JP2008171169A - 製品取り合わせ計算方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】受注した形鋼製品の指定長さと指定本数から、鋼片(素材)の所要量とその切断方法を決定する製品取り合わせ計算を自動化することができて、しかも、計算時間が長期化しない製品取り合わせ計算方法および装置の提供。
【解決手段】受注情報を入力し(S2)、制約条件を入力し(S4)、製品長さと本数を示す切断パターンとその切断パターンが実行される鋼片(素材)の数との組合せのうち、受注情報と制約条件を充足する組合せを計算し(S6)、計算工程で計算(選択あるいは検索)された組合せを複数個同時に表示し(S7)、表示された組合せの中に適正な組合せが存在するかどうかを決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、受注した形鋼製品の指定長さと指定本数から、鋼片(素材)の所要量と圧延バー材の切断方法を決定する製品取り合わせ計算に関し、係る製品取り合わせ計算を自動化する技術に関する。
図6は、形鋼製品の製造工程を簡略化して表示している。
電気炉10で精錬された鉄(溶鋼)は、いったん、取鍋30に採取され、取鍋30で成分調整が行われる。成分調整を終えた後、図示しないクレーンが取鍋30を吊り下げて、タンディッシュ35まで搬送する。
タンディッシュ35は、連続鋳造機37の材料投入口である。そして、取鍋30内の鉄(溶鋼)は、タンディッシュ35内に投入される。
タンディッシュ35に投入された鉄(溶鋼)は、連続鋳造機37により造塊される。造塊された粗鋼は、ガス切断機40で切断されて、所定の質量あるいは寸法の鋼片50となる。
鋼片50は、加熱炉60で加熱され、分塊圧延機63を経由した後、シャー刃66によって切断されて、圧延ライン70に送られる。
圧延工程においては、鋼片50は、圧延ライン70の圧延ローラ71により圧延され、製品90の断面形状になる。圧延工程において、圧延バー材の長さは40m〜60m(延び長さ)に達し、圧延の最終工程において、切断装置80によって指定された長さ(製品長さ:Lp)に切断される。
鋼材の生産計画立案に際しては、鋼片の延び長さを予測して、予測された延び長さの中で、指定された製品長さおよびその採取本数を満足すると共に、できる限り無駄が出ないように、鋼片(素材)の所要量と圧延バー材の切断方法(切断パターン)を決定する(製品取り合わせをおこなう)必要がある。
たとえば、「製品長さが10mの形鋼製品を5本」という注文を受けた場合、延び長さが50mになる鋼片(素材)を用意して、延び長さが50mになった状態で(延び長さが50mになった圧延バー材を)10mずつ5本に切断すれば良い。このように、10m×5本という製品長さとその本数は、本明細書では「切断パターン」と記載される。
製品取り合わせ計算では、切断パターンと、延び長さごとの鋼片(素材)所要量が、求める解となる。
しかし、実際の受注においては、製品長さが5.5m〜22mとバリエーションに富んでおり、受注する形鋼製品の本数について制限がないため、製品取り合わせ計算が、非常に複雑な計算となり、後述するような問題を生じるに至っている。
また、従来の製品取り合わせ計算では、経験と勘とに頼る部分が多く、歩留まりや生産性という観点から、最適な計算が行われているかどうかが不明である。
さらに、内容が細かく、製品長さの種類が多い受注もあり、従来の製品取り合わせ計算では、膨大な時間が費やされてしまっている。
それに加えて、経験と勘とに頼る部分が多い従来の製品取り合わせ計算では、その計算をおこなう職種はノウハウの継承が困難であり、後継者の育成に非常に長い時間が必要となってしまう、という問題を有している。
そのため、製品取り合わせ計算の自動化を可能にする技術が要請されているが、実用に耐え得るものは、いまだに提案されていない。
その他の従来技術として、たとえば、プロセス制御計算機により線形計画法を用いて、圧延バー材の必要本数、切断位置、切断順序からなる切断計画を作成する技術が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術では、内容が細かく、製品長さの種類が多い場合などにおいては、プロセス制御計算機による計算であっても長時間が必要となり、上述したのと同ような問題を生じてしまう恐れがある。
特開平11−254006号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、受注した形鋼の指定長さと指定本数から、鋼片(素材)の所要量とその切断方法を決定する製品取り合わせ計算を自動化することができて、しかも、計算時間が長期化しない製品取り合わせ計算方法および装置の提供を目的としている。
本発明の製品取り合わせ計算方法は、コンピュータを用いた製品取り合わせ計算方法であって、受注情報(たとえば、製品名、製品長さ、本数等)を入力する工程(ステップS2)と、制約条件(たとえば、工程ごとの設備条件や、計算方法、計算時間等)を入力する工程(ステップS4)と、製品長さと本数を示す切断パターンとその切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せのうち、受注情報と制約条件を充足する組合せを計算(選択あるいは検索)する計算工程(ステップS5)と、計算工程(ステップS5)で計算(選択あるいは検索)された組合せ(切断パターンと、その切断パターンが実行される材料の数との組合せ)を複数個同時に表示する(一覧表示する)表示工程(ステップS6)と、表示工程(ステップS6)で表示(一覧表示)された組合せの中に適正な(あるいは最適な)組合せがあるかどうかを決定する決定工程(ステップS7)とを備えており、計算工程(ステップS5)では、(受注情報や制約条件、その他の製鋼工程における情報に対して)不適当な組合せを計算の対象から除外する処理(第1段階)を行うことを特徴としている(請求項1)。
ここで、コンピュータなる文言は、情報処理能力を有する機器全般を広く包含する意味で用いられている。
また、前記決定工程(ステップS7)は、コンピュータにより自動制御で決定される場合のみならず、オペレータによるマニュアル処理も包含する。
また本発明において、前記決定工程(ステップS7)で適正(最適)な組合せがないと判定された場合には(ステップS7がNO)、別の組合せ(切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せ)を決定(選択)する(ステップS5〜S7)のが好ましい(請求項2)。
ここで、別の組合せ(切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せ)を決定(選択)する工程(ステップS7でNO)において、制約条件を変更する(ステップS9)ことが可能であるのが好ましい。もちろん、その場合において、制約条件を変更しないことも選択可能である。
本発明において、前記計算工程(ステップS5)は、不適当な組合せを計算の対象から除外する処理を実行してから求めた組合せ(切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せ)(第1段階:ステップS66)を補正する処理(第2段階:ステップS67)を包含しており、その補正する処理(第2段階)では、不適当な組合せを計算の対象から除外する処理(第1段階)を実行してから求めた組合せで、指定された製品本数に対して不足する場合に、その不足する製品を指定数と一致せしめる処理が行われるのが好ましい(請求項3)。
