JP2008171842A - 半導体電子デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】異種基板上のバッファ層の結晶性を向上させた窒化物系化合物半導体を有する半導体電子デバイスを提供する。
【解決手段】窒化物系化合物半導体を有する半導体電子デバイスにおいて、基板10上に窒化物系化合物半導体からなるバッファ層20及び半導体動作層30を順次積層してなり、前記バッファ層20は、第1の層22と第2の層23が積層された複合層を1層以上有し、第1の層22と第2の層23との各格子定数の差は0.2%以上であり、第1の層22の厚さは、100nm以上、1000nm以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窒化物系化合物半導体を用いた半導体電子デバイスに関する。
窒化物系化合物半導体、例えばGaN系化合物半導体を用いた電界効果トランジスタは、400℃近い高温環境下においても動作する固体素子として注目されている。GaN系化合物半導体では、SiやGaAsのような大口径の単結晶基板を作製することが困難であるため、GaN系化合物半導体を用いた電子デバイスは、例えばサファイアやシリコンからなる基板を用いて作製されている。
即ち、GaN系電界効果トランジスタを作製する場合、サファイアからなる単結晶基板上に、MOCVD法などのエピタキシャル結晶成長法で、先ず500〜600℃程度の比較的低温の基板温度でGaN介在層を形成し、その上に高温でGaN層を形成してバッファ層とする。次いで、バッファ層上に電子走行層、電子供給層およびコンタクト層を順次積層し(以下、電子走行層、電子供給層等を半導体動作層と言う。)、その表面にソース電極、ドレイン電極およびゲート電極を形成する。このように、低温GaN介在層を介して高温でGaN層を形成してバッファ層とすることにより、サファイア基板上に格子定数の異なるGaN層をエピタキシャル成長させることができる。
特開2003−59948号公報 特開2000−133601号公報 特開平9−199759号公報
しかしながら、サファイアのような代替基板上にGaN系化合物半導体をエピタキシャル成長させると、エピタキシャル成長膜の基板との界面に格子不整により多くの貫通転位が発生し、これらの貫通転位はエピタキシャル成長方向に伝播するという問題が生じた。これらの貫通転位は、上述のような電界効果トランジスタの場合,バッファ層内ではその結晶性を悪化させる。このような貫通転位が半導体動作層まで達すると、その2次元電子ガス濃度や移動度を低下させるばかりか、電界効果トランジスタの耐圧性を低下させるという問題があった。さらには、基板面からエピタキシャル成長方向に発生するクラックによって著しく結晶性が悪化される場合もある。
そこで、本発明は、上記問題を解決し、貫通転位の半導体動作層への伝播やクラックの発生を抑制した窒化物系化合物半導体を用いた半導体電子デバイスを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる半導体電子デバイスは、基板上にバッファ層と、窒化物系化合物半導体からなる半導体動作層とを順次積層した半導体電子デバイスにおいて、前記バッファ層は、第1の層と第2の層が積層された複合層を1層以上有し、前記第1の層と前記第2の層との各格子定数の差は、0.2%以上であり、前記第1の層の厚さは、100nm以上、1000nm以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかる半導体電子デバイスは、上記の発明において、前記複合層は、前記第1の層と前記第2の層の間に、格子定数が前記第1の層の格子定数以上、前記第2の層の格子定数以下である歪導入層を有することを特徴とする。
また、本発明にかかる半導体電子デバイスは、上記の発明において、前記第2の層の厚さは、0.5nm以上、200nm以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかる半導体電子デバイスは、上記の発明において、前記バッファ層は、前記複合層を4層以上有することを特徴とする。
また、本発明にかかる半導体電子デバイスは、上記の発明において、前記バッファ層は、前記複合層と前記半導体動作層との間に、第3の層と第4の層が交互に積層された超格子層を有することを特徴とする。
また、本発明にかかる半導体電子デバイスは、上記の発明において、前記第3の層と前記第4の層の厚さは、各々0.5nm以上、20nm以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかる半導体電子デバイスは、上記の発明において、前記第1の層および前記第2の層の成長温度は、各々700℃以上、1300℃以下であることを特徴とする。
