JP2008170038A - 調理器具用温度検出装置 - Google Patents

Abstract

【課題】簡単な構造で外径を小さくすることができ、調理具の温度検知を正確に行うことができる調理器具用温度検出装置を提供する。
【解決手段】ガステーブル等の調理器上面に設けられ、調理器に載置された鍋等の調理具４２底面に当接して、調理具４２の載置により退避可能に設けられたセンサ装置部４４を有する。センサ装置部４４が移動自在に取り付けられた支持シャフト４６と、センサ装置部４４の上端部に取り付けられ調理具４２の底面に当接する集熱板４８を備える。集熱板４８の裏面に固定された温度センサ５２と、温度センサ５２を収容し、集熱板４８に上端部全周が液密に固定された筒状のホルダ５６を備える。支持シャフト４６に対して、集熱板４８及びホルダ５６を突出方向に付勢したバネ部材５８を有する。ホルダ５６の上端部から下端部付近までを同心状に所定空間を空けて覆うとともに、ホルダ５６上端部全周に液密に固定され下端部が開放されたカバー６２を備える。
【選択図】図１

Description

この発明は、ガステーブルやガスコンロのガスバーナ上に載置された鍋などの調理具の温度を検出する調理器具用温度検出装置に関する。

従来、ガステーブルやガスコンロには、鍋などの調理具が載置されていることを検出し、さらに調理具の底面に接してその温度を検知する温度センサが設けられている。この調理器具用温度検出装置としては、例えば図３に示すような構造のものがある。この調理器具用温度検出装置は、上端部に真鍮等の金属を切削加工して形成した円盤状の集熱板１０が設けられ、集熱板１０の裏面に形成された嵌合凹部１２内に温度センサであるサーミスタ１４が密に嵌合している。集熱板１０は、側縁部に形成された取付溝１６に円筒状のホルダ１８の上端部１８ａが塑性変形された係止されている。

ホルダ１８の上端部１８ａ内には、集熱板１０の嵌合凹部１２内に位置したサーミスタ１４が収容され、サーミスタ１４から延出したリード線２０も通されている。ホルダ１８内にはコイルバネ２２がリード線２０と同心状に収納され、上端部が集熱板１０の裏面に当接し、下端部は、ホルダ１８が相対的に摺動可能であるとともに位置決めされるストッパ２４に当接している。ストッパ２４は、支持シャフト２６の上端部に固定され、ホルダ１８の下方に位置した係止凸部１８ｂが係止し、係止凸部１８ｂがストッパ２４より下方に摺動可能に設けられている。

ストッパ２４は環状に形成され、中央の透孔には支持シャフト２６の先端が固定され、支持シャフト２６内にリード線２０が挿通されている。支持シャフト２６は図示しないガスコンロ等の調理器に垂直方向に固定されている。

ホルダ１８のほぼ半分より上方には、円筒状のカバー３０が取り付けられている。カバー３０はその上端部３０ａは開口し、集熱板１０表面より僅かに下に位置し、集熱板１０の周縁との間に環状の空間３０ｂが形成されている。カバー３０の下端部３０ｃは、絞られてホルダ１８の側面に固定されている。下端部３０ｃの絞られた箇所の底部には透孔３２が形成され、煮こぼれ等の液体が流れ出るように形成されている。

また、特許文献１、２に開示されているように、温度センサのサーミスタの周囲にホルダを設けて、集熱板をホルダ上端部にカシメにより固定した調理器具用温度検出装置も提案されている。この場合、ホルダの外側にはカバーが設けられていないものである。
特開２００２−２４３５５８５号公報 特開２００６−３４７８３号公報

上記従来の技術の図３に示す調理器具用温度検出装置の場合、集熱板１０を保持したホルダ１８の外側に、カバー３０が嵌挿され全体の外径が大きくなり、ガステーブルやガスコンロのバーナ周辺部の空間に占める割合が大きくなり、外観上も好ましくないものであった。また、カバー３０の外径を小さくすると、調理具からの煮こぼれ等がカバー３０とホルダ１８との間の空間３０ｂに入って詰まったり、集熱板１０とカバー３０の間に挟まってしまうことがあり、放熱性能や温度検知に支障が生じる場合があった。さらに、ホルダ１８等に煮こぼれが付着すると、支持シャフト２６にホルダ１８が固着し、ホルダ１８が摺動しなくなる場合もあった。従って、カバー３０の外径を小さくするには限界があった。さらに、煮こぼれ用の透孔３２からバーナの熱がホルダ１８に伝わり、サーミスタ１４の温度検知に悪影響を与えるものであった。特に、高出力のバーナや内炎バーナにより、下部より上昇する熱風による悪影響があった。その他、小径カバーの場合、部品加工上透孔を設けることが出来ないという問題もあった。