また、本発明の製品取り合わせ計算装置は、コンピュータを用いた製品取り合わせ計算を実行する装置であって、受注情報(たとえば、製品名、製品長さ、本数等)および制約条件(たとえば、工程ごとの設備条件や、計算方法、計算時間等)を入力する入力装置(2:製造ラインの上位コンピュータを含む)と、製品長さと本数を示す切断パターンとその切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せのうち、受注情報と制約条件を充足する組合せを計算(選択あるいは検索)する計算ユニット(コンピュータ本体1の計算ブロック14)と、計算ユニット(14)で計算(選択あるいは検索)された(ステップS6)組合せ(切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せ)を複数個同時に表示する(一覧表示する)表示ユニット(モニタ:3)と、表示ユニット(3)で表示(一覧表示:ステップS7)された組合せの中に適正(最適)な組合せが存在するかどうかを決定する決定ユニット(鋼片の断面寸法および長さ決定ユニット4)とを備えており、計算ユニット(コンピュータ本体1の計算ブロック14)は、(受注情報や制約条件、その他の製鋼工程における情報に対して)不適当な組合せを計算の対象から除外する処理(第1段階)を実行するように構成されていることを特徴としている(請求項4)。
本発明において、計算ユニット(コンピュータ本体1の計算ブロック14)は、不適当な組合せを計算の対象から除外する処理(第1段階)を実行してから求めた組合せ(切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せ)を補正する処理(第2段階)を実行するように構成されており、不適当な組合せを計算の対象から除外する処理(第1段階)を実行してから求めた組合せでは、指定された製品本数に対して不足する場合に、その不足する製品を指定数と一致せしめる処理を実行するように構成されているのが好ましい(請求項5)。
上述する構成を具備する本発明によれば、切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せであって、適正あるいは最適な組合せを決定(選択)することができる。
ここで、切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数とが求まれば、鋼片の断面寸法あるいは質量が求まる。したがって、切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数とが決定されれば、鋼片(素材)の所要量とその切断方法が決定され、製品取り合わせ計算が完了するのである。
そして、コンピュータ(100)で自動化することにより、熟練者以外であっても、最適な鋼片(素材)の所要量と圧延バー材の切断方法を決定する(製品取り合わせ計算における最適な解を求める)ことができる。
また、本発明によれば、適正あるいは最適な組合せを決定(選択)するに際して、受注情報や制約条件、その他の製鋼工程における情報に対して不適当な組合せを計算の対象から除外する処理をおこなっている。
さらに、切断パターンの種類や優先順位について決定する処理を行っている。そのため、決定された切断パターンの種類に包含されない切断パターンを処理対象から除外し、また、優先順位から外れるような組合せも処理対象から除外するので、処理するべき組合せ数を削減することができる。
係る処理をおこなうことにより、計算の対象となる組合せの総数を削減することができるので、内容が細かく、製品長さの種類が多い受注においても、組合せの計算に必要とされる時間を短縮することができる。
そして、計算に必要とされる時間が短縮できることに伴い、客先の発注の変更可能時間を従来に比較して、遅らせることができる。換言すれば、リードタイムを短縮することができる。
さらに本発明によれば、計算(選択あるいは検索)された(ステップS5)組合せ(切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せ)を複数個同時に表示する(一覧表示する)ように構成されている(ステップS6)ので、たとえば、オペレータがマニュアル操作で適正あるいは最適な組合せ(切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せ)の有無を判断する場合には、当該判断が容易となる。
その結果、従来技術に比較して、歩留まりも向上する。
それに加えて、本発明において、制約条件に鋼片(素材)の種類の上限を設定すれば、鋼片(素材)の種類の増加を抑制することができて、鋼片(素材)管理の簡素化が実現できる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図示の実施形態においては、図6を参照して前述したような形鋼製品の製造工程が実行されている。
図1において、全体を符号100で示す製品取り合わせ計算装置(コンピュータ)は、コンピュータ本体で構成された計算ユニット1と、入力装置2と、表示ユニットであるモニタ3と、鋼片の断面寸法および長さ決定ユニット4とを有している。
計算ユニット1は、受注情報マスタ11と、材料特性マスタ12と、制約条件マスタ13と、計算ブロック14と、計算結果一覧表作成ブロック15と、決定ブロック16と、受注引当て情報作成ブロック17と、切断パターン情報作成ブロック18と、材料情報作成ブロック19とで構成されている。
入力装置2は、受注情報マスタ11、材料特性マスタ12、制約条件マスタ13のそれぞれと、信号伝達ラインL1、L2、L3によって接続されている。
ここで、受注情報マスタ11は、入力装置1から入力された受注情報(たとえば、製品名、製品長さ、本数等)を記憶するように構成されている。
図1では、受注情報は入力装置2を介して受注情報マスタ11へ送られているが、計算ユニット1よりも、製鋼工程のシステムにおける上位のコンピュータ(図示せず)から、受注情報が受注情報マスタ11へ送られるように構成しても良い。
材料特性マスタ12は、データベースやメモリ等の記憶装置として構成されており、予め入力されて記憶されておくべき項目を、記憶している。
制約条件マスタ13は、入力装置1から入力された制約条件(たとえば、工程ごとの設備条件や、計算方法、計算時間等)を記憶するように構成されている。
材料特性マスタ12で記憶されるべき項目を、以下に例示する。
(1) 製品名
(2) 規格
(3) 寸法管理
(4) 特別仕様
(5) 粗角(鋼片の断面寸法)
(6) 材料延び長さ下限
(7) 材料延び長さ上限
上記(1)から(4)は、いわゆる「製品仕様」である。
(6)の「材料延び長さ下限」と(7)の「材料延び長さ上限」とは、設備的な制約と経験値で求めた鋼片(素材)の質量あるいは粗角に対応する材料延び長さ、すなわち圧延バー材の延び長さの下限値と上限値である。
制約条件は、製品仕様ごとに、あらかじめ制約条件マスタ13のような記憶装置(メモリ、データベース)に登録されている。そして、受注状況や工場生産状況を加味して、制約条件を任意に登録・変更することが可能である。
制約条件としては、次のようなものがある。
(A) 粗角(使用頻度の高い粗角)
(B) 歩留まり上限
(C) 歩留まり下限
(D) 取り合わせ種類上限:切断パターンで扱われる製品長における種類の数
(E) 推奨案上限:処理結果(計算結果、検索結果)の最大値
(F) 延びデルタ上限
(G) 並び替え種類:組合せ検索をするための切断パターンにおける優先順位(たとえば、製品の長い順、短い順、取り合わせ比率順等)
(H) 処理時間上限:計算時間の最大値
この最大値を経過した時点で計算を打ち切る。
受注情報マスタ11、材料特性マスタ12、制約条件マスタ13のそれぞれは、信号伝達ラインL4、L5、L6によって、計算ブロック14と接続されている。
計算ブロック14は、製品長さと本数を示す切断パターンとその切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せのうち、受注情報と制約条件を充足する組合せを計算(選択あるいは検索)するように構成されている。
計算ブロック14は、受注情報や制約条件、その他の製鋼工程における情報に対して不適当な組合せを計算の対象から除外する処理(第1段階)を実行するように構成されている。
係る計算を行うに際して、切断パターンは後述するような態様で抽出された切断パターンのみが使用され、かつ、後述するように定められた優先順位にしたがって切断パターンを適用する。それにより、行うべき計算の量が減少し、計算に必要な時間を短縮することが可能となる。
さらに、計算ブロック14は、不適当な組合せを計算の対象から除外する処理(第1段階)を実行してから求めた組合せ(切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せ)を補正する処理(第2段階)を実行するように構成されている。