本発明によれば、異種基板上のバッファ層に第1の層と第2の層との境界面である歪界面を導入することにより、貫通転位の半導体動作層への伝播やクラックの発生を抑制し、バッファ層の結晶性を向上させるとともに、耐圧性を向上させることができるという効果を奏する。
以下、添付図面を参照して、本発明にかかる半導体電子デバイスの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかる半導体電子デバイスについて説明する。図1は、本実施の形態1にかかる半導体電子デバイスとしての電界効果トランジスタ100の構成を示す断面図である。この図に示すように、電界効果トランジスタ100は、Siからなる基板10上に窒化物系化合物半導体からなるバッファ層20、半導体動作層30を順次積層し、その上にTi/Alからなるソース電極41、Pt/Auからなるゲート電極42、Ti/Alからなるドレイン電極43が形成されている。
バッファ層20は、AlNからなるバッファ層21と、厚さ300nmの高抵抗の非ドープGaNからなる第1の層22および厚さ20nmの非ドープAlNからなる第2の層23からなる複合層とを有する。また、半導体動作層30は、非ドープGaNからなる電子走行層31、SiドープAlGaNからなる電子供給層32、高濃度ドープGaNからなるコンタクト層33とからなる。ソース電極41およびドレイン電極43は、コンタクト層33上に形成され、ゲート電極42は、電子供給層32上に形成されている。
電界効果トランジスタ100が従来例と異なる特徴的なことは、バッファ層20のGaNからなる第1の層22とAlNからなる第2の層23との接合面に格子定数差を設け、格子不整合による歪を有した歪界面24を形成したことである。なお、GaNの格子定数は3.189Å、AlNの格子定数は3.112Åである。その結果、Si基板10とGaNからなる第1の層22との格子不整合により、第1の層22の基板10との界面に発生し、第1の層22の成長方向に伝播した貫通転位Aは、歪界面24により伝播が抑制される。
このようにして形成された電界効果トランジスタ100では、第2の層23における貫通転位密度は、1×109cm-2程度となり、第1の層22における貫通転位密度の10分の1〜100分の1程度に減少した。また、電子走行層31における2次元電子の移動度は1200cm2/Vs程度であり、歪界面24がない場合に比して、30%程度向上した。
すなわち、本発明にかかる半導体電子デバイスでは、第1の層および第2の層を構成する結晶材料に格子定数の異なるものを用い、第1の層と第2の層の間に歪(応力)を発生させることで、基板から発生して伝播した貫通転位の上層への伝播を抑制することができる。
なお、本実施の形態1では、第1の層22にGaN、第2の層23にAlNを用いた場合を示したが、AlとGaの組成比を変えたAlxGa1-xNで第1の層22と第2の層23を構成しても良い。このような混晶相を使用する場合、その格子定数はベガード(Vegard)の式を用いてAlNとGaNの格子定数から見積もることができる。また、これらの第1の層22、第2の層23は適宜、他の元素を含んでいてもよい。
ここで、第2の層22にAlxGa1-xNを用いて電界効果トランジスタ100を製作した結果を図2に示す。この図に示す結果は、製作した電界効果トランジスタ100ごとに、半導体動作層30に達したクラックの有無を○×によって示している。○はクラックがなかったものを示し、×はクラックが生じたものを示している。この図では、かかるクラックの有無を、第1の層22と第2の層23との格子定数差Δaごと、および第1の層22の厚さごとに区分して示している。
なお、ここで製作した電界効果トランジスタ100は、それぞれ基板がSiであり、第1の層22および第2の層23からなる複合層が4層積層されている。つまり、第1の層22と第2の層23とは交互に4回ずつ積層されている。第2の層23の厚さは、それぞれ30nmである。また、第1の層22と第2の層23との格子定数差Δaは、第2の層23のAl組成比xに応じて変化させたものであり、第1の層22の格子定数a1と、第2の層23の格子定数a2とを用いて次式によって算出される。
Δa=|1−a2/a1|×100
