JP2008170303A - X線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 テーブル位置に連動して現時点における被写体の位置で得られる断層像の領域を把握することができるX線CT装置を提供する。
【解決手段】 X線測定光学系13と、テーブル14を回転移動および並進移動させるテーブル駆動機構16と、入力装置22と、CT撮影を実行するCT撮影実行部34と、CT撮影により得られた被写体のX線透過データを記憶する透過データ記憶部41と、X線透過データから被写体の断層画像を再構成する再構成演算部35と、表示装置23とを備え、再構成により作成された少なくとも二面の断層画像を試し撮り画像として画像表示を行う試し撮り画像表示部37と、CT撮像可能領域を算出し、試し撮り画像に重畳して画像表示を行うCT撮像領域演算部38とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、物品の一部分の拡大断層画像を撮影する産業用X線CT装置に関する。
X線CT装置は、表示装置に画像表示される断層画像によって、外観から判断できない内部欠陥や内部構造等を観察することができるため、例えば電子部品やその他の工業製品の内部検査に利用されている。
X線CT装置の検出光学系は、X線源と、当該X線源に対向するように配置されるX線検出器とからなる。X線検出器には、イメージインテンシファイア(以下、IIと略す)とCCDカメラとを組み合わせたものが一般に用いられている。最近では、IIとCCDカメラとを組み合わせたX線検出器に代えて、フラットパネルX線検出器を使用したものも利用されている。そしてX線源とX線検出器との間に、被写体を載置するとともにX線光軸に直交する回転軸で回転させるための回転テーブルを備えている。
CT撮影を行うときは、X線源から透視用X線を照射して、被写体の透過X線像がX線検出器に撮像されるようにし、回転テーブルを微小角度ずつ回転させるごとに、X線検出器からX線透過データを取り込む。そして、取り込んだX線透過データを用いて、被写体の断層画像を再構成する(例えば、特許文献1参照)。表示装置では複数枚の断層像からなる3次元データからボリュームレンダリングによる3次元画像表示や任意断面画像表示(以下、MPR(Multi Planer Reconstruction)表示ともいう)が行われる。
ところで、X線CT装置において、被写体の一部領域を拡大した断層画像を表示することができる拡大再構成機能を備えたものが知られている。拡大再構成機能は、被写体の全領域を表示した断層画像上で関心領域を指定することで、関心領域をデジタル画像処理で拡大することにより、その断層像を画像表示するものである。しかしながら、拡大再構成機能により拡大された断層画像は、計算により拡大された断層画像であって、計算に寄与するX線透過データは拡大前のものと同じものを用いている。したがって、拡大再構成後の断層画像の画質は劣っていた。
そこで、テーブルをテーブル駆動機構で移動させるものが開発されている。このようなテーブル駆動機構によって、テーブルに載置された被写体を移動することにより、適切なX線透過データを新たに取り込むX線CT装置が知られている。つまり、テーブルの移動で、被写体の一部領域を拡大した透視X線像を撮影し、取り込んだ拡大透視X線像を再構成することで拡大された断層画像を得るようにしている。このとき、テーブル移動を行うテーブル駆動機構の制御は、入力装置からの駆動信号が与えられることによって実行される。
特開2004−117024号公報
ところで、上述したようなX線CT装置においては、被写体の一部領域を拡大した透視X線像を撮影するための調整は、表示装置に画像表示された被写体の透視X線画像及び撮像視野FOV(Field of View)(回転軸を中心とする回転体の領域)の数値情報(例えば円柱の場合は円柱形状の直径、高さ)を見ながら行うのが一般的である。コンデンサーの透視X線像を具体例にして、撮像視野の調整について説明する。図11は、表示装置に画像表示されたコンデンサー(被写体)の全体形状を写した透視X線画像の一例を示す図であり、図12は、コンデンサー(被写体)の一部領域の拡大透視X線画像の一例を示す図である。図11及び図12に示すように、コンデンサーの透視X線画像は、X線がコンデンサーを透過するときのX線透過データをそのまま用いて作成されるものであるため、X線が透過する領域のコンデンサーの内部構造が重なって画像表示されたものである。よって、図11や図12のようなコンデンサーの透視X線画像を見ながら、被写体の一部領域を拡大した透視X線像を撮影するための調整を行っても、コンデンサー全体のうちで、拡大CT撮影しようとするコンデンサーの領域(すなわち拡大時の撮像視野FOV)を直感的に把握することが困難であった。
そのため、まず初回の調整では、目的領域が含まれる比較的大きな領域(好ましくは全領域)のコンデンサーの透視X線画像が得られるように、大きなFOVでの試し撮り断層像を取得し、そこで得られた試し撮り断層画像を確認し、再び透視X線画像を見ながら、位置を調整するようにする。そして、コンデンサーの目的領域の(拡大)断層像が得られるまで、位置の調整を何度も繰り返して、撮像視野FOVを絞り込んでいた。