そして、不適当な組合せを計算の対象から除外する処理(第1段階)をおこなって求めた組合せでは、受注した(指定された)製品本数に対して不足する場合に、その不足する製品を受注数(指定数)と一致せしめる処理を実行するように構成されている。
計算ブロック14は、計算結果一覧表作成ブロック15、受注引当て情報作成ブロック17、切断パターン情報作成ブロック18、材料情報作成ブロック19のそれぞれと、信号伝達ラインL7、L8、L9、L10によって接続されている。
そして、計算結果一覧表作成ブロック15は、信号伝達ラインL11によって、決定ブロック16と接続されている。
計算結果一覧表作成ブロック15は、計算ブロック14で計算(選択、あるいは検索)されたすべての計算結果、すなわち計算ブロック14で求めた切断パターンと形鋼製品本数の組合せを、一覧表に作成するように構成されている。
決定ブロック16は、計算ブロック14で計算された切断パターンとそれを行う圧延バー材の本数との組合せ(計算結果一覧表作成ブロック15において作成された一覧表に記載されている)が適当であるかどうかを判定し、以って、最適な組合せを決定するように構成されている。
上述した通り、計算ブロック14の計算結果は、切断パターンの種類を限定し、優先順位を決めた上で行われるので、計算結果一覧表作成ブロック15において優先順位が最高となっている組合せが「最適な組合せ」とは限らない場合が存在する。決定ブロック16は、そのような場合の存在を考慮して、「最適な組合せ」を決定するように構成されているのである。
なお、決定ブロック16では、計算ユニット(コンピュータ本体)1が上記決定を自動的に行う場合と、計画担当者が、計算結果の一覧をモニタ3などで確認しながら人為的に上記決定を行う場合とがある。
決定ブロック16は、受注引当て情報作成ブロック17、切断パターン情報作成ユニット18、材料情報作成ブロック19のそれぞれと、信号伝達ラインL12、L13、L14によって接続されている。
受注引当て情報作成ブロック17は、計算ブロック14の計算結果から、受注引当て情報を作成する。あるいは、決定ブロック16に対して、作成した受注引当て情報を与えたり、決定ブロック16で決定した最適な切断パターンと形鋼製品本数の組合せを、新たな受注引当て情報作成のために受信したりするように構成されている。
切断パターン情報作成ブロック18は、計算ブロック14の計算結果から、切断パターン情報を作成する。あるいは、決定ブロック16に対して、作成した切断パターン情報を与えたり、決定ブロック16で決定した最適な切断パターンと形鋼製品本数の組合せを、新たな切断パターン情報作成のために受信したりするように構成されている。
切断パターン情報作成ブロック18は、鋼片の断面寸法および長さ決定ユニット4、圧延工程のそれぞれと、信号伝達ラインL15、L16で接続されている。鋼片の断面寸法および長さ決定ユニット4では、切断パターン情報作成ブロック18から切断パターン情報を受信して、鋼片(素材)の断面寸法および長さを決定して、製鋼工程に発信する。
図1において、切断パターン情報作成ブロック18の切断パターン情報が圧延工程に送信され、鋼片の断面寸法および長さ決定ユニット4で決定された鋼片の断面寸法および長さが製鋼工程に送信される旨が表示されている。詳細には、切断パターン情報作成ブロック18からの切断パターン情報が圧延工程の制御用のコンピュータに送信され、鋼片の断面寸法および長さ決定ユニット4からの断面寸法および長さが製鋼工程の制御用のコンピュータに送信されるのである。
材料情報作成ブロック19は、計算ブロック14の計算結果から、材料情報を作成する。あるいは、決定ブロック16に対して、作成した材料情報を与えたり、決定ブロック16で決定した最適な切断パターンと形鋼製品本数の組合せを、新たな材料情報作成のために受信したりするように構成されている。
受注引当て情報作成ブロック17、切断パターン情報作成ユニット18、材料情報作成ブロック19のそれぞれは、信号伝達ラインL17、L18、L19を介して、モニタ3に接続されている。
モニタ3は、コンピュータ本体1の計算ブロック14で計算(選択あるいは検索)された組合せ(切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せ)を、複数個同時に表示する(一覧表示する)ことができるように構成されている。
また、モニタ3は、受注引当て情報作成ブロック17で作成された受注引当て情報、切断パターン情報作成ブロック18で作成された切断パターン情報、材料情報作成ブロック19で作成された材料情報を、同時に表示することができると共に、これらの情報のそれぞれを単独でも表示可能であるように構成されている。
次に、主として図2のフローチャートに基づいて、図1も参照しつつ、図示の実施形態に係る製品取り合わせ計算方法について説明する。
まず、計算ユニット1の材料特性マスタ12に、材料特性が既に入力されているかどうかを判断する(ステップS1)。材料特性が入力されていなければ、そのまま待機する(ステップS1がNOのループ)。
材料特性が入力されたならば(ステップS1がYES)、入力装置2によって受注情報を入力する(ステップS2)。
計算ユニット1は、受注情報が入力されたかどうかを判断する(ステップS3)。受注情報が入力されたならば(ステップS3がYES)、ステップS4に進む。入力されていなければ(ステップS3がNO)、ステップS2以下を繰り返す(ステップS3がNOのループ)。
ステップS4では、制約条件マスタ13において、制約条件の登録および/または(制約条件マスタ13に登録されている制約条件の)変更を行う。
制約条件の登録および/または変更が完了したならば、ステップS5で計算ブロック14により計算工程を行う。ステップS5の計算工程においては、切断パターンの種類を限定し、切断パターンの優先順位を決めた上で行われる(表4を参照して後述)。そして、不適当な組合せがあればこれを排除する。そして、第1段階の検索を行い、第2段階の補正を実行する。
ステップS5の計算工程における詳細については、図3、図4のフローチャートを参照して、後述する。
そして、第1段階の検索、および第2段階の補正の詳細(具体例)については、図4を参照して後述する。
ステップS6では、ステップS5において計算ブロック14で得られた計算結果(切断パターンと材料本数との組合せ)を一覧表の形態で表示する。
ここで、その一覧表においては、制約条件を変更して複数回計算した結果を、並列に表示することができる。
また、各計算結果(切断パターンと圧延バー材の本数との組合せ)を、その前提となる制約条件とリンクさせて、各計算結果をチェックする際に、その時の制約条件を確認することができるように表示することも可能である。
ステップS7において、ステップS6で一覧表に表示された計算結果(切断パターンと圧延バー材の本数との組合せ)の中から、最適なものを選択、決定する。
詳細を後述するように、計算ブロック14の計算結果は、切断パターンの種類を限定し、優先順位を決めた上で行われる(表4を参照して後述)。そのため、ステップS6で一覧表に表示された計算結果(切断パターンと圧延バー材の本数との組合せ)において、順位が最高位となっている組合せが「最適な組合せ」とは限らない場合が存在し得る。ステップS7では、そのような場合の存在を考慮して、「最適な組合せ」を決定する。
ここで、最適な計算結果の選択、決定にあたっては、基本的には、「契約本数を満たすこと(ショートしないこと)」および「契約で定められた製品仕様を充足すること」を優先する。
次に、「オーバーロールが少ない(歩留まりが良い)こと」、そして、「『延びデルタ(受注内容によって、歩留まりの低下があっても、その切断パターンを認めるための端数)』が小さいこと」を優先する。
ただし、この優先順位も、ケース・バイ・ケースで変更することが可能である。
たとえば、多少歩留まりが悪くても、生産性を優先したい製品の場合には、「オーバーロールが少ない(歩留まりが良い)こと」や、「『延びデルタ』が小さいこと」よりも、「素材(鋼片)の質量(あるいは粗角、長さ)を揃えること」が優先する場合がある。