本発明者は、図2に示す結果から、第1の層22と第2の層23との格子定数差Δaを0.2%以上とし、第1の層22の厚さを100nm以上、1000nm以下とすることで、半導体動作層30に達するクラックの発生を高い確率で抑制することができ、これによって高耐圧性を有する電界効果トランジスタ100が得られることを見出した。なお、第1の層22と第2の層23との格子定数差Δaは、半導体動作層30と基板10との格子定数差よりも小さくすることが好ましく、具体的には20%以下とすることが好ましい。
ここで、第1の層22の厚さが100nm以上である場合にクラックの発生を抑制できる理由は、次のように考えられる。すなわち、第1の層22の厚さが十分でない場合、第2の層23が積層されていない側の隣接層の影響を受けてしまい、第1の層22と第2の層23との間で十分な圧縮歪又は引っ張り歪を発生させることができなくなる。それが第1の層22の厚さを100nm以上とすることで解消されるためと考えられる。また、第1の層22の厚さを1000nmより厚くすると、製造工程において多大な時間が必要となり好ましくない。
さらに、ここで製作した電界効果トランジスタ100では、第2の層23の厚さを30nmとしていたが、30nmに限定する必要はなく、0.5nm以上、200nm以下とすることが好ましい。この理由は、第2の層23が薄すぎると第1の層22と第2の層23との間に十分な歪を発生させることができず、転位を曲げる効果が低減してしまい、厚すぎると歪が大きすぎるために第2の層23から新たな転位が発生するからである。
なお、通常Si基板上にGaN層を厚く成長させることは容易ではない。例えば、AlN単層をバッファ層とした場合、GaN層には厚さ300nmで表面にクラックが発生する。しかしながら、本実施の形態1にかかる電界効果トランジスタ100では、バッファ層20上にGaN層をクラックフリーで1000nmの厚さまで成長可能であった。
一方、本実施の形態1では、電界効果トランジスタ100は、第1の層22と第2の層23が積層された複合層を1層有するものとしたが、1層に限定する必要はなく、複数積層してもよい。第1の層22と第2の層23が積層された構成を複数設けることによって、半導体動作層30に伝播する貫通転位をいっそう減少させることができ、電界効果トランジスタを一層高耐圧化することができる。
図3は、第1の層と第2の層との繰り返し数、つまり複合層の積層数に対する電界効果トランジスタの耐圧の変化を実測した結果を示すグラフである。この結果における複合層は、第1の層を厚さ200nmのGaNで構成し、第2の層を厚さ30nmのAlNで構成して交互に繰り返し積層したものである。この図に示す結果から、本発明者は、第1の層と第2の層とを組み合わせた複合層の層数を多くするにしたがって、電界効果トランジスタの耐圧性能を向上させることが可能なことを見出した。特に、複合層の層数を4層以上とすることで、一般に良好な耐圧性能が得られることを見出した。図4に、複合層を4層とした場合、つまり第1の層22と第2の層23との繰り返し数を4回とした場合の電界効果トランジスタ100’の構成を例示する。
なお、本実施の形態1では、電界効果トランジスタ100は、第1の層22上に第2の層23を直接積層した複合層を有するものとしたが、第1の層22と第2の層23の間に歪導入層を設けてもよい。歪導入層は、例えば、第1の層22を構成する結晶材料と第2の層23を構成する結晶材料のそれぞれの格子定数の中間の大きさの格子定数を有する結晶材料を用いてもよく、また、積層方向に対して徐々に組成が変わる傾斜材料としても良い。
図5は、そのような歪導入層25を有した電界効果トランジスタ101を示す図である。電界効果トランジスタ101は、電界効果トランジスタ100の構成をもとに、バッファ層20に替えて、第1の層22、歪導入層25および第2の層23をこの順に積層した複合層と、バッファ層21とからなるバッファ層20Aを備えている。なお、歪導入層25は、1層に限定されず、第1の層22および第2の層23とともに複数層設けることができる。
ところで、従来の技術では、例えば第1の層をGaN、第2の層をAlNとして、各層を20nm以下の厚さで繰り返し積層し、歪緩和層として使用する方法が用いられている。このとき、各層の厚さを20nm以下にするのは、AlN/GaNの臨界膜厚を考慮し、結晶性が大きく劣化しない厚さを選択しているためである。ところが、このような従来の方法では、例えば基板として4インチエピウェハを用いた場合、その反り量(BOW)が100μm程度の大きな値になるという問題がある。この反り量(BOW)は、ウェハ表面における周縁部高さと中央部高さとの差分によって示されるものであり、半導体電子デバイスの加工プロセスにおいては50μm以下にすることが必要とされている。