したがって、所望の画像を得るまでに手間がかかるとともに、内部構造が重なって画像表示された透視X線画像から想像して位置を調整することになり、直感的な操作が困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、被写体について所望の拡大断層画像を取得するためのテーブルの移動操作を行う際に、現在のテーブル位置で被写体をCT撮像した場合に得られる断層像の範囲を、直感的に把握しつつ、テーブルの位置、ひいては被写体の位置を調整することができるX線CT装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明のX線CT装置は、被写体の透視X線像を撮影するX線検出器と当該X線検出器に向けて透視用X線を照射するX線源とを有するX線測定光学系と、X線源とX線検出器との間に配置され、被写体を載置した状態で、並進移動、および、回転軸を中心とした回転移動が可能なテーブルと、駆動信号を作成するために入力操作される入力装置と、駆動信号に基づいてテーブルを回転移動および並進移動させるテーブル駆動機構と、前記テーブルを回転移動させつつ被写体の透視X線像を撮影することによりCT撮影を実行するCT撮影実行部と、CT撮影により得られた被写体のX線透過データを記憶する透過データ記憶部と、前記X線透過データを用いて、被写体の断層画像を再構成する再構成演算部と、画像表示が行われる表示装置とを備えるX線CT装置であって、再構成により作成された前記被写体の第一断層画像と当該第一断層画像と異なる方向の第二断層画像とを含む少なくとも二面の断層画像を試し撮り画像として画像表示を行う試し撮り画像表示部と、前記X線源、X線検出器及びテーブルの位置関係に基づいて、CT撮像可能領域を算出し、当該CT撮像可能領域を試し撮り画像に重畳して画像表示を行うCT撮像領域演算部とを備えるようにしている。
ここで、「試し撮り画像」とは、予め、現在(位置調整前)の位置での被写体とX線測定光学系との位置関係を確認しておくために表示する画像をいい、その後、所望の一部領域の拡大断層画像を取得できるように被写体とX線測定光学系との位置を調整しようとする際に、被写体におけるCT撮像可能領域を確認するために使用する画像をいう。
また、試し撮り画像として画面表示される第一断層画像と第二断層画像は、異なる2面が選択されればよいが、互いに直交する2面であることが好ましい。例えば、水平な方向の水平断層画像と回転軸と平行な方向の縦(垂直)断層画像との2面の組み合わせを表示するようにしてもよい。
本発明のX線CT装置によれば、まず、被写体の全領域の透視X線画像となるようにテーブルを移動させて(ただし必ずしも全領域である必要はなく被写体全体に対する透視X線画像位置がはっきり把握できる程度の領域であればよい)、被写体のCT撮影を実行し、得られたX線透過データに基づいて再構成することにより、表示装置に少なくとも異なる2面の断層画像を試し撮り画像として表示する。さらに、X線源、X線検出器及びテーブルの位置関係に基づいて、CT撮像可能領域を算出し、CT撮像可能領域を試し撮り画像(少なくとも2面の断層画像)に重畳して画像表示を行う。その後、テーブルを移動するごとに、CT撮像可能領域が算出し直され、テーブル移動後のCT撮像可能領域が試し撮り画像に重畳表示される。これにより、操作者が、次に拡大した断層像を得るためのCT撮影を実行する前に、テーブルを移動し、これから得られる水平断層像、垂直(縦)断層像などがどの範囲になるかを、2方向の断層画像上で直感的に把握しながら、テーブルの位置を定める。
また、上記課題を解決するためになされた本発明の第二のX線CT装置は、被写体の透視X線像を撮影するX線検出器と当該X線検出器に向けて透視用X線を照射するX線源とを有するX線測定光学系と、X線源とX線検出器との間に配置され、被写体を保持した状態で、並進移動、および、回転軸を中心とした回転移動が可能なテーブルと、前記駆動信号に基づいてテーブルを回転移動および並進移動させるテーブル駆動機構と、駆動信号を作成するために入力操作される入力装置と、前記テーブルを回転移動させつつ被写体の透視X線像を撮影することによりCT撮影を実行するCT撮影実行部と、CT撮影により得られた被写体のX線透過データを記憶する透過データ記憶部と、前記X線透過データを用いて、被写体の断層画像を再構成する再構成演算部と、画像表示が行われる表示装置とを備えるX線CT装置であって、X線測定光学系により撮影される透視X線像との位置関係が対応付けられた外観像を互いに異なる少なくとも2方向から写すためのカメラと、前記カメラにより写された前記被写体の第一外観画像と当該第一外観画像と異なる方向の第二外観画像とを含む少なくとも二面の外観画像を試し撮り画像として画像表示を行う試し撮り画像表示部と、前記X線源、X線検出器及びテーブルの位置関係に基づいて、CT撮像可能領域を算出し、当該CT撮像可能領域を試し撮り画像に重畳して画像表示を行うCT撮像領域演算部とを備えるようにしている。
ここで、カメラは、被写体の外観像を表示装置の画面に表示できるものであればよく、例えば、ビデオカメラ、デジタルカメラ等が使用できる。
少なくとも2方向から写すためのカメラの個数は、1つでも2つ以上でもよい。カメラが1つの場合は、2方向からの外観画像を得るために被写体を載置したテーブルを回転して2方向から撮影すればよい。カメラが2つの場合は、互いに異なる方向に配置すればよく、例えば1つはテーブル上方の天井部分、1つはテーブルの側方に配置すればよい。カメラが3つの場合には、たとえば直交する3軸方向に配置すればよく、ひとつはテーブル上方の天井部分、残り二つはテーブル側方に直交するように配置すればよい。さらに多くのカメラを用いることで、同時にさまざまな方向から被写体を観察することができ、3次元的に位置を把握することが容易になる。
また、試し撮り画像として画面表示される第一外観画像と第二外観画像は、互いに異なる少なくとも二面の外観画像であればよいが、互いに直交する2面であることが好ましい。例えば、水平画像(天井に取り付けたカメラからの撮影)と回転軸と平行な方向の垂直画像(テーブル側方に取り付けたカメラからの撮影)との2面の組み合わせを表示するようにしてもよい。
本発明のX線CT装置によれば、まず、被写体の全領域の外観画像が写るようにテーブルを移動させて(必ずしも全領域である必要はなく被写体全体に対する外観画像位置がはっきり把握できる程度の領域であればよい)、被写体の外観画像を2方向から撮影し、得られた外観画像を、表示装置に試し撮り画像として表示する。表示された外観画像は、X線測定光学系により撮影される透視X線像との位置関係が対応付けられているので、これと、X線源、X線検出器及びテーブルの位置関係に基づいて、CT撮像可能領域を算出し、CT撮像可能領域を、試し撮り画像上に重畳して画像表示を行う。これにより、操作者が、次に被写体の所望の位置を拡大した断層像を得るためのCT撮影を実行する前に、これから得られる水平断層像、垂直(縦)断層像がどの範囲になるかを、予め2方向の外観画像上で確認した上で、CT撮影を行う。
