL・BEL・BEL」が優先順位の低いダミー役の入賞形態を示す図柄組合せ「BEL・DUM・BEL」に優先して有効ライン上に表示されるように制御されるため、ダミー役を、内部抽選で当選してもリールの停止制御によって入賞することがない小役として設定することができる。そして本実施の形態では、各制御テーブルにおいて指定されるリールの停止位置に関して、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作の態様と内部抽選の結果との組合せが同一である場合には同一の停止位置を決定するようにしており、ベルの当否に関して複数種類の当選結果があるように内部抽選を行っているため、リールの停止位置を内部抽選とは別の抽選を行わなくても、ベルの入賞に係るリールの停止パターンについて複数種類のバリエーションを持たせることができるようになる。特に本実施の形態では、内部抽選でベルが当選した場合には、必ず入賞させることができるようになっているため、ベルの入賞に係るリールの停止パターンに複数種類のバリエーションが存在することを遊技者に認識させやすくなって、遊技の楽しみを向上させることができる。
続いて図10および図11を参照しながら、本実施形態の制御手法を実現する処理の例を具体的に説明する。
まず図10に示すように、遊技者がスタートレバーSLを押下してスタートスイッチが作動すると(ステップS20でY)、内部抽選が行われる(ステップS21)。このとき内部抽選において当選した役(当選役)のフラグがオン(内部当選状態)に設定される。
続いて第1リールR1〜第3リールR3を駆動するステップモータへ駆動パルスの供給が開始されて各リールが回転駆動される(ステップS22)。そして各リールの回転速度が所定速度に達すると、ストップボタンB1〜B3の操作が許可され、遊技者がストップボタンB1〜B3を押下すると、各ボタンに対応したストップスイッチが作動することによってステップモータへの駆動パルスの供給を停止させることによりリールを停止させる処理が行われる(ステップ23でY、ステップS24)。このときストップボタンB1〜B3の各ボタンが押下されると、ストップスイッチの作動に伴って押下時点の位置から実際の停止位置までのリールの滑りコマ数(回転量、回転角度)が停止制御情報として設定され、設定された停止制御情報に従ってステップモータへの駆動パルスの供給を休止してリールを停止させる制御を行う。
例えば、ベルが単独当選した場合、およびベルとダミー役とが重複当選した場合については、図11に示すようなリール停止制御処理が実行される。
まずベルとダミー役とが重複当選した場合には(ステップS241でY)、第2制御テーブル1932を参照し、ベル図柄「BEL」を有効ライン上に引き込む制御が行われる(ステップS242)。またベルが単独当選した場合には(ステップS243でY)、第1制御テーブル1931を参照し、ベル図柄「BEL」を有効ライン上に引き込む制御が行われる。ここで、ストップボタンB1〜B3に対して同一のタイミングおよび同一の押下順序で停止操作が行われた場合に、第1制御テーブル1931と第2制御テーブル1932とではリールの停止位置について互いに異なる位置が設定されている。すなわち本実施形態の制御手法によれば、ストップボタンB1〜B3に対して同一のパターンで停止操作を行っても、ベルが単独当選した遊技でベルの入賞する有効ラインとベルとダミー役とが重複当選した遊技でベルの入賞する有効ラインとが異なるように制御される。
再び図10に戻って、第1リールR1〜第3リールR3の全てが停止すると(ステップ
S25でY)、各リールの停止状態に基づいて入賞判定処理が行われる(ステップS26)。入賞判定の結果、何らかの役が入賞した場合には(ステップS26でY)、入賞時処理が行われる(ステップS27)。例えば、小役が入賞した場合には、小役に対応する枚数のメダルが払い出される。ただし、記憶手段190に記憶されているクレジット数がクレジット上限枚数(例えば、50枚)に達していなければ、上限数に達するまでは、払出枚数の一部又は全部をクレジットメダルとして加算する処理を行う。また例えば、リプレイが入賞した場合には、0枚処理を行った上で、次回の遊技を開始するに際して、前回の遊技と同じ枚数のメダルを遊技者の手持ちのメダルを要さずに投入する自動投入処理が行われる。また例えば、ビッグボーナス(BB)が入賞した場合には、0枚処理を行った上で、遊技状態をビッグボーナス状態(BB状態)へ移行させる処理を行う。
3.変形例
本発明は、上記の実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