これに対して、本実施の形態1にかかる電界効果トランジスタ100では、第1の層22としてのGaN層の厚さを100nm以上、1000nm以下としているため、反り量を50μm以下にすることができる。図6は、その結果として、第1の層22の厚さに対する反り量(BOW)を実測した結果を示すグラフである。このグラフでは、基板10としてのSi基板の厚さ525μmおよび700μmごとに、反り量を実測した結果を示している。このとき、第2の層23の厚さは30nmであり、複合層の層数は4層である。
図6に示す結果から、電界効果トランジスタ100では、第1の層22を比較的薄く形成することで反り量を極小にさせることができ、具体的には、第1の層22の厚さを約200nmとすることで反り量を極小にできることがわかる。また、この反り量は、極小値においてマイナス値であり、第1の層22の厚さが約150〜500nmである場合にマイナス値であることがわかる。さらに、この反り量は、第1の層22の厚さが約100〜1000nmである場合に絶対量が50μm以下であることがわかる。これをもとに、電界効果トランジスタ100では、第1の層22の厚さは、100〜1000nmとされている。なお、図6では、Siからなる基板10の板厚を525μmおよび700μmとした場合の結果を示しているが、基板10の板厚に対する反り量の依存性は特に認められない。
一方、図7は、第2の層23としてのAlN層の成長温度に対する基板10の反り量(BOW)を実測した結果を示すグラフである。図7では、第1の層22の厚さを200nmとした場合の結果を示している。この結果から、電界効果トランジスタ100では、第1の層22の厚さを図6の結果から見出した厚さとして200nmとした場合に、第2の層23を比較的高温で成長させることで反り量を極小にさせることができ、具体的には、第2の層23の成長温度を約1000〜1100℃とすることで極小になることがわかる。また、この反り量は、極小値においてマイナス値であり、第2の層23の成長温度が約800〜1200℃である場合にマイナス値であることがわかる。さらに、この反り量は、第2の層23の成長温度が約700〜1300℃である場合に絶対量が50μm以下であることがわかる。これをもとに、電界効果トランジスタ100では、第2の層23の成長温度は、700〜1300℃とされている。
これに対して第1の層22は、例えばGaNの成長温度として一般的な700〜1300℃の温度範囲内で成長させることができる。さらに、この成長温度を800〜1200℃に限定することで、結晶性および平坦度が良好な第1の層22を形成することができる。ただし、より高精度な第1の層22を形成するには、その成長温度を1000〜1100℃に限定することが好ましい。
なお、電界効果トランジスタ100では、図8に示すように、第1の層22および第2の層23の成長温度を、以上のように見出された成長温度のうち比較的高温な約1000℃とすることで、比較的低温な約750℃とする場合に比して、リーク電流を低減できることが確認されている。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2にかかる半導体電子デバイスについて説明する。図9は、本実施の形態2にかかる半導体電子デバイスとしての電界効果トランジスタ200の構成を示す断面図である。この図に示すように、電界効果トランジスタ200は、電界効果トランジスタ100の構成をもとに、バッファ層20に替えてバッファ層20Bを備え、このバッファ層20Bは、第1の層22と第2の層23が積層された複合層と半導体動作層30との間に、厚さ5nmのAlN層/厚さ30nmのGaN層(第3の層/第4の層)を交互に10回積層した超格子層26を有している。その他の構成は、電界効果トランジスタ100と同様である。
なお、電界効果トランジスタ200では、複合層が第2の層23上にさらに第1の層22を有するものとして示している。これは、複合層における第1の層および第2の層のそれぞれの積層数が同数であることに限定されないことによる。
このように、電界効果トランジスタ200では、第2の層23と半導体動作層30との間に超格子層26を設けたため、歪界面24におけるピエゾ分極による電子が電子走行層31へ及ぼす悪影響を防ぐことができる。これは、超格子層26における第3の層と第4の層の積層界面が十分に近接し、超格子層26内にピエゾ分極が生じないことによる。