これらの発明によれば、CT撮影を実行する前に、現在のテーブルの位置、X線測定光学系の位置関係の状態でCT撮影した際に、得られる水平断層像、垂直(縦)断層像などがどの範囲になるかを、予め2方向の断層画像上または2方向の外観画像上で確認できるので、立体形状の物体についての拡大断層画像を得るためのCT撮影する際に、2方向の画像で直感的に確認しながら位置設定の操作を進めることができる。
(その他の課題を解決するための手段および効果)
上記発明において、試し撮り画像が表示されている状態で、CT撮像領域演算部はテーブルの移動に連動してCT撮像可能領域を算出し、試し撮り画像に重畳して表示されるCT撮像可能領域を更新するようにすればよい。
これによれば、テーブルを移動すると、連動してCT撮像可能領域が変化するので、断層像の撮像範囲を直感的に把握でき、また、所望の画像を得るためのテーブル移動の操作方向を直感的に把握することができる。
上記発明において、テーブルは、駆動信号に基づいて、X線光軸と同一方向でありかつ回転軸に直交するx方向と、回転軸と同一方向であるz方向とに移動可能に構成され、試し撮り画像は、z方向に垂直なxy平面に平行である被写体の水平断層画像または水平外観画像と、xy平面に垂直である被写体の縦断層画像または側面画像と、xy平面並びに縦断層画像若しくは側面画像に垂直である被写体の第二縦断層画像または第二側面画像を含むようにしてもよい。
これによれば、画面表示される断層画像または外観画像の方向とテーブルの移動方向との対応が容易になるので、テーブルを移動する際に、操作方向を直感的に把握することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
(実施形態1)
図1aは、本発明の一実施形態であるX線CT装置の構成を示すブロック図であり、図1bは、図1aに示すAの範囲の詳細図である。X線CT装置1は、X線源11とX線検出器12とを有するX線測定光学系13と、被写体を載置するテーブル14と、テーブル駆動機構16と、X線検出器駆動機構15と、X線CT装置1全体の制御を行う制御系(コンピュータ)20とにより構成される。
このX線CT装置1では、テーブル駆動機構16や、X線検出器駆動機構15により、テーブル14およびX線検出器12が原点位置(X線源とX線検出器とが真正面に対向している初期位置)から移動できるようにしてあるが、移動量や移動方向を設定したり演算したりするために、図1aに示すように、直交する三方向(x方向、y方向、z方向)を定めている。すなわち、テーブル14の被写体が載置される面(後述する上部板状体14a)に垂直な方向をz方向と定めている。また、被写体の拡大率を調整する際に、X線源11と被写体との距離SOD(Source to Object Distance)(正確にはX線源11と被写体を回転させる軸との距離SOD)を調整したり、X線源11とX線検出器12との距離SID(Source to Image Distance)を調整したりするが、このときテーブル14やX線検出器12を移動させる方向をx方向と定めている。さらにx方向およびz方向と直交する方向をy方向と定めている。したがって被写体が載置される面(水平面)はxy面となる。
X線源11は、X線検出器12に向けて透視用X線を円錐状に照射するX線管を有する。なお、X線検出器12が原点位置にあるときに、X線源11とX線検出器12の検出面中心とを結んだX線光軸が、上述したx方向となるように、X線源11およびX線検出器12が配置されている。
X線検出器12には、IIとCCDカメラとを組み合わせたものが用いられている。IIが透視用X線を検出することにより透視像を形成する。この透視像をCCDカメラが撮影することによって、透視用X線の映像信号がコンピュータ20に出力される。
X線検出器12は、x方向への並進移動ととともに、y方向にも併進移動が可能となるように形成されている。X線検出器12をx方向に移動させることで、X線源11とX線検出器12との距離SIDを調整することができる(SID軸調整という)。SID軸調整によりSIDを小さくすると、拡大率が下がり、IIが透視用X線を検出する検出感度が向上する。一方、SIDを大きくすると、拡大率が上がり、IIが透視用X線を検出する検出感度が低下することになる。
また、X線検出器12をy方向に移動させることで、回転中心を検出器の端に寄せて撮像する「オフセットスキャン」(後述)を実行することができる(II−y軸調整という)。
テーブル14は、下部部材14b、中部板状体14c、上部板状体14aとの3つの移動体で構成される。測定対象物は、水平な面からなる上部板状体14aの上に載置されるようにしてある。
下部部材14bは、x方向への並進移動とともに、z方向にも並進移動が可能となるようにしてある。
テーブル14の下部部材14bをx方向に移動させることで、X線源11と測定対象物との距離SODを調整することができる(SOD軸調整という)。SOD軸調整によりSODを小さくすると、拡大率が上がり、一方、SODを大きくすると、拡大率が下がる。
また、下部部材をz方向に移動させることで、撮像部分の高さの調整を行うことができる(z軸調整という)。
テーブル14の中部板状体14cは、下部部材14bに対して、z方向の回転軸(θ軸)で回転可能となるようにしてあり、上部板状体14aに載置された測定対象物を、この軸を中心に回転させることができる(θ軸調整という)。そしてCT撮像時には、θ軸を中心に回転させながら撮像することにより、さまざまな方向からの透視X線データを取得する。
テーブル14の上部板状体14aは、中部板状体14c上で、x方向とy方向とに併進移動が可能となるようにしてある。回転中心(θ軸)に対して、上部板状体14aをx方向、y方向に移動することにより、上部板状体14aに載置された測定対象物の撮像したい部分を回転中心に合わせることができる(θx軸/θy軸調整という)。