「素材(鋼片)の質量(あるいは粗角、長さ)を揃えること」が優先する場合には、素材(鋼片)温度を均一に保ち、曲りや反り、その他の変形を防止することが重要となるのである。
ステップS7において、一覧表(ステップS6)に示された最適な計算結果が存在するかどうかを判断するにあたっては、計算ユニット(コンピュータ本体)1が、上述したような判断基準(たとえば、歩留まりが第1に優先し、次に「延びデルタ」が小さいことが優先するという基準)に基づいて、自動的に判断を下す。ただし、製品取り合わせ計算の担当者が、ステップS6で一覧表示された計算結果を検討して、判断することも可能である。
ステップS6で示された一覧表に最適な計算結果が存在する旨の決定がされたのであれば(ステップS7がYES)、ステップS8に進み、受注引当て情報、切断パターン情報、鋼片(素材)情報をプリントアウトし、および/または、モニタ3に表示する。そして、そのオーダーに関する一連の計算処理を終了する。
ステップS6で示された一覧表に最適な計算結果が存在しない旨の決定がされた場合には(ステップS7がNO)、ステップS9において制約条件を変更して、ステップS5以降を繰り返す。
次に図3のフローチャートを参照して、図2のステップS5の詳細を説明する。
以下の説明において、使用可能な圧延バー材の延び長さは材料特性マスタ12に記憶されているデータであり、たとえば、56m〜60mの範囲である。
以下の説明において、ある形鋼製品について、注文長さが12m、9m、7mの3種類である場合を想定して、必要に応じて例示する。
図3のステップS61において、製品長が1種類の場合の切断パターンを抽出する。抽出の具体例については、実施例1で後述する。
次のステップS62では、製品長が2種類の場合の切断パターンを抽出する。この場合についても、実施例1、実施例2で後述する。
ステップS63では、製品長が3種類の場合の切断パターンを、ステップS61、ステップS62と同ように抽出する。
さらに、ステップS64では、製品長が4種類の場合の切断パターンを、ステップS61、ステップS62と同ように抽出する。
ステップS65では、切断パターンの優先順位付けを行う(表4を参照して後述)。この順位付けについては、次の4つの条件を考慮して行われる。
条件1:製品長さが1種類のみである切断パターンを最優先とする。
条件2:歩留まりが良くない(低い)切断パターンは、優先順位が低くなる。
条件3:形鋼製品の本数の差が大きい切断パターンは、優先順位が低くなる。取り合わせにおいて、形鋼製品の本数の差が大きい切断パターンが続くと、形鋼製品の梱包が困難となり、その分だけ操業度が低下するからである。
条件4:組合せる製品長さの差が小さい切断パターンは、優先順位が低くなる。現品の識別を間違える要因となるからである。
ここで、切断パターンの優先順位を決定する上述した条件1〜条件4の順番および内容は、素材(鋼片)の需給状況や、工程の操業状況、出荷時期等により、変更可能である。
次のステップS66では、切断パターンと圧延バー材の本数の組合せ計算(Step1:図2における第1段階の検索)を行う。
組合せ計算(Step1:第1段階の検索)では、ステップS65で求めた切断パターンの優先順位付け(表4を参照)に沿って、優先順位が高い切断パターンを実行する場合から計算を行う。そして、受注本数(指定本数)を超過せず、あるいは、歩留まりが極端に悪化しない範囲内で、優先順位が高い切断パターンにより、できる限り多くの製品を採取するべく、その優先順位が高い切断パターンを実行する圧延バー材の本数を計算する。
その優先順位が高い切断パターンを実行した計算の結果として、受注本数に満たない分の製品の採取、すなわち、残りの製品の採取については、優先順位が低い切断パターンを行った場合を計算する。すなわち、ステップS66では、優先順位が高い切断パターンから、優先順位が低い切断パターンの順に、計算を行うのである。
ステップS66については、図4のフローチャートを参照して後述する操作を行う。
図3のステップS66(Step1:第1段階の検索)では、受注本数を超過しない範囲で、切断パターンと圧延バー材の本数の組合せを求めることができた。この場合、「受注本数を超過しない」(オーバーロールをしない)という条件でその組合せを求めている(後述する図4のステップS663参照)。そのため、図3のステップS66による組合せ計算の結果では、受注本数を満たさない可能性がある。
それに対して、ステップS67では、図2における「第2段階の補正」、すなわち、受注本数を満たさない場合において、切断パターンと圧延バー材の本数の組合せ計算の結果に対する補正(Step2:第2段階の補正)を行う。
ステップS67における「第2段階の補正」については、後述する第2実施例において、表5〜表8を参照して詳述する。
ステップS68では、処理時間が制約以内であるかどうか(所定の処理時間を過ぎていないかどうか)を判断する。
処理時間が制約以内である場合(ステップS68がYES)は、ステップS69に進む。所定の処理時間を過ぎていれば(ステップS68がNO)、計算を終了する。処理時間の長期化に伴うコスト上昇を防止するためである。
ステップS69では、すべての組合せ検索が終了したかどうかを判断する。すべての組合せ検索が終了した場合(ステップS69がYES)は、計算を終了する。
すべての組合せ検索がまだ終了していない場合は(ステップS69がNO)、ステップS70に進む。
ステップS70では、ステップS65、ステップS66で求めた組合せ計算の解とは、別の解を求める。ステップS70における別解を求める処理については、図5を参照して詳述する。
ステップS70で別解を求める際にも、ステップS66と同ように、「受注本数を超過しない」(オーバーロールをしない)という条件でその別解を求めるので、受注本数を満たさない可能性がある。そのため、ステップS70で別解を求めたならば、ステップS67に戻り、「第2段階の補正」を行う。
次に、図4のフローチャートに基づいて、切断パターンと圧延バー材の本数の組合せ計算における「第1段階の検索」(Step1:図3のステップS66)について説明する。
図3のステップS66に関する説明で述べた通り、「第1段階の検索」(Step1:図3のステップS66)では、図3のステップS65で求めた切断パターンの優先順位付けにしたがって、最も優先順位が高い切断パターンにしたがって切断した場合から計算を開始し、その後、順次、優先順位が低い切断パターンにしたがって切断した場合について計算を行う。
図4においては、まず、圧延バー材の本数を1本と設定する(ステップS661)。
次に、優先順位が最も高い切断パターン(図3のステップS65)にしたがって圧延バー材を切断する場合について、圧延バー材の本数に採取本数(その切断パターンに従った場合に、1本の圧延バー材から得られる特定の製品の本数)を乗じた値を「製品取得本数」とする(ステップS662)。
ステップS663では、ステップS662の「製品取得本数」が、受注本数を上回っているかどうかを判断する。
ステップS662の「製品取得本数」が、受注本数を上回っていなければ(ステップS663がNO)、圧延バー材の本数を1本増加させる(ステップS664)。そして、「製品取得本数」が受注本数を上回るまで、ステップS662以下を繰り返す。
「製品取得本数」が受注本数を上回っていれば(ステップS663がYES)、ステップS665で圧延バー材の本数を1本減じた値とせしめ、ステップS666に進む。
ステップS666では、ステップS665で求めた圧延バー材の本数に、1本の圧延バー材から採取可能な製品の本数(採取本数)を乗算して、「製品取得本数」を求める。
「製品取得本数」を求めたならば、ステップS667に至るまでの「合計製品取得本数」(「製品取得本数」の総和:最初のループでは0)に、ステップS666で求めた「製品取得本数」を加算して、加算後の数値を新たな「合計製品取得本数」に設定する(ステップS667)。
そして、採用された切断パターン、ステップS665で求めた圧延バー材の本数、ステップS666で求めた製品取得本数、ステップS667で求めた合計製品取得本数を記憶しておく(ステップS668)。