例えば、上記実施の形態では、フラグが内部当選状態に設定された際にはストップボタンB1〜B3の停止操作の態様に関わらず入賞するように制御されるベルと、フラグが内部当選状態に設定されても入賞することがないように制御されるダミー役とが重複当選可能に内部抽選が行われる場合を例に取り説明をしたが、ストップボタンB1〜B3に対して特定のタイミングで停止操作を行わなければ、入賞させることができない役とダミー役とを重複当選可能に内部抽選が行われる場合に適用してもよい。
具体的には、リールユニットを構成する第1リールR1〜第3リールR3の各リールの外周面に対して図12に示すように図柄が配列されている場合に適用することができる。なお本例においても各小役の入賞に伴うメダルの払い出し枚数は、上述した実施形態と同様であるものとし、役毎に定められる優先順位についても上述した実施形態と同様であるものとする。
また本例では、図1に示す有効ラインL1〜L5のいずれかの有効ライン上に役毎に定められた入賞形態を示す図柄組合せが表示されることにより役が入賞する。例えば、ベルについては「BEL・BEL・BEL」の図柄組合せが有効ライン上に揃って停止することにより入賞する。また例えば、プラム(他の小役の一例)については「PLM・PLM・PLM」の図柄組合せが有効ライン上に揃って停止することにより入賞する。また例えば、ダミー役(特定の小役の一例)については「PLM・DUM・PLM」の図柄組合せが有効ライン上に揃って停止することにより入賞する。また例えば、リプレイについては「RP・RP・RP」の図柄組合せが有効ライン上に停止することにより入賞する。また例えば、ビッグボーナスについては「7・7・7」の図柄組合せが揃って停止することにより入賞する。
また本例では、図13に示す抽選テーブルを使用して通常状態における内部抽選を実行している。具体的には、0〜65535までの65536個の乱数値のそれぞれに対して、上述したビッグボーナス、リプレイ、ベル、プラム、ダミー役の各役のいずれか1つ以上またはハズレが対応づけられ、特に図13に示す抽選テーブルの例では、プラムのみが対応づけられる乱数値群C(第1の乱数値群)と、プラムとダミー役とが共通に対応づけられている乱数値群D(第2の乱数値群)とが設定されている。このようにすることによって、内部抽選で乱数値群Cに属する乱数値が取得された場合にはプラムが単独当選し、内部抽選で乱数値群Dに属する乱数値が取得された場合にはプラムとダミー役とが重複当選する。なお本例では、プラムが単独当選した場合には、第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御において、図2に示す第1制御テーブル1931が選択されるものとし、プラムとダミー役とが重複当選した場合には、第1リールR1〜第3リールR3を停止させる制御において、図2に示す第2制御テーブル1932が選択されるものとする。
そして図12に示す例では、第1リールR1の外周面にプラム図柄「PLM」(12番)が1つしか配置されておらず、第2リールR2の外周面にプラム図柄「PLM」(15番、19番)が2つしか配置されていない。また図12に示す例では、第3リールR3の外周面に、5つのプラム図柄「PLM」(3番、6番、11番、16番、19番)が上述した引き込み範囲内に配列されている。このようにすることによって、プラムのフラグが内部当選状態に設定されている場合には、第3リールR3を停止させる契機となるストップボタンB3についてはいかなるタイミングで停止操作が行われた場合でも有効ライン上にプラム図柄「PLM」を停止させることができるが、第1リールR1および第2リールR2を停止させる契機となるストップボタンB1、B2については特定のタイミングで停止操作を行わなければ、プラム図柄「PLM」を有効ライン上に表示させることができないように構成されている。すなわち本例において内部抽選でプラムが当選した場合には、ストップボタンB1、B2に対して、プラム図柄「PLM」を狙ったいわゆる目押し操作をしなければ、プラムを入賞させることができないようにリールユニットが構成されている。
また図12に示す例では、第2リールR2の外周面において、15番のプラム図柄「PLM」と19番のプラム図柄「PLM」との間の17番の位置にダミー役を構成するダミー図柄「DUM」が配列されている。すなわち本例では、17番のダミー図柄「DUM」に対して引き込み範囲内に15番のプラム図柄「PLM」が配列されており、19番のプラム図柄「PLM」に対して引き込み範囲内に17番のダミー図柄「DUM」が配列されている。すなわち本実施の形態では図12に示すような図柄配列を採用することによって、ダミー役の入賞を狙ってストップボタンB1〜B3に対して押下操作を行っても、ダミー役より優先順位の高いプラムを構成する図柄「PLM」がダミー役を構成する図柄「DUM」に対して必ず引き込み範囲内に配列されているため、ダミー役の入賞を回避しつつプラムが入賞するように各リールを停止させることができるようになっている。