また、特許文献１、２に示す温度検出装置は、センサ部分の外径は小さくできるが、サーミスタの外側のホルダに直接バーナの熱が伝わり、正確に鍋等の調理具の温度を検知できない恐れがあった。また、カシメによりホルダと集熱板を固定する場合、３点カシメにより固定している。しかし、カシメ部分の変形によってホルダと集熱板間に隙間ができ、煮こぼれが内部に侵入し固着する場合もある。

この発明は、上記従来技術の問題に鑑みて成されたもので、簡単な構造で外径を小さくすることができ、調理具の温度検知を正確に行うことができる調理器具用温度検出装置を提供することを目的とする。

この発明は、ガステーブルやガスコンロ等の調理器上面に設けられ、前記調理器に載置された鍋等の調理具の底面に当接して、前記調理具の載置により退避可能に設けられたセンサ装置部と、このセンサ装置部が移動自在に取り付けられた支持部材と、前記センサ装置部の上端部に取り付けられ前記調理具底面に当接する集熱板と、この集熱板の裏面に固定された温度センサと、前記温度センサ及びそのリード線を収容し前記集熱板に上端部全周が液密に固定された筒状のホルダと、前記支持部材に対して前記集熱板及びホルダを突出方向に付勢したバネ部材と、前記ホルダの上端部から下端部付近までを同心状に所定空間を空けて覆うとともに、前記ホルダ上端部全周に液密に隙間なく固定され下端部が開放されたカバーとから成る調理器具用温度検出装置である。

さらに、前記ホルダ上端部は端部が側方に開いて形成され、前記集熱板の周縁部が前記ホルダの上端部全周に亘って折り込まれて、液密状態に全周に亘りカシメられている。また、前記カバーの上端部は、環状に端面が形成され、中心部が前記ホルダの上端部外周に圧入されて固定され、その状態でホルダ上端部及びカバー上端部が液密に密着されている。前記カバーの上端部は、前記集熱板の裏面側から僅かに隙間を空けて前記ホルダに固定されている。

また、前記センサ装置部が前記調理器上に突出した状態で前記ホルダが当接するストッパ部が、前記支持部材である支持シャフトに一体に設けられているものである。

この発明の調理器具用温度検出装置によれば、小径化が容易であり、温度検知における誤差も少なく、正確な温度検出が可能となるものである。また、外径が小径であることから、調理器具の邪魔にならず、外観上も良好なものであり、煮こぼれに対しても液体が装置内に入らないものである。

以下、この発明の調理器具用温度検出装置の一実施形態について、図１、図２を基にして説明する。この実施形態の調理器具用温度検出装置４０は、ガステーブルなどのガスバーナ中央近傍に取り付けられ、鍋などの調理具４２がガステーブル等に載置さる位置に退避可能に突出して取り付けられている。調理器具用温度検出装置４０は、図１に示すように、調理具４２の底面に当接して退避可能に設けられたセンサ装置部４４と、センサ装置部４４が摺動自在に取り付けられた支持部材である支持シャフト４６を備えている。支持シャフト４６は、図示しないガステーブル等の調理器の内部に垂直方向に固定されている。

センサ装置部４４の上端部には、調理具４２の底面に当接し面接触するステンレスの円板からなる集熱板４８と、集熱板４８の裏面に固定されたステンレス製の筒体等のセンサ嵌合部５０が設けられている。センサ嵌合部５０は、上端部がフランジ状に開かれてそのフランジ状部分が集熱板４８の裏面に溶接され、下端部が開口している。センサ嵌合部５０には、サーミスタ等の温度センサ５２が緊密に嵌合され、温度センサ５２の端部は集熱板４８の裏面に接触している。

集熱板４８は、温度センサ５２及びそのリード線５４を収容した筒状のホルダ５６の上端部５６ａに固定されている。ホルダ５６の上端部５６ａは、フランジ状に開かれ、集熱板４８の周縁部がホルダ５６の上端部５６ａのフランジ状部分全周に亘って折り込まれて、液密状態に円周上の全周に亘りカシメられている。ホルダ５６内には、支持シャフト４６に対して集熱板４８及びホルダ５６を突出方向に付勢したコイルバネであるバネ部材５８が収納されている。バネ部材５８は、その上端部５８ａが集熱板４８の裏面側を付勢し、下端部５８ｂは、支持シャフト４６の上端部に形成された凸部であるストッパ部６０と、このストッパ部６０と同じ高さで支持シャフト４６の上端部に固定されたガイド片６１に当接している。そして、ホルダ５６は、下方部分に段部５６ｃが形成されやや細径の下端部５６ｂが形成されている。この段部５６ｃでストッパ部６０とガイド片６１に係合し、センサ装置部４４が突出位置に係止される。ストッパ部が６０は、支持シャフト４６を塑性変形させて一体に設けられている。