ステップS669では、すべての契約長について(製品の長さの全種類において)、受注本数を上回り、または、受注本数を満たすための切断パターンが無くなったかを判断する。
すべての契約長が受注本数を上回っていないか、あるいは、受注本数を満たすための切断パターンがある場合(ステップS669がNO)は、不足している受注本数について、次の切断パターンを検証するために、ステップS670において、その時点で検証されている切断パターンよりも、図3のステップS65の優先順位が一つ低い切断パターンを選択する。
その際に、不足している受注本数について検証するため、その時点における受注本数から、ステップS668で記憶されている合計製品取得本数を減算した数値を、受注本数に設定する(ステップS671)。
そして、ステップS661に戻り、ステップS661以降を繰り返す。
すべての契約長が受注本数を上回っており、かつ、図3のステップS65で優先順位が付けられたすべての切断パターン(表4参照)が検証された場合には(ステップS669がYES)、ステップS667までの処理で、受注本数を超過しない範囲で最大の製品取得ができる切断パターンと圧延バー材の本数の組合せを求めることができたので、ステップS668で記憶された切断パターン、圧延バー材の本数、製品取得本数を、図示しない記憶手段に記憶あるいは保管する(ステップS672)。
ステップS672の段階における組合せ計算の結果では、受注本数を満たさない可能性があるので、図3で示すように、ステップS67における「第2段階の補正」が行われる。
ステップS67における「第2段階の補正」については、後述する第2実施例において、表5〜表8を参照して詳述する。
次に、図5のフローチャートに基づいて、図3のステップS70における「その他の組合せ」(あるいは、「別解」)を求める処理について説明する。言い換えれば、図5は、切断パターンと圧延バー材の本数の組合せ計算において、図2〜図4で説明した操作で求められた解とは別の解を求める処理について、説明している。
図5のフローチャートにしたがって、切断パターンと圧延バー材の本数の組合せ計算における別解を求めるにあたっては、まず、(図5の)ステップS71で、図4のステップS667で求めた合計製品取得本数をゼロとする(リセットあるいは御破算)。
次に、図3のステップS65における優先順位(表4参照)が最も高い切断パターンと、それに対応する圧延バー材の本数を、計算ユニット1(図1)における図示しない記憶装置から呼び出す(ステップS72)。
ステップS73では、ステップS72で呼び出した圧延バー材の本数(すなわち、優先順位の最も高い切断パターンにおいて、切断される圧延バー材の本数)から、1本を減算する。そして、優先順位が最も高い切断パターンにおける1本の圧延バー材から採取可能な本数を、ステップS73で1本減算した圧延バー材の本数(ステップS73で求めた圧延バー材本数)に乗算して、製品取得本数を求める(ステップS74)。
ここで、圧延バー材の本数が1本減算されているため、製品取得本数は、図4の場合における製品取得本数とは異なった数値である。
次のステップS75では、ステップS75に至るまでの製品取得本数の合計値を求める。すなわち、それまでの合計製品取得本数(最初のループでは0本)に、ステップS74で求めた製品取得本数を加算して、新たな合計製品取得本数を求める。
そして、ステップS72で採用された切断パターンと、圧延バー材の本数(ステップS73で1本減算された本数)と、ステップS75で求めた合計製品取得本数とを記憶して(ステップS75a)、ステップS76に進む。
ステップS76では、ステップS72で求めた切断パターンにおける圧延バー材の本数がゼロかどうかを判断する。ステップS791に関連して後述するように、図5で示すフローチャートによる処理が進行するにしたがって、ステップS72で求めた切断パターンにおける圧延バー材の本数は減少する。そして、ステップS72で求めた切断パターンにおける圧延バー材の本数がゼロになれば(ステップS76がYES)、別解を求める処理は完了したと判断して、計算を終了する。
ステップS72で求めた切断パターンにおける圧延バー材の本数がゼロでなければ(ステップS76がNO)、ステップS77に進む。
ステップS77では、優先順位(表4参照)が一つだけ低い切断パターンを選択する。そして、その切断パターン(優先順位が一つだけ低い切断パターン:ステップS77で選択された切断パターン)により、製品の受注本数を取り合わせる。
ステップS77の段階では、ステップS77で選択する以前の切断パターン(最初のルーチンであれば、ステップS72で選択された切断パターン:最初のルーチンでなければ、後述するステップS789がNOと判定されるまでに用いられていた切断パターン)によって製品の受注本数の一部が、既に取得されている。そのため、ステップS77で選択された切断パターンで取得するべき製品の本数として、受注本数から合計製品取得本数(ステップS75あるいはステップS788で記憶されている合計製品取得本数)を減算した値を、その製品の受注本数とする(ステップS78)。そして、ステップS781に進む。
ステップS781〜ステップS791は、基本的には、図4のステップS661〜ステップS669、ステップS672と同様である。
すなわち、まず、圧延バー材の本数を1本と設定し(ステップS781)、ステップS77で選択された切断パターンについて、圧延バー材の本数に採取本数(ステップS77で選択された切断パターンに従った場合に、1本の圧延バー材から得られる特定の製品の本数)を乗じた値を「製品取得本数」とする(ステップS782)。
そして、ステップS782の「製品取得本数」が、受注本数を上回っているかどうかを判断する(ステップS783)。
ステップS782の「製品取得本数」が、受注本数を上回っていなければ(ステップS783がNO)、圧延バー材の本数を1本増加させて(ステップS784)、ステップS782に戻る。言い換えれば、「製品取得本数」が受注本数を上回るまで、ステップS782〜ステップS784を繰り返す。
「製品取得本数」が受注本数を上回っていれば(ステップS783がYES)、圧延バー材の本数を1本減じた値として(ステップS785)、ステップS786に進む。
次に、ステップS785で求めた圧延バー材の本数に、1本の圧延バー材から採取可能な製品の本数(採取本数)を乗算して、「製品取得本数」を求める(ステップS786)。
「製品取得本数」を求めたならば、ステップS787に至るまでの「合計製品取得本数」に、ステップS666で求めた「製品取得本数」を加算して、加算後の数値を新たな「合計製品取得本数」に設定する(ステップS787)。ここで、ステップS787に至るまでの「合計製品取得本数」は、「製品取得本数」の総和であり、最初のループにおいてはステップS75で記憶されている「合計製品取得本数」である。それ以降のループでは、直前のループにおいて、ステップS787で設定された「合計製品取得本数」である。
そして、ステップS77で選択された切断パターン、ステップS785で求めた圧延バー材の本数、ステップS786で求めた製品取得本数、ステップS787で求めた合計製品取得本数を記憶して(ステップS788)、ステップS789に進む。
ステップS789では、すべての契約長について(製品の長さの全種類において)、受注本数(ステップS78の受注本数)を上回り、または、受注本数を満たすための切断パターンがなくなったかを判断する。
すべての契約長が受注本数を上回っていないか、あるいは、受注本数を満たすための切断パターンがある場合(ステップS789がNO)は、ステップS77に戻り、優先順位がさらに一つ低い切断パターンを新たに選択する。
すべての契約長が受注本数を上回っており、かつ、図3のステップS65で優先順位が付けられたすべての切断パターン(表4参照)が検証された場合には(ステップS789がYES)、ステップS77で記憶された切断パターン、圧延バー材の本数、製品取得本数を図示しない記憶手段へ記憶あるいは保管する(ステップS790)。
ステップS790において、ステップS71〜ステップS790の処理を行うことにより、図2〜図4で示す処理により得られた最適値に対して、ステップS72で選択された切断パターンにより切断される圧延バー材の本数が1本少ない場合における最適な組合せが得られる。