ここで図14〜図16では、内部抽選でプラムが単独当選した場合におけるリールの停止制御の例を示している。
まず図14(A)に示すように、回転中の第1リールR1に関して、下段に16番のリプレイ図柄が位置するタイミングで遊技者がストップボタンB1を押下操作すると、ストップボタンB1の押下操作に伴って第1リールR1を停止させる。本例では、プラムのフラグが内部当選状態であることに伴って第1制御テーブル1931(図2参照)が選択され、12番のプラム図柄を有効ライン上に引き込むように第1リールR1の停止位置が決定される。具体的には、図14(A)に示す回転状態から第1リールR1を2コマ分滑らせてから停止させる制御が行われて、図14(B)に示すように、上段にプラム図柄が表示される。
次に、図14(B)に示す状態から、図15(A)に示すように、回転中の第2リールR2に関して、上段に16番のベル図柄が位置し、中段に17番のダミー図柄が位置し、下段に18番のリプレイ図柄が位置するタイミングで遊技者がストップボタンB2を押下操作すると、ストップボタンB2の押下操作に伴って第2リールR2を停止させる。本例では、第1制御テーブル1931を参照して、15番のプラム図柄を有効ライン上に引き込むように第2リールR2の停止位置が決定される。具体的には、図15(A)に示す回転状態から第2リールR2を1コマ分滑らせてから停止させる制御が行われて、図15(B)に示すように、上段にプラム図柄が表示される。
次に、図15(B)に示す状態から、図16(A)に示すように、回転中の第3リールR3に関して、上段に13番のベル図柄が位置するタイミングで遊技者がストップボタン
B3を押下操作すると、ストップボタンB3の押下操作に伴って第3リールR3を停止させる。本例では、第1制御テーブル1931を参照して、11番のプラム図柄を有効ライン上に引き込むように第3リールR3の停止位置が決定される。具体的には、図16(A)に示す回転状態から第3リールR3を2コマ分滑らせてから停止させる制御が行われて、図16(B)に示すように、上段にプラム図柄が表示されて有効ラインL2においてプラムが入賞する。
続いて図14、図17、図18を参照しながら、内部抽選でプラムとダミー役とが重複当選した場合におけるリールの停止制御の例を説明する。
まず本例では、プラムのフラグとダミー役のフラグとがともに内部当選状態であることに伴って第2制御テーブル1932(図2参照)が選択され、本例においても図14(A)に示すタイミングでストップボタンB1が押下操作されると、図14(B)に示すように、上段に12番のプラム図柄が表示されるように第1リールR1を停止させる制御が行われる。
次に、図14(B)に示す状態から、図17(A)に示すように、回転中の第2リールR2に関して、上段に16番のベル図柄が位置し、中段に17番のダミー図柄が位置し、下段に18番のリプレイ図柄が位置するタイミング(図15(A)と同一のタイミング)で遊技者がストップボタンB2を押下操作すると、ストップボタンB2の押下操作に伴って第2リールR2を停止させる。このときプラムのフラグとダミー役のフラグとがともに内部当選状態に設定されているが、中段にダミー図柄を停止させると、プラムよりも優先順位の低いダミー役の入賞が可能となるが、プラムの入賞が不可能となってしまうため、第2制御テーブル1932では、優先順位の低いダミー役の入賞を回避しつつ、優先順位の高いプラムの入賞が可能となるように第2リールR2の停止位置が指定されている。さらに本例では、第2制御テーブル1932において、第1制御テーブル1931を参照した場合とは異なる停止位置が指定されており、具体的には、図17(A)に示す回転状態から15番のプラム図柄を中段に引き込むように第2リールR2を2コマ分滑らせてから停止させる制御が行われ、図17(B)に示すように、中段にプラム図柄が表示される。
次に、図17(B)に示す状態から、図18(A)に示すように、回転中の第3リールR3に関して、上段に13番のベル図柄が位置するタイミング(図16(A)と同一のタイミング)で遊技者がストップボタンB3を押下操作すると、ストップボタンB3の押下操作に伴って第3リールR3を停止させる。本例では、第2制御テーブル1932を参照して、11番のプラム図柄を有効ライン上に引き込むように第3リールR3の停止位置が決定される。具体的には、図18(A)に示す回転状態から第3リールR3を4コマ分滑らせてから停止させる制御が行われて、図18(B)に示すように、下段にプラム図柄が表示されて有効ラインL4においてプラムが入賞する。