テーブル駆動機構16は、上部板状体14a、下部部材14b、中部板状体14c用にそれぞれ独立の駆動モータを備える。なお、テーブル駆動機構16の制御は、コンピュータ20の駆動信号発生部36(後述する)から出力された駆動信号が与えられることによって実行される。
X線検出器駆動機構15は、X線検出器12を移動させるための駆動モータを備える。なお、X線検出器駆動機構15の制御も、コンピュータ20の駆動信号発生部36(後述する)から出力された駆動信号が与えられることによって実行される。
コンピュータ20においては、CPU21を備え、さらに、X線透過データ、位置データ等を記憶するメモリ25と、モニタ画面23a等を有する表示装置23と、入力装置22である操作パネル22aやマウス22b(およびキーボード)とが連結されている。
また、CPU21が処理する機能をブロック化して説明すると、透視X線画像作成部31と、CT撮影実行部34と、再構成演算部35と、駆動信号発生部36と、試し撮り画像表示部37と、CT撮像領域演算部38とを有する。また、メモリ25は、X線透過データを記憶する透過データ記憶領域(透過データ記憶部)41と、位置データ記憶領域42と、断層像データ記憶領域43とを有する。
位置データ記憶領域42は、X線CT装置1内に設定された3次元座標系である基準座標(xyz座標)を記憶するとともに、駆動信号発生部36から出力された駆動信号により、中部板状体14cの現在の位置(xt,A,zt)及び回転角度(θt)、上部板状体14a上の座標系における現在の位置(θx,θy,zt+B)及びX線検出器12の現在の位置(xi、yi、C)の位置データを記憶するものである。さらに、X線源11の位置、並びに、これらの位置情報に基づいて算出することによりCT撮像可能領域27(撮像視野FOV)も記憶する。なお、A、B、Cは、予め設定された定数となる。
すなわち、「CT撮像可能領域」は、X線検出器12、X線源11、上部板状体14a及び中部板状体14cの位置関係から、幾何学計算により、テーブル14の回転軸を中心とした回転体領域(例えば円柱)として算出される。例えば、図2(a)は、X線検出器12、X線源11、上部板状体14a及び中部板状体14cの位置関係から算出されたCT撮像可能領域27の一例を示す平面図であり、図2(b)はその側面図である。図2の配置は「オフセットスキャン」と呼ばれる配置であり、X線検出器12を原点位置(X線源11とX線検出器12とが真正面に対向している初期位置)からy方向に移動した結果、X線源11とX線検出器12の中心と結ぶ線上からテーブル14の回転軸(θ軸)が外れた状態にしてある。
また、図3(a)は、X線検出器12、X線源11、上部板状体14a及び中部板状体14cの位置関係から算出されたCT撮像可能領域27の他の一例を示す平面図であり、図3(b)は、その側面図である。図3の配置は「ノーマルスキャン」と呼ばれる配置であり、X線検出器12は原点位置にあり、X線源11とX線検出器12の中心と結ぶ線と、テーブル14の回転軸とが交差する状態にしてある。
図2のオフセットスキャン、図3のノーマルスキャンのいずれの配置でも、テーブル14の回転軸を中心とした回転体領域が、CT撮像可能領域27(撮像視野FOV)となるので、この領域を簡単な幾何学計算により求める。このようにして求めたCT撮像可能領域27が位置データ記憶領域42に記憶される。
駆動信号発生部36は、テーブル14を移動させる駆動信号をテーブル駆動機構16に出力するとともに、X線検出器12を移動させる駆動信号をX線検出器駆動機構15に出力し、かつ、中部板状体14c、上部板状体14a及びX線検出器12の位置を記憶させる制御を行うものである。すなわち、駆動信号発生部36は、操作パネル22aやマウス22bによる入力操作や、後述するCT撮影信号を受信することによって、テーブル14又はX線検出器12を移動させることになる。また、駆動信号発生部36は、中部板状体14cの現在の位置(xt、A、zt)及び回転角度(θt)、上部板状体14a上の座標系における現在の位置(θx、θy、zt+B)、並びに、X線検出器12の現在の位置(xi、yi、C)の位置データを位置データ記憶領域42に記憶させることになる。
CT撮影実行部34は、駆動信号発生部36にCT撮影信号を出力し、回転軸を中心として、中部板状体14cを回転移動させる制御を行う。さらに、CT撮影実行部34は、後述する透視X線画像作成部31にCT撮影信号を出力し、予め設定された微小回転角度(Δθ)ごとに被写体の透視X線像を順次撮影する制御を行うものである。
透視X線画像作成部31は、X線検出器12から出力された映像信号から変換されたX線透過データに基づいて、モニタ画面23aに透視X線画像26の画像表示を行う。また、CT撮影中は、透過データ記憶領域41にX線透過データを記憶させる制御を行うものである。このとき、X線透過データは、中部板状体14cの現在の位置(xt、A、zt)及び回転角度(θt)、上部板状体14a上の座標系における現在の位置(θx、θy、zt+B)、並びに、X線検出器12の現在の位置(xi、yi、C)の位置データと対応させて、透過データ記憶領域41に記憶される。
再構成演算部35は、透過データ記憶領域41に記憶されたX線透過データを用いて、被写体の断層像を再構成するとともに、断層像データを断層像データ記憶領域43に記憶させる制御を行うものである。後述する試し撮り画像に対し、入力操作で表示したい断面を指定することにより、対応する断層画像が再構成される。
試し撮り表示部37は、モニタ画面23aに被写体の第一断層画像24a、第二断層画像24b及び第三断層画像24cの画像表示を行う制御を行うものである。例えば、図4及び図5に示すように、xy平面に平行である被写体の第一断層画像24a(水平断層画像)と、xy平面に垂直である被写体の第二断層画像24b(縦断層画像)と、xy平面及び第二断層像24bに垂直である被写体の第三断層画像24c(第二縦断層画像)との画像表示を行う。このように3つの互いに直交する断層画像どうしを表示するのが好ましいが、直交関係にない3つの断層画像でもよい。また、3つの断層画像ではなく、2つの断層画像、あるいは4つ以上の断層画像の画像表示を表示してもよい。