ホルダ５６には、その上端部５６ａから下端部５６ｂ付近までを同心状に所定空間６４を空けて覆うカバー６２が取り付けられている。カバー６２は、上端部６２ａが有底に形成され、その内側が筒状の貫通孔６２ｂとして形成されている。カバー６２の上端部６２ａは、ホルダ５６の上端部５６ａの外周に圧入されて固定され、カバー６２の上端部６２ａは、集熱板４８の裏面側に対して僅かに断熱用の隙間６６を空けてホルダ５６に固定されている。ホルダ５６とカバー６２の固定は、緊密に貫通孔６２ｂで液密状態に緊密に嵌合したものである。またカバー６２の下端部は、ホルダ５６の下端部６２ｃが開放されたカバー６２から成る。

次に、この調理器具用温度検出装置４０の動作、作用について説明する。図１に示すように、この調理器具用温度検出装置４０が設置された図示しないガステーブルに、調理具４２を載置すると、調理具４２の底面に集熱板４８が当接しセンサ装置部４４が下方へ摺動する。このとき、集熱板４８とともにホルダ５６もバネ部材５８に抗して退避し、調理具４２がガステーブル等の載置位置に載せられた状態で停止する。

この状態で調理具４２による調理が行われ、その際に煮こぼれがあった場合、調理具４２の側面を伝った汁がセンサ装置部４４の集熱板４８に流れることがある。この場合も、その汁は、集熱板４８から、ホルダ５６の上端部５６ａに流れ、カバー６２に上端部６２ａを経て、ホルダ５６内に入り込むことなくカバー６２の側面を流れ落ちる。

また、この調理器具用温度検出装置４０は、ガスバーナ等の火力に対して、カバー６２の上端部６２ａが閉じており、閉じられた空間は断熱効果を発揮して、温度センサ５２に悪影響を与えることがない。また、この調理器具用温度検出装置４０は、集熱板４８の周囲にカバー６２に開口部がなく、煮こぼれ等の汁がセンサ装置部内へ入り込むことがない。特に、ホルダ５６とカバー６２の間の空間の上方部分に開口部や隙間がなく、煮こぼれ等の汁や具が空間部に詰まることがなく、装置の小径化にも寄与している。

なお、この発明の調理器具用温度検出装置は上記実施形態に限定されるものではなく、ホルダやカバーの形状は適宜設定可能なものである。

この発明の一実施形態の調理器具用温度検出装置の拡大断面図である。 この実施形態の調理器具用温度検出装置の正面図である。 従来の調理器具用温度検出装置の拡大断面図である。

符号の説明

４０ 調理器具用温度検出装置
４２ 調理具
４４ センサ装置部
４６ 支持シャフト
４８ 集熱板
５０ センサ嵌合部
５２ 温度センサ
５４ リード線
５６ ホルダ
５８ バネ部材
６２ カバー

Claims (5)

1. 調理器上面に設けられ、前記調理器に載置された調理具の底面に当接し前記調理具の載置により退避可能に設けられたセンサ装置部と、このセンサ装置部が移動自在に取り付けられた支持部材と、前記センサ装置部の上端部に取り付けられ前記調理具底面に当接する集熱板と、この集熱板の裏面に固定された温度センサと、前記温度センサ及びそのリード線を収容し前記集熱板に上端部全周が液密に固定された筒状のホルダと、前記支持部材に対して前記集熱板及びホルダを突出方向に付勢したバネ部材と、前記ホルダの上端部から下端部付近までを同心状に所定空間を空けて覆うとともに、前記ホルダ上端部全周に液密に隙間なく固定され下端部が開放されたカバーとから成ることを特徴とする調理器具用温度検出装置。
2. 前記ホルダ上端部は端部が側方に開いて形成され、前記集熱板の周縁部が前記ホルダの上端部全周に亘って折り込まれて、液密状態に全周に亘りカシメられていることを特徴とする請求項１記載の調理器具用温度検出装置。
3. 前記カバーの上端部は、環状に端面が形成され、中心部が前記ホルダの上端部外周に圧入されて固定され、その状態でホルダ上端部及びカバー上端部が液密に密着されていることを特徴とする請求項１または２記載の調理器具用温度検出装置。
4. 前記カバーの上端部は、前記集熱板の裏面側から僅かに隙間を空けて前記ホルダに固定されていることを特徴とする請求項１，２または３記載の調理器具用温度検出装置。
5. 前記センサ装置部が前記調理器上に突出した状態で前記ホルダが当接するストッパ部が、前記支持部材である支持シャフトに一体に設けられていることを特徴とする請求項１記載の調理器具用温度検出装置。
   

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