このように本変形例においても、第2制御テーブル1932において、ダミー役の入賞を回避しつつプラムを入賞させるように各リールの停止位置が指定されることによって、プラムとダミー役とが重複当選している遊技では、ストップボタンB1〜B3に対する停止操作の態様が同一であっても、プラムが単独当選している遊技と異なる有効ライン上でプラムを入賞させることができるようになる。また本変形例では、プラムが当選した場合においても、当選したプラムが必ずしも入賞するわけではないので、いわゆる当選役の取りこぼしが発生しうる。そしてプラムが単独当選した場合に選択される制御テーブルと、プラムとダミー役とが重複当選する場合に選択される制御テーブルとを異ならせることによって、当選したプラムが入賞した場合の各リールの停止パターンに関するバリエーションを増やすことができるだけではなく、当選したプラムの入賞を逃した場合の各リールの停止パターンについてもバリエーションを増やすことができる。
また上述した実施形態や変形例では、ダミー役を1種類とした場合を例に取り説明をしたが、入賞形態の異なる複数種類のダミー役が内部抽選の対象となっていてもよい。この場合、いずれのダミー役についても単独当選することがないように抽選テーブルを設定しておくとともに、各ダミー役の優先順位を重複当選する小役よりも低く設定しておき、さらにフラグの設定状態に対応した停止制御テーブルを用意しておくことによって、小役の入賞あるいは取りこぼしに関する各リールの停止パターンのバリエーションを増やすことができるようになる。
また1種類のダミー役に対して複数種類の小役と重複当選可能に抽選テーブルが設定されていてもよい。例えば、ベルとダミー役とが重複当選する場合と、プラムとダミー役とが重複当選する場合とがあるように、抽選テーブルが設定されていてもよい。
また上述した実施形態や変形例では、内部抽選でビッグボーナスが当選すると、ビッグボーナスについては、入賞が達成されるまでフラグの内部当選状態が持ち越される制御が行われる。このため、ビッグボーナスの当選後から入賞までにおいては、ビッグボーナスのフラグとベルのフラグとがともに内部当選状態に設定される場合がある。
このようなビッグボーナスのフラグが内部当選状態のまま持ち越されている状態でベルが当選した遊技において、ビッグボーナスの入賞が達成されない態様でストップボタンB1〜B3に対して停止操作が行われた場合には、ベルとダミー役とが重複当選した場合と同じ停止位置が指定される制御テーブル(第3制御テーブル)を用意しておくことによって、ビッグボーナスの当選に対する期待感を演出することができるようになる。すなわちベルおよびダミー役のフラグが内部当選状態である場合に選択される制御テーブル(第2制御テーブル)と、ベルおよびビッグボーナスのフラグが内部当選状態である場合に選択される制御テーブル(第3制御テーブル)とにおいて、停止位置を指定するデータを一部共通化しておくことによって、ビッグボーナスが当選していない場合であっても、ビッグボーナスが当選している場合と同様の停止位置を指定することができるようになるため、ベルの単独当選時には出現しない特定の停止パターンの出現によるビッグボーナスの期待感を演出することができるようになる。もちろん変形例におけるプラムおよびダミー役のフラグが内部当選状態である場合に選択される制御テーブル(第2制御テーブル)と、プラムおよびビッグボーナスのフラグが内部当選状態である場合に選択される制御テーブル(第3制御テーブル)とにおいて、停止位置を指定するデータを一部共通化しておくことによっても上述した場合と同様にビッグボーナスの当選に対する期待感を演出することができるようになる。
また上述した実施形態や変形例では、単独当選することがないダミー役を、重複当選の対象となるベルやプラムと入賞形態を示す図柄組合せにおいて一部の図柄が共通化されている場合を例に取り説明を行ったが、図3〜図9に示す例に関してベルの入賞形態を示す図柄組合せとダミー役の入賞形態を示す図柄組合せとに共通する部分がない場合、および図12〜図18に示す例に関してプラムの入賞形態を示す図柄組合せとダミー役の入賞形態を示す図柄組合せとに共通する部分がない場合も本発明の範囲に含めることができる。
また上述した実施形態や変形例では、第1リールR1〜第3リールR3の全てについて図柄が特定された組合せが小役の入賞形態を示す図柄組合せとして設定されている場合を例に取り説明をしたが、第1リールR1〜第3リールR3のうちいずれか1つまたは2つのリールについて図柄が特定され、残りのリールについては、外周面に配列されているいずれの図柄であっても入賞が確定するような図柄組合せが、小役の入賞形態を示す図柄組合せとして設定されていてもよい。例えば、第1リールR1にチェリーを模した図柄(チェリー図柄)を配列しておき、「チェリー図柄・ANY・ANY」(ANYはいずれの図柄でもよいことを表す)という図柄組合せが小役であるチェリーの入賞形態を示す図柄組合せとして設定されているような遊技機においても上述した実施形態や変形例で説明した各種の手法を適用することができる。