ここで、超格子層26を構成する第3の層および第4の層は、各々、第1の層22および第2の層23と同じ材料構成としてもよく、或いは異なる材料構成としても良いが、第1の層22と第2の層23の場合と同様に格子定数の異なる結晶材料を使用することが好ましい。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3にかかる半導体電子デバイスについて説明する。上述した実施の形態1および2では、本発明にかかる半導体電子デバイスとしての電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)が高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)であるものとして説明したが、HEMTに限定されず、MOS電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor FET)とすることもできる。
図10は、本実施の形態3にかかる半導体電子デバイスとしての電界効果トランジスタ300の構成を示す断面図である。この図に示すように、電界効果トランジスタ300は、MOS電界効果トランジスタであって、電界効果トランジスタ100の構成をもとに、半導体動作層30、ソース電極41、ゲート電極42およびドレイン電極43のそれぞれに替えて、半導体動作層50、ソース電極61、ゲート電極62およびドレイン電極63を備える。その他の構成は、電界効果トランジスタ100と同じであり、同一部分には同一符号を付して示している。
半導体動作層50は、p−GaNからなるp型半導体層51と、n+−GaNからなるn型半導体層52とを用いて形成されている。p型半導体層51は、例えばMOCVD法によってバッファ層20上に成膜され、その濃度は、1E16〜1E17cm-3程度とされている。p型半導体層51では、ドーパントとして例えばMg、C、ZnまたはBeが用いられる。n型半導体層52は、p型半導体層51を成長後、これにイオン注入をして形成される。
絶縁ゲートとしてのゲート電極62は、絶縁膜62aおよび電極層62bをこの順に積層して形成されている。絶縁膜62aは、例えばSiO2またはAl23など、十分な絶縁破壊電界強度を有する絶縁膜が用いられる。絶縁膜62aの厚さは、例えばSiO2の場合、50〜100nm程度とされる。電極層62bは、例えばポリシリコン、あるいはNi/AuやWSi等の金属膜を用いて形成される。一方、ソース電極61およびドレイン電極63は、Ti/AlやTi/AlSi/Mo等、n型半導体層52に対してオーミック接触が可能な金属膜を用いて形成される。
このように構成された電界効果トランジスタ300では、ゲート電極62に所定電位以上の正電圧を加えることで、p型半導体層51における絶縁膜62aとの境界部に反転層51aが形成される。そして、この反転層51aがチャネルとなり、2つのn型半導体層52間が電気的に接続されて、ソース電極61およびドレイン電極63間にドレイン電流が導通される。このとき、ゲート電極62に加える電圧によって絶縁膜62a直下に形成される図示しない空乏層の厚さを変化させることで、ドレイン電流を制御することができる。
本実施の形態3にかかる電界効果トランジスタ300では、上述した実施の形態1と同じバッファ層20を用いて構成されているため、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。すなわち、電界効果トランジスタ300では、貫通転位の半導体動作層50への伝播やクラックの発生を抑制し、バッファ層20の結晶性を向上させるとともに、耐圧性を向上させ、リーク電流を低減させることができる。また、基板10に生じる反り量(BOW)を、半導体デバイスの加工プロセスにおいて要求される程度以下に低減させることができる。
ここまで、本発明を実施する最良の形態を実施の形態1〜3として説明したが、本発明は、上述した実施の形態1〜3に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。
例えば、上述した実施の形態1〜3では、本発明にかかる半導体電子デバイスとして高電子移動度トランジスタおよびMOS電界効果トランジスタについて説明したが、これらに限定されず、絶縁ゲート電界効果トランジスタ(MISFET:Metal Insulator Semiconductor FET)、ショットキーゲート電界効果トランジスタ(MESFET:Metal Semiconductor FET)等、種々の電界効果トランジスタに対して本発明は適用可能である。
また、電界効果トランジスタ以外にも、ショットキーダイオード等、各種ダイオードに対して本発明は適用可能である。本発明を適用したダイオードとして、例えば、電界効果トランジスタ100が備えたソース電極41、ゲート電極42およびドレイン電極43に替えて、カソード電極およびアノード電極を形成したダイオードが実現できる。