このとき、第一断層画像24a、第二断層画像24b及び第三断層画像24cには、お互いの位置関係がわかるように、各断層画像の位置を示すマークもそれぞれ表示するようにしている。具体的には、図4、図5に示すように第一断層画像24aでは、第二断層画像24bの位置を示す直線マークが、左上から右下に伸びるように画像表示されるとともに、第三断層画像24cの位置を示す直線マークが、右上から左下に伸びるように画像表示されている。また、第二断層画像24bでは、第一断層画像24aの位置を示す直線マークが、画像表示されている。さらに、第三断層画像24cでは、第一断層画像24aの位置を示す直線マークが画像表示されている。これらの直線マークの位置を入力操作により指定しなおすと、指定された位置の断面画像が再構成演算部35により作成され、新たに断層画像が画面表示される。
CT撮像領域演算部38は、断層像データ記憶領域43の断層像データ及び位置データ記憶領域42の位置データに基づいて、CT撮像可能領域27を算出し、CT撮像可能領域27を画面表示中の試し撮り画像24に重畳して画像表示を行う制御を行うものである。テーブル14又はX線検出器12を移動させたときには、移動するごとに断層像データ及び位置データに基づいて、現時点におけるCT撮像可能領域27を試し撮り画像24に重畳して画像表示を行うことになる。
例えば、図4、図5に示すように、第一断層画像24aには、CT撮像可能領域27を示す円が画像表示され、第二断層画像24bには、CT撮像可能領域27を示す四角形が画像表示され、第三断層画像24cには、CT撮像可能領域27を示す四角形が画像表示されている。このように、試し撮り画像24上にCT撮像可能領域27が重畳されて画像表示されるので、現時点におけるX線源11、X線検出器12及びテーブル14の位置関係が、所望の断層画像を得る上で適正な位置であるか否かを把握することができ、必要に応じて、さらなる入力操作によりテーブル14又はX線検出器12を移動して適正位置に近づけることができる。
次に、X線CT装置1により、被写体の拡大断層画像を得る手順について説明する。図6は、X線CT装置1による拡大断層画像を得る方法の一例について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、テーブル14上に、被写体を載置する。
次に、ステップS102の処理において、透視X線画像作成部31は、X線透過データに基づいて、モニタ画面23aに透視X線画像26の画像表示を行う。
次に、ステップS103の処理において、操作パネル22aやマウス22bによるテーブル14又はX線検出器12の移動の入力操作によって、被写体の全領域を写し出す透視X線画像26が得られるようにテーブル14又はX線検出器12を移動させて、xt、zt、θx、θy、xi、yiの調整(すなわちSOD軸、z軸、θx軸/θy軸、SID軸、II−y軸の調整)を行う。例えば、図5の左側に示すような被写体の正面方向の全体像が写る透視X線画像26となるように、テーブル14及び/又はX線検出器12を移動させる。このとき、モニタ画面23aには、透視X線画像26のみが画像表示されている(すなわち図5の右側の断層画像は得られていない)。
次に、ステップS104の処理において、操作パネル22aによる入力操作によって、CT撮影実行部34は、回転軸(θ軸)を中心として中部板状体14cを微小回転角度(Δθ)ごとに回転移動させ、被写体の透視X線像が順次撮影されるように、駆動信号発生部36および透視X線画像作成部31にCT撮影信号を出力する。CT撮影信号を受信した駆動信号発生部36は、中部板状体14cを回転移動させる駆動信号を、テーブル駆動機構16に出力する。透視X線画像作成部31は、テーブル駆動機構16によって微小角度回転されるごとに、透視X線像を撮影し、透過データ記憶領域41に蓄積する。
次に、ステップS105の処理において、再構成演算部35は、透過データ記憶領域41に記憶されたX線透過データを用いて、被写体の断層像を再構成するとともに、再構成された断層像データを断層像データ記憶領域43に記憶させる。
次に、ステップS106の処理において、試し撮り画像表示部37は、モニタ画面23aに、試し撮り画像24として、被写体の第一断層画像24a、第二断層画像24b及び第三断層画像24cの画像表示を行う。例えば、図7の右側に示すように、xy平面に平行である被写体の第一断層画像24a(水平断層画像)と、xy平面に垂直である被写体の第二断層画像24b(縦断層画像)と、xy平面及び第二断層画像24bに垂直である被写体の第三断層画像24c(第二縦断層画像)との画像表示を行う。このとき、第一断層画像24a、第二断層画像24b及び第三断層画像24c上には、CT撮像可能領域27の画像表示は行われていない。
次に、ステップS107の処理において、CT撮像領域演算部38は、断層像データ記憶領域43の断層像データ及び位置データ記憶領域42の位置データに基づいて、CT撮像可能領域27(撮像視野FOV)を算出して、CT撮像可能領域27を試し撮り画像24(24a〜24c)に重畳して画像表示する。例えば、図5に示すように、第一断層画像24a(水平断層画像)には、CT撮像可能領域27を示す円(破線で示す)を画像表示させ、第二断層画像24b(縦断層画像)には、CT撮像可能領域27を示す四角形(破線で示す)を画像表示させ、第三断層画像24c(第二縦断層画像)には、CT撮像可能領域27を示す四角形(破線で示す)を画像表示させる。