ここで、ステップS790で求められた解(別解)とはさらに別の解を求めるべく、ステップS72で選択された切断パターンで処理するべき圧延バー材の本数を、さらに1本減じる(ステップS791)。そして、ステップS74に戻り、ステップS74以下の処理を繰り返す。
ステップS76に関連して述べた通り、図5の処理で求める別解は、ステップS72で選択された切断パターンで処理するべき圧延バー材の本数が0本になるまで、上述の処理を繰り返すことにより行われる。
以下、本発明の第1実施例を説明する。
ある形鋼製品について、12mが43本、9mが41本、7mが34本を受注した場合を想定する。
ここで、使用可能な材料延び長さ(圧延バー材の延び長さ)は、56m〜60mの範囲とする。
ステップS5において効率的な計算を実行するにあたって、まず、使用可能な材料延び長さ56m〜60mにおいて、どの長さの形鋼製品が何本採取可能であるか、すなわち可能な切断パターンについて検討する(図3のステップS61〜S64に相当)。
上述した想定において、1種類あるいは2種類の長さの製品を採取する場合に可能な切断パターンを、以下において、1−1〜1−11の番号で示す。
1−1:12m×5本=60m
1−2:7m×8本=56m
(ここで、切断パターン1−1、1−2が、1種類の切断パターンで、「材料延び長さ56m〜60m」という条件を満たす切断パターンである。)
1−3:12m×1本+9m×5本=57m
1−4:12m×2本+9m×4本=60m
1−5:12m×4本+9m×1本=57m
1−6:12m×2本+7m×5本=59m
1−7:12m×3本+7m×3本=57m
1−8:9m×1本+7m×7本=58m
1−9:9m×2本+7m×6本=60m
1−10:9m×4本+7m×3本=57m
1−11:9m×5本+7m×2本=59m
3種類の長さの製品を採取する場合、4種類の長さの製品を採取する場合については、省略する。
上述した1−1〜1−11の切断パターンと圧延バー材(使用可能な材料延び長さが56m〜60m)の本数と適宜組合せて演算し、「契約本数を満たすこと」、「歩留まりが良いこと」という条件を充足する切断パターンと形鋼製品本数の組合せを演算するのが、ステップS5である。
そして、ステップS5で求められた切断パターンと形鋼製品本数の組合せを、一覧表として示すのが、ステップS6である。
さらに、ステップS6で表示された一覧表で示す結果から、最適な切断パターンと形鋼製品本数の組合せを決定するのが、ステップS7である。
ステップS5、S6、S7については、実施例2で詳細に説明する。
ステップS7で決定された「最適な切断パターンと形鋼製品本数の組合せ」を、次の表1で示す。
表1
Figure 2008171169
表1で示す切断パターンと形鋼製品本数の組合せによれば、受注した形鋼製品の本数をすべて充足すると共に、オーバーロールが全く発生していない(採取本数(A)から契約本数(B)を差し引いた差異がいずれも0と成っている)ので歩留面では最適な結果となっている。
表1で示す切断パターンと形鋼製品本数の組合せから、
延び長さが60mとなる粗角あるいは質量を有する素材(鋼片)を14本、
延び長さが59mとなる粗角あるいは質量を有する素材(鋼片)を1本、
延び長さが56mとなる粗角あるいは質量を有する素材(鋼片)を4本、
を準備すれば良いことがわかる。
ここで、「延び長さ」がわかれば、経験値(過去のデータ)より、対応する素材(鋼片)の「粗角」あるいは「質量」が演算可能である。そのようにして求めた素材(鋼片)の「粗角」あるいは「質量」に関する演算結果は、信号伝達ラインL−15(図1)により、鋼片の断面寸法および長さ決定ユニット4を介して、製鋼工程(素材生産工程)(あるいは、製鋼工程の制御コンピュータ)へ、「生産指示」として伝達される。
また、表1で示す切断パターンと形鋼製品本数の組合せから、第1実施例で想定された形鋼製品を受注した場合は、
a.延び長さが60mの圧延バー材を5本用いて、それぞれから、12mの形鋼製品を5本切断し、
b.延び長さが60mの圧延バー材を9本用いて、それぞれから、12mの形鋼製品を2本と、9mの形鋼製品を4本切断し、
c.延び長さが59mの圧延バー材を1本用いて、それぞれから、9mの形鋼製品を5本と、7mの形鋼製品を2本切断し、
d.延び長さが56mの圧延バー材を4本用いて、それぞれから、7mの形鋼製品を8本切断、
すれば良いことがわかる。
その旨のデータは、信号伝達ラインL−16(図1)を介して、圧延工程(あるいは圧延工程のコンピュータ)に伝達される。
以下、本発明の第2実施例を説明する。
第2実施例では、特にステップS5における処理について、別の具体例に沿って、さらに詳細に説明する。
第2実施例において、別の形鋼製品について、12mが45本、9mが40本、7mが35本の受注があった場合を想定する。
使用可能な材料延び長さは、第1実施例と同じように、56m〜60mの範囲とする。
ここで、長さが1種類の形鋼製品を採取する場合に可能な切断パターンを考慮すると(図3のステップS61)、その切断パターンにおいて、延び長さの上限(60m)を越えることはできない。したがって、形鋼製品の製品長さをN、1本の材料から取得できる形鋼製品の製品本数をxとすれば、
延び長さ上限(60m)≧N・x
という関係が成り立つ。
歩留まりを考慮すれば、
延び長さ下限(56m)≦N・x≦延び長さ上限(60m)
という不等式を充足する範囲内にあることが好適である。
たとえば、製品長さ7mの形鋼製品を8本採取すれば、N・x=56mなので、延び長さが56mの圧延バー材では余りがゼロとなり、歩留まりが良い。
製品長さ12mの形鋼製品を5本採取しても、N・x=60mとなり、延び長さが60mの圧延バー材では余りがゼロで、歩留まりが良い。
次に、長さ12mの形鋼製品と長さ9mの形鋼製品(2種類の長さの形鋼製品)を採取する場合に可能な切断パターンを検討する(図3のステップS62)。
上述した通り、圧延バー材の延び長さは56m〜60mの範囲内であるので、採取可能な長さ12mの形鋼製品と長さ9mの形鋼製品の組合せは、下表2の通りである。
表2
Figure 2008171169
1本の圧延バー材から採取される12mの形鋼製品の本数をx、9mの形鋼製品の本数をyとすれば、表2の切断パターンにおいて、以下の不等式を充足する切断パターンは歩留まりが良い。
延び長さ下限(56m)≦12x+9y≦延び長さ上限(60m)
たとえば、長さ12mの形鋼製品を2本と長さ9mを4本の組合せであれば、延び長さが60mの圧延バー材では余りがゼロとなり、歩留まりが良い。
長さ12mを1本と長さ9mを5本の組合せであれば、延び長さが57mの圧延バー材では余りがゼロとなり、歩留まりが良い。
製品長さ12mの形鋼製品と製品長さ7mの形鋼製品との組合せ、製品長さ9mの形鋼製品と製品長さ7mの形鋼製品との組合せについても、同じように検討する。
また、製品長さ12mの形鋼製品と、製品長さ9mの形鋼製品と、製品長さ7mの形鋼製品との組合せについても、同じように検討する。
製品長さ12mの形鋼製品と製品長さ7mの形鋼製品との組合せ、製品長さ9mの形鋼製品と製品長さ7mの形鋼製品との組合せについて、切断パターンを下表3に示す。
表3
Figure 2008171169
ここで、切断パターンの種類数を限定し、検索順番の優先順位を設定し(図3のステップS65)、優先順位の高いものから、図2におけるステップS5(図3、図4)の処理を行えば、「切断パターンにおける組合せの検索」において、不必要な組合せについて検索を行う必要が無くなり、効率的に最適の組合せ(最適解)を求めることができる。
優先順位設定のための条件としては、次の4つがある。
条件1:製品長さが1種類のみである切断パターンを最優先とする。
条件2:歩留まりが良くない(低い)切断パターンは、優先順位が低くなる。
条件3:形鋼製品の本数の差が大きい切断パターンは、優先順位が低くなる。取り合わせにおいて、形鋼製品の本数の差が大きい切断パターンが続くと、形鋼製品の梱包が困難となり、その分だけ操業度が低下するからである。
条件4:組合せる製品長さの差が小さい切断パターンは、優先順位が低くなる。現品の識別を間違える要因となるからである。