また、上述した実施の形態1〜3では、Siからなる基板10を用いるものとして説明したが、基板材料はSiに限定されず、サファイア、SiC、GaNまたはZnO等、種々の材料を用いることができる。
また、上述した実施の形態1〜3では、本発明にかかる半導体電子デバイスが、窒化物系化合物半導体、特にGaN系化合物半導体を用いて形成された半導体動作層30または50を備えるものとして説明したが、窒化物系およびGaN系に限定して解釈する必要はなく、他の化合物半導体を用いて形成された半導体動作層を備える半導体電子デバイスに対しても本発明は適用可能である。
また、上述した実施の形態1〜3では、各バッファ層がGaNまたはAlNを用いて形成されるものとして説明したが、GaNまたはAlNに限定されず、一般にAlxInyGa1-x-yAsuv1-u-v(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1、0≦u≦1、0≦v≦1、u+v<1)によって示される化合物半導体を用いて形成することができる。
本発明の実施の形態1にかかる半導体電子デバイスの一実施形態である電界効果トランジスタの断面説明図である。 第1の層と第2の層との格子定数差に対してクラック発生の有無を示す図である。 第1の層と第2の層との繰り返し数に対する耐圧の変化を示す図である。 第1の層と第2の層との繰り返し数を4回とした電界効果トランジスタの断面構成を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかる電界効果トランジスタに歪導入層を設けた構成を示す図である。 第1の層に対する基板の反り量(BOW)を示す図である。 第2の層の成長温度に対する基板の反り量(BOW)を示す図である。 第1の層および第2の層の成長温度の違いによるリーク電流の変化を示す図である。 本発明の実施の形態2にかかる半導体電子デバイスの他の実施形態である電界効果トランジスタの断面説明図である。 本発明の実施の形態3にかかる半導体電子デバイスの他の実施形態である電界効果トランジスタの断面説明図である。
符号の説明
10 基板
20 バッファ層
21 バッファ層
22 第1の層
23 第2の層
24 歪界面
25 歪導入層
26 超格子層
30 半導体動作層
31 電子走行層
32 電子供給層
33 コンタクト層
41 ソース電極
42 ゲート電極
43 ドレイン電極
50 半導体動作層
51 p型半導体層
51a 反転層
52 n型半導体層
61 ソース電極
62 ゲート電極
62a 絶縁膜
62b 電極層
63 ドレイン電極
100,100’,101,200,300 電界効果トランジスタ

Claims (7)

  1. 基板上にバッファ層と、窒化物系化合物半導体からなる半導体動作層とを順次積層した半導体電子デバイスにおいて、
    前記バッファ層は、第1の層と第2の層が積層された複合層を1層以上有し、前記第1の層と前記第2の層との各格子定数の差は、0.2%以上であり、前記第1の層の厚さは、100nm以上、1000nm以下であることを特徴とする半導体電子デバイス。
  2. 前記複合層は、前記第1の層と前記第2の層の間に、格子定数が前記第1の層の格子定数以上、前記第2の層の格子定数以下である歪導入層を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体電子デバイス。
  3. 前記第2の層の厚さは、0.5nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体電子デバイス。
  4. 前記バッファ層は、前記複合層を4層以上有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体電子デバイス。
  5. 前記バッファ層は、前記複合層と前記半導体動作層との間に、第3の層と第4の層が交互に積層された超格子層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体電子デバイス。
  6. 前記第3の層と前記第4の層の厚さは、各々0.5nm以上、20nm以下であることを特徴とする請求項5に記載の半導体電子デバイス。
  7. 前記第1の層および前記第2の層の成長温度は、各々700℃以上、1300℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体電子デバイス。
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