次に、ステップS108の処理において、被写体の目的領域の拡大された断層画像が得られるように、テーブル14又はX線検出器12を移動させる入力操作を行い、xt、zt、θx、θy、xi、yiの調整(SOD軸、z軸、θx軸/θy軸、SID軸、II−y軸の調整)を行う。このとき、図5と図4との差として示されるように、試し撮り画像(右側の3つの断層画像)上に示されていたCT撮像可能領域27が、現時点のX線源11、X線検出器12及びテーブル14の位置関係に連動して変化する。
このように、試し撮り画像24として表示される複数の断層画像上に、それぞれCT撮像可能領域27が重畳されて画像表示されるので、現時点におけるX線源11、X線検出器12及びテーブル14の位置関係により、被写体の目的領域の断層画像が得られるか否かを直感的に把握することができる。
次に、ステップS109の処理において、目的領域とCT撮像可能領域27との位置合わせがうまくできると、再度CT撮影を行う入力操作によって、CT撮影実行部34は、回転軸を中心として中部板状体14cを微小回転角度ごとに回転移動させて被写体の透視X線像が順次撮影されるように、駆動信号発生部36および透視X線画像作成部31にCT撮影信号を出力する。そして、CT撮影信号を受信した駆動信号発生部36は、中部板状体14cを移動させる駆動信号をテーブル駆動機構16に出力する。透視X線画像作成部31は、テーブル駆動機構16によって微小角度回転されるごとに、透視X線像を撮影し、それぞれの透過データ記憶領域41に蓄積する。
次に、ステップS110の処理において、再構成演算部35は、透過データ記憶領域41に記憶されたX線透過データを用いて、被写体の断層像を再構成するとともに、再構成された断層像データを断層像データ記憶領域43に記憶させる。
次に、ステップS111の処理において、試し撮り画像表示部37は、新たに記憶された拡大断層画像を、モニタ画面23aに表示する。この拡大断層画像は、目的領域を写す所望の断層画像である。但し、結果的に所望の拡大断層画像になっていないときは、改めて試し撮り画像として、S106以降S111までの処理が繰り返すことになる。
ステップS111の処理で所望の断層画像を得た場合には、本フローチャートを終了させることになる。
以上のように、X線CT装置1によれば、CT撮影を実行する前に、現在のテーブル14の位置、X線測定光学系13の位置関係の状態でCT撮影した際に、得られる水平断層像、垂直(縦)断層像などがどの範囲になるかを、予め3方向の断層画像上で確認できるので、立体形状の物体についての拡大断層画像を得るためのCT撮影する際に、2方向の画像で直感的に確認しながら位置設定の操作を進めることができる。つまり、テーブル14又はX線検出器12を移動させる入力操作を行い、xt、zt、θx、θy、xi、yi等の複数の調整(SOD軸、z軸、θx軸/θy軸、SID軸、II−y軸の調整)を実行することができるが、常に被写体をCT撮像した場合に得られる断層像の範囲を、直感的に把握しつつ、被写体の位置を調整することができる。
(実施形態2)
図8aは、本発明の他の一実施形態であるX線CT装置の構成を示すブロック図であり、図8bは、図8aに示すBの範囲の詳細図である。本実施形態では、試し撮り画像として、3方向からの外観画像を表示する。なお、図8a、図8bにおいて、図1a、図1bと同じものは同符号を付すことにより、説明の一部を省略する。
このX線CT装置2は、図1a、図1bのX線CT装置1に対し、テーブル14の上方にカメラ51を取り付け、テーブル14の側方にカメラ52を取り付けてある。これらのカメラ51およびカメラ52は、X線測定光学系13に対する位置関係を予め関係付けてあり、その結果、カメラ51、52で撮影した外観画像と、透視X線画像との位置関係が簡単に対応付けできるようにしてある。
また、コンピュータ20のCPU21には、カメラ画像作成部53が設けられている。
カメラ画像作成部53は、カメラ撮影を開始する入力操作によって、例えば図10に示すような被写体の第一外観像54a(平面視像)、第二外観像54b(側方視像)、及び、第三外観像54c(第一外観像および第二外観像と直交する方向の側方視像)を撮影する制御を行うものである。
具体的には、まずカメラ51により第一外観像54aを写し、続いて駆動信号発生部36から駆動信号を発生して中部板状体14cを回転し、x方向(X線光軸方向)から見たときの外観が写るように中部板状体14cの方向を調整してカメラ52により第二外観像54bを写し、さらに駆動信号を発生して中部板状体14cを回転し、y方向から見たときの外観が写るように中部板状体14cの方向を調整してカメラ52により第三外観像54cを写す。撮影後は、テーブル14を、第一外観像を写したときの状態に戻す。そして、写し撮った3面の外観像データを、外観像データ記憶領域44に記憶させる。
そして、試し撮り画像表示部37が、外観像データ記憶領域44に記憶された第一外観像データ、第二外観像データ、第三外観像データを、試し撮り画像として、モニタ画面23aに並べて画像表示する制御を行う。
図10は、これら3つの外観像データを並べて表示した状態を示す図である。xy平面に平行である被写体の第一外観画像54a(水平外観画像)と、xy平面に垂直である被写体の第二外観画像54b(x方向から見た外観画像)と、xy平面及び第二外観画像54bに垂直である被写体の第三外観画像54c(y方向から見た外観画像)との画像表示を行う。
CT撮像領域演算部38は、外観像データ記憶領域44の外観像データ及び位置データ記憶領域42の位置データに基づいて、CT撮像可能領域27を算出し、CT撮像可能領域27を、画面表示中の試し撮り画像54(第一外観画像54a、第二外観画像54b、第三外観画像54c)に重畳して表示する制御を行う。その後テーブル14又はX線検出器12を移動させたときには、移動するごとに外観像データ及び位置データに基づいて、現在におけるCT撮像可能領域27を算出し直し、試し撮り画像54(第一外観画像54a、第二外観画像54b、第三外観画像54c)に、現時点におけるCT撮像可能領域27を画像表示することになる。このときの画像変化は実施形態1における断層画像の場合と同様である。