ここで、切断パターンの優先順位は、素材(鋼片)の需給状況や、工程の操業状況、出荷時期等により、ケース・バイ・ケースで変更可能である。
条件1〜条件3を考慮して優先順位をつけた結果が、表4に示されている。換言すれば、表4は、第2実施例において可能なすべての切断パターン(種類が限定された切断パターン)を示すと共に、図3のステップS65における優先順位を示している。
表4
Figure 2008171169
表4において、上方の切断パターンの方が、下方の切断パターンよりも優先順位が高い。そして、表4の左端部における丸で囲った数字が、優先順位を示している。
表3を参照すると、歩留まりを考慮した場合、12mの形鋼製品の切断パターンはパターン12−1〜12−5の5通り存在し、9mの形鋼製品の切断パターンはパターン9−1〜9−4の4通り存在する。
上述した通り、第2実施例では12mの形鋼製品を45本、9mの形鋼製品を40本受注している。
12mの形鋼製品45本を採取するための組合せ数の合計は、46(0〜45)の4(=5−1)乗、すなわち46=4,477,456通りである。
9mの形鋼製品40本を採取するための組合せ数の合計は、41(0〜40)の3(=4−1)乗、すなわち41=68,921通りである。
したがって、12mの形鋼製品が45本、9mの形鋼製品が40本を採取する組合せ数は、
4,477,456×68,921=約3080億通り
という膨大な数となってしまう。これだけ膨大の数となる組合せのすべてを検証して、最適な組合せを求めることは、現実的ではない。
ここで、上述した約3080億通りの「組合せ」においては、不適切な組合せが包含されてしまう。
そのため、図2におけるステップS5の処理において、切断パターンにおける組合せの検索をおこなうにあたっては、不適切な組合せを除去して、検討あるいは処理するべき組合せの数を減少させている。
図2におけるステップS5の処理の対象外となる「不適切な組合せ」について、次に説明する。
第1に、対象とする製品長さの形鋼製品の必要本数が、1本の圧延バー材から取得可能な製品本数の整数倍とならないような組合せは、図2におけるステップS5の処理の対象外である(第1の原則)。
たとえば、優先順位の高い切断パターンにより製品が採取された後、12mの製品が受注本数に対して3本不足している場合を想定する。
この場合、12mの製品を2本、9mの製品を4本という切断パターンを考えた場合(パターン12−2)、1本の圧延バー材から2本の12mの製品が採取される。すなわち、係る組合せは、製品長さ12mの製品は、圧延バー材の本数の2倍ずつ増加することになり、偶数本しか採取することができない。
したがって、必要とする12mの製品が3本である場合には、「12mの製品を2本、9mの製品を4本という切断パターン(パターン12−2)」は考慮する必要が無く、図2におけるステップS5(図3および図4参照)の処理の対象となる。
同ように、「12mの製品を2本、9mの製品を4本(パターン12−2)」という切断パターンでは、9mの製品が採取可能な本数は、「圧延バー材の本数×4」本である。すなわち、製品長さ9mの製品は、「圧延バー材の本数×4」本しか採取することができない。
優先順位の高い切断パターンにより製品が採取された後、9mの製品が受注本数に対して4の倍数本だけ不足している場合であれば、「12mの製品を2本、9mの製品を4本」という切断パターン(パターン12−2)を考慮の対象とすることができる。これに対して、9mの製品が受注本数に対して不足している本数が4の倍数ではない場合には、「12mの製品を2本、9mの製品を4本」という切断パターン(パターン12−2)は、ステップS5の処理の対象にはならない。
第2に、受注本数をオーバーする無駄な組合せは、図2におけるステップS6の処理の対象とはしない(第2の原則)。
第2実施例における受注数において、12mの製品の受注本数と、9mの製品の受注本数は、それぞれ、45本、40本である。
受注本数の少ない9mの製品(40本)に着目し、「12mの製品が1本と、9mの製品が5本」という切断パターン(表4の上から7番目の切断パターン)を考慮した場合に、その切断パターンを採用すれば、8本の圧延バー材で9mの製品の受注数を採取することができる(40÷5=8)。しかし、12mの製品については8本しか採取しておらず(1×8=8)、受注本数に対して不足している。そして、8本以上の圧延バー材を投入すれば、9mの製品の採取本数は受注数の40本をオーバーしてしまう。
そのため、図2におけるステップS5(あるいは、図3における処理)では、8本以上の圧延バー材を使用する組合せは検索対象とはしない。
同じように図2におけるステップS5の処理においては、検索途中で、形鋼製品の採取本数が受注本数をオーバーすることが判明した場合には、それ以上の検索は行わない。それにより、処理時間を短縮することができる。
第3に、各長さの形鋼製品の採取本数が同一となる切断パターンと圧延バー材の本数との組合せについては、図2におけるステップS5の処理の対象とはしない(第3の原則)。
たとえば、「12mの製品を5本」という切断パターンと「7mの製品を8本」という切断パターンを組合せた場合の製品の採取本数(12mの製品を5本、7mの製品を8本)は、「12mの製品を3本と、7mの製品を3本」という切断パターンと「12mの製品を2本と、7mの製品を5本」という切断パターンを組合せた場合の製品の採取本数と同一である。
この場合は、いずれか一方の切断パターンの組合せのみが図2におけるステップS5の処理の対象となり、他方の組合せはステップS5の処理の対象とはしない。
さらに、図2におけるステップS5の処理では、一度の処理で組合せの検索を行わずに、2段階に処理を分けて検索をおこなう。
図2におけるステップS6の処理では、材料延び長さの制約(第2実施例では、56m〜60m)および上述した第1の原則〜第3の原則に合致する切断パターンを、表4で示す切断パターンのみについて、表4で示す優先順位で用いて検索する第1段階の検索(図3、図4)と、第1の原則〜第3の原則とは無関係に第1段階で検索された組合せを補正する第2段階の補正とが行われる。
図2におけるステップS5の処理における第1段階の検索では、特に第2の原則との関係で、あるいは、図4のステップS665で示す処理を行う関係で、検索された組合せの大部分が、受注本数に対して、いずれかの製品の採取本数が不足する。
表5において、材料延び長さの制約(第2実施例では、56m〜60m)および上述した第1の原則〜第3の原則に合致する切断パターンと圧延バー材の本数との組合せの一例を示す。そして、表6において、表5の切断パターンと圧延バー材の本数との組合せによる採取本数と受注本数とを比較して示す。
表5
Figure 2008171169
表6
Figure 2008171169
表6から明らかなように、表5で示す組合せでは、製品長さ12mの形鋼製品と、製品長さ7mの形鋼製品とが、受注数に対して不足(いずれも2本)している。
それに対して手当てをするのが、図2におけるステップS5の処理における第2段階の補正(図3のステップS67)である。
表5および表6を参照して、図2におけるステップS5の処理における第2段階の補正(図3のステップS67)を説明する。
第2段階の補正(図3のステップS67)では、まず、受注本数に対して不足している形鋼製品の製品長さと不足している本数との積の総和を求める。表5、表6の例では、そのような総和は 12m×2本+7m×2本=38m となる。
次に、材料延び長さの最小値(第2実施例では56m)と、前記総和(38m)との差を計算する。表5、表6の例では、56m−38m=18m となる。
そして、前記差(18m)を受注した形鋼製品のいずれかの製品長さ(12m、9m、7mのいずれかの長さ)で引当てる(除算する)。係る引当ての結果は、表5、表6の例では、 18m÷9m=2本 となる。そして、9mの形鋼製品2本をオーバーロールとする。
ここで、引当の結果、端数が存在する場合には、その端数は、いわゆる「延びデルタ」として取り扱う。
仮に、9mの製品の注文が存在せず、12mの製品と7mの製品の注文しか存在しない場合においては、表5、表6の例(前記差=18mの場合)において、