このように、試し撮り画像54上に、CT撮像可能領域27が重畳されて画像表示されるので、現在のX線源11、X線検出器12及び回転テーブル14の位置関係が、所望の断層画像を得る上で適正な位置であるか否かを把握することができ、必要に応じて、さらなる入力操作により所望の位置にテーブル14又はX線検出器12を近づけるように入力操作することができる。
なお、試し撮り画像表示部37は、上述したように、試し撮り画像としてモニタ画面23aに外観画像を表示するが、最初に試し撮り画像の表示を外観画像により表示し、所望の範囲についてのCT撮影による断層画像を取得した後は、外観画像に代えて(拡大)断層画像を試し撮り画像としてモニタ画面23aに表示する。以後は、表示された(拡大)断層画像が試し撮り画像として利用されることになる。ただし、外観画像を試し撮り画像として表示し続けたい場合はそのようにしてもよい。
次に、X線CT装置2により、被写体の拡大断層画像を得る手順について説明する。図9は、X線CT装置2による拡大断層画像を得る方法の一例について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS201の処理において、テーブル14上に、被写体を載置する。
次に、ステップS202の処理において、透視X線画像作成部31は、X線透過データに基づいて、モニタ画面23aに透視X線画像26の画像表示を行う。
次に、ステップS203の処理において、操作パネル22aやマウス22bによるテーブル14又はX線検出器12の移動の入力操作を行い、被写体の全領域が写し出される透視X線画像26が得られるように、xt、zt、θx、θy、xi、yiの調整を行う。例えば、図5の左側に示すような被写体の正面方向の全体像が写る透視X線画像26となるように、テーブル14又はX線検出器12を移動させる。このとき、モニタ画面23aには、透視X線画像26のみが画像表示されている(すなわち図5の右側には外観画像は得られていない)。
なお、上記説明では、S202、S203の処理により、透視X線像を見ながら、試し撮り画像を得るための初期位置を設定するようにしているが、この調整は厳密に行う必要はないので、目視でテーブル14又はX線検出器12を移動して設定することもできる。したがって、透視X線像は必ずしも表示させる必要はなく、その場合は透視X線像の表示を省略してもよい。
次に、ステップS204の処理において、外観像を撮影する入力操作を行うことにより、カメラ画像作成部53、駆動信号発生部36により、テーブル14を移動させて、3方向の外観像を撮影する。
次に、ステップS205の処理においてそれぞれの外観像を外観データ記憶領域44に蓄積する。
次に、ステップS206の処理において、試し撮り画像表示部37は、モニタ画面23aに被写体の第一外観画像54a(水平外観画像)、第二外観画像54b(x方向から見た外観画像)及び第三外観画像54c(y方向から見た外観画像)の画像表示を行う(図10参照)。
このとき、第一外観画像54a、第二外観画像54b及び第三外観画像54c上には、CT撮像可能領域27の画像表示は行われていない。
次に、ステップS207の処理において、CT撮像領域演算部38は、外観データ記憶領域44の外観像データ及び位置データ記憶領域42の位置データに基づいて、CT撮像可能領域27(撮像視野FOV)を算出し、CT撮像可能領域27を試し撮り画像54(第一外観画像54a〜第三外観画像54c)に重畳して画像表示する。例えば、第一外観画像54a(水平断層画像)には、CT撮像可能領域27を示す円を画像表示させ、第二外観画像54b(縦外観画像)には、CT撮像可能領域27を示す四角形を画像表示させ、第三外観画像54c(第二縦外観画像)には、CT撮像可能領域27を示す四角形(破線で示す)を画像表示させる。
次に、ステップS208の処理において、拡大断層画像を得るようにするため、テーブル14又はX線検出器12を移動させる入力操作を行う。すなわちxt、zt、θx、θy、xi、yiの調整を行う。このとき、試し撮り画像(3つの外観画像)上に示されていたCT撮像可能領域27が、デーブル14又はX線検出器12の移動ごとに再度算出し直され、テーブル14又はX線検出器12の位置に連動してCT撮像可能領域27を変化させるようにする。
これにより、試し撮り画像54(第一外観画像54a、第二外観画像54b、第三外観画像54c)上に、CT撮像可能領域27が重畳されて画像表示されるので、現在のX線源11、X線検出器12及びテーブル14の位置関係が適正であるか否か、つまり被写体の目的領域の断層像が得られるか否かを直感的に把握することができ、必要に応じて、テーブル14又はX線検出器12を移動させる。
次に、ステップS209の処理において、目的領域とCT撮像可能領域27との位置合わせがうまくできると、再度CT撮影を行う入力操作によって、CT撮影実行部34は、回転軸を中心として中部板状体14cを微小回転角度ごとに回転移動させて被写体の透視X線像が順次撮影されるように、駆動信号発生部36および透視X線画像作成部31にCT撮影信号を出力する。そして、CT撮影信号を受信した駆動信号発生部36は、中部板状体14cを移動させる駆動信号をテーブル駆動機構16に出力する。透視X線画像作成部31は、テーブル駆動機構16によって微小角度回転されるごとに、透視X線像を撮影し、それぞれの透過データ記憶領域41に蓄積する。
次に、ステップS210の処理において、再構成演算部35は、透過データ記憶領域41に記憶されたX線透過データを用いて、被写体の断層像を再構成するとともに、再構成された断層像データを断層像データ記憶領域43に記憶させる。
次に、ステップS211の処理において、試し撮り画像表示部37は、記憶された拡大断層画像を、モニタ画面23aに表示する。この拡大断層画像は、目的領域を写す所望の断層画像であるが、結果的に所望の拡大断層画像が写されていないときは、改めて試し撮り画像として、S208以降S211の処理が繰り返されることになる。
そして、ステップS211の処理で、所望の断層画像を得た場合には、本フローチャートを終了させることになる。
本発明は、電子部品等の工業製品の内部欠陥や内部構造等を非破壊のもとに調査すべく、その断層像を得るための産業用のX線CT装置に利用することができる。
本発明の一実施形態であるX線CT装置の構成を示すブロック図。 図1aに示すAの範囲の詳細図。 X線検出器、X線源及びテーブルの位置関係から算出されたCT撮像可能領域の一例を示す図(オフセット配置)。 X線検出器、X線源及びテーブルの位置関係から算出されたCT撮像可能領域の他の一例を示す図(ノーマル配置)。 表示装置の画面に表示された透視X線像(一部拡大像)および試し撮り画像(3方向断層像)の一例を示す図である。 表示装置の画面に表示された透視X線像(全体像)および試し撮り画像(3方向断層像)の一例を示す図である。 図1のX線CT装置1による拡大断層像を得る方法の一例について説明するためのフローチャート。 表示装置の画面に映し出された透視X線像(全体像)および試し撮り画像(3方向断層像)の一例を示す図である(CT撮影領域重畳表示前の画像)。 本発明の他の一実施形態であるX線CT装置の構成を示すブロック図。 図8aに示すBの範囲の詳細図。 図8aのX線CT装置2による拡大断層像を得る方法の一例について説明するためのフローチャート。 試し撮り画像の他の一例を示す図(三方向外観像)。 表示装置の画面に表示されたコンデンサーの全領域の透視X線画像の一例を示す図。 表示装置の画面に表示されたコンデンサーの一部領域の拡大透視X線画像の一例を示す図。
符号の説明
1: X線CT装置
11: X線源
12: X線検出器
13: X線測定光学系
14: テーブル
16: テーブル駆動機構
20: 制御系(コンピュータ)
21: CPU
22: 入力装置
23: 表示装置
24: 試し撮り画像
25: メモリ
26: 透視X線画像
27: CT撮像可能領域
31: 透視X線画像作成部
35: 再構成演算部
37: 試し撮り画像表示部
38: CT撮像領域演算部
41: 透過データ記憶部
44: 外観データ記憶領域
51、52: カメラ
53: カメラ画像作成部

Claims (4)

  1. 被写体の透視X線像を撮影するX線検出器と当該X線検出器に向けて透視用X線を照射するX線源とを有するX線測定光学系と、
    X線源とX線検出器との間に配置され、被写体を載置した状態で、並進移動、および、回転軸を中心とした回転移動が可能なテーブルと、
    駆動信号を作成するために入力操作される入力装置と、
    駆動信号に基づいてテーブルを回転移動および並進移動させるテーブル駆動機構と、
    前記テーブルを回転移動させつつ被写体の透視X線像を撮影することによりCT撮影を実行するCT撮影実行部と、
    CT撮影により得られた被写体のX線透過データを記憶する透過データ記憶部と、
    前記X線透過データを用いて、被写体の断層画像を再構成する再構成演算部と、
    画像表示が行われる表示装置とを備えるX線CT装置であって、
    再構成により作成された前記被写体の第一断層画像と当該第一断層画像と異なる方向の第二断層画像とを含む少なくとも二面の断層画像を試し撮り画像として画像表示を行う試し撮り画像表示部と、
    前記X線源、X線検出器及びテーブルの位置関係に基づいて、CT撮像可能領域を算出し、当該CT撮像可能領域を試し撮り画像に重畳して画像表示を行うCT撮像領域演算部とを備えたことを特徴とするX線CT装置。
  2. 被写体の透視X線像を撮影するX線検出器と当該X線検出器に向けて透視用X線を照射するX線源とを有するX線測定光学系と、
    X線源とX線検出器との間に配置され、被写体を保持した状態で、並進移動、および、回転軸を中心とした回転移動が可能なテーブルと、
    前記駆動信号に基づいてテーブルを回転移動および並進移動させるテーブル駆動機構と、
    駆動信号を作成するために入力操作される入力装置と、
    前記テーブルを回転移動させつつ被写体の透視X線像を撮影することによりCT撮影を実行するCT撮影実行部と、
    CT撮影により得られた被写体のX線透過データを記憶する透過データ記憶部と、
    前記X線透過データを用いて、被写体の断層画像を再構成する再構成演算部と、
    画像表示が行われる表示装置とを備えるX線CT装置であって、
    X線測定光学系により撮影される透視X線像との位置関係が対応付けられた外観像を互いに異なる少なくとも2方向から写すためのカメラと、
    前記カメラにより写された前記被写体の第一外観画像と当該第一外観画像と異なる方向の第二外観画像とを含む少なくとも二面の外観画像を試し撮り画像として画像表示を行う試し撮り画像表示部と、
    前記X線源、X線検出器及びテーブルの位置関係に基づいて、CT撮像可能領域を算出し、当該CT撮像可能領域を試し撮り画像に重畳して画像表示を行うCT撮像領域演算部とを備えたことを特徴とするX線CT装置。
  3. 試し撮り画像が表示されている状態で、CT撮像領域演算部はテーブルの移動に連動してCT撮像可能領域を算出し、試し撮り画像に重畳して表示されるCT撮像可能領域を更新することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のX線CT装置。
  4. 前記テーブルは、前記駆動信号に基づいて、X線光軸と同一方向でありかつ回転軸に直交するx方向と、回転軸と同一方向であるz方向とに移動可能に構成され、
    前記試し撮り画像は、z方向に垂直なxy平面に平行である被写体の水平断層画像または水平外観画像と、xy平面に垂直である被写体の縦断層画像または側面外観画像と、xy平面並びに縦断層画像若しくは側面外観画像に垂直である被写体の第二縦断層画像または第二側面外観画像を含むことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のX線CT装置。
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