18m÷7m=2本 端数:4m
材料延び長さの最大値は60mであるので、56mの材料に4mデルタを付ける。
第1段階の検索結果(たとえば表5、表6)では、受注本数に対して、製品長さ12mの形鋼製品の採取本数は2本不足しており、製品長さ7mの形鋼製品の採取本数も2本不足している。
これに対して、第2段階の補正(図3のステップS67)を行った結果、受注本数に対して不足している製品長さの形鋼製品の採取本数(上記の例では12mの製品が2本と、7mの製品が2本)と、オーバーロール(上記の例では9mの製品2本)と、延びデルタ(表5、表6の例では無し)とに対応する56mの圧延バー材が追加される。追加された圧延バー材に対する切断パターンは、12mが2本、7mが2本、9mが2本である(後述する表7の「※」印の切断パターン)。
上述の第2段階の補正をおこなうことにより、(表5に対応する)切断パターンと圧延バー材の本数との組合せは表7で示すようになる。そして、表7で示す切断パターンと圧延バー材の本数との組合せによる採取本数と、受注本数との比較は、表8で示すようになる。
表7
Figure 2008171169
表8
Figure 2008171169
表7で示す切断パターンと圧延バー材の本数との組合せから、第2実施例において必要とされる圧延バー材は、
57mが11本、
60mが8本、
56mが1本
となる。
この情報(データ)は、第1実施例と同じように、信号伝達ラインL−15(図1)を介して、製鋼工程(素材生産工程:あるいは、製鋼工程の制御コンピュータ)へ、「生産指示」として伝達される。
また、表7で示す切断パターンのデータ、すなわち、
切断パターン12−1(12mが3本、7mが3本:合計57m)と、
切断パターン9−1(9mが4本、7mが3本:合計57m)と、
切断パターン12−0(12mが5本:合計60m)と、
切断パターン※(12mが2本、7mが2本、9mが2本:合計56m)、
は、第1実施例と同じように、信号伝達ラインL−16(図1)を介して、圧延工程(あるいは、圧延工程の制御コンピュータ)に伝達される。
第2実施例の場合には、従来技術に比較して、必要な計算時間は約40%減少することが確認されている。
上述した図示の実施形態および実施例によれば、切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せを、適正あるいは最適なものとすることができる。
切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数とがその計算によって求まれば、コンピュータ100に記憶したデータから素材(鋼片)の粗角あるいは質量が求まる。
したがって、切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数とが決定されれば、鋼片(素材)の所要量とその切断方法も自動的に決定される。
そのように、コンピュータ(100)で自動化することにより、熟練者以外であっても、最適な鋼片(素材)の所要量とその切断方法を決定する(製品取り合わせ計算における最適な解を求める)ことができる。
また、図示の実施形態および実施例では、適正な(あるいは最適な)組合せを決定(選択)するに際して、受注情報や制約条件、その他の製鋼工程における情報に対して不適当な組合せを計算の対象から除外する処理をおこなっている。そのような処理をおこなうことにより、計算の対象となる組合せの総数を減少することができる。したがって、内容が細かく、製品長さの種類が多い場合等においても、組合せの計算に必要とされる時間を短縮(約40%短縮)することができる。
そして、計算に必要とされる時間が短縮できることに伴い、客先の発注の変更可能時間を従来に比較して、遅らせることができる。換言すれば、リードタイムを短縮することができる。
さらに図示の実施形態および実施例によれば、図2のフローチャートのステップS5(図3および図4で詳述)で計算(選択あるいは検索)された組合せ(切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せ)は、単一の解のみではなく、図5を参照して説明したように、別解をも併せて求めることができる。そして、複数の解、すなわち図2のステップS5で計算(選択あるいは検索)された組合せは、ステップS6において複数個同時に表示する(一覧表示する)ように構成されている。
したがって、複数の計算結果(切断パターンと、その切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せ)から最適なものを、自動制御により(あるいはマニュアル操作により)選択することができる。
その結果、従来技術に比較して、歩留まりも向上する。
それに加えて、図示の実施形態および実施例において、制約条件に材料種類の上限を設定すれば、鋼片種類の増加を抑制することができて、素材管理の簡素化が実現できる。
図示の実施形態あるいは実施例は例示であり、本発明の技術的範囲を限定するための記載ではない。
本発明の実施形態を示すブロック図。 図1の実施形態のメイン制御を示すフローチャート。 図2のステップS6を詳細に説明するフローチャート。 図2、図3における第1段階の検索の詳細を説明するフローチャート。 別解を求めるための制御を示すフローチャート。 形鋼製品の製造工程を簡略化して示すブロック図。
符号の説明
1・・・計算ユニット/コンピュータ本体
2・・・入力装置
3・・・表示ユニット
4・・・決定ユニット/鋼片の断面寸法および長さ決定ユニット
11・・・受注情報マスタ
12・・・材料特性マスタ
13・・・制約条件マスタ
14・・・計算ブロック
15・・・計算結果一覧表作成ブロック
16・・・決定ブロック
17・・・受注引き当て情報作成ブロック
18・・・切断パターン情報作成ブロック
19・・・材料情報作成ブロック

Claims (5)

  1. 受注情報を入力する工程と、制約条件を入力する工程と、製品長さと本数を示す切断パターンとその切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せのうち、受注情報と制約条件を充足する組合せを計算する計算工程と、計算工程で計算された組合せを複数個同時に表示する表示工程と、表示工程で表示された組合せの中に適正な組合せがあるかどうかを決定する決定工程とを備えており、計算工程では、不適当な組合せを計算の対象か除外する処理を行うことを特徴とする製品取り合わせ計算方法。
  2. 前記決定工程で適正な組合せがないと判定された場合に、別の組合せを決定する請求項1の製品取り合わせ計算方法。
  3. 前記計算工程は、不適当な組合せを計算の対象から除外する処理を実行してから求めた組合せを補正する処理を包含しており、その補正する処理では、不適当な組合せを計算の対象から除外する処理を実行してから求めた組合せで、指定された製品本数に対して不足する場合に、その不足する製品を指定数と一致せしめる処理が行われる請求項1、請求項2のいずれかの製品取り合わせ計算方法。
  4. 受注情報および制約条件を入力する入力装置と、製品長さと本数を示す切断パターンとその切断パターンが実行される圧延バー材の本数との組合せのうち、受注情報と制約条件を充足する組合せを計算する計算ユニットと、計算ユニットで計算された組合せを複数個同時に表示する表示ユニットと、表示ユニットで表示された組合せの中に適正な組合せが存在するかどうかを決定する決定ユニットとを備えており、計算ユニットは、不適当な組合せを計算の対象から除外する処理を実行するように構成されていることを特徴とする製品取り合わせ計算装置。
  5. 計算ユニットは、不適当な組合せを計算の対象から除外する処理を実行してから求めた組合せを補正する処理を実行するように構成されており、不適当な組合せを計算の対象から除外する処理を実行してから求めた組合せでは、指定された製品本数に対して不足する場合に、その不足する製品を指定数と一致せしめる処理を実行するように構成されている請求項4の製品取り合わせ計算装置。
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